折畳み可能な人工心臓弁
本願は、人工心臓弁に係る。当該人工心臓弁は、患者への侵襲性が少ない送達に対して比較的小さな周方向寸法まで折畳み可能であり、患者における埋込み箇所において作動寸法まで再拡張する。当該人工心臓弁は、折畳み可能/拡張可能なステント状の支持構造、及び支持構造に対して取り付けられる可撓性であるシート状材料を有する多種の構成要素を有する。例えば、かかるシート状の他の構成要素は、人工弁弁尖、バッファ材料の層、カフ材料頭を有し得る。向上された構造及び技術は、弁のステント状支持構造に対してかかる他の構成要素を固定するよう与えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、本願において全体的に参照として組み込まれる、2007年9月26日出願、米国仮特許出願第60/995,648号明細書(特許文献1)の便益を主張する。
【背景技術】
【0002】
現在の折畳み可能な人工心臓弁(collapsible prosthetic heart valve)の設計は、弁置換術(例えば大動脈弁置換術)を必要とし得るが他の手段によっては適切に処置されない患者の体内における使用に対するものである。折畳み可能な人工心臓弁は、チューブ状の送達(デリバリ)器具を介して折り畳まれた状態において患者へと送達されるよう設計される。折り畳まれた状態において、弁は、低減された環状、半径方向、又は周方向の寸法を備える。患者への弁の送達は、従来の開胸/開心手術よりも侵襲性が少なくなり得る。弁が患者における意図された埋込み箇所に到達するとき、弁は、動作寸法まで再拡張するか、あるいは拡張される(例えばバルーン拡張される)。弁の折畳み及び再拡張は、望ましくは弾性である(elastic)が、代替的に可塑性(plastic)、弁の特定の構成要素の形状記憶特性の結果、あるいは、弾性、可塑性、及び/又は形状記憶の多種の組み合わせであってもよい。同様に、可塑性拡張は、一時的に弁内側に配置されるバルーンの膨張の結果としてなされ得る。この一般的な種類の設計は、切除された(resected)並びに/あるいは外科的に切除された(debrided)自然弁尖の有無に関わらず、経皮的、経心尖的(trans-apically)、あるいは外科的に埋め込まれ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/995,648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願において開示される人工心臓弁は、折畳み可能な弁(独立して屈曲する交連ポスト(commissure posts)を有し得るかあるいは有し得ない)、及び、弁尖(leaflets)及び補助構成要素を組み立てるための独特な方途を組み込む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の可能な態様によれば、人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造、及びシート状である可撓性の弁尖部材を有し、該弁尖部材は支持構造内側にはめ込まれ(mounted)、弁尖の自由エッジ部は、支持構造の内部にわたって可撓性のコード(flexible chord)を形成する。弁尖の材料は、コードの一端を越えて延在し得、フラップを形成する。該フラップは、支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる。
【0006】
上述されたフラップは、支持構造に対して固定され得る。例えば、フラップは、支持構造に対してフラップを固定するよう支持構造に対して縫合され得る。より特定の一例として、フラップは、支持構造の内側表面によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置し得る。あるいは、フラップは、支持構造の外側表面によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう支持構造を通過し得る。
【0007】
弁尖は、弁尖の介在膨らみ部(intervening belly portion)にわたって自由エッジ部から離間される固定ライン部(secured line portion)を備え得る。固定ライン部は、支持構造に対して固定され得、前出の膨らみ部から離れる固定ライン部を越える弁尖の更なる材料は、支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる第2のフラップを形成し得る。
【0008】
上述された第2のフラップは、弁尖の自由エッジ部に向かって折り曲げられ得、支持構造内側において支持構造に対して固定され得る。あるいは、第2のフラップは、自由エッジ部から離れて折り曲げられ得、支持構造内側において支持構造に対して固定され得る。特に後者の場合、第2のフラップは、支持構造の軸方向端部を越えて継続し得、支持構造の外側に対する追加的な固定に対して支持構造の外側に戻るよう該軸方向端部にわたって追加的に折り重ねられ得る。
【0009】
本発明に従った人工心臓弁は、支持構造と弁尖との間においてシート状である可撓性のバッファ材料を更に有し得る。バッファ材料は、支持構造の部材だけではなく場合によっては該構造の開放セルもカバーする更に広範囲の継続的なシートを形成する代わりに、支持構造の特定の部材のみを縁取る(outlines)(カバーする)よう、代替的に与えられ得る。例えば、かかる縁取りするかあるいはより広範囲ではないバッファ材料は、浸漬コーティング又は噴霧されたポリマであり得る。
【0010】
本発明に従った人工心臓弁の支持構造は、複数の環状に離間された交連ポストを有し得、該複数の交連ポストの各々は、支持構造の他の構造からカンチレバー状態(張り出し状態)にされ(cantilevered from other structures)得る。上述された弁尖の自由エッジコードの端部を越えて延在する上述されたフラップは、交連ポストのうち関連付けられる1つに対して固定され得る。例えば、この固定は、関連付けられる交連ポストを通る開口及びフラップを通過する縫合材料によるものであり得る。フラップは、関連付けられる交連ポストの周囲に折り曲げられ得る。関連付けられる交連ポストは、2つの離間された部材へと2つに分岐され得る。フラップは、2つの部材間において交連ポストを通過し得る。
【0011】
本発明の他の可能な態様によれば、支持構造は、複数の環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能なサブ構造を有し得、該サブ構造は、支持構造がその周囲において環状である軸に沿って互いから離間される。支持構造は更に、複数の連結部材(linking members)を有し得、該連結部材は、上述された軸に対して実質的に平行であり、また、サブ構造が環状に折り畳まれ且つ再拡張するときに連結部材が変形することなくサブ構造を相互接続する。
【0012】
本発明の更に他の可能な態様によれば、人工心臓弁に対する弁尖構造は、3つの側部を有する中央孔を備える可撓性の弁尖材料のシートを有し得る。該側部の各々は、弁尖構造の3つの動作弁尖部の夫々1つの自由エッジを形成するよう形成される。シートは、3つの固定ライン部を追加的に備え得、該固定ライン部の各々は、夫々関連付けられる自由エッジの1つから半径方向外向きであり、該各々は、弓状であるため、関連付けられる自由エッジの終点からよりも関連付けられる自由エッジの中間点からのほうが半径方向に更に遠い。
【0013】
上述されたシートは、3つの弁尖連結範囲を画定し得る。該弁尖連結範囲の各々は、夫々の組の自由エッジの接合部から該組における自由エッジから半径方向外きである固定ライン部の接合部まで延在する。
【0014】
上述されたシートの使用に対して、本発明に従った人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能な支持構造を有し得る。上述されたシートは続いて、支持構造に対して固定された弁尖連結範囲及び固定ライン部を有する支持構造において配置され得るため、自由エッジは、支持構造の内部において集まり得る。支持構造は、3つの離間された交連ポストを有し得、該交連ポストの各々は、支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされ得るか、あるいはされ得ない。弁尖連結範囲の各々は、交連ポストの夫々1つに対して固定され得る。少なくとも1つの弁尖連結範囲は、弁尖連結範囲が固定される交連ポストにおいて支持構造の外側を通り得る。交連ポストの少なくとも1つは、2つの離間された部材へと分岐され得、該交連ポストに対して固定される弁尖連結範囲は、該交連ポストの2つの部材間を通り得る。
【0015】
上述されたシートは、フラップを形成するよう固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部分を越えて半径方向外向きに継続し得る。上述された通りの支持構造を有する人工心臓弁でのシートの使用において、かかるフラップは、支持構造に対して固定され得る。例えば、フラップは、支持構造の内側に固定され得る。あるいはフラップは、支持構造の外側に固定され得る。
【0016】
(上述されたとおりの)支持構造を有する人工心臓弁における上述されたシートの使用において、弁はまた他の可能性として、支持構造と弁尖材料との間においてシート状である可撓性のバッファ材料を有し得る。
【0017】
本発明の他の可能な態様によれば、人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能な支持構造を有し得、該構造は同様に、支持構造の環状である方向において延在するジグザグパターンにおいて配置される複数の部材を有する。かかるジグザグパターンを形成する部材のうち少なくとも2つは、支持構造が周囲において環状である軸に対して平行である支持構造から離れて指す頂点において集まる。弁は更に、支持構造に対して固定される可撓性材料のシート、及び支持構造の内側に配置され且つ少なくとも部分的にシートに対して固定される複数の可撓性弁尖を有し得る。シートは、頂点において縫合取付け部(アタッチメント)を介して支持構造に対して少なくとも部分的に固定され得る。頂点は、頂点が指す方向に対向する方向において頂点から離れて縫合取付け部が動くことを防ぐよう形成され得る。
【0018】
具体的な一例として、上述された頂点は、縫合取付け部が通過するアイレットを有し得る。他の例として、頂点は、頂点が指す方向において延在する縮小されたネック部の端部において拡大ヘッド部を有し得、上述されたシートに対する縫合取付け部は、ネック部の周囲において巻かれ得る。更に他の例として、頂点は、頂点が指す方向において開放するノッチを有し得、上述された縫合取付け部は、ノッチの内側及び頂点の内側の周囲において巻かれ得る。上述されたノッチは、開放アイレットを形成するようその入口近くにおいて狭められ得る。かかる開放アイレットは、縫合針が通るには小すぎ得るが、入口は、縫合材料がくぐり抜けるよう十分に広くされ得る。
【0019】
本発明の更なる特徴、その特性、及び多種の利点は、添付の図面及び以下の詳細の説明からより明らかとされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る構成要素の一実施例の単純化された立面図である。
【図1b】図1aに示されるものの等角図又は斜視図である。
【図2a】図1aに示されるものの他の実施例の単純化された立面図であり、図示される構成要素の前面部のみを示す。
【図2b】図2aに類似するが、異なる角度からの、前面構造に加えて示される背部構造の一部を有する図である。
【図3a】図2aに類似するが、加えられた実例的な追加的構成要素を有する図である。
【図3b】図3aに類似するが、加えられた実例的な更なる追加的構成要素を有する
【図4a】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る、実際には円筒形である構成要素の一実施例の平らな展開図である。
【図4b】図4aにおいて平らな展開形状で示される円筒形構成要素の立面図である。
【図5a】図4aに類似する他の実施例を図示する。
【図5b】図5aの一部分の拡大図である。
【図6】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る他の構成要素の一実施例の立面図である。
【図7】他の実施例に対する図6に類似した図である。
【図8】更に他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図9】更に他の実施例に対する図8に類似した図である。
【図10】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る更に他の構成要素の一実施例の立面図である。
【図11】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された斜視図である。
【図12a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的上面図である。
【図12b】他の実施例に対する図12aに類似した図である。
【図12c】更に他の実施例に対する図12bに類似した図である。
【図13】図11に全般的に類似した図である。
【図14】図11に全般的に類似した図である。
【図15a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図15b】図15aと全般的に同じ種類の他の図である。
【図16】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の下面図である。
【図17】他の実施例に対する図5bに類似した図である。
【図18a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された等角図又は斜視図である。
【図18b】本発明に従った複数の構成要素の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図19】他の実施例に対する図10に類似した図である。
【図20a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的上面図である。
【図20b】図20aに示されるものの一部の単純化された断面図である。
【図21】他の実施例に対する図19に類似した図である。
【図22】他の実施例に対する図18aに類似した図である。
【図23a】他の実施例に対する図12cに類似した図である。
【図23b】他の実施例に対する図23aに類似した図である。
【図24a】他の実施例に対する図5aに類似した図である。
【図24b】他の実施例に対する図5bに類似した図である。
【図25a】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図25b】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図26a】他の実施例に対する図23bに類似した図である。
【図26b】他の実施例に対する図23bに類似した図である。
【図27】他の実施例に対する図22に類似した図である。
【図28】他の実施例に対する図24bに類似した図である。
【図29a】他の実施例に対する図24aに類似した図である。
【図29b】他の実施例に対する図24bに類似した図である。
【図30】他の実施例に対する図1aに類似した図である。
【図31】他の実施例に対する図29baに類似した図である。
【図32】他の実施例に対する図8に類似した図である。
【図33a】他の実施例に対する図25bに類似した図である。
【図33b】他の実施例に対する図25bに類似した図である。
【図34】他の実施例に対する図26bに類似した図である。
【図35a】他の実施例に対する図15bに類似した図である。
【図35b】他の実施例に対する図15bに類似した図である。
【図36】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図37】他の実施例に対する図34に類似した図である。
【図38a】他の実施例に対する図29aに類似した図である。
【図38b】他の実施例に対する図29bに類似した図である。
【図39】他の実施例に対する図30に類似した図である。
【図40】他の実施例に対する図32に類似した図である。
【図41a】他の実施例に対する図33bに類似した図である。
【図41b】他の実施例に対する図33bに類似した図である。
【図42】他の実施例に対する図37に類似した図である。
【図43】他の実施例に対する図35bに類似した図である。
【図44】他の実施例に対する図41bに類似した図である。
【図45】他の実施例に対する図42に類似した図である。
【図46】他の実施例に対する図43に類似した図である。
【図47】他の実施例に対する図36に類似した図である。
【図48】他の実施例に対する図5に類似した図である。
【図49】他の実施例に対する図46に類似した図である。
【図50】他の実施例に対する図38aに類似した図である。
【図51】他の実施例に対する図39に類似した図である。
【図52】他の実施例に対する図44に類似した図である。
【図53a】他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図53b】他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図54】他の実施例に対する図35aに類似した図である。
【図55】他の実施例に対する図13に類似した図である。
【図56】他の実施例に対する図16に類似した図である。
【図57】他の実施例に対する図56に類似した図である。
【図58】他の実施例に対する図57に類似した図である。
【図59】他の実施例に対する図55に類似した図である。
【図60】他の実施例に対する図54に類似した図である。
【図61】他の実施例に対する図51に類似した図である。
【図62】他の実施例に対する図44に類似した図である。
【図63】他の実施例に対する図53bに類似した図である。
【図64】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的断面図である。
【図65】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図66】本発明に従った図65に示されるものと同様の構造の一部の一実施例の単純化された立面図である。
【図67】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図68a】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図68b】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図69a】他の実施例に対する図48に類似した図である。
【図69b】他の実施例に対する図48に類似した図である。
【図70】他の実施例に対する図50に類似した図である。
【図71】他の実施例に対する図61に類似した図である。
【図72】他の実施例に対する図47に類似した図である。
【図73】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74a】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74b】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74c】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図75】他の実施例に対する図62に類似した図である。他の実施例に対する図50に類似した図である。
【図76a】他の実施例に対する図63に類似した図である。
【図76b】図示される他の実施例の構成要素を有する図76aに類似した図である。
【図77a】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77b】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77c】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77d】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77e】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77f】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77g】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図78a】他の実施例に対する図53a−b等である図に類似した図である。
【図78b】他の実施例に対する図53a−b等である図に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が用いられ得る状況の単なる一例として、毎年数千名もの重症大動脈弁狭窄症を患うハイリスク患者は、心臓弁置換術が不可能であると判断されるため、処置をされない状態となっている。このような患者を治療する試みにおいて、折畳み可能な人工心臓弁は、経皮的手段及び/又は経心尖的手段を介してかかる患者の狭窄弁尖内において挿入されるよう開発されてきている。しかしながら、既知の設計は、例えば(1)長期耐久性、(2)僧帽弁衝突、(3)弁周囲漏出、等である最善の弁設計の複数の態様に十分に対処し得ない。弁尖取付け部は、かかる問題のいくつかを考えるときに重要な要素となり得る。本願において開示される設計は、これら及び他の問題によりよく対処することによって優れた弁をかかるハイリスク患者に対して与える。
【0022】
