説明

折り畳み式合成樹脂製箱

【課題】内材の出し入れを不要にして作業効率を向上させ、且つ、内材の紛失を防止できる合成樹脂製箱を提供する。
【解決手段】合成樹脂製箱1の側面部3の水平方向中央部に、垂直方向のセンター折り畳み線部8を形成して、該折り畳み線部8に沿って折り曲げ可能とする。又、側面部3を構成する左面部31L、右面部31Rの水平方向両端部近傍にサイド折り畳み線部9を上下方向に形成し、該サイド折り畳み線部9と左面部31L、右面部31Rの両端部との間の寸法は、箱1に装入される内板10の厚さに対応して設定する。更に、サイド折り畳み線部9は、頂角90度の断面V字状に形成し、且つ、側面部3の前面部32Fと後面部32Bの両端近傍にはこれと略同一の高さの補強フレーム13を脱着可能に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み式合成樹脂製箱に関するものであり、特に、不使用時に折り畳んだ状態にして嵩張らないようにした折り畳み式合成樹脂製箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種合成樹脂製箱としては、方形の底板と、該底板の角周縁部に直立して配設される角筒状側面部と、該側面部の上方開口部に着脱可能に蓋装される上蓋とを備え、前記角筒状側面部の相対向する一対の壁板の水平方向中央部に折り畳み線部を上下方向に形成して成るものが知られている。
【0003】
該箱は、不使用時には、一対の壁板の中央部の折り畳み線部に沿って、該一対の壁板を内側へ折り曲げることによって、箱を全体として平板状に変形し得るように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
この箱を実際に使用するときは、例えば、内容物を底板の上に載置した後に、該底板の凹部に支柱を嵌め込んで直立させながら、該支柱の上に梁を組み込む。しかる後、側面部を中空筒状に整形して支柱及び梁の上から被せ、最後に側面部の上方開口部に蓋部を被着して使用している。
【0005】
又、前記箱の不使用には、一対の壁板を折り畳み線部にて内側へ折り曲げることによって、箱を平板状に折り畳んで保管又は搬送している。この折り畳み状態では、嵩張らない平板状に変形されるため、箱の設置スペースが小さくなる。
【特許文献1】特開平9−77061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の合成樹脂製箱にあっては、内容物を収納した使用時に、該箱の内側に、断熱性能又は緩衝性能を有する内材を装入することがある。例えば、内容物が鮮魚等の新鮮食品であれば、この新鮮食品を低温に保つための断熱材、或いは、新鮮食品を衝撃から保護するための緩衝材が内材として用いられる。
【0007】
しかし、この内材は、箱を使用可能な立体形状に組み立てて内容物を収納する際に、その都度、箱の内側に内材を装入しなければならない。一方、箱の不使用時には、箱を平板状に折り畳む際に、内材を取り出して箱と分離し、双方を別々に搬送又は保管する必要がある。
【0008】
このようなことから、合成樹脂製箱の不使用又は使用時には、そのたび毎に内材の出し入れ作業を行う必要がある。このため、前記箱の折り畳み時又は組み立て時、及び内材のセッティング時などにおいて多くの工数を要し、特に、内材の出し入れ作業が大変煩わしく、作業効率が低下するという問題があった。
【0009】
又、合成樹脂製箱と内材は各々単品であるので、箱を組み立てる際、或いは、箱を折り畳んで収納する際に、内材を紛失させる恐れがあった。
【0010】
そこで、折り畳み式合成樹脂製箱からの内材の出し入れを不要にして作業効率を向上させ、且つ、内材の紛失を防止できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、方形の底板と、該底板の周縁部に直立して配設される方形筒状側面部と、該側面部の上方開口部に蓋装される上蓋とを備え、前記方形筒状側面部を構成する左右一対の各壁板の水平方向中央部に夫々、上下方向へ延びるセンター折り畳み線部を形成して成る折り畳み式合成樹脂製箱において、前記左右一対の壁板の水平方向端部近傍に、該壁板を前記箱の内側に折り畳むためのサイド折り畳み線部を上下方向に形成し、該サイド折り畳み線部から前記壁板の水平方向端部までの距離が、前記方形筒状側面部の内側に装入される断熱材、緩衝材等から成る内材の厚さに対応し、該内材を装入したままで前記壁板をサイド折り畳み線部に沿って折り畳めるように構成した折り畳み式合成樹脂製箱を提供する。
【0012】
