説明

抗UVコーティング組成物及びその使用

【課題】一般的なランプが発する光は、光学フィルム中のポリマー樹脂を黄化する傾向がある紫外(UV)光を含有しており、そのため光の反射力の低減及び光の反射の色異常と関連する問題を生じさせる。
【解決手段】本発明は、無機粒子、樹脂、及び樹脂と異なる屈折率を有する少なくとも一種の有機粒子を含み、前記有機粒子が0.1μmから10μmの範囲の粒径を有する、抗UVコーティング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面に抗UV効果を与えるために基材をコーティングし得る、抗UVコーティング組成物に関する。本発明は、抗UVコーティング組成物から形成される抗UV層を有するフィルムにも関する。
【背景技術】
【0002】
バックライトモジュールは、LCDパネルにおける重要な構成の1つである。液晶は、それ自体では発光しないため、バックライトモジュールが、液晶パネルの均一且つ高度な発光原を提供するために主に役立つ。基本的な原理は、典型的な点光源及び線光源を、単純且つ効果的なメカニズムで高度な発光性及び均一な輝度を有する表面光源製品に変え、それによって必要とされるバックライト源を有する製品を提供して画像を表わすことを含む。現在では、バックライトモジュールは、LCDの生産コスト及び品質に非常に大きな影響を有する。
【0003】
現在市販されている一般的なバックライトモジュールは、ランプの位置について側光式(side type)バックライトモジュールと直下式(direct type)バックライトモジュールとに主に分類される。一般的な側光式バックライトモジュールでは、反射フィルムが導光板の下部に配置されて、側底部からの光を導光板に反射し、光の供給効率を増大させるように光源光の漏れを防ぐ。直下式バックライトモジュールでは、反射フィルムは、ランプからの直接光線及びライトボックスの底部からの拡散板によって反射された光線を、再使用のために拡散板に反射するようにライトボックスの底部表面に設置又は接着される。要約すると、全ての反射フィルムは、光源の供給効率を増大させる働きを有する。しかしながら、一般的なランプが発する光は、光学フィルム中のポリマー樹脂を黄化する傾向がある紫外(UV)光を含有しており、そのため光の反射率の低減及び光の反射の色異常と関連する問題を生じさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広範な研究によって、本発明の発明者は、良好な抗UV効果を有する基材を提供するために基材をコーティングし得る、新規な抗UVコーティング組成物を発見した。抗UVコーティング組成物はUV光を吸収するため、抗UVコーティング組成物を光学基材の表面にコーティングすることによって形成される光学フィルムは、UV光による損傷から保護され得る。加えて、前記光学フィルムを通過するか又は前記光学フィルムによって反射された後に、UV光の大半は吸収され、他の光学フィルムの光学特性が、UV光によって影響を受けないであろう。したがって、上記の欠点は、実際上克服され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無機粒子、樹脂、及び樹脂と異なる屈折率を有する少なくとも一種の有機粒子を含み、前記有機粒子が0.1μmから10μmの範囲の粒径を有する、抗UVコーティング組成物に関する。
【0006】
本発明は、基材、及び前記基材の少なくとも1つの表面に本発明の抗UVコーティング組成物から形成される少なくとも1つの抗UV層を含むフィルムにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の抗UVコーティング組成物に適切な樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、又はそれらの混合物を含むが、それらに限らない;とりわけ、メタクリル樹脂、フルオロ樹脂、及びそれらの混合物が好ましく、メタクリル樹脂がより好ましい。メタクリル樹脂は、重合単位として1つ以上のアクリルモノマーに由来するものであって、前記アクリルモノマーは、下記の一般式を有する。
【0008】
【化1】

【0009】
式中、Rは、水素、又は置換若しくは非置換のC−C18脂肪族基である。前記置換又は非置換の脂肪族基は、置換又は非置換のアルキル、例えば、C−C10アルキル又はヒドロキシル置換C−C10アルキル(C2nOH、n=1から10)であって良い。好ましくは、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、又はヒドロキシル置換C−Cアルキルである。
【0010】
本発明の抗UVコーティング組成物は、UV光を吸収する無機粒子を含有する。前記無機粒子は特に限定されず、酸化亜鉛、シリカ、二酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、硫酸バリウム、又は炭酸カルシウムの粒子、あるいはそれらの混合物を含むが、それらに限らない;とりわけ、酸化亜鉛及び二酸化チタン並びにそれらの混合物が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。前記無機粒子は、典型的には、1から1000nm、好ましくは10から100nmの範囲の粒径を有する。
【0011】
本発明の抗UVコーティング組成物中の無機粒子の量は特に限定されず、任意の適切な量であって良い。好ましくは、使用する樹脂の質量に基づく無機粒子の量が、0.1から100質量%、好ましくは1から30質量%である。さらに、前記コーティング組成物中の無機粒子の分散が乏しい場合には、凝固又は沈殿が生じ、結果として得られるフィルム上のコーティングが均一ではなく、乏しい抗UV性能を有する。そのため、分散性を増大するように、水酸化化合物を用いる修飾処理を前記無機粒子の表面に対して実施する。
【0012】
従来の抗UVコーティング組成物は、UV光を吸収する無機粒子を利用している。図1は、従来の抗UVコーティング組成物から形成されるコーティング(12)を有する反射基材(11)を示す。図1に示すように、光源(13)から発した光は、コーティングを通って基材に投射され、次いでコーティングを通って基材から反射される。コーティングを通過する際に、光は、コーティングに含有される無機粒子(14)と接触し、UV光が吸収される。しかしながら、従来のコーティング組成物から形成されるコーティングを通過する際に、短く直進的な経路のために、光を無機粒子と効率的に接触させて、UV光を完全に吸収させることが不可能であり、抗UV効果が乏しい。