図1a−bは、本発明に従った弁において使用され得るステント構造10の一実施例の一般的な概要を与える。これらの図は、弁尖(図示せず)に対して加えられる応力を低減するよう独立して屈曲する交連ポスト20a−cを有する拡張されたステントを示す。(この実施例及び複数の他の実施例は独立して屈曲する交連ポストを備えるが、更に他の実施例は、弁耐久性も増大させ且つ部分的にのみ屈曲するかあるいは独立して屈曲しない交連ポストを備えて示される。)独立ポストは、患者のバルサルバ洞から下流における固着構造30(図1a−b中、構造の上方部分)及び患者の自然大動脈弁輪に近接する40(図1a−b中、構造の下方部分)から部分的に離れる。特には、ポスト20a−cの上方自由端部は、ステント10の輪部40からカンチレバー状態にされる。(しかしながらここでも、他の実施例は、部分的にのみカンチレバー状態にされる交連ポストを備え得るか、あるいはカンチレバー状態にされていない交連ポストを備え得る。)
図2a−bは、大動脈に対する超拡張部(extra-expanded section)30及び基部40におけるスカートフレア50を有する拡張成形ステント(expanded and contoured stent)10の一実施例を示す。(参照符号は、異なる図及び異なる実施例において概ね類似する特徴に対して再度使用される。図によっては、描写を過度に複雑にすることを避けるよう全ての構造の後背部又は前面後背部を示していないものがある。)ポスト20a−cに対する弁尖(図示せず)の取付け部及びステントのカバーリングは、本発明の重要な態様である。
【0023】
図3a−bは、弁尖60a−c、並びにバッファ層70及び外側カフ材料80を有する拡張成形ステント10の一実施例を示す。交連ポスト20は、完全に垂直方向に位置し得ることが可能であり、あるいはリーフレットを内側方向に付勢するよう内側方向に角度をつけられ得、それによって開放中に取り囲む患者の生体構造及び/又は人工弁のフレームにぶつからないようにする支援をすることが可能である。
【0024】
ステント10が所定の直径において研磨された後の取付けの段階(任意の順序における)は、一般的に以下の通りである。
●可撓性の弁尖60a−c(例えばポリマシート又は心膜組織シート)は、加工され、適切な形状に切断される。
○ 例えば組織弁尖60a−cは、平らに置かれ得、エタノールの少なくとも60%溶液等である抗石灰化処置で処理される前にグルタルアルデヒド又はトリグリシジアミンを使用して固定される。
● バッファ材料70(例えばポリマシート又は心膜組織シート)は、加工され、適切な形状に切断される。
● カフ材料80(例えばポリエステルファブリックシートは、適切な直径を有するチューブへと形成され、適切な長さに切断される。
● カフ材料80は、ステント10の下方部分、弁尖が取り付けられる全体部分、及び/又は大動脈部を有するステント全体をカバーし得る。
● ステント10と弁尖材料60との間における1つ又はそれより多くの層(シート)の中間材料は、取付け、摩擦緩衝、及び組織の内部成長を目的として適用され得る。例えば、2つのポリマ又は組織層間の接触面(インターフェイス)は、弁尖60とステント10との間における緩衝されない接触面と比較すると、上述された理由により、有益であり得る(例えば、弁尖60上における摩擦がより少なく、従って摩耗がより少ない)。シートのみの代わりにステントの潤滑ポリマコーティングもまた、組み込まれ得る。
● 弁尖60は、ステント10に対して、ステント基部の周囲において取り付けられる。
【0025】
弁が異なる種類のステントポスト20に対してどのように組み立てられるかに関する具体的な詳細は、以下において与えられる。
【0026】
図4aは、チューブ(例えば、ニチノール等である超弾性金属、又はコバルトクロミウム等であるバルーン拡張可能材料を有する)から一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。図4bは、折り畳まれた状態における円形のレーザカットされた一部(ステント)10を示す。このステントの実施例は、一式のアイレット22を除いて固体である独立して屈曲する交連ポスト20a−cを備える。しかしながら、かかるアイレットは、細長いスロット等である開口形状に変更され得る、ことが留意される。
【0027】
図5a−bは、独立した交連ポスト20a−cの拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステント10は、一式のアイレット22を2つ有する固体である独立して屈曲するポスト20a−cを備える。しかしながら、かかるアイレットは、細長いスロット等である開口形状に変更され得る。スカート50の曲げ線52及びステントの基部線54は、他の図と併せて説明される、ことが理解される。
【0028】
図6は、弁尖60と他の材料との間に接触がないことを確実とするようポスト20a−c及びステント10(実際にはステント部40)の内側表面を縁取る(outlines)バッファ層70を示す。各矩形部分72は、ポスト20の夫々1つの内径に対して縫合される。上部縁部(top lip)74は、曲げ線52の上方においてステントセル(stent cells)の内側部分をカバーする(図5bも参照)。下部縁部76は、ステントの下部54に対して曲げ線52の下方においてステントセルの内側部分をカバーする(図5bも参照)。部分78が存在する場合、該部分は、下部ステントエッジにおいて、あるいはそれより上で終了されるように内径から外径までステントの下部エッジ54の周囲に巻き付けられ得る。この部分における三角形切欠き79は、エッジの可撓性のある運動を可能にし、実際に下部エッジの周囲に巻き付けられるときに集まる一方、丸くされた最下部エッジ部分77は、ステントの周囲において1つの継続的な円形経路を形成するよう集まる、ことが留意される。三角形切欠き70はまた、弁の拡張及び収縮中に裂ける可能性を最小限に抑えることを可能にする。
【0029】
図7は、本発明において示される全ての設計のバッファ層70が本図において示される通り3つの単一の部分から作られ得る、ことを示す(図6に示される通りの1つの単一片とは対照的である)。
【0030】
図8は、本発明に従ったバッファ設計において有され得る追加的な特徴を示す。(本発明の全てのバッファ設計に適用される一般的な特徴に関しては図6を参照すること。)上部フラップ71は、内径(ID)から外径(OD)までポスト20の上部の周囲に巻き付く。側部フラップ73は、IDからODまで各ポストの左側及び右側の周囲に巻き付き、縫合によって固定される。
【0031】
図9は、非常に複雑な範囲において、多種の寸法及び形状を有する個別のバッファストリップ70がステントフレームの周囲に巻き付けられ得、適所において縫合され得る、ことを示す。図9は、一例として一般的な矩形のストリップ70を示す。矩形ストリップは、ステントの如何なる部分もカバーするために所望の高さを有する円筒を形成するよう巻かれ得る。
【0032】
図10は、本開示における以下の弁尖設計の多くに対して基本である単一弁尖設計60を示す。最上部水平方向破線の上方における材料61は、全3つの弁尖60a−cが逆圧を受けて集まる重複接合(redundant coaptation)に対するものである。(多種の破線は、弁の組立て中に使用される視覚ガイド又は支援として(一時的あるいは恒久的に)弁尖上に実際に表れ得るが、主として参照として示される。)側部フラップ62は、角度をつけられた線において曲げられ、交連ポスト20のIDに対して縫合するための範囲を与える。弁尖が平らなシートから切断され得るため、弁尖本体63において膨らんだ形状の輪郭はあり得ないが、角度をつけられた側部フラップ62が垂直方向ポスト20に対して取り付けられるとき、このことは、弁尖の上部が下部よりもステントの中心軸に対してより近いようにし、故に中心接合をもたらす、ということが留意される。側部フラップ62は、IDからODまで交連ポストの左側部及び右側部の周囲に巻き付き、縫合される。下部フラップ64は、曲げ線52の下方におけるステントセルのID部をステントの下部54までカバーする。この部分は、存在する場合、その長さに依存して、下部ステントエッジにおいてあるいは更に上方において終了されるよう内径から外径までステントの下部エッジ54の周囲に巻き付けられ得る。この部分における三角形切欠き65は、エッジの可撓性の運動を可能にし、巻き付けられるときに実際に集まる一方、丸くされた下方エッジ部分66は、ステントの周囲において1つの継続的な円形経路を形成するよう集まる、ことが留意される。所望される場合、湾曲67に沿った材料は、弁尖に対して自然な膨らみ形状(belly shape)を形成するよう縫合され得る。下部側部フラップ68は、流入スカートエッジ(inflow skirt edge)が完全に密封されることを確実なものとするよう近接する弁尖のある程度の重畳を可能にする。三角形切欠き65はまた、弁の拡張及び収縮中に裂ける可能性を最小限に抑えることを可能にする。
【0033】
図11は、ステント10に対して取り付けられる3つの単一な弁尖60a−cを示す。下部フラップ64及び側部フラップ62は、取付けが発生する前には容易に見られ得る。
【0034】
図12a−cは、弁尖及び補助構成要素組立体に対する3つの実施例を示す。かかる図の各々は、ステント上の交連ポスト20の上面図である。(交連ポストは、かかる図の各々において大きな矩形である。)図12a及び12cにおいて、交連ポストは一式の開口22を1つ備える。図12bにおいて、交連ポストは、2つの一式の開口22a及び22bを備える。図12a及び12bにおいて、バッファ層70は、ポストのID表面(かかる図に示される通り上方表面である)上においてのみある。図12cにおいて、バッファ層70は、ポストの全周囲に巻き付けられる。線60a及び60bは、夫々弁尖を示し、上端部における矢印は、弁尖材料が弁の中心軸に向かって図に見られるものを越えて継続する、ことを示している。破線90は、アイレット22及び弁尖60を通過する縫合を示す。留意すべき主要な特徴は、以下の通りである: (1)ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポストのOD上にある。 (4)弁尖の自由端部62は、追加的なバッファ層を与えるよう(例えば弁の中心に向かって)巻き戻される(curled back)。図12cにおいて弁尖は、弁が折り畳まれるときにステントセル間において十分な空間がある場合、(参照符号62において)IDからODまでポストの周囲にのみ巻き付けられ得る、ことが留意される。
【0035】
図13は、ステントのID上のファブリックカバーリング80において、弁尖60を他の弁表面に対して削られることから保護するために薄いバッファ材料70がある、ことを示す。整えられる(trimmed)前の巻き戻された弁尖エッジ及びポストの間隙が無いことは、参照符号100において見られ得る(図12aも参照)。
【0036】
図14は、角度をつけられた側部フラップ(図10中の参照符号62)がいかに弁尖60a−cを中心軸110に沿って接合させるかを示す。血流逆圧を受けて、弁尖は、重複接合を有して共にしっかりと閉じられる、留意される。
【0037】
図15a−bは、複数の重要な差異を備える2つの異なる弁の変形を示す。図15aは、ステント部40の拡張セルの全てをカバーするカフ及びバッファ部70/80を有する。図15bにおいては、構造70/80は、ステントセル40の半分を略曲げ線52まで進み、開放中に金属を弁尖接触に対して露出したままにし得る。図15aは、ステントの下方エッジ54において終了する弁尖及びバッファ層を備える一方、図15b中のバッファ層及び弁尖は、下部エッジ54にわたって完全に巻き付き、曲げ線52の近くにおいて固着される。かかる特徴のいくつかあるいは全ては、組み合わされ得る。
【0038】
図16は、完全な密封を可能にするよう、ステント基部スカートのエッジの周囲においてステントIDからずっと弁尖60及びバッファ層からの完全な密封がある、ことを示す。
【0039】
図17は、(ステントID上の縫合90からの略全体的な点荷重(almost entirely through point loads)とは対照的に)ステントポスト20に対する弁尖荷重の更なる移動を可能とするために、縫合及び/又は弁尖材料が、ポスト20の上部を通り過ぎ且つ参照符号120で示される通りODに対して固定される必要があり得る、ことを示す。
【0040】
図18a−bは、(縫合90からの略全体的な点荷重とは対照的に)ステントポスト20に対する弁尖荷重(弁尖自由エッジ近くにおける高応力領域130)の更なる移動を可能とするために、個別の弁尖60a−cがポスト上部にわたって配置されるキャップ140に対して固定され得る、ことを示す。キャップ140は、ファブリック、ポリマ、及び/又は組織構成要素から作られ得る。
【0041】
図19は、図10において説明されたものと同一の特徴の多くが利用され得る、他の単一の弁尖設計を示す。この設計における主な差異は、エッジ62/64が、ステントの基部の周囲に折り曲げられる代わりに、図示される目安線67/69に沿って弁尖のOD上へと巻き戻される、という点である。そのため、ステントスカートの流入(inflow)に対する弁尖エッジ密封の代わりに、この設計は、逆圧を受けてポケットを形成し、縫合線に沿ってシームを有さない。3D描写に関しては、次の図を参照のこと。前の設計と同様に、かかるフラップが戻るように折り曲げられるとき、三角形部分65は閉じるため、弁尖がよじれない。かかるフラップが弁尖ODに対して戻るよう折り曲げられるため、弁尖が開放するとき、フラップ64は実際に、上方基部ステント部40と弁尖との間においてバッファを形成する。
【0042】
図20a−bは、単一の弁尖60の3D図である。図20aは上部断面図であり、図20bは側部断面図である。矢印は、弁尖フラップ62/64が1つの代表的な弁尖60bに対して弁尖OD上へと戻るよう折り曲げられる場所を示す。図12a−bにおいて示される巻戻し設計は、この設計において単にポストに沿う代わりにエッジ67/69全体に沿って延在することを除いては類似している、とことが留意される。
【0043】
図21は、継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。開口150を形成するよう共に一致する3つの単一な弁尖60a−cの代わりに、この設計は、弁尖材料の単一な継続する一片160を有してこれを達成する。示されたエッジ170は、前述されたものと類似する方途においてステントIDに対して縫い付けられる。破線180は、弁尖材料160が交連を形成するよう折目をつけられ、且つポスト20に対して取り付けられる場所を示す。この設計の平らな部分190は、中心軸に向かって押されるとき、更なる図において示される通り膨らみ部(belly)を形成する。
【0044】
図22は、継続的な弁尖材料160の折り畳まれた3D図である。要素の説明に関しては、図21に対する上記説明を参照のこと。
【0045】
図23a−bは、弁尖160及び補助構成要素組立体に対する2つの方法を示す。これらは、図12a及び12cに類似した図であり、類似する構成要素に対しては再度同一の参照符号が使用される。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1)ステント20と弁尖材料160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減させる。 (2)(継続的な弁尖構造160からの)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)弁尖の下部エッジは、追加的なバッファ層を可能にするよう弁の中心に向かって巻き戻される(図20a及び20b中の線67に沿った折り曲げに類似する)。取付け技術における主要な差異は、弁が折り畳まれるときにセル間において十分な場所がある場合には弁尖材料160がステントポスト全体の周囲に巻き付くか、あるいは、弁尖材料160が継続的にポストIDのみにおいて折り曲げられる(図23b)、ということである。
【0046】
図24a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する固体である独立して屈曲するポスト20、及び、2つの別個の部分へと分岐する(二分する)上部における開放部分24を備える。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5を参照のこと。
【0047】
このステント10のIDを縁取り得るバッファ層70は、図6−8において示されるが、フォーク形状にされた上部を備える。
【0048】
図25a−bはこのステント設計に対して使用され得る、(図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する)単一の弁尖設計を示す。主要な差異は、側部フラップ62が、ステントポスト20の上部における(開放部分24の両側上における)フォークのODの周囲にフラップが巻き付くようにするスリット200を該フラップにおいて備える、ことである。
【0049】
図26a−bは、弁尖60及び補助構成要素組立体に対する2つの方法を示す。ここでも、該図は図12及び23等に類似する図であり、同一の参照符号が類似する構成要素に対して再度使用されている。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう(縫合90を使用して)共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)弁尖60の自由端部62は、図26a中の追加的なバッファ層を与えるよう弁の中心に向かって巻き戻される。 (5)フォーク形状のポスト20間の間隙24は、ポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (6)図26b中のODに対して取り付けられる弁尖は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。
【0050】
図27は、ステントポスト20のフォーク状にされた上部部分の周囲に巻き付く(図25a又は25b中のスリット200の上方における)側部フラップの上部202及び個別の弁尖の3D図である。
【0051】
図28は、ポスト20の下方部においてアイレット22を排除するためのステント設計の他の変形を示す。弁尖フラップ62をポストに対して取り付けるための開口がない場合、弁尖フラップは、この下方部分の長さに沿って、並びに/あるいは拡張可能なステント部を取り囲むカフ材料を介して、共に縫合され得る。
【0052】
図29a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中間部24において開放する(即ち二分された)独立して屈曲するポスト20を備える。該ステントはまた、弁尖基部及び他の材料を固着するよう終端単一アイレット26を備える。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5を再度参照のこと。
【0053】
図30は、非拡張開放ステントポスト20及び張り出されたスカート50を有する設計の変形の一例を示す。
【0054】
図31は、独立した交連ポスト20を有するチューブから一部(ステント10)をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らであり且つ折り畳まれた状態の拡大図を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中間部において(即ち参照符号24において)開放する独立して屈曲するポスト20を備える。追加的に、この設計は、ステントポスト20上のより高くにおいて接続部28を備え、故にポストのカンチレバー状態を低減し、それによって必要に応じて可撓性を低減する可能性がある。しかしながら、弁組立体は、ステントポストの中心スロット24を介して弁尖を内部にはめ込まれるときに分離されない。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5及び29を再度参照のこと。
【0055】
図32は、図6に示される特徴に対して加えられ得る特徴を有するバッファ層の設計を示す。矩形のフラップ72は、ステントポスト20のIDを縁取る。「I」字形状のスリット210は、材料70を通って切断され、結果もたらされるフラップは、IDからODまでステントポスト20の中央部24を通って巻き付けられ、続いて適所において固定される。
【0056】
図33a−bは、このステント設計に対して適用され得る図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主要な差異は、側部フラップ62全体が中心スロット(図29中の参照符号24)を介して、それが固定されるODの周囲において通過する(次の図を参照のこと)、ことである。
【0057】
図34は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。ここでもこの図は、図12及び23等に類似しており、同一の参照符号は、類似する要素に対して再度使用される。留意されるべき主な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)ポスト20の側部間におけるギャップ24は、ポストの間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (3)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレームに対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。
【0058】
図35a−bは、中心スロット24を通って引かれ、ステントポスト20のODの周囲に巻き付けられる単一の弁尖60を有するこの種類の設計の一例を示す。また、バッファ材料70及び弁尖60は、参照符号220において示される通りステント基部の周囲に僅かに巻き付く。かかる図は、複数の範囲において弁尖材料を透明であるかのように示す。
【0059】
図36は、継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。開口150を形成するために共に合致する3つの単一の弁尖60の代わりに、この設計は、単一の継続的な一片160を有してこれを達成する。図示されるエッジ170は、前述された方途に類似する方途においてステントIDに対して縫い付けられる。破線180は、1つの代表的な弁尖の交連が折目を付けられてポスト20の中心スロットを通って引かれるところを示す。この設計の平らな部分190は、中心軸に向かって押されるとき、前の図において示される通り膨らみ部を形成する。