この構成によれば、前記壁板の水平方向端部近傍に、該壁板を内側に折り畳むためのサイド折り畳み線部を形成し、該サイド折り畳み線部から前記壁板の水平方向端部までの距離が内材の厚さに対応しているので、該内材を箱内に装入したままで、壁板の折り畳み及び組み立てが可能になる。
【0013】
即ち、前記折り畳み(不使用)時には、箱の内側に装入したままで箱を平板状に折り畳むことができる一方、前記組み立て(使用)時には、箱の内側に内材を装入したままで、箱を筒形の立体形状に組み立てることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記サイド折り畳み線部は横断面V字状に形成され、上記壁板を上記内材側に90度折り曲げられるように構成されている請求項1記載の折り畳み式合成樹脂製箱を提供する。
【0015】
この構成によれば、上記サイド折り畳み線部がV字状断面に形成されているので、該サイド折り畳み線部に沿って壁板を内材側に90度折り曲げることにより、内材の表面に壁板を密着させて隙間のない状態に折り畳める。
【0016】
請求項3記載の発明は、上記内材と対応する上記方形筒状側面部には、該側面部の高さと略同一の高さの補強フレームが着脱自在に取り付けられ、該補強フレームは、前記側面部を両面側から挟む挟持面部を有する請求項1又は2記載の折り畳み式合成樹脂製箱を提供する。
【0017】
この構成によれば、上記側面部と略同一の高さの補強フレームが該側面部を挟持して取り付けられるので、補強フレームにより該側面部の高さ方向の剛性強度が増大する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明は、箱の不使用時及び使用時に、箱から内材を出し入れする必要がなく、箱を搬送又は保管する際の工数を大幅に削減でき、作業効率の向上を図ることができる。
【0019】
又、箱を組み立てて使用する際、或いは、箱を折り畳んだりして収納する際に、内材を箱から分離させる必要がないので、内材の紛失を確実に防止できるという特有の効果がある。
【0020】
請求項2記載の発明は、箱の不使用時には、壁板を内材側に90度折り曲げて隙間がない状態にできるので、請求項1記載の効果に加えて、箱をコンパクトに折り畳んで一層嵩張らないようにすることができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、前記側面部の高さ方向の剛性強度が補強フレームにより増大するので、請求項1又は2記載の効果に加えて、側面部の厚さを大きくしなくとも、例えば複数の箱に重い内容物が入れられている場合であっても、内材を保護しつつ該箱を複数段に積み重ねて置くことができる。
【0022】
特に、側面部の一部が縦分割されたフルオープン型である場合は、該分割部分を補強フレームで挟持接合した状態で強度向上が図れるので、フルオープン型の箱であっても、複数の箱を多段に積み上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、左右一対の壁板の水平方向端部近傍に、壁板を前記箱の内側に折り畳むためのサイド折り畳み線部を上下方向に形成し、サイド折り畳み線部から壁板の水平方向端部までの距離が、側面部の内側に装入される内材の厚さに対応し、内材を装入したままで壁板をサイド折り畳み線部に沿って折り畳め可能とし、サイド折り畳み線部は、頂角90度の横断面V字状に形成され、且つ、内材は断熱材から形成されていると共に、内材と対応する側面部には、該側面部と略同一の高さの補強フレームが着脱自在に取り付けられ、補強フレームは、側面部の両面側からを挟む挟持面部を有することにより、箱に内容物を出し入れする毎に、箱から内材を出し入れすることを不要にし、箱の搬送又は保管の作業が容易になるという目的を達成した。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図6に従って説明する。図1は、本実施例に係る折り畳み式合成樹脂製箱1を示す斜視図である。この箱1は、方形の底板2と、該底板2の縦横の4辺周縁部にて直立状態で配置される方形筒状側面部3と、該側面部3の上方開口部を覆う四角形の上蓋4とから成る。
【0025】
箱1の側面部等は、図2に示すように、中空部5を有する中空構造板を用いて成形でき、該中空構造板は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を押し出し成形して製造できる。尚、箱1は、中空状体の合成樹脂シート又は合成樹脂製段ボールに限らず、中実体の合成樹脂シートにより形成することもできる。
【0026】
