説明

折り紙用紙

【課題】幼児や認知症患者等においても、間違えることなく、簡単に折り紙作品を制作することができる折り紙用紙を提供する。
【解決手段】特定の作品を制作するために必要な複数の折り線2、及び、複数の折り順マーク4が、表側面1a及び裏側面1bの適切な位置にそれぞれ表示され、折り順マーク4は、対応する折り線2の近傍に表示され、各折り線2の折り順を示す数字と、その折り線2による折り工程を実行する際にセットすべき、制作者を基準とする折り紙用紙1の向きを指定する記号とによって構成され、作品の完成までに要する複数の工程のうち、折り曲げ片6をいずれか一方側へ一回折り曲げることにより完了させることができる工程において折り曲げ片6を規定する折り線2のすべてを、表側面1a及び裏側面1bのうち、谷折り側となる面に表示したことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表側面及び裏側面に折り線及び折り順を表示することにより、既定の作品を簡単に制作することができるようにした折り紙用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、誰でも簡単に折り紙作品を制作できるように、予め表面に折り線及び折り順を表示した折り紙用紙が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2008−110069号公報
【特許文献2】実用新案登録第3085035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、折り線及び折り順を表示した従来の折り紙用紙は、折り順通りに折り進んでいくことが難しいという問題がある。その大きな要因としては、折り線にはいわゆる「山折り線」と「谷折り線」の二種類があり、これらが一枚の紙の上で密に混在していること、また、折り線及び折り順が、折り紙用紙の一方の面にのみ表示されていること、などが考えられる。
【0005】
この点について具体的に説明すると、例えば、図10(1)に示すように、折り紙用紙1を縦方向に二分する折り線2が表示されている場合において、この折り線2に沿って「山折り」を実行すると、図10(2)に示すように、折り紙用紙1の左半分の面(A面)が上側になる場合と、図10(3)に示すように、右半分の面(B面)が上側になる場合とがある。
【0006】
そして、この工程を実施した結果、上側となる面(例えば、図10(2)に示すA面、或いは、図10(3)に示すB面)に、次の折り工程において折るべき折り線(及び折り順)が表示されている場合には問題はないが、下側となる面に表示されている場合には、制作者は、折り紙用紙1を裏返して次の折り線を探さなければならない。折り紙用紙1の表面上に表示されている折り線の数が極めて少ない場合には、比較的簡単に次の折り線を探し出すことができるが、多数の折り線が密に表示されている場合には、次の折り線をなかなか見つけることができず、制作に手間取ってしまうことになる。
【0007】
また、図10(1)に示す折り線2に沿って「谷折り」を実行すると、次の折り線(及び折り順)が、折り畳まれた内側の面に表示される結果となって、次の折り線をなかなか見つけることができない、というような事態も生じかねない。これらの問題は、通常の認知能力を有している者であれば、途中の工程で多少手間取ることがあったとしても、最終的には解決することができる可能性が高いが、例えば、未だ折り紙の基本的な折り方を知らない幼児や認知症患者等を対象とする教材として使用する場合、それらの問題が障壁となって、作品を完成させることができない可能性がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決すべくなされたものであって、幼児や認知症患者等においても、間違えることなく、簡単に折り紙作品を制作することができる折り紙用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る折り紙用紙は、特定の作品を制作するために必要な複数の折り線、及び、複数の折り順マークが、表側面及び裏側面の適切な位置にそれぞれ表示され、折り順マークは、対応する折り線の近傍に表示され、各折り線の折り順を示す数字、文字、又は、記号と、その折り線による折り工程を実行する際にセットすべき、制作者を基準とする折り紙用紙の向きを指定する記号とによって構成され、作品の完成までに要する複数の工程のうち、折り曲げ片をいずれか一方側へ一回折り曲げることにより完了させることができる工程において折り曲げ片を規定する折り線のすべてを、表側面及び裏側面のうち、谷折り側となる面に表示したことを特徴としている。
【0010】
