説明

折り畳みテーブル

【課題】天板の回動をロック状態から解除する操作手段として、複雑な支持要素を設けずに済み、部品点数を減らせると共に、操作手段の大部分を外部から閉塞できる折り畳みテーブルを提供すること。
【解決手段】天板2の下面2aの左右に配置したブラケット10により、天板2を脚体3に対して回動する支持し、ブラケット10の上面14に形成した天板2側に開口する前後方向の溝部14c上を回動可能な棒状部25bと、棒状部25bの一端側から外方に向けて延設される把手部25aと、棒状部25bの他端側から延設した天板2のロック状態を係脱する係止手段32を操作する延設部25cとを有するレバー部材25の操作により、天板2を水平な使用位置と略垂直な折り畳み位置間を回動して、水平な使用位置あるいは略垂直な折り畳み位置に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を左右一対の脚体の上端に枢着して、該天板を、操作手段によってロック状態から解除して、水平な使用位置と、略垂直な折り畳み位置との間で回動可能に支持してなる折り畳みテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折り畳みテーブルにおいて、天板を、操作手段によってロック状態から解除して、水平な使用位置と、略垂直な折り畳み位置との間で回動可能にするものとして、天板受けにハンドル軸が枢着され、このハンドル軸にスリーブを介して駆動腕が固設されていて、ハンドル操作により駆動腕を揺動させ、ピンを介して係止杆を水平孔から脱出してロック状態を解除したものが既に公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実願昭60−44770号(実開昭61−160728公報参照)のマイクロフィルム(第5頁、第1,4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の折り畳みテーブルは、ハンドルの操作を揺動腕に伝えるために、ハンドル軸を天板受けに枢着する必要があり、駆動腕のハンドル軸への固設や、ハンドル軸の天板受けへの支持作業が煩雑であるばかりでなく、ハンドルと揺動腕以外に、部品としてハンドル軸が必要であった。しかも係止杆を作動させるための一連の操作部品は下方からは全て露見され、体裁の良いのものとは言えなかった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、天板の回動をロック状態から解除する操作手段として、複雑な支持要素を設けずに済み、部品点数を減らせると共に、操作手段の大部分を外部から閉塞できる折り畳みテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の折り畳みテーブルは、天板を左右一対の脚体の上端に枢着して、該天板を、操作手段によってロック状態から解除して、水平な使用位置と、略垂直な折り畳み位置との間で回動可能に支持してなる折り畳みテーブルにおいて、前記天板の下面における左右を、前記脚体に対して回動するブラケットにより支持するものとし、前記操作手段は、ブラケットの上面に形成した、天板側に開口する前後方向の溝部上を回動可能な棒状部と、該棒状部の一端側から外方に向けて延設される把手部と、前記棒状部の他端側から延設した天板のロック状態を維持している係止手段を操作する延設部とを有するレバー部材で構成され、前記溝部の天板側の開口は前記ブラケットの天板下面の取着時に天板で閉鎖されていることを特徴としている。
この特徴によれば、レバー部材の棒状部がブラケットにおける溝部上にあるので、レバー部材をブラケットの上部から容易に取り付けることができるとともに、レバー部材を溝部と天板下面とで保持できるので、棒状部を支持するための特段の部材が不要となり部材点数を削減できる。しかも棒状部で閉塞されているので外方に目立たず体裁も良い。
【0007】
本発明の請求項2に記載の折り畳みテーブルは、請求項1に記載の折り畳みテーブルであって、前記係止手段を、前記ブラケットの内側面に弾性付勢されて内向きに突出する係合突部とし、前記脚体の外側面に、前記係合突部が係合する係合孔を穿設し、前記延設部を前記係合突部に連係させて、係合突部と係合孔との係脱を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、延設部を係合突部と連係させて、該係合突部と係合孔との係脱を行うので、簡素な構造で天板のロック状態の維持と解放とができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の折り畳みテーブルは、請求項2に記載の折り畳みテーブルであって、前記ブラケットの内側面に開口した案内溝に、前記係合突部を前記係合孔方向に弾性付勢された状態で摺動させたことを特徴としている。
