説明

抗菌組成物

本発明は、(i)界面活性特性を備えた抗菌剤と、(ii)式V:(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3および(H3C)[SiO(CH3)H]nSi(CH3)3を有するシロキサンならびにこれらの混合物(式中、nは1〜24である。)から選択されたシロキサンと、(iii)極性溶媒とを含み、(i)と(ii)の比が約100:1〜約5:1である、抗菌組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌組成物と、この抗菌組成物を含む配合物とに関する。
【背景技術】
【0002】
微生物は、感染または汚染に起因した健康被害をもたらすことが知られている。微生物が基質の表面に存在する場合、その微生物は急速に複製されてコロニーを形成する可能性がある。微生物コロニーは、基質表面にバイオフィルムとして知られている被膜を形成する。バイオフィルムはしばしば、いくつかの異なる種類の微生物からなり、そのため、個々の微生物の場合よりも根絶するのが難しく、したがってより健康に有害である。一部の微生物は、破壊するのがより難しくなる多糖被膜も生成する。
【0003】
微生物は基質に付着して、固着メカニズムとして多糖および/または同様の天然ポリマーの「がく」を含むバイオフィルムを形成する。この固着点がないと、微生物、特に細菌の複製は進行せず、または少なくとも著しく損なわれる。
【0004】
バイオフィルムは、細菌などの微生物が水性環境で表面に接着し、細胞外分泌物である粘液性の糊状物質、即ち金属やプラスチック、土壌粒子、医療用移植材料および組織など全種類の材料に固定することができる物質を排出し始めたときに形成される。バイオフィルムは、単一細菌種により形成することができるが、たいていは、バイオフィルムは数種の細菌、ならびに真菌、藻類、原虫、残骸および腐食生成物からなる。本質的に、細菌バイオフィルムは、細菌および若干の水に曝されている任意の表面に形成される可能性がある。表面に固定されると、バイオフィルム微生物は、周囲環境条件に応じて、様々な有害または有利な反応(ヒトの基準で)を実施する。
【0005】
医療、工業、商業、家庭、および海洋環境など、広範な環境に存在する微生物を破壊することができる多くの抗菌剤が、知られている。知られている抗菌剤の多くは、様々な適用例および環境で使用される組成物中に、前もって含まれていた。
【0006】
知られている抗菌剤、およびこれらの抗菌剤を含有する組成物は、いくつかの異なるメカニズムによって微生物を破壊する。
【0007】
例えば多くの抗菌剤は、微生物に対して有毒であり、したがってこの抗菌剤が接触した微生物を破壊する。このタイプの抗菌剤の例には、次亜塩素酸塩(漂白剤)、フェノールおよびその化合物、アルセネン、および銅、スズ、およびヒ素の塩が含まれる。しかしそのような薬剤は、典型的には、ヒトおよび動物に対して、ならびに微生物に対して、非常に有毒である。その結果、これらの抗菌剤は取扱いが危険であり、したがって、これらの抗菌剤を安全に取り扱うためには、専門家による取扱い、処理、および装置が必要である。したがって、このタイプの抗菌剤を含む組成物の製造および処分には、問題がある。特に、指定された目的で確実に使用することが困難な消費者材料での、このタイプの抗菌剤を含有する組成物の使用に関連した問題も、存在する可能性がある。
【0008】
本明細書では、文脈において他に指示しない限り、「毒性」は、哺乳類などの複合生物に対する毒性を指すものとする。「有毒な」という表現は、それに相応して解釈される。
【0009】
抗菌剤が環境に進入すると、この抗菌剤は、影響を及ぼすことを意図しない生命体の健康に、影響を及ぼす可能性がある。さらに抗菌剤は、しばしば非常に安定であり、長期にわたって環境問題を引き起こす可能性がある。
【0010】
一般に使用されるその他の知られている抗菌剤には、銀や銅、またはスズなどの重金属の有機および無機塩が含まれる。これらの塩は、有毒なリンセートを生成し、環境に問題を引き起こす可能性がある。例えば、そのような塩のリンセートは、水生生物に対して有毒である。この場合も、毒性化合物が環境に進入すると、容易には破壊されず、永続的な問題を引き起こす可能性がある。
【0011】
現在使用されているその他の抗菌剤は、抗生物質タイプの化合物を含む。抗生物質は、例えば、有害な微生物の増殖が破壊または阻害されるよう選択的に希釈した溶液によって、微生物の生化学的性質を破壊する。抗生物質は効果的であるが、この抗生物質の使用対象となる種の耐性菌の発生を、選択的に可能にすると現在考えられている。次いで耐性菌は、知られている抗生物質の使用によって、妨げられずに再生可能である。このように、より広い環境で抗生物質材料を広くかつ非制御下で使用することによって、その医療状況での制御された使用とは対照的に、著しく長期にわたる危険性が生ずる可能性があるという懸念が増大しつつある。
【0012】
微生物管理の別の方法は、次亜塩素酸塩または過酸化水素などの過酸化物をベースにすることができる家庭用漂白剤など、材料での酸化剤の使用である。これらの材料は、滅菌および洗浄のため湿潤環境で有効である。しかし材料は、長期にわたる受動的な抗菌制御および衛生化をもたらさない。「受動制御」とは、乾燥環境にあっても、基質が持ついくつかの性質によって基質が独力で微生物感染に対抗することを意味し、したがって、制御されている微生物で有効な清浄化レジームを必要としない。
【0013】
別の方法では、微生物細胞の細胞溶解(破裂)剤として働く、第四級アンモニウム化合物などの材料が使用される。この方法では、第四級アンモニウム化合物での消毒に対して高度の「生存性」を有する回復力あるコロニーが発生する可能性があるので、すべての微生物株に対して有効とは限らないという欠点があり、使用中に交換する必要がある。さらにこれらの材料は、水溶性が高く、したがって容易に洗い落とされ、または材料に接触している湿潤材料を容易に汚染する可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】http://www.clearcoproducts.com/standard_pure_silicones.html
【非特許文献2】http://en.wikipedia.org/wiki/Colloid
【非特許文献3】EPA(米国環境保護庁)のリスト
【非特許文献4】EC殺生剤指示書の補遺I
【非特許文献5】http://www.clearcoproducts.com/pdf/volatile/NP-PSF-0_65cSt.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前述の欠点に対処する抗菌組成物を提供する。
【0016】
本発明の抗菌組成物は、表面に適用されたとき、および/または抗菌剤の濃度が以前から知られている組成物よりも著しく低い濃度で有効であるときに、残留抗菌効果および/または高い死滅率をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の組成物は、(i)界面活性特性を備えた抗菌剤と、(ii)式(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3および(H3C)[SiO(CH3)H]nSi(CH3)3を有するシロキサンならびにこれらの混合物(式中、nは1〜24である。)から選択されたシロキサンと、(iii)極性溶媒とを含む。
【0018】
必要とされる抗菌効果をもたらすために本発明の組成物に重要なことは、典型的には、最終溶液中の成分の濃度ではなく、成分分子の数の比である。この比は、組成物が濃縮形態であるか否かにかかわらず、または希釈(すぐに使用できる)形態であるか否かにかかわらず、同じままになる。
【0019】
典型的には、成分(i)と成分(ii)の分子数の比は、約100:1から5:1、好ましくは約90:1から約8:1、より好ましくは約80:1から約15:1、さらにより好ましくは約70:1から約25:1または約20:1、最も好ましくは約40:1から約60:1に及び、例えば50:1である。
【0020】
「抗菌剤」という用語は、病原菌(微生物)を死滅させ、かつ/または病原菌(微生物)の増殖を阻害する化合物または組成物を意味する。「殺菌剤」という用語は、病原菌を死滅させる化合物または組成物を指すのに使用される。本発明の組成物は、抗菌性および/または殺菌性である。
【0021】
微生物または病原菌は、微視的な(人の眼で見るには小さ過ぎる)生物である。微生物の例には、細菌、真菌、酵母菌、カビ、放線菌、藻類、胞子、古細菌、および原生生物が含まれる。微生物は一般に、単細胞化されまたは単細胞生物である。しかし、本明細書で使用される「微生物」という用語は、ウイルスも含む。
【0022】
好ましくは本発明の組成物は、抗細菌、抗真菌、抗藻類、抗胞子、抗ウイルス、抗酵母菌、および抗カビ剤、およびこれらの混合物から選択された少なくとも1種の抗菌剤を含む。より好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも1種の抗細菌、抗真菌、および/または抗カビ剤を含む。
【0023】
本明細書で使用される、抗細菌、抗真菌、抗藻類、抗ウイルス、抗酵母、および抗カビ剤という用語は、それぞれの微生物の増殖を阻害するが必ずしもその微生物を死滅させる必要はない薬剤、およびそれぞれの微生物を死滅させる薬剤を指すものとする。このように、例えば抗細菌という用語には、細菌の増殖を阻害するが細菌を必ずしも死滅させる必要はない薬剤と、細菌を死滅させる殺細菌剤が含まれる。
【0024】
当業者なら、例えば「殺細菌」および「殺真菌」で使用される「殺」で始まる単語は、この単語が指す微生物を死滅させる薬剤を記述するのに使用されることが、理解されよう。このように、これらの例では、殺細菌は細菌を死滅させる薬剤を指し、殺真菌は真菌を死滅させる薬剤を指す。殺細菌剤の例には、殺マイコバクテリアおよび殺結核菌剤が含まれる。好ましくは本発明の組成物は、殺細菌、殺真菌、殺藻類、殺胞子、殺ウイルス、殺酵母、および殺カビ剤、およびこれらの混合物から選択された少なくとも1種の薬剤を含む。より好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも1種の殺細菌、殺ウイルス、殺真菌、および/または殺カビ剤を含む。
【0025】
本発明の組成物は、グラム陰性およびグラム陽性胞子菌、酵母、ウイルスを含めた広範な生物に有効である。
【0026】
例として、本発明の組成物を有効にすることができる微生物には、
ウイルス、例えば、HIV-1(AIDSウイルス)、B型肝炎ウイルス(HVB)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アデノウイルス、単純ヘルペス、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ワクシニア、トリインフルエンザウイルス、トリ気管支炎、仮性狂犬病ウイルス、イヌジステンパー、ニューカッスル病、風疹、トリポリオーマウイルス、ネコ白血病、ネコピコルナウイルス、感染性ウシ鼻気管炎、感染性気管支炎(トリIBV)、狂犬病、伝染性胃腸炎ウイルス、マレック病;
真菌、例えば、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、カンジダアルビカンス(Candida albicans)、黄色アスペルギルス(Aspergillus flavus)、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトンインテージギターレ(Trichophyton interdigitale)、アルテルナリアテニウス(Alternaria tenius)、フザリウムオキシスポルム(Fusarium oxysporum)、ゲオトリクムカンジドゥム(Geotrichum candidum)、ミドリカビ病菌(Penicillium digitatum)、フィトフロサインフェスタンス(Phytophthora infestans)、クロネ(Rhizopus nigricans)、トリコデルマハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコフィトンインテージギターレ(Trichophyton interdigitale);
細菌、例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ブタコレラ菌(Salmonella choleraesuis)、アシネトバクターバウマンニー(Acinetobacter baumannii)、ブレビバクテリウムアンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎かん菌(Klebsiella pneumoniae)、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)、パラチフスB菌(Salmonella schottmuelleri)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、鼠チフス菌(Salmonella typhimurium)、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、ソンネ赤痢菌(Shigella sonnei)、表皮ブドウ球菌(Staphyloccus epidermidis)、大便連鎖球菌(Streptoccus faecalis)、大便連鎖球菌(Streptoccus faecalis)(バンコマイシン耐性)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ビブリオコレラ(Vibrio chlorae)、ザントモナスアクソノポジスpvシトリ(Xanthomonas axonopodis pv citri)(柑橘類潰瘍病)、アシネトバクターカルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)、エンテロバクタークロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロコッカスフェカーリス(Enterococcus faecalis)、フソバクテリウムネクロフォールム(Fus
obacterium necrophorum)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、動物パスツレラ症病原菌(Pasteurella multocida)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、マイコプラズマガリセプティクム(Mycoplasma gallisepticum)、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、アエロモナスサルモニシダ(Aeromonas salmonicida)、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)、ビブリオアングイラルム(Vibrio anguillarum)
が含まれる。
【0027】
特に本発明の組成物は、緑膿菌(ATCC 15442、PaFH72/a)、大腸菌(ATCC 10536、ECFH64/a、0157:117(毒素産生菌)、CCFRA/896、0157:H7(非毒素産生菌)、CCFAA/6896、ATCC 10538)、黄色ブドウ球菌(MRSA(例えば、NCTC 12493 MRSA、ATCC 12493 MRSA)、VISA、ATCC 6538、5a FH73/aを含む)、エンテロコッカスヒレア(Enterooccus hirea)(ATCC 10541、EhFH 65/a)、ネココロナウイルス(Feline Coronavirus)(SARSサロゲート)、ネコカルシウイルス(Feline Calcivirus)(Hum.ノロウイルスサロゲート)、鼠チフス菌(StFH 68/b)、エルシニアエンテロコリチカ(YE FH67/b)、リステリア菌(Lm FH66/c)、サッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、枯草菌(Bacillus Subtilis)(ATCC 6633)、バチルスステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)(NCTC 10339)、クロストリジウムジフィシレ(clostridium dificile)(NCTC 11209)、カンジダアルビカンス(ATCC 1023)、黒色アスペルギルス(ATCC 16404)、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)(TB刺激剤)に対して有効である。
【0028】
「界面活性特性を備えた抗菌剤」(成分(i))という用語は、病原菌(微生物)を死滅させ、または病原菌(微生物)の増殖を阻害することができ、また水およびその他の液体または固体の界面張力を変化させる効果を発揮し、かつ/またはこの薬剤が使用される溶媒の表面張力を低下させる材料を意味する。より具体的には、本発明で使用される界面活性特性を備えた抗菌剤は、病原菌を死滅させまたは病原菌の増殖を阻害することができ、典型的には水に導入したときに、水の表面張力を低下させることができる。
【0029】
本発明で、界面活性特性を備えた抗菌剤としての使用に特に適している種類の化合物は、「クアット(quats)」とも呼ばれる第四級アンモニウム化合物として知られる種類の化合物である。これらの化合物は、典型的には、適切な陰イオンと共に少なくとも1種の第四級アンモニウム陽イオンを含む。第四級アンモニウム陽イオンは、その溶液のpHとは無関係に永久に帯電している。
【0030】
陽イオンの構造は、以下のように表すことができる。
【0031】
【化1】