尚、折り紙用紙の表側面、及び/又は、裏画面には、折り線等のほかに、ガイド線(折り線に沿って折り紙用紙の一部を折り曲げる際、その折り曲げ片の縁を重ね合わせるべき位置を示す線)を表示することが好ましく、また、複数の折り順マークのうち、折り紙用紙を裏返す工程において参照されるべき折り順マークの近傍に、裏返し指示サインを表示することが好ましい。更に、単純な谷折り(或いは単純な山折り)以外の特別な折り方を行うことが必要な工程において参照されるべき折り順マークの近傍に、特別な折り方のサイン(その特別な折り方を実行すべきことを示すサイン)を表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る折り紙用紙によれば、作品の完成までに要する複数の工程を一定のルールに従って順番に実行することにより、その作品の折り方を知らない者であっても、折り方を示す解説書等を参照することなく、各工程における折り紙用紙の上側の面を参照するだけで、極めて簡単に制作することができ、幼児などの初心者を対象とする折り紙入門用の知育教材、認知症患者を対象とするリハビリ用の資材、或いは、介護施設(養護老人ホーム等)におけるレクリエーション用の資材等として好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る(第1の実施形態)の折り紙用紙1の表側面及び裏側面の平面図である。
【図2】図2は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第1工程の説明図である。
【図3】図3は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第2工程の説明図である。
【図4】図4は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第3工程の説明図である。
【図5】図5は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第4工程の説明図である。
【図6】図6は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第5工程の説明図である。
【図7】図7は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第6工程の説明図である。
【図8】図8は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第7工程、及び、第8工程の説明図である。
【図9】図9は、図1の折り紙用紙1を用いて作品を制作する方法の第9工程の説明図である。
【図10】図10は、従来の折り紙用紙1において、折り線2に沿って山折りを実行した場合において生じる問題点の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に沿って本発明「折り紙用紙」の実施形態について説明する。図1(1)は、本発明に係る折り紙用紙1(第1の実施形態)の表側面1aの平面図であり、図1(2)は、裏側面1bの平面図である。図示されているようにこの折り紙用紙1においては、折り線2(実線)、ガイド線3(破線)、及び、折り順マーク4が、表側面1a、及び、裏側面1bの両面に表示されている。また、この折り紙用紙1の表側面1aには、裏返し指示サイン5が表示されている。
【0014】
折り線2は、この折り紙用紙1において、作品(折り紙)を制作する際に折り目を形成すべき位置に表示された線である。尚、従来の折り紙用紙においては、いわゆる「山折り線」と「谷折り線」とが表示されていることが多いが、本実施形態においては、折り線2として「谷折り線」のみが表示されている。つまり、本実施形態の折り紙用紙1には、「谷折りを行う折り線」のみが表示されている。
【0015】
ガイド線3は、折り線2に沿って折り紙用紙1の一部を折り曲げる際に、その折り曲げ片の縁を重ね合わせるべき位置に表示された線である。また、折り順マーク4は、各折り線2の近傍にそれぞれ一つずつ表示され、各折り線2の折り順を示す数字(或いは、文字、又は、記号)と、折り紙用紙1の向き(その折り線2による折り工程を実行する際にセットすべき、制作者を基準とする折り紙用紙1の向き)を示す記号とによって構成されている。
【0016】
尚、本実施形態においては、折り紙用紙1の向きを示す記号として、下辺を他の二つの辺(頂点を挟む二つの辺)よりも太い線で表示した白抜き三角図形を用いているが、この記号が表示されている折り線2による折り工程を実行する際にセットすべき折り紙用紙1の向き(制作者を基準とする向き)を、制作者に対して的確に示すことができるものであれば、どのような記号(例えば、台形図形、矢印等)を用いてもよい。
【0017】
この折り紙用紙1は、表側面1a、及び、裏側面1bにそれぞれ表示されている折り順マーク4に従って、折り紙用紙1を適正な向きにセットするとともに、折り線2に沿った「折り工程」を順番に実行していくこと等により、既定の折り紙作品を極めて簡単に(その折り紙作品の折り方を知らない者であっても、折り方を示す解説書等を参照することなく)制作することができる。
【0018】
ここで、図1の折り紙用紙1を用いて作品(イカ型紙飛行機)を制作する方法(手順)について説明する。
【0019】
(第1工程)
