説明

折り畳みコンテナー

【解決手段】後から立てられる側壁3に組み付けられた操作部H1’とロックバーH1”とからなるロック部材H1のロックバーが、操作部の枢支部C1から後から立てられる側壁に形成された係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態においては、後から立てられる側壁が、ロック部材を介して、先に立てられる側壁2にロックされるように構成されているとともに、操作部を下動させて、ロックバーを略水平状態にした際には、後から立てられる側壁と先に立てられる側壁との前記ロック部材を介したロック状態を解除されるように構成した折り畳みコンテナーに関するものである。
【効果】後から立てられる側壁の上端部に、上端部嵌合部を形成することができるようなスペースを形成することができ、従って、先に立てられる側壁の上端部の後から立てられる側壁からの離反を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平面形状が略長方形に形成された底部の相対する長辺部に、ヒンジ部材を介して連結された長側壁と、同じく上記底部の相対する短辺部に、ヒンジ部材を介して連結された短側壁とからなり、底部に対して略垂直に長側壁と短側壁を立てることにより、箱型に組み立てられ、また、折り畳む際には、底部の上に重なるように、長側壁及び短側壁を折り畳むようにした折り畳みコンテナーが知られており、箱型に組み立てられ状態においては、長側壁或いは短側壁が、底部方向に倒れないように、互いに、ロック部材により、ロックされるように構成されている。
【0003】
短側壁の上端部付近に配設されたロック部材を構成するロックバーが水平状態においては、ロックバーの先端部が、長側壁の上端部付近に形成されている係合部に係合され、また、ロック部材を構成する操作部を下動させた際には、ロックバーの先端部が上動し、ロックバーの先端部と長側壁に形成されている係合部とのロック状態が解除されて、短側壁を、底部方向に倒すことができるように構成された折り畳みコンテナーが、一例として、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態において、最初に立てられる長側壁が、外側に傾動しないように、長側壁に形成された嵌合孔に、後から立てられる短側壁に形成された嵌合突部を嵌合させるように構成された折り畳みコンテナーが、一例として、特許文献2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−40263号公報
【特許文献2】特開2002−53130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の折り畳みコンテナーにおいては、短側壁の上端部付近に配設されているロックバーの先端部と長側壁の上端部付近に形成されている係合部とのロック状態を解除する際には、ロックバーの先端部を上動させる必要があり、そのために、長側壁の上端部には、ロックバーの先端部の上動が阻止されないような所定のスペースを確保する必要があり、そのために、長側壁の上端部に、嵌合孔を形成することができず、従って、長側壁の上端部と短側壁の上端部との係合状態を実現することができないために、長側壁の上端部が、外側に傾動するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、折り畳まれた状態から、先に略垂直に立てられる一方の相対する側壁と、該側壁に次いで、後から略垂直に立てられるもう一方の相対する側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、前記後から立てられる側壁に組み付けられた操作部とロックバーとからなるロック部材の前記ロックバーが、前記操作部の枢支部から前記後から立てられる側壁に形成された係合部材に向かって、下方に傾斜した状態においては、前記後から立てられる側壁が、前記ロック部材を介して、前記先に立てられる側壁にロックされるように構成されているとともに、前記操作部を下動させて、前記ロックバーを略水平状態にした際には、前記後から立てられる側壁と前記先に立てられる側壁との前記ロック部材を介したロック状態を解除されるように構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
