説明

抗菌溶液およびプロセス

【課題】家禽および肉を処理するための抗菌溶液を提供すること。
【解決手段】ヒトに有害な細菌および微生物を実質的に除去するために家禽および肉を処理するための抗菌溶液を開示する。その水溶液は、有効な量の少なくとも2つの第4級アンモニウム塩の組み合わせ、ハロゲン化アンモニウム、トリクロロメラミンおよび水を含む。第4級アンモニウム塩の組み合わせは、塩化セチルピリジニウム、塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムおよび塩化アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムの中から選択され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年3月5日に出願された米国仮出願第60/451,678号、および2003年10月3日に出願された米国仮出願第60/507,949号による出願日の優先権を主張し、その仮出願の両方は、それらの全体が本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して、食品中の病原微生物を除去するための組成物および方法に関連する。より詳細には、本発明は、病原菌を実質的に除去するために、肉および家禽を処理するための水溶性組成物に関する。
【0003】
食品を媒介とする疾患の予防は、食品業界、大衆および監督官庁にとって最大の関心事である。Salmonellaは、潜在的に致命的な結果を有する、より一般的な腸感染の1つである。The U.S.Centers for Disease Control and Preventionは、毎年約40,000症例のサルモネラ症が米国において報告されていると報告している。多くの軽い疾患は、診断または報告されないので、感染症の実際の数は、30倍またはそれ以上であり得る。サルモネラ症は、冬季の数ヶ月間より暖かい数ヶ月に、より一般的である。幼児、高齢者、および免疫無防備状態は、重症の感染症に最もかかりやすい。急性のサルモネラ症で、毎年約600人が死亡していると推定されている。
【0004】
他の食品を媒介とする微生物としては、Aeromonas hydrophila;Arcobacter butzleri;Bacillus cereus;Campylobacter jejuni;Escherichia coli(「e−coli」);Listeria monocytogenes;Staphylococcus aureusが挙げられる。これらおよび他の微生物は、家禽および肉組織に付着し、単独で洗い流す微生物の除去を困難にさせる。従って、照射、化学処理および物理工程を含む他の処理が、この問題を解決するために使用されている。例えば、リン酸三ナトリウムが、Salmonellaを除去するために、家禽処理において使用されている。しかし、研究は、Salmonella処理に対するリン酸三ナトリウムの効力の矛盾する結果を提供している。
【0005】
特許文献1は、第4級アンモニウム化合物(「QAC」)の水溶液を含む組成物を開示している。しかし、アルキルピリジニウムおよび塩化セチルピリジニウム(「CPC」)および臭化セチルピリジニウム(「CPB」)を含む第4級アンモニウム陽イオン界面活性剤は、S.typhimuriumおよび他の種でない微生物を除去する際に効果的であると報告されている。CPCを用いた処理が長期間、大量のCPCを肉または家禽に接触する工程を必要とすることもまた見い出されている。これは、組成物中のQACおよび他の化学物質を除去するために、高価な流れに沿った処理工程を必要とする。代表的に、これは噴霧されて有害廃棄物と同様に運ばれて生成物を取り戻すことによって行われる。
【0006】
特許文献2は、病原性の毒素を産生するEscherichia汚染の付着を阻害、および除去するためのQACを含む組成物を開示している。この特許は、水溶液中のアルキルピリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびアルキルアルサイクリック(alkylalcyclic)アンモニウム塩からなる群より選択されるQACを含む組成物を開示している。
【0007】
他の処理方法としては、塩素溶液を用いるか、またはリン酸三ナトリウムの溶液を用いる処理が挙げられる。塩素溶液は、病原微生物の全てを除去する効果がないと見い出されている。リン酸三ナトリウムは、家禽の内部および外部が消毒される再処理工程に使用されている。この工程は、リン酸三ナトリウムを除去するために、処分前に再処理装置の水を濾過する工程を必要とする。
【0008】
現在、広範囲の微生物に対して効果的である有効な抗菌剤は知られていない。従って、広範囲の微生物を除去するために、汚染された家禽および肉を処理するための組成物ならびに方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,366,983号明細書
【特許文献2】米国特許第5,855,940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、食品を媒介とする微生物を死滅させるための組成物および方法を提供することである。本発明の別の目的は、家禽および肉組織における微生物の増殖を実質的に阻害するための組成物を提供することである。本発明のさらに別の目的は、ヒトの食物摂取のための安全である組成物を提供することである。本発明のこれらならびにさらなる目的、特性、および利点は、添付の図面と併せて理解される本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後で明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
微生物および他の食品を媒介とする細菌を処理するための組成物であって、改良として、約6重量%〜8重量%の量の塩化セチルピリジニウム;約0.005重量%〜0.02重量%の量の塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウム;約0.005重量%〜0.02重量%の量のトリクロロメラミン;約0.005重量%〜0.02重量%の量のAD−16第4級アンモニウム塩;およびバランスの水を含む水溶液を包含する、組成物。
(項目2)