【0032】
基R1、R2、R3、およびR4は、広い範囲内で変えることができ、抗菌特性を有する第四級アンモニウム化合物の例は、当業者に周知である。
【0033】
各基R1、R2、R3、およびR4は、例えば、独立して、置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、(芳香族または非芳香族)ヘテロシクリル、またはアルケニル基であってもよい。あるいは、R1、R2、R3、およびR4の2つ以上は、窒素原子と一緒になって置換または非置換複素環を形成していてもよい。基R1、R2、R3、およびR4の炭素原子の総数は、少なくとも4でなければならない。典型的には、基R1、R2、R3、およびR4の炭素原子の合計は、10以上である。本発明の好ましい態様では、基R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つは、8〜18個の炭素原子を含有する。例えば、R1、R2、R3、およびR4の1、2、3、または4つは、8〜18個の炭素原子または10〜16個の炭素原子を含有することができる。
【0034】
基R1、R2、R3、およびR4に適した置換基は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、F、Cl、Br、I、-OR'、-NR'R"、-CF3、-CN、-NO2、-C2R'、-SR'、-N3、-C(=O)NR'R"、-NR'C(=O)R"、-C(=O)R'、-C(=O)OR'、-OC(=O)R'、-O(CR'R")rC(=O)R'、-O(CR'R")rNR"C(=O)R'、-O(CR'R")rNR"SO2R'、-OC(=O)NR'R"、-NR'C(=O)OR"、-SO2R'、-SO2NR'R"、および-NR'SO2R"からなる群から選択してもよく、
R'およびR"はそれぞれ、水素、C1〜C8アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはアリールアルキルであり、rは1〜6の整数であり、またはR'およびR"が一緒になって環状官能基を形成し、
アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、およびアリールアルキルに適用される「置換」という用語は、上述のFから-NR'SO2R"までの置換基を指す。
【0035】
R1、R2、R3、およびR4の1個または複数が中断される場合、適切な中断基には、限定するものではないが、酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子、およびリン含有部分(例えば、ホスフィネート)が含まれる。好ましい中断基は酸素である。
【0036】
クアットに適した陰イオンには、限定するものではないが、塩化物イオンやフッ化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物陰イオン、および非ハロゲン化スルホン酸イオンが含まれる。
【0037】
好ましいクアットは、式:
(CH3)n(A)mN+X-
を有するものであり、式中、Aは、R1、R2、R3、およびR4に関する上記の定義の通りであってよい。X-は、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、またはヨウ化物イオン、およびスルホン酸イオンから選択され(好ましくは、塩化物イオンまたは臭化物イオン)、nは1〜3であり(好ましくは2または3)、mは1〜3であり(好ましくは1または2)、ただしnおよびmの合計は4である。好ましくは、Aは、C6〜20(例えば、C8〜18、即ち8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個の炭素原子を有し、またはC8〜12)置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、またはシクロアルキル基である(適切な置換基は、R1、R2、R3、およびR4に関する上記の定義の通りである。)。各基Aは、同じでも異なっていてもよい。
【0038】
式(CH3)n(A)mN+X-の化合物の好ましい群は、n=3でありm=1である化合物である。そのような化合物において、Aは、上記の定義の通りであり、好ましくはC6〜20置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、またはアルキルアリール基である。このタイプの第四級アンモニウム化合物の例には、セトリミド(主にトリメチルテトラデシルアンモニウムブロミドである。)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが含まれる。
【0039】
式(CH3)n(A)mN+X-の化合物の別の好ましい群は、n=2でありm=2である化合物である。そのような化合物では、Aは、R1、R2、R3、およびR4に関する上記の定義の通りであってよい。好ましくはAは、C6〜20置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、またはアルキルアリール基である。例えばAは、直鎖の非置換および非中断C8〜12アルキル基またはベンジル基であってもよい。これらの化合物において基Aは、同じでも異なっていてもよい。このタイプの化合物の例には、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドおよびジオクチルジメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0040】
上述の好ましい第四級アンモニウム化合物の例には、ベンザルコニウムハロゲン化物と一般に呼ばれる化合物と、そのアリール環置換誘導体との群が含まれる。このタイプの化合物の例には、下記の構造式を有する塩化ベンザルコニウムが含まれ、
【0041】
【化2】

【0042】
式中、Rは、R1、R2、R3、およびR4に関する上記の定義の通りであってよい。好ましくは、RはC8〜18アルキル基であり、または塩化ベンザルコニウムは、C8〜18アルキル基の混合物、特に直鎖の非置換および非中断アルキル基n-C8H17からn-C18H37、主にn-C12H25(ドデシル)、n-C14H29(テトラデシル)、およびn-C16H33(ヘキサデシル)の混合物として提供されかつ/または使用される。
【0043】
その他の好ましい第四級アンモニウム化合物には、ベンゼン環が置換されたもの、例えばアルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリドが含まれる。例として、例えば、等モル量のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびアルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリドを含有する混合物を使用してもよい。
【0044】
例えば、1種または複数のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドと、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドなどの式(CH3)2(A)2N+X-の1種または複数の化合物との混合物を使用してもよい。
【0045】
典型的には、第四級アンモニウム化合物の混合物を使用する。これらの混合物では、第四級アンモニウム化合物を任意の適切な不活性成分と混合してもよい。市販の塩化ベンザルコニウムは、種々のアルキル鎖長を有する化合物の混合物をしばしば含有する。市販の塩化ベンザルコニウムの例を、以下のTable(表1)に示す。
【0046】
【表1A】