折り畳まれた状態から、先に略垂直に立てられる一方の相対する側壁と、該側壁に次いで、後から略垂直に立てられるもう一方の相対する側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、前記後から立てられる側壁に組み付けられた操作部とロックバーとからなるロック部材の前記ロックバーが、前記操作部の枢支部から前記後から立てられる側壁に形成された係合部材に向かって、下方に傾斜した状態においては、前記後から立てられる側壁が、前記ロック部材を介して、前記先に立てられる側壁にロックされるように構成されているとともに、前記操作部を下動させて、前記ロックバーを略水平状態にした際には、前記後から立てられる側壁と前記先に立てられる側壁との前記ロック部材を介したロック状態を解除されるように構成したので、後から立てられる側壁の上端部に、上端部嵌合部を形成することができるようなスペースを形成することができ、従って、先に立てられる側壁の上端部の後から立てられる側壁からの離反を防止することができる。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
本発明の折り畳みコンテナーは、図1に示されているように、底部1と、底部1の相対する長辺側土手部1aにヒンジ連結された長側壁2と、底部1の相対する短辺側土手部1bにヒンジ連結された短側壁3とから構成されており、本実施例においては、長辺側土手部1aの高さは、短辺側土手部1bの高さより高く構成されている。
【0012】
図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、短側壁3を、底部1に重なるように倒し、次いで、長側壁2を、底部1に重ねられた短側壁3に重なるように倒すことにより、折り畳みコンテナーを、高さの低いコンパクトに折り畳むことができるように構成されており、このようにして折り畳まれた状態から、長側壁2を、略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てることにより、図1に示されているように、箱型に組み立てることができるように構成されている。
【0013】
次に、図1〜図3を用いて、長側壁2について説明する。
【0014】
長側壁2は、横長の略長方形状の板状部2aを有しており、長側壁2の両垂直端には、板状部2aに略垂直で、且つ、板状部2aの内面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側に位置する面)2a1に対して、略垂直な縦長の長側壁側係合部材2bが形成されている。
【0015】
長側壁側係合部材2bを形成する縦長の帯状板部2b’の上端に形成された上端ブロック部2b1には、上端ブロック部2b1の先端から、板状部2aに略平行に、垂直板状部2b2が垂下されており、また、垂直板状部2b2の下端には、垂直板状部2b2の下端と板状部2aの内面2a1とを連結する水平板状部2b3が形成されている。そして、長側壁側係合部材2bの上端部には、上端ブロック部2b1の下面と垂直板状部2b2と水平板状部2b3と板状部2aの内面2a1とにより囲まれた、上端部嵌合孔2c1が形成されている。
【0016】
また、上端部嵌合孔2c1を形成する水平板状部2b3の直下に位置する、板状部2aの内面2a1と長側壁側係合部材2bの帯状板部2b’とにより形成される隅部には、水平板状部2d1と該水平板状部2d1の先端から上方に延在する垂直板状部2d2とからなる、上方と側部が開放された略L状の係止フック2dが形成されている。そして、係止フック2dの水平板状部2d1と垂直板状部2d2と帯状板部2b’とにより、上方及び側方が開放された係合凹部2b”が形成されることになる。
【0017】
更に、板状部2aの内面2a1と長側壁側係合部材2bの帯状板部2b’とにより形成される隅部には、上部水平板状部2e1と、下部水平板状部2e2と、上部水平板状部2e1と下部水平板状部2e2の先端を連結する連結垂直板状部2e3とからなる略コの字状の枠部2eが形成されており、このような略コの字状の枠部2eを形成することにより、長側壁側係合部材2bには、略コの字状の枠部2eと板状部2aの内面2a1とにより囲まれた嵌合孔が形成されている。このような、嵌合孔は、長側壁側係合部材2bの中程と下端部付近に形成されており、長側壁側係合部材2bの中程に形成されている嵌合孔を、中央部嵌合孔と称し、符号2c2を付し、また、長側壁側係合部材2bの下端部付近に形成されている嵌合孔を、下部嵌合孔と称し、符号2c3を付す。このような、嵌合孔は、1個のみ、或いは、3個以上、形成することもできる。
【0018】
次に、図1、図4及び図5を用いて、短側壁3について説明する。
【0019】
短側壁3は、略方形状の板状部3aを有しており、板状部3aの上端には、板状部3aの外面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、折り畳みコンテナーの外側に位置する面)3a1に対して略垂直方向に延在する上端水平リブ3b及び下端水平リブ3cが、それぞれ形成されており、また、上端水平リブ3bの両端部と下端水平リブ3cの両端部とは、側端リブ3dにより連結されている。
【0020】
短側壁3には、板状部3aの上部領域或いは全体を、側端リブ3dを越えて外側に延在することにより、縦長の短側壁側係合部材3eが形成されている。
【0021】