まず最初に、この折り紙用紙1に示されている折り順マーク4のうち、数字の「1」が表示されている折り順マーク4(第1折り順マーク41、図2(1)参照)を探し、この第1折り順マーク41の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする。より詳細には、図2(1)に示すように、第1折り順マーク41の三角形の下辺4a(太い線)が手前側(制作者から見て手前側)となり、頂点4bが奥側(制作者から見て下辺4aよりも向こう側)となるような向きに折り紙用紙1をセットする。
【0020】
そして、第1折り順マーク41の頂点4bの近傍に表示されている第1折り線21を谷折りする。具体的には、第1折り線21の手前側(図2(1)において下側)の部分を、図2(2)に示すように持ち上げて、第1折り線21を境界として反対側へ折り返し(折り曲げ片6)、図2(3)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。このとき、折り曲げ片6の縁6aが、ガイド線3と一致するように重ねることにより、簡単に位置合わせを行うことができ、第1折り線21上において正確に折り目をつけることができる。また、定規、下敷き、或いは、ヘラ等の補助具を使用し、それらの縁が折り線2(第1折り線21等)に沿うように載置して、折り曲げ片6を折り曲げるようにしてもよい。
【0021】
(第2工程)
次に、第1工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図2(3)に示す状態の折り紙用紙1の上画の面)において、数字の「2」が表示されている折り順マーク4(第2折り順マーク42)を探し、この第2折り順マーク42の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図3(1)参照)。
【0022】
そして、第2折り順マーク42の頂点の近傍に表示されている第2折り線22を谷折りする。具体的には、第2折り線22の手前側(図3(1)において下側)の部分を、図3(2)に示すように持ち上げて、第2折り線22を境界として反対側へ折り返し(折り曲げ片6)、図3(3)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。このとき、折り曲げ片6の縁6aが、ガイド線3と一致するように重ねる。
【0023】
(第3工程)
次に、第2工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図3(3)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「3」が表示されている折り順マーク4(第3折り順マーク43)を探し、この第3折り順マーク43の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図4(1)参照)。
【0024】
そして、第3折り順マーク43の頂点の近傍に表示されている第3折り線23を谷折りする。具体的には、第3折り線23の手前側(図4(1)において下側)の部分を、図4(2)に示すように持ち上げて、第3折り線23を境界として反対側へ折り返し(折り曲げ片6)、図4(3)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。このとき、折り曲げ片6の縁6aが、ガイド線3と一致するように重ねる。
【0025】
(第4工程)
次に、第3工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図4(3)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「4」が表示されている折り順マーク4(第4折り順マーク44)を探し、この第4折り順マーク44の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図5(1)参照)。
【0026】
そして、第4折り順マーク44の頂点の近傍に表示されている第4折り線24を谷折りする。具体的には、第4折り線24の手前側(図5(1)において下側)の部分を、図5(2)に示すように持ち上げて、第4折り線24を境界として反対側へ折り返し(折り曲げ片6)、図5(3)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。このとき、折り曲げ片6の縁6aが、ガイド線3と一致するように重ねる。
【0027】
(第5工程)
次に、第4工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図5(3)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「5」が表示されている折り順マーク4(第5折り順マーク45)を探し、この第5折り順マーク45の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図6(1)参照)。
【0028】
