折丁の積層体、特に安全上重要な書類を綴じステーションに搬送するための装置
【課題】折丁の積層体、特に安全上重要な書類を綴じステーションに搬送する装置を提供する。
【解決手段】折丁の積層体(冊子または本の中身)を搬送路9に沿って列なす綴じステーション1.1、1.2、1.3まで搬送する装置で、綴じステーションのうち一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を周期的に搬送する搬送装置8と、制御装置を具備し、搬送装置が分配ユニット2を備え、分配ユニットが搬送路9.2に沿って積層体を搬送し、選択された綴じステーションに積層体を移送し、綴じの後に搬送路に再び積層体を受け取り、搬送装置がさらに移送ユニット3を備え、移送ユニットが積層体を搬送する供給ユニット6から分配ユニットに積層体を移送し、制御装置が移送ユニットを作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した速度プロフィルを有する運転モードに調節する。
【解決手段】折丁の積層体(冊子または本の中身)を搬送路9に沿って列なす綴じステーション1.1、1.2、1.3まで搬送する装置で、綴じステーションのうち一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を周期的に搬送する搬送装置8と、制御装置を具備し、搬送装置が分配ユニット2を備え、分配ユニットが搬送路9.2に沿って積層体を搬送し、選択された綴じステーションに積層体を移送し、綴じの後に搬送路に再び積層体を受け取り、搬送装置がさらに移送ユニット3を備え、移送ユニットが積層体を搬送する供給ユニット6から分配ユニットに積層体を移送し、制御装置が移送ユニットを作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した速度プロフィルを有する運転モードに調節する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って多数の綴じステーションまで搬送するための装置に関し、さらに詳しくはこの綴じステーションが積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を搬送するように形成された周期的に(Taktverfahren)作動する搬送装置と、この搬送装置を制御するための制御装置とを具備し、搬送装置が分配ユニットを備え、この分配ユニットが、搬送路に沿って積層体を搬送し、さらに搬送路からその都度選択された綴じステーションに積層体を移送し、そして綴じステーションでの綴じの後に搬送路に沿った継続搬送のために再び積層体を受け取るように形成されている、装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
パスポートおよび安全上重要な他の書類のために、折丁を形成する個々の紙葉が縫い付けによって連結される。縫い付けは通し番号をつけたページを積層して、個々の積層体を形成した後で行われる。この場合、1枚の書類だけでなく、2枚以上、特に偶数の書類を作成することができるフォーマットがしばしば選択される。綴じステーションの作業速度は制限されているので、周期時間、ひいては設備全体の作業速度または搬送速度に所定の影響を与える。しかしながら、設備は通常、はるかに多い周期数、ひいては作業速度または搬送速度で動作可能である。
【0003】
従って、平行にまたは同時に作動する複数の綴じステーションが使用され、それによってすべての綴じステーションが少なくとも1個の積層体または書類で同時に綴じ工程を行う。特に折丁を裁断し、丁合い取りしそして積み上げて積層体を形成する、手前に接続された上流にある加工ステーションによって、積層体を綴じステーションに搬送し、そして綴じた状態でさらに搬送するために、冒頭で述べた運搬装置が設けられている。装置は搬送装置を備え、この搬送装置は積層体を入口から、好ましくは直線的に延在する搬送路に沿って、綴じステーションおよび出口まで搬送する。入口では最も近いところにある手前に接続された加工ステーションから積層体を受け取る。出口では、積層体はさらに搬送するためあるいはさらに加工するために例えば排出装置に引き渡される。積層体を綴じステーションに供給するために、搬送装置は分配装置を備えている。この分配装置は一方では、積層体を搬送路に沿って分配装置の領域内にある区間に搬送し、他方では積層体を搬送路からそれぞれ選択された綴じステーションに移送し、綴じステーションでの綴じ終了後、綴じた積層体を搬送路に沿って続けて搬送するために綴じステーションから再び受け取る。その際、分配装置が積層体を綴じステーションに適切に分配するので、場合によっては、複数の有用物を有する積層体を各綴じステーションでほぼ同時に綴じることができる。平行に作動する綴じステーションが搬送路の隣に列をなして、しかも特にすぐ近くに配置されていると有利である。それによって、分配ユニットが綴じステーションへの積層体の移送と、綴じステーションからの綴じた積層体の受け取りをできるだけ短い時間で行うことができる。
【0004】
特許文献1は少なくとも2つの縫い付けステーションに本の中身を分配するための本綴じシステムを開示している。そのために、本の中身用の搬送装置と、丁合い取りステーションと、分配装置と、分配装置に対して平行に配置された少なくとも2個の縫い付けステーションが設けられている。分配装置は摩擦ローラコンベヤとして形成されている。揺動掴み具がその都度1冊の本の中身を摩擦ローラコンベヤから取り出して縫い付けステーションに供給する。
【0005】
特許文献2から、本の中身を糸綴じするための機械構造体が知られている。この機械構造体は本の中身用の搬送装置と、丁合い取りステーションと、分配装置と、この分配装置に対して平行に配置された4個の加工ステーションを備えている。この加工ステーションのうちそれぞれ2個が並べて設けられている。
【0006】
特許文献3は、安全上重要な書類の紙葉を加工ステーションに供給するための装置を開示している。後の書類のために所定の紙葉積層体が間欠搬送装置(getakteten Transporteinrichtung)によって加工ステーションに搬送される。そのために、複数の加工ステーションが列をなして搬送装置の隣に配置されている。搬送装置は周期的に作動する制御可能な供給ユニットと、周期的に作動する制御可能な分配ユニットを備えている。
【0007】
1個または複数の綴じステーションが停止する、すなわち少なくとも一時的に作動しないことが繰り返し起こる。これは一般的に、例えば消費された空の縫い付け糸巻きを新しい縫い付け糸巻きと交換する際に、綴じステーションを新たに取り付ける場合である。同様に、メンテナンス作業と、特に欠陥と、それに起因する修理作業も停止をもたらす。それによって、停止の時間や程度に応じて、設備全体のプロセスが多少大きな障害を受ける。それにもかかわらず、停止によって製造の完全中断を引き起こさないで、装置を連続的に引き続き作動させることがきるようにすべきである。
【0008】
そのために、特許文献3は、作動していない綴じステーションの数と位置に依存して、供給装置を制御ユニットによって空動きできることを提案している。この制御概念の結果、空動きの間、供給ユニットの送り運動が中断され、従って積層体が供給ユニットから搬送されない。このような一時的な停止の場合に、停滞を避けるために、手前にある加工ステーションまたは前置機械の運転時に徹底的な変更を行わなければならない。従って、この制御概念は手前にある加工ステーションまたは前置機械の運転に直接的で重大な作用を及ぼす。これに加えて、この制御概念は分配ユニットの運転に影響を及ぼすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1155873A2号明細書
【特許文献2】スイス国特許第503595号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102007002090A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の課題は、少なくとも1つの綴じステーションの停止の際にも、空動きしない運転が引き続き可能であるように、冒頭に述べた種類の装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って多数の綴じステーションまで搬送するための装置であって、この綴じステーションが積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を搬送するように形成された間欠的に作動する搬送装置と、この搬送装置を制御するための制御装置とを具備し、搬送装置が分配ユニットを備え、この分配ユニットが、搬送路に沿って積層体を搬送し、さらに搬送路からその都度選択された綴じステーションに積層体を移送し、そして綴じステーションでの綴じの後に搬送路に沿った継続搬送のために再び積層体を受け取るように形成されている、装置において、搬送装置がさらに、分配ユニットの手前の上流側に配置された制御可能な移送ユニットを備え、この移送ユニットが、積層体を搬送して来る供給ユニットから分配ユニットに積層体を移送するように形成され、制御装置が移送ユニットを、作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した運転モードに調節することを特徴とする装置によって解決される。
【0012】
従って、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って、積層体を綴じるために設けられかつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、場合によっては、一部だけしか作動していない多数の綴じステーションまで搬送するために、本発明に係る装置が使用される。そのために、積層体は制御可能な搬送装置によって搬送路に沿って搬送される。搬送装置が周期的に作動するので、搬送は間欠的に行われる。搬送装置の構成部材である分配ユニットは、分配ユニットを通る搬送路の区間に沿って積層体を搬送するだけでなく、各々の積層体を搬送路から選択された綴じステーションに移送する。そして、綴じステーションで積層体が綴じられる。綴じステーションでの綴じの後で、綴じられた積層体は搬送路に沿った継続搬送のために再び受け取られる。分配ユニットの手前の上流側に配置された、同様に搬送装置の構成部材である移送ユニットは、積層体を搬送して来る供給ユニットから分配ユニットに積層体を移送し、そしてそのために、一方では作動している綴じステーションの数と位置に依存し、他方では分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した運転モードに調節されている。
【0013】
本発明により、1個または複数の綴じステーションが停止しているかまたは作動していないときにも、設備全体を空動きなしに、従って連続的に引き続き作動させることが可能である。手前にある加工ステーションまたは前置機械において積層体の送り運動時に一時的に停止させずに、綴じステーションの配置構造に関係なく、1個または複数の綴じステーションを停止することができる。従って、本発明に係る手段に基づいて、1個または複数の綴じステーションの故障または運転停止の場合にも、手前にある加工ステーションまたは前置機械を、相応して低下した一定の製造速度または搬送速度または周期数で、引き続き作動させることができる。
【0014】
本発明の他の効果は、分配ユニットの運転が、すべての綴じステーションが作動しているか、綴じステーションの一部だけが作動しているかに関係がないということにある。従って、分配ユニットは特別な制御を必要としない。分配ユニットのために、適切な一定運転を選択することができる。これは装置の簡単化に貢献する。特にすべての綴じステーションが作動しているか、綴じステーションの一部だけが作動しているかどうかに依存する特別な制御または調整方法は不要である。これは同様に、コストの低減に貢献する。
【0015】
この有利な運転方法は、本発明に従って移送ユニットを、供給ユニットと分配装置との間に配置することによって可能になる。本発明に係るこの移送ユニットの機能は、間欠運転での供給ユニットからの積層体の搬送を、一定走行の分配ユニットに適合させることにある。この場合、運転モードと、特に供給ユニットの周期は、作動している綴じステーションの数から求められる。分配ユニットは、すべての綴じステーションが作動するかまたは綴じステーションの一部だけが作動するかに関係なく、固定設定された一定の運転モードで作動するが、運転モードが分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合しているならば、移送ユニットは作動している綴じステーションの数と位置に依存していろいろな運転モードに調節可能である。従って、本発明に従って設けられた移送ユニットは供給ユニットと分配ユニットを同期する。
【0016】
本発明の有利な実施形と発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0017】
作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合する速度プロフィルが生じるように、移送ユニットの運転モードが調節されると有利である。この速度プロフィルによって、移送ユニットは積層体を供給ユニットから分配ユニットに搬送する。この場合、移送ユニットは積層体を搬送すべきときにのみ作動させられる。
【0018】
分配ユニットが固定設定された一定の運転に調節されるので、分配ユニットは作動している綴じステーションの数に依存する制御を必要としない。固定設定された一定の速度プロフィルが生じるように、分配ユニットの固定設定された一定の運転が調節されると有利である。この速度プロフィルにより、分配ユニットは少なくともそれを通過する搬送路の区間に沿って、積層体を搬送する。
【0019】
分配ユニットは大きな周期(X)で作動し、大きな周期はそれぞれ、移送ユニットからの積層体の受け取りと、例えば、後に設けられた排出装置への、綴じステーションによって綴じられたこの積層体の排出との間の、好ましくは一定の時間インターバルを定め、かつ存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期に分割され、しかもすべての綴じステーションが作動しているかまたは綴じステーションの一部だけが作動しているかに依存しないで分割される。例えば3個の綴じステーションが設けられていると、大きな周期は3つの個別周期に分割されている。大きな周期が綴じステーション内の加工時間と積層体交換時間を合計した時間に一致する時間を有すると有利である。各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数と一致して例えば3個であるときは、時間が約4.5〜約6秒であると有利である。
【0020】
他の有利な実施形では、分配ユニットは、それを通過する搬送路の区間に沿って、分配ユニット内にあるすべての積層体を同時に搬送するために搬送手段を備えている。この搬送手段が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転され、この第2搬送速度が第1搬送速度よりも速く、それによって積層体を綴じステーションに移送するために必要な時間と、綴じステーションから積層体を受け取るために必要な時間が補償される。
【0021】
綴じステーションへの積層体の移送と、綴じステーションからの積層体の受け取りはある程度の時間を必要とし、この時間内で分配ユニットは搬送路に沿った送り運動を実施してはいけない。しかしながら、失った時間を分配ユニットによって取り戻さなければならない。なぜなら、さもなければ、手前にある加工ステーションまたは前置機械をほぼ一定の製造速度または周期数で続けて作動させるという要求が満たされないからである。この「取り戻し時間」は、分配ユニットの搬送手段が一時的に高い第2搬送速度で運転されることによって得られる。好ましくは、第2搬送速度は第1搬送速度の約2倍であり、搬送手段は好ましくは、各々の大きな周期の最後の個別周期の間のみ、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の第2半部の間のみ、第2搬送速度で搬送する。
【0022】
分配ユニットの搬送手段が各々の大きな周期の個別周期の間、好ましくは各々の大きな周期の第1個別周期の間に停止していると合目的である。それによって、この時間を、積層体を綴じステーションに移送するためおよび綴じた積層体を綴じステーションから受け取るために利用することができる。綴じステーションへの移送と綴じステーションからの受け取りをほぼ同時に行うと有利である。
【0023】
分配ユニットの搬送手段は好ましくは、横方向に延在するウェブを有する少なくとも1個のパドルベルトまたはチャンバベルトを備えている。このウェブはその間に、積層体を収容するためのそれぞれ1つの開放したチャンバを形成する。積層体を相応の送り運動の搬送方向に送るために、チャンバの後側のウェブは積層体の後側のエッジに接触する。
【0024】
既に述べた供給ユニットは、上流側で最も近くにある加工ステーションまたは前置機械の構成部材であってもよいし、手前にある加工ステーションまたは前置機械の構造体に付設してもよい。この場合、供給ユニットは本発明に係る搬送装置に対する、手前にある加工ステーションまたは前置機械の出口側インターフェースを形成し、移送ユニットは手前にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置の入口側インターフェースを形成する。
【0025】
その代わりに、供給ユニットは本発明に係る搬送装置の構造グループであってもよく、従って手前にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置の入口側インターフェースを形成する。供給ユニットは周期的に作動するので、積層体を間欠的に移送ユニットに供給する。この実施形の場合、供給ユニットは作動する綴じステーションの数と位置に依存する運転モードに調節されるので、移送ユニットへの積層体のほぼ連続的な搬送が行われる。「連続的な」搬送とは中断しない搬送であると理解される。さらに、これに関連して補足すると、搬送は通常は間欠的に行われる。その都度瞬時に生じる供給ユニットの運転モードに依存して、移送ユニットの運転モードが調節される。供給装置の調節された運転モードが、作動する綴じステーションの数と位置に依存し積層体のほぼ連続した搬送を生じる速度プロフィルを有すると有利である。その際、速度プロフィルの選択または調節に応じて、異なる搬送速度での運転が可能である。