短側壁側係合部材3eは、縦長の帯状板部3e’を有しており、また、側端リブ3dの外壁面3d1の上端部付近には、略水平な上端部嵌合片3fが形成されているとともに、上端部嵌合片3fの直下には、上部水平片3gが形成されている。そして、上端部嵌合片3fと側端リブ3dの外壁面3d1との間には、スリット3f1が形成されている。この上端部嵌合片3fは、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された上端部嵌合孔2c1に挿入されるように構成されている。
【0022】
また、短側壁側係合部材3eを構成する帯状板部3e’と側端リブ3dの外壁面3d1とにより形成される隅部には、上部水平板状部3h1と、下部水平板状部3h2と、上部水平板状部3h1と下部水平板状部3h2の先端を連結する連結垂直板状部3h3とからなる嵌合部3hが形成されており、上部水平板状部3h1と側端リブ3dの外壁面3d1との間及び下部水平板状部3h2と側端リブ3dの外壁面3d1との間には、それぞれ、スリット3h4が形成されている。このような、嵌合部は、長側壁側係合部材2bに形成された中央部嵌合孔2c2と下部嵌合孔2c3に対応して、短側壁側係合部材3eの中程と下端部付近に形成されている。短側壁側係合部材3eの中程に形成されている嵌合部を、中央部嵌合部と称し、符号3h’を付し、また、短側壁側係合部材3eの下端部付近に形成されている嵌合部を、下部嵌合部と称し、符号3h”を付す。なお、上述した上端部嵌合片3fを、中央部嵌合部3h’や下部嵌合部3h”と同様に、上部水平板状部と、下部水平板状部と、上部水平板状部と下部水平板状部との先端を連結する連結垂直板状部とにより構成することもできる。
【0023】
折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際には、中央部嵌合部3h’が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された中央部嵌合孔2c2に挿入され、また、下部嵌合部3h”が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された下部嵌合孔2c3に挿入されるように構成されている。
【0024】
更に、中央部嵌合部3h’の真上には、上部水平片3gと同様の下部水平片3iが形成されており、上部水平片3gの先端と下部水平片3iの先端とは、垂直板状部3jにより連結されているとともに、垂直板状部3jには、凹部3kが形成されている。なお、3mは、下部嵌合部3h”の真下付近に位置する側端リブ3dを外側に膨出させることにより形成された補助嵌合部であり、上部水平板状部3m1と、下部水平板状部3m2と、上部水平板状部3m1と下部水平板状部3m2の先端を連結する連結垂直板状部3m3とから構成されている。補助嵌合部3mは、図1に示されているように、長側壁2が、略垂直に立てられた際に、底部1の長辺側土手部1aと長側壁2の長側壁側係合部材2bの下端との間に形成された嵌合凹部A1に、嵌合されるように構成されている。
【0025】
次に、図4の更なる拡大図である図5を用いて、短側壁3に形成された、後述するロック部材が装着されるロック部材装着空間部A2について説明する。
【0026】
上端水平リブ3bの直下には、上端水平リブ3bと同様の相対する側端リブ3dを連結する上端部水平リブ3nが形成されており、また、上端部水平リブ3nの下方には、同じく、相対する側端リブ3dを連結する上部水平リブ3pが形成されている。
【0027】
上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pとの間に位置する側端リブ3dには、後述するロック部材のロックバーが上下動可能なような高さを有する縦長の長孔3d2が穿設されている。また、側端リブ3d付近には、上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pを連結するとともに、短側壁3の外面3a1にも連接された側端リブ側垂直リブ3qが形成されており、側端リブ側垂直リブ3qにも、後述するロック部材のロックバーが上下動可能なような高さを有する縦長の長孔3q1が穿設されている。
【0028】
また、側端リブ側垂直リブ3qの短側壁3の中央部寄りには、上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pを連結するとともに、短側壁3の外面3a1にも連接された中央寄り垂直リブ3rが形成されており、中央寄り垂直リブ3rにも、後述するロック部材のロックバーが上下動可能なような高さを有する縦長の長孔3r1が穿設されている。
【0029】
更に、中央寄り垂直リブ3rの短側壁3の中央部寄りには、中央寄り垂直リブ3rに隣接して、上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pを連結するとともに、短側壁3の外面3a1との間に、後述するロック部材のロックバーが挿入可能な間隙3s1を有する垂直ガイドリブ3sが形成されている。
