説明

折畳み機器

【課題】 折畳み機器の第1と第2の筐体の相対的に水平にずらせて機器の開閉の操作性とを向上するために、ヒンジアセンブリに特別の複雑な手段を付加したり、大型化したりすることなく、またヒンジアセンブリの組み付けが複雑となることがないようにすること。
【解決手段】 第1と第2の筐体2、3のヒンジ収納部2C1、2C2と3Cとをそのヒンジ整列状態からヒンジ非整列状態に変位することができるように、ヒンジ部材22、24を結合する軸杆26をこれらのヒンジ部材22、24に跨って傾斜できるように取付けられ、ヒンジ整列状態からヒンジ非整列状態への移行は、第1と第2の筐体の相対的な強制水平変位によって行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話の如き折畳み機器に関し、特に片手で容易に開くことができるようにした折畳み機器の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、化粧用コンパクトの如き折畳み機器は、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジで折畳み自在に結合して構成されている。一方、近年、この折畳み機器として、第1と第2の筐体の開位置と閉位置とを保持する保持手段を含むヒンジアセンブリを備えているものがある。
【0003】
この種の折畳み機器の一例が特許文献1に開示されており、この折畳み機器は、第1の筐体の第1のヒンジ収納部と第2の筐体の第2のヒンジ収納部内にそれぞれ嵌装して配置される第1と第2のヒンジ部材から成るヒンジを備え、保持手段は、第1のヒンジ部材と第2のヒンジ部材とにそれぞれ保持され相互に相対面して噛み合って閉位置と開位置とを保持する第1と第2のディスクと、一方のヒンジ部材に保持されて第1と第2のディスクを相互に弾接するように付勢するばね部材とから成っており、第1と第2のヒンジ部材と第1と第2のディスクとばね部材とは、両ヒンジ部材内を貫通して両端が両ヒンジ部材に係止して第1と第2のヒンジ部材本体と第1と第2のディスクとばね部材とを一体化する軸杆を更に備えている。
【0004】
このヒンジアセンブリは、第1と第2の筐体を閉じると、第1と第2のディスクが1つの噛み合い位置で対面して第1と第2の筐体の閉位置を保持し、第1と第2の筐体を開くと、第1と第2のディスクが他の噛み合い位置で対面して第1と第2の筐体の開位置を保持する。
【0005】
しかし、このヒンジアセンブリを備えた折畳み機器では、第1と第2の筐体を開く操作は、第1と第2の筐体をそれぞれ右手と左手で持って行うので、片手で操作し難いため、操作性が低い欠点があった。
【0006】
一方、最近、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジで折畳み自在に結合して第1の筐体を第2の筐体に対して開閉する折畳み機器において、第1の筐体を第2の筐体に対してそのヒンジ位置に向けてずらせることによって第1の筐体と第2の筐体との開放方向へのヒンジ運動のロック状態を解除して第1の筐体を第2の筐体に対して自動的に開放するようにした折畳み機器が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
この折畳み機器は、第1の筐体を指で押し上げるだけでこの第1の筐体を第2の筐体に対して自動的に回動して開くことができるが、第1の筐体と第2の筐体とに跨って取付けられるヒンジケーシング内に設けられ第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態と開いた状態とに保持する保持手段の他に、ヒンジケーシング内に設けられ通常では第1の筐体を第2の筐体に対して開く方向に付勢する自動開放機構と、同様にヒンジケーシング内に設けられ第1の筐体と第2の筐体が完全に閉じた状態で自動開放機構の動作を阻止する自動開放阻止機構と、第1の筐体の押し上げに応動してこの自動開閉阻止機構を解放する解放手段を必要とするので、構造が極めて複雑となる。
【0008】
特に、解放手段は、ヒンジケーシング内を延びる解放操作杆(係合解除部)を第1の筐体の押し上げに応じて前進するように、第2の筐体側に設けられたカム突部(凸状部)と、解放操作杆の基部に取付けられカム突部に係合する傾斜面を有し第1の筐体側に設けられて第1の筐体の押し上げに応動して変位するヘッドを有するので、ヒンジアセンブリをユニット化した状態のまま第1の筐体と第2の筐体とに跨って取付けることができない欠点があり、ヒンジの組み付けが面倒となる欠点があった。
【0009】
更に、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジで折畳み自在に結合するが、第1の筐体を第2の筐体に対してヒンジ内でヒンジに直交する軸線を中心に枢動することができるようにした折畳み機器も提案されている(特許文献3乃至5参照)。
【0010】
しかし、この構造も、水平ヒンジ部とこの水平ヒンジ部に直交する垂直ヒンジ部とから成っているので、構造が複雑である上に、ヒンジが大型化するので、薄型化が要求される折り畳み機器には適用することができない欠点があった。