項目1に記載の組成物であって、塩化セチルピリジニウムが、約7.5重量%の量で存在する、組成物。
(項目3)
項目1に記載の組成物であって、前記塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムが、約0.01重量%の量で存在する、組成物。
(項目4)
項目1に記載の組成物であって、前記トリクロロメラミンが、約0.01重量%の量で存在する、組成物。
(項目5)
項目1に記載の組成物であって、前記AD−16第4級アンモニウム塩が、約0.01重量%の量で存在する、組成物。
(項目6)
項目1に記載の組成物であって、前記水が、約92.47重量%の量で存在する、組成物。
(項目7)
微生物および他の食品を媒介とする細菌を実質的に除去するための組成物であって、改良として、約6重量%〜8重量%の量の塩化セチルピリジニウム;約0.005重量%〜0.02重量%の量の塩化ジデシルジメチルアンモニウム;約0.005重量%〜0.02重量%の量のトリクロロメラミン;約0.005重量%〜0.02重量%の量のAD−16第4級アンモニウム塩;およびバランスの水を含む抗菌溶液を包含する、組成物。
(項目8)
項目7に記載の組成物であって、塩化セチルピリジニウムが、約7.5重量%の量で存在する、組成物。
(項目9)
項目7に記載の組成物であって、塩化ジデシルジメチルアンモニウムが、約0.01重量%の量で存在する、組成物。
(項目10)
有効な量の少なくとも2つの第4級アンモニウム塩の組み合わせ、ハロゲン化アンモニウム、トリクロロメラミンおよび水を含む、水溶性組成物。
(項目11)
項目10に記載の水溶性組成物であって、前記少なくとも2つの第4級アンモニウム塩の組み合わせが、塩化セチルピリジニウム、塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムおよび塩化アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムから本質的になる群より選択される、水溶性組成物。
(項目12)
項目10に記載の水溶性組成物であって、前記少なくとも2つの第4級アンモニウム塩の組み合わせが、約6.02重量%〜8.02重量%の量で存在する、水溶性組成物。
(項目13)
水および/または蒸気で胴体を加熱するための熱湯消毒器、1つ以上の抗菌溶液を胴体に噴霧するための噴霧ステーションおよび冷却ステーションを通して家禽の胴体を処理する工程によって、家禽における食品を媒介とする微生物を実質的に除去するためのプロセスであって、改良として、噴霧ステーションでトリクロロメラミンおよび水とを組み合わせる少なくとも2つの第4級アンモニウム塩を有する組成物を適用する工程、ならびに熱湯消毒器における使用のために該組成物を再利用する工程を包含する、プロセス。
(項目14)
項目13に記載のプロセス改良であって、前記少なくとも2つの第4級アンモニウム塩が、塩化セチルピリジニウム、塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムおよび塩化アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムからなる群より選択される、プロセス改良。
(項目15)
項目13に記載のプロセス改良であって、前記少なくとも2つの第4級アンモニウム塩の組み合わせが、約6.02重量%〜8.02重量%の量で存在する、プロセス改良。
(項目16)
塩化セチルピリジニウム、塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウム、トリクロロメラミン、AD−16第4級アンモニウム塩および水から本質的になる、有効な量の溶液を用いて肉製品を処理する工程を包含する、食品を媒介とする病原体を除去するための方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、塩化セチルピリジニウム、塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウム、トリクロロメラミン、AD−16第4級アンモニウム塩の各々が、それぞれ、約6重量%〜8重量%、0.005重量%〜0.02重量%、0.005重量%〜0.02重量%および0.005重量%〜0.02重量%の量で存在する、方法。
(項目18)
項目16に記載の方法であって、食品を媒介とする汚染が、微生物、細菌および微生物因子を包含する、方法。
(項目19)
塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウム、トリクロロメラミン、AD−16第4級アンモニウム塩および水から本質的になる、有効な量の溶液を用いて肉製品を処理する工程を包含する、微生物を除去するための方法。
(項目20)
項目19に記載の方法であって、塩化セチルピリジニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、トリクロロメラミン、AD−16第4級アンモニウム塩の各々が、それぞれ、約6重量%〜8重量%、0.005重量%〜0.02重量%、0.005重量%〜0.02重量%および0.005重量%〜0.02重量%の量で存在する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、以下の非限定的な図を用いて例示される:
【図1】図1は、家禽処理に行われる従来の処理工程を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の1つの実施形態による処理方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、コントロール溶液と比較した病原菌単離体および腐敗菌単離体についての抗菌溶液の比較効果を示す。
【図4】図4は、本発明の1つの実施形態による抗菌溶液およびコントロール溶液に曝露した場合の細菌コロニーの減少を比較的に示す。
【図5】図5は、コントロール溶液に対して別の実施形態による抗菌組成物の比較効果を示す。
【図6】図6は、本発明の1つの実施形態による抗菌溶液およびコントロール溶液に曝露した場合の細菌コロニーの減少を比較的に示す。
【図7】図7は、コントロール溶液と比較した種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図8】図8は、コントロール溶液と比較したSalmonella typhimuriumについての抗菌溶液の比較効果を比較的に示す。