この特徴によれば、係合突部が、係合孔方向へ付勢された状態で、案内溝内を案内されながら移動するので、係合孔との係脱を円滑に行える。
【0009】
本発明の請求項4に記載の折り畳みテーブルは、請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳みテーブルであって、前記脚体の上端部を、下向に開口するコ字状の閉塞板内に収容し、該閉塞板の外側面に、前記係合孔を形成したことを特徴としている。
この特徴によれば、脚体の上端部を収納する閉塞板の外側面に係合孔を穿設するようにしたので、係合孔の穿設が容易であり、該係合孔と係合突部との位置合わせもしやすい。
【0010】
本発明の請求項5に記載の折り畳みテーブルは、請求項4に記載の折り畳みテーブルであって、前記閉塞板の後上部に、前記天板の折り畳み位置において、前記係合突部が係合する段部を形成したことを特徴としている。
この特徴によれば、天板の折り畳み位置において、係合突部を閉塞板に形成した段部と係合させることにより、閉塞板を利用して天板の折り畳みが保持される位置を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0012】
図1(a)は、本発明の実施例における折り畳みテーブルの全体像を示す天板使用位置の斜視図であり、図1(b)は、折り畳みテーブルの天板の折り畳み位置を示す斜視図であり、図2は、脚体、連結杆、閉塞板および幕板を示す分解組立斜視図および、その閉塞板と脚体の連結を示す要部拡大斜視図であり、図3は、テーブルの天板を支持するブラケットの分解組立斜視図であり、図4は、ブラケットの組立完成斜視図であり、図5は、天板取り付け後のブラケットの状態を示す平面図であり、図6(a)は、図5のC−C線に沿う端面図であり、図6(b)は、図5のD−D線に沿う端面図であり、図7(a)は、図6(a)に示されたレバー部材操作時の端面図であり、図7(b)も同様に、図6(b)に示されたレバー部材操作時の端面図であり、図8(a)は、折り畳みテーブルの水平な天板の使用位置からの切換えレバーの操作を示す一部省略要部拡大斜視図であり、図8(b)は、折り畳みテーブルの略垂直な天板の折り畳み位置を示す一部省略要部拡大斜視図であり、図9は、天板の使用可能な水平位置から略垂直な折り畳み位置へと回動されたテーブルを示す側面図である。
【0013】
この折り畳みテーブル(以下、テーブル)は、図1に示すように、学校の教室や会社等で使用される天板2の折り畳み可能なテーブル1であり、未使用時には特に図示しないが複数のテーブル1,・・・を前後方向に重ねて収納可能となっており、室内のスペースを有効に活用可能となっている。以下、本実施例の説明において、図1に図示されたテーブル1を対面した状態で見て、テーブル1の手前側を前方とし、奥行き側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。
【0014】
図1(a)および図1(b)に示されるように、左右方向に長い上面視矩形の天板2からの荷重を支持する左右一対の脚体3は、それぞれアルミやスチール等の2本の金属パイプの上端部3aを溶接等で互いに連結して、下端部3bを互いに前後方向に離間するように成型され、それぞれの下端部3bには、床面30に対して前後左右方向に自由回動可能かつ移動ロック付きのキャスタ5を備えている。左右の上端部3a,3aにはそれぞれスチール等の金属板で折り曲げ形成された閉塞板7,7が熱溶着され、この閉塞板7,7は両者を連結する左右の長さ方向に延びる横杆状のアルミやスチール等の金属パイプからなる連結杆6の左右側端部6a,6aの前面に熱溶着されている。
【0015】
アルミ等の金属で成型されたブラケット10,10が、連結杆6の左右側端部6a,6aに対して、その軸心回りに回動可能に嵌合され、これらブラケット10,10は天板2の下面2aに取り付けられている。左右の脚体3,3の上端部3a,3aには、互いの対面する内方に向けて幕板取付片3c,3cが延設されており、スチール金属板やプラスチック板等からなる矩形の幕板4が取り付けられている。また、ブラケット10の側壁11には、荷物掛け部23が外方に向けて突設されており、鞄や傘等を吊持可能なテーブル1となっている。