【0060】
図37は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。ここでも図37は、図12及び23等に類似しており、類似する構成要素を示すようこの種類の全ての図において同一の参照符号が使用される。留意すべき主な特徴配下の通りである: (1) ステント10と弁尖160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)ポスト20の側部間におけるギャップ24は、ポストの間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (3)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖160の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)(参照符号180において)ODに対して取り付けられる弁尖160は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)弁尖160は、交連20において完全に密封される。
【0061】
図38a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント10)をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中央部24において開放する独立して屈曲するポスト20を備える。追加的に、この設計は、スロット24の下部において孔28を備え、ポスト20が三角形上へと拡張し得るようにする。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5が再度参照される。
【0062】
図39は、拡張された状態において三角孔24/28へと形成された折り畳まれた状態にあるときに中心垂直方向スロット24を有するステントの変形の一例を示す。このポスト20の三角孔は、例えば垂直方向非拡張ポストより自然弁の輪郭形状に更によく似ている。
【0063】
図40は、図6に示される特徴に対して加えられ得る特徴を有するバッファ層の設計を示す。上方向に延在するポストフラップ72は、ポストが三角形状へと拡張されるときにステントポスト20のIDを縁取る(例えば図39中参照符号24/28で示される通り)。スリット210は、バッファ材料70を通って切断され、結果もたらされるフラップは、IDからODまでステントポスト20の中央部24/28を通って巻き付けられ、続いて適所において固定される。
【0064】
図41a−bは、このステント設計に対して適用され得る図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主な差異は、交連における側部フラップ62が離れて広げられ(三角形のステントポスト孔24/28による)、故に追加的な密封の方策が必要とされる、ことである。
【0065】
図42は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これは、図12及び13等に類似する更に他の図であり、類似する要素に対して同一の参照符号を使用している。加えて、線230は、ポスト20における三角孔24/28を密封する要素70又は60と同一又は類似する材料特性を備えるパッチを示す。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (3)フラップ62を介してODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (4)三角形上ポスト20/24/28は、自然弁の輪郭形状に更によく似ており、そのためより最善に機能する。
【0066】
図43は、自然弁の輪郭形状に更によく似ている三角形交連範囲24/28をもたらす開放する拡張ポスト20を有するステントの変形の一例を示す。パッチ230は、密封得環境を確実なものとするよう、アイレット22を通ってステント10の基部の周囲において縫合される。ステントOD上にはカフ材料80の二重層があり、自然大動脈起始部組織に対して押されるときにより優れた密封及び組織の内部成長を支援する、ことも留意される。
【0067】
図44は、このステント設計に対して適用され得る図10において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主な差異は、1つの側部フラップ62が三角孔を密封するよう使用される伸張部を備える、ことである。
【0068】
図45は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これも図42に類似し、同一の参照符号は、これらの図の両方において類似する要素に対して使用される。留意されるべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (3)ギャップ24は、ポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対して十分に大きい。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)参照符号162における1つの弁尖の二重背部(doubling back)は、三角形ステントポスト孔24/28を密封する支援をする。
【0069】
図46は、三角形の拡張ポスト孔24/28を密封する支援をするためにそれ自体にわたって折り畳まれる拡大された三角形側部フラップ162を有する単一の弁尖の設計の一例を示す。図46は、弁尖及びフラップ材料をステントフレームに対して固定するよう典型的に使用される縫合に関する描写は省いている。
【0070】
図47は、拡張ポスト20/24/28の設計に対して取付け及び密封を支援する複数の特徴を有する継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。三角形の切欠き242を有するフラップ240は、ステント10の基部の周囲に巻き付けられる。エッジ250は、弁尖膨らみ部の基部(base of the leaflet belly)を形成するようステント10に対して縫合される。エッジ244は、ステント10の基部の周囲に固定される。部分260は、三角形ポスト孔24/28を通って引かれ、ポスト20のODの周囲に折り曲げられ、該部分自体上で折り畳まれる。部分262は、三角孔24/28をカバーする。フラップ270は、カバー262の密封を高めるようステントの基部に向かって延在し、エッジ246及び276に沿って他のフラップ240に対して接合される。更なる詳細に関しては、次の図が参照される。
【0071】
図48は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これも図45に類似し、類似する要素に対して同一の参照符号がここでも使用される。留意されるべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)三角形ステントポスト孔の上部頂点におけるポスト20の側部間におけるギャップ24は、かかる位置におけるポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対して十分に大きい。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖160は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)弁尖160は、参照符号262において示される通り三角形交連20/24/28において完全に密封される。
【0072】
図49は、継続的であるしっかりとした密封を達成するよう中央部において三角形部分262を有するエッジ260においてそれ自体にわたって二重にされる単一の弁尖の設計の一例を示す。
【0073】
図50は、図5a及び5bにおいて示されるものと類似する構造の更なる展開を示す。図50は、アイレット22及びスロット23の組合せを示す(本明細書において可能性として前述されている)。上部及び下部ポストアイレット22は、弁尖60を所定の位置へと固着し、スロット23は、縫い針の複数の通過及びより容易な組立てを可能にする。図50は、平ら又は平坦な描写において、また、折り畳まれた状態又は構造において、金属構造10を示す。ここでも、弁尖60の取り付けに対する交連ポスト20においてスロット23及びアイレット22の組合せがある。他の範囲におけるアイレット21は、弁尖60、カフ材料80、及び/又はバッファ材料70を取り付けるよう多種に使用され得る。図51は、拡大状態における図50中の構造を示す。
【0074】
図52は、図10及び19に示される一般的な種類の単一弁尖の設計の単純な例を示す。この単純化されたものは、組織がどのように動作するかには変動があり得るため、必要に応じて技術者が弁を組み立て及び整え得るようにする。この設計はまた、密封を高めるための孔の量を低減する。図10及び19に併せて上述されたものと同一の原理は、適用される。この設計は、図10及び19の弁に対して使用され得、続いて必要に応じてステント10の形状に整えられ得る、ことも留意される。
【0075】
図53a及び53bは、図12a−cに示される種類の構造の更なる展開を示す。特には、図53a及び53bは、弁尖60に対する縫合取り付け90a及び/又は90b、及び真っ直ぐな固体の交連ポスト20の前面図(外径)を示す。かかる基本的な概念は、他のポスト設計において使用され得る、ことが留意される。図53aは、単に垂直方向におけるステント材料の周囲において輪にされる(looped)縫合90aを示す。図53bは、垂直方向における縫合90a及び水平方向における縫合90bを示し、図12a−cの上面図において示されるものを更に示すものである。
【0076】
図54−57は、図13−16に示される一般的な種類の構造の更なる展開を示す。図54−57は、追加された組織構造を有する修正されたステント10の例である。図54は、図53aのように組織弁尖60取付け部を有する弁の側面図である。図55は、図13に類似するが組織弁尖60を有する上面図である。図56は、下部エッジの周囲に巻き付けられる弁尖組織を有する下面図である。(この弁尖組織はまた、弁の設計に依存して、ファブリック及び/又はバッファ材料の他の層の上方にあり得る。)図57は、下部エッジにおいて終端する組織を有する下面図である。弁尖形状に対するトレース300が示されている、ことも留意される。かかるトレース300は、組立て技術者が弁を適切に成形及び組立てする支援をするための弁尖材料上における一時的(又は恒久的)なマーキングであり得る。
【0077】
図58−60は、図20に示されるものと同様の構造の更なる展開を示す。図58−60は、弁がどのように見えるかを更に明確にするためにこの概念を有して作られた弁を示す。図58は、弁尖の自由エッジが接合しているときにポケットを形成するよう折り畳まれる弁尖の下面図である。図59は、継続的なポケット310及び参照符号320においてステントの外形に対して整えられた巻き上げられた弁尖の側面図である。バッファ及びカフ材料はまた、拡張可能なステント部の輪郭を縁取るよう形成され得る。
【0078】
図61は、図30及び31に示されるものと同様である構造の更なる展開を示す。図61は、拡張されているニチノール部(ステント)10を更に展開したものを示す。この設計はまた、アイレット22及びスロット23、並びに取付けに対してステントの周囲における多種の場所においてアイレット21を組み込む。この設計も、前述の例と比較して、下部40/50において周囲が閉鎖され(closed-perimeter)、中心が開放され、円周方向に折畳み可能/拡張可能である更なる一列のセルを備える、ことが留意される。
【0079】
図62は、複数の利点を備え得る単一の弁尖形状60を示す。例えば、本明細書において前述された複数の弁尖形状に比較して、図62の形状は、人工弁が折り畳まれるときに折り畳まれる必要がある弁尖組織の量を低減し得る。このことは、患者へのより侵襲性が少ない送達のためにより小さな寸法まで折り畳まれることを支援し得る。かかる弁尖形状はまた、切離しが発生する傾向があり得る弁膨らみ部の基部において高応力範囲を再分配する(redistribute high stress area)支援をし得る。かかる修正の全ては、弁の機能及び耐久性を高め得る。
【0080】
前述された複数の実施例における通り、線300は、人工弁への弁尖の組立を支援するための弁尖60上の目安線である。更には、かかる線の複数は、以下の説明において弁尖の特定の部分の境界を定める役割を有する。線300a−bに沿って、線の外側における弁尖材料は、線の内側における弁尖材料上において折り畳みこまれ得る。特には、線300bはまた、それに沿って弁尖の基部が弁の他の構造に対して縫合され得る線である。例えば、このことは、弁のカフ材料80を通って弁尖の基部を固定することもたらし得る。この配置は、(例えば参照符号400で概ね示される範囲における)弁尖の基部における応力を(例えば参照符号410で概ね示される範囲へと)湾曲300bに沿って上方向に分配する支援をし、かかる応力を分散させ、また該応力がまさに弁尖基部において集中することを防ぐようにする。例えば、図64は、目安線300bの外側における弁尖材料62bがどのように弁尖60の残りの部分の外側において折り畳まれ得るかを示す。このことは、弁尖材料の二重層を作り、該層は、耐久性を高めるよう縫合90を使用して(弁の他の構造に対するものも含んで)通して縫合され得る(sutured through)。
【0081】
図62に戻り、図62中の弁尖を使用して図63に示されるような代表的な人工弁交連ポスト20を参照すると、弁尖フラップ部62aは、ポスト20に関連して位置付けられ得るため、部分62aは、ポスト20における最上部水平方向アイレット23aの上方に置かれる。続いて弁尖フラップ部62cは、ポスト20における最上部垂直方向アイレット23dと水平方向のアイレット23aとの間において位置付けられる。更なる弁尖フラップ部62dは、フラップ部62cの下方にあり、ステントポスト20の上方部における3つの垂直方向アイレット23dに対する(例えば縫合を介する)取付けに対して位置付けられる。図63中の破線は、ポスト20に対して固定されるときに弁尖フラップ部62dのおおよその境界を示す。アイレット23dの下方におけるポスト20の範囲は、例えばカフ80の取付け、縫合結び目の隠蔽、及び他の特徴に対しての追加的な範囲として使用され得る。
【0082】
前述された複数の弁尖の実施例と比較して、図62の弁尖は、目安線300bの外側においてより少ない弁尖材料を有し得る。前述された通り、このことは、弁における弁尖材料の量を低減する支援をし得、それによって弁をより小さな周方向寸法まで折り畳むことを容易にし得る。
【0083】
これより本発明に従った人工心臓弁の構成において重要であり得る他の考察を参照すると、弁尖60がカフ材料80を通って固定されるとき、カフ/縫合/弁尖の摩滅を導き得る低減された運動を有する弁尖の耐久性のある固定を確実なものとすることは、望ましいとされる。カフ80の終了(Termination of a cuff)は(特には、ステントが、本願における複数の実施例において参照符号50で示されるように外方向に広がるとき)、困難であり得る。図65及び複数のその後の図は、かかる問題に対処する支援をし得る構造を示す。
【0084】
図65に示される通り、カフ80は、かがり縫い縫合90aを有してステント部40及び50を形成するセルのストラットを縁取りすることによって固定される。加えて、ステント部40及び50は、垂直方向バー44によって互いに対して接続される複数の環状に延在する蛇行性、波状、又はジグザグ状の部材42a−cを有するよう、構成される。蛇行部材42a−cは、人工弁を周方向に折り畳み得るよう、あるいは拡張させ得るよう、環状に圧縮又は拡張する。しかし、垂直方向部材44は、蛇行部材のかかる環状の圧縮又は拡張中にその長さを変えることがない。このことは、周方向の圧縮又は拡張中に人工弁が軸方向長さを変える量を低減する支援をする。このことは同様に、ステント部40/50に関連してシフトするカフ80の傾向を低減する支援をし得る。垂直方向バー44はまた、縫合縫い目90bによってカフ80に対して固定され得る。この例において、カフ80及びバッファ材料(弁尖60とカフ80のファブリックとの間に隠されている)は、ステントの内径(「ID」)において取り付けられ、ステントフレームの高さの上方向あるいは下方向になんらかの距離(any distance up or down the height)を延在し得る。(図65は、互いに一個構成である構成要素20,42及び44の全てを示すが、かかる構成要素のうち複数又は全ては、最初は互いから離され得、その後他の構成要素と組み立てられ得る。)
上述に加えて、本発明は、ステントセル端部に対してカフ80をしっかりと固定することにおいて起こり得る困難に対処し得る。例えば、特にはステント部40が参照符号50に示される通り広げられるとき、近接するカフ材料80は、弁尖60がカフ材料に対して固定されて荷重を受けるとき、ステントに沿って垂直方向に滑る傾向を有し得る。図65中の参照符号440は、このことが問題となり得る代表的な場所を示している。かかる場所440においてアイレット91を縫合が通ることは、材料が滑ることを防ぐ支援をし得る。図66−68はまた、カフ80をステントに対してよりしっかりと固定する支援をするためにステントセルの上部及び/又は下部において与えられ得る複数の他の形状を示す。例えば、図66は、代表的なステントセル40/50の端部における拡大された節状部(knob)450を与えることを示す。節状部450は、小さなネック領域452によってステントセルに対して接続される。縫合材料90は、図66に示される通りネック452の周囲に巻き付けられ得、縫合90によってステントに対して固定される他の材料が図示されるステントセル端部から離れて(本例においては)上方向に動くことを防ぐ支援をする。
【0085】
他の例として、図67は、ステント材料におけるノッチ460を示し、該ノッチは、関連付けられるセル端部40/50から離れるよう開放する。縫合(及び縫合によって固定されたもの)がステントセル端部に対して(本例においては)上方向にシフトし得ないことを確実なものとするよう、縫合材料90は、ステントセルから反復的に通る。
【0086】
更に他の例として、図68aは、ステントセル40/50の端部において部分的に形成されたアイレット470を示す。アイレット470は、縫合材料90が通過するよう十分に大きいが、縫合針が通過するには十分大きくないこともあり得る。しかしながら、縫合材料90は、アイレットの開放側部472を通ってアイレット470へと引かれ得る(該開放側部は、ステントセル40/50の端部又は頂点からみて外方を向く)。縫合材料90は、ステントセル40/50内側からアイレット470を通り、ループ状(図8)又は他のパターンにおいてステントセル40/50へと戻るよう(反復的に)通され得、縫合90及びステントセルの端部に対して縫合90によって係合される他の材料(カフ80等)を固定するようにする。再度、図66及び67において示される構造の場合と同様に、これは、縫合90によって固定される他の材料(カフ80等)がステントセル40/50の端部に対して上方向に(本例においては)動くことができない方途において行なわれる。
【0087】
図68bは、図67に対する代替案を示し、縫合90は、ノッチ460を通過する一環としてそれ自体に組み合わせられる(interlocked)。図68bにおいて示される組み合わせはまた、図68aに示される形状等である他のステントフレーム形状を有して使用され得る。
【0088】
図69aは、図12bに示されるような構造の可能な修正を示す。この代替案において、強化コア500a又は500bは、弁尖60a及び60bのフラップが周囲に折り曲げられる折目を付けられる範囲を裏打ちする(lines)。コア材料500a/bは、他の組織、ポリマ、金属、及び/又はファブリックであり得る。弁尖50a又は60bのフラップは、既に示されているものに類似する方途においてステント20を通って縫合される(90a又は90b)。弁尖のフラップ60a及び60bは、コア500a/bの周囲に追加的に巻き付けられ、束状構造を形成するよう追加的な縫合510を介して固定される。これは、組織の裂傷に更なる強化を加え得、また、図69bによって示される通り弁尖の摩滅を軽減し得る。弁尖(60b等)とコア(500b等)とをまとめることによって、弁尖は、ステントのフレーム10にぶつかるよう上に向かって全開にされ得ない。言い換えれば、図60b中の両方向矢印で示されるようなクリアランスは、保持される。
【0089】
図70は、自己拡張ステントの設計の一例を示し、該自己拡張ステントは、交連ポスト20と、埋め込まれた弁を通る血流の方向においてポスト高さの上方向に50%より多くである(more than 50% up the post height)弁輪部40の残りの部分との間において最下流接続(downstream-most connections)530を有する。これは、他の実施例におけるよりも本実施例においてポスト20のカンチレバー状態を低減する(the posts 20 are less cantilevered)、ことを意味する。この設計は依然として、他の実施例に対して説明されてきたものに類似する方途において弁の他の構造に対して弁尖を取り付ける性能を保持する。
【0090】
図71は、バルーン拡張ステントの設計の一例を示し、該バルーン拡張ステントは、各ステントポスト20とポスト20の上部までにわたるステント10/40の残りの部分との間において最下流接続530を有する。図71は、完全に拡張された状態におけるステント10を示す。この設計は依然として、他の実施例に関して図示及び説明されているものに類似する方途において弁の他の構造に対して人工弁の弁尖を取り付けるための性能を保持する。図71中のステントは、図68に示されるものに類似するステントの基部における取付け構造470/472を有する。かかる構造はまた、弁に対する送達システムに人工弁を取り付けるための組み合わせ(interlocks)として使用され得る。