【図9】図9は、Listeria moncytogenesについての種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図10】図10は、Listeria moncytogenesのコロニー形成単位を除去するための種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図11】図11は、E.coliの種々の濃度でのE.coliについての抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図12】図12は、E.coliのコロニー形成単位を除去するための種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図13】図13は、Staphylococcus aureusの種々の濃度でのE.coliについての抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図14】図14は、Staphylococcus aureusのコロニー形成単位を除去するための種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図15】図15は、Pseudomonas fluorescensの種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図16】図16は、Shewanella putrefaciensの種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図17】図17は、1:150の希釈でのCampylobacter jejuniのコロニー形成単位を除去するための抗菌溶液の効果を比較的に示す。
【図18】図18は、食品と接触する表面に付着する種々の微生物を処理するために使用される場合の、抗菌溶液の効果を示す。
【図19】図19は、水を用いて処理されたコントロールサンプルおよび希釈した抗菌溶液を用いて処理された試験サンプルにおけるSalmonella含有量を比較する。
【図20】図20は、水を用いて処理されたコントロールサンプルおよび希釈した抗菌溶液を用いて処理された試験サンプルにおける微生物含有量を比較する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
1つの実施形態において、本発明は、食品を媒介とする微生物に対する家禽および肉組織を処理するための抗菌組成物に関する。特に、本発明の実施形態は、ハロゲン化セチルピリジニウム、ハロゲン化ベンズアルキルアンモニウム、トリクロロメラミンおよび水を含む組成物に関する。必要に応じて、組成物は、さらなる界面活性剤および他の抗菌剤を含み得る。
【0014】
ハロゲン化セチルピリジニウムは、任意(または組み合わせ)の塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、塩化ローレルピリジニウム(Luarel Pyridinium Chloride)、臭化ローレルピリジニウム(Laurel Pyridinium Bromide)、塩化ミリスタルピリジニウム(Myristal Pyridinium)または臭化ミリスタルピリジニウム(Myristal Pyridinium Bromide)であり得る。
【0015】
ハロゲン化アンモニウムは、任意(または組み合わせ)の塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化N−アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルキノリニウムアンモニウム、臭化アルキルキノリニウムアンモニウム、塩化アルキルイミダゾリニウムアンモニウム、臭化アルキルイミダゾリニウムアンモニウムおよび臭化アルキルジメチルベンジルアンモニウムであり得る。
【0016】
第4級アンモニウム塩としては、特にアルキルピリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびアルキルアシサイクリック(alkylacicyclic)アンモニウム塩が挙げられ得る。代表的な第4級アンモニウム塩は、AD−16第4級アンモニウム塩である。
【0017】
1つの実施形態において、水溶性組成物は、約3.5重量%〜8重量%(好ましくは7.5重量%)の量の塩化セチルピリジニウム;約0.005重量%〜0.1重量%(好ましくは0.01重量%)の量の塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウム;約0.005重量%〜0.02重量%(好ましくは0.01重量%)の量のトリクロロメラミン;約0.005〜0.02重量%(好ましくは0.01重量%)の量のAD−16第4級アンモニウム塩およびバランスの水を含む。
【0018】
本発明の別の実施形態による組成物は、約6重量%〜8重量%(好ましくは7.5重量%)の量の塩化セチルピリジニウム;約0.005重量%〜0.02重量%(好ましくは0.01重量%)の量の塩化N−アルキルジメチルベンジルアンモニウム;約0.005重量%〜0.02重量%(好ましくは0.01重量%)の量のトリクロロメラミン;約0.005重量%〜0.02重量%(好ましくは0.01重量%)の量のAD−16第4級アンモニウム塩およびバランスの水を含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、抗菌組成物は、塩化セチルピリジニウム(7.5部);塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(0.1部);トリクロロメラミン(0.1部);Arquad AD−16(塩化トリメチルアンモニウム)(0.1部);水(92.2部)を含む。
【0020】
以下に考察されるように、出願人の実験は、好ましい実施形態が、特定の点まで水で希釈された場合でさえ、同様に有効であることを示す。例えば、活性成分(水以外の任意のもの)は、1部の活性成分につき50〜400部の水の範囲における水で希釈され得、まだ有効に実施され得ることが見い出されている。
【0021】