【0026】
供給装置が分配ユニットの個別周期にほぼ一致する作業周期で運転されると合目的である。
【0027】
供給ユニットがその中にあるすべての積層体を同時に送る搬送手段を備えていると有利である。この場合、供給ユニット内にある積層体は特に搬送路に沿って列をなして互いにほぼ同じ間隔をおいて配置されている。そのために、この搬送手段は例えばトング車および/または吸引ベルトを備えていてもよい。
【0028】
設けられたすべての綴じステーションが作動していると、供給ユニットの搬送手段は、分配ユニットの搬送手段の第1搬送速度にほぼ一致するかまたはこの第1搬送速度に一致する搬送速度で搬送する。その際、供給ユニットの搬送手段が各作業周期の第1半分の間のみ搬送すると有利である一方、作業周期の第2半分が、積層体を送らない、搬送手段の後ろ向きの空動きのために利用可能であると有利である。これは、搬送手段が昇降装置として形成されている場合にきわめて有利である。この昇降装置は少なくとも1個の駆動される昇降要素を備え、この昇降要素は搬送方向に移動可能であり、その際、積層体に係合可能であり、それによって積層体が搬送方向に搬送される一方、作業周期の第2半分の間では積層体との係合が解除され、搬送のために次の積層体に再び係合する前に、搬送方向と反対向きに戻される。
【0029】
綴じステーションが作動していない場合には、供給ユニットの搬送手段は1作業周期の間ほぼ半分の搬送速度で搬送する。この1作業周期は、分配ユニットの大きな周期内で作動していない綴じステーションの位置に対応する場所に現れる個別周期に時間的に一致する。分配ユニットの大きな周期は例えば3つの個別周期を有する。というのは、全部で3個の綴じステーションが設けられているからである。例えば第2綴じステーションが作動しておらず、従って運転を停止していると、供給ユニットの搬送手段の搬送速度は、分配ユニットの各々の大きな周期の第2個別周期に時間的に一致する作業周期の間、約半分まで低下する。従って、1個の綴じステーションが運転を停止する場合、供給ユニットの次の送り、従って手前にある加工ステーションまたは前置機械内での送りは、約半分の速度でかつ好ましくは2倍の時間をかけて実施される。この場合、好ましくは、供給ユニットの搬送手段はそれに続く作業周期の間も約半分の搬送速度で搬送し、特に当該の作業周期のほぼ第2半分の間のみおよびそれに続く作業周期のほぼ第1半部の間のみ約半分の搬送速度で搬送する。
【0030】
供給ユニットの搬送手段は好ましくはパドルベルトまたはチャンバベルトを備えている。このベルトは横方向に延在するウェブを備え、このウェブはその間にそれぞれ、積層体を収容するための開放したチャンバを形成する。チャンバの後側のウェブは積層体の後側のエッジに接触し、積層体を搬送方向へ供給ユニットに沿って移送ユニットの方へ送る。
【0031】
移送ユニットが大きな周期で作動すると合目的である。この場合、個別周期は分配ユニットの大きな周期の個別周期に適合している。
【0032】
移送ユニットが各々の大きな周期の第1個別周期で停止すると有利である。これは特に、分配ユニットによる綴じステーションへの積層体の移送および綴じステーションからの積層体の受け取りに時間的に関係がある。
【0033】
移送ユニットが第1搬送速度でまたは第2搬送速度で選択的に運転されると有利である。この場合、第2搬送速度は第1搬送速度よりも速く、好ましくは第1搬送速度の約2倍である。
【0034】
特に、各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数に相応して少なくとも3個であるときに、移送ユニットは各々の大きな周期の第2個別周期の第1半部の間第1搬送速度で搬送する。
【0035】
特に、各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数に相応して少なくとも3個であるときに、移送ユニットは各々の大きな周期の最後の個別周期の間だけ、好ましくは各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の間、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の最後の約4分の1の間だけ、第2搬送速度で搬送する。
【0036】
すべての綴じステーションが作動していると、移送ユニットは各々の大きな周期の最後の個別周期の間、好ましくは各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の間、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の約第1半分の間、第1搬送速度で搬送する。
【0037】
各々の大きな周期は綴じステーションの数に対応して3個の個別周期を有し、そして第1と最後の綴じステーションが作動していると、各々の大きな周期の最後の個別周期の残りの部分の間移送ユニットは停止している。
【0038】
結局、その代わりに、綴じステーションは構造グループとして本発明に係る装置に所属し、従ってこの装置の構成部材を形成することができる。
【0039】
次に、添付の図に基づいて、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】3個の縫い付けステーションが加工プロセスの第1段階にあり、この3個の縫い付けステーションがすべて作動している、本発明の有利な実施形態に係る装置の概略的な斜視図である。
【図2】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図3】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図4】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図5】分配ユニットの一部を搬送方向に見た図である。
【図6】図1の装置のための制御兼調整装置の概略的なブロック図である。
【図7】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図8】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図9】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図10】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図11】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図12】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図13】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図14】図1と図7〜図13に示した加工プロセスのための図1の装置のいろいろな構成要素についての速度−時間−グラフである。
【図15】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図16】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図17】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図18】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図19】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図20】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図21】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図22】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図23】図15〜図22に示した加工プロセスのための装置のいろいろな構成要素についての速度−時間−グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図には、本発明の有利な実施形態に従い、綴じた書類の作成用の折丁の積層体を綴じるために使用される装置が示してある。折丁は平坦部材、好ましくは紙葉からなっている。図示した装置が、特に例えばパスポートのような安全上重要な書類を作成するために役立つ書類の冊子または本の中身を綴じるために使用されると有利である。この綴じは図示した装置では、所定の数の折丁を縫い合わせることによって行われる。この所定の数の折丁は一緒に一つの積層体を形成する。個々の折丁は印刷され、そして作成終了後、書類または本の頁を形成するように準備される。積層体は「有用物(Nutzen)」とも呼ばれる。以下において、積層体については簡単化するために用語「本の中身」を使用する。この本の中身はすべての種類の積層体または有用物の同義語である。
【0042】
図に示した装置は、本およびその他の書類、特に安全上重要な書類を作成するための図示していない設備の一部である。このような設備では先ず最初に、個々の折丁または紙葉がそのために設けられたステーションまたは前置機械で加工され、その際特に裁断され、ばらばらにされ、そしてグループ別に集められて均一な積層体または有用物となる。この積層体または有用物はそれぞれ、作成すべき本または書類の同じ頁を形成する同じ種類の折丁からなっている。積層体または本の中身を作成した後で、この積層体または本の中身は列をなして続けて図示した装置に搬送される。この装置では、積層体または本の中身は折丁を縫い合わせることによって綴じられる。これについては次に詳細に説明する。図に示した装置を出た後で、綴じられた本の中身は後続のいろいろなステーションを通過する。このステーションにおいて、本の中身は特に装丁、エンボス加工、折り加工および裁断される。これは特にパスポートの場合に特に重要であり、印刷によってあるいはレーザービームを使用して通し番号が付けられる。
【0043】
次に、図に示した装置を詳細に説明する。
【0044】
図1から分かるように、図示した実施形態の装置は、3個の縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の構造体を備えている。その代わりに、2個の縫い付けステーションまたは4個以上の縫い付けステーションを使用することができる。さらに、分配ユニット2が設けられている。この分配ユニットの機能について、次に詳細に説明する。この分配ユニット2のすぐ隣に、3個の縫い付けステーション1.1、1.2、1.3が列をなして並べて配置されている。図1において分配ユニット2の右端部には、移送ユニット3が配置されている。図1において分配ユニット2の左端部には、排出装置4が接続している。さらに、図1には供給ユニット6が示してある。この供給ユニットが図1において移送ユニット3の右端部に接続しているので、移送ユニット3は供給ユニット6と分配ユニット2との間に位置する。少なくとも分配ユニット2と移送ユニット3は、本の中身を矢印Aの搬送方向に装置を通って順々に搬送するために、一緒に搬送装置8を形成する。図示したすべての本の中身の代表として、移送ユニット3上にある本の中身が参照番号「5」で示してある。これに関連して図1からさらに分かるように、供給ユニット6と移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4は、ほぼ直線的な搬送路9を形成するように互いに配向されている。この搬送路に沿って、本の中身は搬送方向Aに移動させられる。
【0045】
図示を簡単化するために、図1において供給ユニット6と移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4はそれぞれ簡単なプラットホームとして示してあり、このプラットホーム上に本の中身が載せられ、搬送方向Aに移動させられる。これらの構造グループは実際には十分に適切な搬送手段を備えている。
【0046】
例えば分配ユニット2の搬送手段は好ましくは、搬送方向Aに無端循環するコンベアベルトとして形成されたいわゆるチャンバベルトまたはパドルベルトを備えている。パドルベルトは横方向に延在するウェブを備えている。このウェブはその間に、本の中身を収容するための外向きに開放したチャンバをそれぞれ1つ形成する。本の中身を搬送方向Aに送るために、チャンバの後側のウェブが本の中身の後側エッジに接触する。ウェブの代わりに突起等を設けてもよい。供給ユニット6と排出装置4の搬送手段も同じ方法または類似の方法で形成することができる。
【0047】
搬送方向Aにおける移送ユニット3の長さが本の中身5の長さにほほ一致しているので、移送ユニット3の搬送手段としては好ましくはスライダまたはグリッパが適している。このスライダまたはグリッパは、搬送方向Aにおいて分配ユニット2の方へ本の中身を送るために、本の中身の後側エッジに接触するかまたはこの後側エッジを掴む。スライダまたはグリッパは移送ユニット3の全長にわたって移動した後で、例えば搬送路平面から下降することにより搬送路9から離れ、そして移送ユニット3の上流側の始端部に戻される。その後で、スライダまたはグリッパはその間に移送ユニット3上に運ばれた本の中身を送る。上述のパドルベルトの代わりに、供給ユニット6のための搬送手段として適当なスライダ、グリッパまたはトングを使用してもよい。この場合、供給装置の収容能力、すなわち同時に収容すべき最多の本の中身の数に依存して、前後に並べて配置された相応する数のスライダ、グリッパまたはトングを設けることができる。このスライダ、グリッパまたはトングは搬送方向Aにおいて互いに等間隔に配置すべきである。この間隔は本の中身の長さよりも幾分長く採寸すべきである。
【0048】
分配ユニット2と移送ユニット3のための搬送手段の有利な実施形態は図2〜図5に例示的に示されている。
【0049】
分配ユニット2の搬送手段または駆動装置は図示した実施形態では、搬送突起または搬送ウェブを備えたベルトシステムからなっている。そのために、プーリ14の周りを無端循環するベルト10、11が使用される。このベルトは例えばパドルベルトと呼ぶこともできる。図5から分かるように、図示した実施形態では、並べて配置された4本の無端循環ベルト10、11が設けられている。図示した実施形態では、ベルトシステムは分配ユニット2内において本の中身5用搬送路の上方に配置されている。搬送路区間9.2(図1)は載置板12によって形成され、この載置板に、分配ユニット2内において本の中身5が載り、この分配ユニットに沿って搬送方向Aに送られる。
【0050】
ベルト10、11の外面に取付けられ横方向に延在するウェブまたは突起10.1、10.2と11.1、11.2が送る働きをする。ベルト10に取付けられた突起10.1、10.2は一直線に並ぶように配向されている。これと同じことがベルト11の突起11.1、11.2についても当てはまる。特に図2〜図4から分かるように、ベルト10の突起10.1、10.2はベルト11の突起11.1、11.2に対してずらして配置されている。図示した実施形態で使用される4本のベルトのうち、ベルト対10はサーボモータによって駆動され、ベルト対11は他のサーボモータによって駆動される。特に図4から分かるように、ベルト対10の突起10.1、10.2は、本積層体5を搬送方向Aに送るために、本積層体5の後側エッジに接触可能である移動する突起である。これに対して、ベルト対11はベルト対10の突起10.1、10.2に対する突起11.1、11.2の相対位置がフォーマットに依存して調節されるので、突起11.1、11.2は本の中身5の前側エッジに接触可能である。これにより、まだ綴じられていない本の中身5は分配ユニット2内でのその搬送中言わば挟持される。それによって、特に送り運動の加速または減速中に、綴じられていない本の中身5のばらばらの紙がすべってずれることがない。両ベルト対10、11はいかなる時点でも(フォーマット調節の場合を除いて)同期して移動する。それによって、本の中身5は分配ユニット内でのその搬送中に、下側に位置する載置板12とベルト対10、11の下側半部の外面との間に収容される。
【0051】
ベルト対10、11の下側半部の上方にガイド16が配置されている。このガイドによってベルト10、11が搬送方向Aに対して横方向に位置保持される。そのために、ベルト対10、11の下側半部の向き合うガイド16の下面に、適当な凹部16.1が形成されている。図5から分かるように、この凹部の中をベルト10、11の下側半部が案内される。ベルト10、11の突起10.1、10.2、11.1、11.2は、載置板12の上面に形成された凹部12.1によって、ベルト10、11の下側半部に沿ったその経路に沿って走行する。これは同様に、図5から明らかである。図5からさらに分かるように、ガイド16の下面はその一方の側方端部に、傾斜部16.2を有する。この傾斜部16.2を有する端部は、分配ユニット2の隣に配置された縫い付けステーション1.1、1.2、1.3(図1)の方向に向いており、従ってこの縫い付けステーションに隣接している。縫い付けステーションの荷積みおよび荷降ろしのために両方向矢印Bの方向に本の中身5を移動させる間、ガイド16の下面の傾斜部16.2は本の中身5を案内する働きをし、特に一方でガイド16とベルト10、11の下側半部との間および他方でガイド16と載置板12の上面との間に形成された中間室内に本の中身5を容易に挿入する働きをし、従って分配ユニット2内に容易に戻し収容する働きをする。
【0052】
図3と図4に示した実施形態では、移送ユニット3のための搬送手段として、グリッパまたはスライダ18が使用される。このグリッパまたはスライダは図示していない直線駆動ユニットによって、搬送方向Aに一致する矢印Fの方向(送り行程)または矢印Rに一致する反対方向(戻り行程)に駆動される。図示した実施形態では、スライダ18は支承部材20と、この支承部材20に支承され分配ユニット2の方へまたは搬送方向Aに弾性的に付勢された挟持部材21を備えている。支承部材20と挟持部材21がレーキ状に形成されているので、スライダ18が矢印Rの方向の戻り行程にあるときには(図4)、挟持部材21の図示していないレーキセグメントが支承部材20の凹部22内に入ることができる。図2〜図4からさらに分かるように、移送ユニット3は載置板24を備えている。この載置板には本の中身5が載せられ、本の中身がこの載置板に沿って移動させられる。載置板24とスライダ18は互いにずらして配置され、それによって図3から分かるようにスライダ18が矢印Fの方向に送られているときに、本の中身5を搬送方向Aに送るために、スライダ18は本の中身5の後側エッジに接触可能である。移送ユニット3から分配ユニット2に本の中身5を引き渡した後で、スライダはリニアユニットから下降させられ、そして矢印Rの方向の戻り行程運動の間、上流側にある移送ユニット3の始端または入口に戻される。それによって、スライダは供給装置6から移送装置3に移送された新しい本の中身5の後側エッジに接触する。
