説明

折り紙飛行機

【課題】ゴムひもを用いて飛ばすことができる折り紙飛行機を得る。
【解決手段】折り紙飛行機10は、中央の折り線12の先端側左右の三角折りされた部分において中央の折り線に直交する横折り線23を形成し、横折り線を介して三角折りされた部分を山折りして横折り線より前側の中央の折り線を横折り線より後方の中央の折り線に合致させるように折り畳み、中央の折り線の左右に胴部13を作製した後横折り線より前側の中央の折り線を横折り線より後方の中央の折り線から離間させて中央の折り線がV字状をなすように成形し、翼用折り線14を介して山折りして翼部16を作製した後胴部13の先端縁を第1粘着テープ26で覆って胴部13の先端縁の拡開を防止し、中央の折り線がV字状をなすように成形した胴部13の先端部分を中央の折り線側から第2粘着テープ27で覆って中央の折り線の先端縁が横折り線より後方の中央の折り線となす間隔を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方形の折り紙から、所要の折り込みにより構成される、飛行可能な折り紙飛行機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、折り紙飛行機は、長方形の折り紙に対してその中央を二分する中央の折り線を形成し、その中央の折り線の左右にその中央の折り線と平行に又は僅かに傾斜して翼用折り線を形成している。そして中央の折り線を介して折り紙を谷折りにすることによりその中央の折り線の左右に胴部を形成し、更にその左右の翼用折り線を介して山折りすることにより胴部に連続する左右の翼部を作製している。一方、折り紙を二つ折りにして胴部を形成する以前に、中央の折り線を基準としてその中央の折り線の先端側における両側を三角折りすることにより左右の翼部の前縁を傾斜させている。このようにすると、中央の折り線が谷折りとなり、胴部が左右翼部の下側となる折り紙飛行機が得られる。そして、このような折り紙飛行機では、その胴部を把持してその中央の折り線の先端側にその折り紙飛行機を押し出しつつ離すことによってその折り紙飛行機を飛ばすようになっている。また近年では、方向舵の機能を持つ尾翼を作製して、満足するような飛翔距離、滞空時間を得るようなもの(例えば、特許文献1参照。)も提案されている。
【特許文献1】特開2003−159484号公報(明細書[0002]〜[0004]、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、比較的厚手の紙を切断又は切り抜いて得られる切り紙飛行機にあっては、棒の先端にゴムひもの一端を取付け、そのゴムひもの他端を切り紙飛行機の先端下部に形成されたフックに引っ掛け、その棒を固定した状態で切り紙飛行機を後方に移動させてゴムひもを引き延ばし、その後その切り紙飛行機を解き放してゴムひもが縮もうとする力でその切り紙飛行機を前方に飛ばすことが行われている。このような切り紙飛行機では、ゴムひもの弾性力により飛行機を飛ばすので、人の手によりその飛行機を飛ばす場合に比較して、満足するような飛翔距離、滞空時間を得ることができるとしている。従って、方形の折り紙から所要の折り込みにより構成される折り紙飛行機にあっても、ゴムひもにより飛ばすことができれば更なる飛翔距離や滞空時間を得ることが期待される。
本発明の目的は、ゴムひもを用いて飛ばすことができる折り紙飛行機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、方形状の折り紙21に折り紙21を二分する中央の折り線12を形成し、中央の折り線12により二分された折り紙21の先端縁の左右を中央の折り線12に合わせて1又は2回以上三角折りし、中央の折り線12を介して折り紙21を谷折りして中央の折り線12の左右に胴部13を作製し、中央の折り線12の左右における翼用折り線14,14を介して中央の折り紙12の両側をそれぞれを山折りして三角折りにより先端が傾斜する左右の翼部16,16を作製する折り紙飛行機の改良である。
【0005】