前記側面部3は、左右一対の縦側壁板31の両端部と、これと直角な前後一対の横側壁板32の両端部とを接合して形成されている。この場合、縦側壁板31と横側壁板32とは、熱溶着にて相互一体に接合されている。
【0027】
具体的には、図1に示すように、縦側壁板31は、横方向Wにて相対峙する左面部31L及び右面部31Rを構成要素とする。又、横側壁板32は、縦方向Tにて相対峙する前面部32F及び後面部32Bを構成要素とする。該左面部31L、右面部31Rの前端部はそれぞれ、前面部32Fの左端部、右端部に接合され、且つ、左面部31L、右面部31Rの後端部はそれぞれ、後面部32Bの左端部、右端部に接合されている。
【0028】
縦側壁板31の左面部31L及び右面部31Rの下端部は、底板2の左側縦辺縁部21L及び右側縦辺縁部21Rの上面に直立して配置される。また、横側壁板32の前面部32F及び後面部32Bは、底板2の前側横辺縁部22F、後側横辺縁部22Bの上面に直立して配置される。
【0029】
縦側壁板31の組み立て状態における板厚方向と直交する水平方向、即ち、左面部31L、右面部31Rの正面視Sにおける水平方向(図1では縦方向T)中央部には、垂直方向Vに延びるセンター折り畳み線部8がそれぞれ形成されている。また、縦側壁板31は、センター折り畳み線部8に沿って、縦側壁板31の内面側へ折り曲げ可能に構成されている。さらに、センター折り畳み線部8の横断面形状はV字状に形成されている。
【0030】
前記箱1は、使用時には、横側壁板32の前面部32Fと後面部32Bを互いに縦方向Tに離間させることにより、側面部3を展開した角筒型の状態に組立てられるが、箱1の内側には、図2及び図3にも示すように、やや厚みのある内材10が少なくとも2枚装入配置される。該内材10は、横側壁板32の前面部32F、後面部32Bと対応するサイズの方形に形成されている。この内材10は、箱1内において断熱部材又は緩衝部材として機能する。
【0031】
更に言えば、2枚の内材10は、その外側表面が横側壁板32の前面部32F、後面部32Bと密着するように装入セットされる。尚、内材10の個数は更に2枚使用して、この2枚の内材10を、箱1を組み立てて使用するときに、縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rの内側に密着するように装入セットすることもでき、この場合は側面部3の4箇所の内面側に内材10が装入配置されることとなる。
【0032】
図示例では、各内材10の内側表面には、上下に延びる複数の凹溝11が所定間隔あけて設けられ、前面部32F側の内材10の凹溝11と後面部32Bとの内材10の凹溝11とは互いに対向して配置され、該相対向する凹溝11の間には、仕切り板12が取り外し自在に装着されるように構成されている。この仕切り板12により、箱1の内部空間は、複数の収納室に画成される。
【0033】
縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rの縦方向Tにおける両端近傍箇所には、左面部31L、右面部31Rを箱1の内側に折り畳むためのサイド折り畳み線部9が形成され、サイド折り畳み線部9は、前記センター折り畳み線部8と平行に垂直方向Vに延びている。
【0034】
このサイド折り畳み線部9は、内材10の内側表面と対応する位置に設けられ、左面部31L、右面部31Rにおけるサイド折り畳み線部9よりも両端部分、すなわち、内材10の厚さ部分と対向する部分は、非折り曲げ部分14とされている。
【0035】
従って、縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rは、サイド折り畳み線部9に沿って、縦側壁板31の内面側へ折り曲げ可能に移動するが、非折り曲げ部分14は移動しない。また、サイド折り畳み線部9の横断面形状は、例えば90度の頂角θを有するV字状に形成され、これにより、縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rは、内材10の内側へ90度折り曲げ可能とされている。
【0036】
更に言えば、サイド折り畳み線部9から横側壁板32の前面部32F又は後面部32Bまでの距離寸法は、図2に例示するように、内材10の厚さとほぼ同一の長さに設定されている。斯くして、箱1の内側に内材10を装入セットした状態において、該内材10が横側壁板32の前面部32F又は後面部32Bに当接したままで、縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rをサイド折り畳み線部9に沿って内側へ90度折り曲げることができる。
【0037】