【0053】
図1からさらに分かるように、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3はそれぞれ、分配ユニット2の方へ開放した入口と、同様に分配ユニット2の方に向いた出口を備えている。この出口は搬送方向Aに見て入口の下流にある。図1では第1縫い付けステーション1.1においてのみ入口が参照符号「1.1E」で、出口が参照符号「1.1A」で示されており、他の両縫い付けステーションでは示されていない。縫い付けステーション1.1、1.2、1.3は図示した実施形態では搬送方向Aに作動する。すなわち、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3では本の中身が搬送方向Aに移動し、同時に縫い付けられる。そのために、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3には、図示していない適当な搬送手段が設けられている。
【0054】
本の中身を縫い付けステーションに供給するために、この本の中身は分配ユニット2内にある搬送路10の区間10.2から取り出され、そして縫い付けステーションの入口(例えば1.1E)を経て引き入れおよび/または押し込むことによって適当な縫い付けステーションに移送される。縫い付け過程が終了した後で、縫い付け済の本の中身は出口(例えば1.1A)を経て対応する縫い付けステーションから押し出され、そして分配ユニット2によって再び搬送路区間10.2上に引き渡される。分配ユニット2の搬送路区間10.2から縫い付けステーションに移送する間および縫い付けステーションから搬送路区間10.2に戻す間、本の中身の移動は搬送方向Aに対して横向きに生じる。これは図1において両方向矢印Bによって、そして図13、図22において矢印BE、BAによって示してある。縫い付けステーションにおいて新しい本の中身と縫い付けられた本の中身の引き入れが行われると合目的であり、そしてすべての縫い付けステーションでほぼ同時に行われると有利である。入口と相対的な出口の配置に基づいて図1からさらに分かるように、縫い付け過程の間に本の中身が縫い付けステーション内で移動する路長は、本の中身の長さよりも少しだけ長い。この場合、必要スペース全体は二倍よりも幾分広い。
【0055】
搬送路区間10.2と縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の間で両方向矢印Bの方向に本の中身を搬送するために、適当な装置が設けられ、しかも、分配ユニット2および/または縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の付加的な構成部品として設けられている。この付加的な装置は見やすくするために図には示していない。
【0056】
図に示した供給ユニット6は上流側の最も近い加工ステーションまたは前置機械の構成部材であってもよいし、全体を前方にある加工ステーションまたは前置機械の構造体に付設してもよい。このような場合、供給ユニット6は搬送装置8に対する、図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械の出口側のインターフェースを形成し、移送ユニット3は図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置8の入口側インターフェースを形成する。しかし、その代わりに、供給ユニット6が搬送装置8の他の構造グループを形成し、従って図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置8の入口側インターフェースを形成してもよい。
【0057】
搬送路9に沿った本の中身の送りまたは搬送は周期的に行われる。そのために、搬送すべき本の中身は列をなして並べて配置されている。この場合、本の中身の前側エッジと隣接する(前側または後側の)本の中身の前側エッジの間隔は、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の入口または出口のピッチ間隔に等しい一定の路長を形成する。次に詳細に説明するように、所定の運転状態では、供給ユニット6内での送り速度は半分以下に減速され、移送ユニット3内での送り速度は2倍に高められる。分配ユニット2内でも、送り速度は搬送路区間9.2に沿って一時的に2倍の値に高められる。しかし、所定の時点で分配ユニット2、移送ユニット3または供給ユニット6が個別周期の一部の間または個別周期全体の間に送りまたは搬送を行わない運転状態も発生する。搬送方向Aへの搬送路9に沿った本の中身の送りのために並びに縫い付けステーション1.1、1.2、1.3への移送のためおよび縫い付けステーションから両方向矢印Bの方へ排出するためおよび縫い付けステーション内での縫い付け過程のために、適切な制御または調整が必要である。
【0058】
そのために設けられた制御兼調整装置30が図6に概略的に示してある。図6に例示した制御兼調整装置30はプログラミング可能な第1制御兼調整ユニット31と、同様にプログラミング可能な第2制御兼調整ユニット32を備えている。この両制御兼調整ユニット31、32がメモリプログラマブル制御手段(SPS)からなっていると有利である。図6からさらに分かるように、第1制御兼調整ユニット31には3個のサーボコントローラ34、35、36が付設され、第2制御兼調整ユニット32には1個のサーボコントローラ37が付設されている。第2制御兼調整ユニット32のサーボコントローラ37はサーボモータ40を制御し、このサーボモータは回転センサまたは位置センサ41によって監視され、そしてこのサーボモータによって供給ユニット6の図示していない搬送手段が駆動される。さらに、この搬送手段を切り替えるために、好ましくは空気圧作動の操作機構42が設けられている。この操作機構は同様にサーボコントローラ37によって駆動される。
【0059】
移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4の搬送手段も、所属のサーボモータ40によって駆動される。このサーボモータは所属のサーボコントローラ34、35、または36によって十分に制御され、そしてその際回転センサまたは位置センサ41によって監視される。図6からさらに分かるように、分配ユニット2には2個のサーボモータ40が付設されている。この2個のサーボモータのうちの1つがベルト対10を駆動し、他のサーボモータが他のベルト対11(図2〜図5参照)を駆動する。さらに、サーボコントローラ34によって制御される好ましくは空気圧作動の操作機構44が移送ユニット3に付設され、それによって図3、図4に示したスライダ18が送り行程F(図3)のための上側の位置あるいは戻り行程R(図4)のための下側の位置に切換えられる。
【0060】
同様に、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3は第1制御兼調整ユニット31によって制御される。入口(例えば1.1E)への挿入のために、各縫い付けステーション1.1、1.2、1.3には好ましくは空気圧作動の適当な操作機構45が設けられ、かつ出口(例えば1.1A)からの押し出しのために、同様に好ましくは空気圧作動の適当な操作機構46が設けられている。図6にさらに略示するように、第2制御兼調整ユニット32が第1制御兼調整ユニット31から離して示してある。その理由は、この第2制御兼調整ユニットによって制御される供給装置6が図示した実施形態では搬送装置8に含まれるのではなく、前方にある加工ステーションまたは前置機械の構成部材として付設されていることにある。両制御兼調整ユニット31、32はバスシステムまたは他のデータ導線を介して互いに連絡している。それによって、搬送装置8の運転状態で、後で詳しく説明するように供給ユニット6の運転を適切に調節および調和させることができる。
【0061】
次に、図1と図7〜図13に基づいて、図1に示した装置の加工プロセスを詳しく説明する。この場合、すべての縫い付けステーション1.1〜1.3が作動しており、従って運転中である。さらに、図14が参照される。この図14には、縫い付けステーションの荷積みおよび荷降ろしのため並びに分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6のために、速度プロフィルが速度−時間−グラフの形態で示してある。この場合、加工プロセスの良好な理解のために、図1と図7〜13に示した加工プロセスの段階は十分識別しやくなっている。図14の良好な理解のために、4つの過程または構造グループの個々のグラフについてそれぞれ、「0」で示した零線が記入され、そして運転の次の説明にとっては、適当な搬送手段の正の速度を表す、零線の上方に示したグラフだけが重要である。これに対して、それぞれの零線の下方に示したグラフは、本の中身を搬送しない、搬送手段の後ろ向きの無負荷の動きを表す。同様に、図14のグラフにおいて、事情によって発生する加速または減速は顧慮されていない。
【0062】
図1と図7〜図13において良好な理解のために、本の中身には「1」〜「16」によって通し番号が付されている。さらに、図7〜図13では見やすくするために、個々の参照番号が省略されているので、その場合は図1が参照される。
【0063】
図1に示した状態の後でちょうど、縫い付けステーション1.1〜1.3の本の中身の交換が行われる。ちょうど縫い付けられた本の中身4〜6は再び分配ユニット2の搬送路区間9.2上に位置する一方、まだ加工されていない本の中身7〜9は縫い付けステーション1.1〜1.3にちょうど引き入れまたは押し込まれている。さらに、まだ加工されていない本の中身10が移送ユニット3内にあり、まだ加工されていない4つの他の本の中身10〜14が供給ユニット6内にある。これに対して、既に縫い付けられた本の中身1〜3は排出装置4内にある。既に縫い付けられた本の中身の縫い目は図1と図7〜図13と図15〜図22において破線の中心線として概略的に示されている。分配ユニット2の搬送路区間9.2における本の中身の間隔、正確に言うと本の中身の後側エッジと隣接する本の中身の後側エッジの間隔は、「p」で表され、隣接する2つの縫い付けステーションの入口または出口の間隔、正確に言うと縫い付けステーションの入口または出口の中心と隣接する次の縫い付けステーションの入口または出口の中心の間隔に等しい。図1からさらに分かるように、供給ユニット6内での本の中身の間隔並びに移送ユニット3内の本の中身10と供給ユニット6内の次の本の中身11の間隔は、それぞれp/2である。この比は本の中身のフォーマットとは関係なく一定である。
【0064】
図14から分かるように、図1の状態では縫い付けステーションの荷降ろしおよび荷積みはちょうど終了する一方、分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6はそれぞれ搬送速度まで加速される。これら3つの構造グループの場合この搬送速度は等しい。以下、この搬送速度を単に搬送速度と呼ぶかまたは第1搬送速度と呼ぶ。
【0065】
図7〜図13には、加工された本の中身が分配ユニット2を通って搬出される状態と、同時に新しい未加工の本の中身10、11、12が縫い付けステーションの入口の前へ搬送される状態が示してある。この時間の間、既に1.1、1.2、1.3内にある本の中身7〜9は縫い付けられて、縫い付けステーションの出口へ搬送される。
【0066】
ここで、分配ユニット2はいわゆる大きな周期Xで作動する。この大きな周期Xは、縫い付けステーションによって縫い付けられた本の中身を分配ユニット2から排出する時点から、縫い付けステーションによって縫い付けられた本の中身を分配ユニット2から次に排出する時点までの時間間隔を定め、幾つかの個別周期Y1〜Y3に分割される。この数が縫い付けステーションの数に一致するので、図示した実施形態では、大きな周期Xは3つの個別周期Y1、Y2、Y3を含む。全部で3つの現存縫い付けステーションを有する図示した実施形態において、大きな周期Xが約4.5〜約6秒の時間を有すると有利である。それに対して、残りの構造グループの場合には、作業周期が用いられる。この作業周期は時間的に表現すると個別周期Y1、Y2またはY3に一致する。図14では、3つの大きな周期Xまたは9つの個別周期の時間にわたる運転が例示されている。
【0067】
図1には、第1個別周期Y1から第2個別周期Y2への移行部の運転状態が示されているが、図7は4分の1周期長だけ遅い運転状態を示している。ここでは、分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6がそれぞれ同じ一定搬送速度で運転される。
【0068】
図8に示した運転状態は、移送ユニットが停止する一方、供給ユニット6が既にその前に停止していた点が、図7に示した先行する運転状態と異なっている。それに対して、分配ユニット2は一定の搬送速度でさらに走行する。従って、図8の運転状態では、本の中身10が移送ユニット(図1)から分配ユニット2に移送されており、それ以外の本の中身11〜15が寸法p/2だけ後を追って進むので、移送ユニット3上に本の中身11が載る。
【0069】
第2個別周期Y2の終了まで分配ユニット2が一定搬送速度で走行するので、この時間の間、受け取った本の中身10は他の路長p/2だけさらに搬送され、第1縫い付けステーション1.1の出口の前に位置する。同じことが既に縫い付けられた本の中身5、6にも当てはまる。この本の中身5、6はそれぞれ第2と第3の縫い付けステーション1.2、1.3の出口の前に位置する。一方、本の中身4は分配ユニット2から出て、排出装置4上に位置する。この運転状態は図9に示してある。
【0070】
図9はちょうど第2個別周期Y2と第3個別周期Y3との間の境界にある状態を示している。この時点で分配ユニット2が単一搬送速度でさらに作動するのに対し、移送ユニット3と供給ユニット6は再び単一搬送速度まで加速され、それによって次の本の中身11は移送ユニット3から分配ユニット2上に達し、本の中身12〜15は供給ユニット6内で後を追って進み、本の中身12は移送ユニット3上に達する。その結果、当然、本の中身6〜10が同様にp/2だけ前方へ進むことになる。この運転状態は図10と図11に示してある。この運転状態は基本的には図7と図8の運転状態に一致する。第3個別周期Y3の中央で発生する図11の状態では、供給装置6が既に再び停止し、移送ユニット3が停止する一方、分配ユニット2の搬送速度が2倍になる。同様に、第3個別周期Y3の最後の4分の1では、移送ユニット3の搬送速度が同様に2倍になる。その結果、既に分配ユニット2内にある本の中身10、11は半分の個別周期内で2倍の送り速度で路長pだけ送られる。さらに、縫い付けられた本の中身6は分配ユニット2から排出装置4に移送されている。図12から分かるように、この搬送過程の結果、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の各入口の前に、まだ加工されていない本の中身10、11、12が位置する。
【0071】
その間に、縫い付けステーション内での本の中身7〜9の縫い付け過程が終了し、縫い付けられた本の中身7〜9はそれぞれ相応の縫い付けステーションの出口に位置する。図13に示す運転状態では、まだ加工されていない本の中身10〜12が矢印BEに従って縫い付けステーションの入口に引き込まれるかまたは押し込まれ、縫い付けられた本の中身7〜9が矢印BAに従って縫い付けステーションの出口から排出される。これは図14から分かるように、次の大きな周期Xの第1個別周期Y1の第1半分で既に生じる。
【0072】
図14からさらに分かるように、分配ユニット2はすべての大きな周期Xにおいて同じ速度プロフィルを有する。この速度プロフィルでは、分配ユニット2が第1個別周期で停止し、それによって搬送路区間9.2に沿って送りが発生せず、第2個別周期内と第3個別周期の第1半分内では単一搬送速度で運転され、そして第3個別周期の第2半分内では2倍の搬送速度で運転される。同様に図14から分かるように、供給ユニット6はすべての作業周期において同じ速度プロフィルを有する。この速度プロフィルによれば、送りが各作業周期の第1半部内で行われる一方、第2半部では搬送方向Aと反対方向に戻り行程が行われる。
【0073】
図15〜図23は、第2または中央の縫い付けステーション1.2が作動していないときの同じ加工プロセスを示している。その際、図15〜図22に示したステップは基本的には、図1と図7〜図13に示したステップに一致しているが、第2縫い付けステーション1.2が故障しているかまたは停止し、作動しない点が異なっている。図23の速度−時間−グラフは内容および時間的な関係の図示に関して、図14のグラフと一致している。さらに、図23において(図1と図7〜図13に関しての図14と同じ個所に)、図15〜図22に示した段階が図示した速度−時間−グラフに同じように印を付けられている。従って、図15〜図22に基づく加工プロセスのステップの次の説明において、図23も同時に参照される。
【0074】
図23のグラフを図14のグラフと比較することによって先ず最初に分かるように、各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1において、図示した過程と構造グループのための速度プロフィルは同じである。この個別周期で縫い付けステーションの荷積み降ろしが行われる。これは本実施形態では第1縫い付けステーション1.1と第3縫い付けステーション1.3の場合のみである。なぜなら、第2縫い付けステーション1.2が作動しておらず、分配ユニット2が停止し、そして移送ユニット3が送り運動を生じないからである。完全運転と同様に、供給ユニット6は単一速度で、第1個別周期Y1の最初の半分よりも幾分短い周期内で搬送し、そして第1個別周期Y1の後続の残りの周期の間は搬送しない。
【0075】