【0030】
更にまた、相対する垂直ガイドリブ3s間に位置するとともに、上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pとの間に位置する短側壁3の外面3a1には、上端部水平リブ3nから垂下された垂直部3t1と該垂直部3t1の下端から、側端リブ3d方向に延在する水平部3t2とからなる、後述するロック部材に形成された弾性片の先端部が載置される弾性片載置部3tが、一対に形成されている。一対の弾性片載置部3tの水平部3t2は、互いに、離反する方向に、垂直部3t1の下端から、側端リブ3d方向に延在するように形成されている。
【0031】
なお更に、側端リブ側垂直リブ3qと中央寄り垂直リブ3rとの間に位置する板状部3aの外面3a1には、側端リブ側垂直リブ3qの長孔3q1の下部付近及び中央寄り垂直リブ3rの長孔3r1の下部付近に位置するように、てこ支点突部3uが突設されている。なお、3vは、上部水平リブ3pの中央部上面に形成された板状の凸条である。
【0032】
相対する一対の側端リブ3dと上端部水平リブ3nと上部水平リブ3pと短側壁3の外面3a1とにより囲まれた領域が、後述するロック部材が装着されるロック部材装着空間部A2である。
【0033】
次に、図6〜図9を用いて、操作部H1’とロックバーH1”とからなるロック部材H1について説明する。
【0034】
先ず最初に、図6〜図8を用いて、操作部H1’について説明する。
【0035】
操作部H1’は、横長の板状基部h1を有しており、板状基部h1の中央部を、板状基部h1の表面(ロック部材H1を、短側壁3に装着した際に、外側に位置する面)h1aから、板状基部h1の裏面(ロック部材H1を、短側壁3に装着した際に、短側壁3の外面3a1と対向する面)h1b方向に膨出させることにより、作業者の指が挿入可能な箱状の操作凹部h2が形成されており、操作凹部h2は、奥板h2aと相対する側板h2bと天板h2cと底板h2dとから構成されている。
【0036】
板状基部h1の下端辺に沿って、板状基部h1の裏面h1bに略垂直な、帯状の底部リブh3が形成されており、また、板状基部h1の裏面h1bの両垂直端付近には、底部リブh3に立設された垂直リブh4が形成されており、垂直リブh4の上端には、板状基部h1の上端辺に沿って、板状基部h1の垂直端方向に延在する上部水平リブh5が形成されている。
【0037】
底部リブh3と垂直リブh4と上部水平リブh5とにより囲まれた板状基部h1の裏面h1bの上部には、嵌合円筒部h6が突設されているとともに、垂直リブh4の操作凹部h2側に位置する垂直面h4aには、操作凹部h2に向かって、下方に傾斜した弾性片h7が形成されている。
【0038】
次に、図6及び図9を用いて、ロックバーH1”について説明する。
【0039】
ロックバーH1”は、横長のロックバー本体h10を有しており、ロックバー本体h10は、横長の帯状の前壁h10aと、前壁h10aの上端に形成された上端水平リブh10bと、前壁h10aの下端に形成された下端水平リブh10cと、上端水平リブh10bと下端水平リブh10cの一方の垂直端を連結する半円筒状の弧状端側部h10dとを有している。また、弧状端側部h10dと反対側に位置する前壁h10aの先端部には、楔状係合部h11が形成されており、楔状係合部h11は、下端水平リブh10cに連接されているとともに、上方に傾斜した下部傾斜リブh11aと、上端水平リブh10bに連接されているとともに、下方に傾斜した上部傾斜リブh11bとを有している。
【0040】
ロックバー本体h10には、弧状端側部h10dから楔状係合部h11方向に延在する薄肉部h12が形成されており、薄肉部h12の先端部には、円柱状の嵌合突部h13が突設されており、嵌合突部h13の先端面は、ロックバー本体h10の肉厚部h10’を越えて、外側に突出しないように構成されている。
【0041】
次に、図10及び図11を用いて、短側壁3へのロック部材H1の組み付けについて説明する。
【0042】
先ず最初に、操作部H1’の横長の板状基部h1の両端が、短側壁3のロック部材装着空間部A2に形成された相対する垂直ガイドリブ3sに近接して位置するとともに、短側壁3に形成された弾性片載置部3tの水平部3t2に、操作部H1’に形成された弾性片h7の先端部が載置されるように、且つ、ロック部材H1の操作部H1’が、短側壁3の板状部3aに対向するように、ロック部材H1の操作部H1’を、短側壁3のロック部材装着空間部A2内に配置する。この状態においては、ロック部材H1の操作部H1’の上面と短側壁3の上端部水平リブ3nとは、互いに、当接或いは接近して位置するように構成されているとともに、ロック部材H1の操作部H1’の下面と短側壁3の上部水平リブ3pとの間には、所定の間隙が形成されるように構成されている。また、この状態においては、短側壁3の側端リブ3dに穿設された長孔3d2と、側端リブ側垂直リブ3qに穿設された長孔3q1と、短側壁3の中央寄り垂直リブ3rに穿設された長孔3r1とが、側端リブ3d側から見て、互いに、略完全に重複するように構成されており、あたかも、1つのトンネルとなるように構成されている。
