説明

折り畳み尿採取バッグを有するカテーテル組立品

カテーテル及びレセプタクルを含むカテーテル組立品が開示されている。レセプタクルは、該カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容するための細長いポケット;該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張を有する尿採取バッグ;及び該バッグの両側上の尿採取バッグの周辺に配置された少なくとも一つのタブ上の少なくとも二つのタブ領域;を有する。更に、貯蔵状態において、前記細長いポケットは、前記尿採取バッグ上に折り畳まれ、そして該細長いポケットの外側に延びている該尿採取バッグの両外側部分は、該細長いポケットの上に互いに折り畳まれ、該両外側部分は、折り畳まれた配置において互いに重なるように寸法取りされ、そしてここで、該タブ領域は該両外側部分上に配置され、そして少なくとも一つの取り付け点において、該カテーテル組立品を貯蔵中に折り畳まれた配置において、解放可能に維持するために、互いに取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル及びレセプタクルを含み、該レセプタクルが、該カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容するための細長いポケット及び該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張(width extension)を有する尿採取バッグを有するカテーテル組立品に関する。本発明は、カテーテル組立品の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、膀胱ドレナージ用の尿カテーテル等の多くの異なる医療用途においての使用が見出されている。これらの尿カテーテルは、高齢者、脳卒中患者、脊髄損傷患者、術後の患者、及び閉塞性尿路疾患を有する人々を含む種々の人々中に挿入される。
【0003】
カテーテルを清浄かつ好ましくは無菌状態に維持するために、各カテーテルは通常、製造者によってレセプタクル中に事前包装される。更に、使い易くするため、そしてカテーテルの清浄さを改善するため、最近では、破裂できる湿潤流体パウチ又は容器をも含むように組立品が開発されており、ここでカテーテルを濡らすことは外部から供給される水を使用せずに、そしてカテーテルの目的の使用まで、そのシールされた状態を破ることなく実行され得る。そのような組立品は、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されている。これらの文献には更に、カテーテルを収容するレセプタクルが記載されており、このレセプタクルは尿採取バッグを形成し得る。そのような組立品に対して、レセプタクルははぎ取られずそして廃棄されず、代わりにそれはカテーテルに接続された状態で維持され、そして尿採取バッグとして使用される。膀胱から排出された尿を受けるための容器としてのレセプタクルの利用は、カテーテルが、排出の間、また排出の後もレセプタクルに接続された状態を維持する故に、漏れの減少に貢献し得る。勿論、レセプタクルを尿採取バッグとして利用するためには、レセプタクルが十分なサイズであることが必要である。
【0004】
しかしながら、より大きなカテーテル組立品は、特にカテーテル処置が日常生活の手順である個人にとっては不便である。この不便さを軽減するために、組み合わせ品をもっと目立たないように、例えば使用者の衣服のポケット中で取り扱いかつ貯蔵できるということで、カテーテルの使用者にとって生活の質を改善する、よりスペースをとらないカテーテル組立品のための努力がなされている。このように、カテーテル及びカテーテルを収容する、尿採取バッグを形成するレセプタクルは、貯蔵中に好ましくはコンパクトな状態で配置されそして維持され、使用の前の組立品の便利な取り扱いを可能にする。例えば、その製造手順中に、組立品がカテーテルの目的の使用まで残るよう意図される同封包装中に置かれるカテーテル組立品がある。
【0005】