図14と図23のグラフの比較からさらに分かるように、分配ユニット2の速度プロフィルは変わらないでそのままであり、しかもすべての縫い付けステーションが作動しているかどうか、従って運転中であるかどうかに関係なくあるいは複数の縫い付けステーションが停止しているかどうかに関係なく変わらないでそのままである。従って、分配ユニット2の運転は、すべての縫い付けステーションまたは縫い付けステーションの一部だけが作動しているどうかに関係ない。それによって、分配ユニットは特別なコントロールコンセプトを必要としない。むしろ分配ユニット2は適当な一定運転に調節される。全部で3つの縫い付けステーション1.1、1.2、1.3を設けた図示の実施形態では、各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1において分配ユニット2を停止し、それによって送り運動を生じない運転が行われる。これは、その時点で縫い付けステーションの荷積み降ろしが生じるので必要である。第2個別周期Y2を開始するために、分配ユニット2は単一搬送速度で上方へ移動させられる。その際、分配ユニット2は、第2個別周期Y2の全周期にわたってだけでなく、後続の第3個別周期Y3の第1半部の間も、搬送路区間9.2に沿って搬送方向Aに送り運動を発生する。一方、第3個別周期Y3の第2半部では、第3個別周期Y3が終了した後分配ユニット2の送り運動が再び停止する前に、搬送速度が2倍になる。
【0076】
縫い付けステーションへの本の中身の移送と、縫い付けステーションからの縫い付けられた本の中身の受け取りは、ある程度の時間を必要とする。この時間内において、分配ユニット2は搬送路区間9.2に沿った搬送方向Aにおける送り運動を行ってはならない。これは各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1の間の場合である。しかしながら、「失われた」時間を分配ユニット2によって回収または取り戻さなければならない。というのは、もしそうしないと、供給ユニット6とそれに伴い前方にある加工ステーションまたは前置機械が実質的にもはや連続してさらに作動することができないからである。この「回収時間」は、第3個別周期Y3の第2半部において、従ってそれに続く大きな周期Xの個別周期Y1の前に、分配ユニット2を2倍の搬送速度で運転することによって得られる。
【0077】
図15に示す状態の後でまさに、作動している縫い付けステーション1.1と1.3内外への本の中身の交換が行われる。第2縫い付けステーション1.2が停止しているので、分配ユニット2の搬送路区間9.2上には、本の中身4、5を含めて、先行したサイクルのちょうど縫い付けられた2個だけの本の中身が位置する一方、作動している縫い付けステーション1.2、1.3の数に一致して、本の中身6、7を含めて、未加工の2個だけの本の中身が縫い付けステーションに引き入れまたは押し込まれている。中央の第2縫い付けステーション1.2が作動していないので、分配ユニット2の搬送路区間9.2では、連続する両本の中身4、5の間隔が、図1の2倍の大きさであり、従って2pである。図23から分かるように、この瞬間において供給ユニット6は搬送しない。そのほかについては、図15に示した運転状態は図1に示した運転状態に一致している。
【0078】
図16に示した運転状態は、中央の縫い付けステーション1.2が作動していないので、両本の中身4、5の間隔が2倍の大きさであり、かつ供給ユニット6が搬送しない点が、図7に示した運転状態と異なっている。そのほかについては、図7に示した運転状態の説明が参照される。
【0079】
図15の運転状態の半分の周期長内では、供給ユニット6は送り運動を発生しない。これは次のような理由のため、図17から分かる。すなわち、本の中身9が今までのように移送ユニット3上に進むのではなく、移送ユニット3によって分配ユニット2上に搬送された本の中身の後を追って進むので、図17から分かる。従って、加工プロセスのこのステップでは、中央の縫い付けステーション1.2が作動しておらず、かつ移送ユニットが空のままであるかまたは荷積みされないままである。図8に示した運転状態の場合のように、両本の中身5、8の間隔はpである一方、図8の運転状態と異なり、第2縫い付けステーション1.2が停止しているので、前側の第3の本の中身が分配ユニット2上に存在しない。
【0080】
図17に示したステップのすぐ後で、供給ユニット6は第2個別周期Y2の第2半部の残りの部分について再び搬送し始める。この搬送は、図23から分かるように、約半分の速度で行われる。その結果、第2個別周期Y2の終わりに、供給ユニット6で最も前側の本の中身9が約3分の1だけ移送ユニット3上に送られていることになる。この状態は図18に示してある。
【0081】
図18は図9のように、第2個別周期Y2と第3個別周期Y3との間のちょうど境界のところの状態を示している。図9に示したステップの場合と異なり、移送ユニット3の搬送手段は引き続き停止しており、従って送り運動を発生せず、供給ユニット6は図23から分かるように、半分の搬送速度でさらに作動する。
【0082】
図23からさらに分かるように、第3個別周期Y3内の4分の1周期以降は、速度プロフィルは図18の状態と同じである。この運転状態は図19に示してある。この状態では、縫い付けられた本の中身5と加工されていない本の中身8が分配ユニット2に収容されている。この場合、図19の瞬間の図示では、この両本の中身5、8はそれぞれおおよそ、隣接する2つの縫い付けステーションの間の高さに位置決めされている。しかしながら、図10の運転状態と異なり、分配ユニット2によって他の本の中身が収容されず、そして供給ユニット6が半分の搬送速度で作動するので、移送ユニット3への本の中身9の移送は完了していない。
【0083】
最後の個別周期Y3内の第2の4分の1周期の間、供給ユニット6の搬送手段が再び停止するので、供給ユニット6内の継続送り運動は図23から分かるように中断される。すなわち、この時点で本の中身9は移送ユニット3によって既に完全に収容されている。すぐ後の運転状態、ひいては最後の個別周期Y3の第1半部が経過した後の運転状態が、図20に示してある。この時点で、図23から分かるように、供給ユニット6は搬送せず、それ以上の送り運動を発生しない。図20がさらに示すように、両本の中身5、8は分配ユニット2内で互いに一定の間隔pをおいて、第2縫い付けステーション1.2と第3縫い付けステーション1.3の入口に向き合う位置まで前進している。
【0084】
すべての縫い付けステーションによる運転の場合のように、第3または最後の個別周期Y3の最後の4分の1の間、移送ユニット3は単一搬送速度の約2倍の値に、従って約2倍の搬送速度に加速される。一方、供給ユニット6の搬送手段は引き続き送り運動を発生しない。その結果、本の中身9は第3または最後の個別周期Y3の終わりまで分配ユニット2上に完全に運ばれる。とりわけ、第3の個別周期Y3の最後の半分の間も、分配ユニット2は2倍の搬送速度で作動する。この状態は図21に示してある。この図21からさらに分かるように、既に縫い付けられた本の中身5は排出装置4上に送り出され、まだ加工されていない本の中身8が分配ユニット内で最後のまたは第3の縫い付けステーション1.3の入口の前にあり、そして移送ユニット3によってちょうど受け取られた本の中身9が第1縫い付けステーション1.1の入口の前にある。この時点で、供給ユニット6からそれ以上の送り運動が発生しないので、このステップでは移送ユニット3が先ず最初は荷積みされないままである。従って、図21の運転状態は、分配ユニット2内において中央の本の中身(図12では番号「11」が付けられている)が作動していない中央のまたは第2の縫い付けステーション1.2の入口の前にないことだけが、図12の運転状態と異なっている。これは、この縫い付けステーションが運転されていないことを意味する。
【0085】
そのうちに、作動している縫い付けステーション1.1、1.3での本の中身6、7の縫い付け過程が終了し、縫い付けられた本の中身6、7はそれぞれ対応する縫い付けステーションの出口に位置する。図22に示す運転状態では、まだ加工されていない本の中身8、9が作動している縫い付けステーション1.1、1.3の入口に引き込まれるかまたは押し込まれ、縫い付けられた本の中身6、7がこの縫い付けステーションの出口から押し出される。これは図23から分かるように、次の大きな周期Xの第1個別周期Y1の第1半部において既に生じる。この個別周期Y1の開始以降、供給ユニット6が再び単一搬送速度まで加速され、それによってそこに存在する本の中身10〜13に十分な送り運動が加えられるので、その結果最も前側の本の中身10が移送ユニット3上を前に進む。従って、図22の運転状態は、中央のまたは第2の縫い付けステーションでの荷積み降ろし過程が生じない点だけが図13の運転状態と異なっている。
【0086】
図15〜図23に基づいて前述した例が示すように、縫い付けステーションを運転停止する場合には、供給ユニット6がその間に半分の搬送速度で運転される。同様に前述の例から分かるように、供給ユニット6からの本の中身の送り運動を、同期のようにかつ間欠的に一定走行の分配ユニット2に適合させることが、移送ユニットの仕事である。この場合、供給ユニット6の周期は作動している縫い付けステーションの数から求められる。換言すると、3つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度3つの送り周期が、そして2つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度2つの送り周期が、そして1つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度1つの送り周期が移送ユニット3と供給ユニット6内で実施される。この場合、搬送速度も適合される。
【0087】
図1と図7〜図14に基づいて前述した加工プロセスのステップは存在するすべての縫い付けステーションの参加の下で、そして図15〜図23に基づいて説明した加工プロセスのステップは1個の縫い付けステーションの運転停止状態で、次の各々の大きな周期Xで周期的に繰り返される。これは図14と図23のグラフからも明らかである。
【符号の説明】
【0088】
1.1、1.2、1.3 綴じステーション
2 分配ユニット
3 移送ユニット
6 供給ユニット
8 搬送装置
9、9.2 搬送路
10、11 搬送手段
31、32 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って多数の綴じステーションまで搬送するための装置に関し、さらに詳しくはこの綴じステーションが積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を搬送するように形成された周期的に(Taktverfahren)作動する搬送装置と、この搬送装置を制御するための制御装置とを具備し、搬送装置が分配ユニットを備え、この分配ユニットが、搬送路に沿って積層体を搬送し、さらに搬送路からその都度選択された綴じステーションに積層体を移送し、そして綴じステーションでの綴じの後に搬送路に沿った継続搬送のために再び積層体を受け取るように形成されている、装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
パスポートおよび安全上重要な他の書類のために、折丁を形成する個々の紙葉が縫い付けによって連結される。縫い付けは通し番号をつけたページを積層して、個々の積層体を形成した後で行われる。この場合、1枚の書類だけでなく、2枚以上、特に偶数の書類を作成することができるフォーマットがしばしば選択される。綴じステーションの作業速度は制限されているので、周期時間、ひいては設備全体の作業速度または搬送速度に所定の影響を与える。しかしながら、設備は通常、はるかに多い周期数、ひいては作業速度または搬送速度で動作可能である。
【0003】
従って、平行にまたは同時に作動する複数の綴じステーションが使用され、それによってすべての綴じステーションが少なくとも1個の積層体または書類で同時に綴じ工程を行う。特に折丁を裁断し、丁合い取りしそして積み上げて積層体を形成する、手前に接続された上流にある加工ステーションによって、積層体を綴じステーションに搬送し、そして綴じた状態でさらに搬送するために、冒頭で述べた運搬装置が設けられている。装置は搬送装置を備え、この搬送装置は積層体を入口から、好ましくは直線的に延在する搬送路に沿って、綴じステーションおよび出口まで搬送する。入口では最も近いところにある手前に接続された加工ステーションから積層体を受け取る。出口では、積層体はさらに搬送するためあるいはさらに加工するために例えば排出装置に引き渡される。積層体を綴じステーションに供給するために、搬送装置は分配装置を備えている。この分配装置は一方では、積層体を搬送路に沿って分配装置の領域内にある区間に搬送し、他方では積層体を搬送路からそれぞれ選択された綴じステーションに移送し、綴じステーションでの綴じ終了後、綴じた積層体を搬送路に沿って続けて搬送するために綴じステーションから再び受け取る。その際、分配装置が積層体を綴じステーションに適切に分配するので、場合によっては、複数の有用物を有する積層体を各綴じステーションでほぼ同時に綴じることができる。平行に作動する綴じステーションが搬送路の隣に列をなして、しかも特にすぐ近くに配置されていると有利である。それによって、分配ユニットが綴じステーションへの積層体の移送と、綴じステーションからの綴じた積層体の受け取りをできるだけ短い時間で行うことができる。
【0004】
特許文献1は少なくとも2つの縫い付けステーションに本の中身を分配するための本綴じシステムを開示している。そのために、本の中身用の搬送装置と、丁合い取りステーションと、分配装置と、分配装置に対して平行に配置された少なくとも2個の縫い付けステーションが設けられている。分配装置は摩擦ローラコンベヤとして形成されている。揺動掴み具がその都度1冊の本の中身を摩擦ローラコンベヤから取り出して縫い付けステーションに供給する。
【0005】
特許文献2から、本の中身を糸綴じするための機械構造体が知られている。この機械構造体は本の中身用の搬送装置と、丁合い取りステーションと、分配装置と、この分配装置に対して平行に配置された4個の加工ステーションを備えている。この加工ステーションのうちそれぞれ2個が並べて設けられている。
【0006】
特許文献3は、安全上重要な書類の紙葉を加工ステーションに供給するための装置を開示している。後の書類のために所定の紙葉積層体が間欠搬送装置(getakteten Transporteinrichtung)によって加工ステーションに搬送される。そのために、複数の加工ステーションが列をなして搬送装置の隣に配置されている。搬送装置は周期的に作動する制御可能な供給ユニットと、周期的に作動する制御可能な分配ユニットを備えている。
【0007】
1個または複数の綴じステーションが停止する、すなわち少なくとも一時的に作動しないことが繰り返し起こる。これは一般的に、例えば消費された空の縫い付け糸巻きを新しい縫い付け糸巻きと交換する際に、綴じステーションを新たに取り付ける場合である。同様に、メンテナンス作業と、特に欠陥と、それに起因する修理作業も停止をもたらす。それによって、停止の時間や程度に応じて、設備全体のプロセスが多少大きな障害を受ける。それにもかかわらず、停止によって製造の完全中断を引き起こさないで、装置を連続的に引き続き作動させることがきるようにすべきである。
【0008】
そのために、特許文献3は、作動していない綴じステーションの数と位置に依存して、供給装置を制御ユニットによって空動きできることを提案している。この制御概念の結果、空動きの間、供給ユニットの送り運動が中断され、従って積層体が供給ユニットから搬送されない。このような一時的な停止の場合に、停滞を避けるために、手前にある加工ステーションまたは前置機械の運転時に徹底的な変更を行わなければならない。従って、この制御概念は手前にある加工ステーションまたは前置機械の運転に直接的で重大な作用を及ぼす。これに加えて、この制御概念は分配ユニットの運転に影響を及ぼすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1155873A2号明細書
【特許文献2】スイス国特許第503595号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102007002090A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の課題は、少なくとも1つの綴じステーションの停止の際にも、空動きしない運転が引き続き可能であるように、冒頭に述べた種類の装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って多数の綴じステーションまで搬送するための装置であって、この綴じステーションが積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、搬送路に沿って積層体を搬送するように形成された間欠的に作動する搬送装置と、この搬送装置を制御するための制御装置とを具備し、搬送装置が分配ユニットを備え、この分配ユニットが、搬送路に沿って積層体を搬送し、さらに搬送路からその都度選択された綴じステーションに積層体を移送し、そして綴じステーションでの綴じの後に搬送路に沿った継続搬送のために再び積層体を受け取るように形成されている、装置において、搬送装置がさらに、分配ユニットの手前の上流側に配置された制御可能な移送ユニットを備え、この移送ユニットが、積層体を搬送して来る供給ユニットから分配ユニットに積層体を移送するように形成され、制御装置が移送ユニットを、作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した運転モードに調節することを特徴とする装置によって解決される。
【0012】
従って、折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路に沿って、積層体を綴じるために設けられかつ好ましくは搬送路の隣に列をなして配置され、場合によっては、一部だけしか作動していない多数の綴じステーションまで搬送するために、本発明に係る装置が使用される。そのために、積層体は制御可能な搬送装置によって搬送路に沿って搬送される。搬送装置が周期的に作動するので、搬送は間欠的に行われる。搬送装置の構成部材である分配ユニットは、分配ユニットを通る搬送路の区間に沿って積層体を搬送するだけでなく、各々の積層体を搬送路から選択された綴じステーションに移送する。そして、綴じステーションで積層体が綴じられる。綴じステーションでの綴じの後で、綴じられた積層体は搬送路に沿った継続搬送のために再び受け取られる。分配ユニットの手前の上流側に配置された、同様に搬送装置の構成部材である移送ユニットは、積層体を搬送して来る供給ユニットから分配ユニットに積層体を移送し、そしてそのために、一方では作動している綴じステーションの数と位置に依存し、他方では分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合した運転モードに調節されている。