【0043】
次いで、短側壁3の相対する側端リブ3d側から、ロックバーH1”を、水平移動させることにより、弧状端側部h10dを先頭にして、順次、短側壁3の側端リブ3dに穿設された長孔3d2、側端リブ側垂直リブ3qに穿設された長孔3q1、短側壁3の中央寄り垂直リブ3rに穿設された長孔3r1及び垂直ガイドリブ3sの間隙3s1に挿入するとともに、ロックバーH1”のロックバー本体h10に突設された嵌合突部h13を、操作部H1’の板状基部h1に突設された嵌合円筒部h6に嵌合させることにより、短側壁3に、操作部H1’とロックバーH1”とからなるロック部材H1を組み付ける。
【0044】
上述したようにして、短側壁3に、操作部H1’とロックバーH1”とからなるロック部材H1が組み付けられた際には、ロックバーH1”に形成された嵌合突部h13と該嵌合突部h13が嵌合された操作部H1’に形成された嵌合円筒部h6とからなるロックバーH1”の枢支部C1が、操作部H1’の上部水平リブh5付近に、換言すれば、短側壁3の上端部水平リブ3n付近に位置するとともに、ロックバーH1”の楔状係合部h11を構成する下部傾斜リブh11aが、短側壁3の短側壁側係合部材3eに形成された下部水平片3iと略平行に位置するように配置されており、且つ、ロックバーH1”を構成するロックバー本体h10の下端水平リブh10cが、側端リブ側垂直リブ3qと中央寄り垂直リブ3rとの間に位置する板状部3aの外面3a1に突設されたてこ支点突部3uに、当接或いは近接して位置するように構成されている。このように、短側壁3に、操作部H1’とロックバーH1”とからなるロック部材H1が組み付けられた際には、ロックバーH1”が、枢支部C1から短側壁側係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態になるように構成されている。
【0045】
上述したように、短側壁3に組み付けられたロック部材H1を構成する操作部H1’の操作凹部h2に指を入れて、操作凹部h2を構成する底板h2dに指を押し当てて、操作部H1’を押し下げると、図12に示されているように、操作部H1’は、短側壁3に形成された相対する垂直ガイドリブ3sに沿って、下動するとともに、弾性片h7は、略水平状態に弾性変形する。
【0046】
また、操作部H1’の下動により、ロックバーH1”に形成された嵌合突部h13と該嵌合突部h13が嵌合された操作部H1’に形成された嵌合円筒部h6とからなる枢支部C1も下動することになり、この枢支部C1の下動により、ロックバーH1”を構成するロックバー本体h10の下端水平リブh10cが、短側壁3の板状部3aに突設されたてこ支点突部3uに当接し、更に、操作部H1’を下動させると、図11に示されているように、短側壁側係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態のロックバーH1”が、図12に示されているように、略水平状態となるように構成されている。
【0047】
次に、図13〜図15を用いて、長側壁2と短側壁3とのロック状態について説明する。
【0048】
上述したように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てるには、先ず最初に、長側壁2を、垂直方向に回動させて、図13に示されているように、略垂直に立てる。
【0049】
次いで、底部1に重なるように倒されている短側壁3を、垂直方向に回動させることになるが、短側壁3の垂直方向への回動の際には、ロック部材H1を構成する操作部H1’の操作凹部h2に指を入れて、操作部H1’を下動させ、上述したように、短側壁側係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態のロックバーH1”を略水平状態にする。この状態で、短側壁3を、長側壁2に接近させると、短側壁3に配設されたロック部材H1を構成するロックバーH1”の楔状係合部h11が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係止フック2dの垂直板状部2d2の上端より、上方に位置するように構成されているので、図14に示されているように、ロックバーH1”の楔状係合部h11が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係止フック2dの垂直板状部2d2に当接することなく、短側壁3の短側壁側係合部材3eと長側壁2の長側壁側係合部材2bとが係合することになる。