しかしながら、上述の種類の公知の組立品は、貯蔵中に組立品をコンパクトでかつ無菌の状態に維持するために、複雑な又は高価な製造手順を必要とし、そのため、よりコスト効率に優れて製造でき、かつそれでも貯蔵段階においてコンパクトであり、そして清浄な状態で取り扱えるのに便利である改善されたカテーテル組立品の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 97/26937号公報
【特許文献2】WO 01/43807号公報
【特許文献3】WO 98/11932号公報
【特許文献4】WO 03/092779号公報
【特許文献5】WO 00/47494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、そこにおいて上記に関連する欠点が完全に又は少なくとも部分的に解消される、導入目的で述べられたタイプのカテーテル組立品及びその製造方法を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、カテーテル;及びレセプタクルを含むカテーテル組立品が供される。レセプタクルは:該カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容するための細長いポケット;該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張を有する尿採取バッグ;及び該バッグの両側上の尿採取バッグの周辺に配置された少なくとも一つのタブ上の少なくとも二つのタブ領域;を有する。更に、貯蔵状態において、上記細長いポケットは、上記尿採取バッグに折り畳まれ、そして上記細長いポケットの外側に延びている上記尿採取バッグの両外側部分は、上記細長いポケットに互いに折り畳まれ、該両外側部分は、折り畳まれた配置において互いに重なるように寸法取りされ、そしてここで、該タブ領域は上記両外側部分上に配置され、そして、少なくとも一つの取り付け点において、該カテーテル組立品を貯蔵中に折り畳まれた配置において、解放可能に維持するために、互いに取り付けられる。
【0009】
この文脈で前記尿採取バッグの「両側」とは、前記組立品を通る中央軸に対して異なる側のことである。更に、この用途において「タブ」は、区画の壁の部分を形成しない、組立品の延長部を意味するのに使用される。
【発明の効果】
【0010】
このカテーテル組立品を用いて、解放された使用状態において組立品の長さの半分程の短さに、又はその半分の長さよりももっと短くできる長さを有し、そして解放された使用状態において組立品の幅の三分の一程の短さにできる幅を有する、非常にコンパクトな製品が達成される。貯蔵状態における幅は解放された状態における幅の三分の一よりももっと短くもできる。例えば、両外側部分を一度より多く折り畳むことができ、又は両外側部分を巻き上げた状態に配置すること等が可能である。従って、本組立品は貯蔵するのに非常に便利であり、そしてハンドバッグ、お尻のポケット等中に容易にしまうことができる。更に、本組立品は、組立品の貯蔵状態から広げて使用する状態への解放が非常に単純である故に、使用するのが非常に便利である;実施すべき全てのことは、タブ領域の間に配置された取り付け部品を解放することだけである、そして組立品は広がる。更に、タブ領域の間に配置された接続によって、組立品を作動させる際の取り付け部の解放が、尿採取バッグ又は細長いポケットを損傷する何らの危険性も与えないことが保証される。このように、使用前に組立品を広げる全プロセス中、内部区画の統合並びにその清浄性及び無菌性が確保できる。また更に、新規組立品は、折り畳まれた配置を有効にするのに要求される、組立品の唯一の追加部品が、本質的に少なくとも一つのタブ、及び該タブのタブ領域の間の接続を供することのみである故に、非常に生産コスト効率に優れる。このため、組立品の材料コストが下がり、そして非常にコスト効率に優れる生産も可能にする。従って、通常、製品を折り畳まれた配置に維持するために必要となる包装材料等の供給を避けることができる。カテーテル組立品においてより少ない材料の供給は、廃棄されるべき材料がより少なく、カテーテル組立品を便利でまごつかない方法でより容易に取り除くようにできる故に、カテーテル処置後の使用者にとって有利でもある。
【0011】
好ましくは、タブ領域が、溶接又は接着の少なくとも一つによって互いに取り付けられる。しかしながら、Velcro接続等のような他の代替接続も実施可能である。
【0012】
