説明

折り刃ケース

【課題】カッター刃を切断用の溝に沿って折るときに、その折り曲げ方向を一方向に規制することで、溝に沿った直線状の切断を行うことのできる折り刃ケースを提供すること。
【解決手段】ベース部12及びカバー部13からなるケース15と、当該ケース15内の収容空間と外部とを連通させるとともに、カッター刃16を先端側から差し込んで当該カッター刃16を折り曲げる方向に力を付与して切断するスリット62とを備えて折り刃ケース11が構成されている。スリット62の近傍には、カッター刃16の折り曲げ方向を一方向に規制する突部材64が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカッター刃の折り刃ケースに係り、更に詳しくは、カッター刃を所定長さ毎に折ることで刃先部を更新することができ、折られた刃先部に触れることなく収容することのできる折り刃ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のカッターナイフは、前後方向に延びる細長いケースと、このケース内で前後方向移動可能に設けられたスライダと、当該スライダに後端側が保持されてケース前端から出没可能に設けられたカッター刃とを備えて構成されている。このカッターナイフのカッター刃は、所定間隔毎に形成された切断用の溝に沿って折り曲げて切断することで刃先部を更新できるようになっており、当該折り曲げを行うための折り具が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−46113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された折り刃ケースは、ケースの一端側にカッター刃の挿入口が設けられており、この挿入口にカッター刃を差し込んだ状態で、当該カッター刃を折り曲げる方向に力を付与して、カッター刃が、その切断用の溝に沿って切断できるように構成されている。
【0005】
しかしながら、周知のように、カッター刃に設けられた切断用の溝は、カッター刃の片面のみに形成されており、反対側の面には形成されていない。従って、カッター刃は、切断用の溝が形成されている面(溝形成面)を山折りする方向に折り曲げることで前記溝に沿ってカッター刃の切断を直線状に正しく行えるものであり、溝形成面を谷折りする方向に折り曲げた場合には、溝に沿った直線状の切断を行うことができず、カッター刃を不規則に割ってしまい、その金属屑が飛散してしまう、という問題がある。
特許文献1は、前述したように、カッター刃を折り曲げる方向を正しく行えば、切断用の溝に沿った切断を可能とする一方、折り曲げ方向が反対側となったときには、金属片が飛散するような割れ方を生ずる、という問題があり、ユーザーが正しく切断を行うことができる手段は講じられていない。
【0006】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、カッター刃を切断用の溝に沿って折るときに、その折り曲げ方向を一方向に規制することで、溝に沿った直線状の切断を行うことのできる折り刃ケースを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、カッター刃を誤った方向に折り曲げることを禁止して切断に伴う金属片の飛散を防止することのできる折り刃ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲記載の構成を採用した。具体的には、ベース部と、このベース部に相対するカバー部とからなるケースと、当該ケース内の収容空間と外部とを連通させるとともに、カッター刃を先端側から差し込んで当該カッター刃を折り曲げる方向に力を付与して切断することのできるスリットとを備えた折り刃ケースであって、
前記スリットの近傍に、前記カッター刃の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段が設けられる、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記スリットは、前記カッター刃を差し込んだときに、当該カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝と平行位置となるように傾斜面内に位置している、という構成を採ることが好ましい。
【0009】
また、前記スリットは、一端と他端の高さが異なる傾斜面に設けられ、前記カッター刃の先端縁がスリットと平行となる状態でカッター刃を差し込んだときに、カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝とスリットとが平行となるように設けられている。