【0013】
本発明の抗UVコーティング組成物は、樹脂と異なる屈折率を有する少なくとも一種の有機粒子を含み、上記問題を解決する。図2は、本発明の抗UVコーティング組成物から形成されるコーティング(26)を有する反射基材(21)を示す。図2に示すように、有機粒子(25)が樹脂(22)と異なる屈折率を有するため、光源(23)からの光が、本発明の抗UVコーティング組成物から形成されるコーティング(26)に進入する際に、有機粒子及び樹脂によって多数回反射され、光が進行する経路が増大し、光が無機粒子(24)に接触することをより容易にして、それによりUV吸収効果を改善する。
【0014】
本発明の抗UVコーティング組成物は、樹脂と異なる屈折率を有する少なくとも一種の有機粒子を含む。前記有機粒子の種類は特に限定されず、メタクリレート樹脂の粒子又はシリコーン樹脂の粒子、あるいはそれらの混合物、好ましくはシリコーン樹脂の粒子を含んで良いが、それらに限らない。加えて、前記有機粒子が大きすぎる粒径を有すると、光は粒子を直接通過して、乏しいUV吸収効果を生じさせる。そのため、前記有機粒子は、典型的には、0.1μmから10μm、好ましくは1μmから5μm、さらに好ましくは1.8μmから2.4μmの範囲の粒径を有する。
【0015】
本発明の抗UVコーティング組成物に含有される樹脂の屈折率は、少なくとも1.47であり、無機粒子を前記樹脂に添加することによって増大されて良く、2.0まで増大されて良い。本発明の抗UVコーティング組成物に含有される有機粒子の屈折率は、1,40から1.60である。本発明によれば、有機粒子と樹脂との屈折率の差の絶対値は、少なくとも約0.07であり、最大で約0.6である。
【0016】
本発明の抗UVコーティング組成物中の樹脂の量に基づく有機粒子の量は、1から500質量%、好ましくは10から300質量%、さらに好ましくは30から200質量%の範囲である。前記樹脂の量に基づく前記有機粒子の量が1質量%未満である場合は、有機粒子の量が少なすぎるため、光の進行する経路が効果的に増大されず、光屈折効果が乏しいが、前記有機粒子の量が500質量%を超える場合には、有機粒子は基材の表面上で凝固しやすく、基材の表面から容易に離れ落ちるであろう。
【0017】
本発明の抗UVコーティング組成物は、例えば、硬化剤、平滑化剤、消泡剤、湿潤剤、又は静電気防止剤を含むがそれらに限らない、当業者に既知の添加剤を任意に含む。硬化剤が本発明の抗UVコーティング組成物に任意に添加されて、架橋を形成するように、樹脂と分子内化学結合を形成する。本発明に適切な硬化剤は当業者に既知であり、例えばポリイソシアネートであって良いが、これに限らない。
【0018】
本発明の抗UVコーティング組成物は、任意の適切な基材、例えば、光学基材、ガラス、金属、合金、コンピューターケース、セメント、木製品、プラスチック、皮革、又は石の表面に適用されて良い。特に、本発明の抗UVコーティング組成物は任意の基材上に適用され、UV吸収効果を提供するように、それらの表面上に抗UV層を形成して良い。
【0019】
本発明は、光学基材、及び前記基材の少なくとも1つの表面に本発明の抗UVコーティング組成物から形成される少なくとも1つの抗UV層を含む、抗UVコーティング層を有するフィルムをさらに提供する。
【0020】
機能を考慮すると、前記光学基材は反射基材及び透明基材に分類されて良く、反射基材が好ましいが、それらに限らない。好ましくは、前記光学基材は、プラスチックの基材であって、特に限定されず、当業者に既知のものであって、ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN);ポリアクリレート樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリイミド樹脂;ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP);ポリシクロオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;トリアセテートセルロース(TAC);又はそれらの混合物を含むが、それらに限らない。好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、又はトリアセテートセルロース、あるいはそれらの混合物から形成されるものである。さらに好ましくは、前記基材はポリエチレンテレフタレートである。前記基材の厚さは、典型的には、結果として得られる光学製品の必要条件に依存し、好ましくは、約16μmから約1000μmの範囲である。
【0021】
本発明の基材は反射基材であって良い。本発明の反射基材は、単層又は多層構造であって、その少なくとも1つの層が、任意に、発泡プラスチック、粒子を含有するプラスチック、又はそれらの組み合わせであって良い。本発明の光学フィルムの反射効果は、発泡プラスチック又は粒子を含むプラスチックによって達成されて良い。前記粒子は、有機粒子及び無機粒子を含む。前記無機粒子の種類は、当業者によく知られたものであって良く、例えば、酸化亜鉛、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、又は炭酸カルシウムの粒子、あるいはそれらの混合物であって良い。前記有機粒子の種類は、当業者によく知られたものであって良く、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又はシリコーン樹脂の粒子、あるいはそれらの混合物であって良い。前記粒子又は気泡の直径は、0.01μmから10μm、好ましくは0.1μmから5μmの範囲である。
【0022】
本発明の反射基材は、1つ以上の市販のフィルムから構成されて良い。本発明に適用可能な前記市販のフィルムは、例えば、Teijin−Dupont Company製のuxzl−188(登録商標)、uxzl−225(登録商標)、ux−150(登録商標)、ux−188(登録商標)、及びux−225(登録商標)という商品名で市販されているフィルム、SKC Corporation製のSY−64(登録商標)という名称で市販されているフィルム;Toray Company製のE60L(登録商標)、QG08(登録商標)、QG21(登録商標)、QX08(登録商標)、及びE6SL(登録商標);Mitsui Company製のWS220E(登録商標)及びWS180E(登録商標)という名称で市販されているフィルム;Tsujiden Company製のRF230(登録商標)という名称で市販されているフィルム;Yupo Company製のFEB200(登録商標)、FEB250(登録商標)、及びFEB300(登録商標)を含むが、それらに限らない。