【0091】
図72は、弁の全3つの弁尖を与えるよう形成され得る(例えば弁ステントに対して取り付けられるとき)弁尖材料の1つの継続的なシート160の他の例を示す。故に図72は、図21等である他の図において示されるものに対する代替案を示す。この継続的な設計は、本明細書において説明されている通り交連ポスト20の上部に対して取り付けるよう組み込まれるフラップ540を備える。他の差異は、各弁尖となる自由エッジ61の半径方向内向きの輪郭又は突出部である(bulge of the free edge 71 of what will be each leaflet)。この突出部は、弁が閉じられるときに弁尖の追加的な接合を与える。
【0092】
図73は、本発明の原理のうち複数が、シート材料からのみではない弁尖を使用する折畳み可能であり且つ再拡張可能な人工弁に対して適用され得る点を示す。例えば、ウシ頚部又はブタ大動脈起始部(又は個別の弁尖)550は、弁ステントの交連ポスト20に対して取り付けられ得る。言い換えれば、図73に示される人工弁において、弁作動は、動物から取られた無傷組織弁(又は弁尖)550を有することによって与えられる。
【0093】
図74a−cは、図65に示されるものの複数の変形の例を示す。例えば、図74aにおいて、基準線560aは、弁のカフ80に対して(下部又は上流部の近くにおいて)取り付けられる1つの代表的な弁尖の輪郭を示す。(基準線560aとは別に、図74aは、弁尖60を省略し、構造の背部を示すようにはしていない。基準線560aは、主として説明を目的として示される。この線は、構造自体を描写するものではなく、主に形状の参考のためのものである。同一のことは、以降の図中の基準線560b及び560cにも当てはまる。)図74aは、バルーン拡張弁を示し得、該バルーン拡張弁は、ステントの弁輪部40の高さの約75%(即ち弁輪部40の高さの下方75%)に対して取り付けられるブタ組織バッファ層(ファブリック80の内径(「ID」)に隠されている)及びファブリックカフ80を有する。(ステント部40は典型的に、患者の自然心臓弁輪の輪においてあるいはその近くにおいてインプラントされるため、弁輪部と称され得る。)図74a中の基準線560aは、1つの交連ポスト20の下部アイレット22から次の交連ポスト20までにわたって真っ直ぐに取り付けられる弁尖の下方部分を示す。また、図75が参照される。図75は、その上に重ねられる基準線560aを有するかかる弁尖60の一例を示す。
【0094】
図74bは、ステントの弁上生40の全高さに対して取り付けられるブタ組織バッファ(ファブリックのIDにおいて隠される)及びファブリックカフ80を有する自己拡張弁を示し得る。基準線560bによって示される通り、典型的な弁尖60は、ポスト20の上方の一部に取り付けられ、弁尖の膨らみ部は、ポスト下方のステント基部に向かって徐々に輪郭を示す(contours)(湾曲する)。
【0095】
図74cは、ステントの外径(「OD」)上のファブリックカフ80及びステントのID上のブタ組織バッファ(可視ではない)を有する自己膨張弁を示し得る。(図74cは、カフ80を透明であるかのように示すこと、また該図は、ステントフレームに対してカフ80を固定するよう典型的には使用される縫合の図を省略する、ことが留意される。)基準線560cによって示される通り、本場合の典型的な弁尖60は、ポスト20の下部の近くにおいて取り付けられ、弁尖の膨らみ部は、ステント基部に向かって徐々に輪郭を示し、その点において、ステント基部、カフ80、及び図66−68において示されるような機能に対して取り付けられ得る。
【0096】
図76a−bは、交連ポスト20(例えば図63に示される)及び適合する弁尖60(例えば図74bに示される)の変形の例を示す。図76a−bは、前述された通り(例えば図74bと関連して)、弁尖60がどのようにステントポスト20の多種の特徴に適合するかを示す。2つの下部アイレット23eは、弁尖取付けに対して必要とはされないが、カフ80固定に対して存在する、ことが留意される。また、一組のアイレット23d’は、弁尖輪郭(湾曲)の移行を支援するよう上方のアイレットの組から僅かに離されて配置される。
【0097】
図77a−gは、弁尖が弁の他の構成要素に対して組み立てられ得る複数の方途を示す。図69a−b等の図が交連ポスト20に対する弁尖取付けの範囲に焦点をおく一方、図77a−g等の図は、交連ポスト20以外のところに対する弁尖取付けに適用し得る。かかる図の各々において、二重垂直線は、ステント10(弁輪部40等)、バッファ層70、及び/又はカフ層80のような要素の所望される配置及び/又は組み合わせを示す。要素60は弁尖材料であり、要素90は縫合材料であり、要素500は強化コアである(例えば図69a−bに示される通り)。弁尖570の下部570は、より強いシームを作るようコア材料500を有して支持され得るか、並びに/あるいは折り曲げられ得る。このシームは続いて、多種の技術を使用して縫合90を介してカフ80及び/又はステント10/40に対して固定され得る。例えば、図77aに示される縫い目90は、一度弁尖組織60/570の層を貫通し、下部の周囲にかがり縫いされる。図77b中に示される縫い目は、組織60/570の層を2度貫通する。強化コア500(図77c−f)は、折り曲げられた弁尖60/570の内側に配置され得る。弁尖(主要部分60)は、図77cに示される通りカフ80とカフ500との間において折り曲げられ得る。あるいは、弁尖60の主要部分は、図77dに示される通りコア500の前方を通り得る。コア500を加えることで、弁尖60は、全く折り曲げられる必要は無くなり得るが、図77e及び77f夫々において示される通りコアの前方/後方に対して単純に取り付けられ得る。更に他の選択肢は、折り曲げ可能なコア材料580を使用することであり、それによって図77gに示される通り弁尖60の端部を挟むようにする。前述された通り(例えば図69a/bに関連して)、強化コアの材料は、他の組織、ポリマ、金属、及び/又はファブリックであり得る。故に、強化コア500又は570等は、剛性であり得る(金属等)か、あるいは軟性であり得る(ファブリック、組織等)。強化は、本願における複数の図において弁尖上に示される縫合破線(例えば図76b中の線575)又はかかる縫合線の一部におよぶ。剛性の強化部材は、ポスト20のアイレットに対して平行であるか並びに/あるいは垂直であるアイレットを有し得る。
【0098】
図78a及び78bは、交連ポスト20に対して弁尖フラップを取り付けるよう使用され得る縫合パターンの複数の例を示す。図78aにおいて、1つの縫合90はポスト20に対して弁尖フラップを取付けるよう使用される。縫合90は、下部右側アイレットにおいて開始し、縫合尾部が残る参照符号590においてあるいはその近くにおいて一時的に固着される。縫合90は続いて、下部アイレット23から上部まで(連続的アイレット及び弁尖フラップ(図示せず)を通って前後に)および、その後同一の側部まで(再度、連続的アイレット及び上述した弁尖フラップを通って前後に)戻る。縫合90は続いて、同一のパターンを反復するようアイレットの他の列に対して参照符号590の近くにおいてクロスオーバーする。最終的には、縫合端部は、参照符号590において縫合尾部に対して結び留めされる。
【0099】
図78bに示される代替案において、ポストアイレットの各側(即ち左側アイレット又は右側アイレット)は独立して縫合され(縫合90aは左側の590aから始まり、縫合90bは右側の590bから始まる)、各縫合は最終的に、夫々590a又は590bにおいてそれ自体の尾部に対して結び留めされる。
【0100】
添付の請求項の用語はある程度、本詳細な説明におけるこの時点までに使用される用語と異なり得る。特定の請求項の用語が言及するものの複数の具体的な例は、以下の通りである。支持構造10; シート状の可撓性である弁尖部材60/160; 弁尖の自由エッジ部61; 支持構造の内部にわたる可撓性のコード(例えば、図18a又は図20a中の参照符号131を参照のこと; かかるコードは、典型的には真っ直ぐなコードではないが、ゆるく且つ可撓性の有るコードである); フラップを形成するコードの端部を越える弁尖の材料62; 支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面(かかる円筒表面は、夫々支持構造10のID(内径)及びOD(外径)として前述されたものによって画定される抽象的幾何学的形状である; かかる円筒表面は、必ずしも円形ではなく、その代わりに長円系、楕円形等である他の形状を備え得る); 縫合90; 支持構造の内側表面(支持構造10のID); 支持構造の外側表面(支持構造10のOD); 固定ライン部67/170/250/300b; 弁尖63/190/310の膨らみ部(belly portion); 第2のフラップを形成する膨らみ部から離れて固定ライン部を越える弁尖の追加的材料64/240/370/62b; 図1aに示される通り構造10の下方端部等である、支持構造の軸方向端部; シート状の可撓性であるバッファ材料70; 環状に離間された交連ポスト20a−c; 支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされる(cantilevered)。例えば、交連ポスト20は、上方自由端部を有し得、該上方自由端部の下方において支持構造10の残りの部分に対してのみ取り付けられる(この交連ポストの上方自由端部をカンチレバー状態にすることは、本願においては独立した可撓性と称されることもあるものを交連ポストに与える。それは、例えば、交連ポストの上方自由端部が支持構造10の他の部分とは少なくとも多少無関係に半径方向内向き及び外向きに屈曲し得る、ことを意味する)(図65においてポスト20はカンチレバー状態にされていなく、ステントフレーム全体が応力を低減するよう屈曲する、ことが留意される); 2つの離間された部材へと分岐される交連ポスト。例えばノッチ又は開口24の対向する側部上における交連ポスト部分; 支持構造が周囲において環状である軸に沿って互いから離間される、環状である環状に折畳み可能且つ拡張可能なサブ構造42a−c; 上述された軸に対して実質的に平行であり、上述されたサブ構造42a−cを相互接続する連結部材44; 3つの側部61を有する中心孔150を備える可撓性の弁尖材料のシート160; 弁尖連結範囲180; シート160は、フラップ240/270を形成するよう固定ライン部250の少なくとも1つの少なくとも一部分を越えて半径方向外向きに継続する; 支持構造の環状である方向において延在する参照符号42c等であるジグザグパターンで配置される複数の部材; 支持構造がその周囲において環状である軸に対して平行である支持構造から離れる向きを指す頂点440において集まる少なくとも2つの部材(例えば、4440において集まる2つの部材); 支持構造に対して固定される可撓性材料70及び/又は80のシート; 複数の可撓性弁尖60/160; 頂点440における縫合取り付け90; 頂点440はアイレット21を有する; 縮小されるネック部452の端部上の拡大されたヘッド部450; ノッチ460; ノッチは、その入口462の近くにおいて狭められる。本段落において与えられる特定の請求項用語に対する例は、単なる実例である。この単なる一例として、特定の図中の特定の特徴及び要素に対して使用される参照符号の全ては、同一又は類似の特徴又は要素の全ての再出現に対して全ての図において反復される。
【0101】
前述は、本発明の原理の単なる例証であり、多種の修正は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者によって行なわれ得る、ことが理解される。例えば、本発明に従った弁におけるステントに用いられるセルの数は、上述された多種の実施例において示される数とは異なり得る。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【技術分野】
【0001】
本願は、本願において全体的に参照として組み込まれる、2007年9月26日出願、米国仮特許出願第60/995,648号明細書(特許文献1)の便益を主張する。
【背景技術】
【0002】
現在の折畳み可能な人工心臓弁(collapsible prosthetic heart valve)の設計は、弁置換術(例えば大動脈弁置換術)を必要とし得るが他の手段によっては適切に処置されない患者の体内における使用に対するものである。折畳み可能な人工心臓弁は、チューブ状の送達(デリバリ)器具を介して折り畳まれた状態において患者へと送達されるよう設計される。折り畳まれた状態において、弁は、低減された環状、半径方向、又は周方向の寸法を備える。患者への弁の送達は、従来の開胸/開心手術よりも侵襲性が少なくなり得る。弁が患者における意図された埋込み箇所に到達するとき、弁は、動作寸法まで再拡張するか、あるいは拡張される(例えばバルーン拡張される)。弁の折畳み及び再拡張は、望ましくは弾性である(elastic)が、代替的に可塑性(plastic)、弁の特定の構成要素の形状記憶特性の結果、あるいは、弾性、可塑性、及び/又は形状記憶の多種の組み合わせであってもよい。同様に、可塑性拡張は、一時的に弁内側に配置されるバルーンの膨張の結果としてなされ得る。この一般的な種類の設計は、切除された(resected)並びに/あるいは外科的に切除された(debrided)自然弁尖の有無に関わらず、経皮的、経心尖的(trans-apically)、あるいは外科的に埋め込まれ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/995,648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願において開示される人工心臓弁は、折畳み可能な弁(独立して屈曲する交連ポスト(commissure posts)を有し得るかあるいは有し得ない)、及び、弁尖(leaflets)及び補助構成要素を組み立てるための独特な方途を組み込む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の可能な態様によれば、人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造、及びシート状である可撓性の弁尖部材を有し、該弁尖部材は支持構造内側にはめ込まれ(mounted)、弁尖の自由エッジ部は、支持構造の内部にわたって可撓性のコード(flexible chord)を形成する。弁尖の材料は、コードの一端を越えて延在し得、フラップを形成する。該フラップは、支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる。
【0006】
上述されたフラップは、支持構造に対して固定され得る。例えば、フラップは、支持構造に対してフラップを固定するよう支持構造に対して縫合され得る。より特定の一例として、フラップは、支持構造の内側表面によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置し得る。あるいは、フラップは、支持構造の外側表面によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう支持構造を通過し得る。
【0007】
弁尖は、弁尖の介在膨らみ部(intervening belly portion)にわたって自由エッジ部から離間される固定ライン部(secured line portion)を備え得る。固定ライン部は、支持構造に対して固定され得、前出の膨らみ部から離れる固定ライン部を越える弁尖の更なる材料は、支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる第2のフラップを形成し得る。
【0008】
上述された第2のフラップは、弁尖の自由エッジ部に向かって折り曲げられ得、支持構造内側において支持構造に対して固定され得る。あるいは、第2のフラップは、自由エッジ部から離れて折り曲げられ得、支持構造内側において支持構造に対して固定され得る。特に後者の場合、第2のフラップは、支持構造の軸方向端部を越えて継続し得、支持構造の外側に対する追加的な固定に対して支持構造の外側に戻るよう該軸方向端部にわたって追加的に折り重ねられ得る。
【0009】
本発明に従った人工心臓弁は、支持構造と弁尖との間においてシート状である可撓性のバッファ材料を更に有し得る。バッファ材料は、支持構造の部材だけではなく場合によっては該構造の開放セルもカバーする更に広範囲の継続的なシートを形成する代わりに、支持構造の特定の部材のみを縁取る(outlines)(カバーする)よう、代替的に与えられ得る。例えば、かかる縁取りするかあるいはより広範囲ではないバッファ材料は、浸漬コーティング又は噴霧されたポリマであり得る。
【0010】
本発明に従った人工心臓弁の支持構造は、複数の環状に離間された交連ポストを有し得、該複数の交連ポストの各々は、支持構造の他の構造からカンチレバー状態(張り出し状態)にされ(cantilevered from other structures)得る。上述された弁尖の自由エッジコードの端部を越えて延在する上述されたフラップは、交連ポストのうち関連付けられる1つに対して固定され得る。例えば、この固定は、関連付けられる交連ポストを通る開口及びフラップを通過する縫合材料によるものであり得る。フラップは、関連付けられる交連ポストの周囲に折り曲げられ得る。関連付けられる交連ポストは、2つの離間された部材へと2つに分岐され得る。フラップは、2つの部材間において交連ポストを通過し得る。
【0011】
本発明の他の可能な態様によれば、支持構造は、複数の環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能なサブ構造を有し得、該サブ構造は、支持構造がその周囲において環状である軸に沿って互いから離間される。支持構造は更に、複数の連結部材(linking members)を有し得、該連結部材は、上述された軸に対して実質的に平行であり、また、サブ構造が環状に折り畳まれ且つ再拡張するときに連結部材が変形することなくサブ構造を相互接続する。
【0012】
本発明の更に他の可能な態様によれば、人工心臓弁に対する弁尖構造は、3つの側部を有する中央孔を備える可撓性の弁尖材料のシートを有し得る。該側部の各々は、弁尖構造の3つの動作弁尖部の夫々1つの自由エッジを形成するよう形成される。シートは、3つの固定ライン部を追加的に備え得、該固定ライン部の各々は、夫々関連付けられる自由エッジの1つから半径方向外向きであり、該各々は、弓状であるため、関連付けられる自由エッジの終点からよりも関連付けられる自由エッジの中間点からのほうが半径方向に更に遠い。
【0013】
上述されたシートは、3つの弁尖連結範囲を画定し得る。該弁尖連結範囲の各々は、夫々の組の自由エッジの接合部から該組における自由エッジから半径方向外きである固定ライン部の接合部まで延在する。
【0014】
上述されたシートの使用に対して、本発明に従った人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能な支持構造を有し得る。上述されたシートは続いて、支持構造に対して固定された弁尖連結範囲及び固定ライン部を有する支持構造において配置され得るため、自由エッジは、支持構造の内部において集まり得る。支持構造は、3つの離間された交連ポストを有し得、該交連ポストの各々は、支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされ得るか、あるいはされ得ない。弁尖連結範囲の各々は、交連ポストの夫々1つに対して固定され得る。少なくとも1つの弁尖連結範囲は、弁尖連結範囲が固定される交連ポストにおいて支持構造の外側を通り得る。交連ポストの少なくとも1つは、2つの離間された部材へと分岐され得、該交連ポストに対して固定される弁尖連結範囲は、該交連ポストの2つの部材間を通り得る。
【0015】
上述されたシートは、フラップを形成するよう固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部分を越えて半径方向外向きに継続し得る。上述された通りの支持構造を有する人工心臓弁でのシートの使用において、かかるフラップは、支持構造に対して固定され得る。例えば、フラップは、支持構造の内側に固定され得る。あるいはフラップは、支持構造の外側に固定され得る。
【0016】
(上述されたとおりの)支持構造を有する人工心臓弁における上述されたシートの使用において、弁はまた他の可能性として、支持構造と弁尖材料との間においてシート状である可撓性のバッファ材料を有し得る。
【0017】
本発明の他の可能な態様によれば、人工心臓弁は、環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能な支持構造を有し得、該構造は同様に、支持構造の環状である方向において延在するジグザグパターンにおいて配置される複数の部材を有する。かかるジグザグパターンを形成する部材のうち少なくとも2つは、支持構造が周囲において環状である軸に対して平行である支持構造から離れて指す頂点において集まる。弁は更に、支持構造に対して固定される可撓性材料のシート、及び支持構造の内側に配置され且つ少なくとも部分的にシートに対して固定される複数の可撓性弁尖を有し得る。シートは、頂点において縫合取付け部(アタッチメント)を介して支持構造に対して少なくとも部分的に固定され得る。頂点は、頂点が指す方向に対向する方向において頂点から離れて縫合取付け部が動くことを防ぐよう形成され得る。
【0018】
具体的な一例として、上述された頂点は、縫合取付け部が通過するアイレットを有し得る。他の例として、頂点は、頂点が指す方向において延在する縮小されたネック部の端部において拡大ヘッド部を有し得、上述されたシートに対する縫合取付け部は、ネック部の周囲において巻かれ得る。更に他の例として、頂点は、頂点が指す方向において開放するノッチを有し得、上述された縫合取付け部は、ノッチの内側及び頂点の内側の周囲において巻かれ得る。上述されたノッチは、開放アイレットを形成するようその入口近くにおいて狭められ得る。かかる開放アイレットは、縫合針が通るには小すぎ得るが、入口は、縫合材料がくぐり抜けるよう十分に広くされ得る。