【0010】
また、前記規制手段は、前記カッター刃を前記スリットに差し込んだときに、前記カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝が形成されている側に相対位置するように設けられている。
【0011】
更に、前記位置規制手段は、前記ケースに一体的に連設された突部材により構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カッター刃が挿入されるスリットの近傍に規制手段を設けているため、この規制手段がカッター刃の折り曲げ方向を一方向に規制するようになる。従って、切断用の溝に沿ってカッター刃を折るときに、スリットに溝を合わせてカッター刃を折り曲げることで、当該カッター刃を溝に沿って直線状に綺麗に切断することが可能となる。また、このような切断を実現することで、不規則な割れに起因した金属片の飛散も回避可能となる。
【0013】
また、前記スリットは、切断用の溝と平行位置となるように傾斜面内に位置した構成とすることで、切断用の溝とスリットとの相対的な位置合わせを難なく行うことができる。しかも、ユーザーは、溝とスリットとが合わないときに、挿入の向きが間違っていることを難なく認識できるので、この点からも、正確な切断を行うことができる。
【0014】
更に、カッター刃をスリットに差し込んだときに、前記切断用の溝と相対する位置に規制手段が位置することで、誤った方向への折り曲げを物理的に阻止することができ、例えば、切断用の溝が形成されている面を山折りする方向に折り曲げることを認識していないユーザーであっても、誤った方向への折り曲げを阻止することができる。
【0015】
また、位置規制手段をケースに一体型の突部材により構成すれば、例えば、ケースを樹脂成形品としたときに、その形成を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】折り刃ケースを一体に備えたカッター刃ホルダの概略斜視図。
【図2】(A)は図1のA−A線矢視断面図、(B)は同B−B線矢視断面図。
【図3】(A)はベース部の正面図、(B)はその背面図。
【図4】(A)は図3(A)のD−D線矢視断面図、(B)は同C−C線矢視断面図。
【図5】(A)は図3(A)の右側面図、(B)は同E−E線矢視断面図。
【図6】(A)はスライダの正面図、(B)は同背面図。
【図7】(A)は図6(A)の右側面図、(B)は同F−F線矢視断面図。
【図8】(A)はカバー部の正面図、(B)は同背面図。
【図9】(A)は図8(A)のG−G線矢視断面図、(B)は同右側面図。
【図10】(A)はカバー部の平面図、(B)は図8(B)のI−I線矢視断面図。
【図11】(A)は図9(B)のJ−J線矢視断面図、(B)は図8(A)のH−H線矢視断面図。
【図12】(A)〜(C)はカッター刃を抜き出す動作説明図。
【図13】(A)カッター刃を切断する直前の作用説明図、(B)はカッター刃を切断した直後の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に明記しない限り、「上下」は、図1を基準として用いるものとする。従って、図2及び図12に関しては、右側が「上」となり、左側が「下」となる。
【0018】
図1及び図2において、折り刃ケース11を一体に備えたカッター刃ホルダ10は、ベース部12と、このベース部12に相対する位置で当該ベース部12に組み合わされるカバー部13とからなる扁平なケース15と、カバー部13との間に交換用のカッター刃16の収容空間(スペース)S1を形成した状態でケース15内に配置されるとともに、当該ケース15の開口部18から出し入れ可能に設けられたスライダ20と、前記ケース15内の前記収容空間S1とは区分された折り刃収容空間S2と外部とを連通させるとともに、カッター刃16を先端側から差し込んで当該カッター刃16を折り曲げる方向に力を付与して切断することのできるスリット22と、当該スリット22の近傍に設けられてカッター刃16の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段24とを備えて構成されている。

【0019】
前記ベース部12は、図3〜図5にも示されるように、長方形に近似した形状に設けられた平坦なベース面部26と、当該ベース面部26の図3(A)中上端側を除く外周に設けられた左右の側壁部27及び底壁部28と、ベース面部26の短寸幅方向中央部に設けられるとともに、前記カバー部13を組み合わせたときに、前記収容空間S1と折り刃収容空間S2とを区分するための仕切部29とを備えて構成されている。ベース面部26と側壁部27との連設位置において、ベース面部26にはカバー部13を嵌合して組み合わせるための角穴31が複数形成されている。また、収容空間S1側のベース面部26は、その内面側中央部に縦長の凹状部32を形成することで、ベース面部26の内面と段差を生じさせてストッパ機構としての段部33が設けられている。凹状部32の上部側には、ストッパ機構を解除するための操作穴35が形成されている。