【0047】
【表1B】

【0048】
【表1C】

【0049】
単一のCAS番号は、しばしば複数のブレンドまたは混合物を指すことが理解されよう。商業的調製のためのCAS分類は、典型的には、指定された化合物を定義された範囲内の量で含むブレンドを包含する。上記引用されたCAS番号を有する組成物は、本発明で使用してもよい所与のCAS番号を有する組成物の、単なる例示である。
【0050】
R1、R2、R3、およびR4がヘテロ原子によって中断されている、適切な第四級アンモニウム化合物には、臭化ドミフェン((ドデシルジメチル-2-フェノキシエチル)アンモニウムブロミド)および塩化ベンゼトニウム(ベンジルジメチル[2-[2-[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]アンモニウムクロリド)が含まれる。
【0051】
本発明での使用に適したその他の第四級アンモニウム化合物には、限定するものではないが、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム化合物、およびヘキサミニウム化合物などの架橋環状アミノ化合物が含まれる。
【0052】
本発明で使用してもよいクアットのその他の例を以下に列挙する。
塩化セタルコニウム
塩化セチルピリジニウム
グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド
塩化ステアラルコニウム
塩化ゼフィラン(R)
ハイアミン3500
ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
ハイアミン1622(R)
塩化セタルコニウム
セチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
トリトンK12
セチルトリメチルアンモニウムクロリド
リターダーLA
1-ヘキサデシルピリジニウムクロリド
グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド
塩化ベンゼトニウムCAS 121-54-0
塩化セタルコニウムCAS 122-18-9
セトリミドCAS 8044-71-1
塩化セチルピリジニウム(無水物)CAS 123-03-5
塩化セテアラルコニウムCAS 122-19-0
臭化セトリモニウムCAS 57-09-0
【発明を実施するための形態】
【0053】
特に好ましい第四級アンモニウム化合物には、ベンジルジメチル-n-テトラデシル-アンモニウムクロリド、ベンジルジメチル-n-ドデシル-アンモニウムクロリド、n-ドデシル-n-テトラデシルジメチル-アンモニウムクロリド、およびベンジル-C12〜C16-アルキル-ジメチル-アンモニウムクロリド、ベンジル-ココアルキル-ジメチル-アンモニウムクロリド、ジ-n-デシルメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0054】
適切な混合物の例は、Mason Quats社のMaquat(登録商標)A(オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、およびアルキル(C14 50%、C12 40%、C16 10%)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドを活性成分として(例えば、それぞれ3.0%、1.5%、1.5%、および4.0%の量で、90.0%の不活性成分と共に)含む組成物)である。
【0055】
別の適切な混合物はMaquat(登録商標)615 5RTUであり、これは、オクチルデシルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、およびアルキル(C14 50%、C12 40%、C16 10%)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドを(例えば、それぞれ0.01050%、0.00525%、0.00525%、および0.01400%の量で、99.96500%の不活性成分と共に)含む混合物である。
【0056】
別の適切な混合物は、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、およびアルキル(C14 50%、C12 40%、C16 10%)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(それぞれ0.0399%、0.01995%、0.01995%、0.05320%であり、99.867%の不活性成分と共に含む)である。
【0057】
界面活性特性を備えたその他の市販されている抗菌剤の例には、BAC 50(Thor殺生剤から)およびNobac(塩化ベンザルコニウム、Mason Quats社製)が含まれる。
【0058】
本発明で使用される界面活性特性を備えた抗菌剤は、第四級アンモニウム化合物に限定されない。界面活性特性を備えた任意の適切な抗菌剤を使用してもよい。
【0059】
界面活性特性を備えたその他の適切な抗菌剤には、陰イオンおよび陽イオン界面活性剤材料ならびに両性材料が含まれる。その例には、第四級ビスアンモニウム界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルギニンをベースにした陽イオン界面活性剤、陰イオン系のアミノ酸をベースにした界面活性剤、およびこれらの混合物、例えば(1種または複数の)アルキルベタインとアルキルアミンオキシドとの混合物が含まれる。
【0060】
本発明での使用に適したベタインの例は、Macat(登録商標)Ultra(Mason Chemical Companyから入手可能)である。Macat(登録商標)Ultra CGは、30%のココ(C12)アミドプロピルジメチルグリシン(ベタイン)を水に溶かしたものを含む。
【0061】
本発明での使用に適したアルキルアミンオキシドの例は、Macat(登録商標)Ultra CDO(Mason Chemical Companyから入手可能)であり、ココ(C12)アミドプロピルジメチルアミンオキシドの30%水溶液である。
【0062】
上述の界面活性特性を備えた抗菌剤のいずれかの1種または複数は、本発明の組成物の成分(i)として使用してもよい。
【0063】
成分(i)の量は、組成物の意図される使用や、成分(i)として使用される特定の(1種または複数の)化合物などの要因の数に応じて様々になる。
【0064】
本発明の組成物で使用するのに適したシロキサンは、式(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3および(H3C)[SiO(CH3)H]nSi(CH3)3を有するものであり、式中、nは1〜24、より好ましくは1〜12、最も好ましくは1〜8の整数であり、例えばnは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12であってもよく、特に1、2、3、または4である。これらの材料は、しばしば、(ポリ)ジメチルシロキサン(CAS#9016-00-6)および(ポリ)メチルヒドロシロキサンとそれぞれ呼ばれる。これらの材料は、線状シロキサンおよび環状シロキサンであり、典型的には本発明で使用されないものである。これらの材料は、典型的には周囲温度および圧力(例えば、大気圧で約20℃)で液体である。
【0065】
本発明の組成物で使用するのに適したシロキサンは、典型的には約100〜約2000g/mol、好ましくは約148〜約1864(約162〜約1864または約148〜約1528など)、より好ましくは約148〜約1000または約976(例えば、約162〜約976または約148〜約808)、例えば約148〜約680など(例えば、約162〜約680または約148から約568)、特に約148〜約384(例えば、約162〜約384または約148〜約328)の分子量を有する。
【0066】
好ましい(ポリ)ジメチルシロキサンの例は、ヘキサメチルジシロキサン(CAS#107-46-0)、オクタメチルトリシロキサン(CAS#107-51-7)、デカメチルテトラシロキサン(CAS#141-62-8)、ドデカメチルペンタシロキサン(CAS#141-63-9)である。これらの(ポリ)ジメチルシロキサンは、式(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3の化合物(式中、それぞれn=1、2、3、および4)に該当する。
【0067】
これらの材料は、一般に、非常に疎水性でもある。非常に疎水性とは、大量の水からはじき返され、単独では実質的に水に不溶であるという意味を含む。「実質的に水に不溶」という文言は、その材料が、典型的には20℃、大気圧で2g/100g水未満の溶解度を有し、例えば1g/100g水未満であり、好ましくは0.5g/100g水未満であり、例えば0.1g/100g水未満であり、例えば0.01g/100g水未満であることを意味する。
【0068】
本発明の組成物で使用してもよいシロキサンは、典型的には大気圧、約20℃で約0.1〜約100センチストーク、好ましくは約0.2〜約20の粘度を有する。好ましいシロキサンは、約0.5〜約5センチストーク、例えば0.65、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、または10センチストーク、または3〜5センチストークの粘度を有する。
【0069】
本発明で使用されるシロキサンは、その比較的低い分子量に起因して、比較的揮発性がある。例えばシロキサンは、典型的には大気圧で約120℃未満の沸点を有し、例えば約100〜120℃である。例えばヘキサメチジシロキサンは、大気圧で約101℃の沸点を有する。
【0070】
上述のシロキサンは、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。多くの市販のシロキサンは混合物として提供され、これらは、混合物の成分を分離する必要なく本発明で使用することができる。本発明の組成物で使用するのに適した市販のシロキサンの詳細は、例えばhttp://www.clearcoproducts.com/standard_pure_silicones.htmlに示されている。
【0071】
例えば、2、3、4、5種、またはそれ以上のシロキサンの混合物を使用してもよい。シロキサンの組合せを使用する場合、材料は、等量でまたは異なる量で使用してもよい。例えば各シロキサンは、等モル量で使用してもよく、各シロキサンの重量による量は同じであってもよい。2種のシロキサンの混合物を使用するときに、その他の適切な比(シロキサンの総量のモル量または重量)は、0.1:99.9から99.9:0.1に及び、好ましくは1:99から99:1、より好ましくは95:5から5:95であり、例えば10:90から90:10または25:75から75:25である。例えば、ヘキサメチルジシロキサンとオクタメチルトリシロキサンとの組合せを使用する場合、上述の比を使用してもよい。ある特定の組合せは、ヘキサメチルジシロキサン:オクタメチルトリシロキサンを95:5の比で含む。
【0072】
2種以上のシロキサンの混合物を使用することは、本発明の好ましい態様である。ヘキサメチルジシロキサンとオクタメチルトリシロキサンとの組合せの使用が、特に好ましい。
【0073】
組成物が3種のシリコーン材料を含む場合、全シロキサンは、典型的には、第1、第2、および第3のシリコーン材料のそれぞれのシロキサンの総量の0.1〜99.8重量%を構成し、好ましくは、第1、第2、および第3のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の1〜98重量%、より好ましくは、第1、第2、および第3のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の5〜90重量%、例えば第1、第2、および第3のシロキサンのそれぞれのシリコーン材料の総量の10〜80重量%、例えば第1、第2、および第3のシロキサンのそれぞれのシロキサン材料の総量の25〜50重量%を構成する。
【0074】
組成物が4種のシロキサンを含む場合、全シロキサンは、典型的には、第1、第2、第3、および第4のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の0.1〜99.7重量%を構成し、好ましくは、第1、第2、第3、および第4のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の1〜97重量%、より好ましくは、第1、第2、第3、および第4のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の5〜85重量%、例えば第1、第2、第3、および第4のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の10〜70重量%、例えば第1、第2、第3、および第4のシロキサンのそれぞれのシロキサン材料の総量の20〜40重量%を構成する。
【0075】
組成物が5種のシロキサンを含む場合、全シロキサンは、典型的には、第1、第2、第3、第4、および第5のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の0.1〜99.6重量%を構成し、好ましくは、第1、第2、第3、第4、および第5のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の1〜96重量%、より好ましくは、第1、第2、第3、第4、および第5のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の5〜80重量%、例えば第1、第2、第3、第4、および第5のシロキサンのそれぞれのシロキサンの総量の10〜60重量%、例えば第1、第2、第3、第4、および第5のシロキサンのそれぞれのシロキサン材料の総量の15〜40重量%を構成する。
【0076】
本発明の組成物は、極性溶媒、成分(iii)を含む。適切な極性溶媒には、限定するものではないが、水、アルコール、エステル、ヒドロキシ、およびグリコールエステル、ポリオール、およびケトン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0077】
適切なアルコールには、限定するものではないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロパノール異性体の混合物、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソブタノール、ブタノール異性体の混合物、2-メチル-1-ブタノール、n-ペンタノール、ペンタノール異性体の混合物、およびアミルアルコール(異性体の混合物)、およびこれらの混合物など、直鎖または分岐鎖C1〜C5アルコールが含まれる。
【0078】
適切なエステルには、限定するものではないが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸アミル(異性体の混合物)、酢酸メチルアミル、酢酸2-エチルヘキシル、およびイソ酪酸イソブチル、およびこれらの混合物が含まれる。
【0079】
適切なヒドロキシおよびグリコールエステルには、限定するものではないが、酢酸メチルグリコール、酢酸エチルグリコール、酢酸ブチルグリコール、酢酸エチルジグリコール、酢酸ブチルジグリコール、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、酢酸3-メトキシ-n-ブチル、二酢酸エチレングリコール、ポリソルバンO、2-メチルプロパン酸-2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンチルエステル、メチルグリコール、エチルグリコール、イソプロピルグリコール、3-メトキシブタノール、ブチルグリコール、イソブチルグリコール、メチルジグリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、イソブチルジグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、およびジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、およびこれらの混合物が含まれる。
【0080】
適切なポリオールには、限定するものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびジプロピレングリコール、およびこれらの混合物が含まれる。
【0081】