更に、好ましくは少なくとも二つの分離された取り付け点が供され、そして好ましくは細長いポケットに対して、尿採取バッグの少なくとも上方及び下方の部分においてそれが供される。本明細書では、尿採取バッグの下方部分は、細長いポケットに接続された尿採取バッグの部分のことであり、そして上方部分は対応して尿採取バッグの両側の部分のことである。そのような分離された取り付け点は、例えば、接続できるタブ領域の二つ又はそれ以上の対の供与によって供される。これは、接続できるタブの二つ又はそれ以上の対を用いることによって、又は各々が尿採取バッグの周辺の実質的部分に広がっているより長い一対のタブの供与によって、又は尿採取バッグの周辺の実質的部分に広がっているたった一つのタブの供与によっても、成就され得る。
【0013】
好ましくは、尿採取バッグの幅拡張が細長いポケットの最大幅の少なくとも2倍であり、このことによって、尿採取バッグの横方向部品が、それらの間の中央部分を曲げたり、しわを作ったりすることを必要とせずに、重ねるのが可能となるであろう。
【0014】
組立品は特に、親水性尿カテーテル、そして好ましくは断続的な使用目的のカテーテルを収容するパッケージとして有用である。
【0015】
また、組立品は好ましくは湿潤流体を含み、ここで前記貯蔵状態における該湿潤流体は、前記カテーテルの親水性表面層から隔てられ維持され、そして作動状態において、該親水性表面層との接触がもたらされるように配置された後前記カテーテルの目的として使用を行なう。更に好ましくは、湿潤流体が、尿採取バッグ内に配置されている小袋中に、そして貯蔵状態において、前記両外側部分の間の中央部に配置されている。しかしながら、そのような配置が好ましいものの、原則として、小袋はレセプタクル内のどこにでも、そして、例えば、尿採取バッグの横方向部品の一つに配置できる。
【0016】
タブ領域の間の接続を解放することが、尿採取バッグの損傷の如何なる危険性も与えないことを確かにする好ましい方法は、タブ領域において、取り付け点を少なくとも部分的に取り囲んで弱化線を配置することであり、ここで前記取り付け点において、互いから上記タブ領域を解放することから生じる破裂は、本質的に該弱化線に限定される。本質的に同じ結果を得る代替方法は、前記取り付け点の少なくとも一つにおいて、前記取り付け点における上記タブ領域の互いからの解放によって、取り付け点が破壊され、このことによってタブ又は尿採取バッグの破裂が回避されるよう、限られた最大保持能力を有する取り付け点を提供することである。
【0017】
尿採取バッグは更に好ましくは、前記尿採取バッグから尿を排出するための排出開口部を含み、該排出開口部が好ましくは、前記尿採取バッグを開口すべき場合に手で引き裂いて開口し得る引き裂き線として形成される。
【0018】
また更に、細長いポケットは、それを通して前記挿入端が患者の尿道中に推し進めそして挿入できる該カテーテルを引き出すための少なくとも一つの開口部を好ましくは有する。カテーテルの非挿入端には好ましくは拡大された直径が備わっており、そしてカテーテルの引き抜きの間、細長いポケットに抗してシールされたストッパーを形成するために適応される。細長いポケットにはまた、該細長いポケットの中間部分が、ヒトの腔、例えば尿道内への挿入中に、湿潤カテーテルを誘導しそして保持するための挿入支援部として使用され得るように位置する、少なくとも二つの分離された開口部が備わっている。 更に、細長いポケット上に供される少なくとも一つの開口部は好ましくは、引き裂き開口部である。
【0019】
レセプタクルは好ましくは可撓性プラスチック材料の二層フィルムの形状をなす。また、この材料は少なくとも部分的に透明である。
【0020】
本発明の第二の態様によれば、カテーテル及びレセプタクルを含むカテーテル組立品を包装する方法が供され、該レセプタクルが細長いポケット及び尿採取バッグを有し、そして該尿採取バッグが該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張、及び該バッグの両側上の尿採取バッグの周辺の少なくとも一つのタブ上に配置された少なくとも二つのタブ領域を有し、ここで該方法は:該細長いポケット中に前記カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容すること;上記尿採取バッグの上に上記細長いポケットを折り畳むこと;上記細長いポケットの外側に延びている上記尿採取バッグの両外側部分を、上記細長いポケットの上に互いに折り畳むこと、ここで該両外側部分が、折り畳まれた配置において互いに重なるように寸法取りされ;そして該カテーテル組立品を、貯蔵中折り畳まれた配置において、解放可能に維持するために、該タブ領域を少なくとも一つの取り付け点において互いに取り付けること;を含む。