【0011】
また、第1の筐体と第2の筐体との一方を他方に対して上下方向にずらせることによってこれらの筐体を開くように付勢する開放手段をヒンジ部に設けた折畳み機器が提案されている(特許文献6参照)。
【0012】
この自動開放式の折畳み機器は、上側の筐体を指で上側又は下側にずらせるだけで筐体を開くことができる便宜性があるが、このような自動開放手段は、2つの筐体にそれぞれ設けられたヒンジの相対的な変位を利用しヒンジに回転作用を付与したり(特許文献6の図1乃至図11参照)、2つの筐体を共通のヒンジで結合するが、これらの筐体の相対変位を利用してヒンジに回転作用を付与するため、ピニオンとラックとを両筐体のヒンジ部の間に設けたり(特許文献6の図12乃至図19参照)、一方の筐体のヒンジ収納部に設けられたヒンジから突出する半円形係合軸と他方の筐体の相対する部分に設けられこの係合軸が係入して両筐体の相対的な変位を利用して係合軸に回転作用を付与する軌道とを設けたりしている(特許文献6の図20乃至図31参照)。
【0013】
従って、この自動開放式の折畳み機器は、複雑な構成の自動開放手段によって構造が複雑となり、また単軸式の自動開放手段を用いた場合には、ヒンジ装置が第1と第2の筐体にそれぞれ分散して配置されるため、組み立てが面倒となる欠点がある。
【0014】
【特許文献1】特開2000−337008号公報
【特許文献2】特開2006−242215号公報
【特許文献3】特開2000−196720号公報
【特許文献4】特開2003−174495号公報
【特許文献5】WO 2006/001142号公報
【特許文献6】特開2005−299924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする1つの課題は、構造が簡単であり、また組立てが容易であり、ヒンジアセンブリに特別の複雑な手段を付加したり、大型化したりすることなく、第1と第2の筐体を水平方向にずらせてこれらの筐体の開放を片手で容易に行うことができるようにして操作性を向上することができる折畳み機器を提供することにある。
【0016】
本発明が解決しようとする他の課題は、折畳み機器の組み立て時に、ヒンジアセンブリの組み付けが複雑となることがなく、片手で開放操作することができる折畳み機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の課題解決手段は、第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって第1と第2の筐体を折畳み自在に結合して構成され、このヒンジアセンブリが第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材とを備えた折畳み機器において、第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線の整列が外れたヒンジ非整列状態とに変位して第1と第2の筐体をずらせることができるように、第1のヒンジ部材と前記第2のヒンジ部材とのずれを許す変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器を提供することにある。
【0018】
本発明の第1の課題解決手段において、変位許容手段は、非整列状態を保持する保持構造を含んでいてもよいし、ヒンジ非整列状態からヒンジ整列状態にもどる構造を含んでいてもよい。
【0019】
本発明の第2の課題解決手段は、第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって折畳み自在に結合して構成され、このヒンジアセンブリは、第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材と第1と第2のヒンジ部材を弾性的に結合する軸杆とから成る折畳み機器において、第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列状態から外れたヒンジ非整列状態とに変位して第1と第2の筐体をずらせることができるように、ヒンジアセンブリの軸杆が第1と第2のヒンジ部材に跨って変位自在に取付けられた変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器を提供することにある。。
【0020】
また、本発明の第3の課題解決手段は、第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって折畳み自在に結合して構成され、このヒンジアセンブリは、第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材とこれらの第1と第2のヒンジ部材を弾性的に結合する軸杆とから成り、またヒンジアセンブリは、その内部に第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態と開いた状態とに保持する保持手段を含み、この保持手段は、第1のヒンジ部材に保持された第1のディスクと第2のヒンジ部材に保持された第2のディスクとから成り、これらの第1と第2のディスクは、第1と第2の筐体の閉じた状態と開いた状態とで相互に安定的に噛み合う噛み合い部を有する折畳み機器において、第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列状態から外れたヒンジ非整列状態とに変位して第1と第2の筐体をずらせることができるように、ヒンジアセンブリの軸杆が第1と第2のヒンジ部材に跨って変位自在に取付けられた変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器を提供することにある。