また、短側壁3の短側壁側係合部材3eと長側壁2の長側壁側係合部材2bとが係合した際には、短側壁3の短側壁側係合部材3eに形成された上端部嵌合片3f、中央部嵌合部3h’及び下部嵌合部3h”が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された上端部嵌合孔2c1、中央部嵌合孔2c2及び下部嵌合孔2c3に、それぞれ嵌合されように構成されている。また、操作部H1’を下動させた際には、短側壁3に形成された弾性片載置部3tの水平部3t2に、その先端部が載置されている、操作部H1’に形成された弾性片h7が、図11に示されている、操作凹部h2に向かって下方に傾斜した状態から、図12に示されているように、略水平状態となるように構成されている。
【0050】
次いで、操作部H1’の操作凹部h2を構成する底板h2dに押し付けられていた指を、底板h2dから離すと、略水平状態の弾性片h7が、その弾性復元力により、図11に示されている、操作凹部h2に向かって下方に傾斜した元の状態に戻ることになり、従って、ロックバーH1”の楔状係合部h11が、図15に示されているように、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係止フック2dの水平板状部2d1と垂直板状部2d2と長側壁側係合部材2bの帯状板部2b’とにより形成され係合凹部2b”に挿入され、短側壁3が、ロック部材H1を、介して、長側壁2にロックされることになる。この状態から、短側壁3が、底部1方向に回動しようとしても、短側壁3に配設されたロックバーH1”の楔状係合部h11が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係止フック2dの垂直板状部2d2に当接し、短側壁3の底部1方向の傾動が阻止されることになる。
【0051】
また、箱型に組み立てられた状態から、折り畳みコンテナーを折り畳むには、操作部H1’を下動させて、ロックバーH1”を、略水平状態にすることにより、図14に示されているように、ロックバーH1”の楔状係合部h11を、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係合凹部2b”から排出させて、長側壁2に形成された長側壁側係合部材2bの係止フック2dと短側壁3に配設されたロック部材H1のロックバーH1”とのロック状態を解除し、その後、短側壁3を、底部1方向に倒して、底部1に重ね、その後、長側壁2を底部1方向に倒して、先に倒された水平状態の短側壁3に、長側壁2を重ねることにより、折り畳みコンテナーが折り畳まれることになる。
【0052】
上述したように、短側壁3に配設されたロック部材H1を構成するロックバーH1”が、操作部H1’の枢支部C1から短側壁側係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態においては、ロックバーH1”の楔状係合部h11が、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係合凹部2b”に係合されて、短側壁3が、ロック部材H1を介して、長側壁2にロックされており、また、ロック部材H1を構成する操作部H1’を下動させて、ロックバーH1”を略水平状態にして、ロックバーH1”の楔状係合部h11を、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係合凹部2b”から排出させることにより、短側壁3と長側壁2とのロック部材H1を介したロック状態を解除することができるように構成したので、短側壁3の上端部に、上端部嵌合片3fを形成することができるようなスペースを形成することができ、従って、長側壁の上端部が、外側に傾動するようなことを防止することができる。
【0053】
特に、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの4つの角部に、上に位置する折り畳みコンテナーの底部裏面の4つの角部に形成された嵌合突部が嵌合可能な凹部を有する場合には、更に、短側壁3の上端部のスペースが少ないので、短側壁3に配設されたロック部材H1を構成するロックバーH1”が、操作部H1’の枢支部C1から短側壁側係合部材3eに向かって、下方に傾斜した状態において、ロック状態とすることにより、折り畳みコンテナーの4つの角部に凹部を有する折り畳みコンテナーにおいても、短側壁3の上端部に、上端部嵌合片3fを形成することができる。
【0054】
また、ロックバーH1”の先端部を、楔状係合部h11とし、楔状係合部h11には、上方に傾斜した下部傾斜リブh11aを形成したので、ロックバーH1”が、下方に傾斜したロック状態においては、ロックバーH1”の下部傾斜リブh11aが、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係合凹部2b”を構成する係止フック2dの水平板状部2d1と面接触するように構成されているので、係合凹部2b”内に位置するロックバーH1”の先端部の領域が増大し、従って、ロックバーH1”が、不用意に、係合凹部2b”から抜け出るようなことを防止することができる。