適切なケトンには、限定するものではないが、イソブチルヘプチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルイソブテニルケトン、ペント-オキソン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、メチルブチルケトン、エチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、およびジエチルケトン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0082】
本発明の組成物で使用するのに好ましい極性溶媒には、限定するものではないが、水、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコール、およびこれらの混合物が含まれる。
【0083】
組成物が、水、または水と上述のアルコールから選択された1種もしくは複数のアルコールとの混合物を含むことは、本発明の特に好ましい特徴である。そのような混合物で、水は、主成分であることが好ましい。
【0084】
本発明の組成物は、上述の成分(i)、(ii)、および(iii)の他にも成分を含有していてもよい。例えば、1種または複数の追加の抗菌剤(iv)を含めてもよい。EPA(米国環境保護庁)のリストおよびEC殺生剤指示書の補遺Iに記載されているような、任意の適切な(1種または複数の)追加の抗菌剤を使用してもよい。
【0085】
適切な追加の抗菌剤(iv)には、両性化合物、ヨードフォア、フェノール化合物、次亜塩素酸塩、および窒素ベースの複素環式化合物が含まれる。
【0086】
好ましくは、追加の(1種または複数の)抗菌剤は、室温および室内圧力で水溶性である。
【0087】
理論に拘泥するものではないが、1種または複数の水溶性の追加の抗菌剤(iv)を含めることによって、成分(i)と(ii)の間に形成されるコロイド分散の殺生活性が補われると考えられる。一部の状況では、追加の(1種または複数の)抗菌剤が、本発明の組成物の長続きする効力を増大させると考えられる。
【0088】
好ましい追加の抗菌剤(iv)には、ポリマービグアニジン(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジン(PHMB))、イソチアザロン、オルトフェニルフェノール(OPP)、およびニトロブロモプロパン(例えば、ブロノポール(INN)、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)、および重合化第四級アンモニウム化合物が含まれる。
【0089】
特に好ましい追加の抗菌剤(iv)は、ポリヘキサメチレンビグアニジン(PHMB)である。PHMBは、バントシルとしてArch Biocidesから市販されている。
【0090】
本発明の組成物では、成分(i)および成分(ii)の大部分(50%超)が、これら成分の両方を含有するコロイド中に存在すると考えられる。追加の抗菌剤が使用される場合、この材料はコロイド中に含有されていてもよく、かつ/または極性溶媒に溶解されていてもよい。
【0091】
コロイドまたはコロイド状分散体は、視覚的には均質溶液であるように見える不均質混合物である。一部のコロイドは、コロイド中の粒子による光の散乱であるチンダル効果により、半透明である。その他のコロイドは、不透明であってもよく、または微かな色を有していてもよい。本発明の組成物中のコロイドは、典型的には不透明ではない。
【0092】
コロイドでは、分散相が、連続相全体に均等に分布している微粒子または液滴で作製される。分散相の粒子または液滴のサイズは、典型的には、1nm〜1μmの間である。このサイズ範囲内の分散相との不均質混合物を、コロイド状ゾル、コロイド状エマルジョン、コロイド状フォーム、コロイド状懸濁液、またはコロイド状分散液と呼んでもよい。
【0093】
分散相の粒子または液滴は、コロイドに存在する表面化学作用によって大きく影響を受ける。例えばコロイド粒子はしばしば電荷を保持し、したがって互いに引き合いまたは反撥し合う。連続相および分散相の両方の電荷、ならびにこれらの相の移動度は、この相互作用に影響を及ぼす因子である。
【0094】
コロイド分野の当業者なら、成分(i)および(ii)としての使用に適した材料を、そのような材料と、界面活性特性を備えた抗菌剤と、そのような材料がコロイド状分散液を共に形成する極性溶媒とに関して本明細書で提供された情報、さらに当業者のコロイドに関する知識(例えば、http://en.wikipedia.org/wiki/Colloid参照)に基づいて、容易に選択することができるであろう。
【0095】
理解されるように、本発明の組成物中の成分(i)、(ii)、および任意選択で(iv)のそれぞれの重量%は、組成物が提供される形と意図される組成物の用途とにかなりの程度まで依存することになる。組成物は、濃縮形態で作製され、次いで意図される用途に適した濃度に希釈されると考えられる。より具体的には、市販の溶液には、使用前に使用者が希釈することができる濃縮溶液が含まれ、またすぐに使用できる希釈溶液が準備されると考えられる。
【0096】
必要とされる抗菌効果を発揮するために、本発明の組成物にとって重要なことは、典型的には最終溶液中の成分の濃度ではなく、成分の分子数の比である。この比は、組成物が濃縮形態にあってもなくても、または組成物が希釈(すぐに使用できる)形態にあってもなくても、同じままになる。
【0097】
典型的には、成分(i)と成分(ii)の分子数の比は、約100:1〜5:1に及び、好ましくは約90:1〜約8:1、より好ましくは約80:1〜約15:1、さらにより好ましくは約70:1〜約25:1または約20:1、最も好ましくは約40:1〜約60:1、例えば約50:1である。
【0098】
成分(i)の分子と、使用する場合には任意選択の追加の抗菌剤の分子との比は、典型的には約1:2または約1:1〜約50:1であり、好ましくは約2:1〜約30:1、より好ましくは約4:1〜約20:1、最も好ましくは約8:1〜約15:1、例えば約10:1である。
【0099】
本発明の典型的な組成物では、(ii)のすべての分子に対する(i)および(iv)の総数は、約5〜約80であり、例えば約10〜約60、例えば50程度である。
【0100】
使用中、少なくとも成分(i)および(ii)を上述の比で含む本発明の組成物は、有利な抗菌効果を発揮することが見い出された。例えば、そのような組成物は、表面に適用したときに高い死滅率を有することができ(いわゆる「湿潤死滅(wet kill)」)、かつ/または表面での新たな微生物コロニーの形成を防止するという点で残留効果も発揮することができ(いわゆる「乾燥死滅(dry kill)」)、かつ/または以前から知られている組成物よりも著しく低い濃度の抗菌剤で効果的である。
【0101】
典型的には、成分(i)は、組成物の約0.01〜約50重量%の量で、例えば約0.02〜約40%、例えば約0.05〜約30%、好ましくは約0.1〜約20%(例えば、0.2〜15%または0.5〜10%)の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0102】
典型的には、成分(ii)は、組成物の約0.001〜約10重量%の量で、例えば約0.002〜約5%、例えば約0.003から約2%、好ましくは約0.005〜約1%(例えば、0.008〜0.8%または0.1〜0.5%)の量で、本発明の組成物中に存在する。成分(ii)の量は、組成物の意図される使用や、使用されるコロイド形成材料、その性質(例えば、粘度および揮発性)など、因子の数に応じて様々になる。
【0103】
典型的には、極性溶媒成分(iii)は、組成物の約10〜約99.999重量%の量で、例えば約50〜約99.999%、例えば約80〜約99.99%、好ましくは約90から約99.9%、より好ましくは約95〜約99.8%(例えば、97〜99.7%または97.5〜99.6%)の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0104】
典型的には、PHMBなどの(1種または複数の)追加の抗菌剤は、組成物の約0.001〜約10重量%の量で、例えば約0.005〜約5%、例えば約0.01〜約2%、好ましくは約0.05〜約1%(例えば、約0.1〜0.5%)の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0105】
本発明の組成物中の、成分(i)、(ii)、および(iv)(存在する場合)の実際の濃度は、この組成物の意図される用途に依存することになることが理解されよう。MRSAなどの疾患の蔓延の予防を助けるための、病棟および設備の清掃などの殺菌用途では、ある消毒の適用例よりも高い濃度が必要とされる。
【0106】
本発明は、(I)上記で定義した成分(i)、成分(ii)、および任意選択の成分(iv)のコロイドと、(II)極性溶媒(iii)とを含む抗菌組成物を提供する。
【0107】
本発明の組成物では、成分(i)および成分(ii)の大部分(50%超、好ましくは75%超、より好ましくは90%超、最も好ましくは実質的にすべて(少なくとも97%)または100%)が、これらの成分を両方含有するコロイドに存在すると考えられる。追加の抗菌剤が使用される場合、この材料は、コロイド中に含有されてもよく、かつ/または極性溶媒に溶解してもよい。
【0108】
コロイドまたはコロイド状分散体は、視覚的には均質溶液であるように見える不均質混合物である。一部のコロイドは、コロイド中の粒子による光の散乱であるチンダル効果により、半透明である。その他のコロイドは、不透明であってもよく、または微かな色を有していてもよい。本発明の組成物中のコロイドは、典型的には不透明ではない。
【0109】
コロイドでは、分散相が、連続相全体に均等に分布している微粒子または液滴で作製される。分散相の粒子または液滴のサイズは、典型的には、1nm〜1μmの間である。このサイズ範囲内の分散相との不均質混合物を、コロイド状ゾル、コロイド状エマルジョン、コロイド状フォーム、コロイド状懸濁液、またはコロイド状分散液と呼んでもよい。
【0110】
本発明者らは、限定するものではないが、例えば球状または円筒状であってもよいビヒクルおよびミセルを含んだ様々なコロイド構造を包含するために、コロイドという用語を本明細書で使用する。
【0111】
分散相の粒子または液滴は、コロイドに存在する表面化学作用によって大きく影響を受ける。例えばコロイド粒子はしばしば電荷を保持し、したがって互いに引き合いまたは反撥し合う。連続相および分散相の両方の電荷、ならびにこれらの相の移動度は、この相互作用に影響を及ぼす因子である。
【0112】
コロイド分野の当業者なら、成分(i)および(ii)としての使用に適した材料を、そのような材料と、界面活性特性を備えた抗菌剤と、そのような材料がコロイド状分散液を共に形成する極性溶媒とに関して本明細書で提供された情報、さらに当業者のコロイドに関する知識(例えば、http://en.wikipedia.org/wiki/Colloid参照)に基づいて、容易に選択することができるであろう。
【0113】
理論に拘泥するものではないが、本発明者らは、本発明の組成物に関連した非常に有意な利点があることを見出した。本発明の組成物のコロイドの性質は、これらの利点の1つまたは複数に関与していると考えられる。
【0114】
使用中、本発明の組成物は、この組成物が適用される表面上または表面での微生物コロニーの形成を実質的に低減または制御するように働く。これは、本発明の組成物が、表面に適用したときにその表面に存在する任意の微生物を死滅させるだけではなく(いわゆる「湿潤死滅」)、表面での新たな微生物コロニーの形成を防止するという点で残留効果も発揮すること(いわゆる「乾燥死滅」)を意味する。本発明の組成物中に存在するシロキサンおよび(1種または複数の)抗菌剤(例えば、コロイドの形にある)は、極性溶媒が蒸発した後に表面に存在し続け、これらの成分が表面に存在することによって、微生物のコロニーのバイオフィルム形成/増殖が防止されると考えられる。残留効果は、処理した表面を水で洗浄しまたはすすいだ後であっても、またときには多数回の洗浄またはすすぎの後であっても、しばしば見ることができる。
【0115】
抗菌組成物は、本明細書に記述される残留効力試験において、少なくともlog3.0の微生物数の減少が生じた場合には、残留効果を発揮するとみなされる。好ましくは、残留効果を有しかつこの手法で試験された抗菌組成物は、上述の試験条件下で、少なくとも約3.5、より好ましくは少なくとも約5.0、最も好ましくは約7.0以上から全滅または実質的な全滅(生存数0)に至るまで、対数減少(log reduction)をもたらすことになる。
【0116】
特定の態様では、本発明は、残留効果を発揮する抗菌組成物を提供する。これは、本明細書に記述される残留効力試験に従い試験をしたときに、これらの組成物が、上記段落で述べたパラメータ内の抗菌効力を有することを意味する。
【0117】
本発明の組成物の独自の成分(シロキサンと(1種または複数の)抗菌剤とのコロイドを含んでもよい。)は、抗菌剤単独での使用に比べ、高い抗菌効率(より高い初期死滅率に関して、および/または残留効力に関して)をもたらすことが見い出された。これは、本発明で使用されるシロキサンがそれ自体はいかなる抗菌特性を有していないので、特に驚くべきことである。これは、所望の効果を発揮するために本発明の組成物で必要とされる抗菌剤の濃度は、多くの従来の抗菌組成物で必要とされる場合よりも低くすることができることを意味する。
【0118】
バイオフィルムの形成の防止と、大きく減少し弱められた微生物コロニーとによって、感染または汚染に起因する危険性が実質的に低減する。
【0119】
本発明の抗菌組成物は、典型的には、既に形成されたバイオフィルムを破壊することができる。
【0120】
本発明の抗菌組成物は、細菌、真菌、およびカビを含めた広範な微生物では一般的な特徴である微生物と表面との接着および付着を物理的に破壊するので、この組成物は、広範な微生物に対して有効である。このように、本発明の抗菌組成物の利点は、広範な微生物が表面に接着し付着するのを防止できること、したがってバイオフィルムの形成を防止できることである。多数のコロニーが形成されることも、実質的に防止される。このように、コロニーが増殖する能力は、実質的に低減されまたはさらに防止される。したがって本発明の抗菌組成物は、一般に、微生物を制御する。
【0121】
本発明の抗菌組成物は、機能性材料などのその他の材料に容易に組み込むことができる。そのような材料に組み込まれた場合、材料は、その性質が抗菌性になり、配合物の表面は、そこに微生物が接着し付着するのを実質的に防止するよう改質されることになる。
【0122】
抗菌組成物の別の利点は、哺乳類にとって非常に有毒な材料の組合せを含む必要がないことである。抗菌組成物で使用される抗菌剤は、典型的には周知であり、広く理解され試験された抗菌剤である。知られている抗菌剤の効力は、本発明の組成物中で増幅される。したがって、低毒性を有する抗菌剤を、抗菌組成物に使用することができる。対照的に、知られている消毒技法用の新しい抗菌剤は、「より強力な」、より有毒および/またはほとんど試験されていない材料を使用する。
【0123】
本発明の抗菌組成物は、非常に持続的な残留物またはリンセートを生成する材料、または重金属およびその塩を含有する生成物も含まない。このように、抗菌組成物に関連した長期にわたる障害の危険性が大幅に低下する。
【0124】
本発明の組成物は、この組成物が制御する微生物の、生化学的再現性のある経路を妨げない。したがって、耐性の増加の危険性および耐性菌の発生が低い。
【0125】
原則として、本発明の組成物の抗菌効力は、その内部に含有される抗菌剤の濃度が増加するにつれて増大する。しかし本発明の組成物は、驚くべきことに、同じ抗菌濃度の知られている抗菌組成物に比べ、低濃度の抗菌剤(即ち、極性溶媒による高希釈)で効果的にすることができる。本発明の組成物は、抗菌剤(i)および(iv)の全濃度が約400以下〜約30ppm、例えば約300〜約50ppm、例えば約200〜約75ppm、または約150〜約100ppm程度に低い場合(例えば、合計で約95ppmの組成分(i)および(iv)と、約5ppmの成分(ii)とを含む組成物)、効果的にできることが見い出された。これは、従来の抗菌組成物(第四級アンモニウム化合物を含むものなど)の場合に抗菌剤の濃度は少なくとも約400ppmでなければならないと考えられるので、非常に驚くべきことである。この高い活性は、成分(i)、(ii)、および(iv)(存在する場合)の濃度が変化するときのコロイド構造の性質の変化に関連していると考えられる。
【0126】
本発明は、上記段落に記述される低レベルの抗菌剤を含む組成物を提供し、また、上記段落に記述される低レベルの抗菌剤を得るために、使用前または使用中に希釈することができるより高いレベルの抗菌剤を含有するより濃縮された組成物も提供する。
【0127】
この低レベルの抗菌剤を含む組成物は、消毒の適用例および長期にわたる適用例に、特に有用である。
【0128】