【0023】
図3から6は、本発明に適切な反射基材の特定の実施態様を示す。
【0024】
図3は、本発明の反射基材の好ましい実施態様を示し、図中、基材(310)は、層(41)、(42)、及び(44)からなる三層プラスチック基材であり、中間層(42)が内部に無機粒子(43)を含有する。前記基材の種類は上述したものであって良い。例えば、三層プラスチック基材はPET樹脂、例えば、ux−225(登録商標)という名称で市販されているものであり、中間層が無機粒子として硫酸バリウムを含有する。
【0025】
図4は、本発明に適切な反射基材の他の実施態様を示し、図中、基材(510)は、層(51)、(52)、及び(54)からなる三層プラスチック基材であり、中間層(52)が気泡(53)を有する発泡プラスチックである。前記基材の種類は、上述したものであって良い。例えば、三層プラスチック基材はPET樹脂、例えば、E6SL(登録商標)という名称で市販されているものであり、中間層が気泡を含有する。
【0026】
図5は、本発明に適切な反射基材のさらに他の実施態様を示し、図中、基材(610)は、層(61)、(62)、及び(64)からなる三層プラスチック基材であり、中間層(62)が無機粒子(63)及び気泡(65)の双方を含有する。前記基材の種類は、上述したものであって良い。例えば、三層プラスチック基材はPP樹脂、例えば、FEB300(登録商標)という名称で市販されているものであり、中間層が、気泡に加え、無機粒子として二酸化チタン及び炭酸カルシウムを含有する。
【0027】
図6は、本発明に適切な反射基材のさらに他の実施態様を示し、図中、基材(710)は、層(71)及び(73)からなる二層プラスチック基材であり、上層(71)がより多くの無機粒子(72)を含有し、下層(73)がより少ない無機粒子(74)を含有する。前記基材の種類は、上述したものであって良い。例えば、二層プラスチック基材はPET樹脂、PEN樹脂、又はそれらの組み合わせであって良い。具体例としては、例えば、PET樹脂及びPEN樹脂からなるuxzl−225(登録商標)という名称で市販されているフィルムが含まれ、無機粒子として硫酸バリウムを含有する。
【0028】
本発明の基材は、透明基材であっても良い。前記透明基材は、単層又は多層構造であって良い。本発明で使用し得る市販の透明基材は、Toray Company製のU34(登録商標);Mitsubishi Company製のT680E(登録商標)又はT900E(登録商標);Toyobo Company製のA4300(登録商標);Teijin−Dupont(TDFJ) Company, Japan製のKDDW(登録商標)又はKD84W(登録商標)を含むが、それらに限らない。
【0029】
本発明のフィルムの抗UV層の厚さは、適当には、0.1μmから20μm、好ましくは1μmから15μmの範囲である。
【0030】
本発明の抗UV層を有するフィルムは、当業者に既知の任意の方法、例えば、以下の工程:
(I)樹脂、無機粒子、有機粒子、及び溶媒、並びに任意に従来の添加剤のような成分を混合して、抗UVコーティング組成物を形成する工程;
(II)前記抗UVコーティング組成物を基材の表面上にコーティングして、コーティング層を形成する工程;及び
(III)1から数分間に亘ってコーティングした基材を加熱して、前記溶媒を蒸発させて、熱硬化重合を実施する工程
を含むroll to roll連続法を用いることによって製作されて良い。
【0031】
望まれる場合には、前記工程を繰り返して、多数の層を有する抗UV層が得られて良い。任意に、前記抗UV層は、他の表面上で、1つ以上の抗UV層を用いて任意にコーティングして良い。
【0032】
上記工程(II)では、前記基材を、任意に、コロナ表面処理又はプラズマ表面処理で処理し、抗UVコーティング組成物の接着を向上して良い。前記基材上に抗UVコーティング組成物をコーティングするために適切な方法は当業者によく知られており、例えば、スリットダイコーティング、マイクログラビアコーティング、又はローラーコーティング、あるいは上記の方法の2つ以上の組み合わせであって良い。
【0033】
冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、外部電極蛍光ランプ(EEFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、キセノン平面光源、又は300nmから399nmのUV光(313nmのUV光が、フィルム物質に最も有害である)及び400nmから780nmの可視光を含有するUV発光ダイオードのような、ディスプレーのバックライトモジュール中の光源から光が発せられる。
【0034】
前記光学基材が反射基材である際は、本発明のフィルムの反射率は、ASTM903−96標準方法に従って測定すると、313nmの波長では10%未満である。前記光学基材が透明基材である際は、本発明のフィルムの透過率は、ASTM903−96標準方法に従って測定すると313nmの波長で10%未満である。そのため、本発明の抗UVコーティング組成物から形成される抗UV層は、313nmの波長を有するUVを効果的に吸収し得る。
【0035】
1つの実施態様によれば、本発明のフィルムの黄化指数変化(ΔYI)は、ASTM G154耐候試験法及びASTM E313検出方法によって測定すると2未満であり、かくしてフィルム自体の黄化を効果的に低減する。
【0036】
加えて、1つの実施態様によれば、前記光学基材が反射基材である際は、本発明のフィルムは、バックライトモジュールの輝度を効果的に向上するように、400nmから780nmの範囲の可視光波長で97%より大きい反射率を提供し得る。
【0037】