【0021】
この態様によれば、第一の態様に関して上述されたものと同様の有利な点を得ることができる。
【0022】
本発明の他の態様、便益及び有利な特徴は、以下の記述及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【0023】
本発明は、非限定的な実施例として供される添付図面からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施態様による、広げられた配置におけるカテーテル組立品を示す。
【図2】尿採取バッグの上に折り畳まれた細長いポケットを有する、図1のカテーテル組立品を示す。
【図3】細長いポケットの上に折り畳まれた尿採取バッグの両外側部分の一つを有する、図1のカテーテル組立品を示す。
【図4】互いに取り付けられたバッグの両側上の尿採取バッグの周辺でタブ領域を有する、折り畳まれた配置における、図1のカテーテル組立品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な記述において、本発明の好ましい実施態様が述べられる。しかしながら、種々の実施態様の特徴が実施態様間で交換可能であり、そして特に別の方法が指示されていない限り、種々の方法で組み合わせられ得ることは当然のことと理解すべきである。また、簡明を期すために、図面中に示されるある部品の寸法が、本発明の現実の実行に対応する寸法、例えばカテーテルの長さ、流体区画の寸法等と異なり得ることに留意されたい。
【0026】
図1は本発明の実施態様による、広げられた配置におけるカテーテル組立品1を示す。
【0027】
カテーテル組立品1は、必ずではないが、好ましくは親水性の尿カテーテルであり、そして好ましくは断続的使用を目的としたカテーテル2を含む。カテーテル2は、挿入端14及びフレアー状の反対側の端部13を有する細長いシャフトを含み、ここでフレアー状の反対側の端部13は、尿採取バッグ、排出チューブ等の他とデバイスに接続できるカテーテル2のコネクターとして機能し得る。図1の実施例において、フレアー状の端部13はコネクター13である。カテーテル2の使用の間尿が誘導される開口した端部を有する内腔は、挿入端14の丸くなった先端からカテーテル2のフレアー状の端部13に延びている。
【0028】
挿入端から延びているカテーテル2の少なくとも部分は、尿カテーテル2の場合、尿道等の使用者の体の開口部を通して挿入すべき挿入可能な長さを形成する。親水性カテーテルの文脈において、「挿入可能な長さ」とは、通常、例えばPVPのような親水性材料でコーティングされ、そして患者の尿道内に挿入可能であるカテーテル2の長さを意味する。一般的には、これは女性患者に対しては80〜140ミリメーター、そして男性患者に対しては200〜350ミリメーターであろう。
【0029】
本発明によると、そして本明細書において開示された実施態様に応用できるものとして、多くの異なるタイプのよく知られた親水性表面が使用できる。例えば、カテーテル2は親水性コーティングを備えており、ここで親水性ポリマーコーティングはポリビニル化合物、多糖類、ポリウレタン、ポリアクリレート、又はビニル化合物とアクリレート又は無水物との共重合体、特にポリエチレンオキシド、ポリビニル−ピロリドン、ヘパリン、デキストラン、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ビニルピロリドン及びヒドロキシエチルメチルアクリレート、又はポリメチルビニルエーテルとマレイン酸無水物との共重合体から選ばれる材料を含む。好ましい親水性ポリマーはポリビニル−ピロリドンである。
【0030】
組立品は更に、カテーテル2を収容する細長いポケット4を有するレセプタクル3を含む。図1に示される細長いポケットはカテーテル2全体を収容するものの、本発明はそれに限定されるものではない;細長いポケット4は同様に、カテーテル2の挿入可能な部分のみ、又は該挿入可能な部分の前方部分のみでさえも収容し得る。レセプタクル3は、他の配置も可能であるものの、好ましくは透明で可撓性のプラスチック材料の二層フィルムの形状をなす。