組成物は、本明細書に記述される大腸菌K12 O Rough H48による懸濁試験において、少なくとも約5.0である微生物数の減少をもたらす場合には、抗菌効力を有するとみなされる。これは、懸濁試験の欧州基準に準拠する。抗菌効力を有する組成物は、この試験にかけたときに、少なくとも約log5.0の微生物数の減少〜全死滅または生存数0をもたらすものであるとみなすことができる。好ましくは抗菌組成物は、上述の試験条件下で、少なくとも約log6.0の微生物数の減少を、より好ましくは約7.0以上の減少をもたらす。最も好ましくは、抗菌組成物は、上述の試験条件下で、実質的に0の生存数または実質的にすべての死滅をもたらす。
【0129】
このように、特定の態様では、本発明は、上記段落で述べたパラメータ内で本明細書に記述される大腸菌K12 O Rough H48を用いた懸濁試験にかけたときに抗菌効力を発揮する、上述の低濃度の抗菌剤を有する組成物を提供する。本発明は、これら低濃度の抗菌剤を有するように希釈することができ、かつこれらの濃度に希釈した場合、上記段落で述べたパラメータ内で本明細書に記述される大腸菌K12 O Rough H48を用いた懸濁試験にかけたときに抗菌効力を発揮する、組成物も提供する。
【0130】
理論に拘泥するものではないが、本発明の組成物中にコロイド状懸濁液を構成することが考えられる成分(i)および(ii)は、溶液中のこれら成分の濃度に応じて種々のコロイド構造を形成し得ると考えられる。これら種々の構造は、典型的には、これら構想が形成される、成分(i)および(ii)の好ましい濃度範囲、いわゆる臨界ミセル濃度を有していてもよい。
【0131】
本発明の組成物のコロイド構造のサイズおよび形態は、コロイドを形成する成分の濃度などの因子に応じて変わると考えられる。例えば、組成物が成分(i)、成分(ii)、および成分(iv)(存在する場合)を約500,000ppm〜約5000ppm(これらの成分を合わせた量)含む場合、コロイドは、典型的には約1〜約120nm、例えば約2〜約100nm、例えば約5〜約80nm、例えば約10または約20nm〜約60nmの平均(中間)直径を有すると考えられる。
【0132】
成分(i)、(ii)、および(iv)(存在する場合)の濃度が約5000ppm未満〜約30ppmまたは約50ppmまたは約100ppmに低下するにつれ、コロイドのサイズは変化し、その形態も変化すると考えられる。
【0133】
コロイド粒子のサイズ測定は、任意の適切な方法を使用して、例えば動的光散乱(例えば、Malvern Zetasizer)によって行ってもよい。
【0134】
組成物の約0.002〜約5重量%など(例えば、0.005〜約1%)、成分(i)および(ii)のより低い組合せ濃度では、組成物が、抗菌薬として驚くべきほど有効であると考えられる。これは、より濃縮された溶液に比べ、コロイド状懸濁液中により大きなベシクルで存在することに起因すると考えられる。これらのベシクルは、より多くの抗菌分子を含有すると考えられる。したがって各ベシクルは、高い抗菌効果を発揮することができる。
【0135】
上記使用される成分(ii)の定義内でのシロキサンの使用は、本発明の組成物をいくつかの適用例に、特に消費者向け適用例に特に適したものにする、その他の特定の追加の利点をもたらすことができる。例えば、コロイドが破壊された場合(例えば、摩耗により表面で)、これらの比較的揮発性ある材料は、表面に残らないように蒸発する。
【0136】
本発明の組成物は、この組成物が適用される表面に、脂っぽい感触を与えない。さらに、これらを含有する組成物は、非常に良好な手触りをもたらし、そのため手の消毒などの用途に特に適したものとなる。
【0137】
本発明の他の態様によれば、抗菌組成物と、少なくとも1種のその他の機能性材料または基質とを含む配合物が提供される。
【0138】
適切な機能性材料または基質には、プラスチック、繊維、被膜、フィルム、ラミネート、接着剤、シーラント、クレイ、磁器、セラミック、コンクリート、砂、塗料、ワニス、ラッカー、清浄剤、または固化もしくは硬化性組成物、例えば充填剤やグラウト、マスチック、パテなどが含まれる。
【0139】
プラスチックは、フィルム、シート、スタブ、および成型プラスチック部品の形をとってもよい。適切なプラスチック材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、エチレン-ビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ、フェノールおよびポリカーボネートセルロース、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル、ブタジエン-スチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレン-アクリルコポリマー、アセタール、ポリケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、液晶ポリマー、およびフルオロポリマー、アミノ樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー、スチレンブタジエンゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムなどのゴム、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、およびこれらのブレンドおよびコポリマーから調製してもよい。
【0140】
本発明の抗菌組成物、および機能性材料としてプラスチック材料を含む配合物は、例えば、自動車部品、シャワーカーテン、マット、保護カバー、テープ、包装、ガスケット、くず入れ、汎用容器、ブラシ用取っ手、スポンジ、モップ、真空クリーナバッグ、絶縁体、プラスチックフィルム、屋内および屋外用家具、管材、ワイヤおよびケーブル用絶縁体、配管供給および固定具、住宅用サイディング、ライナー、不織布、台所および浴室用設備、機械器具および設備、カウンター、シンク、床材、タイル、食器、コンベヤベルト、ブーツを含む履物、スポーツ用品、および道具などの製品を形成するのに使用してもよい。
【0141】
適切な繊維は、アセテート、PETやPTTなどのポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンやアクリル、ビスコース、ポリウレタン、レーヨンなどのポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、多糖、これらのコポリマーおよびブレンドから調製してもよい。
【0142】
抗菌組成物、および機能性材料として繊維を含む配合物は、例えば、マットレスカバーパッドおよびフィリング、枕カバー、シート、毛布、キルト用繊維充填材、枕、カーテン、掛け布、絨毯および絨毯下地、敷物の上張り、テーブルクロス、ナプキン、雑巾、モップ、タオル、バッグ本体のカバー布、クッションパッド、寝袋、およびブラシ用剛毛などの適用例で使用してもよい。繊維は、自動車およびトラックの椅子張り、絨毯地、リアデッキ、トランクの内張り、コンバーティブルトップ、およびインテリアライナでの使用にも適している。さらに繊維は、傘、上着、制服、コート、エプロン、スポーツウェア、寝間着、ストッキング、ソックス、メリヤスキャップ、下着、およびジャケット用インナーライナー、シューズ、グローブ、およびヘルメット、上着および下着ならびにブラシ用剛毛のトリム、人工皮革、フィルター、ブックカバー、モップ、帆の布、ロープ、テント、およびその他の屋外設備、防水布、および日除けでの使用に適している。
【0143】
配合物での使用に適した被膜には、水系、溶媒系、100%固形分、および/または放射線硬化被膜が含まれる。被膜は、液体または粉末のコーティングであってもよい。
【0144】
適切な被膜、フィルム、およびラミネートには、アルキド、メラミンホルムアルデヒドや尿素ホルムアルデヒドなどのアミノ樹脂、不飽和ポリエステル、PET、PBTなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ、フェノール、およびポリカーボネートセルロース、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、アクリロニトリル-スチレンアクリルコポリマー、アセタール、ポリケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、液晶ポリマー、およびフルオロポリマー、熱可塑性エラストマー、スチレンブタジエンゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムなどのゴム、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、これらのブレンドおよびコポリマーが含まれる。
【0145】
抗菌組成物、および機能性材料としてコーティングを含む配合物は、例えば、壁、壁材、床、コンクリート、サイディング、シングル屋根板、工業設備、天然および合成の繊維および布、家具、自動車および車両用部品、包装、紙製品(壁装材、タオル、ブックカバー)バリア織布と、セメントタイル用、およびトイレやシンク、カウンターなどの衛生設備で使用されるガラス質磁器用のつや出しで使用してもよい。
【0146】
配合物での使用に適した接着剤およびシーラントには、ホットメルト、水性、溶媒系、100%固形分、および放射線硬化接着剤およびシーラントが含まれる。
【0147】
適切な接着剤およびシーラントには、アルキド、メラミンホルムアルデヒドや尿素ホルムアルデヒドなどのアミノ樹脂、不飽和ポリエステル、PET、PBTなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリイミドポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル、プラスチゾルなどのポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ、フェノール、およびポリカーボネート、セルロース、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル-ブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリル-スチレン-アクリルコポリマー、アセタール、ポリケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、液晶ポリマー、およびフルオロポリマー、熱可塑性エラストマー、ゴム(スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、CRを含む)、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、これらのブレンドおよびコポリマーが含まれる。
【0148】
抗菌組成物、および機能性材料として接着剤またはシーラントを含む配合物は、例えば、木材およびプラスチックの複合体、セラミックタイル、木材、紙、ボール紙、ゴム、およびプラスチック用の接着剤、窓用つや出し、グラウト、配管用シーラントと、電気器具、浴室、シャワー、台所、および構造用の接着剤、シーラント、および絶縁材料の製造で使用してもよい。
【0149】
抗菌組成物、および機能性材料としてクレイ、磁器、セラミック、コンクリート、砂、またはグラウトを含む配合物は、例えば、トイレ、シンク、フローリング、スタッコ、プラスター、キャットリター、排水路、および下水管で使用してもよい。
【0150】
抗菌組成物は、製造、請負、および建設業用の、非常に広く様々な機能性化合物と組み合わせることができる。抗菌組成物の性質は、特定の機能性化合物と、この特定の機能性化合物中に存在する微生物の数および性質とに応じて、変えてもよい。
【0151】
本発明の抗菌組成物およびそれを含む配合物は、典型的には水に浸漬したときに分解して、低毒性でありかつ環境内での滞留時間が短いリンセート/浸出液を提供することができる。
【0152】
リンセートは、抗菌剤が第2の化合物に結合し、したがって組成物は水の存在下で容易に解離しないので、低毒性を有すると考えられる。
【0153】
配合物は、ほとんどの製造環境で安定かつ有効であるように、設計することができる。配合物は、典型的には、200℃の温度まで安定である。
【0154】
生成物の移動特性により、頻繁に洗浄されまたはすすがれる材料には、通常の清浄化またはメンテナンスの作業中に抗菌組成物を「再添加」することが可能になる。
【0155】
典型的には、抗菌組成物は、単純な従来の洗浄溶液に組み込まれ、または清浄化中に「最終すすぎ」に添加される。抗菌組成物は、その疎水性要素の存在により、「再添加」される生成物の表面に引き出されることになる。したがって、配合物の消毒特性は、再製造または困難な処理プロセスを必要とすることなく回復される。
【0156】
そのような再充填溶液および水によって希釈された抗菌組成物または配合物を含有する任意の洗液またはリンセートは、先に論じたように、生分解性成分に素早く分離される。
【0157】
本発明の別の態様によれば、本発明の抗菌組成物が供給される表面での微生物のコロニーの形成を防止するための、本発明の抗菌組成物の使用が提供される。
【0158】
本発明のさらに別の態様によれば、配合物が供給される表面での微生物のコロニーの形成を防止するための、配合物の使用が提供される。
【0159】
本発明は、本発明の組成物を作製するための方法も提供する。この方法は、(A)成分(i)と成分(ii)を混合するステップ、(B)ステップ(A)で形成された混合物に極性溶媒を添加するステップ、および(C)得られた混合物を透明な溶液が形成されるまでかき混ぜるステップを含む。
【0160】
成分(i)が固体の場合、ステップ(A)は、成分(i)を溶解するのに十分な極性溶媒中で実施することもできる。あるいは、成分(i)を使用してもよい一部の材料は、溶液として市販されている。この場合、これらの材料は、その市販されている形でステップ(A)で使用することができる。
【0161】
典型的には、ステップ(A)で使用される混合物は、極性溶媒を約1〜約25重量%、より好ましくは約2〜約8重量%の極性溶媒を含む。ステップ(A)で使用される溶媒の量が多い場合、コロイドは形成されなくなる。当業者なら、使用するのに適切な量を、容易に決定することができるであろう。多過ぎる溶媒を使用した場合、初期の濁りのある溶液は、透明にならなくなる(透明な溶液は、コロイドの形成に関連があると考えられる。)。ステップ(A)で典型的に使用される極性溶媒は、水であるが、その他の極性溶媒を代わりにまたは追加として使用してもよい。
【0162】
1種または複数の追加の抗菌剤(iv)を使用する場合、これらの抗菌剤をステップ(A)に導入してもよく、またはステップ(B)で添加してもよい。これらの抗菌剤がステップ(A)で添加される場合、追加の抗菌剤の少なくとも一部は、任意のコロイド粒子に含めてもよい。(1種または複数の)追加の抗菌剤をステップ(B)で添加する場合、これらの抗菌剤は、極性溶媒中に、より簡単に溶解し易くなる(当然ながら、これらの抗菌剤は極性溶媒に可溶であることを条件とする。)。しかしこれらの抗菌剤は、コロイドの外面にも付着する可能性がある。
【0163】
典型的には、本発明の組成物を生成する方法は、室温で攪拌しながら実施される。ステップ(A)で、混合物は、成分(ii)が極性溶媒に不溶であるので最初は濁っている。
【0164】
典型的には、ステップ(A)は、溶液が透明になったときに終了する。この透明な溶液は、成分(i)および(ii)と、使用する場合には追加の抗菌剤(iv)とのコロイドまたはミセルを含有すると考えられる。
【0165】
極性溶媒に溶解しない抗菌剤を使用する場合、この抗菌剤は、コロイドの一部を形成するようにステップ(A)で添加されるべきである。
【0166】
ステップ(A)では、成分を、適切な任意の手法(例えば、コロイド構造(例えば、ミセルおよびベシクル)の形成を最大限にするのに適切な手法)で混合してもよい。これは、成分(i)を成分(ii)に、またはその逆でゆっくりと添加し、次いで混合(例えば一晩攪拌)することによって実現してもよい。成分の添加速度は、適切な混合および/またはコロイド形成を妨げる可能性がある「衝撃」が防止されるように調節することが、しばしば必要である。適切な添加速度を決定することは、当業者にとって通常の事項であろう。混合/ブレンドステップは、超音波混合/ブレンドの技法を使用することもできる。
【0167】
本発明は、上述の方法によって得ることが可能な組成物を提供する。
【0168】
本発明の組成物は、濃縮した(即ち、極性溶媒をほとんどまたはまったく含まない)形で調製し、使用するときに極性溶媒(例えば、水)で希釈してもよい。
【0169】
試験方法
1.大腸菌K12 OラフH48を用いる懸濁試験を用いた殺菌活性の評価
この試験の狙いは、大腸菌K12 OラフH48に対する本発明の生成物の殺菌活性を評価することである。
【0170】
【表2】