本発明の抗UV層を有するフィルムは、一般的な建築物(例えば、建築物の外壁)又は一般的な乗り物(例えば、自動車)に使用されるガラスに適用されて、良好な抗UV効果を提供して良い。本発明の抗UV層を有するフィルムは、光源装置、例えば、広告ライトボックス又はフラットパネルディスプレー、特に反射フィルム、暗反射(shade reflective)フィルム、拡散フィルム、拡散板、又は輝度向上フィルムとしてLCDのバックライトモジュールに適用されて、効果の改善を提供しても良い。広告ライトボックスの光源装置は、図7に示すようなものであり、光源装置(800)は、外枠(84)、内枠(85)、及びフィルムセット(80)を含み、ランプ(86)は内枠(85)の内部に位置し、フィルムセット(80)は拡散フィルム(81)、導光板(82)、及び反射フィルム(83)を含む。上述のように、前記バックライトモジュールは、側光式バックライトモジュール及び直下式バックライトモジュールを含む。図8に示すように、直下式バックライトモジュール(220)は、反射フィルム(221)、ランプ(222)、拡散プレート(223)、拡散フィルム(224)、輝度向上フィルム(225)、及び上部の拡散フィルム(226)を含む。図9に示すように、側光式バックライトモジュール(230)は、反射フィルム(231)、ランプ(232)、導光板(233)、拡散フィルム(234)、輝度向上フィルム(235)、上部拡散フィルム(236)、及び暗反射フィルム(237)を含む。
【0038】
本発明のフィルムは、LCDの性能を改善する目的を達成するように、輝度を向上し、良好な耐候性を有し、UVを吸収でき、基材の黄化及びLCDの色異常を効果的に除外し得る。
【0039】
以下の実施例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明の範囲を制限することを意図しない。当業者によって容易に為される任意の修飾例又は変形例が、本明細書及び添付の特許請求の範囲に開示の範囲内である。
【実施例】
【0040】
抗UVコーティング組成物の製造
抗UVコーティング組成物A
92gのメタクリル樹脂(屈折率:1.49)[Eterac 7363,Eternal Company](固体含量:約50%)を、メチルエチルケトン/トルエン(各々27.5g)の溶媒に添加した。高速(500rpm)で攪拌しながら、2gの35nm二酸化チタン(屈折率:2.72)、37gの2μmシリコーン樹脂粒子(屈折率:1.42)(Tospearl 120E,GE−Toshiba Company)、及び9.2gの硬化剤[Desmodur 3390,Bayer Company](固体含量:約75%)を連続的に添加して、250gのコーティング組成物を提供した(固体含量:約40%)。
【0041】
抗UVコーティング組成物B
64.0gのメタクリル樹脂(屈折率:1.49)[Eterac 7363,Eternal Corporation](固体含量:約50%)を、メチルエチルケトン/トルエン(各々36.3g)の溶媒に添加した。高速(500rpm)で攪拌しながら、1.4gの35nm二酸化チタン(屈折率:2.72)、69gの2μmシリコーン樹脂粒子(屈折率:1.42)(Tospearl 120E,GE−Toshiba Company)、及び6gの硬化剤[Desmodur 3390,Bayer Company](固体含量:約75%)を連続的に添加して、250.0gのコーティング組成物を提供した(固体含量:約43%)。
【0042】
抗UVコーティング組成物C
158.8gのメタクリル樹脂(屈折率:1.49)[Eterac 7363,Eternal Corporation](固体含量:約50%)を、メチルエチルケトン/トルエン(各々72.7g)の溶媒に添加した。高速(500rpm)で攪拌しながら、3.6gの35nm二酸化チタン(屈折率:2.72)及び14.9gの硬化剤[Desmodur 3390,Bayer Company](固体含量:約75%)を連続的に添加して、250.0gのコーティング組成物を提供した(固体含量:約43%)。
【0043】
抗UVコーティング組成物D
64.0gのメタクリル樹脂(屈折率:1.49)[Eterac 7363,Eternal Corporation](固体含量:約50%)を、メチルエチルケトン/トルエン(各々54.8g)の溶媒に添加した。高速(500rpm)で攪拌しながら、1.4gの35nm二酸化亜鉛(屈折率:2.37)、69gの2μmシリコーン樹脂粒子(Tospearl 120E,GE−Toshiba Company)、及び6gの硬化剤[Desmodur 3390,Bayer Company](固体含量:約75%)を連続的に添加して、250.0gのコーティング組成物を提供した(固体含量:約43%)。
【0044】
上記の抗UVコーティング組成物A、B、及びCでは、使用する無機粒子は全て二酸化チタンであり、抗UVコーティング組成物AとBとの間の違いはシリコーン樹脂の量にあり、抗UVコーティング組成物Cはシリコーン樹脂の粒子を含まない。抗UVコーティング組成物Dでは、無機粒子が酸化亜鉛である。以下の実施例では、上記のコーティング組成物を利用して、シリコーン樹脂の粒子の相対量の効果及び結果として得られる抗UV特性に対する無機粒子の種類の効果を評価するために、同じ無機粒子/樹脂の比で同じコーティング方法で同じ厚みを有する乾燥フィルムを形成する。
【0045】
本発明のフィルムの製造
(実施例1)
抗UVコーティング組成物Aを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−150(登録商標)(フィルムの厚さ:150μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約160μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0046】
(実施例2)
抗UVコーティング組成物Aを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−188(登録商標)(フィルムの厚さ:150μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約198μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0047】
(実施例3)
抗UVコーティング組成物Aを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−225(登録商標)(フィルムの厚さ:225μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約235μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0048】