【0031】
レセプタクル3は、細長いポケット4の幅Wpocketよりも広い幅拡張Wbagを有する尿採取バッグ5を含む。
【0032】
更に、レセプタクル3は尿採取バッグ5の両側上にタブ6のタブ領域を含む。タブ6は、バッグ5の中空体又は区画7と干渉しないように、バッグ5の周辺に配置されることに限られる。タブ6上に配置されて、タブ領域の対及び/又はタブを一緒に接続するための、そしてそれによって貯蔵中折り畳まれた配置においてカテーテル組立品1を解放可能に維持するために、取り付け点8がある。図1の組立品1の折り畳まれた配置が図4において示されている。取り付けは、例えば、溶接若しくは接着、又はその組み合わせによって達成され得る。
【0033】
好ましくは、互いに隔たって、タブ6の上に少なくとも二つの取り付け点8がある。実施例中の各取り付け点8について、好ましくはタブ6の一つは、弱化線によって画成される取り付け8を取り囲む領域16を含む。このように、その取り付け点8においてタブ6を互いに解放することによって生じる破裂が、取り囲み領域16に限られることが確実にされる。しかしながら本発明は、組立品1がその折り畳まれた配置から解放されるときに、尿採取バッグ5に対する破裂を回避するためのこのタイプの弱化領域16に限定されるものではない。取り付け点8は、例えばその特定取り付け点8において、タブ6を互いに解放する場合に、取り付け8が屈服し、それによって尿バッグ5の破裂が回避されるように、接着された又はたぶん溶接された弱い取り付け部を同様に含み得る。
【0034】
組立品1の使用後に尿を排出することを可能にするために、尿バッグ5は更に排出開口部9を含む。好ましくは、そして図1において示されるように、排出開口部9は、レセプタクル3が開口すべき場合に、手で引き裂き開口し得る引き裂き線として形成される。
【0035】
カテーテル2の目的の使用の前に、カテーテル2の少なくとも挿入可能な部分の引き出しを可能にするために、細長いポケットの端部がカテーテル組立品1から除かれ、又は細長いポケットが任意の他の方法で開口されなければならない。従って、図1のレセプタクル3は好ましくはレセプタクルの開口を容易にするための開口手段10を含む。開口手段10は、図1に示されるように、引き裂き開口部を形成する引っ張りタブ等の掴みハンドル17に接続された引き裂き線10を含み得る。これによって、使用者は掴みハンドル17を引くことができ、そしてそれによってレセプタクル3の側壁を引き裂き開口できる。しかしながら、種々の様式で及び種々の場所に配置された引き裂き線、剥離ジョイント等の代替開口手段10も実行可能である。
【0036】
実施例において、複数の引き裂き開口部10が細長いポケット4上に配置されている。しかしながら、レセプタクル3上の開口部10のタイプ、数、及び位置決めは、本発明によって限定されるものではない。
【0037】
図1の細長いポケット4は、更に、カテーテル2の挿入端14を収容する細長いポケット4の端部と、コネクター13を収容する細長いポケット4の部分との間に好ましくは位置決めされた制限部12を含む。その場合、カテーテル2をレセプタクル3から引き出し中、コネクター13は制限部12との機械的シール接続を形成する。
【0038】
万一、使用者が、カテーテル2の使用中、尿の採取のために尿採取バッグ5を使用しないことを好むならば、制限部12の下に置かれた開口部10cが、細長いポケット3の部分と共に尿採取バッグ5をカテーテル組立品1から除くために好ましく使用される。他方、使用者が排出の間尿採取バッグ5の利用を選択する場合、カテーテル2の引き出しのために開口部10a及び/又は10bが好ましくは使用される。
【0039】
図1において、細長いポケット4の中間部分11が、ヒトの腔、例えば尿道内への挿入の間、湿潤カテーテル2の誘導及び保持のための挿入支援として使用し得るように、開口部10が配置される。
【0040】
使用の際に、カテーテル2は湿潤流体によって湿潤される。湿潤流体は親水性表面コーティングを湿潤するという主目的に役立ち、それによって表面の低摩擦特性が生み出され、そしてカテーテル2が滑りやすくかつ例えば患者の尿道内に挿入し易くなる。しかしながら、また、流体中に溶解された抗菌性化合物を供することが可能である。湿潤流体は好ましくは水ベースの液体、つまり溶媒として水を使用するものである。また更に湿潤流体は、NaCl等の溶解された浸透圧増大化合物も含み得る。また更に湿潤流体は、湿潤流体が目的とするカテーテルの親水性コーティングにおけるような親水性ポリマーを含み得る。