なお、収容空間S1側のベース面部26の上端側は円弧状端縁38とされているとともに、折り刃収容空間S2側のベース面部26の上端側は、図3(A)中右側の側壁部27に向かって次第に高さが減じられた傾斜縁39とされている。
【0020】
前記カバー部13は、図8ないし図11に示されるように、前記ベース部12に相対して当該ベース部12に組み合わされるもので、長方形に近似した形状に設けられた平坦なカバー本体面42と、このカバー本体面42の内面側(図8(B)中手前側)の面に設けられた左右のカバー側壁43と、これらカバー側壁43の底部間を連結するカバー底壁45と、前記仕切部29に突き合って前記収容空間S1、S2を形成する隆起リブ46と、収容空間S2の上端部に設けられたカッター刃の折り具50とを備えて構成されている。
【0021】
前記カバー側壁43及びカバー底壁45は、前記ベース部12の側壁部27、底壁部28の肉厚に対応した分だけ、カバー本体面42の外周より内側に位置して設けられており、カバー側壁43には、ベース部12に設けられた角穴31にそれぞれ嵌合する爪部52が設けられている。
【0022】
前記収容空間S1側を形成するカバー本体面42において、その内面側の上部には、カッター刃16の一端寄りに形成される穴16A(図2参照)に挿入される凸部54が形成されているとともに、当該凸部54よりも上部側に、スライダ20に係り合う凹み部55が形成されている。また、底部側には、カッター刃16の先端傾斜角度に対応する端縁を備えたリブ状のカッター受け57が形成され、上端側は凹状部58として形成されている。なお、前記凸部54は、スライダ20の後述する凹部83に収まってスライダ20と共に抜き出される一枚のカッター刃16の通過を許容する高さに設定されている。
【0023】
前記折り具50は、前記カバー本体面42における折り刃収容空間S2側の上部に設けられている。この折り具50は、カバー本体面42の内面側に設けられるとともに図8(B)中左側が低くなる方向に傾斜した傾斜ブロック60と、この傾斜ブロック60を上下に貫通するスリット62と、当該スリット62の近傍位置において、前記カッター刃16の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段としての突部材64と、スリット62の上部を閉塞する蓋片66とにより構成されている。
【0024】
前記スリット62は、傾斜ブロック60の外周上端より幾分下方に位置する傾斜面67の面内に形成されており、スリット62の中央部は円形穴70として形成されている。傾斜面67の傾斜角度は、カッター刃16を鉛直向きとしてスリット62に差し込んだときに、当該カッター刃16の片面に所定間隔毎に形成された切断用の溝G(図13参照)の傾斜角度に対応する。
【0025】
また、突部材64は、傾斜ブロック60から上方に立ち上がる片状をなし、カッター刃16をスリット62に差し込んだときに、カッター刃16の切断用の溝Gが形成されている側に相対位置するように設けられている。すなわち、図9(B)に示されるように、前記傾斜面67の低い方を手前側とし、高い方を奥行き側として見たときに、その左側に突部材64が位置するように設けられている。カッター刃16は、その先端が傾斜した形状に設けられており、その傾斜角度と平行に切断用の溝Gが形成されていることが周知となっている。カッター刃16をスリット62の傾斜に合わせて当該スリット62に差し込む場合、カッター刃16の尖っている先端がスリット62の低い方に位置するように差し込まれることとなり、このとき、切断用の溝Gは左側に位置することとなる。従って、切断を行うために折り曲げるためには、カッターの本体を持つ手を右側に移動させることが正しい折り曲げ方向となる。そのため、図9(B)に示されるように、スリット62に対して、左側に突部材64が位置していれば、カッターC(図13参照)を左側に倒伏させる動きが阻止されることになるため、ユーザーは、常に正しい方向である右側に倒すように折り曲げることができる。
【0026】
前記蓋片66は、基部が傾斜ブロック60の上部にヒンジ結合しており、先端が自由端となって回転可能に設けられている。自由端側には、蓋片66を閉塞位置としたときに、当該閉塞位置を維持するように傾斜ブロック60の側端に形成された凹部73に嵌合する爪片74と、閉塞位置から蓋片66を開放位置に操作するときの操作部となる指掛け部76とが形成されている。
【0027】