【0019】
本発明の更なる特徴、その特性、及び多種の利点は、添付の図面及び以下の詳細の説明からより明らかとされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る構成要素の一実施例の単純化された立面図である。
【図1b】図1aに示されるものの等角図又は斜視図である。
【図2a】図1aに示されるものの他の実施例の単純化された立面図であり、図示される構成要素の前面部のみを示す。
【図2b】図2aに類似するが、異なる角度からの、前面構造に加えて示される背部構造の一部を有する図である。
【図3a】図2aに類似するが、加えられた実例的な追加的構成要素を有する図である。
【図3b】図3aに類似するが、加えられた実例的な更なる追加的構成要素を有する
【図4a】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る、実際には円筒形である構成要素の一実施例の平らな展開図である。
【図4b】図4aにおいて平らな展開形状で示される円筒形構成要素の立面図である。
【図5a】図4aに類似する他の実施例を図示する。
【図5b】図5aの一部分の拡大図である。
【図6】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る他の構成要素の一実施例の立面図である。
【図7】他の実施例に対する図6に類似した図である。
【図8】更に他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図9】更に他の実施例に対する図8に類似した図である。
【図10】本発明に従った人工心臓弁において使用され得る更に他の構成要素の一実施例の立面図である。
【図11】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された斜視図である。
【図12a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的上面図である。
【図12b】他の実施例に対する図12aに類似した図である。
【図12c】更に他の実施例に対する図12bに類似した図である。
【図13】図11に全般的に類似した図である。
【図14】図11に全般的に類似した図である。
【図15a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図15b】図15aと全般的に同じ種類の他の図である。
【図16】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の下面図である。
【図17】他の実施例に対する図5bに類似した図である。
【図18a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された等角図又は斜視図である。
【図18b】本発明に従った複数の構成要素の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図19】他の実施例に対する図10に類似した図である。
【図20a】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的上面図である。
【図20b】図20aに示されるものの一部の単純化された断面図である。
【図21】他の実施例に対する図19に類似した図である。
【図22】他の実施例に対する図18aに類似した図である。
【図23a】他の実施例に対する図12cに類似した図である。
【図23b】他の実施例に対する図23aに類似した図である。
【図24a】他の実施例に対する図5aに類似した図である。
【図24b】他の実施例に対する図5bに類似した図である。
【図25a】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図25b】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図26a】他の実施例に対する図23bに類似した図である。
【図26b】他の実施例に対する図23bに類似した図である。
【図27】他の実施例に対する図22に類似した図である。
【図28】他の実施例に対する図24bに類似した図である。
【図29a】他の実施例に対する図24aに類似した図である。
【図29b】他の実施例に対する図24bに類似した図である。
【図30】他の実施例に対する図1aに類似した図である。
【図31】他の実施例に対する図29baに類似した図である。
【図32】他の実施例に対する図8に類似した図である。
【図33a】他の実施例に対する図25bに類似した図である。
【図33b】他の実施例に対する図25bに類似した図である。
【図34】他の実施例に対する図26bに類似した図である。
【図35a】他の実施例に対する図15bに類似した図である。
【図35b】他の実施例に対する図15bに類似した図である。
【図36】他の実施例に対する図21に類似した図である。
【図37】他の実施例に対する図34に類似した図である。
【図38a】他の実施例に対する図29aに類似した図である。
【図38b】他の実施例に対する図29bに類似した図である。
【図39】他の実施例に対する図30に類似した図である。
【図40】他の実施例に対する図32に類似した図である。
【図41a】他の実施例に対する図33bに類似した図である。
【図41b】他の実施例に対する図33bに類似した図である。
【図42】他の実施例に対する図37に類似した図である。
【図43】他の実施例に対する図35bに類似した図である。
【図44】他の実施例に対する図41bに類似した図である。
【図45】他の実施例に対する図42に類似した図である。
【図46】他の実施例に対する図43に類似した図である。
【図47】他の実施例に対する図36に類似した図である。
【図48】他の実施例に対する図5に類似した図である。
【図49】他の実施例に対する図46に類似した図である。
【図50】他の実施例に対する図38aに類似した図である。
【図51】他の実施例に対する図39に類似した図である。
【図52】他の実施例に対する図44に類似した図である。
【図53a】他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図53b】他の実施例に対する図7に類似した図である。
【図54】他の実施例に対する図35aに類似した図である。
【図55】他の実施例に対する図13に類似した図である。
【図56】他の実施例に対する図16に類似した図である。
【図57】他の実施例に対する図56に類似した図である。
【図58】他の実施例に対する図57に類似した図である。
【図59】他の実施例に対する図55に類似した図である。
【図60】他の実施例に対する図54に類似した図である。
【図61】他の実施例に対する図51に類似した図である。
【図62】他の実施例に対する図44に類似した図である。
【図63】他の実施例に対する図53bに類似した図である。
【図64】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的断面図である。
【図65】本発明に従った複数の構成要素の組立体の一実施例の単純化された部分的立面図である。
【図66】本発明に従った図65に示されるものと同様の構造の一部の一実施例の単純化された立面図である。
【図67】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図68a】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図68b】他の実施例に対する図66に類似した図である。
【図69a】他の実施例に対する図48に類似した図である。
【図69b】他の実施例に対する図48に類似した図である。
【図70】他の実施例に対する図50に類似した図である。
【図71】他の実施例に対する図61に類似した図である。
【図72】他の実施例に対する図47に類似した図である。
【図73】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74a】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74b】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図74c】他の実施例に対する図65に類似した図である。
【図75】他の実施例に対する図62に類似した図である。他の実施例に対する図50に類似した図である。
【図76a】他の実施例に対する図63に類似した図である。
【図76b】図示される他の実施例の構成要素を有する図76aに類似した図である。
【図77a】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77b】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77c】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77d】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77e】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77f】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図77g】本発明に従った弁の他の構成要素に対する弁尖取付け部の多種の実施例を示す単純化された断面図である。
【図78a】他の実施例に対する図53a−b等である図に類似した図である。
【図78b】他の実施例に対する図53a−b等である図に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が用いられ得る状況の単なる一例として、毎年数千名もの重症大動脈弁狭窄症を患うハイリスク患者は、心臓弁置換術が不可能であると判断されるため、処置をされない状態となっている。このような患者を治療する試みにおいて、折畳み可能な人工心臓弁は、経皮的手段及び/又は経心尖的手段を介してかかる患者の狭窄弁尖内において挿入されるよう開発されてきている。しかしながら、既知の設計は、例えば(1)長期耐久性、(2)僧帽弁衝突、(3)弁周囲漏出、等である最善の弁設計の複数の態様に十分に対処し得ない。弁尖取付け部は、かかる問題のいくつかを考えるときに重要な要素となり得る。本願において開示される設計は、これら及び他の問題によりよく対処することによって優れた弁をかかるハイリスク患者に対して与える。
【0022】
図1a−bは、本発明に従った弁において使用され得るステント構造10の一実施例の一般的な概要を与える。これらの図は、弁尖(図示せず)に対して加えられる応力を低減するよう独立して屈曲する交連ポスト20a−cを有する拡張されたステントを示す。(この実施例及び複数の他の実施例は独立して屈曲する交連ポストを備えるが、更に他の実施例は、弁耐久性も増大させ且つ部分的にのみ屈曲するかあるいは独立して屈曲しない交連ポストを備えて示される。)独立ポストは、患者のバルサルバ洞から下流における固着構造30(図1a−b中、構造の上方部分)及び患者の自然大動脈弁輪に近接する40(図1a−b中、構造の下方部分)から部分的に離れる。特には、ポスト20a−cの上方自由端部は、ステント10の輪部40からカンチレバー状態にされる。(しかしながらここでも、他の実施例は、部分的にのみカンチレバー状態にされる交連ポストを備え得るか、あるいはカンチレバー状態にされていない交連ポストを備え得る。)
図2a−bは、大動脈に対する超拡張部(extra-expanded section)30及び基部40におけるスカートフレア50を有する拡張成形ステント(expanded and contoured stent)10の一実施例を示す。(参照符号は、異なる図及び異なる実施例において概ね類似する特徴に対して再度使用される。図によっては、描写を過度に複雑にすることを避けるよう全ての構造の後背部又は前面後背部を示していないものがある。)ポスト20a−cに対する弁尖(図示せず)の取付け部及びステントのカバーリングは、本発明の重要な態様である。
【0023】
図3a−bは、弁尖60a−c、並びにバッファ層70及び外側カフ材料80を有する拡張成形ステント10の一実施例を示す。交連ポスト20は、完全に垂直方向に位置し得ることが可能であり、あるいはリーフレットを内側方向に付勢するよう内側方向に角度をつけられ得、それによって開放中に取り囲む患者の生体構造及び/又は人工弁のフレームにぶつからないようにする支援をすることが可能である。
【0024】
ステント10が所定の直径において研磨された後の取付けの段階(任意の順序における)は、一般的に以下の通りである。
●可撓性の弁尖60a−c(例えばポリマシート又は心膜組織シート)は、加工され、適切な形状に切断される。
○ 例えば組織弁尖60a−cは、平らに置かれ得、エタノールの少なくとも60%溶液等である抗石灰化処置で処理される前にグルタルアルデヒド又はトリグリシジアミンを使用して固定される。
● バッファ材料70(例えばポリマシート又は心膜組織シート)は、加工され、適切な形状に切断される。
● カフ材料80(例えばポリエステルファブリックシートは、適切な直径を有するチューブへと形成され、適切な長さに切断される。
● カフ材料80は、ステント10の下方部分、弁尖が取り付けられる全体部分、及び/又は大動脈部を有するステント全体をカバーし得る。
● ステント10と弁尖材料60との間における1つ又はそれより多くの層(シート)の中間材料は、取付け、摩擦緩衝、及び組織の内部成長を目的として適用され得る。例えば、2つのポリマ又は組織層間の接触面(インターフェイス)は、弁尖60とステント10との間における緩衝されない接触面と比較すると、上述された理由により、有益であり得る(例えば、弁尖60上における摩擦がより少なく、従って摩耗がより少ない)。シートのみの代わりにステントの潤滑ポリマコーティングもまた、組み込まれ得る。
● 弁尖60は、ステント10に対して、ステント基部の周囲において取り付けられる。
【0025】
弁が異なる種類のステントポスト20に対してどのように組み立てられるかに関する具体的な詳細は、以下において与えられる。
【0026】
図4aは、チューブ(例えば、ニチノール等である超弾性金属、又はコバルトクロミウム等であるバルーン拡張可能材料を有する)から一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。図4bは、折り畳まれた状態における円形のレーザカットされた一部(ステント)10を示す。このステントの実施例は、一式のアイレット22を除いて固体である独立して屈曲する交連ポスト20a−cを備える。しかしながら、かかるアイレットは、細長いスロット等である開口形状に変更され得る、ことが留意される。
【0027】
図5a−bは、独立した交連ポスト20a−cの拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステント10は、一式のアイレット22を2つ有する固体である独立して屈曲するポスト20a−cを備える。しかしながら、かかるアイレットは、細長いスロット等である開口形状に変更され得る。スカート50の曲げ線52及びステントの基部線54は、他の図と併せて説明される、ことが理解される。
【0028】
図6は、弁尖60と他の材料との間に接触がないことを確実とするようポスト20a−c及びステント10(実際にはステント部40)の内側表面を縁取る(outlines)バッファ層70を示す。各矩形部分72は、ポスト20の夫々1つの内径に対して縫合される。上部縁部(top lip)74は、曲げ線52の上方においてステントセル(stent cells)の内側部分をカバーする(図5bも参照)。下部縁部76は、ステントの下部54に対して曲げ線52の下方においてステントセルの内側部分をカバーする(図5bも参照)。部分78が存在する場合、該部分は、下部ステントエッジにおいて、あるいはそれより上で終了されるように内径から外径までステントの下部エッジ54の周囲に巻き付けられ得る。この部分における三角形切欠き79は、エッジの可撓性のある運動を可能にし、実際に下部エッジの周囲に巻き付けられるときに集まる一方、丸くされた最下部エッジ部分77は、ステントの周囲において1つの継続的な円形経路を形成するよう集まる、ことが留意される。三角形切欠き70はまた、弁の拡張及び収縮中に裂ける可能性を最小限に抑えることを可能にする。
【0029】
図7は、本発明において示される全ての設計のバッファ層70が本図において示される通り3つの単一の部分から作られ得る、ことを示す(図6に示される通りの1つの単一片とは対照的である)。
【0030】
図8は、本発明に従ったバッファ設計において有され得る追加的な特徴を示す。(本発明の全てのバッファ設計に適用される一般的な特徴に関しては図6を参照すること。)上部フラップ71は、内径(ID)から外径(OD)までポスト20の上部の周囲に巻き付く。側部フラップ73は、IDからODまで各ポストの左側及び右側の周囲に巻き付き、縫合によって固定される。
【0031】
図9は、非常に複雑な範囲において、多種の寸法及び形状を有する個別のバッファストリップ70がステントフレームの周囲に巻き付けられ得、適所において縫合され得る、ことを示す。図9は、一例として一般的な矩形のストリップ70を示す。矩形ストリップは、ステントの如何なる部分もカバーするために所望の高さを有する円筒を形成するよう巻かれ得る。
【0032】
図10は、本開示における以下の弁尖設計の多くに対して基本である単一弁尖設計60を示す。最上部水平方向破線の上方における材料61は、全3つの弁尖60a−cが逆圧を受けて集まる重複接合(redundant coaptation)に対するものである。(多種の破線は、弁の組立て中に使用される視覚ガイド又は支援として(一時的あるいは恒久的に)弁尖上に実際に表れ得るが、主として参照として示される。)側部フラップ62は、角度をつけられた線において曲げられ、交連ポスト20のIDに対して縫合するための範囲を与える。弁尖が平らなシートから切断され得るため、弁尖本体63において膨らんだ形状の輪郭はあり得ないが、角度をつけられた側部フラップ62が垂直方向ポスト20に対して取り付けられるとき、このことは、弁尖の上部が下部よりもステントの中心軸に対してより近いようにし、故に中心接合をもたらす、ということが留意される。側部フラップ62は、IDからODまで交連ポストの左側部及び右側部の周囲に巻き付き、縫合される。下部フラップ64は、曲げ線52の下方におけるステントセルのID部をステントの下部54までカバーする。この部分は、存在する場合、その長さに依存して、下部ステントエッジにおいてあるいは更に上方において終了されるよう内径から外径までステントの下部エッジ54の周囲に巻き付けられ得る。この部分における三角形切欠き65は、エッジの可撓性の運動を可能にし、巻き付けられるときに実際に集まる一方、丸くされた下方エッジ部分66は、ステントの周囲において1つの継続的な円形経路を形成するよう集まる、ことが留意される。所望される場合、湾曲67に沿った材料は、弁尖に対して自然な膨らみ形状(belly shape)を形成するよう縫合され得る。下部側部フラップ68は、流入スカートエッジ(inflow skirt edge)が完全に密封されることを確実なものとするよう近接する弁尖のある程度の重畳を可能にする。三角形切欠き65はまた、弁の拡張及び収縮中に裂ける可能性を最小限に抑えることを可能にする。
【0033】
図11は、ステント10に対して取り付けられる3つの単一な弁尖60a−cを示す。下部フラップ64及び側部フラップ62は、取付けが発生する前には容易に見られ得る。
【0034】
図12a−cは、弁尖及び補助構成要素組立体に対する3つの実施例を示す。かかる図の各々は、ステント上の交連ポスト20の上面図である。(交連ポストは、かかる図の各々において大きな矩形である。)図12a及び12cにおいて、交連ポストは一式の開口22を1つ備える。図12bにおいて、交連ポストは、2つの一式の開口22a及び22bを備える。図12a及び12bにおいて、バッファ層70は、ポストのID表面(かかる図に示される通り上方表面である)上においてのみある。図12cにおいて、バッファ層70は、ポストの全周囲に巻き付けられる。線60a及び60bは、夫々弁尖を示し、上端部における矢印は、弁尖材料が弁の中心軸に向かって図に見られるものを越えて継続する、ことを示している。破線90は、アイレット22及び弁尖60を通過する縫合を示す。留意すべき主要な特徴は、以下の通りである: (1)ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポストのOD上にある。 (4)弁尖の自由端部62は、追加的なバッファ層を与えるよう(例えば弁の中心に向かって)巻き戻される(curled back)。図12cにおいて弁尖は、弁が折り畳まれるときにステントセル間において十分な空間がある場合、(参照符号62において)IDからODまでポストの周囲にのみ巻き付けられ得る、ことが留意される。
【0035】
図13は、ステントのID上のファブリックカバーリング80において、弁尖60を他の弁表面に対して削られることから保護するために薄いバッファ材料70がある、ことを示す。整えられる(trimmed)前の巻き戻された弁尖エッジ及びポストの間隙が無いことは、参照符号100において見られ得る(図12aも参照)。
【0036】
図14は、角度をつけられた側部フラップ(図10中の参照符号62)がいかに弁尖60a−cを中心軸110に沿って接合させるかを示す。血流逆圧を受けて、弁尖は、重複接合を有して共にしっかりと閉じられる、留意される。
【0037】