【0041】
好ましくは、組立品1は続いて組立品1の湿潤流体形成部分を含む。図1の実施例において、カテーテル組立品1は、湿潤流体が貯蔵中カテーテル2の親水性表面から隔てられて保持される湿潤流体パウチ15を含む。パウチ15は好ましくは尿採取バッグ5の中空体7内に、そして好ましくは尿採取バッグの中央部分中に配置されている(以下を参照)。
【0042】
更に、湿潤流体パウチ15は、カテーテル組立品1の作動を可能にするために開口することができる。作動は、カテーテル2の親水性コーティングと接触するように、パウチ15を開け、そしてレセプタクル3内に湿潤流体を解放することによって行なわれる。湿潤流体パウチ15は、それ自体が当技術においてよく知られたプレス、引き裂き、突き刺し、破壊又は捩じり等を用いて開口し得る。
【0043】
レセプタクル3は、好ましくは、カテーテル2及び少なくとも湿潤流体パウチ15の部分の周りのシールされた区画を形成する。
【0044】
好ましくはあるが、本発明は図1の実施例において述べられたパウチ15に限定されるものではない。代替法として、カテーテル組立品110は幾つかの分離された区画を有するパッケージ、カテーテルを収容するもの、及び参照することによって本明細書に組み込まれる特許文献4にも開示されている湿潤流体を収容するものを含み得る。
【0045】
同様に、レセプタクル3の分離された区画中ではないが、カテーテル2を保持する区画と統合された湿潤流体パウチ15を配置することも可能である。これによって、生産中にすでにカテーテル2が作動され、そして次に作動した、直ぐに使える(ready-to-use)状態に維持される。このように、この実施態様において、親水性表面層がレセプタクル3中に収容される間湿潤状態に保存され、そして直ぐに使えるカテーテル2が提供される。この湿潤状態を保存するために、レセプタクル3及びカテーテル2によって形成される区画は、好ましくはガスシールされ、そして更にレセプタクル3は好ましくは気体不透過性である。使用時に、レセプタクル3は簡単に開けられ、そしてカテーテル1は患者内に直ちに導入され得る。そのような組立品1は、例えば本明細書によって参照することによって組みこまれている特許文献5において記載されている。
【0046】
貯蔵状態において、カテーテル組立品は折り畳まれた配置に維持されている。図1の実施例によってカテーテル組立品1の包装を例証する方法において、カテーテル2が最初にレセプタクル3の細長いポケット4の中に置かれる。次いで、細長いポケット4が尿採取バッグ5の上に折り畳まれ、その結果、図2において示される通りの組立品1の配置になる。以下では、図3によって示されるように、尿採取バッグ5の二つの外側部品が互いに折り畳まれ、それによって組立品1が図4において示されるように、折り畳まれた配置の形状となす。貯蔵中、組立品1を折り畳まれた配置に維持するために、タブ6のタブ領域が、備えた取り付け点8において互いに解放可能に取り付けられている。
【0047】
逆に、カテーテル組立品1を使用することを例証する方法において、使用者は組立品1を目的の使用の前に、その折り畳まれた配置から解放する必要がある。最初に、尿採取バッグ5の二つの外側部分が注意深く引き離され、それによってタブ6が取り付け点8においてほどかれ、そしてバッグ5の外側部分を広げることを可能にする。次いで細長いポケット4が広げられ、そしてそれによって組立品1がその完全に広げられた配置をとる。組立品1を広げることに続いて、使用者は次に、レセプタクル3の境界内の湿潤流体パウチ15を開口することによってカテーテル1の表面コーティングを活性化させ、そのことによって湿潤流体をパウチ15からレセプタクル3内に解放する。十分な湿潤期間の後、患者内への挿入のためのカテーテル2を暴露するためにレセプタクル3が開口される。
【0048】