その特徴ある構成は、三角折りされた中央の折り線12の先端側に中央の折り線12に直交する横折り線23を形成し、その横折り線23で三角折りされた中央の折り線12の先端部分を山折りして横折り線23より前側の中央の折り線12を横折り線23より後方の中央の折り線12に合致させるように折り畳み、中央の折り線12を介して折り紙21を谷折りして中央の折り線12の左右に胴部13を作製した後横折り線23より前側の中央の折り線12を横折り線23より後方の中央の折り線12から離間させて中央の折り線12がV字状をなすように成形し、翼用折り線14,14を介して中央の折り線12の両側をそれぞれを山折りして翼部16,16を作製した後胴部13の先端縁を第1粘着テープ26で覆って胴部13の先端縁の拡開を防止し、中央の折り線12がV字状をなすように成形した胴部13の先端部分を中央の折り線12側から第2粘着テープ27で覆って中央の折り線12の先端縁が横折り線23より後方の中央の折り線12となす間隔を固定したところにある。
【0006】
この請求項1に記載された折り紙飛行機では、胴部13の先端縁を覆った第1粘着テープ26が、中央の折り線12を介して折り曲げられた胴部13の先端縁が拡開することを防止し、第2粘着テープ27により中央の折り線12の先端縁が横折り線23より後方の中央の折り線12となす間隔を固定することができる。この部分は後方に向かって開口するため、この部分にゴムひもを引っ掛けてこの折り紙飛行機を後方に移動させてゴムひもを引き延ばし、その後本発明の折り紙飛行機を解き放してゴムひもが縮もうとする力でこの折り紙飛行機を前方に飛ばすことができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、三角折りされた中央の折り線12の左右であって中央の折り線12に合わされた部分を中央の折り線12側から第3粘着テープ28で覆って三角折りされた部分が中央の折り線12から離間することを防止することを特徴とする。
この請求項2に記載された折り紙飛行機では、第3粘着テープ28により三角折りされた部分が中央の折り線12から離間することを防止できるので、この部分が中央の折り線12から離間することに起因する飛行抵抗を減少させることができる。よって、この折り紙飛行機10では、胴部13に連続する左右の翼部16の互いに交差する角度が変化するようなことはなく、ゴムひもを用いて飛ばすことができることから、より一層飛翔距離や滞空時間を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の折り紙飛行機では、中央の折り線の先端側左右が三角折りされた後三角折りされた中央の折り線の先端側にその中央の折り線に直交する横折り線を形成し、その横折り線で三角折りされた中央の折り線の先端部分を山折りして横折り線より前側の中央の折り線を横折り線より後方の中央の折り線に合致させるように折り畳み、中央の折り線を介して折り紙を谷折りして中央の折り線の左右に胴部を作製した後横折り線より前側の中央の折り線を横折り線より後方の中央の折り線から離間させて中央の折り線がV字状をなすように成形し、翼用折り線を介して中央の折り線の両側をそれぞれを山折りして翼部を作製した後胴部の先端縁を第1粘着テープで覆って胴部の先端縁の拡開を防止し、中央の折り線がV字状をなすように成形した胴部の先端部分を中央の折り線側から第2粘着テープで覆って中央の折り線の先端縁が横折り線より後方の中央の折り線となす間隔を固定したので、中央の折り線の先端縁が横折り線より後方の中央の折り線となす隙間は後方に向かって開口することになる。このため、この部分にゴムひもを引っ掛けてこの折紙飛行機を後方に移動させてゴムひもを引き延ばし、その後本発明の折り紙飛行機を解き放してゴムひもが縮もうとする力でこの折り紙飛行機を前方に飛ばすことができる。
【0009】
特に、三角折りされた中央の折り線の左右であって中央の折り線に合わされた部分を中央の折り線側から第3粘着テープで覆って三角折りされた部分が中央の折り線から離間することを防止するようにすれば、この部分が中央の折り線から離間することに起因する飛行抵抗を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1(c)に示す折り紙飛行機10は、図2(a)に示す方形状の折り紙21の中央の折り線12の先端の左右を図2(b)及び(c)に示すように三角折りし、図1(a)に示すようにその中央の折り線12を介してその折り紙を二つに谷折りして中央の折り線12の左右に胴部13を作製し、図1(b)及び(c)に示すように中央の折り線12の左右における翼用折り線14を介して二つに折られた折り紙の両側をそれぞれを山折りして三角折りにより先端が傾斜する左右の翼部16を作製するものである。ここで、図2(a)に示すように、中央の折り線12とは基本となる長方形の折り紙21の互いに対向する短い方の一対の対辺の中点を結ぶ線であり、この長方形をその中央で二分する線である。図1(b)に示すように、翼用折り線14は、その中央の折り線12の左右にその中央の折り線12と平行に又は図示しないが僅かに傾斜して形成される。図2(d)及び図1(a)に示すように、中央の折り線12を介して折り紙を谷折りにすることによりその中央の折り線12の左右に胴部13が形成され、更にその左右の翼用折り線14を介して山折りすることにより胴部13に連続する左右の翼部16が作製される。