(実施例4)
抗UVコーティング組成物Bを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−150(登録商標)(フィルムの厚さ:150μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約160μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0049】
(実施例5)
抗UVコーティング組成物Bを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−188(登録商標)(フィルムの厚さ:188μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約198μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0050】
(実施例6)
抗UVコーティング組成物Bを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−225(登録商標)(フィルムの厚さ:225μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約235μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0051】
(実施例7)
抗UVコーティング組成物Cを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−188(登録商標)(フィルムの厚さ:188μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約198μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0052】
(実施例8)
抗UVコーティング組成物Dを、RDS Bar Coater#16を使用して、反射フィルム基材であるux−188(登録商標)(フィルムの厚さ:188μm、Teijin−Dupont Company)にコーティングして、100℃で1分間乾燥した。乾燥後に、10μmのコーティングが得られ、結果として得られたフィルム全体の厚さは約198μmであった。硬化のために7日間に亘って放置した後に、前記フィルムを、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0053】
市販の反射フィルム
(比較例1)
市販の反射フィルムである、150μmの厚さを有するux−150(登録商標)(Teijin−Dupont Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0054】
(比較例2)
市販の反射フィルムである、188μmの厚さを有するux−188(登録商標)(Teijin−Dupont Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0055】
(比較例3)
市販の反射フィルムである、225μmの厚さを有するux−225(登録商標)(Teijin−Dupont Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0056】
(比較例4)
市販の反射フィルムである、225μmの厚さを有するuxzl−225(登録商標)(Teijin−Dupont Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0057】
(比較例5)
市販の反射フィルムである、250μmの厚さを有するE6SL(登録商標)(Toray Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0058】
(比較例6)
市販の反射フィルムである、250μmの厚さを有するE6SV(登録商標)(Toray Company)を、光学特性及び耐候特性について試験した。
【0059】
試験方法
フィルムの厚さの試験:
試験しようとするサンプルのフィルムの厚さは、1N加圧接触条件下でコーティング厚さ計(PIM−100,TESA Corporation)を使用して測定した。
【0060】
反射率試験:
サンプルの反射率は、積分球ASTM 903−96法に従って200nmから800nmの範囲の波長で紫外/可視分光計(UV/Vis spectrophotometer)(Lamda 650,Perkin Elmer Company)を使用して測定した。結果を表1に示す。
【0061】
サンプルは、ASTM G154法に従って、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力でQUV耐候性試験機(Q−Panel Company)を使用して60℃で試験した。フィルムを、各時点(0、100、300、及び500時間)に回収して、上記方法に従って反射率について試験した。結果は、下記の表3及び図10から23(R%は反射率を表わす)に示す。
【0062】
輝度試験:
60°の入射角でサンプル表面に光を投射した後に、輝度測定器VG2000(Nippon Denshoku Company)ASTM D523法に従って、サンプル表面の輝度を60°の反射角で測定した。結果は、下記の表1に示す。
【0063】
色試験:
CIE 1976及びASTM E313法において確立された基準に従って、比色計Color Quest XE(Hunter Lab Company)を使用してサンプルのL、a、b、YI値を測定した。結果を下記の表1に示す。
【0064】
抗UV黄化試験:
QUV耐候性試験機(Q−Panel Company)を使用することによって、ASTM G154法に従い、0.8W/m/nmに設定した出力でUVB313nmランプを使用して、100、300、及び500時間に亘って、60℃で、サンプルを照射した。その後、サンプルを回収して、黄化指数(YI)値をASTM法に従って測定し、黄化指数変化(ΔYI)を算出した。結果は、下記の表2に示す。
【0065】
試験結果
実施例1から8及び比較例1から6の各フィルムの光学特性を、上述の反射、輝度、及び色試験によって測定し、表1に記録した。