図15a−bは、複数の重要な差異を備える2つの異なる弁の変形を示す。図15aは、ステント部40の拡張セルの全てをカバーするカフ及びバッファ部70/80を有する。図15bにおいては、構造70/80は、ステントセル40の半分を略曲げ線52まで進み、開放中に金属を弁尖接触に対して露出したままにし得る。図15aは、ステントの下方エッジ54において終了する弁尖及びバッファ層を備える一方、図15b中のバッファ層及び弁尖は、下部エッジ54にわたって完全に巻き付き、曲げ線52の近くにおいて固着される。かかる特徴のいくつかあるいは全ては、組み合わされ得る。
【0038】
図16は、完全な密封を可能にするよう、ステント基部スカートのエッジの周囲においてステントIDからずっと弁尖60及びバッファ層からの完全な密封がある、ことを示す。
【0039】
図17は、(ステントID上の縫合90からの略全体的な点荷重(almost entirely through point loads)とは対照的に)ステントポスト20に対する弁尖荷重の更なる移動を可能とするために、縫合及び/又は弁尖材料が、ポスト20の上部を通り過ぎ且つ参照符号120で示される通りODに対して固定される必要があり得る、ことを示す。
【0040】
図18a−bは、(縫合90からの略全体的な点荷重とは対照的に)ステントポスト20に対する弁尖荷重(弁尖自由エッジ近くにおける高応力領域130)の更なる移動を可能とするために、個別の弁尖60a−cがポスト上部にわたって配置されるキャップ140に対して固定され得る、ことを示す。キャップ140は、ファブリック、ポリマ、及び/又は組織構成要素から作られ得る。
【0041】
図19は、図10において説明されたものと同一の特徴の多くが利用され得る、他の単一の弁尖設計を示す。この設計における主な差異は、エッジ62/64が、ステントの基部の周囲に折り曲げられる代わりに、図示される目安線67/69に沿って弁尖のOD上へと巻き戻される、という点である。そのため、ステントスカートの流入(inflow)に対する弁尖エッジ密封の代わりに、この設計は、逆圧を受けてポケットを形成し、縫合線に沿ってシームを有さない。3D描写に関しては、次の図を参照のこと。前の設計と同様に、かかるフラップが戻るように折り曲げられるとき、三角形部分65は閉じるため、弁尖がよじれない。かかるフラップが弁尖ODに対して戻るよう折り曲げられるため、弁尖が開放するとき、フラップ64は実際に、上方基部ステント部40と弁尖との間においてバッファを形成する。
【0042】
図20a−bは、単一の弁尖60の3D図である。図20aは上部断面図であり、図20bは側部断面図である。矢印は、弁尖フラップ62/64が1つの代表的な弁尖60bに対して弁尖OD上へと戻るよう折り曲げられる場所を示す。図12a−bにおいて示される巻戻し設計は、この設計において単にポストに沿う代わりにエッジ67/69全体に沿って延在することを除いては類似している、とことが留意される。
【0043】
図21は、継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。開口150を形成するよう共に一致する3つの単一な弁尖60a−cの代わりに、この設計は、弁尖材料の単一な継続する一片160を有してこれを達成する。示されたエッジ170は、前述されたものと類似する方途においてステントIDに対して縫い付けられる。破線180は、弁尖材料160が交連を形成するよう折目をつけられ、且つポスト20に対して取り付けられる場所を示す。この設計の平らな部分190は、中心軸に向かって押されるとき、更なる図において示される通り膨らみ部(belly)を形成する。
【0044】
図22は、継続的な弁尖材料160の折り畳まれた3D図である。要素の説明に関しては、図21に対する上記説明を参照のこと。
【0045】
図23a−bは、弁尖160及び補助構成要素組立体に対する2つの方法を示す。これらは、図12a及び12cに類似した図であり、類似する構成要素に対しては再度同一の参照符号が使用される。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1)ステント20と弁尖材料160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減させる。 (2)(継続的な弁尖構造160からの)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)弁尖の下部エッジは、追加的なバッファ層を可能にするよう弁の中心に向かって巻き戻される(図20a及び20b中の線67に沿った折り曲げに類似する)。取付け技術における主要な差異は、弁が折り畳まれるときにセル間において十分な場所がある場合には弁尖材料160がステントポスト全体の周囲に巻き付くか、あるいは、弁尖材料160が継続的にポストIDのみにおいて折り曲げられる(図23b)、ということである。
【0046】
図24a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する固体である独立して屈曲するポスト20、及び、2つの別個の部分へと分岐する(二分する)上部における開放部分24を備える。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5を参照のこと。
【0047】
このステント10のIDを縁取り得るバッファ層70は、図6−8において示されるが、フォーク形状にされた上部を備える。
【0048】
図25a−bはこのステント設計に対して使用され得る、(図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する)単一の弁尖設計を示す。主要な差異は、側部フラップ62が、ステントポスト20の上部における(開放部分24の両側上における)フォークのODの周囲にフラップが巻き付くようにするスリット200を該フラップにおいて備える、ことである。
【0049】
図26a−bは、弁尖60及び補助構成要素組立体に対する2つの方法を示す。ここでも、該図は図12及び23等に類似する図であり、同一の参照符号が類似する構成要素に対して再度使用されている。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)弁尖60は、ポストの間隙を最小限にするよう(縫合90を使用して)共に縫合される。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)弁尖60の自由端部62は、図26a中の追加的なバッファ層を与えるよう弁の中心に向かって巻き戻される。 (5)フォーク形状のポスト20間の間隙24は、ポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (6)図26b中のODに対して取り付けられる弁尖は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。
【0050】
図27は、ステントポスト20のフォーク状にされた上部部分の周囲に巻き付く(図25a又は25b中のスリット200の上方における)側部フラップの上部202及び個別の弁尖の3D図である。
【0051】
図28は、ポスト20の下方部においてアイレット22を排除するためのステント設計の他の変形を示す。弁尖フラップ62をポストに対して取り付けるための開口がない場合、弁尖フラップは、この下方部分の長さに沿って、並びに/あるいは拡張可能なステント部を取り囲むカフ材料を介して、共に縫合され得る。
【0052】
図29a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント)10をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中間部24において開放する(即ち二分された)独立して屈曲するポスト20を備える。該ステントはまた、弁尖基部及び他の材料を固着するよう終端単一アイレット26を備える。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5を再度参照のこと。
【0053】
図30は、非拡張開放ステントポスト20及び張り出されたスカート50を有する設計の変形の一例を示す。
【0054】
図31は、独立した交連ポスト20を有するチューブから一部(ステント10)をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らであり且つ折り畳まれた状態の拡大図を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中間部において(即ち参照符号24において)開放する独立して屈曲するポスト20を備える。追加的に、この設計は、ステントポスト20上のより高くにおいて接続部28を備え、故にポストのカンチレバー状態を低減し、それによって必要に応じて可撓性を低減する可能性がある。しかしながら、弁組立体は、ステントポストの中心スロット24を介して弁尖を内部にはめ込まれるときに分離されない。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5及び29を再度参照のこと。
【0055】
図32は、図6に示される特徴に対して加えられ得る特徴を有するバッファ層の設計を示す。矩形のフラップ72は、ステントポスト20のIDを縁取る。「I」字形状のスリット210は、材料70を通って切断され、結果もたらされるフラップは、IDからODまでステントポスト20の中央部24を通って巻き付けられ、続いて適所において固定される。
【0056】
図33a−bは、このステント設計に対して適用され得る図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主要な差異は、側部フラップ62全体が中心スロット(図29中の参照符号24)を介して、それが固定されるODの周囲において通過する(次の図を参照のこと)、ことである。
【0057】
図34は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。ここでもこの図は、図12及び23等に類似しており、同一の参照符号は、類似する要素に対して再度使用される。留意されるべき主な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)ポスト20の側部間におけるギャップ24は、ポストの間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (3)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレームに対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。
【0058】
図35a−bは、中心スロット24を通って引かれ、ステントポスト20のODの周囲に巻き付けられる単一の弁尖60を有するこの種類の設計の一例を示す。また、バッファ材料70及び弁尖60は、参照符号220において示される通りステント基部の周囲に僅かに巻き付く。かかる図は、複数の範囲において弁尖材料を透明であるかのように示す。
【0059】
図36は、継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。開口150を形成するために共に合致する3つの単一の弁尖60の代わりに、この設計は、単一の継続的な一片160を有してこれを達成する。図示されるエッジ170は、前述された方途に類似する方途においてステントIDに対して縫い付けられる。破線180は、1つの代表的な弁尖の交連が折目を付けられてポスト20の中心スロットを通って引かれるところを示す。この設計の平らな部分190は、中心軸に向かって押されるとき、前の図において示される通り膨らみ部を形成する。
【0060】
図37は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。ここでも図37は、図12及び23等に類似しており、類似する構成要素を示すようこの種類の全ての図において同一の参照符号が使用される。留意すべき主な特徴配下の通りである: (1) ステント10と弁尖160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)ポスト20の側部間におけるギャップ24は、ポストの間隙を排除するよう弁尖厚さに対してちょうど十分であるよう大きい。 (3)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖160の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)(参照符号180において)ODに対して取り付けられる弁尖160は、縫合取付け部における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)弁尖160は、交連20において完全に密封される。
【0061】
図38a−bは、独立した交連ポスト20の拡大、及びチューブから一部(ステント10)をレーザカットするよう使用されるステントモデルの平らに折り畳まれた状態を示す。このステントは、一式のアイレット22を2つ有する中央部24において開放する独立して屈曲するポスト20を備える。追加的に、この設計は、スロット24の下部において孔28を備え、ポスト20が三角形上へと拡張し得るようにする。この設計及び他の設計に対して適用可能である一般的な特徴に関しては、図1−5が再度参照される。
【0062】
図39は、拡張された状態において三角孔24/28へと形成された折り畳まれた状態にあるときに中心垂直方向スロット24を有するステントの変形の一例を示す。このポスト20の三角孔は、例えば垂直方向非拡張ポストより自然弁の輪郭形状に更によく似ている。
【0063】
図40は、図6に示される特徴に対して加えられ得る特徴を有するバッファ層の設計を示す。上方向に延在するポストフラップ72は、ポストが三角形状へと拡張されるときにステントポスト20のIDを縁取る(例えば図39中参照符号24/28で示される通り)。スリット210は、バッファ材料70を通って切断され、結果もたらされるフラップは、IDからODまでステントポスト20の中央部24/28を通って巻き付けられ、続いて適所において固定される。
【0064】
図41a−bは、このステント設計に対して適用され得る図10及び19において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主な差異は、交連における側部フラップ62が離れて広げられ(三角形のステントポスト孔24/28による)、故に追加的な密封の方策が必要とされる、ことである。
【0065】
図42は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これは、図12及び13等に類似する更に他の図であり、類似する要素に対して同一の参照符号を使用している。加えて、線230は、ポスト20における三角孔24/28を密封する要素70又は60と同一又は類似する材料特性を備えるパッチを示す。留意すべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)縫合結び目(縫合90に関連付けられる)は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (3)フラップ62を介してODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (4)三角形上ポスト20/24/28は、自然弁の輪郭形状に更によく似ており、そのためより最善に機能する。
【0066】
図43は、自然弁の輪郭形状に更によく似ている三角形交連範囲24/28をもたらす開放する拡張ポスト20を有するステントの変形の一例を示す。パッチ230は、密封得環境を確実なものとするよう、アイレット22を通ってステント10の基部の周囲において縫合される。ステントOD上にはカフ材料80の二重層があり、自然大動脈起始部組織に対して押されるときにより優れた密封及び組織の内部成長を支援する、ことも留意される。
【0067】
図44は、このステント設計に対して適用され得る図10において示されるものと同一の特徴の多くを有する単一の弁尖の設計を示す。主な差異は、1つの側部フラップ62が三角孔を密封するよう使用される伸張部を備える、ことである。
【0068】
図45は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これも図42に類似し、同一の参照符号は、これらの図の両方において類似する要素に対して使用される。留意されるべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖60との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (3)ギャップ24は、ポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対して十分に大きい。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖60は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)参照符号162における1つの弁尖の二重背部(doubling back)は、三角形ステントポスト孔24/28を密封する支援をする。
【0069】
図46は、三角形の拡張ポスト孔24/28を密封する支援をするためにそれ自体にわたって折り畳まれる拡大された三角形側部フラップ162を有する単一の弁尖の設計の一例を示す。図46は、弁尖及びフラップ材料をステントフレームに対して固定するよう典型的に使用される縫合に関する描写は省いている。
【0070】
図47は、拡張ポスト20/24/28の設計に対して取付け及び密封を支援する複数の特徴を有する継続的な弁尖160の平らな切欠きを示す。三角形の切欠き242を有するフラップ240は、ステント10の基部の周囲に巻き付けられる。エッジ250は、弁尖膨らみ部の基部(base of the leaflet belly)を形成するようステント10に対して縫合される。エッジ244は、ステント10の基部の周囲に固定される。部分260は、三角形ポスト孔24/28を通って引かれ、ポスト20のODの周囲に折り曲げられ、該部分自体上で折り畳まれる。部分262は、三角孔24/28をカバーする。フラップ270は、カバー262の密封を高めるようステントの基部に向かって延在し、エッジ246及び276に沿って他のフラップ240に対して接合される。更なる詳細に関しては、次の図が参照される。
【0071】
図48は、弁尖及び補助構成要素組立体に対する1つの方法を示す。これも図45に類似し、類似する要素に対して同一の参照符号がここでも使用される。留意されるべき主要な特徴は以下の通りである: (1) ステント10と弁尖160との間におけるバッファ層70は、摩滅を低減する。 (2)三角形ステントポスト孔の上部頂点におけるポスト20の側部間におけるギャップ24は、かかる位置におけるポスト間隙を排除するよう弁尖厚さに対して十分に大きい。 (3)縫合結び目は、弁尖の運動/摩耗に干渉しないようポスト20のOD上にある。 (4)ポスト20のODに対して取り付けられる弁尖160は、縫合取付け部90における点荷重の代わりにステントフレーム10に対して移動されるべき血流逆圧から引き起こされる応力を可能にする。 (5)弁尖160は、参照符号262において示される通り三角形交連20/24/28において完全に密封される。
【0072】
図49は、継続的であるしっかりとした密封を達成するよう中央部において三角形部分262を有するエッジ260においてそれ自体にわたって二重にされる単一の弁尖の設計の一例を示す。
【0073】
図50は、図5a及び5bにおいて示されるものと類似する構造の更なる展開を示す。図50は、アイレット22及びスロット23の組合せを示す(本明細書において可能性として前述されている)。上部及び下部ポストアイレット22は、弁尖60を所定の位置へと固着し、スロット23は、縫い針の複数の通過及びより容易な組立てを可能にする。図50は、平ら又は平坦な描写において、また、折り畳まれた状態又は構造において、金属構造10を示す。ここでも、弁尖60の取り付けに対する交連ポスト20においてスロット23及びアイレット22の組合せがある。他の範囲におけるアイレット21は、弁尖60、カフ材料80、及び/又はバッファ材料70を取り付けるよう多種に使用され得る。図51は、拡大状態における図50中の構造を示す。
【0074】
図52は、図10及び19に示される一般的な種類の単一弁尖の設計の単純な例を示す。この単純化されたものは、組織がどのように動作するかには変動があり得るため、必要に応じて技術者が弁を組み立て及び整え得るようにする。この設計はまた、密封を高めるための孔の量を低減する。図10及び19に併せて上述されたものと同一の原理は、適用される。この設計は、図10及び19の弁に対して使用され得、続いて必要に応じてステント10の形状に整えられ得る、ことも留意される。
【0075】
図53a及び53bは、図12a−cに示される種類の構造の更なる展開を示す。特には、図53a及び53bは、弁尖60に対する縫合取り付け90a及び/又は90b、及び真っ直ぐな固体の交連ポスト20の前面図(外径)を示す。かかる基本的な概念は、他のポスト設計において使用され得る、ことが留意される。図53aは、単に垂直方向におけるステント材料の周囲において輪にされる(looped)縫合90aを示す。図53bは、垂直方向における縫合90a及び水平方向における縫合90bを示し、図12a−cの上面図において示されるものを更に示すものである。
【0076】
図54−57は、図13−16に示される一般的な種類の構造の更なる展開を示す。図54−57は、追加された組織構造を有する修正されたステント10の例である。図54は、図53aのように組織弁尖60取付け部を有する弁の側面図である。図55は、図13に類似するが組織弁尖60を有する上面図である。図56は、下部エッジの周囲に巻き付けられる弁尖組織を有する下面図である。(この弁尖組織はまた、弁の設計に依存して、ファブリック及び/又はバッファ材料の他の層の上方にあり得る。)図57は、下部エッジにおいて終端する組織を有する下面図である。弁尖形状に対するトレース300が示されている、ことも留意される。かかるトレース300は、組立て技術者が弁を適切に成形及び組立てする支援をするための弁尖材料上における一時的(又は恒久的)なマーキングであり得る。