【0013】
本発明により、1個または複数の綴じステーションが停止しているかまたは作動していないときにも、設備全体を空動きなしに、従って連続的に引き続き作動させることが可能である。手前にある加工ステーションまたは前置機械において積層体の送り運動時に一時的に停止させずに、綴じステーションの配置構造に関係なく、1個または複数の綴じステーションを停止することができる。従って、本発明に係る手段に基づいて、1個または複数の綴じステーションの故障または運転停止の場合にも、手前にある加工ステーションまたは前置機械を、相応して低下した一定の製造速度または搬送速度または周期数で、引き続き作動させることができる。
【0014】
本発明の他の効果は、分配ユニットの運転が、すべての綴じステーションが作動しているか、綴じステーションの一部だけが作動しているかに関係がないということにある。従って、分配ユニットは特別な制御を必要としない。分配ユニットのために、適切な一定運転を選択することができる。これは装置の簡単化に貢献する。特にすべての綴じステーションが作動しているか、綴じステーションの一部だけが作動しているかどうかに依存する特別な制御または調整方法は不要である。これは同様に、コストの低減に貢献する。
【0015】
この有利な運転方法は、本発明に従って移送ユニットを、供給ユニットと分配装置との間に配置することによって可能になる。本発明に係るこの移送ユニットの機能は、間欠運転での供給ユニットからの積層体の搬送を、一定走行の分配ユニットに適合させることにある。この場合、運転モードと、特に供給ユニットの周期は、作動している綴じステーションの数から求められる。分配ユニットは、すべての綴じステーションが作動するかまたは綴じステーションの一部だけが作動するかに関係なく、固定設定された一定の運転モードで作動するが、運転モードが分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合しているならば、移送ユニットは作動している綴じステーションの数と位置に依存していろいろな運転モードに調節可能である。従って、本発明に従って設けられた移送ユニットは供給ユニットと分配ユニットを同期する。
【0016】
本発明の有利な実施形と発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0017】
作動している綴じステーションの数と位置に依存しかつ分配ユニットの固定設定された一定の運転に適合する速度プロフィルが生じるように、移送ユニットの運転モードが調節されると有利である。この速度プロフィルによって、移送ユニットは積層体を供給ユニットから分配ユニットに搬送する。この場合、移送ユニットは積層体を搬送すべきときにのみ作動させられる。
【0018】
分配ユニットが固定設定された一定の運転に調節されるので、分配ユニットは作動している綴じステーションの数に依存する制御を必要としない。固定設定された一定の速度プロフィルが生じるように、分配ユニットの固定設定された一定の運転が調節されると有利である。この速度プロフィルにより、分配ユニットは少なくともそれを通過する搬送路の区間に沿って、積層体を搬送する。
【0019】
分配ユニットは大きな周期(X)で作動し、大きな周期はそれぞれ、移送ユニットからの積層体の受け取りと、例えば、後に設けられた排出装置への、綴じステーションによって綴じられたこの積層体の排出との間の、好ましくは一定の時間インターバルを定め、かつ存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期に分割され、しかもすべての綴じステーションが作動しているかまたは綴じステーションの一部だけが作動しているかに依存しないで分割される。例えば3個の綴じステーションが設けられていると、大きな周期は3つの個別周期に分割されている。大きな周期が綴じステーション内の加工時間と積層体交換時間を合計した時間に一致する時間を有すると有利である。各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数と一致して例えば3個であるときは、時間が約4.5〜約6秒であると有利である。
【0020】
他の有利な実施形では、分配ユニットは、それを通過する搬送路の区間に沿って、分配ユニット内にあるすべての積層体を同時に搬送するために搬送手段を備えている。この搬送手段が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転され、この第2搬送速度が第1搬送速度よりも速く、それによって積層体を綴じステーションに移送するために必要な時間と、綴じステーションから積層体を受け取るために必要な時間が補償される。
【0021】
綴じステーションへの積層体の移送と、綴じステーションからの積層体の受け取りはある程度の時間を必要とし、この時間内で分配ユニットは搬送路に沿った送り運動を実施してはいけない。しかしながら、失った時間を分配ユニットによって取り戻さなければならない。なぜなら、さもなければ、手前にある加工ステーションまたは前置機械をほぼ一定の製造速度または周期数で続けて作動させるという要求が満たされないからである。この「取り戻し時間」は、分配ユニットの搬送手段が一時的に高い第2搬送速度で運転されることによって得られる。好ましくは、第2搬送速度は第1搬送速度の約2倍であり、搬送手段は好ましくは、各々の大きな周期の最後の個別周期の間のみ、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の第2半部の間のみ、第2搬送速度で搬送する。
【0022】
分配ユニットの搬送手段が各々の大きな周期の個別周期の間、好ましくは各々の大きな周期の第1個別周期の間に停止していると合目的である。それによって、この時間を、積層体を綴じステーションに移送するためおよび綴じた積層体を綴じステーションから受け取るために利用することができる。綴じステーションへの移送と綴じステーションからの受け取りをほぼ同時に行うと有利である。
【0023】
分配ユニットの搬送手段は好ましくは、横方向に延在するウェブを有する少なくとも1個のパドルベルトまたはチャンバベルトを備えている。このウェブはその間に、積層体を収容するためのそれぞれ1つの開放したチャンバを形成する。積層体を相応の送り運動の搬送方向に送るために、チャンバの後側のウェブは積層体の後側のエッジに接触する。
【0024】
既に述べた供給ユニットは、上流側で最も近くにある加工ステーションまたは前置機械の構成部材であってもよいし、手前にある加工ステーションまたは前置機械の構造体に付設してもよい。この場合、供給ユニットは本発明に係る搬送装置に対する、手前にある加工ステーションまたは前置機械の出口側インターフェースを形成し、移送ユニットは手前にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置の入口側インターフェースを形成する。
【0025】
その代わりに、供給ユニットは本発明に係る搬送装置の構造グループであってもよく、従って手前にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置の入口側インターフェースを形成する。供給ユニットは周期的に作動するので、積層体を間欠的に移送ユニットに供給する。この実施形の場合、供給ユニットは作動する綴じステーションの数と位置に依存する運転モードに調節されるので、移送ユニットへの積層体のほぼ連続的な搬送が行われる。「連続的な」搬送とは中断しない搬送であると理解される。さらに、これに関連して補足すると、搬送は通常は間欠的に行われる。その都度瞬時に生じる供給ユニットの運転モードに依存して、移送ユニットの運転モードが調節される。供給装置の調節された運転モードが、作動する綴じステーションの数と位置に依存し積層体のほぼ連続した搬送を生じる速度プロフィルを有すると有利である。その際、速度プロフィルの選択または調節に応じて、異なる搬送速度での運転が可能である。
【0026】
供給装置が分配ユニットの個別周期にほぼ一致する作業周期で運転されると合目的である。
【0027】
供給ユニットがその中にあるすべての積層体を同時に送る搬送手段を備えていると有利である。この場合、供給ユニット内にある積層体は特に搬送路に沿って列をなして互いにほぼ同じ間隔をおいて配置されている。そのために、この搬送手段は例えばトング車および/または吸引ベルトを備えていてもよい。
【0028】
設けられたすべての綴じステーションが作動していると、供給ユニットの搬送手段は、分配ユニットの搬送手段の第1搬送速度にほぼ一致するかまたはこの第1搬送速度に一致する搬送速度で搬送する。その際、供給ユニットの搬送手段が各作業周期の第1半分の間のみ搬送すると有利である一方、作業周期の第2半分が、積層体を送らない、搬送手段の後ろ向きの空動きのために利用可能であると有利である。これは、搬送手段が昇降装置として形成されている場合にきわめて有利である。この昇降装置は少なくとも1個の駆動される昇降要素を備え、この昇降要素は搬送方向に移動可能であり、その際、積層体に係合可能であり、それによって積層体が搬送方向に搬送される一方、作業周期の第2半分の間では積層体との係合が解除され、搬送のために次の積層体に再び係合する前に、搬送方向と反対向きに戻される。
【0029】
綴じステーションが作動していない場合には、供給ユニットの搬送手段は1作業周期の間ほぼ半分の搬送速度で搬送する。この1作業周期は、分配ユニットの大きな周期内で作動していない綴じステーションの位置に対応する場所に現れる個別周期に時間的に一致する。分配ユニットの大きな周期は例えば3つの個別周期を有する。というのは、全部で3個の綴じステーションが設けられているからである。例えば第2綴じステーションが作動しておらず、従って運転を停止していると、供給ユニットの搬送手段の搬送速度は、分配ユニットの各々の大きな周期の第2個別周期に時間的に一致する作業周期の間、約半分まで低下する。従って、1個の綴じステーションが運転を停止する場合、供給ユニットの次の送り、従って手前にある加工ステーションまたは前置機械内での送りは、約半分の速度でかつ好ましくは2倍の時間をかけて実施される。この場合、好ましくは、供給ユニットの搬送手段はそれに続く作業周期の間も約半分の搬送速度で搬送し、特に当該の作業周期のほぼ第2半分の間のみおよびそれに続く作業周期のほぼ第1半部の間のみ約半分の搬送速度で搬送する。
【0030】
供給ユニットの搬送手段は好ましくはパドルベルトまたはチャンバベルトを備えている。このベルトは横方向に延在するウェブを備え、このウェブはその間にそれぞれ、積層体を収容するための開放したチャンバを形成する。チャンバの後側のウェブは積層体の後側のエッジに接触し、積層体を搬送方向へ供給ユニットに沿って移送ユニットの方へ送る。
【0031】
移送ユニットが大きな周期で作動すると合目的である。この場合、個別周期は分配ユニットの大きな周期の個別周期に適合している。
【0032】
移送ユニットが各々の大きな周期の第1個別周期で停止すると有利である。これは特に、分配ユニットによる綴じステーションへの積層体の移送および綴じステーションからの積層体の受け取りに時間的に関係がある。
【0033】
移送ユニットが第1搬送速度でまたは第2搬送速度で選択的に運転されると有利である。この場合、第2搬送速度は第1搬送速度よりも速く、好ましくは第1搬送速度の約2倍である。
【0034】
特に、各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数に相応して少なくとも3個であるときに、移送ユニットは各々の大きな周期の第2個別周期の第1半部の間第1搬送速度で搬送する。
【0035】
特に、各々の大きな周期の個別周期数が綴じステーションの数に相応して少なくとも3個であるときに、移送ユニットは各々の大きな周期の最後の個別周期の間だけ、好ましくは各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の間、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の最後の約4分の1の間だけ、第2搬送速度で搬送する。
【0036】
すべての綴じステーションが作動していると、移送ユニットは各々の大きな周期の最後の個別周期の間、好ましくは各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の間、特に各々の大きな周期の最後の個別周期の部分の約第1半分の間、第1搬送速度で搬送する。
【0037】
各々の大きな周期は綴じステーションの数に対応して3個の個別周期を有し、そして第1と最後の綴じステーションが作動していると、各々の大きな周期の最後の個別周期の残りの部分の間移送ユニットは停止している。
【0038】
結局、その代わりに、綴じステーションは構造グループとして本発明に係る装置に所属し、従ってこの装置の構成部材を形成することができる。
【0039】
次に、添付の図に基づいて、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】3個の縫い付けステーションが加工プロセスの第1段階にあり、この3個の縫い付けステーションがすべて作動している、本発明の有利な実施形態に係る装置の概略的な斜視図である。
【図2】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図3】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図4】移送ユニットと分配ユニットの領域における図1の装置の一部区間の側面図である。
【図5】分配ユニットの一部を搬送方向に見た図である。
【図6】図1の装置のための制御兼調整装置の概略的なブロック図である。
【図7】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図8】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図9】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図10】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図11】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図12】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図13】3個の縫い付けステーションがすべて作動している、加工プロセスの他の段階の図1の装置を示す。
【図14】図1と図7〜図13に示した加工プロセスのための図1の装置のいろいろな構成要素についての速度−時間−グラフである。
【図15】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図16】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図17】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図18】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図19】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図20】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図21】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図22】第2縫い付けステーションが停止している場合の加工プロセスの個々の段階における図1の装置を示す。
【図23】図15〜図22に示した加工プロセスのための装置のいろいろな構成要素についての速度−時間−グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図には、本発明の有利な実施形態に従い、綴じた書類の作成用の折丁の積層体を綴じるために使用される装置が示してある。折丁は平坦部材、好ましくは紙葉からなっている。図示した装置が、特に例えばパスポートのような安全上重要な書類を作成するために役立つ書類の冊子または本の中身を綴じるために使用されると有利である。この綴じは図示した装置では、所定の数の折丁を縫い合わせることによって行われる。この所定の数の折丁は一緒に一つの積層体を形成する。個々の折丁は印刷され、そして作成終了後、書類または本の頁を形成するように準備される。積層体は「有用物(Nutzen)」とも呼ばれる。以下において、積層体については簡単化するために用語「本の中身」を使用する。この本の中身はすべての種類の積層体または有用物の同義語である。
【0042】
図に示した装置は、本およびその他の書類、特に安全上重要な書類を作成するための図示していない設備の一部である。このような設備では先ず最初に、個々の折丁または紙葉がそのために設けられたステーションまたは前置機械で加工され、その際特に裁断され、ばらばらにされ、そしてグループ別に集められて均一な積層体または有用物となる。この積層体または有用物はそれぞれ、作成すべき本または書類の同じ頁を形成する同じ種類の折丁からなっている。積層体または本の中身を作成した後で、この積層体または本の中身は列をなして続けて図示した装置に搬送される。この装置では、積層体または本の中身は折丁を縫い合わせることによって綴じられる。これについては次に詳細に説明する。図に示した装置を出た後で、綴じられた本の中身は後続のいろいろなステーションを通過する。このステーションにおいて、本の中身は特に装丁、エンボス加工、折り加工および裁断される。これは特にパスポートの場合に特に重要であり、印刷によってあるいはレーザービームを使用して通し番号が付けられる。
【0043】
次に、図に示した装置を詳細に説明する。
【0044】