【0011】
図2(a)及び(b)に示すように、方形状の折り紙21の中央の折り線12の先端の左右における三角折りは、まず中央の折り線12の先端に直交して中央の折り線12により二分された長方形の折り紙21の先端縁の左右をその中央の折り線12に合わせるように中央の折り線12の先端側における左右を三角折りする。この例では、この三角折りは2回行われ、折り紙21の先端縁の左右を中央の折り線12に合わせるように三角折りした後、図2(c)に示すように、最初の三角折りにおける第1三角折り線17と中央の折り線12の中間に位置する第2三角折り線18を介して、第1三角折り線17をその中央の折り線12に合わせるように更に三角折りする。このように中央の折り線12の先端の左右を三角折りされた方形状の折り紙21は、後に中央の折り線12を介して谷折りされ、この中央の折り線12の左右に胴部13が作製され、図1(c)に示すようにその中央の折り線12の左右における翼用折り線14を介して中央の折り紙の両側をそれぞれを山折りして三角折りにより先端が傾斜する左右の翼部16が作製される。
【0012】
図2(d)に示すように、この方形状の折り紙21の中央の折り線12の先端側には、その中央の折り線12に直交する横折り線23が形成される。この横折り線23は翼用折り線14と交差するように決定され、中央の折り線12の先端から横折り線23までの距離Aは、中央の折り線12の全長の1/20〜1/6であることが好ましい。例えば、方形状の折り紙21がいわゆるA4サイズの用紙であれば、中央の折り線12の先端から横折り線23までの距離Aは、この15〜50mmであることが好ましい。この横折り線23の形成は、中央の折り線12の先端側左右が三角折りされた後に行われ、その後図2(d)に示すように、この横折り線23を介して三角折りされた部分をその三角折りと同一方向に山折りして横折り線23より前側の中央の折り線12を横折り線23より後方の中央の折り線12に合致させるように折り畳む。そして、図2(d)及び図1(a)に示すように、中央の折り線12を介して折り紙21を谷折りして中央の折り線12の左右に胴部13を作製する。
【0013】
胴部13を作製した後。図1(b)に示すように、横折り線23より前側の中央の折り線12を横折り線23より後方の中央の折り線12から離間させて中央の折り線12が横折り線23から折り返されてV字状をなすように成形する。この横折り線23から折り返されたて中央の折り線23が成す角度θは10〜60度であることが好ましく、20〜40度であることが更に好ましい。その後、図1(b)及び(c)に示すように、折り紙の両側を中央の折り線12の左右における翼用折り線14を介してそれぞれを山折りして翼部16を作製する。このとき、横折り線23は翼用折り線14と交差しているので、翼部16を作製すると同時に横折り線23も翼用折り線14と交差する部分において折り曲げられる。
【0014】
図1(d)に示すように、翼部16を作製した後、胴部13の先端縁を第1粘着テープ26で覆う。このようにして、中央の折り線12を介して折り曲げられた胴部13の先端縁が拡開することをその第1粘着テープ26により防止する。また、横折り線32を介して中央の折り線12がV字状をなすように成形した胴部13の先端部分を中央の折り線12側から第2粘着テープ27で覆う。このようにして中央の折り線12の先端縁が横折り線23より後方の中央の折り線12となす間隔を固定する。更に、三角折りされた中央の折り線12の左右であって中央の折り線12に合わされた部分を中央の折り線12側から第3粘着テープ28で覆い、三角折りされた部分が中央の折り線12から離間することを防止する。このようにして、折り紙飛行機10を得る。
【0015】