【0171】
試験生物
大腸菌K12 OラフH48
試験生物は、4℃にてLBAプレート上で維持した。1つのコロニーを用いて、100mlのフラスコのLBに接種し、37℃にて16時間インキュベートして、定常期に到達した。対数期の培養について、4mlのLBに1つのコロニーを接種し、37℃にて16時間インキュベートした。1mlの細菌懸濁物を、次いで、100mlのLBに加えて、およそ0.375のOD600まで成長させた。それぞれの生物を、LBを用いて系列希釈し、LBAプレート上で培養して、1mlあたりのコロニー形成単位数を決定した。
【0172】
試験条件の妥当性確認
1.選択された実験条件の妥当性確認
1mlのウシアルブミン溶液(BSA)を、およそ3.0×108cfu/mlを含有する1mlの細菌試験懸濁物と共に試験管に入れ、20℃の試験温度にて2分間インキュベートした。この時間の最後に、8mlのLBを加えた。この混合物を、10分間の試験接触時間でインキュベートした。次いで、溶液を、3.0×103および3.0×102cfu/mlに希釈した。0.1mlのこれらの試験溶液を、3重にピペットで分注し、12〜15mlのLBA上で培養したが、これは3.0×102および3.0×101cfuに等しい。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0173】
試験結果は、細菌懸濁物の0.05倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0174】
2.中和剤毒性の妥当性確認
9mlの中和剤(NF)を試験管に入れ、およそ3.0×108cfu/mlを含有する1mlの細菌懸濁物と混合した。混合物を20℃にて10分間インキュベートした。懸濁物を3.0×103および3.0×102cfu/mlにLBAを用いて希釈した。0.1mlを、次いで、12〜15mlのLBAを含有する3重のプレートにピペットで分注した。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0175】
試験結果は、細菌懸濁物の0.05倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0176】
3.希釈-中和の妥当性確認
1mlのウシアルブミン溶液(BSA)を、1mlのLBと共に試験管に入れ、20℃にて5分間インキュベートした。次いで、1mlをとって、8mlの中和剤(NF)に加えた。5分間のインキュベーションの後に、1mlの細菌懸濁物を加えた。混合物を20℃にて10分間放置した。懸濁物を3.0×103および3.0×102cfu/mlにLBを用いて希釈し、次いで、0.1mlを3重で12〜15mlのLBA上で培養した。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0177】
試験結果は、中和剤毒性の妥当性確認の0.5倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0178】
試験方法
試験のために選択した条件は:
温度:20℃
接触時間:2分間
干渉物質:ウシアルブミン溶液(0.3%)
生成物試験溶液:Byotrol生成物G5(0.5%(v/v)、飲用水で希釈)と、記載される界面活性剤/界面活性剤混合物、pHは記載するようにして調整する
である。
【0179】
1mlのBSAを1mlの細菌試験懸濁物(およそ3×108cfu/ml)に加え、20℃にて5分間インキュベートした。この時間の最後に、8mlの生成物試験溶液を加えた。2分間の接触時間の後に、1mlの分割量を9mlの中和剤(NF)中にピペットで分注した。1mlのこの混合物を、系列希釈に用いた(LB+NF):10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6および10-7。1mLの系列希釈を2重に、12〜15mlのLBAを含むペトリ皿で培養した。
【0180】
この試験手順を用いて、抗菌効力を有する組成物を同定できる。組成物は、この試験において、少なくとも約log5.0の微生物数の減少を示す場合に、抗菌効力を有するとみなす。これは、懸濁試験についての欧州の基準(1276)に従う。抗菌効力を有する組成物は、この試験に供したときに、少なくとも約log5.0の微生物数の減少から完全な死滅もしくは生存菌ゼロを与えるものであるとみなすことができる。好ましくは、抗菌組成物は、上記の試験条件下で、少なくとも約log6.0、より好ましくは約7.0以上の微生物数の減少を与える。最も好ましくは、抗菌組成物は、上記の試験条件下で、実質的に生存菌ゼロまたは実質的に完全な死滅を与える。
【0181】
2.大腸菌K12 OラフH48を用いる残存効力試験
この試験の狙いは、典型的な家庭の条件下での大腸菌K12 OラフH48に対する本発明の生成物の残存効力を評価することである。
【0182】
【表3】