図1から分かるように、図示した実施形態の装置は、3個の縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の構造体を備えている。その代わりに、2個の縫い付けステーションまたは4個以上の縫い付けステーションを使用することができる。さらに、分配ユニット2が設けられている。この分配ユニットの機能について、次に詳細に説明する。この分配ユニット2のすぐ隣に、3個の縫い付けステーション1.1、1.2、1.3が列をなして並べて配置されている。図1において分配ユニット2の右端部には、移送ユニット3が配置されている。図1において分配ユニット2の左端部には、排出装置4が接続している。さらに、図1には供給ユニット6が示してある。この供給ユニットが図1において移送ユニット3の右端部に接続しているので、移送ユニット3は供給ユニット6と分配ユニット2との間に位置する。少なくとも分配ユニット2と移送ユニット3は、本の中身を矢印Aの搬送方向に装置を通って順々に搬送するために、一緒に搬送装置8を形成する。図示したすべての本の中身の代表として、移送ユニット3上にある本の中身が参照番号「5」で示してある。これに関連して図1からさらに分かるように、供給ユニット6と移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4は、ほぼ直線的な搬送路9を形成するように互いに配向されている。この搬送路に沿って、本の中身は搬送方向Aに移動させられる。
【0045】
図示を簡単化するために、図1において供給ユニット6と移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4はそれぞれ簡単なプラットホームとして示してあり、このプラットホーム上に本の中身が載せられ、搬送方向Aに移動させられる。これらの構造グループは実際には十分に適切な搬送手段を備えている。
【0046】
例えば分配ユニット2の搬送手段は好ましくは、搬送方向Aに無端循環するコンベアベルトとして形成されたいわゆるチャンバベルトまたはパドルベルトを備えている。パドルベルトは横方向に延在するウェブを備えている。このウェブはその間に、本の中身を収容するための外向きに開放したチャンバをそれぞれ1つ形成する。本の中身を搬送方向Aに送るために、チャンバの後側のウェブが本の中身の後側エッジに接触する。ウェブの代わりに突起等を設けてもよい。供給ユニット6と排出装置4の搬送手段も同じ方法または類似の方法で形成することができる。
【0047】
搬送方向Aにおける移送ユニット3の長さが本の中身5の長さにほほ一致しているので、移送ユニット3の搬送手段としては好ましくはスライダまたはグリッパが適している。このスライダまたはグリッパは、搬送方向Aにおいて分配ユニット2の方へ本の中身を送るために、本の中身の後側エッジに接触するかまたはこの後側エッジを掴む。スライダまたはグリッパは移送ユニット3の全長にわたって移動した後で、例えば搬送路平面から下降することにより搬送路9から離れ、そして移送ユニット3の上流側の始端部に戻される。その後で、スライダまたはグリッパはその間に移送ユニット3上に運ばれた本の中身を送る。上述のパドルベルトの代わりに、供給ユニット6のための搬送手段として適当なスライダ、グリッパまたはトングを使用してもよい。この場合、供給装置の収容能力、すなわち同時に収容すべき最多の本の中身の数に依存して、前後に並べて配置された相応する数のスライダ、グリッパまたはトングを設けることができる。このスライダ、グリッパまたはトングは搬送方向Aにおいて互いに等間隔に配置すべきである。この間隔は本の中身の長さよりも幾分長く採寸すべきである。
【0048】
分配ユニット2と移送ユニット3のための搬送手段の有利な実施形態は図2〜図5に例示的に示されている。
【0049】
分配ユニット2の搬送手段または駆動装置は図示した実施形態では、搬送突起または搬送ウェブを備えたベルトシステムからなっている。そのために、プーリ14の周りを無端循環するベルト10、11が使用される。このベルトは例えばパドルベルトと呼ぶこともできる。図5から分かるように、図示した実施形態では、並べて配置された4本の無端循環ベルト10、11が設けられている。図示した実施形態では、ベルトシステムは分配ユニット2内において本の中身5用搬送路の上方に配置されている。搬送路区間9.2(図1)は載置板12によって形成され、この載置板に、分配ユニット2内において本の中身5が載り、この分配ユニットに沿って搬送方向Aに送られる。
【0050】
ベルト10、11の外面に取付けられ横方向に延在するウェブまたは突起10.1、10.2と11.1、11.2が送る働きをする。ベルト10に取付けられた突起10.1、10.2は一直線に並ぶように配向されている。これと同じことがベルト11の突起11.1、11.2についても当てはまる。特に図2〜図4から分かるように、ベルト10の突起10.1、10.2はベルト11の突起11.1、11.2に対してずらして配置されている。図示した実施形態で使用される4本のベルトのうち、ベルト対10はサーボモータによって駆動され、ベルト対11は他のサーボモータによって駆動される。特に図4から分かるように、ベルト対10の突起10.1、10.2は、本積層体5を搬送方向Aに送るために、本積層体5の後側エッジに接触可能である移動する突起である。これに対して、ベルト対11はベルト対10の突起10.1、10.2に対する突起11.1、11.2の相対位置がフォーマットに依存して調節されるので、突起11.1、11.2は本の中身5の前側エッジに接触可能である。これにより、まだ綴じられていない本の中身5は分配ユニット2内でのその搬送中言わば挟持される。それによって、特に送り運動の加速または減速中に、綴じられていない本の中身5のばらばらの紙がすべってずれることがない。両ベルト対10、11はいかなる時点でも(フォーマット調節の場合を除いて)同期して移動する。それによって、本の中身5は分配ユニット内でのその搬送中に、下側に位置する載置板12とベルト対10、11の下側半部の外面との間に収容される。
【0051】
ベルト対10、11の下側半部の上方にガイド16が配置されている。このガイドによってベルト10、11が搬送方向Aに対して横方向に位置保持される。そのために、ベルト対10、11の下側半部の向き合うガイド16の下面に、適当な凹部16.1が形成されている。図5から分かるように、この凹部の中をベルト10、11の下側半部が案内される。ベルト10、11の突起10.1、10.2、11.1、11.2は、載置板12の上面に形成された凹部12.1によって、ベルト10、11の下側半部に沿ったその経路に沿って走行する。これは同様に、図5から明らかである。図5からさらに分かるように、ガイド16の下面はその一方の側方端部に、傾斜部16.2を有する。この傾斜部16.2を有する端部は、分配ユニット2の隣に配置された縫い付けステーション1.1、1.2、1.3(図1)の方向に向いており、従ってこの縫い付けステーションに隣接している。縫い付けステーションの荷積みおよび荷降ろしのために両方向矢印Bの方向に本の中身5を移動させる間、ガイド16の下面の傾斜部16.2は本の中身5を案内する働きをし、特に一方でガイド16とベルト10、11の下側半部との間および他方でガイド16と載置板12の上面との間に形成された中間室内に本の中身5を容易に挿入する働きをし、従って分配ユニット2内に容易に戻し収容する働きをする。
【0052】
図3と図4に示した実施形態では、移送ユニット3のための搬送手段として、グリッパまたはスライダ18が使用される。このグリッパまたはスライダは図示していない直線駆動ユニットによって、搬送方向Aに一致する矢印Fの方向(送り行程)または矢印Rに一致する反対方向(戻り行程)に駆動される。図示した実施形態では、スライダ18は支承部材20と、この支承部材20に支承され分配ユニット2の方へまたは搬送方向Aに弾性的に付勢された挟持部材21を備えている。支承部材20と挟持部材21がレーキ状に形成されているので、スライダ18が矢印Rの方向の戻り行程にあるときには(図4)、挟持部材21の図示していないレーキセグメントが支承部材20の凹部22内に入ることができる。図2〜図4からさらに分かるように、移送ユニット3は載置板24を備えている。この載置板には本の中身5が載せられ、本の中身がこの載置板に沿って移動させられる。載置板24とスライダ18は互いにずらして配置され、それによって図3から分かるようにスライダ18が矢印Fの方向に送られているときに、本の中身5を搬送方向Aに送るために、スライダ18は本の中身5の後側エッジに接触可能である。移送ユニット3から分配ユニット2に本の中身5を引き渡した後で、スライダはリニアユニットから下降させられ、そして矢印Rの方向の戻り行程運動の間、上流側にある移送ユニット3の始端または入口に戻される。それによって、スライダは供給装置6から移送装置3に移送された新しい本の中身5の後側エッジに接触する。
【0053】
図1からさらに分かるように、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3はそれぞれ、分配ユニット2の方へ開放した入口と、同様に分配ユニット2の方に向いた出口を備えている。この出口は搬送方向Aに見て入口の下流にある。図1では第1縫い付けステーション1.1においてのみ入口が参照符号「1.1E」で、出口が参照符号「1.1A」で示されており、他の両縫い付けステーションでは示されていない。縫い付けステーション1.1、1.2、1.3は図示した実施形態では搬送方向Aに作動する。すなわち、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3では本の中身が搬送方向Aに移動し、同時に縫い付けられる。そのために、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3には、図示していない適当な搬送手段が設けられている。
【0054】
本の中身を縫い付けステーションに供給するために、この本の中身は分配ユニット2内にある搬送路10の区間10.2から取り出され、そして縫い付けステーションの入口(例えば1.1E)を経て引き入れおよび/または押し込むことによって適当な縫い付けステーションに移送される。縫い付け過程が終了した後で、縫い付け済の本の中身は出口(例えば1.1A)を経て対応する縫い付けステーションから押し出され、そして分配ユニット2によって再び搬送路区間10.2上に引き渡される。分配ユニット2の搬送路区間10.2から縫い付けステーションに移送する間および縫い付けステーションから搬送路区間10.2に戻す間、本の中身の移動は搬送方向Aに対して横向きに生じる。これは図1において両方向矢印Bによって、そして図13、図22において矢印BE、BAによって示してある。縫い付けステーションにおいて新しい本の中身と縫い付けられた本の中身の引き入れが行われると合目的であり、そしてすべての縫い付けステーションでほぼ同時に行われると有利である。入口と相対的な出口の配置に基づいて図1からさらに分かるように、縫い付け過程の間に本の中身が縫い付けステーション内で移動する路長は、本の中身の長さよりも少しだけ長い。この場合、必要スペース全体は二倍よりも幾分広い。
【0055】
搬送路区間10.2と縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の間で両方向矢印Bの方向に本の中身を搬送するために、適当な装置が設けられ、しかも、分配ユニット2および/または縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の付加的な構成部品として設けられている。この付加的な装置は見やすくするために図には示していない。
【0056】
図に示した供給ユニット6は上流側の最も近い加工ステーションまたは前置機械の構成部材であってもよいし、全体を前方にある加工ステーションまたは前置機械の構造体に付設してもよい。このような場合、供給ユニット6は搬送装置8に対する、図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械の出口側のインターフェースを形成し、移送ユニット3は図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置8の入口側インターフェースを形成する。しかし、その代わりに、供給ユニット6が搬送装置8の他の構造グループを形成し、従って図示していない前方にある加工ステーションまたは前置機械に対する搬送装置8の入口側インターフェースを形成してもよい。
【0057】
搬送路9に沿った本の中身の送りまたは搬送は周期的に行われる。そのために、搬送すべき本の中身は列をなして並べて配置されている。この場合、本の中身の前側エッジと隣接する(前側または後側の)本の中身の前側エッジの間隔は、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の入口または出口のピッチ間隔に等しい一定の路長を形成する。次に詳細に説明するように、所定の運転状態では、供給ユニット6内での送り速度は半分以下に減速され、移送ユニット3内での送り速度は2倍に高められる。分配ユニット2内でも、送り速度は搬送路区間9.2に沿って一時的に2倍の値に高められる。しかし、所定の時点で分配ユニット2、移送ユニット3または供給ユニット6が個別周期の一部の間または個別周期全体の間に送りまたは搬送を行わない運転状態も発生する。搬送方向Aへの搬送路9に沿った本の中身の送りのために並びに縫い付けステーション1.1、1.2、1.3への移送のためおよび縫い付けステーションから両方向矢印Bの方へ排出するためおよび縫い付けステーション内での縫い付け過程のために、適切な制御または調整が必要である。
【0058】
そのために設けられた制御兼調整装置30が図6に概略的に示してある。図6に例示した制御兼調整装置30はプログラミング可能な第1制御兼調整ユニット31と、同様にプログラミング可能な第2制御兼調整ユニット32を備えている。この両制御兼調整ユニット31、32がメモリプログラマブル制御手段(SPS)からなっていると有利である。図6からさらに分かるように、第1制御兼調整ユニット31には3個のサーボコントローラ34、35、36が付設され、第2制御兼調整ユニット32には1個のサーボコントローラ37が付設されている。第2制御兼調整ユニット32のサーボコントローラ37はサーボモータ40を制御し、このサーボモータは回転センサまたは位置センサ41によって監視され、そしてこのサーボモータによって供給ユニット6の図示していない搬送手段が駆動される。さらに、この搬送手段を切り替えるために、好ましくは空気圧作動の操作機構42が設けられている。この操作機構は同様にサーボコントローラ37によって駆動される。
【0059】
移送ユニット3と分配ユニット2と排出装置4の搬送手段も、所属のサーボモータ40によって駆動される。このサーボモータは所属のサーボコントローラ34、35、または36によって十分に制御され、そしてその際回転センサまたは位置センサ41によって監視される。図6からさらに分かるように、分配ユニット2には2個のサーボモータ40が付設されている。この2個のサーボモータのうちの1つがベルト対10を駆動し、他のサーボモータが他のベルト対11(図2〜図5参照)を駆動する。さらに、サーボコントローラ34によって制御される好ましくは空気圧作動の操作機構44が移送ユニット3に付設され、それによって図3、図4に示したスライダ18が送り行程F(図3)のための上側の位置あるいは戻り行程R(図4)のための下側の位置に切換えられる。
【0060】
同様に、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3は第1制御兼調整ユニット31によって制御される。入口(例えば1.1E)への挿入のために、各縫い付けステーション1.1、1.2、1.3には好ましくは空気圧作動の適当な操作機構45が設けられ、かつ出口(例えば1.1A)からの押し出しのために、同様に好ましくは空気圧作動の適当な操作機構46が設けられている。図6にさらに略示するように、第2制御兼調整ユニット32が第1制御兼調整ユニット31から離して示してある。その理由は、この第2制御兼調整ユニットによって制御される供給装置6が図示した実施形態では搬送装置8に含まれるのではなく、前方にある加工ステーションまたは前置機械の構成部材として付設されていることにある。両制御兼調整ユニット31、32はバスシステムまたは他のデータ導線を介して互いに連絡している。それによって、搬送装置8の運転状態で、後で詳しく説明するように供給ユニット6の運転を適切に調節および調和させることができる。
【0061】
次に、図1と図7〜図13に基づいて、図1に示した装置の加工プロセスを詳しく説明する。この場合、すべての縫い付けステーション1.1〜1.3が作動しており、従って運転中である。さらに、図14が参照される。この図14には、縫い付けステーションの荷積みおよび荷降ろしのため並びに分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6のために、速度プロフィルが速度−時間−グラフの形態で示してある。この場合、加工プロセスの良好な理解のために、図1と図7〜13に示した加工プロセスの段階は十分識別しやくなっている。図14の良好な理解のために、4つの過程または構造グループの個々のグラフについてそれぞれ、「0」で示した零線が記入され、そして運転の次の説明にとっては、適当な搬送手段の正の速度を表す、零線の上方に示したグラフだけが重要である。これに対して、それぞれの零線の下方に示したグラフは、本の中身を搬送しない、搬送手段の後ろ向きの無負荷の動きを表す。同様に、図14のグラフにおいて、事情によって発生する加速または減速は顧慮されていない。
【0062】
図1と図7〜図13において良好な理解のために、本の中身には「1」〜「16」によって通し番号が付されている。さらに、図7〜図13では見やすくするために、個々の参照番号が省略されているので、その場合は図1が参照される。
【0063】
図1に示した状態の後でちょうど、縫い付けステーション1.1〜1.3の本の中身の交換が行われる。ちょうど縫い付けられた本の中身4〜6は再び分配ユニット2の搬送路区間9.2上に位置する一方、まだ加工されていない本の中身7〜9は縫い付けステーション1.1〜1.3にちょうど引き入れまたは押し込まれている。さらに、まだ加工されていない本の中身10が移送ユニット3内にあり、まだ加工されていない4つの他の本の中身10〜14が供給ユニット6内にある。これに対して、既に縫い付けられた本の中身1〜3は排出装置4内にある。既に縫い付けられた本の中身の縫い目は図1と図7〜図13と図15〜図22において破線の中心線として概略的に示されている。分配ユニット2の搬送路区間9.2における本の中身の間隔、正確に言うと本の中身の後側エッジと隣接する本の中身の後側エッジの間隔は、「p」で表され、隣接する2つの縫い付けステーションの入口または出口の間隔、正確に言うと縫い付けステーションの入口または出口の中心と隣接する次の縫い付けステーションの入口または出口の中心の間隔に等しい。図1からさらに分かるように、供給ユニット6内での本の中身の間隔並びに移送ユニット3内の本の中身10と供給ユニット6内の次の本の中身11の間隔は、それぞれp/2である。この比は本の中身のフォーマットとは関係なく一定である。