さらに、抗菌溶液は、家禽の処理以外の用途のために効果的であると見い出されている。例えば、上記に同定された溶液による組成物は、家禽の寝わらを処理するために効果的であると見い出されている。提案された抗菌溶液は、製紙工場で作られるような家禽の寝わらに加えられる。それは紙処理工程ラインの間、静電塗装によって適用される。それは家禽の寝わらとして使用するための目的のサイズに切り刻まれる前に紙の両面に適用される。
【0022】
本明細書中に開示された抗菌組成物の別の適切な用途は、レーズンの生成における用途である。代表的なレーズン作業プラントにおいて、乾燥するために外気にブドウをさらすために、ブドウは開放空気の基材上に並べられる。基材もまた、外気にさらされ、種々の空気で運ばれる微生物で汚染される。基材の継続的な使用に対して、基材はブドウを汚染する。出願人は、本明細書中で開示されるような抗菌溶液を用いて基材を処理することは、除去しない場合の、交差汚染の問題を減少させることを発見している。レーズン作業プラントにおいて、ブドウは、それらがレーズンに変化して乾燥するまで、ブドウの木の場所の近くの畑の紙の基材の上に置かれる。カビおよび白カビは、気候によって引き起こされる露点の変化から湿気が発生する時に増殖し始める。本明細書中に開示された抗菌溶液は、紙のシーラントとして使用される場合、カビおよび白カビの増殖を防止する。抗菌溶液は、噴霧または浸漬によって適用される。
【0023】
上記の活性成分に加えて、組成物は、粘性、揺変性または水溶液の能力に影響を与え、接着して、組織に浸透するために特異的に設計された界面活性剤、充填剤および他の添加剤を含み得る。適切な例示的な添加剤としては、界面活性剤(例えば、より良い細胞浸透のためのTritonX−100)が挙げられる。
【0024】
図1は、家禽処理に行われる従来の処理工程を示すフローチャートである。図1を参照すると、コンベヤ100は、処理プラントの種々の工程を通して家禽を運搬するために使用される。工程101で、もたらされた生きた鳥は、工程105で自動化されたコンベヤベルトの上に乗せられる。工程110で、生きた鳥は電流にさらされる;この段階はまた、気絶させることとして公知である。鳥は、それらの頭(主にとさか)が、電流が急激に変化することを通じて気絶させるものの底の食塩水と接触する場合に気絶する。この電気衝撃は、鳥を持続的に傷つけるかまたは殺すために十分なダメージを与えないが、鳥を固定化し、自動化した殺害を可能にするために十分に鳥の体をリラックスさせることを可能にする。鳥はまだ逆さまにつるされており、首は気絶させるために差し延ばされており、鳥はプロセスの工程115で、自動化循環ブレードによって全血を採られる。
【0025】
血液が家禽から除去された後、工程120で、鳥は、羽毛をほぐすために約2分間大きなタンクの循環する熱い水(128〜134°F)の中に沈められる。この工程は、「熱湯消毒」と呼ばれる。鳥の羽毛および皮膚は、水に浸された熱湯消毒工程から出てくる。鳥は共通の浴槽に浸されるので、この工程は、特に細菌の二次汚染の影響を受けやすい。次は、羽毛をむしり取る工程125であり、頭除去130が実施される。次いで、鳥は、膝切断工程135で架空コンベヤシステムから落とされる。
【0026】
The U.S. Department of Agriculture(「USDA」)は、熱湯消毒タンクに入る各々の鳥のために加えられる1クォート(約0.9468リットル)の新鮮な水または再利用した水を必要とする;このように、熱湯消毒タンクから水の連続的なオーバーフローがある。本発明の1つの実施形態において(図2を参照のこと)、熱湯消毒タンクは、熱湯消毒タンクにおける病原菌の交差汚染を減少させるために、十分な強さよりわずかに小さい(例えば、502ppm)抗菌溶液を有する下流の噴霧システムからのリンス液(rinsate)で補充される。毎日、開始時に、最初に十分な濃度の抗菌溶液を有する新鮮な水で満たした後に、熱湯消毒タンクを処理することが必要である。これは、噴霧システムリンス液再処理工程より前に、熱湯消毒タンクを通過する鳥の処理を確実にする。
【0027】
もう一度図1を参照すると、工程135で、尾腺は除去されて、工程140で、穴をあける機械が鳥の口または肛門の周囲を切り開き、約2インチ(約5.08cm)のいくらかの可能な残存する糞便の物質を大腸から除去する。塩素処理した水噴霧は、いくらかの可能な糞便の物質が鳥の外部の皮膚を汚染することから守るために、この機械で利用される。次の機械は、エビセレイター(eviscerator)(工程145)である。それは、体の腔から内部の組織を引っ張るために、スプーン様のデバイスを使用する。代表的に、この機械は、いくらかの腸の内容物が鳥の外部の表面と接触することから守るために、塩素処理した水の噴霧を有する。この機械は、胴体から腸または「内臓」を完全に除去しないが、鳥の背部の上に「内臓パッケージ」を除々におおい、起こり得る疾患についてUSDA検査職員によって観察され得る。USDA監査役が内臓パッケージを含む、鳥全体を観察した後、内臓は胴体から除去され、すでに尾線、頭、首を入れた同じ廃物容器の中へ落ちる。
【0028】
いくつかのプラントにおいて、ヒトの消費のための鳥から砂嚢、心臓および肝臓が採取される(工程150)。しかし、現在は、大多数の処理業者は、彼らが消費市場におけるよりも動物試料のビジネスにおけるそれらの産物として、より多くのお金を入手するので、それらをプラントに放置して、食べるのに適さない物質の部分にする。内臓が容器または「廃物ライン」の中へ落ちた(工程155)後、肺は体腔から吸引され、次いで廃物ラインへ入る。足に足かせ糸をつけて吊るしているこの完全に内臓を取り出された胴体は、一般にWOG(臓物なしの全胴体)と称される。次の2つの工程は、切断機160および首破砕機165である。
【0029】
USDA検査および内臓除去の後、胴体の内部および外部を完全に洗浄することが必要である。胴体がまだコンベヤシステムの上を動いている間、それらは少なくとも1つの「内部/外部鳥洗浄機」を通る。このシステムは、胴体の自動化した洗浄のために設計されるステンレス鋼キャビネットからなる。数ガロン(1ガロンは約3.8リットル)の水は、各々の個々の胴体−内部および外部をきれいにするために使用される。これらの洗浄キャビネットに使用される全ての水は、廃物ラインに方向づけられる。このように、使用済みの洗浄水、臓器摘出機械をすすぐために連続して使用される水、手およびナイフ洗浄ステーションからの水、ならびに必要とされる新鮮な水は、廃物容器を通して食べるのに適さない物質を移動させるために利用され、廃棄物の流れの中へ堆積される。