【0016】
そして、後述において詳述する左方のブラケット10に設けられたレバー部材25の操作によって、このブラケット10の閉塞板7に対する係合が解除され、天板2の前端側が上方且つ後方に向けて押し上げられることで、天板2の使用可能な水平位置から[図1(a)参照]、略垂直な折り畳み位置へと回動され[図1(b)参照]、テーブル1を前後方向に複数重ねて収納可能な状態となる。
【0017】
尚、テーブル1の構造は、左方に設けられたレバー部材25および、その付帯する天板2のロック構造を除き左右対称構造のため、以下の実施例においては、主にテーブル1の左方側を中心に説明する。
【0018】
閉塞板7および脚体3との連結について図2に基づき説明する。連結杆6の左右側端部6a,6aの近傍の前面に設けられた閉塞板7は、上部に水平面を有する水平板7bおよび、この水平板7bの左右に立設した側面視扇状の外側板7a,7aとで構成され、下向きに開口するコ字状の開口部を有している。左方の外側板7aの略中央位置には、左右方向に貫通する係合孔7cが形成され、左方の外側板7aの上方後端部には段部7dが凹設されている。
【0019】
脚体3の上端部3aには、上下所定間隔離間されてネジ孔3d,3dが穿設されるとともに、閉塞板7の両外側板7a,7a間の前面を覆うように、ナイロン等の弱剛性の軟質材によりなる円弧形カバー部8がカバー取付ボルト9,9により、円弧形カバー部8のボルト貫通孔8b、8bを介してネジ孔3d,3dと螺合して脚体3の上端部3aに固着されている。
【0020】
尚、脚体3は閉塞板7の内面と熱溶着等で連結固着され、閉塞板7は連結杆6に熱溶着等で連結固着されている。また、左右脚体3,3の前後の各下端部3bには、前述のキャスタ5を取り付けるためのキャスタ取付キャップ5aが取り付けられ、幕板4は、ボルト等で幕板取付片3c,3cに取り付けられる。
【0021】
次に、天板2を支持するブラケット10について説明する。図3に示されるように、ブラケット10は前後方向に延在される側壁11と、この側壁11の上辺部から水平に折り曲げ成形された上板14とで構成され、上板14の後方側は左右に幅広な水平部17となっている。これら上板14には上下に貫通する天板取付貫通孔14d,14dが複数形成されているとともに、前後中間位置から前方向に向けて溝部14cが凹設され、操作手段に相当するレバー部材25が収納可能になっている。溝部14cの後端に連通し、且つ水平部17を上下に貫通する挿通孔14bが形成されている。
【0022】
レバー部材25は、前後方向に延設された金属棒状の棒状部25bと、棒状部25bの一端側である前端側から外方に向けて延設される把手部25aと、棒状部25bの他端側である後端側から下方に向けて延設され先端の一部が切り欠かれた延設部25cと、から構成されている。延設部25cは挿通孔14bから下方に向けて連通可能になっている。
【0023】
水平部17の下部の側壁11には、外方に向けて突出した円形の内向き窪み部12が形設され、この内向き窪み部12の最奥部は内壁12aによって塞がれている。また、窪み部12の内周面12bの一部が前述した閉塞板7側に延出して円弧状のフランジ部13を構成している。この内向き窪み部12の内周面12bには、その周回りに沿って左右方向に向く複数の案内凸条18が所定間隔で形成され、後述する連結杆6との回動の際(図9参照)の摺接する摩擦面を低減して、円滑にブラケット10の回動を行えるようにしている。
【0024】
側壁11の内面の略中間位置には、円弧形部16が内方に向けて延設され、この上部が水平部17と連接して側面視略J字状部15が形成されている。このブラケット10の円弧形部16の形状は、円弧形カバー部材8の前面8aと摺接もしくは近接可能な形状となっている。
【0025】
また側壁11の内側面11aには、係止手段である係合突部32を左右方向に向けて摺接可能に収納できる案内溝20が形成され、この案内溝20には前方側に摺動溝20aが左右方向に切り欠き形成されている。案内溝20の上下位置には、一対の固定ネジ35,35を用いて矩形板状の保持板31を螺着可能な一対のネジ穴21,21が形成されている。
【0026】
係合突部32の形状は案内溝20の内径と略同径の左右に延在する円柱軸形状となっており、係合突部32の左右中央位置には、前方に向けて頭部を有する係止受軸32aが延設されている。この係止受軸32aは摺動溝20aに沿って左右方向に摺動可能な軸径幅となっている。保持板31の中央位置には軸挿通孔31aが形成され、上下位置に固定ネジ35のためのネジ挿通孔31b,31bが形成されている。