このように本発明は、合成樹脂製箱1の折り畳み面部である縦側壁板31の端部に、内材10の厚みと対応する非折り曲げ部(内材装入セット用フトコロ部)14を設け、この非折り曲げ部14に、断熱部材又は緩衝部材たる内材10をセットできるように構成されている。
【0038】
尚、上記折り畳み線部8,9は、縦側壁板31に断面V型の折り曲げ用長溝を上下方向へ凹設して形成できる。この場合、通常は縦側壁板31にヒートバーを押し当てて長溝を凹設するが、これ以外に、刃先がV字状の押圧刃を用いて折り畳み線部8,9を形成する方法、或いは、切り刃で切り溝を刻んで折り畳み線部8,9を形成する方法などを適宜採用でき、更には、ヒンジにより上記折り畳み線部8,9を形成することもできる。
【0039】
上記構成の合成樹脂製箱1は、使用時に、箱1の内側に内材10を入れた状態のままで、横側壁板32の前面部32Fと後面部32Bを互いに離間させることにより、側面部3を展開して、使用可能なボックス形状に組立てられる。
【0040】
実際の使用では、底板2の上に内容物Pを載せた後、この底板2の上に側面部3を直立させ、最後に上蓋4を施蓋する。この場合、箱1の内側の適宜箇所には,必要により、図示しない支柱やリブを組み込んで強度アップを図ることができる。この場合、底板2、側面部3及び上蓋4の適所に、補強用リブを一体に形成することも可能である。
【0041】
また、内材10と対応する側面部3には、図2及び図3に示すように、必要に応じて、側面部3と略同一の高さの金属製補強フレーム13を着脱可能に取り付けることができる。該補強フレーム13の形状は、側面部3を両面側から挟む2枚の挟持面部を有し、且つ、補強フレーム13の上端部は、2枚の挟持面部の上端部を連結する平面視H型に形成されている。この場合、補強フレーム13の取り付け箇所は、横側壁板32の前面部32F、後面部32Bの両端側隅角部近傍の計4箇所とする。
【0042】
本実施例によれば、内材10の内側表面と対応する位置にサイド折り畳み線部9を設け、サイド折り畳み線部9に沿って縦側壁板31を内側へ折り曲げることができる。この場合、側面部3を折り畳んだ状態でも、内材10は、前面部32F、後面部32Bの両端側のL型部である非折り曲げ部14により固定的に保持される。
【0043】
従って、箱1を折り畳む時に、そのつど内材10を側面部3から取り出す必要がない。即ち、従来と異なり、箱1の使用時又は不使用時、内容物Pを出し入れする毎に、箱1から内材10を出し入れする手間が省ける。斯くして、箱1を搬送又は保管する際に、内材10の出し入れ工数を削減でき、搬送又は保管作業を容易迅速に行うことができ、生産性の向上が図れる。
【0044】
又、箱1を組み立てるとき、或いは、箱1を折り畳んで収納するときでも、内材10は箱1の中に安定保持して装入セットされている。従って、内材10は箱1から分離しないので、従来のように、内材10を紛失させる虞がない。
【0045】
本実施例では、横側壁板32の前面部32F、後面部32Bの両端部近傍の計4箇所に補強フレーム13を取り付けたので、箱1の側面部3の厚み寸法を大に形成しなくとも、側面部3の高さ方向の強度が増大する。従って、例えば複数の箱1に内容物Pを収容した状態で、これら箱1を順次多段に積み上げることができ、箱1の収納スペースが少なくて済む。
【0046】
上記内材10は、ここでは、所要の断熱性能を有する緩衝保護材、例えば発泡スチロールにより形成されている。このため、箱1の内部温度は、内材10により外部温度から遮断されるので、常にほぼ一定値に保たれる。例えば、箱1の中に特殊な氷を入れて使用すれば、箱1は冷凍用コンテナとして機能し、特に、箱1が中空構造体であれば、箱1と内材10の相乗的な断熱効果が発揮されることにより、魚や野菜などの冷凍食品を長い時間低温に保って搬送又は保管でき、使い勝手が著しく向上する。
【0047】
更に、上記サイド折り畳み線部9は、例えば頂角90度の断面V字状に形成されているので、縦側壁板31の左面部31L、右面部31Rは、サイド折り畳み線部9に沿って内材10側に90度曲げて折り畳むことができる。従って、箱1の折り畳み時には、図4に示すように、左面部31L、右面部31Rを内材10の表面に密着させて隙間のない状態に折り畳めるので、不使用時には、箱1を一層コンパクトに収納することができる。
【0048】
上記実施例では、非オープン型の合成樹脂製箱1に適用したものについて説明したが、本発明は、ハーフオープン型又はフルオープン型の合成樹脂製箱にも適用しうる。ハーフオープン型の合成樹脂製箱1にあっては、図5に例示するように、横側壁板32の前面部32F又は後面部32Bの一方又は双方の上部に、方形の小板面部15が開閉可能に設けられている。
【0049】