【0183】
試験生物
大腸菌K12 OラフH48
試験生物は、4℃にてLBAプレート上で維持した。1つのコロニーを用いて、100mlのフラスコのLBに接種し、37℃にて16時間インキュベートして、定常期に到達した。対数期の培養について、4mlのLBに1つのコロニーを接種し、37℃にて16時間インキュベートした。1mlの細菌懸濁物を、次いで、100mlのLBに加えて、およそ0.375のOD600まで成長させた。それぞれの生物を、次いで、LBを用いて系列希釈し、LBAプレート上で培養して、1mlあたりのコロニー形成単位数を決定した。
【0184】
試験条件の妥当性確認
1.選択された実験条件の妥当性確認
1mlのウシアルブミン溶液(BSA)を、およそ3.0×108cfu/mlを含有する1mlの細菌試験懸濁物と共に試験管に入れ、20℃の試験温度にて2分間インキュベートした。この時間の最後に、8mlのLBを加えた。この混合物を、10分間の試験接触時間でインキュベートした。次いで、溶液を、3.0×103および3.0×102cfu/mlに希釈した。0.1mlのこれらの試験溶液を、3重にピペットで分注し、12〜15mlのLBA上で培養したが、これは3.0×102および3.0×101cfuに等しい。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0185】
試験結果は、細菌懸濁物の0.05倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0186】
2.中和剤毒性の妥当性確認
9mlの中和剤(NF)を試験管に入れ、およそ3.0×108cfu/mlを含有する1mlの細菌懸濁物と混合した。混合物を20℃にて10分間インキュベートした。懸濁物を3.0×103および3.0×102cfu/mlにLBAを用いて希釈した。0.1mlを、次いで、12〜15mlのLBAを含有する3重のプレートにピペットで分注した。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0187】
試験結果は、細菌懸濁物の0.05倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0188】
3.希釈-中和の妥当性確認
1mlのウシアルブミン溶液(BSA)を、1mlのLBと共に試験管に入れ、20℃にて5分間インキュベートした。次いで、1mlをとって、8mlの中和剤(NF)に加えた。5分間のインキュベーションの後に、1mlの細菌懸濁物を加えた。混合物を20℃にて10分間放置した。懸濁物を3.0×103および3.0×102cfu/mlにLBを用いて希釈し、次いで、0.1mlを3重で12〜15mlのLBA上で培養した。プレートを37℃にて24時間インキュベートした。
【0189】
試験結果は、中和剤毒性の妥当性確認の0.5倍と等しいかまたはそれより大きいはずである。
【0190】
試験方法
1.担体の前処理
担体を、イソプロパノール(70%v/v)を用いて噴霧により清浄/消毒した。過剰のイソプロパノールを用いて、表面全体を完全に被覆した。過剰のイソプロパノールを流すことにより除去した。さらなる乾燥を10分間可能にした。
【0191】
2.担体への1回目の接種
タイル表面への約106CFUの細菌の1回目の攻撃。塗布容量は、10μLに設定する。イソプロパノールの残存量が残っていると、塗布された細菌のいくらかは死滅する可能性がある。10μLの塗布容量を、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ)によりタイル表面全体に広げた。攻撃されたタイルを、50分間にわたって乾燥させた。
【0192】
3.担体への生成物の塗布
1mLの消毒生成物を、前処理した担体表面に塗布した。塗布した消毒生成物を、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ)により表面全体に広げた。過剰の消毒生成物による表面処理を、10分間にわたって行った。前処理した担体を、プロフェッショナルケアワイプで覆って、清潔な場所に一晩保管した。
【0193】
4.担体への接種
タイル表面への接種は、約106CFUの細菌を用いることにより行った。塗布容量は、10μLに設定した。イソプロパノールの残存量が残っていると、塗布された細菌のいくらかは死滅する可能性がある。10μLの塗布容量を、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ)によりタイル表面全体に広げた。攻撃されたタイルを、50分間にわたって乾燥させた。
【0194】
5.水でのすすぎ
タイル表面を、10mLの滅菌水(水ミリポア処理)ですすいだ。すすぎの後に、タイルを1時間までまたは表面が目視で乾燥するまで乾燥させた。
【0195】
6.乾燥摩耗サイクル
摩耗サイクルを研磨ステップとして用いる。乾燥摩耗サイクルは、プロフェッショナルケアワイプで包んだコルク片を前後に動かすことにより行った。通常の手の圧力を印加する。非ビスコース型のプロフェッショナルケアワイプは、クアットまたはPHMBを吸着しない。
【0196】
7.湿潤摩耗サイクル
プロフェッショナルケアワイプの湿潤化は、水ミリポア処理をワイプ上に噴霧することにより行った。噴霧は、約30cmから1回吹きかけることにより行った。湿潤摩耗サイクルを、研磨ステップとして用いた。湿潤摩耗サイクルは、湿潤(水ミリポア処理)プロフェッショナルケアワイプで包んだコルク片を前後に動かすことにより行った。通常の手の圧力を印加した。湿潤表面を、少なくとも10分間乾燥させた。
【0197】
8.担体への最後の接種
タイルを、約106CFUの細菌で攻撃する。塗布容量は、10μLに設定した。塗布容量を、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ)によりタイル表面全体に広げた。攻撃されたタイルを、5〜10分間にわたって乾燥させた。生存細菌を、500μLのLB+NFを塗布することにより溶解した。塗布したLB+NFを、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ、使い捨て用)によりタイル表面全体に広げた。中和剤は、生存細菌を死滅させる効果はなかったが、タイル上の消毒生成物を不活性化する。生存細菌を溶解するために、タイルを室温にて30分間インキュベートした。溶解した生存細菌を、滅菌プラスチックスパチュラ(ドリガルスキースパチュラ)により回収した。
【0198】
9.生存菌の決定
回収した液体から、滅菌ピペットにより標本を採取した。100μLの試料を900μLのLB+NFに加えた。LB+NF中で10-4の100μL試料までの系列希釈を行い、希釈物を寒天プレートに移す。
【0199】
【表4】