【0064】
図14から分かるように、図1の状態では縫い付けステーションの荷降ろしおよび荷積みはちょうど終了する一方、分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6はそれぞれ搬送速度まで加速される。これら3つの構造グループの場合この搬送速度は等しい。以下、この搬送速度を単に搬送速度と呼ぶかまたは第1搬送速度と呼ぶ。
【0065】
図7〜図13には、加工された本の中身が分配ユニット2を通って搬出される状態と、同時に新しい未加工の本の中身10、11、12が縫い付けステーションの入口の前へ搬送される状態が示してある。この時間の間、既に1.1、1.2、1.3内にある本の中身7〜9は縫い付けられて、縫い付けステーションの出口へ搬送される。
【0066】
ここで、分配ユニット2はいわゆる大きな周期Xで作動する。この大きな周期Xは、縫い付けステーションによって縫い付けられた本の中身を分配ユニット2から排出する時点から、縫い付けステーションによって縫い付けられた本の中身を分配ユニット2から次に排出する時点までの時間間隔を定め、幾つかの個別周期Y1〜Y3に分割される。この数が縫い付けステーションの数に一致するので、図示した実施形態では、大きな周期Xは3つの個別周期Y1、Y2、Y3を含む。全部で3つの現存縫い付けステーションを有する図示した実施形態において、大きな周期Xが約4.5〜約6秒の時間を有すると有利である。それに対して、残りの構造グループの場合には、作業周期が用いられる。この作業周期は時間的に表現すると個別周期Y1、Y2またはY3に一致する。図14では、3つの大きな周期Xまたは9つの個別周期の時間にわたる運転が例示されている。
【0067】
図1には、第1個別周期Y1から第2個別周期Y2への移行部の運転状態が示されているが、図7は4分の1周期長だけ遅い運転状態を示している。ここでは、分配ユニット2と移送ユニット3と供給ユニット6がそれぞれ同じ一定搬送速度で運転される。
【0068】
図8に示した運転状態は、移送ユニットが停止する一方、供給ユニット6が既にその前に停止していた点が、図7に示した先行する運転状態と異なっている。それに対して、分配ユニット2は一定の搬送速度でさらに走行する。従って、図8の運転状態では、本の中身10が移送ユニット(図1)から分配ユニット2に移送されており、それ以外の本の中身11〜15が寸法p/2だけ後を追って進むので、移送ユニット3上に本の中身11が載る。
【0069】
第2個別周期Y2の終了まで分配ユニット2が一定搬送速度で走行するので、この時間の間、受け取った本の中身10は他の路長p/2だけさらに搬送され、第1縫い付けステーション1.1の出口の前に位置する。同じことが既に縫い付けられた本の中身5、6にも当てはまる。この本の中身5、6はそれぞれ第2と第3の縫い付けステーション1.2、1.3の出口の前に位置する。一方、本の中身4は分配ユニット2から出て、排出装置4上に位置する。この運転状態は図9に示してある。
【0070】
図9はちょうど第2個別周期Y2と第3個別周期Y3との間の境界にある状態を示している。この時点で分配ユニット2が単一搬送速度でさらに作動するのに対し、移送ユニット3と供給ユニット6は再び単一搬送速度まで加速され、それによって次の本の中身11は移送ユニット3から分配ユニット2上に達し、本の中身12〜15は供給ユニット6内で後を追って進み、本の中身12は移送ユニット3上に達する。その結果、当然、本の中身6〜10が同様にp/2だけ前方へ進むことになる。この運転状態は図10と図11に示してある。この運転状態は基本的には図7と図8の運転状態に一致する。第3個別周期Y3の中央で発生する図11の状態では、供給装置6が既に再び停止し、移送ユニット3が停止する一方、分配ユニット2の搬送速度が2倍になる。同様に、第3個別周期Y3の最後の4分の1では、移送ユニット3の搬送速度が同様に2倍になる。その結果、既に分配ユニット2内にある本の中身10、11は半分の個別周期内で2倍の送り速度で路長pだけ送られる。さらに、縫い付けられた本の中身6は分配ユニット2から排出装置4に移送されている。図12から分かるように、この搬送過程の結果、縫い付けステーション1.1、1.2、1.3の各入口の前に、まだ加工されていない本の中身10、11、12が位置する。
【0071】
その間に、縫い付けステーション内での本の中身7〜9の縫い付け過程が終了し、縫い付けられた本の中身7〜9はそれぞれ相応の縫い付けステーションの出口に位置する。図13に示す運転状態では、まだ加工されていない本の中身10〜12が矢印BEに従って縫い付けステーションの入口に引き込まれるかまたは押し込まれ、縫い付けられた本の中身7〜9が矢印BAに従って縫い付けステーションの出口から排出される。これは図14から分かるように、次の大きな周期Xの第1個別周期Y1の第1半分で既に生じる。
【0072】
図14からさらに分かるように、分配ユニット2はすべての大きな周期Xにおいて同じ速度プロフィルを有する。この速度プロフィルでは、分配ユニット2が第1個別周期で停止し、それによって搬送路区間9.2に沿って送りが発生せず、第2個別周期内と第3個別周期の第1半分内では単一搬送速度で運転され、そして第3個別周期の第2半分内では2倍の搬送速度で運転される。同様に図14から分かるように、供給ユニット6はすべての作業周期において同じ速度プロフィルを有する。この速度プロフィルによれば、送りが各作業周期の第1半部内で行われる一方、第2半部では搬送方向Aと反対方向に戻り行程が行われる。
【0073】
図15〜図23は、第2または中央の縫い付けステーション1.2が作動していないときの同じ加工プロセスを示している。その際、図15〜図22に示したステップは基本的には、図1と図7〜図13に示したステップに一致しているが、第2縫い付けステーション1.2が故障しているかまたは停止し、作動しない点が異なっている。図23の速度−時間−グラフは内容および時間的な関係の図示に関して、図14のグラフと一致している。さらに、図23において(図1と図7〜図13に関しての図14と同じ個所に)、図15〜図22に示した段階が図示した速度−時間−グラフに同じように印を付けられている。従って、図15〜図22に基づく加工プロセスのステップの次の説明において、図23も同時に参照される。
【0074】
図23のグラフを図14のグラフと比較することによって先ず最初に分かるように、各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1において、図示した過程と構造グループのための速度プロフィルは同じである。この個別周期で縫い付けステーションの荷積み降ろしが行われる。これは本実施形態では第1縫い付けステーション1.1と第3縫い付けステーション1.3の場合のみである。なぜなら、第2縫い付けステーション1.2が作動しておらず、分配ユニット2が停止し、そして移送ユニット3が送り運動を生じないからである。完全運転と同様に、供給ユニット6は単一速度で、第1個別周期Y1の最初の半分よりも幾分短い周期内で搬送し、そして第1個別周期Y1の後続の残りの周期の間は搬送しない。
【0075】
図14と図23のグラフの比較からさらに分かるように、分配ユニット2の速度プロフィルは変わらないでそのままであり、しかもすべての縫い付けステーションが作動しているかどうか、従って運転中であるかどうかに関係なくあるいは複数の縫い付けステーションが停止しているかどうかに関係なく変わらないでそのままである。従って、分配ユニット2の運転は、すべての縫い付けステーションまたは縫い付けステーションの一部だけが作動しているどうかに関係ない。それによって、分配ユニットは特別なコントロールコンセプトを必要としない。むしろ分配ユニット2は適当な一定運転に調節される。全部で3つの縫い付けステーション1.1、1.2、1.3を設けた図示の実施形態では、各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1において分配ユニット2を停止し、それによって送り運動を生じない運転が行われる。これは、その時点で縫い付けステーションの荷積み降ろしが生じるので必要である。第2個別周期Y2を開始するために、分配ユニット2は単一搬送速度で上方へ移動させられる。その際、分配ユニット2は、第2個別周期Y2の全周期にわたってだけでなく、後続の第3個別周期Y3の第1半部の間も、搬送路区間9.2に沿って搬送方向Aに送り運動を発生する。一方、第3個別周期Y3の第2半部では、第3個別周期Y3が終了した後分配ユニット2の送り運動が再び停止する前に、搬送速度が2倍になる。
【0076】
縫い付けステーションへの本の中身の移送と、縫い付けステーションからの縫い付けられた本の中身の受け取りは、ある程度の時間を必要とする。この時間内において、分配ユニット2は搬送路区間9.2に沿った搬送方向Aにおける送り運動を行ってはならない。これは各々の大きな周期Xの第1個別周期Y1の間の場合である。しかしながら、「失われた」時間を分配ユニット2によって回収または取り戻さなければならない。というのは、もしそうしないと、供給ユニット6とそれに伴い前方にある加工ステーションまたは前置機械が実質的にもはや連続してさらに作動することができないからである。この「回収時間」は、第3個別周期Y3の第2半部において、従ってそれに続く大きな周期Xの個別周期Y1の前に、分配ユニット2を2倍の搬送速度で運転することによって得られる。
【0077】
図15に示す状態の後でまさに、作動している縫い付けステーション1.1と1.3内外への本の中身の交換が行われる。第2縫い付けステーション1.2が停止しているので、分配ユニット2の搬送路区間9.2上には、本の中身4、5を含めて、先行したサイクルのちょうど縫い付けられた2個だけの本の中身が位置する一方、作動している縫い付けステーション1.2、1.3の数に一致して、本の中身6、7を含めて、未加工の2個だけの本の中身が縫い付けステーションに引き入れまたは押し込まれている。中央の第2縫い付けステーション1.2が作動していないので、分配ユニット2の搬送路区間9.2では、連続する両本の中身4、5の間隔が、図1の2倍の大きさであり、従って2pである。図23から分かるように、この瞬間において供給ユニット6は搬送しない。そのほかについては、図15に示した運転状態は図1に示した運転状態に一致している。
【0078】
図16に示した運転状態は、中央の縫い付けステーション1.2が作動していないので、両本の中身4、5の間隔が2倍の大きさであり、かつ供給ユニット6が搬送しない点が、図7に示した運転状態と異なっている。そのほかについては、図7に示した運転状態の説明が参照される。
【0079】
図15の運転状態の半分の周期長内では、供給ユニット6は送り運動を発生しない。これは次のような理由のため、図17から分かる。すなわち、本の中身9が今までのように移送ユニット3上に進むのではなく、移送ユニット3によって分配ユニット2上に搬送された本の中身の後を追って進むので、図17から分かる。従って、加工プロセスのこのステップでは、中央の縫い付けステーション1.2が作動しておらず、かつ移送ユニットが空のままであるかまたは荷積みされないままである。図8に示した運転状態の場合のように、両本の中身5、8の間隔はpである一方、図8の運転状態と異なり、第2縫い付けステーション1.2が停止しているので、前側の第3の本の中身が分配ユニット2上に存在しない。
【0080】
図17に示したステップのすぐ後で、供給ユニット6は第2個別周期Y2の第2半部の残りの部分について再び搬送し始める。この搬送は、図23から分かるように、約半分の速度で行われる。その結果、第2個別周期Y2の終わりに、供給ユニット6で最も前側の本の中身9が約3分の1だけ移送ユニット3上に送られていることになる。この状態は図18に示してある。
【0081】
図18は図9のように、第2個別周期Y2と第3個別周期Y3との間のちょうど境界のところの状態を示している。図9に示したステップの場合と異なり、移送ユニット3の搬送手段は引き続き停止しており、従って送り運動を発生せず、供給ユニット6は図23から分かるように、半分の搬送速度でさらに作動する。
【0082】
図23からさらに分かるように、第3個別周期Y3内の4分の1周期以降は、速度プロフィルは図18の状態と同じである。この運転状態は図19に示してある。この状態では、縫い付けられた本の中身5と加工されていない本の中身8が分配ユニット2に収容されている。この場合、図19の瞬間の図示では、この両本の中身5、8はそれぞれおおよそ、隣接する2つの縫い付けステーションの間の高さに位置決めされている。しかしながら、図10の運転状態と異なり、分配ユニット2によって他の本の中身が収容されず、そして供給ユニット6が半分の搬送速度で作動するので、移送ユニット3への本の中身9の移送は完了していない。
【0083】
最後の個別周期Y3内の第2の4分の1周期の間、供給ユニット6の搬送手段が再び停止するので、供給ユニット6内の継続送り運動は図23から分かるように中断される。すなわち、この時点で本の中身9は移送ユニット3によって既に完全に収容されている。すぐ後の運転状態、ひいては最後の個別周期Y3の第1半部が経過した後の運転状態が、図20に示してある。この時点で、図23から分かるように、供給ユニット6は搬送せず、それ以上の送り運動を発生しない。図20がさらに示すように、両本の中身5、8は分配ユニット2内で互いに一定の間隔pをおいて、第2縫い付けステーション1.2と第3縫い付けステーション1.3の入口に向き合う位置まで前進している。
【0084】
すべての縫い付けステーションによる運転の場合のように、第3または最後の個別周期Y3の最後の4分の1の間、移送ユニット3は単一搬送速度の約2倍の値に、従って約2倍の搬送速度に加速される。一方、供給ユニット6の搬送手段は引き続き送り運動を発生しない。その結果、本の中身9は第3または最後の個別周期Y3の終わりまで分配ユニット2上に完全に運ばれる。とりわけ、第3の個別周期Y3の最後の半分の間も、分配ユニット2は2倍の搬送速度で作動する。この状態は図21に示してある。この図21からさらに分かるように、既に縫い付けられた本の中身5は排出装置4上に送り出され、まだ加工されていない本の中身8が分配ユニット内で最後のまたは第3の縫い付けステーション1.3の入口の前にあり、そして移送ユニット3によってちょうど受け取られた本の中身9が第1縫い付けステーション1.1の入口の前にある。この時点で、供給ユニット6からそれ以上の送り運動が発生しないので、このステップでは移送ユニット3が先ず最初は荷積みされないままである。従って、図21の運転状態は、分配ユニット2内において中央の本の中身(図12では番号「11」が付けられている)が作動していない中央のまたは第2の縫い付けステーション1.2の入口の前にないことだけが、図12の運転状態と異なっている。これは、この縫い付けステーションが運転されていないことを意味する。
【0085】
そのうちに、作動している縫い付けステーション1.1、1.3での本の中身6、7の縫い付け過程が終了し、縫い付けられた本の中身6、7はそれぞれ対応する縫い付けステーションの出口に位置する。図22に示す運転状態では、まだ加工されていない本の中身8、9が作動している縫い付けステーション1.1、1.3の入口に引き込まれるかまたは押し込まれ、縫い付けられた本の中身6、7がこの縫い付けステーションの出口から押し出される。これは図23から分かるように、次の大きな周期Xの第1個別周期Y1の第1半部において既に生じる。この個別周期Y1の開始以降、供給ユニット6が再び単一搬送速度まで加速され、それによってそこに存在する本の中身10〜13に十分な送り運動が加えられるので、その結果最も前側の本の中身10が移送ユニット3上を前に進む。従って、図22の運転状態は、中央のまたは第2の縫い付けステーションでの荷積み降ろし過程が生じない点だけが図13の運転状態と異なっている。
【0086】
図15〜図23に基づいて前述した例が示すように、縫い付けステーションを運転停止する場合には、供給ユニット6がその間に半分の搬送速度で運転される。同様に前述の例から分かるように、供給ユニット6からの本の中身の送り運動を、同期のようにかつ間欠的に一定走行の分配ユニット2に適合させることが、移送ユニットの仕事である。この場合、供給ユニット6の周期は作動している縫い付けステーションの数から求められる。換言すると、3つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度3つの送り周期が、そして2つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度2つの送り周期が、そして1つの縫い付けステーションが作動している場合にはその都度1つの送り周期が移送ユニット3と供給ユニット6内で実施される。この場合、搬送速度も適合される。
【0087】
図1と図7〜図14に基づいて前述した加工プロセスのステップは存在するすべての縫い付けステーションの参加の下で、そして図15〜図23に基づいて説明した加工プロセスのステップは1個の縫い付けステーションの運転停止状態で、次の各々の大きな周期Xで周期的に繰り返される。これは図14と図23のグラフからも明らかである。
【符号の説明】
【0088】
1.1、1.2、1.3 綴じステーション
2 分配ユニット
3 移送ユニット
6 供給ユニット
8 搬送装置
9、9.2 搬送路
10、11 搬送手段
31、32 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路(9)に沿って多数の綴じステーション(1.1、1.2、1.3)まで搬送するための装置であって、この綴じステーションが前記積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは前記搬送路(9)の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、前記搬送路(9)に沿って前記積層体を搬送するように形成された周期的に作動する搬送装置(8)と、この搬送装置(8)を制御するための制御装置(31、32)とを具備し、前記搬送装置(8)が分配ユニット(2)を備え、この分配ユニットが、前記搬送路(9.2)に沿って前記積層体を搬送し、さらに前記搬送路(9.2)からその都度選択された前記綴じステーションに前記積層体を移送し、そして前記綴じステーションでの綴じの後に前記搬送路(9.2)に沿った継続搬送のために再び前記積層体を受け取るように形成されている、装置において、