前記スライダ20は、図6及び図7に示されるように、前記収容空間S1内に位置する長片状のスライダ本体80と、このスライダ本体80の長手方向一端側に設けられた摘み操作部81とを含む。スライダ本体80は、カッター刃16を一枚受容することのできる深さの凹部83を備えており、この凹部83の面内における底部側にはストッパ機構を構成する片状部85が設けられている。片状部85は凹部83の面内に下向きU字状の切欠部87を形成することによって一端が自由端となる片持ち姿勢に設けられ、これにより、自由端85Aは基端85Bよりもケース15の開口部18側に位置するようになっている。この片状部85は、ケース15内に位置したときに、自由端85Aが前記ベース部12の内面側に向かって傾斜した姿勢を初期位置とするように形成されている。従って、スライダ20は、片状部85がベース部12に設けられた凹状部32に接しつつ自由端85Aが凹状部32の上端に位置する段部33に突き当たる位置まで移動可能となっている。
【0028】
前記スライダ本体80は、長手方向中央より摘み操作部81寄りに薄肉部88を備えており、当該薄肉部88を回転中心として折り曲げ可能に設けられ、これにより、スライダをケース15の開口部18から抜き出した状態で、前記凹部83内に位置するカッター刃16の面から離れる方向に折り曲げ可能となり、抜き出されたカッター刃16の部分を、例えば、指先で挟んで抜き出しできたり、図示しないカッターナイフに備わるカッター刃保持部品で、抜き出されたカッター刃16の一部分を挟持できるようになっている。
【0029】
前記摘み操作部81は、スライダ本体80の上端に連なる内側上壁90と、この内側上壁90の前端に連設された操作片部91と、この操作片部91の上端に連なって内側上壁90の外側に位置する外側上壁92と、当該外側上壁92に連設されるとともに、前記収容空間S1内にスライダ20を差し込んだ状態でベース部12の円弧状端縁38に突き当たるリブ構造の円弧状部93とを含む。操作片部91の先端(図7中下端)には、当該操作片部91の面に対して段落ちしたフック片95が形成され、当該フック片95は、カバー部13の上部内面側に形成された凹み部55に係り合い可能に設けられている。
【0030】
次に本実施形態におけるカッター刃ホルダ10の使用方法及びカッター刃16の切断要領について、図12及び図13をも参照しながら説明する。
【0031】
カッター刃16をケース15から抜き出す場合には、図2(A)に示されるように、カバー部13が上面側となるように、カッター刃ホルダ10全体を横向きとする。この状態で、複数枚積層されているカッター刃16のうち、最下位に位置する一枚のカッター刃16は、その一端側に設けられた穴16Aが凸部54から抜け出し、スライダ20の凹部83に落ち込む状態となる。
【0032】
スライダ20における摘み操作部81の操作片部91を押圧操作することにより、フック片95が撓み、対応する凹み部55との係り合いを解除する。そして、図12に示されるように、摘み操作部91に右側への力を付与することで、スライダ20が開口部18から抜き出される。この抜き出しは、スライダ20の片状部85の自由端85Aが凹状部32によって形成された段部33に突き当たる位置まで行われる。
【0033】
このようにしてスライダが抜き出し限まで抜き出されると、凹部83の上部領域(図12中右側領域)が表出する。この状態で、摘み操作部81を同図中下方に回転させて折り曲げることで、カッター刃16の一端側は、スライダ本体80による支持が解除され、カッター刃16の刃縁に触れることなく、カッター刃ホルダ10より一枚のカッター刃16を完全に抜き出すことができる。
【0034】
カッター刃16の抜き出しを完了した後、スライダ20を収容空間S内に差し込むことにより、次のカッター刃16がスライダ20の凹部83内に収まり、次の抜き出しに備えることができる。なお、スライダ20を完全に抜き出す場合には、当該スライダ20を抜き出し方向の移動限まで抜き出しておき、前記操作穴35から図示しないピンを差し込んで片状部85の自由端側を押圧し、その状態で段部33を乗り越えさせればよい。
【0035】
図13に示されるように、カッターCに保持されたカッター刃16の先端側を折って刃の更新を行う場合には、カッター刃16が下方位置となるようにカッターCを鉛直姿勢とし、カッター刃16を折り具50のスリット62に差し込む。この際、スリット62はカッター刃16の溝Gの傾斜向きと同じ傾斜となっていることから、その傾斜に対応するようにカッター刃16をスリット62に差し込むことで、溝Gは、突部材64側に必ず向くことになる。
【0036】