【0077】
図58−60は、図20に示されるものと同様の構造の更なる展開を示す。図58−60は、弁がどのように見えるかを更に明確にするためにこの概念を有して作られた弁を示す。図58は、弁尖の自由エッジが接合しているときにポケットを形成するよう折り畳まれる弁尖の下面図である。図59は、継続的なポケット310及び参照符号320においてステントの外形に対して整えられた巻き上げられた弁尖の側面図である。バッファ及びカフ材料はまた、拡張可能なステント部の輪郭を縁取るよう形成され得る。
【0078】
図61は、図30及び31に示されるものと同様である構造の更なる展開を示す。図61は、拡張されているニチノール部(ステント)10を更に展開したものを示す。この設計はまた、アイレット22及びスロット23、並びに取付けに対してステントの周囲における多種の場所においてアイレット21を組み込む。この設計も、前述の例と比較して、下部40/50において周囲が閉鎖され(closed-perimeter)、中心が開放され、円周方向に折畳み可能/拡張可能である更なる一列のセルを備える、ことが留意される。
【0079】
図62は、複数の利点を備え得る単一の弁尖形状60を示す。例えば、本明細書において前述された複数の弁尖形状に比較して、図62の形状は、人工弁が折り畳まれるときに折り畳まれる必要がある弁尖組織の量を低減し得る。このことは、患者へのより侵襲性が少ない送達のためにより小さな寸法まで折り畳まれることを支援し得る。かかる弁尖形状はまた、切離しが発生する傾向があり得る弁膨らみ部の基部において高応力範囲を再分配する(redistribute high stress area)支援をし得る。かかる修正の全ては、弁の機能及び耐久性を高め得る。
【0080】
前述された複数の実施例における通り、線300は、人工弁への弁尖の組立を支援するための弁尖60上の目安線である。更には、かかる線の複数は、以下の説明において弁尖の特定の部分の境界を定める役割を有する。線300a−bに沿って、線の外側における弁尖材料は、線の内側における弁尖材料上において折り畳みこまれ得る。特には、線300bはまた、それに沿って弁尖の基部が弁の他の構造に対して縫合され得る線である。例えば、このことは、弁のカフ材料80を通って弁尖の基部を固定することもたらし得る。この配置は、(例えば参照符号400で概ね示される範囲における)弁尖の基部における応力を(例えば参照符号410で概ね示される範囲へと)湾曲300bに沿って上方向に分配する支援をし、かかる応力を分散させ、また該応力がまさに弁尖基部において集中することを防ぐようにする。例えば、図64は、目安線300bの外側における弁尖材料62bがどのように弁尖60の残りの部分の外側において折り畳まれ得るかを示す。このことは、弁尖材料の二重層を作り、該層は、耐久性を高めるよう縫合90を使用して(弁の他の構造に対するものも含んで)通して縫合され得る(sutured through)。
【0081】
図62に戻り、図62中の弁尖を使用して図63に示されるような代表的な人工弁交連ポスト20を参照すると、弁尖フラップ部62aは、ポスト20に関連して位置付けられ得るため、部分62aは、ポスト20における最上部水平方向アイレット23aの上方に置かれる。続いて弁尖フラップ部62cは、ポスト20における最上部垂直方向アイレット23dと水平方向のアイレット23aとの間において位置付けられる。更なる弁尖フラップ部62dは、フラップ部62cの下方にあり、ステントポスト20の上方部における3つの垂直方向アイレット23dに対する(例えば縫合を介する)取付けに対して位置付けられる。図63中の破線は、ポスト20に対して固定されるときに弁尖フラップ部62dのおおよその境界を示す。アイレット23dの下方におけるポスト20の範囲は、例えばカフ80の取付け、縫合結び目の隠蔽、及び他の特徴に対しての追加的な範囲として使用され得る。
【0082】
前述された複数の弁尖の実施例と比較して、図62の弁尖は、目安線300bの外側においてより少ない弁尖材料を有し得る。前述された通り、このことは、弁における弁尖材料の量を低減する支援をし得、それによって弁をより小さな周方向寸法まで折り畳むことを容易にし得る。
【0083】
これより本発明に従った人工心臓弁の構成において重要であり得る他の考察を参照すると、弁尖60がカフ材料80を通って固定されるとき、カフ/縫合/弁尖の摩滅を導き得る低減された運動を有する弁尖の耐久性のある固定を確実なものとすることは、望ましいとされる。カフ80の終了(Termination of a cuff)は(特には、ステントが、本願における複数の実施例において参照符号50で示されるように外方向に広がるとき)、困難であり得る。図65及び複数のその後の図は、かかる問題に対処する支援をし得る構造を示す。
【0084】
図65に示される通り、カフ80は、かがり縫い縫合90aを有してステント部40及び50を形成するセルのストラットを縁取りすることによって固定される。加えて、ステント部40及び50は、垂直方向バー44によって互いに対して接続される複数の環状に延在する蛇行性、波状、又はジグザグ状の部材42a−cを有するよう、構成される。蛇行部材42a−cは、人工弁を周方向に折り畳み得るよう、あるいは拡張させ得るよう、環状に圧縮又は拡張する。しかし、垂直方向部材44は、蛇行部材のかかる環状の圧縮又は拡張中にその長さを変えることがない。このことは、周方向の圧縮又は拡張中に人工弁が軸方向長さを変える量を低減する支援をする。このことは同様に、ステント部40/50に関連してシフトするカフ80の傾向を低減する支援をし得る。垂直方向バー44はまた、縫合縫い目90bによってカフ80に対して固定され得る。この例において、カフ80及びバッファ材料(弁尖60とカフ80のファブリックとの間に隠されている)は、ステントの内径(「ID」)において取り付けられ、ステントフレームの高さの上方向あるいは下方向になんらかの距離(any distance up or down the height)を延在し得る。(図65は、互いに一個構成である構成要素20,42及び44の全てを示すが、かかる構成要素のうち複数又は全ては、最初は互いから離され得、その後他の構成要素と組み立てられ得る。)
上述に加えて、本発明は、ステントセル端部に対してカフ80をしっかりと固定することにおいて起こり得る困難に対処し得る。例えば、特にはステント部40が参照符号50に示される通り広げられるとき、近接するカフ材料80は、弁尖60がカフ材料に対して固定されて荷重を受けるとき、ステントに沿って垂直方向に滑る傾向を有し得る。図65中の参照符号440は、このことが問題となり得る代表的な場所を示している。かかる場所440においてアイレット91を縫合が通ることは、材料が滑ることを防ぐ支援をし得る。図66−68はまた、カフ80をステントに対してよりしっかりと固定する支援をするためにステントセルの上部及び/又は下部において与えられ得る複数の他の形状を示す。例えば、図66は、代表的なステントセル40/50の端部における拡大された節状部(knob)450を与えることを示す。節状部450は、小さなネック領域452によってステントセルに対して接続される。縫合材料90は、図66に示される通りネック452の周囲に巻き付けられ得、縫合90によってステントに対して固定される他の材料が図示されるステントセル端部から離れて(本例においては)上方向に動くことを防ぐ支援をする。
【0085】
他の例として、図67は、ステント材料におけるノッチ460を示し、該ノッチは、関連付けられるセル端部40/50から離れるよう開放する。縫合(及び縫合によって固定されたもの)がステントセル端部に対して(本例においては)上方向にシフトし得ないことを確実なものとするよう、縫合材料90は、ステントセルから反復的に通る。
【0086】
更に他の例として、図68aは、ステントセル40/50の端部において部分的に形成されたアイレット470を示す。アイレット470は、縫合材料90が通過するよう十分に大きいが、縫合針が通過するには十分大きくないこともあり得る。しかしながら、縫合材料90は、アイレットの開放側部472を通ってアイレット470へと引かれ得る(該開放側部は、ステントセル40/50の端部又は頂点からみて外方を向く)。縫合材料90は、ステントセル40/50内側からアイレット470を通り、ループ状(図8)又は他のパターンにおいてステントセル40/50へと戻るよう(反復的に)通され得、縫合90及びステントセルの端部に対して縫合90によって係合される他の材料(カフ80等)を固定するようにする。再度、図66及び67において示される構造の場合と同様に、これは、縫合90によって固定される他の材料(カフ80等)がステントセル40/50の端部に対して上方向に(本例においては)動くことができない方途において行なわれる。
【0087】
図68bは、図67に対する代替案を示し、縫合90は、ノッチ460を通過する一環としてそれ自体に組み合わせられる(interlocked)。図68bにおいて示される組み合わせはまた、図68aに示される形状等である他のステントフレーム形状を有して使用され得る。
【0088】
図69aは、図12bに示されるような構造の可能な修正を示す。この代替案において、強化コア500a又は500bは、弁尖60a及び60bのフラップが周囲に折り曲げられる折目を付けられる範囲を裏打ちする(lines)。コア材料500a/bは、他の組織、ポリマ、金属、及び/又はファブリックであり得る。弁尖50a又は60bのフラップは、既に示されているものに類似する方途においてステント20を通って縫合される(90a又は90b)。弁尖のフラップ60a及び60bは、コア500a/bの周囲に追加的に巻き付けられ、束状構造を形成するよう追加的な縫合510を介して固定される。これは、組織の裂傷に更なる強化を加え得、また、図69bによって示される通り弁尖の摩滅を軽減し得る。弁尖(60b等)とコア(500b等)とをまとめることによって、弁尖は、ステントのフレーム10にぶつかるよう上に向かって全開にされ得ない。言い換えれば、図60b中の両方向矢印で示されるようなクリアランスは、保持される。
【0089】
図70は、自己拡張ステントの設計の一例を示し、該自己拡張ステントは、交連ポスト20と、埋め込まれた弁を通る血流の方向においてポスト高さの上方向に50%より多くである(more than 50% up the post height)弁輪部40の残りの部分との間において最下流接続(downstream-most connections)530を有する。これは、他の実施例におけるよりも本実施例においてポスト20のカンチレバー状態を低減する(the posts 20 are less cantilevered)、ことを意味する。この設計は依然として、他の実施例に対して説明されてきたものに類似する方途において弁の他の構造に対して弁尖を取り付ける性能を保持する。
【0090】
図71は、バルーン拡張ステントの設計の一例を示し、該バルーン拡張ステントは、各ステントポスト20とポスト20の上部までにわたるステント10/40の残りの部分との間において最下流接続530を有する。図71は、完全に拡張された状態におけるステント10を示す。この設計は依然として、他の実施例に関して図示及び説明されているものに類似する方途において弁の他の構造に対して人工弁の弁尖を取り付けるための性能を保持する。図71中のステントは、図68に示されるものに類似するステントの基部における取付け構造470/472を有する。かかる構造はまた、弁に対する送達システムに人工弁を取り付けるための組み合わせ(interlocks)として使用され得る。
【0091】
図72は、弁の全3つの弁尖を与えるよう形成され得る(例えば弁ステントに対して取り付けられるとき)弁尖材料の1つの継続的なシート160の他の例を示す。故に図72は、図21等である他の図において示されるものに対する代替案を示す。この継続的な設計は、本明細書において説明されている通り交連ポスト20の上部に対して取り付けるよう組み込まれるフラップ540を備える。他の差異は、各弁尖となる自由エッジ61の半径方向内向きの輪郭又は突出部である(bulge of the free edge 71 of what will be each leaflet)。この突出部は、弁が閉じられるときに弁尖の追加的な接合を与える。
【0092】
図73は、本発明の原理のうち複数が、シート材料からのみではない弁尖を使用する折畳み可能であり且つ再拡張可能な人工弁に対して適用され得る点を示す。例えば、ウシ頚部又はブタ大動脈起始部(又は個別の弁尖)550は、弁ステントの交連ポスト20に対して取り付けられ得る。言い換えれば、図73に示される人工弁において、弁作動は、動物から取られた無傷組織弁(又は弁尖)550を有することによって与えられる。
【0093】
図74a−cは、図65に示されるものの複数の変形の例を示す。例えば、図74aにおいて、基準線560aは、弁のカフ80に対して(下部又は上流部の近くにおいて)取り付けられる1つの代表的な弁尖の輪郭を示す。(基準線560aとは別に、図74aは、弁尖60を省略し、構造の背部を示すようにはしていない。基準線560aは、主として説明を目的として示される。この線は、構造自体を描写するものではなく、主に形状の参考のためのものである。同一のことは、以降の図中の基準線560b及び560cにも当てはまる。)図74aは、バルーン拡張弁を示し得、該バルーン拡張弁は、ステントの弁輪部40の高さの約75%(即ち弁輪部40の高さの下方75%)に対して取り付けられるブタ組織バッファ層(ファブリック80の内径(「ID」)に隠されている)及びファブリックカフ80を有する。(ステント部40は典型的に、患者の自然心臓弁輪の輪においてあるいはその近くにおいてインプラントされるため、弁輪部と称され得る。)図74a中の基準線560aは、1つの交連ポスト20の下部アイレット22から次の交連ポスト20までにわたって真っ直ぐに取り付けられる弁尖の下方部分を示す。また、図75が参照される。図75は、その上に重ねられる基準線560aを有するかかる弁尖60の一例を示す。
【0094】
図74bは、ステントの弁上生40の全高さに対して取り付けられるブタ組織バッファ(ファブリックのIDにおいて隠される)及びファブリックカフ80を有する自己拡張弁を示し得る。基準線560bによって示される通り、典型的な弁尖60は、ポスト20の上方の一部に取り付けられ、弁尖の膨らみ部は、ポスト下方のステント基部に向かって徐々に輪郭を示す(contours)(湾曲する)。
【0095】
図74cは、ステントの外径(「OD」)上のファブリックカフ80及びステントのID上のブタ組織バッファ(可視ではない)を有する自己膨張弁を示し得る。(図74cは、カフ80を透明であるかのように示すこと、また該図は、ステントフレームに対してカフ80を固定するよう典型的には使用される縫合の図を省略する、ことが留意される。)基準線560cによって示される通り、本場合の典型的な弁尖60は、ポスト20の下部の近くにおいて取り付けられ、弁尖の膨らみ部は、ステント基部に向かって徐々に輪郭を示し、その点において、ステント基部、カフ80、及び図66−68において示されるような機能に対して取り付けられ得る。
【0096】
図76a−bは、交連ポスト20(例えば図63に示される)及び適合する弁尖60(例えば図74bに示される)の変形の例を示す。図76a−bは、前述された通り(例えば図74bと関連して)、弁尖60がどのようにステントポスト20の多種の特徴に適合するかを示す。2つの下部アイレット23eは、弁尖取付けに対して必要とはされないが、カフ80固定に対して存在する、ことが留意される。また、一組のアイレット23d’は、弁尖輪郭(湾曲)の移行を支援するよう上方のアイレットの組から僅かに離されて配置される。
【0097】
図77a−gは、弁尖が弁の他の構成要素に対して組み立てられ得る複数の方途を示す。図69a−b等の図が交連ポスト20に対する弁尖取付けの範囲に焦点をおく一方、図77a−g等の図は、交連ポスト20以外のところに対する弁尖取付けに適用し得る。かかる図の各々において、二重垂直線は、ステント10(弁輪部40等)、バッファ層70、及び/又はカフ層80のような要素の所望される配置及び/又は組み合わせを示す。要素60は弁尖材料であり、要素90は縫合材料であり、要素500は強化コアである(例えば図69a−bに示される通り)。弁尖570の下部570は、より強いシームを作るようコア材料500を有して支持され得るか、並びに/あるいは折り曲げられ得る。このシームは続いて、多種の技術を使用して縫合90を介してカフ80及び/又はステント10/40に対して固定され得る。例えば、図77aに示される縫い目90は、一度弁尖組織60/570の層を貫通し、下部の周囲にかがり縫いされる。図77b中に示される縫い目は、組織60/570の層を2度貫通する。強化コア500(図77c−f)は、折り曲げられた弁尖60/570の内側に配置され得る。弁尖(主要部分60)は、図77cに示される通りカフ80とカフ500との間において折り曲げられ得る。あるいは、弁尖60の主要部分は、図77dに示される通りコア500の前方を通り得る。コア500を加えることで、弁尖60は、全く折り曲げられる必要は無くなり得るが、図77e及び77f夫々において示される通りコアの前方/後方に対して単純に取り付けられ得る。更に他の選択肢は、折り曲げ可能なコア材料580を使用することであり、それによって図77gに示される通り弁尖60の端部を挟むようにする。前述された通り(例えば図69a/bに関連して)、強化コアの材料は、他の組織、ポリマ、金属、及び/又はファブリックであり得る。故に、強化コア500又は570等は、剛性であり得る(金属等)か、あるいは軟性であり得る(ファブリック、組織等)。強化は、本願における複数の図において弁尖上に示される縫合破線(例えば図76b中の線575)又はかかる縫合線の一部におよぶ。剛性の強化部材は、ポスト20のアイレットに対して平行であるか並びに/あるいは垂直であるアイレットを有し得る。
【0098】
図78a及び78bは、交連ポスト20に対して弁尖フラップを取り付けるよう使用され得る縫合パターンの複数の例を示す。図78aにおいて、1つの縫合90はポスト20に対して弁尖フラップを取付けるよう使用される。縫合90は、下部右側アイレットにおいて開始し、縫合尾部が残る参照符号590においてあるいはその近くにおいて一時的に固着される。縫合90は続いて、下部アイレット23から上部まで(連続的アイレット及び弁尖フラップ(図示せず)を通って前後に)および、その後同一の側部まで(再度、連続的アイレット及び上述した弁尖フラップを通って前後に)戻る。縫合90は続いて、同一のパターンを反復するようアイレットの他の列に対して参照符号590の近くにおいてクロスオーバーする。最終的には、縫合端部は、参照符号590において縫合尾部に対して結び留めされる。
【0099】
図78bに示される代替案において、ポストアイレットの各側(即ち左側アイレット又は右側アイレット)は独立して縫合され(縫合90aは左側の590aから始まり、縫合90bは右側の590bから始まる)、各縫合は最終的に、夫々590a又は590bにおいてそれ自体の尾部に対して結び留めされる。
【0100】
添付の請求項の用語はある程度、本詳細な説明におけるこの時点までに使用される用語と異なり得る。特定の請求項の用語が言及するものの複数の具体的な例は、以下の通りである。支持構造10; シート状の可撓性である弁尖部材60/160; 弁尖の自由エッジ部61; 支持構造の内部にわたる可撓性のコード(例えば、図18a又は図20a中の参照符号131を参照のこと; かかるコードは、典型的には真っ直ぐなコードではないが、ゆるく且つ可撓性の有るコードである); フラップを形成するコードの端部を越える弁尖の材料62; 支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面(かかる円筒表面は、夫々支持構造10のID(内径)及びOD(外径)として前述されたものによって画定される抽象的幾何学的形状である; かかる円筒表面は、必ずしも円形ではなく、その代わりに長円系、楕円形等である他の形状を備え得る); 縫合90; 支持構造の内側表面(支持構造10のID); 支持構造の外側表面(支持構造10のOD); 固定ライン部67/170/250/300b; 弁尖63/190/310の膨らみ部(belly portion); 第2のフラップを形成する膨らみ部から離れて固定ライン部を越える弁尖の追加的材料64/240/370/62b; 図1aに示される通り構造10の下方端部等である、支持構造の軸方向端部; シート状の可撓性であるバッファ材料70; 環状に離間された交連ポスト20a−c; 支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされる(cantilevered)。例えば、交連ポスト20は、上方自由端部を有し得、該上方自由端部の下方において支持構造10の残りの部分に対してのみ取り付けられる(この交連ポストの上方自由端部をカンチレバー状態にすることは、本願においては独立した可撓性と称されることもあるものを交連ポストに与える。それは、例えば、交連ポストの上方自由端部が支持構造10の他の部分とは少なくとも多少無関係に半径方向内向き及び外向きに屈曲し得る、ことを意味する)(図65においてポスト20はカンチレバー状態にされていなく、ステントフレーム全体が応力を低減するよう屈曲する、ことが留意される); 2つの離間された部材へと分岐される交連ポスト。例えばノッチ又は開口24の対向する側部上における交連ポスト部分; 支持構造が周囲において環状である軸に沿って互いから離間される、環状である環状に折畳み可能且つ拡張可能なサブ構造42a−c; 上述された軸に対して実質的に平行であり、上述されたサブ構造42a−cを相互接続する連結部材44; 3つの側部61を有する中心孔150を備える可撓性の弁尖材料のシート160; 弁尖連結範囲180; シート160は、フラップ240/270を形成するよう固定ライン部250の少なくとも1つの少なくとも一部分を越えて半径方向外向きに継続する; 支持構造の環状である方向において延在する参照符号42c等であるジグザグパターンで配置される複数の部材; 支持構造がその周囲において環状である軸に対して平行である支持構造から離れる向きを指す頂点440において集まる少なくとも2つの部材(例えば、4440において集まる2つの部材); 支持構造に対して固定される可撓性材料70及び/又は80のシート; 複数の可撓性弁尖60/160; 頂点440における縫合取り付け90; 頂点440はアイレット21を有する; 縮小されるネック部452の端部上の拡大されたヘッド部450; ノッチ460; ノッチは、その入口462の近くにおいて狭められる。本段落において与えられる特定の請求項用語に対する例は、単なる実例である。この単なる一例として、特定の図中の特定の特徴及び要素に対して使用される参照符号の全ては、同一又は類似の特徴又は要素の全ての再出現に対して全ての図において反復される。