そして、第5折り順マーク45の頂点の近傍に表示されている第5折り線25を谷折りする。具体的には、第5折り線25の手前側(図6(1)において下側)の部分を、図6(2)に示すように持ち上げて、第5折り線25を境界として反対側へ折り返し(折り曲げ片6)、図6(3)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。
【0029】
(第6工程)
次に、第5工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図6(3)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「6」が表示されている折り順マーク4(第6折り順マーク46)を探し、この第6折り順マーク46の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図7(1)参照)。
【0030】
そして、第6折り順マーク46の頂点の近傍に表示されている第6折り線26を谷折りする。具体的には、第6折り線26の手前側(図7(1)において下側)の部分を持ち上げて、第6折り線26を境界として反対側へ折り返し、図7(2)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。
【0031】
(第7工程)
次に、第6工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図7(2)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「7」が表示されている折り順マーク4(第7折り順マーク47)を探し、この第7折り順マーク47の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図8(1)参照)。
【0032】
そして、第7折り順マーク47の頂点の近傍に表示されている第7折り線27を谷折りする。具体的には、第7折り線27の手前側(図8(1)において下側)の部分を持ち上げて、第7折り線27を境界として反対側へ折り返し、図8(2)に示すように反対側部分の上に重ね合わせる。
【0033】
(第8工程)
次に、第7工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図8(2)に示す状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「8」が表示されている折り順マーク4(第8折り順マーク48)を探す。
【0034】
図8(2)に示すように、第8折り順マーク48の頂点の近傍には、折り線2は表示されておらず、裏返し指示サイン5が表示されている。このような場合には、折り工程は実施せず、裏返し指示サイン5に従い、折り紙用紙1の全体を裏返す。尚、本実施形態においては、裏返し指示サイン5は、「ひっくり返す」という文字列によって構成されているが、他の文字列、或いは、記号によって構成することもできる。
【0035】
(第9工程)
第8工程が完了した折り紙用紙1の上側の面(図8(2)に示す状態から、全体を裏返した状態の折り紙用紙1の上側の面)において、数字の「9」が表示されている折り順マーク4(第9折り順マーク49)を探し、この第9折り順マーク49の三角形の記号に基づいて、折り紙用紙1を適正な向きにセットする(図9(1)参照)。
【0036】
そして、第9折り順マーク49の頂点の近傍に表示されている第8折り線28を谷折りする。具体的には、第8折り線28の手前側(図9(1)において下側)の部分を持ち上げて、第8折り線28を境界として反対側へ折り返し、図9(2)に示すように反対側部分の上に重ね合わせると、作品(イカ型紙飛行機)が完成する。
【0037】
本実施形態に係る折り紙用紙1を用いれば、以上に説明した第1工程から第9工程までを、一定のルールに従って順番に実行することにより、その作品の折り方を知らない者であっても、折り方を示す解説書等を参照することなく、極めて簡単に制作することができる。
【0038】
尚、ここに言う「一定のルール」とは、次の通りである。
A:作品の完成までに実行すべき複数の工程(第1〜n工程)を、順番通りに実行すること
B:各工程を実行するときは、その工程の順番と同じ数字が付された折り順マーク4に従うこと
C:折り順マーク4の頂点の近傍に折り線2が表示されている場合には、その折り順マーク4に従って工程を実施する際、まず、折り紙用紙1を適性な向きにセットすること
D:折り紙用紙1を適正な向きにセットしたら、折り順マーク4の頂点の近傍に表示されている折り線2の手前側の部分を持ち上げて、当該折り線2を境界として反対側へ折り返し、反対側部分の上に重ね合わせること
E:折り順マーク4の頂点の近傍に折り線2が表示されておらず、裏返し指示サイン5、或いは、その他のサイン(特別な折り方のサイン)が付されている場合には、当該表示の指示に従ってアクションを実行すること
【0039】
本実施形態の折り紙用紙1は、上記A〜Eのルールに従ってすべての工程が実行されることを前提として、一つの工程を実行した直後において折り紙用紙1の上側となる面に、次の工程の折り順マーク4が必ず表示されるように構成するとともに、当該折り順マーク4の近傍に、折り線2、又は、裏返し指示サイン5のいずれかが必ず表示されるように構成されている。