又、フルオープン型の合成樹脂製箱1にあっては、図6に例示するように、横側壁板32の前面部32F又は後面部32Bの一方又は双方は、適宜な取付け手段を介して抜き差し可能に取り付けられる方形の平板面部17を有する。
【0050】
この場合、平板面部17は、幅方向W両側に設けた側縁部19,19の間に取り付けられるが、該側縁部19,19と平板面部17とは、その接合部分を前記補強フレーム(図3の符号13参照)で挟持固定することにより、所要値以上の接合強度を確保できる。
【0051】
即ち、前面部32F又は後面部32Bが鉛直方向Vにおいて分割型である場合、該分割箇所を補強フレーム13で挟持連結することで、箱1の全体的な強度を高めることができる。よって、側面分割型構造の箱1であっても、使用時に、内容物が収容さられた状態の箱1を、順次多段に積み重ねることができる。
【0052】
上述したように、本発明は、箱1の折り畳み面部である縦側壁板31の端部位に、内材10の厚みと対応する非折り曲げ部(内材セット用フトコロ部)14を設け、非折り曲げ部14に、断熱部材又は緩衝部材たる内材10をセットできるようにしたものである。而して、非折り曲げ部14の縦方向Tにおける幅寸法は、内材10の厚み幅に応じて、ヒートバー又はヒンジで形成されるサイド折り畳み線部9の位置を変更でき、このことにより、非折り曲げ部14の幅寸法を任意の寸法に適宜設定でき、箱1の各種の用途や内容物Pに応じて容易に適合させることができる。
【0053】
以上要するに、本発明によれば、内材10を側面部3の内側に格納したまま、側面部3をワンタッチで折り畳むことができ、従来に比べて内材10のセッティングが不要となり、内材10を紛失させるおそれがなくなる。
【0054】
また、側面部3の各角隅部を熱溶着にて成形することにより、コンテナ体である合成樹脂製箱1の耐圧強度を増大させることもできる。
【0055】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、合成樹脂製箱の全体の斜視図。
【図2】一実施の形態に係る合成樹脂製箱のサイド折り畳み線部を示す要部平面図。
【図3】図1の合成樹脂製箱の内側に内材を入れたときの状態を示す斜視図。
【図4】図3の合成樹脂製箱を折り畳んだときの状態を示す斜視図。
【図5】本発明を適用しうるハーフオープン型の合成樹脂製箱を示す斜視図。
【図6】本発明を適用しうるフルオープン型の合成樹脂製箱を示す斜視図。
【符号の説明】
【0057】
1 合成樹脂製箱
2 底板
2A 縦辺縁部
2B 横辺縁部
3 側面部
31 縦側壁板
31L 左面部
31R 右面部
32 横側壁板
32F 前面部
32B 後面部
4 上蓋
5 中空部
8 センター折り畳み線部
9 サイド折り畳み線部
10 内材
11 凹溝
12 仕切り板
13 補強フレーム
14 非折り曲げ部
17 平板面部
19 側縁部
W 横方向
T 縦方向
V 垂直方向(上下方向)
P 内容物



【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の底板と、該底板の周縁部に直立して配設される方形筒状側面部と、該側面部の上方開口部に蓋装される上蓋とを備え、前記方形筒状側面部を構成する左右一対の各壁板の水平方向中央部に夫々、上下方向へ延びるセンター折り畳み線部を形成して成る折り畳み式合成樹脂製箱において、前記左右一対の壁板の水平方向端部近傍に、該壁板を前記箱の内側に折り畳むためのサイド折り畳み線部を上下方向に形成し、該サイド折り畳み線部から前記壁板の水平方向端部までの距離が、前記方形筒状側面部の内側に装入される断熱材、緩衝材等から成る内材の厚さに対応し、該内材を装入したままで前記壁板をサイド折り畳み線部に沿って折り畳めるように構成したことを特徴とする折り畳み式合成樹脂製箱。
【請求項2】
上記サイド折り畳み線部は横断面V字状に形成され、上記壁板を上記内材側に90度折り曲げられるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式合成樹脂製箱。
【請求項3】
上記内材と対応する上記方形筒状側面部には、該側面部の高さと略同一の高さの補強フレームが着脱自在に取り付けられ、該補強フレームは、前記側面部を両面側から挟む挟持面部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の折り畳み式合成樹脂製箱。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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