また尿採取バッグ5としても役立つように使用者がレセプタクル3の利用を選択する場合、カテーテル2を所定の持続時間湿潤後、バッグ5を上下逆に回し、そして挿入端14を収容する細長いポケット4の端部を破りとる。次いでカテーテルのシャフトが、レセプタクル3における開口部を通して操作され、そしてフレアー状の端部13が、レセプタクル3の制限部12で開口部と機械的シール接続を形成するまで引き出される。その後、カテーテル2が患者の尿道内に挿入される。このように開口されて、レセプタクル3が、膀胱から排出された尿を受けるためにカテーテル2と接続された状態で維持される。しかしながら、これは単に任意選択的なものであり、使用者は、上述の通り、使用前に尿採取バッグ5を配置することを同様に選択し得る。種々の実施態様に関して本発明を論じてきた。しかしながら、幾つかの更なる実施態様が可能であることは当業者によって正しく理解すべきである。例えば、上述の種々の実施態様の特徴は、多くの他の方法で当然組み合わされ得る。
【0049】
更に、本発明をカテーテル2の、尿カテーテル以外の血管カテーテル等の他のタイプに対して使用することができる。
【0050】
また更に、多くの異なる方法で湿潤流体パウチ15を配置することができる。例えば、パウチは分離されたパウチであり得るが、組立品1の部分を形成することもあり得る。そのような湿潤流体パウチ15は、レセプタクル3の完全に内側に、レセプタクル3の部分的に内側に、又はレセプタクル3の完全に外側に配置され得る。代替法として、湿潤流体パウチ15は、レセプタクル3の一体化区画であり得る。この区画はカテーテル1の挿入可能な部分を収容する区画から隔てられ得るか又はそのような区画と一体化され得る。後者の場合、カテーテル2は湿潤、活性化された状態に維持され得る。
【0051】
更に湿潤流体パウチ15はカテーテルの挿入端14の近くに、カテーテルのフレアー状の両側の端部13の近くに、又は組立品1における他の任意の適切な場所において配置され得る。湿潤流体がカテーテル2の挿入可能な部分から隔てられて配置されている場合、分離壁又は接合部は、例えば破ることができる又は剥離することができる膜壁であり得るが、種々のタイプの取り外し得る又は開口し得るキャップ又は閉鎖部等の代替実施態様が勿論実行可能である。湿潤流体パウチ15は、流体パウチ15上への捩じり、圧縮、引っ張り等の印加の際に排出されるように配置され得る。これは必らずではないが、使用目的等によっては、湿潤流体は、好ましくはレセプタクル3を破壊又は破裂することなしに排出させてもよい。
【0052】
また、カテーテル組立品1の種々の部分に対して、多くの異なる材料が使用され得る。
【0053】
上述のものに類似した幾つかのそのような代替物が、本発明の趣旨から逸脱することなく使用され得ること、そして全てのそのような変更が、以下の請求の範囲に画成されるように本発明の一部とされるべきであることは当業者によって正しく理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル;及び
レセプタクル;を含むカテーテル組立品であって、該レセプタクルが:
該カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容するための細長いポケット;該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張を有する尿採取バッグ;及び
該バッグの両側上で尿採取バッグの周辺に配置された少なくとも一つのタブ上の少なくとも二つのタブ領域;を有し、
ここで、貯蔵状態において、上記細長いポケットが、上記尿採取バッグの上に折り畳まれ、そして該細長いポケットの外側に延びている該尿採取バッグの両外側部分が、該細長いポケットの上に互いに折り畳まれ、該両外側部分が、折り畳まれた配置において互いに重なるように寸法取りされ、そしてここで上記タブ領域が該両外側部分上に配置され、そして少なくとも一つの取り付け点において、上記カテーテル組立品が貯蔵中に折り畳まれた配置において解放可能に維持するように、互いに取り付けられる
上記カテーテル組立品。
【請求項2】
タブ領域が、溶接又は接着の少なくとも一つによって互いに取り付けられる、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項3】
少なくとも二つの分離された取り付け点を含む、請求項1又は2に記載のカテーテル組立品。
【請求項4】
尿採取バッグの幅拡張が、細長いポケットの最大幅の少なくとも2倍の幅である、請求項1〜3の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項5】