【0066】
【表1】

【0067】
以下の結果が表1から認められる。
1.輝度に対する効果:実施例1、2、及び3では、抗UVコーティング組成物Aが基材にコーティングされている。抗UVコーティング組成物Bと比較すると、抗UVコーティング組成物A中の樹脂の量に基づくシリコーン樹脂の量がより低量(約80質量%)であると、コーティング層の表面がより滑らかである。しかしながら、入射光がコーティングに進入して、粒子の一部に屈折及び反射され、かくして各々36.2、33.0、及び34.9という輝度の値が得られている。実施例4、5、及び6並びに実施例8では、抗UVコーティング組成物B及びDが、各々基材上にコーティングされている。抗UVコーティング組成物B及びDでは、樹脂の質量に基づくシリコーン樹脂の粒子の量が約200質量%であり、コーティング層の表面は粗く、入射光がコーティングに侵入する際に、光が有機粒子に多数回屈折され、均等拡散した反射光が認められる。結果として得られる輝度の値は全て2.6である。実施例7では、使用するコーティングはシリコーン樹脂の粒子を含まず、コーティング層の表面は完全に水平であり、滑らかである。輝度の値は高く、入射光が直接反射され、測定される輝度の値は96.0である。
2.反射率に対する効果:実施例1から3及び4から6では550nmの可視光波長における反射率の値は、各々97.74%、98.20%、及び98.45%、並びに97.35%、97.90%、及び98.19%であり、フィルム全体の厚さにおける増大が550nmの可視光波長における反射率を向上することを示す。比較例1,2、及び3と比較すると、実施例1、2、及び3の550nmの可視光波長における反射率は約1%増大しており、抗UVコーティング組成物Aが、その反射基材の反射率を向上することを示す。実施例4、5、及び6と関連する結果も、抗UVコーティング組成物Bが反射率の増大効果を達成することを示す。実施例1から7の313nmのUV波長における反射率は、10%未満である。比較例1から5の値と比較すると、抗UVコーティング組成物A、B、及びCがUV吸収効果を与えることが明らかである。実施例8のUV波長313nmにおける反射率も10%未満であり、無機粒子としてナノ酸化亜鉛を含有する抗UVコーティング組成物DもUV吸収効果を与えることを示す。
3.色に対する効果:実施例1から8におけるL、a、及びYIデータは、比較例1、2、及び3における値と有意に異なっており、その反射基材の色性能が、抗UVコーティング組成物A、B、C、及びDのいずれをコーティングしても影響を受けないことを示す。
【0068】
実施例1から8及び比較例1から6の各フィルムの各時点における黄化指数変化を、上述の抗UV黄化試験によって測定した。結果を表2に記録する。加えて、各時点のフィルムの反射率を図10から23に示す。
【0069】
【表2】

【0070】
以下の結果が、表2及び図8から21より認められる。
1.実施例1から8及び比較例1から6では、各フィルムが100、300、500時間QUVによって照射されて、黄化指数が照射時間に伴って次第に増大する。実施例2、5、及び7の抗UVコーティング組成物A、B、及びCでコーティングしたフィルムを500時間照射した後、黄化指数変化(ΔYI)は、各々、0.69、0.30、及び1.96である。実施例5の値が最も低く、このことは、同じ乾燥したフィルムの厚さ及び反射基材では、添加するシリコーン樹脂粒子の量の増加が、UV光がコーティングに進入して粒子と樹脂の間で多数回屈折されることを可能にし、UV光の基材への進路が増加して、光が無機粒子に接触する回数も増加し、それによってコーティング組成物の抗UV特性を改善することを示す。
2.図10から16は、0、100、300、及び500時間で測定した、QUVにより照射した後の実施例1から7のフィルムの反射スペクトログラムである。図10から16からは、400−800nmの可視光波長の範囲では、これらのフィルムの反射率における優位な変化は見られず、このことは、無機粒子である二酸化チタンがUV光を吸収できることを示す。実施例8の抗UVコーティング組成物Dでコーティングしたフィルムの黄化指数変化は、500時間のQUVによる照射後に1.86であり、このことは、酸化亜鉛を含有するコーティング組成物もUV光を吸収できることを示す。
3.表2からは、500時間のQUVによる照射後における、比較例1から5のフィルムの黄化指数変化は7.0より大きく、比較例6の黄化指数変化は約2.48であり、依然として実施例1から8よりも高い値であることが認められる。図18から23の、QUVにより0、100、300、及び500時間照射した後の比較例1から5のフィルムについての反射スペクトログラムからは、400−780nmの可視光波長の範囲における反射が変化しており、特に青色光の領域(400−550nm)において明らかに減少し、その変化は有意であり、フィルムの黄化指数の増大を生じさせる。
【0071】
実施例1から8の各フィルムの反射率は、ASTM G154法に従って、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機(Q−Panel Company)を用いて0から500時間測定しており、表3に記録している。
【0072】
【表3】

【0073】
以下の結果が表3から認められる。
1.実施例1から6及び8のフィルムに関しては、QUV(UVB−313nm)によって500時間照射した後、450nm(青色光)、550nm(緑色光)、及び650nm(赤色光)の可視光波長における反射率の変化は、2.0%未満であり、このことは、二酸化チタン又は酸化亜鉛といった無機粒子が有効にUV光を吸収し、それらの反射基材を保護し得ることを示す。有機シリコーン樹脂粒子の量の増大に伴い、コーティングに進入した後のUV光の基材への進路が増加して、光が無機粒子と接触する回数も増加し、それによって基材へのUV光により生じる損傷を低減し、反射率を実質的に0時間から維持する。実施例7のフィルムは無機粒子を含有するが、樹脂成分はシリコーン樹脂を含まず、入射したUV光は直接反射され、光が無機粒子と接触する回数が低減し、UV光が効果的に吸収され得ず、かくしてフィルムの特性に影響を与え、450nm、550nm、及び650nmの可視光波長における反射率変化が全て、実施例1から6のものよりも大きかった。