従って、図13(A)に示されるように、カッターCを左側に傾けようとしても、突部材64がその傾きを阻止するように作用するため、ユーザーは、右側に傾けることとなる。そして、一定角度以上傾けたときに、カッター刃16は、溝Gに沿って正確且つ綺麗に切断され、これによって生じた刃片16Aは、折り刃収容空間S2内に落下して集積される(図2(B)参照)。
なお、カッター刃16の切断を行わない場合には、蓋片66を閉塞位置としておけば足りる。
【0037】
従って、このような実施形態によれば、スライダをケース15から抜き出すだけで、カッター刃16がスライダ20に支持された状態で抜き出すことができる。また、スライダ20の面を利用した片状部85と、ベース部12の内面側に設けた段部33とによりストッパ機構を設けているので、スライダ20の厚みを薄くでき、カッター刃ホルダ10全体を薄型化することができる。
しかも、一枚のカッター刃16を抜き出すときに、スライダ本体80がカッター刃16を支持した状態を保つため、刃縁が手指に触れることなく一定長さの抜き出しができ、安全性も高いものとなる。
【0038】
また、折り刃ケース11は、スリット62の近傍となる側方に突部材64を設けているため、当該突部材64によってカッター刃16の折り曲げ方向が一方向に規制でき、切断用の溝Gに沿ってカッター刃16を折るときの方向を常に正しい方向に保って切断を行うことができ、誤った方向に折り曲げたときに生じ得る細かな金属片の飛散を防止することができる。
【0039】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、材料、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材料などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0040】
例えば、前記実施形態における折り刃ケース11は、カッター刃ホルダ10と一体に設けられた場合を図示説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、折り刃ケース11のみを独立して形成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 カッター刃ホルダ
11 折り刃ケース
12 ベース部
13 カバー部
15 ケース
15 カッター刃
18 開口部
20 スライダ
33 段部(ストッパ機構)
35 操作穴
62 スリット
64 突部材(規制手段)
83 凹部
85 片状部(ストッパ機構)
85A 自由端
85B 基端
G 溝
S1 収容空間
S2 折り刃収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、このベース部に相対するカバー部とからなるケースと、当該ケース内の収容空間と外部とを連通させるとともに、カッター刃を先端側から差し込んで当該カッター刃を折り曲げる方向に力を付与して切断することのできるスリットとを備えた折り刃ケースであって、
前記スリットの近傍に、前記カッター刃の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段が設けられていることを特徴とする折り刃ケース。
【請求項2】
前記スリットは、前記カッター刃を差し込んだときに、当該カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝と平行位置となるように傾斜面内に位置していることを特徴とする請求項1記載の折り刃ケース。
【請求項3】
前記スリットは、一端と他端の高さが異なる傾斜面に設けられ、前記カッター刃の先端縁がスリットと平行となる状態でカッター刃を差し込んだときに、カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝とスリットとが平行となることを特徴とする請求項1又は2記載の折り刃ケース。
【請求項4】
前記規制手段は、前記カッター刃を前記スリットに差し込んだときに、前記カッター刃の一方の面に形成された切断用の溝が形成されている側に相対位置することを特徴とする請求項1、2又は3記載の折り刃ケース。
【請求項5】
前記位置規制手段は、前記ケースに一体的に連設された突部材により構成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の折り刃ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−66001(P2012−66001A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215359(P2010−215359)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】