前記搬送装置(8)がさらに、前記分配ユニット(2)の手前の上流側に配置された制御可能な移送ユニット(3)を備え、この移送ユニットが、積層体を搬送して来る供給ユニット(6)から前記分配ユニット(2)に積層体を移送するように形成され、前記制御装置(31、32)が前記移送ユニット(3)を、作動している前記綴じステーションの数と位置に依存しかつ前記分配ユニット(2)の固定設定された一定の運転に適合した速度プロフィルを有する運転モードに調節することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記分配ユニット(2)の固定設定された一定の運転が、少なくとも前記搬送路(9.2)に沿った前記積層体の搬送のために、固定設定された一定の速度プロフィルを有し、前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この場合、前記大きな周期(X)が積層体の受け取りと、綴じステーションによって綴じられたこの積層体の排出との間の時間インターバルを定め、かつ存在する前記綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
綴じていない積層体を前記分配ユニット(2)から作動中の綴じステーションに搬送し、そして同時に綴じた積層体を前記綴じステーションから前記分配ユニット(2)に搬送するために、両方向に運転可能な横方向搬送装置が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記分配ユニット(2)が、その中にあるすべての積層体を前記搬送路(9.2)に沿って同時に搬送するために搬送手段(10、11)を備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置において、前記搬送手段(10、11)が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転可能であり、この場合、積層体を綴じステーションに移送するために必要な時間と、綴じステーションから積層体を受け取るために必要な時間を補償するために、前記第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも速いことを特徴とする装置。
【請求項5】
前記分配ユニット(2)が2個の搬送手段(10、11)を備え、そのうちの一方の搬送手段(10)が前記搬送方向に対して横方向に配置されたウェブ(10.1、10.2)を有する1対の外側チャンバベルト(10)を備え、他方の前記搬送手段が前記搬送方向に対して横方向に配置されたウェブ(11.1、11.2)を有する1対の内側チャンバベルト(11)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2搬送速度が前記第1搬送速度の約2倍であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
特に各々の大きな周期(X)の個別周期(Y1、Y2、Y3)の数が前記綴じステーションの数に対応して少なくとも3個である、請求項2、3、5、6のいずれか一項に記載の装置において、前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)が、各々の大きな周期(X)の最後の個別周期(Y3)の間だけ、特に前記最後の個別周期(Y3)の第2半部の間だけ、前記第2搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)が、各々の大きな周期(X)の個別周期の間、特に前記第1個別周期(Y1)の間停止するように形成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記搬送装置(8)が積層体を間欠的に供給するために周期的に作動する制御可能な供給ユニット(6)を備えている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置において、前記制御装置(31、32)が、作動している綴じステーションの数と位置に依存する運転モードで前記供給ユニット(6)を調節し、この運転モードが前記移送ユニット(3)への前記積層体の実質的に中断されない搬送を生じ、前記制御装置(31、32)によって調節される移送ユニット(3)の運転モードが前記供給ユニット(6)のその都度の運転モードに依存し、好ましくは前記制御装置(31、32)によって調節される前記供給ユニット(6)の運転モードが、作動している前記綴じステーションの数と位置に依存し積層体の実質的に中断されない搬送を生じる速度プロフィルを有することを特徴とする装置。
【請求項10】
前記供給ユニット(6)がその中にあるすべての積層体を同時に搬送するための搬送手段を備えている、請求項9に記載の装置において、存在するすべての綴じステーションが作動しているときに、前記搬送手段が、前記分配ユニット(2)の搬送手段(10、11)の第1搬送速度に一致する搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期(X)が前記積層体の受け取りと前記綴じステーションによって綴じられた積層体の搬出との間の時間インターバルを定め、大きな周期が存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割され、前記供給ユニット(6)が前記分配ユニット(2)の個別周期にほぼ一致する作業周期で運転可能であり、1個の綴じステーションが作動していない場合のために、前記供給ユニット(6)の前記搬送手段が作業周期の間ほぼ半分の搬送速度で搬送するように形成され、前記作業周期が、前記分配ユニット(2)の大きな周期(X)内で、作動していない前記綴じステーション(1.2)の位置に対応して1個所で現れ、好ましくは前記供給ユニット(6)の前記搬送手段が、それに続く作業周期の間でほぼ半分の搬送速度で引き続き搬送するように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期(X)が前記積層体の受け取りと前記綴じステーションによって綴じられた積層体の搬出との間の時間インターバルを定め、大きな周期が存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割され、前記移送ユニット(3)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期が前記分配ユニット(2)の大きな周期(X)に適合し、かつ前記分配ユニット(2)の大きな周期の個別周期(Y1、Y2、Y3)に一致する個別周期に分割され、好ましくは前記移送ユニット(3)の前記搬送速度が前記分配ユニット(2)の各々の大きな周期(X)の第1個別周期(Y1)内で零であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記移送ユニット(3)が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転可能であり、この第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも速く、前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)の第2搬送速度に一致していることを特徴とする請求項4または12に記載の装置。
【請求項14】
特に各々の大きな周期(X)の個別周期(Y1、Y2、Y3)の数が存在する作動する綴じステーションの数に一致して3個である、請求項12または13に記載の装置において、前記移送ユニット(3)が各々の大きな周期(X)の第2個別周期(Y2)の第1半部の間前記第1搬送速度で運転可能であり、かつ前記最後の個別周期(Y3)の間だけ前記第2搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記移送ユニット(3)が各々の大きな周期(X)の間、作動する綴じステーションの数に一致する数の送りだけを、前記第1または前記第2搬送速度で行うように形成されていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項1】
折丁の積層体、好ましくは書類の冊子または本の中身、特に安全上重要な書類を、搬送路(9)に沿って多数の綴じステーション(1.1、1.2、1.3)まで搬送するための装置であって、この綴じステーションが前記積層体を綴じるために設けられ、かつ好ましくは前記搬送路(9)の隣に列をなして配置され、この綴じステーションのうち、場合によっては、その一部だけが作動し、前記搬送路(9)に沿って前記積層体を搬送するように形成された周期的に作動する搬送装置(8)と、この搬送装置(8)を制御するための制御装置(31、32)とを具備し、前記搬送装置(8)が分配ユニット(2)を備え、この分配ユニットが、前記搬送路(9.2)に沿って前記積層体を搬送し、さらに前記搬送路(9.2)からその都度選択された前記綴じステーションに前記積層体を移送し、そして前記綴じステーションでの綴じの後に前記搬送路(9.2)に沿った継続搬送のために再び前記積層体を受け取るように形成されている、装置において、
前記搬送装置(8)がさらに、前記分配ユニット(2)の手前の上流側に配置された制御可能な移送ユニット(3)を備え、この移送ユニットが、積層体を搬送して来る供給ユニット(6)から前記分配ユニット(2)に積層体を移送するように形成され、前記制御装置(31、32)が前記移送ユニット(3)を、作動している前記綴じステーションの数と位置に依存しかつ前記分配ユニット(2)の固定設定された一定の運転に適合した速度プロフィルを有する運転モードに調節することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記分配ユニット(2)の固定設定された一定の運転が、少なくとも前記搬送路(9.2)に沿った前記積層体の搬送のために、固定設定された一定の速度プロフィルを有し、前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この場合、前記大きな周期(X)が積層体の受け取りと、綴じステーションによって綴じられたこの積層体の排出との間の時間インターバルを定め、かつ存在する前記綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
綴じていない積層体を前記分配ユニット(2)から作動中の綴じステーションに搬送し、そして同時に綴じた積層体を前記綴じステーションから前記分配ユニット(2)に搬送するために、両方向に運転可能な横方向搬送装置が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記分配ユニット(2)が、その中にあるすべての積層体を前記搬送路(9.2)に沿って同時に搬送するために搬送手段(10、11)を備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置において、前記搬送手段(10、11)が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転可能であり、この場合、積層体を綴じステーションに移送するために必要な時間と、綴じステーションから積層体を受け取るために必要な時間を補償するために、前記第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも速いことを特徴とする装置。
【請求項5】
前記分配ユニット(2)が2個の搬送手段(10、11)を備え、そのうちの一方の搬送手段(10)が前記搬送方向に対して横方向に配置されたウェブ(10.1、10.2)を有する1対の外側チャンバベルト(10)を備え、他方の前記搬送手段が前記搬送方向に対して横方向に配置されたウェブ(11.1、11.2)を有する1対の内側チャンバベルト(11)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2搬送速度が前記第1搬送速度の約2倍であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
特に各々の大きな周期(X)の個別周期(Y1、Y2、Y3)の数が前記綴じステーションの数に対応して少なくとも3個である、請求項2、3、5、6のいずれか一項に記載の装置において、前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)が、各々の大きな周期(X)の最後の個別周期(Y3)の間だけ、特に前記最後の個別周期(Y3)の第2半部の間だけ、前記第2搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)が、各々の大きな周期(X)の個別周期の間、特に前記第1個別周期(Y1)の間停止するように形成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記搬送装置(8)が積層体を間欠的に供給するために周期的に作動する制御可能な供給ユニット(6)を備えている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置において、前記制御装置(31、32)が、作動している綴じステーションの数と位置に依存する運転モードで前記供給ユニット(6)を調節し、この運転モードが前記移送ユニット(3)への前記積層体の実質的に中断されない搬送を生じ、前記制御装置(31、32)によって調節される移送ユニット(3)の運転モードが前記供給ユニット(6)のその都度の運転モードに依存し、好ましくは前記制御装置(31、32)によって調節される前記供給ユニット(6)の運転モードが、作動している前記綴じステーションの数と位置に依存し積層体の実質的に中断されない搬送を生じる速度プロフィルを有することを特徴とする装置。
【請求項10】
前記供給ユニット(6)がその中にあるすべての積層体を同時に搬送するための搬送手段を備えている、請求項9に記載の装置において、存在するすべての綴じステーションが作動しているときに、前記搬送手段が、前記分配ユニット(2)の搬送手段(10、11)の第1搬送速度に一致する搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期(X)が前記積層体の受け取りと前記綴じステーションによって綴じられた積層体の搬出との間の時間インターバルを定め、大きな周期が存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割され、前記供給ユニット(6)が前記分配ユニット(2)の個別周期にほぼ一致する作業周期で運転可能であり、1個の綴じステーションが作動していない場合のために、前記供給ユニット(6)の前記搬送手段が作業周期の間ほぼ半分の搬送速度で搬送するように形成され、前記作業周期が、前記分配ユニット(2)の大きな周期(X)内で、作動していない前記綴じステーション(1.2)の位置に対応して1個所で現れ、好ましくは前記供給ユニット(6)の前記搬送手段が、それに続く作業周期の間でほぼ半分の搬送速度で引き続き搬送するように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記分配ユニット(2)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期(X)が前記積層体の受け取りと前記綴じステーションによって綴じられた積層体の搬出との間の時間インターバルを定め、大きな周期が存在する綴じステーションの数に一致する数の個別周期(Y1、Y2、Y3)に分割され、前記移送ユニット(3)が大きな周期(X)で作動するように形成され、この大きな周期が前記分配ユニット(2)の大きな周期(X)に適合し、かつ前記分配ユニット(2)の大きな周期の個別周期(Y1、Y2、Y3)に一致する個別周期に分割され、好ましくは前記移送ユニット(3)の前記搬送速度が前記分配ユニット(2)の各々の大きな周期(X)の第1個別周期(Y1)内で零であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記移送ユニット(3)が第1搬送速度または第2搬送速度で選択的に運転可能であり、この第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも速く、前記分配ユニット(2)の前記搬送手段(10、11)の第2搬送速度に一致していることを特徴とする請求項4または12に記載の装置。
【請求項14】
特に各々の大きな周期(X)の個別周期(Y1、Y2、Y3)の数が存在する作動する綴じステーションの数に一致して3個である、請求項12または13に記載の装置において、前記移送ユニット(3)が各々の大きな周期(X)の第2個別周期(Y2)の第1半部の間前記第1搬送速度で運転可能であり、かつ前記最後の個別周期(Y3)の間だけ前記第2搬送速度で運転可能であることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記移送ユニット(3)が各々の大きな周期(X)の間、作動する綴じステーションの数に一致する数の送りだけを、前記第1または前記第2搬送速度で行うように形成されていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−101944(P2012−101944A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246569(P2011−246569)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(503276388)クグラー−ウオマコ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(503276388)クグラー−ウオマコ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (8)
【Fターム(参考)】
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