【0030】
図2は、本発明の1つの実施形態による処理方法を示すフローチャートである。図2を参照すると、抗菌溶液は、工程170で家禽に適用される。この適用は代表的に、吊るされた家禽を噴霧することによって行われる。噴霧工程は、家禽の外部ならびに内部を含み得る。噴霧工程の間に、予定した量の抗菌溶液が、胴体に噴霧される。図2に示されるように、次いで、流出液が再利用のために熱湯消毒器に回収され、適用される;このように、新鮮な水と一緒に抗菌添加物が、胴体の方向に対する向流を提供される。その後、それらは、熱湯消毒器に再利用され得るか、または廃棄物の流れに添加され得る。必要である場合、さらなる抗菌溶液が、所望のレベルの濃度をもたらすために、再利用した流れ200に添加され得る。濃度は用途に依存して変化され得るが、水に対して約300PPM〜600PPMの濃度の抗菌容器が効果的であり得ることが見い出されている。
別の実施形態において、プロセスは、熱湯消毒器における抗菌溶液への家禽の最初の曝露を含む。冷却装置の直前に配置された抗菌噴霧から濾過されたリンス水は、新鮮な水に添加され得、約450ppm〜600ppmの濃度で熱湯消毒器に入る(最初の熱湯消毒タンク水が、十分な濃度の抗菌溶液で作動される開始を除いて)。次いで、この水は胴体を通り過ぎ得、オーバーフロー(胴体が熱湯消毒器に入る場所)で熱湯消毒器を出て行き得る。このように、熱湯消毒工程の間、胴体は、最大450ppm〜600ppmの抗菌溶液に曝露される。次いで、胴体は、処理ラインの下へ続いていき得、臓器摘出、切断工程、および内部/外部鳥洗浄工程を通り、最後に、噴霧キャビネットを通過し、ここで再び、所望の濃度の抗菌溶液が適用され得る。次いで、鳥は、抗菌溶液の適用のための標準的なライン速度で噴霧キャビネットを通過する(例えば、1ポンド(約454グラム)の胴体につき約0.2グラムの抗菌溶液)。独立した研究室によって行われた試験は、両方の曝露点の後で、約30ppm未満の抗菌溶液が胴体に残存することを示した。すなわち、抗菌溶液の大部分は、キャビネットから流れ出て、濾過されて、熱湯消毒器の中へ入り、熱湯消毒器の中で胴体を通り過ぎ、廃棄物の流れへ送られる。物質収支計算は、約99.9%の抗菌溶液が廃棄物の流れへ送られることを示す。
【0031】
さらに別の実施形態において、雫受けが適用システムの一部分として含まれ得る。鳥は、冷却タンクへ行くそれらの道の上の噴霧キャビネットを出て行くので、それらは、この雫受けを通過し、濡れた胴体から滴下する流体を含むいくらかの抗菌溶液を回収する。この受け皿は、鳥が噴霧キャビネットを出て行った後、最初の瞬間に胴体を覆う距離、または代表的に冷却装置までの半分の距離まで伸長する。この受け皿の中に滴下する液体は、抗菌噴霧キャビネットから流れる流体と組み合わせられ得、熱湯消毒器に戻って再利用され得る。冷却装置までの距離の残りの間(すなわち、噴霧キャビネットからの移動時間の第2の瞬間)、胴体から滴下するいくらかの液体は、プラントの存在するフロア廃物回収システムの中へ入り得、最終的に廃物の一部分として回収される。
【0032】
上記に示したように、抗菌溶液を用いた処理の後、胴体はプロセスの冷却段階へ高架ラインを経由して移動し得る。それらは前冷却装置と呼ばれる巨大タンクの水の中へ足かせ糸から自動的に落ちる。このタンクの水は代表的に、55°Fを保ち、胴体は約15分間、前冷却装置の中に残存する。この時間の間、胴体は4%〜5%の追加された水分を吸収する。前冷却装置の中の水は、冷却ポテンシャルおよび水の吸収を増加させるための水の移動に役立つために盛んに曝気(aerate)され得る。このエアレーション工程は、大量の脂肪と組み合わせられ、前冷却水に存在し、冷却水の頂部に浮遊する綿状の物質を形成する。この物質は代表的に、「冷却スキミング」と呼ばれ、前冷却装置の水から継続的に除去され、廃物容器へ転送される。
【0033】
前冷却タンクから、胴体は冷却タンクの中へ移動する(図1での工程175に示される)。このタンクは、前冷却装置より大きく、低温度であり、普通32°F〜34°Fである。胴体は、約45分間、このタンクにとどまり、冷却装置の中でそれらの水分含有量をさらに3%〜4%増加させる。USDAは、家禽の胴体が合計で8%の追加された水分を得ることを許可する。持続性の水のエアレーションは、冷却装置の水の中に存在する脂肪と組み合わせられ、大量の冷却スキミングを形成する。前冷却装置と同様に、この物質は廃物容器へ転送される。冷却後、胴体はプラントの他のエリアへ運搬するための異なる足かせ糸上に再び吊るされる。それらは、胴体全体のパッケージ化ステーション(工程185)へ移動し得、切断されるかまたは骨をとられ、あるいはそれらはさらなる処理工程および調理工程(工程190)のための異なるプラントへ出荷され得る。
【0034】
家禽処理環境における抗菌溶液のための廃棄物の流れは、以下に詳細に説明される。示されるように、噴霧溶液の中に存在する多数の抗菌溶液が、熱湯消毒器に入り、熱湯消毒器を通過した後、廃棄物の流れおよび廃物へ運ばれる。所望の濃度を達成するために、さらなる抗菌溶液が、熱湯消毒器の中に導入する前に、噴霧キャビネットから回収されたリンス液に添加され得る。計算に基づいて、その意図される使用の結果として環境に入り得る抗菌溶液の最大濃度は、水に残存する量、または熱湯消毒器を通過後、有機物質および噴霧後、胴体から滴下し得るあるいは冷却の間、再びリンスされ得るいくらかの残留物と組み合わせられ得る量に制限される。(この量は胴体上の約502ppmの抗菌溶液残留物であると計算されている)。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、抗菌溶液は静電塗装の手法によって適用される。これは、再処理段階の後または所定の位置で行われ得る。静電塗装は、空気および液体が別々にノズルに入ることを可能にする空気噴霧誘導電荷ノズルを使用することによって行われ得る。空気はノズルを通って高速で動き、ノズルチップで液体を横切り、噴霧小滴の形成を引き起こす。その小滴は、一般に直径30ミクロン〜40ミクロンである。必要とされる大気圧は30PSI〜40PSIであるが、液圧は15PSI以下である。噴霧は霧状であるので、小滴は各々の小滴上の電荷を誘導する独自の包埋された誘導電極を通過する。充電式バッテリーは電荷を提供する。負に荷電した小滴は、乱流の空気の流れの力によって標的表面上に進ませられる。標的表面(家禽)は、自然に正電荷を有する。噴霧小滴上の帯電は負である。標的表面上の正電荷は、噴霧小滴を表面の頂部、底部および側面に引き寄せ、360°取り囲む範囲を提供する。いったん、液体が遮断されると、大気圧はいくらかの残存する噴霧を吸い上げる。空気はノズルの通路をきれいにし続け、維持費を減少させる。