カテーテルが親水性尿カテーテルであり、そして好ましくは断続的な使用を目的とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項6】
更に湿潤流体を含み、ここで貯蔵状態における該湿潤流体が、カテーテルの親水性表面層から隔てられて維持され、そして作動状態において、該親水性表面層との接触がもたらされるように配置された後、該カテーテルの目的とした使用を行なう、請求項5に記載のカテーテル組立品。
【請求項7】
湿潤流体が、尿採取バッグ内に配置されているパウチ又は小袋中に、そして貯蔵状態においては、両外側部分の間の中央部に配置されている、請求項6に記載のカテーテル組立品。
【請求項8】
少なくとも一つの取り付け点のための、少なくとも一つのタブ領域が、該取り付け点を少なくとも部分的に取り囲む弱化線を含み、ここで該取り付け点において、該タブ領域を互いに解放することから生じる破裂が、本質的に該弱化線に限定される、請求項1〜7の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項9】
取り付け点の少なくとも一つについて、該取り付け点におけるタブ領域の互いからの解放が、取り付け点の破壊をもたらし、それによりタブ又は尿採取バッグの破裂が回避されるように取り付け点が限られた最大保持能力を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項10】
尿採取バッグが、該尿採取バッグから尿を排出するための排出開口部を含み、該排出開口部が好ましくは該尿採取バッグを開口すべき場合に手で引き裂いて開口し得る引き裂き線として形成される、請求項1〜9の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項11】
細長いポケットが、カテーテルを引き出すための少なくとも一つの開口部を有する、請求項1〜10の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項12】
細長いポケットは、該細長いポケットの中間部分が、ヒトの腔、例えば尿道内への挿入中に、湿潤カテーテルを誘導しそして保持するための挿入支援部として使用され得るように位置する、少なくとも二つの分離された開口部を有する、請求項11に記載のカテーテル組立品。
【請求項13】
少なくとも一つの開口部が引き裂き開口部である、請求項11又は12に記載のカテーテル組立品。
【請求項14】
レセプタクルが可撓性プラスチック材料の二層フィルムの形状をなす、請求項1〜13の何れか1項に記載のカテーテル組立品。
【請求項15】
カテーテル及びレセプタクルを含み、該レセプタクルが細長いポケット及び尿採取バッグを有し、そして該尿採取バッグが該細長いポケットの最大幅よりも広い幅拡張、及び該バッグの両側上の尿採取バッグの周辺の少なくとも一つのタブ上に配置された少なくとも二つのタブ領域を有する、カテーテル組立品を包装する方法であって、ここで該方法が:
上記細長いポケット中に、上記カテーテルの少なくとも挿入可能な端部を収容すること;
上記尿採取バッグの上に該細長いポケットを折り畳むこと;
該細長いポケットの外側に延びている該尿採取バッグの両外側部分を、該細長いポケットの上に互いに折り畳むこと、ここで該両外側部分が、折り畳まれた配置において互いに重なるように寸法取りされ;
そして該カテーテル組立品を、貯蔵中折り畳まれた配置において、解放可能に維持するために、該タブ領域を少なくとも一つの取り付け点において互いに取り付けること;を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−506009(P2011−506009A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538448(P2010−538448)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010751
【国際公開番号】WO2009/080265
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(501249869)アストラ・テック・アクチエボラーグ (22)
【Fターム(参考)】