【0027】
係合突部32を案内溝20に取り付けるには、まず左右方向に弾性力を有するバネ部材33を案内溝20の内部に収納し、このバネ部材33の弾性力に抗して案内突部32を案内溝20に挿し込みながら、係止受軸20aを摺動溝20aに係合する。さらに保持板31の軸挿通孔31aから案内突部32を挿通した状態で固定ネジ35,35をネジ挿通孔31b,31bに向けて挿通してネジ穴21,21に向けて螺合する。
【0028】
図4に示されるように、バネ部材33に付勢される係合突部32は、保持板31によって係止受軸32aの右側内方への移動が規制されることから、案内溝20からの取り外れが確実に防止され、係合突部32が内向きに弾性付勢された状態で突出される。そして、レバー部材25の棒状部25bを溝部14c内に軸回動可能に収納するとともに、延設部25cが挿通孔14bから下方に向けて挿通されて、その先端部が係止受軸32aに係止されている。尚、係止受軸32aの先端部には予め頭部が形成されているので、延設部25cとの係止状態が安定して維持されている。
【0029】
次いで、図2および図4に基づいて、ブラケット10と連結杆6との嵌合について説明する。ブラケット10の内向き窪み部12の内壁12aに連結杆6の側端面が当接する位置まで側端部6aを挿嵌させブラケット10の位置決めが行われる。このときフランジ部13が連結杆6の側端部6aの挿入ガイドとなり嵌合が楽に行える。嵌合後はブラケット10の水平位置で、閉塞板7の水平板7bおよび円弧形カバー部材8が、ブラケット10の略J字上部15の水平部17および円弧形部16により覆われる。
【0030】
連結杆6にブラケット10が結合されると、図6(b)に示されるように、前述のバネ部材33(図3参照)の弾性付勢力によって、保持板31から内向きに突出する係合突部32が閉塞板7の外側板7aに穿設された係合孔7cに係合する方向に向けて脱着可能に係合される。このように、脚体3の上端部3aを収納する閉塞板7の外側板7aに係合孔7cを穿設するようにしたので、係合孔7cの穿設が容易であり、該係合孔7cとブラケット10の係合突部32との位置合わせもしやすい構成になっている。
【0031】
ブラケット10を天板2の下面2aに螺着する際は、図5に示されるように閉塞板7の水平板7bの上面に側面視略J字状部15の一部である水平部17の下面を当接させ、さらに天板2の下面2aをブラケット10の上板14に支持させた状態で、天板取付ネジ19を天板取付貫通孔14dを介して天板2とブラケット10を螺合する。
【0032】
溝部14cの天板2側の開口は、ブラケット10の取着時に天板下面2aにより上方が閉鎖されており、棒状部25bが天板下面2aと溝部14cとで回動可能に安定して保持されている。尚、本実施例では、棒状部25bの上方にレバー保持片26,26が前後2箇所に嵌入されており、ブラケット10を天板2に取着するとき、溝部14cからのレバー部材25の取り外れが阻止されるとともに、取着後の棒状部25bの軸周りの回動をより円滑に行えるように保持されている。
【0033】
図6(a)および図6(b)にも示されるように、レバー部材25の延設部25cはバネ部材33の弾性付勢力によって、係止受軸32aを介して棒状部25bを回転付勢されていることから、水平部17に対してレバー部材25の把手部25aが下向きに傾斜された角度となっており、把手部25aが天板2の下面2aから下方にやや離間された位置となっている。
【0034】
図6(b)に示されるように、係止手段である係合突部32は、天板2の水平な使用位置において、係合孔7cに係合され天板2のロック状態が維持されており、天板2の不用意な回動が阻止されている。図6(a)、図8(a)に示されるように、レバー部材25の把手部25aが天板2の下面2a側に向けて操作されると、図7(a)に示されるように、棒状部25bを軸に延設部25cが回動して、係止受軸32aが外方左側に向けて移動する。すると、図7(b)に示されるように、係合孔7cに係合されていた係合突部32が延設部25cにより係止受軸32aを介して連係され、バネ部材33の弾性付勢力に抗して外方左側に向けて移動し、係合孔7cから係合突部32の係合が解除される。
【0035】