【0101】
前述は、本発明の原理の単なる例証であり、多種の修正は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者によって行なわれ得る、ことが理解される。例えば、本発明に従った弁におけるステントに用いられるセルの数は、上述された多種の実施例において示される数とは異なり得る。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓弁であって、
環状に折畳み可能であり且つ拡張可能な支持構造と、
シート状である可撓性の弁尖部材と、
を有し、
該弁尖部材は、前記支持構造内側にはめ込まれ、該弁尖の自由エッジ部は、前記支持構造の内部にわたって可撓性のコードを形成し、該コードの端部を越える前記弁尖の材料はフラップを形成し、該フラップは、前記支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる、
人工心臓弁。
【請求項2】
前記フラップは、前記支持構造に対して固定される、
請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記フラップは、前記支持構造に対して該フラップを固定するよう前記支持構造に対して縫合される、
請求項2記載の弁。
【請求項4】
前記フラップは、前記支持構造の前記内側表面によって画定される前記円筒表面において少なくとも部分的に位置する、
請求項1記載の弁。
【請求項5】
前記フラップは、前記支持構造の前記外側表面によって画定される前記円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう前記支持構造を通過する、
請求項1記載の弁。
【請求項6】
前記弁尖と協働するた強化コア、及び前記弁尖を前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項1記載の弁。
【請求項7】
前記弁尖と協働する強化コア、及び前記フラップを前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項3記載の弁。
【請求項8】
前記弁尖は、該弁尖の介在膨らみ部にわたって前記自由エッジ部から離間される固定ライン部を備え、該固定ライン部は、前記支持構造に対して固定され、前記膨らみ部から離れて前記固定ライン部を越える前記弁尖の追加的な材料は、前記支持構造の前記内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り曲げられる第2のフラップを形成する、
請求項1記載の弁。
【請求項9】
前記第2のフラップは、前記自由エッジ部に向かって折り曲げられ、前記支持構造内側において前記支持構造に対して固定される、
請求項8記載の弁。
【請求項10】
前記第2のフラップは、前記自由エッジ部から離れて折り曲げられ、前記支持構造内側において前記支持構造に対して固定される、
請求項8記載の弁。
【請求項11】
前記第2の弁は、前記支持構造の軸方向端部を越えて継続し、追加的に、前記支持構造の前記軸方向端部の上方にわたって折り曲げられ、前記支持構造の外側に対する追加的な固定に対して前記支持構造の外側に折り曲げ返される、
請求項10記載の弁。
【請求項12】
前記第2のフラップと協働する強化コア、及び前記第2のフラップを前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項8記載の弁。
【請求項13】
前記支持構造と前記弁尖との間におけるシート状の可撓性のバッファ材料、
を更に有する請求項1記載の弁。
【請求項14】
前記支持構造は、
複数の環状に離間された交連ポスト、
を有し、
前記フラップは、該交連ポストの関連付けられる1つに対して固定される、
請求項1記載の弁。
【請求項15】
前記フラップは、前記フラップ及び前記関連付けられる交連ポストを通る開口を通過する縫合材料によって、前記関連付けられる交連ポストに対して固定される、
請求項14記載の弁。
【請求項16】
前記フラップは、前記関連付けられる交連ポストの周囲において折り曲げられる、
請求項14記載の弁。
【請求項17】
前記関連付けられる交連ポストは、2つの離間された部材へと二分岐され、
前記フラップは、該2つの部材間における前記交連ポストを通る、
請求項14記載の弁。
【請求項18】
各交連ポストの少なくとも一部は、前記支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされる、
請求項14記載の弁。
【請求項19】
前記支持構造は、
該支持構造が周囲において環状である軸に沿って互いから離間される、複数の環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能なサブ構造と、
複数の連結部材と、
を有し、
該連結部材は、前記軸に対して実質的に平行であり、前記サブ構造が環状に折り畳まれ且つ再拡張されるとき、前記連結部材の変形を有することなく前記サブ構造に相互接続する、
請求項1記載の弁。
【請求項20】
人工心臓弁に対する弁尖構造であって、
3つの側部を有する中心開口を備える可撓性の弁尖材料のシート、
を有し、
前記側部の各々は、前記弁尖構造の3つの作動弁尖部の夫々1つの自由エッジを形成するよう成形され、前記シートは追加的に、3つの固定ライン部を備え、該固定ライン部の各々は、前記自由エッジの夫々関連付けられる1つから半径方向外向きであり、また、各々は、弓状であるため、前記関連付けられる自由エッジの終点からよりも前記関連付けられる自由エッジの中間点から半径方向に離される、
構造。
【請求項21】
前記シートは、3つの弁尖連結範囲を画定し、該範囲の各々は、夫々一組の前記自由エッジの接合部から該組における前記自由エッジから半径方向外向きである前記固定ライン部の接合部まで、半径方向外向きに延在する、
請求項20記載の構造。
【請求項22】
前記シートは、前記弁尖連結範囲の少なくとも1つから前記中央開口へと延在するフラップを画定する、
請求項21記載の構造。
【請求項23】
前記自由エッジの各々は、該自由エッジの夫々対向する端部における前記弁尖連結範囲間の前記中央開口へと半径方向内向きに湾曲される、
請求項21記載の構造。
【請求項24】
人工心臓弁であって、
環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造と、
請求項21記載の可撓性の弁尖材料のシートと、
を有し、
該可撓性弁尖材料のシートは、前記支持構造において配置され、固定ライン部及び前記支持構造に対して固定される弁尖連結範囲を有し、前記自由エッジは、前記支持構造の内部において集まり得る、
人工心臓弁。
【請求項25】
前記支持構造は、
3つの環状に離間された交連ポスト、
を有し、
前記弁尖連結範囲の各々は、前記交連ポストの夫々1つに対して固定される、
請求項24記載の弁。
【請求項26】
前記弁尖連結範囲の少なくとも1つは、前記弁尖連結範囲が固定される前記交連ポストにおいて前記支持構造の外側を通る、
請求項25記載の弁。
【請求項27】
前記交連ポストの少なくとも1つは、2つの離間された部材へと二分岐され、
該交連ポストに対して固定される前記弁尖連結範囲は、前記交連ポストの前記2つの部材間を通る、
請求項25記載の弁。
【請求項28】
前記シートは、フラップを形成するよう前記固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部を越えて半径方向外向きに継続する、
請求項20記載の構造。
【請求項29】
前記シートは、フラップを形成するよう前記固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部を越えて半径方向外向きに継続する、
請求項24記載の弁。
【請求項30】
前記フラップは、前記支持構造内側において固定される、
請求項29記載の弁。
【請求項31】
前記フラップは、前記支持構造外側において固定される、
請求項29記載の弁。
【請求項32】
前記支持構造と前記弁尖材料との間においてシート状の可撓性であるバッファ材料を更に有する、
請求項24記載の弁。
【請求項33】
前記交連ポストの各々は、前記支持構造の他の構造から少なくとも部分的にカンチレバー状態にされる、
請求項25記載の弁。
【請求項34】
人工心臓弁であって、
環状である、環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造と、
該支持構造に対して固定される可撓性材料のシートと、
前記支持構造内側において配置され、前記シートに対して少なくとも部分的に固定される、複数の可撓性の弁尖と、
を有し、
前記支持構造は、該支持構造の環状である方向において延在するジグザグパターで配置される複数の部材を有し、該部材の少なくとも2つは、前記支持構造が周囲において環状である軸に対して平行である前記支持構造から離れる向きを指す頂点において集まり、
前記シートは、前記頂点における縫合取り付けを介して前記支持構造に対して少なくとも部分的に固定され、前記頂点は、該頂点が指す方向に対して対向する方向において前記縫合取り付けが前記頂点から離れて動くことを防ぐよう形成される、
人工心臓弁。
【請求項35】
前記頂点は、前記縫合取り付けが通過するアイレットを有する、
請求項34記載の弁。
【請求項36】
前記頂点は、該頂点が指す方向において延在する縮小されたネック部の端部において拡大ネック部を有し、前記縫合取り付けは、前記ネック部の周囲に巻き付けられる、
請求項34記載の弁。
【請求項37】
前記頂点は、該頂点が指す方向において開放するノッチを有し、前記縫合取り付けは、前記頂点の内側及び該ノッチの内側の周囲に巻き付けられる、
請求項34記載の弁。
【請求項38】
前記ノッチは、開放アイレットを形成するようその入口の近くにおいてより幅を狭くされる、
請求項37記載の弁。
【請求項39】
前記アイレットは、縫合針の通過に対しては小さすぎるが、前記入口は、縫合材料がくぐり抜けるには十分に大きい、
請求項38記載の弁。
【請求項1】
人工心臓弁であって、
環状に折畳み可能であり且つ拡張可能な支持構造と、
シート状である可撓性の弁尖部材と、
を有し、
該弁尖部材は、前記支持構造内側にはめ込まれ、該弁尖の自由エッジ部は、前記支持構造の内部にわたって可撓性のコードを形成し、該コードの端部を越える前記弁尖の材料はフラップを形成し、該フラップは、前記支持構造の内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り畳まれる、
人工心臓弁。
【請求項2】
前記フラップは、前記支持構造に対して固定される、
請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記フラップは、前記支持構造に対して該フラップを固定するよう前記支持構造に対して縫合される、
請求項2記載の弁。
【請求項4】
前記フラップは、前記支持構造の前記内側表面によって画定される前記円筒表面において少なくとも部分的に位置する、
請求項1記載の弁。
【請求項5】
前記フラップは、前記支持構造の前記外側表面によって画定される前記円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう前記支持構造を通過する、
請求項1記載の弁。
【請求項6】
前記弁尖と協働するた強化コア、及び前記弁尖を前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項1記載の弁。
【請求項7】
前記弁尖と協働する強化コア、及び前記フラップを前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項3記載の弁。
【請求項8】
前記弁尖は、該弁尖の介在膨らみ部にわたって前記自由エッジ部から離間される固定ライン部を備え、該固定ライン部は、前記支持構造に対して固定され、前記膨らみ部から離れて前記固定ライン部を越える前記弁尖の追加的な材料は、前記支持構造の前記内側及び外側表面の一方によって画定される円筒表面において少なくとも部分的に位置するよう折り曲げられる第2のフラップを形成する、
請求項1記載の弁。
【請求項9】
前記第2のフラップは、前記自由エッジ部に向かって折り曲げられ、前記支持構造内側において前記支持構造に対して固定される、
請求項8記載の弁。
【請求項10】
前記第2のフラップは、前記自由エッジ部から離れて折り曲げられ、前記支持構造内側において前記支持構造に対して固定される、
請求項8記載の弁。
【請求項11】
前記第2の弁は、前記支持構造の軸方向端部を越えて継続し、追加的に、前記支持構造の前記軸方向端部の上方にわたって折り曲げられ、前記支持構造の外側に対する追加的な固定に対して前記支持構造の外側に折り曲げ返される、
請求項10記載の弁。
【請求項12】
前記第2のフラップと協働する強化コア、及び前記第2のフラップを前記支持構造に対して固定するための縫合、
を更に有する請求項8記載の弁。
【請求項13】
前記支持構造と前記弁尖との間におけるシート状の可撓性のバッファ材料、
を更に有する請求項1記載の弁。
【請求項14】
前記支持構造は、
複数の環状に離間された交連ポスト、
を有し、
前記フラップは、該交連ポストの関連付けられる1つに対して固定される、
請求項1記載の弁。
【請求項15】
前記フラップは、前記フラップ及び前記関連付けられる交連ポストを通る開口を通過する縫合材料によって、前記関連付けられる交連ポストに対して固定される、
請求項14記載の弁。
【請求項16】
前記フラップは、前記関連付けられる交連ポストの周囲において折り曲げられる、
請求項14記載の弁。
【請求項17】
前記関連付けられる交連ポストは、2つの離間された部材へと二分岐され、
前記フラップは、該2つの部材間における前記交連ポストを通る、
請求項14記載の弁。
【請求項18】
各交連ポストの少なくとも一部は、前記支持構造の他の構造からカンチレバー状態にされる、
請求項14記載の弁。
【請求項19】
前記支持構造は、
該支持構造が周囲において環状である軸に沿って互いから離間される、複数の環状である環状に折畳み可能であり且つ再拡張可能なサブ構造と、
複数の連結部材と、
を有し、
該連結部材は、前記軸に対して実質的に平行であり、前記サブ構造が環状に折り畳まれ且つ再拡張されるとき、前記連結部材の変形を有することなく前記サブ構造に相互接続する、
請求項1記載の弁。
【請求項20】
人工心臓弁に対する弁尖構造であって、
3つの側部を有する中心開口を備える可撓性の弁尖材料のシート、
を有し、
前記側部の各々は、前記弁尖構造の3つの作動弁尖部の夫々1つの自由エッジを形成するよう成形され、前記シートは追加的に、3つの固定ライン部を備え、該固定ライン部の各々は、前記自由エッジの夫々関連付けられる1つから半径方向外向きであり、また、各々は、弓状であるため、前記関連付けられる自由エッジの終点からよりも前記関連付けられる自由エッジの中間点から半径方向に離される、
構造。
【請求項21】
前記シートは、3つの弁尖連結範囲を画定し、該範囲の各々は、夫々一組の前記自由エッジの接合部から該組における前記自由エッジから半径方向外向きである前記固定ライン部の接合部まで、半径方向外向きに延在する、
請求項20記載の構造。
【請求項22】
前記シートは、前記弁尖連結範囲の少なくとも1つから前記中央開口へと延在するフラップを画定する、
請求項21記載の構造。
【請求項23】
前記自由エッジの各々は、該自由エッジの夫々対向する端部における前記弁尖連結範囲間の前記中央開口へと半径方向内向きに湾曲される、
請求項21記載の構造。
【請求項24】
人工心臓弁であって、
環状である環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造と、
請求項21記載の可撓性の弁尖材料のシートと、
を有し、
該可撓性弁尖材料のシートは、前記支持構造において配置され、固定ライン部及び前記支持構造に対して固定される弁尖連結範囲を有し、前記自由エッジは、前記支持構造の内部において集まり得る、
人工心臓弁。
【請求項25】
前記支持構造は、
3つの環状に離間された交連ポスト、
を有し、
前記弁尖連結範囲の各々は、前記交連ポストの夫々1つに対して固定される、
請求項24記載の弁。
【請求項26】
前記弁尖連結範囲の少なくとも1つは、前記弁尖連結範囲が固定される前記交連ポストにおいて前記支持構造の外側を通る、
請求項25記載の弁。
【請求項27】
前記交連ポストの少なくとも1つは、2つの離間された部材へと二分岐され、
該交連ポストに対して固定される前記弁尖連結範囲は、前記交連ポストの前記2つの部材間を通る、
請求項25記載の弁。
【請求項28】
前記シートは、フラップを形成するよう前記固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部を越えて半径方向外向きに継続する、
請求項20記載の構造。
【請求項29】
前記シートは、フラップを形成するよう前記固定ライン部の少なくとも1つの少なくとも一部を越えて半径方向外向きに継続する、
請求項24記載の弁。
【請求項30】
前記フラップは、前記支持構造内側において固定される、
請求項29記載の弁。
【請求項31】
前記フラップは、前記支持構造外側において固定される、
請求項29記載の弁。
【請求項32】
前記支持構造と前記弁尖材料との間においてシート状の可撓性であるバッファ材料を更に有する、
請求項24記載の弁。
【請求項33】
前記交連ポストの各々は、前記支持構造の他の構造から少なくとも部分的にカンチレバー状態にされる、
請求項25記載の弁。
【請求項34】
人工心臓弁であって、
環状である、環状に折畳み可能且つ再拡張可能な支持構造と、
該支持構造に対して固定される可撓性材料のシートと、
前記支持構造内側において配置され、前記シートに対して少なくとも部分的に固定される、複数の可撓性の弁尖と、
を有し、
前記支持構造は、該支持構造の環状である方向において延在するジグザグパターで配置される複数の部材を有し、該部材の少なくとも2つは、前記支持構造が周囲において環状である軸に対して平行である前記支持構造から離れる向きを指す頂点において集まり、
前記シートは、前記頂点における縫合取り付けを介して前記支持構造に対して少なくとも部分的に固定され、前記頂点は、該頂点が指す方向に対して対向する方向において前記縫合取り付けが前記頂点から離れて動くことを防ぐよう形成される、
人工心臓弁。
【請求項35】
前記頂点は、前記縫合取り付けが通過するアイレットを有する、
請求項34記載の弁。
【請求項36】
前記頂点は、該頂点が指す方向において延在する縮小されたネック部の端部において拡大ネック部を有し、前記縫合取り付けは、前記ネック部の周囲に巻き付けられる、
請求項34記載の弁。
【請求項37】
前記頂点は、該頂点が指す方向において開放するノッチを有し、前記縫合取り付けは、前記頂点の内側及び該ノッチの内側の周囲に巻き付けられる、
請求項34記載の弁。
【請求項38】
前記ノッチは、開放アイレットを形成するようその入口の近くにおいてより幅を狭くされる、
請求項37記載の弁。
【請求項39】
前記アイレットは、縫合針の通過に対しては小さすぎるが、前記入口は、縫合材料がくぐり抜けるには十分に大きい、
請求項38記載の弁。
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68A】
【図68B】
【図69A】
【図69B】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74A】
【図74B】
【図74C】
【図75】
【図76A】
【図76B】
【図77A】
【図77B】
【図77C】
【図77D】
【図77E】
【図77F】
【図77G】
【図78A】
【図78B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68A】
【図68B】
【図69A】
【図69B】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74A】
【図74B】
【図74C】
【図75】
【図76A】
【図76B】
【図77A】
【図77B】
【図77C】
【図77D】
【図77E】
【図77F】
【図77G】
【図78A】
【図78B】
【公表番号】特表2010−540079(P2010−540079A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526955(P2010−526955)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/011153
【国際公開番号】WO2009/042196
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(500232466)セント ジュード メディカル インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/011153
【国際公開番号】WO2009/042196
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(500232466)セント ジュード メディカル インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
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