【0036】
従来の処理方法と比較して、出願人の発明は、処理工程が実質的により速く少ない腐食性であることにおいて特に有利であることが見い出されている。さらに、少量の抗菌溶液が使用されるので、プロセスはより効果的である。以下の非限定的な実施例は、従来の抗菌溶液およびプロセスより多くの出願人の発明の利点をさらに示す。各々の事例の結果は、出願人の組成物の相対的および予期しない優位性を示す。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
本発明の原理による抗菌溶液の効果を、ブロイラーチキンの胴体に関連する細菌の病原個体群、指示個体群および腐敗(spoilage)個体群について研究した。熱湯消毒器の水を、市販の家禽熱湯消毒器のオーバーフロー末端(入り口末端)から回収した。その水を、細菌および細菌胞子の全ての個体群を除去し、研究の間に妨害を避けるためにオートクレーブした。オートクレーブした熱湯消毒器の水を化学的に評価して、生およびオートクレーブした熱湯消毒器の水における有機物質が同様であることを確かめるために生の熱湯消毒器の水と比較した。
【0038】
試験液(抗菌溶液と交代可能に呼ばれる)を、塩化セチルピリジニウム(7.5部)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(0.1部)、トリクロロメラミン(0.1部)、Arquad AD−16(塩化トリメチルアンモニウム)(0.1部)および水(92.2部)を含むように調製した。次に、コントロール溶液をCPC(7.5重量%)および水(92.5重量%)を混合することによって調製した。全ての実施例において同じ溶液を使用した。
【0039】
試験管のセットを、9mLのオートクレーブした(滅菌した)熱湯消毒器の水を滅菌したポリスチレン試験管に加えることによって調製した。1つのセットを、9mLのオートクレーブした熱湯消毒器の水を試験管に加えることによってコントロールとして調製した。別のセットを、9mLのオートクレーブした熱湯消毒器の水および上記に特定したような1mLの試験液を加えることによって調製した。病原菌は、salmonella typgimurium(「ST」)、Listeria monocytogenes(「LM」)、staphylococcus aureau(「SA」)であった。指示菌はEscherichia coli(「EC」)であり、腐敗細菌(spoilage bacteria)はpseudomonas fluorscens(「PF」)およびshewanella putrefaciens(「SP」)であり、24時間、25℃で、Brian Heart注入培養液で一晩増殖させた。各々の細菌を、熱湯消毒を模倣するために、2分間、各々のオートクレーブした熱湯消毒器の水−殺菌剤の組み合わせに曝露した。曝露時間後、1mLの懸濁液を9mLのBrian Heart注入培養液の中に移してボルテックスした。この混合物の1mLをバクトメーター(Bactometer)モジュールの中に移して、細菌の増殖を測定した。その結果を図3〜6に提供した。
【0040】
出願人の発明による抗菌試験液を、熱湯消毒器の水の適用と組み合わせて使用する場合、Salmonella、Listeria、staphylococcusおよびshewanellaの個体群を減少するために効果的であることが図3から見られ得る。平均時において、実質的な減少は、Escherichia coliおよびPseudomonas fluorescensで見られる。相対的に、コントロール溶液は、任意の上記の微生物をほとんど除去しなかった。
【0041】
図4は、試験液およびCPC溶液に曝露した場合、細菌コロニーの減少を比較的に示す。salmonella typgimurium、Listeria monocytogenes、staphylococcus aureauおよびEscherichia coliのコロニー形成単位を試験した。図4において、Log10CFUで示されないが、Pseudomonasもまた、10CFU/mLまで減少した。
【0042】
図5は、コントロール溶液と比較した試験液の効果を示す。E.coliおよびPseudomonas Fluorscensは、コントロール溶液で処理したサンプルと比較して実質的に減少したが、24時間以上で、Salmonella Typgimurium、Listeria Monocytogenes、Staphylococcus AureusおよびShewanella Putrefaciensは、完全に除去することが、図5から見られ得る。
【0043】
図6は、試験液およびコントロール溶液に曝露した場合、細菌コロニーの減少を比較的に示す。図6は図4と類似しており、抗菌試験液を用いた処理に対してほとんど除去される全ての微生物のコロニー形成単位を示す。このように、抗菌試験液は、熱湯消毒器の水の適用と組み合わせて試験した全ての病原菌、指示菌、および腐敗菌を除去する際に非常に効果的であった。このデータはまた、細菌の非常に高い濃度に対する試験液の有効性を示す。
【0044】
(実施例2)
実施例2を、家禽に関連する病原菌、指示菌および腐敗菌の集団種々の濃度で抗菌溶液の効果を測定するために実施した。この目的のために、熱湯消毒器の水を、市販の家禽熱湯消毒器のオーバーフロー末端(入り口末端)から回収した。その水を、細菌および細菌胞子の全ての集団を除去し、研究の間に妨害を避けるためにオートクレーブした。オートクレーブした熱湯消毒器の水を化学的に評価して、生およびオートクレーブした熱湯消毒器の水において要求される有機物質が同様であることを確実にするために生の熱湯消毒器の水と比較した。
【0045】
a)抗菌溶液−抗菌溶液は実施例1の場合と同じであり、約1:100、1:150、1:200、1:300および1:400の比に脱イオン水で希釈した。
【0046】