2.QUV(UVB−313nm)によって500時間照射した後の比較例1から5のフィルムに関しては、450nmの可視光波長における反射率の変化が、ほとんど10%より大きく、これにより、青色領域における反射率が有意に低減していることが示される。表2を参照すると、これらのフィルムの黄化指数は有意に増大していることも認められる。さらに、比較例6のフィルムについては、450nmの可視光波長における反射率変化は2.7%であり、実施例1から8のフィルムについては、反射率変化は2.0%未満であり、実施例1から8のフィルムが比較例6のフィルムよりも優れていることを示す。
【0074】
上記の結果から、本発明の抗UVコーティングが、非常に優れた特性を有し、本発明の抗UVコーティングで被覆された反射基材は、色性能、500時間に亘ってUV(UVB−313nm)を用いた試験から得られる黄化指数変化、又は反射率に関して、市販の製品を超える優れた特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、従来の抗UVコーティング組成物から形成されるコーティング層を有する反射基材を示す。
【図2】図2は、本発明に係る抗UVコーティング組成物から形成されるコーティング層を有する反射基材を示す。
【図3】図3は、本発明に適切な反射基材を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明に適切な反射基材を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明に適切な反射基材を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明に適切な反射基材を示す概略図である。
【図7】図7は、広告ライトボックスの光源装置を示す概略図である。
【図8】図8は、直下式バックライトモジュール装置を示す概略図である。
【図9】図9は、側光式バックライトモジュール装置を示す概略図である。
【図10】図10は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例1のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図11】図11は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例2のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図12】図12は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例3のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図13】図13は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例4のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図14】図14は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例5のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図15】図15は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例6のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図16】図16は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例7のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図17】図17は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、実施例8のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図18】図18は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例1のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図19】図19は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例2のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図20】図20は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例3のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図21】図21は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例4のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図22】図22は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例5のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【図23】図23は、0.8W/m/nmに設定したUVB313nmランプの出力で60℃においてQUV耐候性試験機を使用した試験による、比較例6のフィルムの各試験時点における反射スペクトログラムを示す。
【符号の説明】
【0076】
11 反射基材
12 コーティング
13 光源
14 無機粒子
21 反射基材
22 樹脂
23 光源
24 無機粒子
25 有機粒子
26 コーティング
41 上層
42 中間層
43 無機粒子
44 下層
51 上層
52 中間層
53 気泡
54 下層
61 上層
62 中間層
63 無機粒子
64 下層
65 気泡
71 上層
72 無機粒子
73 下層
74 無機粒子
800 光源装置
80 フィルムセット
81 拡散フィルム
82 導光板
83 反射フィルム
84 外枠
85 内枠
86 ランプ
220 直下式バックライトモジュール
221 反射フィルム
222 ランプ
223 拡散プレート
224 拡散フィルム
225 輝度向上フィルム
226 拡散フィルム
230 側光式バックライトモジュール