【0200】
この試験手順は、108CFU/mLを用いる。このことは、微生物数のlog8の低減が、ゼロ生存菌に等しいことを意味する。
【0201】
この試験手順を用いて、残存効力を有する組成物を同定できる。抗菌組成物は、この試験において、少なくともlog3.0の微生物数の減少を示す場合に、残存効力を有するとみなす。好ましくは、残存効果を有しかつこの様式で試験された抗菌組成物は、上記の試験条件下で、少なくとも約3.5、より好ましくは少なくとも約5.0、最も好ましくは約7.0以上の対数減少を与える。
【0202】
本発明を、以下の非限定的な実施例によりここで説明する。
【0203】
(実施例)
以下は、本発明による抗菌組成物の代表である。
【0204】
(実施例1)
【0205】
【表5】

【0206】
0.65センチストークの粘度を有するヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンの混合物は、Clearcoproducts prod ref PS 034(http://www.clearcoproducts.com/pdf/volatile/NP-PSF-0_65cSt.pdf)から入手可能である。
【0207】
この組成物は、最初に、2つの塩化アンモニウム化合物と、ブロノポールと、重合ビグアニジン塩酸塩と、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサンの混合物とを、最初は曇っている混合物が澄明になるまで室温にて攪拌しながら混合(ゆっくりと添加しながら)することにより得た。次いで、エタノールおよび水を加えた。
【0208】
本実施例で加えたエタノールおよび水の量は、多くの用途について「即時使用」される溶液の生成をもたらしたが、必要であれば、いくつかの用途のためにさらに希釈できる。
【0209】
(実施例2)
以下の表に示す組成物を水で希釈して、0.01%の組成物(E4LまたはE52またはE8LまたはE10L)および99.99%の水を含む溶液を得た。
【0210】
【表6】

【0211】
希釈溶液を、既知量の微生物黄色ブドウ球菌、サルモネラ、大腸菌、緑膿菌およびリステリア菌を栄養培地中に含有するブロスに加えた。溶液中に存在する微生物の量を、本発明の希釈組成物を加えた30秒、1分、3分および5分後に測定した。これは、適切な中和剤を加えて溶液の抗菌成分を中和し、次いで、存在する微生物数を決定することにより行った。
【0212】
以下の表において、所定の接触時間の後に死滅した微生物のパーセンテージを、それぞれの希釈抗菌用液について示す。
【0213】
【表7】

【0214】
これらの結果は、この低濃度であっても、試験した配合物が抗菌効力を有していたことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)界面活性特性を備えた抗菌剤と、(ii)式(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3および(H3C)[SiO(CH3)H]nSi(CH3)3を有するシロキサンならびにこれらの混合物(式中、nは1〜24である。)から選択されたシロキサンと、(iii)極性溶媒とを含み、(i)と(ii)の比が約100:1〜約5:1である、抗菌組成物。
【請求項2】
(i)と(ii)の比が約70:1〜約20:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(H3C)[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3および(H3C)[SiO(CH3)H]nSi(CH3)3、nが1〜12である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
シロキサンが約0.5〜約5センチストークの粘度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
追加の抗菌剤(iv)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
成分(i)、(ii)、および任意選択で(iv)で構成されるコロイドを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
界面活性特性を備えた抗菌剤が第四級アンモニウム化合物である、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
第四級アンモニウム化合物が式R1R2R3R4N+X-を有する、請求項7に記載の組成物
[式中、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアルケニル基を表し、またはR1、R2、R3、およびR4の2つ以上が窒素原子と一緒になって置換または非置換複素環を形成し、基R1、R2、R3、およびR4の炭素原子の総数は少なくとも4であり、
基R1、R2、R3、およびR4の置換基は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、F、Cl、Br、I、-OR'、-NR'R"、-CF3、-CN、-NO2、-C2R'、-SR'、-N3、-C(=O)NR'R"、-NR'C(=O)R"、-C(=O)R'、-C(=O)OR'、-OC(=O)R'、-O(CR'R")rC(=O)R'、-O(CR'R")rNR"C(=O)R'、-O(CR'R")rNR"SO2R'、-OC(=O)NR'R"、-NR'C(=O)OR"、-SO2R'、-SO2NR'R"、および-NR'SO2R"からなる群から選択され、
R'およびR"はそれぞれ、水素、C1〜C8アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはアリールアルキルであり、rは1〜6の整数であり、またはR'およびR"が一緒になって環状官能基を形成し、
アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、およびアリールアルキルに適用される「置換」という用語は、上述のFから-NR'SO2R"までの置換基を指し、
X-は、ハロゲン化物イオンまたはスルホン酸イオンである。]。
【請求項9】
第四級アンモニウム化合物が式(CH3)n(A)mN+X-を有する、請求項8に記載の組成物
[式中、各Aは、独立して、R1、R2、R3、およびR4に関する定義の通りであり、nは1〜3であり、mは1〜3であり、ただしnおよびmの合計が4である。]。
【請求項10】
各Aが、独立して、C6〜20置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、またはシクロアルキル基である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
各Aが、独立して、C6〜20置換もしくは非置換および/または直鎖もしくは分岐状および/または中断もしくは非中断アルキル、アリール、アルキルアリール基である、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
第四級アンモニウム化合物が、セトリミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドから選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
n=2であり、m=2であり、各Aが、同じでも異なっていてもよく、直鎖の非置換および非中断C8〜12アルキル基またはベンジル基である、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
第四級アンモニウム化合物が、ベンザルコニウムハロゲン化物またはそのアリール環置換誘導体である、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項15】
ベンザルコニウムハロゲン化物が下式を有する、請求項14に記載の組成物
【化1】

(式中、Rは、R1、R2、R3、およびR4に関する定義の通りである。)。
【請求項16】
Rが、C8〜18アルキル基またはC8〜18アルキル基の混合物である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
Rが、直鎖の非置換および非中断C8〜18アルキル基の混合物である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
R1、R2、R3、およびR4の1つまたは複数が、酸素、窒素、硫黄、およびリン含有部分から選択されたヘテロ原子によって中断されている、請求項8から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
第四級アンモニウム化合物が、臭化ドミフェンおよび塩化ベンゼトニウムから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
第四級アンモニウム化合物が、ベンジルジメチル-n-テトラデシル-アンモニウムクロリド、ベンジルジメチル-n-ドデシル-アンモニウムクロリド、n-ドデシル-n-テトラデシルジメチル-アンモニウムクロリド、およびベンジル-C12〜C16-アルキル-ジメチル-アンモニウムクロリド、ベンジル-ココアルキル-ジメチル-アンモニウムクロリド、ジ-n-デシルメチルアンモニウムクロリド、Maquat A、およびこれらの混合物から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項21】
シロキサンが、20℃大気圧で2g/100ml水未満の水溶解度、および/または0.5〜5センチストークの粘度を有する、請求項1から20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
シロキサンが、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペントラシロキサン、およびこれらの混合物から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
極性溶媒が、水、アルコール、エステル、ヒドロキシ、およびグリコールエステル、ポリオール、およびケトン、およびこれらの混合物から選択される、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
極性溶媒が、水、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコール、およびこれらの混合物から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも1種の追加の抗菌剤(iv)が、ポリマービグアニジン、イソチアザロン、オルトフェニルフェノール、およびニトロブロモプロパンから選択される、請求項2から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
追加の抗菌剤がポリヘキサメチレンビグアニジンである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
成分(i)と成分(iv)の分子の比が、8:1〜15:1である、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
成分(ii)のすべての分子に対する抗菌成分(i)および(iv)(存在する場合)の分子の総数が、約5〜約80である、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
表面に適用すると、表面上または表面での微生物コロニーの形成を実質的に低減または制御するように働く、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
抗菌剤(i)および(iv)の全濃度が約30〜約400ppm未満であると抗菌効果を発揮する、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
(A)(i)界面活性特性を備えた抗菌剤と(ii)コロイド形成材料を一緒に混合するステップ、(B)(A)に(iii)極性溶媒を添加するステップ、および(C)得られた混合物を、透明溶液が形成されるまでかき混ぜるステップを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の組成物を調製するための方法。
【請求項32】
ステップ(A)、成分(ii)を極性溶媒中の成分(i)濃縮溶液と混合する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(A)、(B)、および/またはステップ(C)において、少なくとも1種の追加の抗菌剤を添加するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(C)が超音波処理および/または攪拌を含む、請求項31から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
請求項31から34のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる組成物。
【請求項36】
表面上または表面での微生物コロニーの形成を実質的に低減または制御する、請求項1から30または35のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項37】
抗菌剤(i)および(iv)の全濃度が約30〜約400ppm未満であると抗菌効果を発揮する、請求項1から30または35のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項38】
一般に本明細書に記述される、本発明の抗菌組成物または使用。
【請求項39】
実施例に関連して一般に本明細書に記述される、抗菌組成物または使用。
【請求項40】
一般に本明細書に記述される、本発明の抗菌組成物を調製するための方法。

【公表番号】特表2010−533691(P2010−533691A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516568(P2010−516568)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002436
【国際公開番号】WO2009/010749
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510015486)バイオトロル・ピーエルシー (2)
【Fターム(参考)】