このように構成された折り紙飛行機10では、図1(d)に示すように、胴部13の先端縁を覆った第1粘着テープ26が、中央の折り線12を介して折り曲げられた胴部13の先端縁が拡開することを防止することができる。一方、翼用折り線14を介して山折りして翼部16を作製すると、横折り線23は翼用折り線14と交差する部分において折り曲げられるので。横折り線32を介して中央の折り線12がV字状をなすように成形した形状が維持される。そして、横折り線32を介して中央の折り線12がV字状をなすように成形した胴部13の先端部分を中央の折り線12側から第2粘着テープ27で覆うので、中央の折り線12の先端縁が横折り線23より後方の中央の折り線12となす間隔が固定される。この部分は後方に向かって開口するため、この部分にゴムひもを引っ掛けてこの折紙飛行機を後方に移動させてゴムひもを引き延ばし、その後本発明の折り紙飛行機を解き放してゴムひもが縮もうとする力でこの折り紙飛行機を前方に飛ばすことができる。
【0016】
更に、三角折りされた中央の折り線12の左右であって中央の折り線12に合わされた部分を中央の折り線12側から第3粘着テープ28で覆うので、三角折りされた部分が中央の折り線12から離間することは防止され、この部分が中央の折り線12から離間することに起因する飛行抵抗を減少させることができる。よって、この折り紙飛行機10では、胴部13に連続する左右の翼部16の互いに交差する角度が変化するようなことはなく、ゴムひもを用いて飛ばすことができることから、満足するような飛翔距離や滞空時間を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明実施形態の折り紙飛行機の後半における作成手順を示す図である。
【図2】その折り紙飛行機の前半における作成手順を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
10 折り紙飛行機
12 中央の折り線
13 胴部
14 翼用折り線
16 翼部
21 方形状の折り紙
23 横折り線
26 第1粘着テープ
27 第2粘着テープ
28 第3粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形状の折り紙(21)に前記折り紙(21)を二分する中央の折り線(12)を形成し、前記中央の折り線(12)により二分された前記折り紙(21)の先端縁の左右を前記中央の折り線(12)に合わせて1又は2回以上三角折りし、前記中央の折り線(12)を介して前記折り紙(21)を谷折りして前記中央の折り線(12)の左右に胴部(13)を作製し、前記中央の折り線(12)の左右における翼用折り線(14,14)を介して前記中央の折り紙(12)の両側をそれぞれを山折りして前記三角折りにより先端が傾斜する左右の翼部(16,16)を作製する折り紙飛行機において、
前記三角折りされた中央の折り線(12)の先端側に前記中央の折り線(12)に直交する横折り線(23)を形成し、
前記横折り線(23)で前記三角折りされた前記中央の折り線(12)の先端部分を山折りして前記横折り線(23)より前側の前記中央の折り線(12)を前記横折り線(23)より後方の前記中央の折り線(12)に合致させるように折り畳み、
前記中央の折り線(12)を介して前記折り紙(21)を谷折りして前記中央の折り線(12)の左右に胴部(13)を作製した後前記横折り線(23)より前側の前記中央の折り線(12)を前記横折り線(23)より後方の前記中央の折り線(12)から離間させて前記中央の折り線(12)がV字状をなすように成形し、
前記翼用折り線(14,14)を介して前記中央の折り線(12)の両側をそれぞれを山折りして翼部(16,16)を作製した後前記胴部(13)の先端縁を第1粘着テープ(26)で覆って前記胴部(13)の先端縁の拡開を防止し、
前記中央の折り線(12)がV字状をなすように成形した前記胴部(13)の先端部分を前記中央の折り線(12)側から第2粘着テープ(27)で覆って前記中央の折り線(12)の先端縁が前記横折り線(23)より後方の前記中央の折り線(12)となす間隔を固定した
ことを特徴とする折り紙飛行機。
【請求項2】
三角折りされた中央の折り線(12)の左右であって前記中央の折り線(12)に合わされた部分を前記中央の折り線(12)側から第3粘着テープ(28)で覆って三角折りされた部分が前記中央の折り線(12)から離間することを防止する請求項1記載の折り紙飛行機。

【図1】
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【図2】
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