このようにして、延設部25cを係合突部32と連係させて、係合突部32を係合孔7cから離脱操作が行えるので、簡素な構造で天板2のロック状態の維持と解放とが可能である。しかも、係合突部32がブラケット10の内側面11aに形成した案内溝20に摺動案内されながら移動するので、係合孔7cとの係脱を円滑に行える構成となっている。
【0036】
以上に説明した係合孔7cと係合突部32との係合が解除された状態でのみ、天板2を水平な位置[図1(a)参照]から略垂直な折り畳み位置[図1(b)参照]に連結杆6を軸心として上方に向けて回動できるようになっており、具体的には、図8(b)に示されるように、係合孔7cから解除された係合突部32の内向き側の先端が2点鎖線で示すように、閉塞板7の外側板7aの外側面に沿って上方に斜め後方に向けて摺接されながら、天板2の折り畳み位置[図1(b)参照]に移動されると、係合突部32が再びバネ部材33の付勢力を得て、外側板7aの上方後端部の段部7dに係合され、天板2の水平位置への戻りが拘束される。そして、ブラケット10の傾斜位置が固定され、天板2の略垂直な折り畳み位置が確実に固定される。
【0037】
このように、天板2の折り畳み位置において、係合突部32を閉塞板7に形成した段部7dと係合させることにより、閉塞板7を利用して天板2の折り畳み位置を確保できる。しかも、係合突部32が弾性付勢されていることから、天板2の水平な使用位置における係合孔7cとの係合状態および略垂直な折り畳み位置における段部7dとの係合状態を確実なものとすることができる。尚、天板2を略垂直な折り畳み位置から水平位置に戻すには、再びレバー部材25の把手部25aを天板2の下面2a側に向けて操作して係合突部32を外側板7aの段部7dから外し、天板2を水平方向に戻すことで、係合突部32aは係合孔7cに嵌入し、図6(b)の状態に戻る。
【0038】
そして、図9に示されるように、天板の回動時においては、閉塞板7に設けられた円弧形カバー部材8に沿って、ブラケット10の円弧形部16が摺接もしくは近接状態で回動し、テーブル1の折り畳み位置では円弧形カバー部材8が露出される。このときブラケット10の内側に形成されたフランジ部13先端(図4参照)が、連結杆6の端部6aと脚体3との間に形成される空間Sの間に入り込み、天板2の更なる回動が規制されている。
【0039】
本実施例では、レバー部材25の棒状部25bがブラケット10における溝部14cと天板下面2aとで支持されているので、レバー部材25をブラケット10の上部から容易に取り付けることができるとともに、棒状部25bを支持するための特段の部材が不要となるため複雑な支持要素を設けずに済み、部材点数を削減できる。しかも棒状部25bが天板2で閉塞されているので外方に目立たず体裁も良い。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、脚体3の上端部3aを覆う閉塞板7の外側板7aに係合孔7cが穿設されたことで、連結杆6にブラケット10を軸着する際に係合突部32と係合孔7cとの位置合わせを簡便に行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、閉塞板7を用いることなく脚体3の上端部3aの外側面に係合突部32と係合可能な係合孔を直接形成してもよい。
【0041】
また、上記実施例では、棒状部25bの上方に、レバー保持片26が嵌入されており、ブラケット10からのレバー部材25の取り外れが阻止され、天板2に対する取着する作業の利便性が向上されることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、レバー保持片26を溝部14cに取り付けない場合であっても、棒状部25bは把手部25aからの操作によって天板2の下面2aと溝部14cとの空間内で確実に回動される。
【0042】
また、上記実施例では、ブラケット10の内向き窪み部12の内周面12bには、複数の案内凸条18が所定間隔で形成され、連結杆6との回動の際の摩擦面を低減していることから円滑にブラケット10の回動を行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、内周面12bに案内凸条18が形成されなくともよいことは言うまでもなく、例えば、従来公知の潤滑性のある被膜を内周面12bに塗付して摩擦面を低減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1(a)は、本発明の実施例における折り畳みテーブルの全体像を示す天板使用位置の斜視図であり、図1(b)は、折り畳みテーブルの天板の折り畳み位置を示す斜視図である。