b)コントロール溶液−試験管のセットを、9mLのオートクレーブした(滅菌した)熱湯消毒器の水を滅菌したポリスチレン試験管に加えることによってコントロールとして調製した。1つのセットを、9mLのオートクレーブした熱湯消毒器の水を試験管に加えることによってコントロールとして調製した。1つのセットを、9mLのオートクレーブした熱湯消毒器の水および1mLの各々の抗菌溶液を加えることによって調製した。前の実施例と同様に、コントロール溶液は水にCPC溶液を含んだ。
【0047】
c)物質および方法−病原菌Salmonella Typhimurium、Listeria Monocytogenes、Staphylococcus Aureus、指示菌Escherichia coliおよび腐敗菌Pseudomonas fluorescensおよびShewanellaを、24時間、25℃で、Brian Heart注入培養液で一晩増殖させた。各々の細菌を、熱湯消毒を模倣するために、2分間、各々のオートクレーブした熱湯消毒器の水−殺菌剤の組み合わせに曝露した。曝露時間後、1mLの懸濁液を9mLのBrian Heart注入培養液の中に移してボルテックスした。次いで、この混合物の1mLをバクトメーター(Bactometer)モジュールの中に十分に移して、細菌の増殖を測定した。その結果を図7〜17に示した。
【0048】
d)結果−上記に開示した抗菌試験液は、熱湯消毒器の水の適用を用いて1:150の濃度またはより低い濃度で使用する場合、特にSalmonella、PseudomonasおよびShewanellaの個体群を除去するために効果的であると見い出した。図7は、コントロール溶液と比較した種々の濃度での抗菌溶液の効果を比較的に示す。細菌の除去は、約1:100に希釈した溶液についてかなり高いことが図7から見られ得る。図8は、コントロール溶液と比較したSalmonella Typhimuriumへの試験液の比較効果を示す。約1:100および1:150に希釈した試験液が、コロニー形成単位を減少させる際に非常に効果的であることが、図8に見られ得る。Listeriaへの抗菌溶液の効果を図9および図10に示す。図9を参照すると、本発明の代表的な実施形態による試験液は、約1:400に水で希釈した溶液を含む、全ての濃度でのListeriaおよびStaphylococcusの個体群を完全に除去することが見られ得る。
【0049】
図10は、コロニー形成単位を全ての濃度での抗菌溶液によって実質的に除去したことを示す。図11および図12は、E.coliへの抗菌試験液の種々の希釈の比較効果を示す。図のように、試験液は約1:100の希釈でE.coliの個体群を除去し得る。約1:150(またはより低い)の希釈で、試験液はE.coliを除いて試験した全ての種を除去し得る。E.coliは病原菌でないので、熱湯消毒液で除去する必要はない。その代わりに、プロセスの後で除去し得る。この理由のために、約1:150の希釈水は、熱湯消毒器にとって適切であると見い出される。図13および図14は、Staphylococcus aureusへの異なる濃度での試験液の比較効果を示す。これらの結果は自明である。図15および図16は、Pseudomonas fluorescensおよびShewanella putrefaciensへの異なる濃度での試験液の効果を比較的に示す。最後に、図17は、1:150の希釈でCampylobacter jejuniのコロニー形成単位を除去するための抗菌溶液の効果を比較的に示す。これらの結果は、本発明の原理による抗菌試験液が、公知の微生物を処理するための従来の組成物より優れていることを実証する。
【0050】
(実施例3)
食品と接触する表面に付着するブロイラーチキンの胴体に関連する病原菌、指示菌および腐敗菌の集団への抗菌試験液の効果を研究した。
【0051】
a)フィルム付着手順−病原菌Salmonella Typhimurium、Listeria monocytogenes、Staphylococcus aureus、指示菌Escherichia coliならびに腐敗菌Pseudomonas FluorescensおよびShewanella putrefaciensを、24時間、25℃で、Brian Heart注入培養液で一晩増殖させた。5個の滅菌したテフロン(登録商標)クーポンを、各々の病原菌、指示菌または腐敗菌の0.200mLでコーティングした(全部で30クーポン)。細菌の接種物を、4時間、クーポンの表面で乾燥することを可能にした。各々のクーポンを、1:100の濃度の試験液を使用して、10秒間噴霧した(3回に分けた噴霧)。各々のクーポンを、この溶液の30mL溶液で完全にコーティングした。殺菌剤残留物または湿気の発生はなかった。曝露時間の後で、各々のクーポンを100mLの滅菌した1%緩衝ペプトン培養液でリンスした。次いで、この混合物の1mLを、9mLのBrian Heart注入培養液の中へ移し、次いで、この混合物の1mLを、細菌の増殖を測定するためにバクトメーター(Bactometer)モジュールの中へ十分に移した。
【0052】
b)方法−上記に開示したコントロール溶液を調製した。さらに、抗菌溶液を含み、試験する目的のために調製した。クーポンのサンプルをコントロール溶液でコーティングして、そのバランスを抗菌試験液でコーティングした。両方の適用において、静電コーティング技術を、クーポン基質の表面全体に接着性のコーティングをするために使用した。
【0053】
c)結果−結果を図18に示す。食品と接触する表面上のSalmonella、Listeria、Staphylococcus、E.coliおよびPseudomonasの個体群を除去する際に、試験液が非常に効果的であることが、図18から見られ得る。明らかに、この方法は、処理操作の前後で食品と接触する表面を処理および殺菌するために効果的である。
【0054】
(実施例4)
ブロイラーの胴体に付着したSalmonella typhimuriumならびにE.Coliへの、噴霧器および処理した熱湯消毒器の水の液浸を使用して適用した抗菌組成物の効果を研究した。この実験のために、プロセスの熱湯消毒器の工程より前に家禽サンプルを選択した。コントロールサンプルを水で処理して、試験サンプルを抗菌溶液で処理した。全てのサンプルを、基線を規定するためにsalmonellaで処理した。次に、2つの異なる熱湯消毒器バスを調製した;1つは熱湯消毒器の水を含み、もう1つは抗菌溶液で処理した熱湯消毒器の水を含んだ。コントロールサンプルを、洗浄工程170(図1)を模倣するために水で噴霧した。試験サンプルを、熱湯消毒器の水が抗菌溶液を含み噴霧器が1:150希釈での抗菌溶液を含むこと以外は同じ方法で処理した。試験を3回繰り返して(繰り返し1〜3)、サンプルのsalmonella含有量を記録した。図19は、水で処理したコントロールサンプルおよび希釈した抗菌溶液で処理した試験サンプルにおけるsalmonella含有量を比較する。