【0040】
従って、一つの工程を実行した後に、次の工程の折り順マーク4を簡単に見つけることができ、次の工程を迷うことなく円滑に実行することができ、その結果、制作者においてその作品の折り方を知らない場合であっても、簡単に制作することができる。
【0041】
尚、一つの工程を実行した直後において折り紙用紙1の上側となる面に、次の工程の折り順マーク4が必ず表示されるように構成するためには、折り工程が実行される際に、折り紙用紙1のうち、折り線2のいずれの側の部分が折り曲げられるべきであるか(どちらの部分を折り曲げ片6とし、どちらの分を固定側とするのか)、また、どちらの方向へ重ね合わせるべきであるか(折り曲げ片6を反対側の部分の上側に重ねるのか、下側に重ねるのか)を、制作者に対して明確に理解させることが必要であり、そのためには、折り工程が実行される際に、制作者を基準とする折り紙用紙1の向きを指定することと、折り線2に対する折り方を基本的に「谷折り」に統一することが有効である。
【0042】
尚、ここに言う「基本的に谷折りに統一する」とは、折り曲げ片6を一回折るだけでは、一つの折り工程を完了させることができないような特別な場合(例えば、中割折りや、つまみ折りなどのように、複数本の隣接する折り線2を同時に又は連続して折り曲げる必要があり、かつ、隣接する折り線2の折り曲げ方向が反対方向となるような折り方が必要な場合)を除き、つまり、一本の折り線2によって規定される折り曲げ片6を、いずれか一方側へ一回折り曲げることにより一つの折り工程を完了させることができる場合において、折り紙用紙1の二つの面のうち、山折り側となる面に折り線2を表示するのではなく、谷折り側となる面にすべての折り線2を表示する、という意味である。
【0043】
中割折りや、つまみ折りなどのように、複数本の隣接する折り線2を同時に又は連続して折り曲げる必要があり、かつ、隣接する折り線2の折り曲げ方向が反対方向となるような特別な折り方が必要な場合には、その工程が実行される際に参照されるべき折り順マーク4の近傍に、その折り方を示す特別なサイン(折り方の名称、折り線(山折り線、及び、谷折り線)、簡単な図説等)(特別な折り方のサイン)を表示することが好ましい。
【符号の説明】
【0044】
1:折り紙用紙、
1a:表側面、
1b:裏側面、
2:折り線、
21:第1折り線、
22:第2折り線、
23:第3折り線、
24:第4折り線、
25:第5折り線、
26:第6折り線、
27:第7折り線、
28:第8折り線、
3:ガイド線、
4:折り順マーク、
41:第1折り順マーク、
42:第2折り順マーク、
43:第3折り順マーク、
44:第4折り順マーク、
45:第5折り順マーク、
46:第6折り順マーク、
47:第7折り順マーク、
48:第8折り順マーク、
49:第9折り順マーク、
4a:下辺、
4b:頂点、
5:裏返し指示サイン、
6:折り曲げ片、
6a:縁、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の作品を制作するために必要な複数の折り線、及び、複数の折り順マークが、表側面及び裏側面の適切な位置にそれぞれ表示された折り紙用紙であって、
前記折り順マークは、対応する折り線の近傍に表示され、各折り線の折り順を示す数字、文字、又は、記号と、その折り線による折り工程を実行する際にセットすべき、制作者を基準とする折り紙用紙の向きを指定する記号とによって構成され、
作品の完成までに要する複数の工程のうち、折り曲げ片をいずれか一方側へ一回折り曲げることにより完了させることができる工程において前記折り曲げ片を規定する折り線のすべてを、前記表側面及び裏側面のうち、谷折り側となる面に表示したことを特徴とする折り紙用紙。
【請求項2】
前記表側面、及び/又は、裏画面に、前記折り線に沿って折り紙用紙の一部を折り曲げる際にその折り曲げ片の縁を重ね合わせるべき位置にガイド線を表示したことを特徴とする、請求項1に記載の折り紙用紙。
【請求項3】
前記複数の折り順マークのうち、折り紙用紙を裏返す工程において参照されるべき折り順マークの近傍に、裏返し指示サインを表示したことを特徴とする、請求項2に記載の折り紙用紙。
【請求項4】
前記複数の折り順マークのうち、特別な折り方を行うことが必要な工程において参照されるべき折り順マークの近傍に、特別な折り方のサインを表示したことを特徴とする、請求項3に記載の折り紙用紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−61015(P2012−61015A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205023(P2010−205023)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(305063155)株式会社マルトー紙工 (2)
【Fターム(参考)】