【0055】
更に、ロックバーH1”の先端部を、楔状係合部h11としたので、長側壁2の長側壁側係合部材2bに形成された係合凹部2b”を構成する係止フック2dの垂直板状部2d2の高さを高くする必要がないので、ロック解除の操作性が変わることなく、ロック解除ストロークを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する長側壁の部分斜視図である。
【図3】図3は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する長側壁の部分拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する短側壁の部分斜視図でる。
【図5】図5は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する短側壁の部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の折り畳みコンテナーのロック部材の分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の折り畳みコンテナーのロック部材を構成する操作部の斜視図である。
【図8】図8は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーのロック部材を構成する操作部の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の折り畳みコンテナーのロック部材を構成するロックバーの斜視図である。
【図10】図10は、本発明の折り畳みコンテナーに、ロック部材が配設された状態の分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の折り畳みコンテナーの短側壁に、ロック部材が配設された状態の垂直断面を含む部分斜視図である。
【図12】図12は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの短側壁に、ロック部材が配設された状態の垂直断面を含む部分斜視図である。
【図13】図13は、本発明の折り畳みコンテナーの組み立て途中或いは折り畳み途中の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の折り畳みコンテナーの長側壁と短側壁とが係合された状態の部分拡大斜視図である。
【図15】図15は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの長側壁と短側壁とが係合された状態の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
A2・・・・・・・・・・ロック部材装着空間部
H1・・・・・・・・・・ロック部材
H1’・・・・・・・・・操作部
H1”・・・・・・・・・ロックバー
1・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・長側壁
2b・・・・・・・・・・長側壁側係合部材
3・・・・・・・・・・・短側壁
3e・・・・・・・・・・短側壁側係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた状態から、先に略垂直に立てられる一方の相対する側壁と、該側壁に次いで、後から略垂直に立てられるもう一方の相対する側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、前記後から立てられる側壁に組み付けられた操作部とロックバーとからなるロック部材の前記ロックバーが、前記操作部の枢支部から前記後から立てられる側壁に形成された係合部材に向かって、下方に傾斜した状態においては、前記後から立てられる側壁が、前記ロック部材を介して、前記先に立てられる側壁にロックされるように構成されているとともに、前記操作部を下動させて、前記ロックバーを略水平状態にした際には、前記後から立てられる側壁と前記先に立てられる側壁との前記ロック部材を介したロック状態を解除されるように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−269655(P2009−269655A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123034(P2008−123034)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】