【0055】
概要を述べた手順を、サンプルを基線を規定するためにE.ColiおよびColiformで処理することを除いて繰り返した。ここで、コントロールサンプルおよび試験サンプルの1セットのみを試験して、その結果を図20に示した。図20を参照すると、E.ColiおよびColiformコロニー形成単位が、コントロールサンプルと比較した場合、試験サンプルにおいて実質的に減少することが容易に見られ得る。
【0056】
(実施例5)
以下の研究を、模倣した処理の後で、ブロイラーチキンの胴体上にそのままにしておいた残存する抗菌組成物の量を評価するために実施した。
【0057】
研究I(インライン再処理工程シミュレーション)−4個のブロイラーチキンの胴体を地元の小売店から購入した。2個の胴体を、自動化したインライン再処理工程より前に、即座に工程プラントで行われるリンス工程を模倣するために3秒〜5秒間、水でリンスした。次いで、150:1の希釈で実施例1に従って調製した抗菌溶液で胴体を噴霧した(インライン噴霧器を使用する妄想を模倣するため)。その胴体を、インライン再処理後の滴下時間を模倣するために2分間そのままにすることを可能にして、冷却した。次いで、冷却を模倣するために、胴体を60分間、冷却した水の中へ移した。冷却工程の間に、エアレーションを模倣するために、胴体を定期的に攪拌した。さらに、商業的な状態を模倣するために、30分後、水を新鮮な水で完全に交換した。次いで、胴体を約45分間、350°Fで調理した。
【0058】
研究II(インライン再処理工程および熱湯消毒シミュレーション)−2個の胴体を、商業的な熱湯消毒の状態を模倣するために150:1の希釈で実施例1に従って調製した抗菌溶液を含む130°Fの水の中へ2分間、浸漬した。胴体を、熱湯消毒器とインライン再処理システムとの間のリンス噴霧を模倣するために、3秒〜5秒間、リンスした。次いで、胴体を抗菌溶液で噴霧した(インライン噴霧器を使用する妄想を模倣するため)。その胴体を、インライン再処理後の滴下時間を模倣するために2分間そのままにすることを可能にして、冷却した。次いで、冷却を模倣するために、胴体を60分間、冷却した水の中へ移した。冷却工程の間に、エアレーションを模倣するために、胴体を定期的に攪拌した。さらに、商業的な状態を模倣するために、30分後、水を新鮮な水で完全に交換した。次いで、胴体を45分間、350°Fで調理した。
【0059】
調理した後、以下の工程を、各々の研究のために続けた。50グラムの皮膚を各々の胴体から回収した。皮膚のサンプルを、ブレンダーの中へ個々に移して、200mLの脱イオン水を加えた。皮膚を8分間、高度に混合した。300mLの新鮮な脱イオン水を、混合した混合物に加えて、さらに5分間混合した。150mLの混合した混合物を、サンプルジャーの中へ移して、試験および評価のために独立した研究室へ送った。
【0060】
150:1の濃度で抗菌溶液を用いて処理した完全に調理したチキンの独立した研究室の評価は、最大で0.02ppbのみを皮膚のサンプルから回収し得ることを示した。研究I(インライン再処理工程シミュレーション)において、2個の胴体上に発見した残留物は、0.02ppbと0.02ppbであった。研究II(インライン再処理工程および熱湯消毒シミュレーション)において、2個の胴体上に発見した残留物は、0.01ppbと0.01ppbであった。インライン再処理工程ならびに熱湯消毒工程およびインライン再処理工程について、模倣した商業的な状態を使用して処理した胴体から回収した残留する抗菌溶液の量は、とても取るに足りないものなので、これらの状態の下で提案した組成物の使用は、健康上有害なものを示さないと結論した。
【0061】
45分〜60分間、冷却工程におけるそれらの浸水より前に抗菌溶液で処理したチキンで行った独立した試験は、チキン上の病原菌の数を実質的に減少する際に、非常に効を奏し得ることを証明した。冷却装置から出した後の微生物試験結果と比較して、冷却水の中へチキンを導入するより前に行った微生物試験は、病原性レベルの1logの減少を超えた。つまり、抗菌溶液は、冷たい水ならびに暖かい水または熱い水に容易に溶解するので、冷却装置に加えられ得る。
【0062】
これらの実施例は、従来のCPC組成物より出願人の発明の優位性を示す。1つの局面において、抗菌溶液における種々の成分の組み合わせは、より効果的な化合物をもたらして相乗的に働く。結果として、大変少ないCPCのパーセンテージが、家禽と接触する状態になり、より優れた細菌除去を獲得する。さらに、CPCの従来の組成物は、グラム陰性細菌に対してほとんど効果がない。本明細書中に開示した抗菌溶液は、グラム陰性細菌に対してより優れた効果を有することが見い出されている。
【0063】
本明細書中に提供した代表的な実施形態は、家禽処理工程ラインに関するが、開示した発明は、本発明の精神から逸脱せずに、一般に肉処理に適用され得ることは、理解される。
【0064】
代表的な実施形態の成分を、それらのそれぞれの重量パーセントにおいて表すが、それでもなお、その割合が各々の成分のモルパーセントまたは容積パーセントを含むために変化され得ることもまた、当業者によって理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−259444(P2010−259444A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166537(P2010−166537)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2006−509127(P2006−509127)の分割
【原出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(505332152)ビオコート エンタープライジズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】