【0021】
本発明の第3の課題解手段において、第1と第2のディスクの噛み合い部は、ヒンジ非整列状態で、第1と第2の筐体のずれを維持するように形成されていてもよいし、ヒンジ非整列状態で、第1と第2の筐体のずれの後に第1と第2の筐体の半開状態を維持するように形成されていてもよい。
【0022】
第1と第2の筐体のずれを維持する場合において、保持手段は、第1と第2のディスクのいずれか一方のディスクに保持された突部形成駒と他方のディスクに形成された案内凹部とを有し、軸杆の径方向の変位を許す軸杆貫通部は、突部形成駒を有する側のディスクに設けられ、他方のディスクの案内凹部は、第1と第2の筐体の完全閉状態と水平方向のずれを保持する相互に隣接する溝部分を有する形態とすることができる。
【0023】
また、第1と第2の筐体のずれの後に半開状態を維持する場合において、保持手段は、第1と第2のディスクのいずれか一方のディスクに保持された突部形成駒と他方のディスクに形成された案内凹部とを有し、軸杆の径方向の変位を許す軸杆貫通部は、突部形成駒を有する側のディスクに設けられ、他方のディスクの案内凹部は、第1と第2の筐体の完全閉状態と半開状態とを保持する相互に隣接する溝部分を有する形態とすることができる。
【0024】
本発明の第2及び第3の課題解決手段において、第1の筐体の一方側で第1と第2のヒンジ収納部に跨ってヒンジアセンブリが配置され、第1の筐体の他方側で第1と第2のヒンジ収納部に跨ってヒンジ軸が配置されていてもよいし、第1の筐体の両側で第1と第2のヒンジ収納部に跨ってヒンジアセンブリが配置されていてもよい。
【0025】
いずれの場合も、ヒンジアセンブリのヒンジ整列状態は、第1と第2の筐体が閉じた状態と開いた状態とで維持され、またヒンジアセンブリのヒンジ非整列状態は、第1と第2の筐体が閉じた状態から開いた状態に移行する間に生ずる。
【0026】
本発明の第2及び第3の課題解決手段において、変位許容手段は、ヒンジの軸杆が第1のディスクと第2のディスクとのいずれか一方のディスク内をその径方向に変位できるように第1と第2のディスクを貫通して取付けることによって得られるのが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の折畳み機器は、第1の筐体の第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と第2の筐体の第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材とから成るヒンジアセンブリを備えているが、第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と第1のヒンジ収納部と第2のヒンジ収納部の軸線の整列が外れたヒンジ非整列状態とに変位して第1と第2の筐体が横方向又は縦方向にずらせることができるように、第1のヒンジ部材と第2のヒンジ部材とのずれを許す変位許容手段を有し、ヒンジ整列状態からヒンジ非整列状態への移行は、第1と第2の筐体の相対的な強制水平変位によって行なうことができるので、第1と第2の筐体の完全閉状態から一方の筐体を他方の筐体に対して横又は縦方向に水平変位するように押すだけで、第1と第2の筐体を横方向及び/又は縦方向に水平変位することができ、従って折畳み機器の開放を片手で行うことができ、機器の開放操作性が向上する。
【0028】
また、ヒンジアセンブリが内部に保持手段を有し、この保持手段のディスクの溝を適宜設計することによって、第1の筐体を第2の筐体に対して水平変位すると、第1と第2の筐体を自動的に半開きにすることができるので、機器の開放操作性が一層向上することができる。
【0029】
特に、第1と第2の筐体の水平変位は、第1と第2のヒンジ部材を結合する軸杆を変位することができるようにヒンジアセンブリ内に取付けるだけで達成することができるので、保持手段を有するヒンジアセンブリに特別に複雑な手段を付加することなく、組み立てることができる上に、折畳み機器は、ユニット化された単軸式のヒンジアセンブリを両筐体のヒンジ収納部に嵌装するだけで組み立てることができるので、組み立てが容易である上に、大型化することがなく、薄型が要求される折畳み機器にも好適に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の好ましい実施の形態による折畳み機器(例えば携帯電話)1が図1乃至図3に示されている。この折畳み機器1は、第1の筐体2と第2の筐体3とから成っている。