231 反射フィルム
232 ランプ
233 導光板
234 拡散フィルム
235 輝度向上フィルム
236 拡散フィルム
237 暗反射フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機粒子、樹脂、及び前記樹脂と異なる屈折率を有する少なくとも一種の有機粒子を含み、前記有機粒子が0.1μmから10μmの範囲の粒径を有する、抗UVコーティング組成物。
【請求項2】
前記有機粒子が1μmから5μmの範囲の粒径を有する、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項3】
前記有機粒子が1.40から1.60の屈折率を有する、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項4】
前記有機粒子が、樹脂の質量に基づいて1から500質量%の範囲で存在する、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項5】
前記有機粒子が、樹脂の質量に基づいて10から300質量%の範囲で存在する、請求項4に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項6】
前記有機粒子の屈折率と樹脂の屈折率との間の差の絶対値が、最小で0.07であり、最大で0.6である、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項7】
前記有機粒子が、メタクリル樹脂及びシリコーン樹脂粒子並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項8】
前記有機粒子がシリコーン樹脂粒子である、請求項7に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項9】
前記無機粒子が、酸化亜鉛、シリカ、二酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項10】
前記無機粒子が、酸化亜鉛及び二酸化チタン並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項11】
前記無機粒子が、1nmから1000nmの範囲の粒径を有する、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項12】
前記無機粒子が、樹脂の質量に基づいて0.1から100質量%の範囲で存在する、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項13】
前記樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及びポリエステル樹脂、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項14】
前記樹脂がメタクリル樹脂である、請求項13に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項15】
前記樹脂がフルオロ樹脂である、請求項13に記載の抗UVコーティング組成物。
【請求項16】
請求項1に記載のコーティング組成物から形成される少なくとも1つの抗UV層を少なくとも一つの表面に有する光学基材を含む、抗UVコーティング層を有するフィルム。
【請求項17】
前記光学基材が反射基材又は透明基材である、請求項16に記載のフィルム。
【請求項18】
前記光学基材が反射基材である、請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記反射基材が単層又は多層構造である、請求項18に記載のフィルム。
【請求項20】
前記反射基材の1つ以上の層が、発泡プラスチック又は粒子を含有するプラスチックあるいはそれらの組み合わせである、請求項18に記載のフィルム。
【請求項21】
前記反射基材の1つ以上の層が、発泡プラスチック及び粒子を含有するプラスチックの双方を含有する、請求項20に記載のフィルム。
【請求項22】
前記粒子が有機粒子又は無機粒子である、請求項20に記載のフィルム。
【請求項23】
前記有機粒子が、メタクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、及びシリコーン樹脂粒子、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載のフィルム。
【請求項24】
前記無機粒子が、酸化亜鉛、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載のフィルム。
【請求項25】
前記粒子又は気泡が、0.01μmから10μmの範囲の直径を有する、請求項20に記載のフィルム。
【請求項26】
前記光学基材が16μmから1000μmの範囲の厚さを有する、請求項16に記載のフィルム。
【請求項27】
前記抗UV層が0.1から20μmの範囲の厚さを有する、請求項16に記載のフィルム。
【請求項28】
前記抗UV層が1から15μmの範囲の厚さを有する、請求項27に記載のフィルム。
【請求項29】
ASTM G154及びASTM E313標準方法に従って測定すると、2未満の黄化指数変化(ΔYI)を有する、請求項18に記載のフィルム。
【請求項30】
反射フィルムとしてディスプレー装置において使用するための、請求項16に記載のフィルム。
【請求項31】
拡散フィルムとしてディスプレー装置において使用するための、請求項16に記載のフィルム。
【請求項32】
ASTM 903−96標準方法に従って、313nmの波長で測定すると、10%未満の反射率を有する、請求項30に記載のフィルム。
【請求項33】
ASTM 903−96標準方法に従って、313nmの波長で測定すると、10%未満の透過率を有する、請求項31に記載のフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−163339(P2008−163339A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−337763(P2007−337763)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▼ふん▲有限公司 (30)
【Fターム(参考)】