【図2】脚体、連結杆、閉塞板および幕板を示す分解組立斜視図および、その閉塞板と脚体の連結を示す要部拡大斜視図である。
【図3】テーブルの天板を支持するブラケットの分解組立斜視図である。
【図4】ブラケットの組立完成斜視図である。
【図5】天板取り付け後のブラケットの状態を示す平面図である。
【図6】図6(a)は、図5のC−C線に沿う端面図であり、図6(b)は、図5のD−D線に沿う端面図である。
【図7】図7(a)は、図6(a)に示されたレバー部材操作時の端面図であり、図7(b)も同様に、図6(b)に示されたレバー部材操作時の端面図である。
【図8】図8(a)は、折り畳みテーブルの水平な天板の使用位置からの切換えレバーの操作を示す一部省略要部拡大斜視図であり、図8(b)は、折り畳みテーブルの略垂直な天板の折り畳み位置を示す一部省略要部拡大斜視図である。
【図9】天板の使用可能な水平位置から略垂直な折り畳み位置へと回動されたテーブルを示す側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テーブル(折り畳みテーブル)
2 天板
2a 下面
3 脚体
3a 上端部
3b 下端部
3c 幕板取付片
3d ネジ孔
4 幕板
5 キャスタ
5a キャスタ取付キャップ
6 連結杆
6a 側端部
7 閉塞板
7a 外側板
7b 水平板
7c 係合孔(天板の水平な使用位置)
7d 段部(略垂直な折り畳み位置)
8 円弧形カバー部材
8a 前面
8b ボルト貫通孔
9 カバー取付ボルト
10 ブラケット
11 側壁
11a 内側面
12 内向き窪み部
12a 内壁(最奥部に形成した)
12b 内周面
13 フランジ部
14 上板
14b 挿通孔
14c 溝部
14d 天板取付貫通孔
15 側面視略J字状部
16 ブラケットの円弧形部
17 水平部
18 案内凸条
19 天板取付ネジ
20 案内溝
20a 摺動溝
21 ネジ穴
23 荷物掛け部
25 レバー部材(操作手段)
25a 把手部(棒状部の一端側)
25b 棒状部
25c 延設部(棒状部の他端側)
26 レバー保持片
30 床面
31 保持板
31a 軸挿通孔
31b ネジ挿通孔
32 係合突部(係止手段)
32a 係止受軸
33 バネ部材
35 固定ネジ
S 空間(連結杆の端部と脚杆との空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を左右一対の脚体の上端に枢着して、該天板を、操作手段によってロック状態から解除して、水平な使用位置と、略垂直な折り畳み位置との間で回動可能に支持してなる折り畳みテーブルにおいて、前記天板の下面における左右を、前記脚体に対して回動するブラケットにより支持するものとし、前記操作手段は、ブラケットの上面に形成した、天板側に開口する前後方向の溝部上を回動可能な棒状部と、該棒状部の一端側から外方に向けて延設される把手部と、前記棒状部の他端側から延設した天板のロック状態を維持している係止手段を操作する延設部とを有するレバー部材で構成され、前記溝部の天板側の開口は前記ブラケットの天板下面の取着時に天板で閉鎖されていることを特徴とする折り畳みテーブル。
【請求項2】
前記係止手段を、前記ブラケットの内側面に弾性付勢されて内向きに突出する係合突部とし、前記脚体の外側面に、前記係合突部が係合する係合孔を穿設し、前記延設部を前記係合突部に連係させて、係合突部と係合孔との係脱を行う請求項1に記載の折り畳みテーブル。
【請求項3】
前記ブラケットの内側面に開口した案内溝に、前記係合突部を前記係合孔方向に弾性付勢された状態で摺動させた請求項2に記載の折り畳みテーブル。
【請求項4】
前記脚体の上端部を、下向に開口するコ字状の閉塞板内に収容し、該閉塞板の外側面に、前記係合孔を形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳みテーブル。
【請求項5】
前記閉塞板の後上部に、前記天板の折り畳み位置において、前記係合突部が係合する段部を形成した請求項4に記載の折り畳みテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−306987(P2007−306987A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136867(P2006−136867)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】