図示の例では、第1の筐体2は、図示しない機能ボタン等及びその関連機能部品が収納された下側筐体であってその枢支端の両側に2つの筒状ヒンジ収納部2C1、2C2を有し(図1(A)(D)(G)及び図2参照)、第2の筐体3は、図示しないディスプレー等及びその関連機能部品が収納された上側筐体であり、その枢支端の中央に1つの筒状ヒンジ収納部3Cを有する(図1(A)(D)(G)及び図2参照)。第1と第2の筐体2、3は、第1の筐体2のヒンジ収納部2C1と第2の筐体3のヒンジ収納部3Cとの間に跨って挿入されたヒンジアセンブリ10と、第1の筐体2のヒンジ収納部2C2と第2の筐体3のヒンジ収納部3Cとの間に跨って挿入されたヒンジ軸6とによって開閉自在に枢支されている(図2及び図5参照)。なお、図2において、符号7は、上側の第2の筐体3の開角度を規制するストッパーであり、このストッパー7は、ねじ8によって下側の第1の筐体2の枢支側の端部に取り付けられる。
【0031】
第1の筐体2と第2の筐体3とは、ヒンジアセンブリ10の後に述べる保持手段を解放すると、所定の小さな角度、例えば10度まで自動的に開くことができるように、後に述べるばね部材38で付勢されている(図3(C)参照)。
【0032】
本発明の折畳み機器1に用いられる第1の実施形態によるヒンジアセンブリ10が図6及び図7に示されている。このヒンジアセンブリ10は、第1の筐体2のヒンジ収納部2C1と第2の筐体3のヒンジ収納部3C内にそれぞれ嵌装されて第1と第2の筐体2、3を相互に回転自在に支持する第1と第2のヒンジ部材22、24と、第1と第2の筐体2、3の開位置と閉位置とを保持する保持手段30とを有する。第1と第2のヒンジ部材22、24は、ヒンジアセンブリ10のヒンジ本体20を構成している。
【0033】
保持手段30は、ヒンジ本体20に保持され相互に相対面して噛み合って閉位置と開位置とを保持する第1と第2のディスク32、34と、ヒンジ本体20の第1のヒンジ部材22内に保持されて第1と第2のディスク32、34を相互に弾接するように付勢するばね部材38とから成っている。
【0034】
第1と第2のヒンジ部材22、24は、第1のディスク32と第1のディスク32を保持するヒンジ部材22の底壁との間にばね部材38を配置した状態で軸杆26によって相互に結合されている。
【0035】
軸杆26は、図6(H)から解かるように、第1のヒンジ部材22の底壁の貫通孔22Hと第2のヒンジ部材24の貫通孔24H及びこれらのヒンジ部材22、24にそれぞれ保持された第1と第2のディスク32、34の貫通孔32H、34Hを貫通し、その後端の鍔26Fを第1のヒンジ部材22の後壁の外面に係合し、その先端26Lは、第2のヒンジ部材24の貫通孔24Hの外側拡大テーパ孔部分24TH(図6(H)及び図7(B)参照)の壁面に加締め付けて第1と第2のヒンジ部材22、24と第1及び第2のディスク32、34を一体に組み付けている。
【0036】
図5及び図7に示すように、第1のヒンジ部材22は、第1の筐体2のヒンジ収納部2C1の1対の突部(図示せず)に係入する上下各1対の回り止め用凹条22Eを有し、従って第1のヒンジ部材22は、第1の筐体2と共に回転することができる。
【0037】
同様にして、図5及び図7に示すように、第2のヒンジ部材24は、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cの1対の平坦面(図示せず)に係合する1対の回り止め平坦面24Fを有し、従って第2のヒンジ部材24も、第2の筐体3と共に回転することができる。
【0038】
図6(H)及び図7から解かるように、第1のディスク32は、1対の相対する突部32Pを有する円板の形態を有し、この第1のディスク32は、1対の突部32Pが摺動自在に係入する1対の係入溝22G1、22G2を有する第1のヒンジ部材22の内部空間にばね部材38を介して収納されている。従って、第1のディスク32は、その突部32Pと係入溝22G1、22G2との間で摺動しつつ第1のヒンジ部材22内で軸線方向に変位することができる。特に、図6(H)及び図7(B)から解るように、図示の形態では、第1のヒンジ部材22の一方の係入溝22G1は、側壁で開放し、他方の係入溝22G2は、閉じており、これは、第1のディスク32の組み立て時に、後に述べる軸杆26の貫通孔32Hの片側延長部分32HEの向きを誤らないようにする目印としての機能を有するが、第1のディスク32の向きが他の手段で確認することができれば、いずれの係入溝も開放していたり、閉じていたりしていてもよい。
【0039】
同様に、図6(H)及び図7から解かるように、図示の形態では、第2のディスク34は、1対の固定ピン34Pを有し、この第2のディスク34は、この固定ピン34Pを第2のヒンジ部材24の相応する形状の1対の係入溝24Gに圧入して第2のヒンジ部材24に固定されている。なお、図示の形態では、第2のディスク34が第2のヒンジ部材24と別体となっていて第2のヒンジ部材24に固定して保持されているが、第2のディスク34と第2のヒンジ部材24とは一体であってもよい。
【0040】
保持手段30は、図6(H)、図7及び図8に示すように、第1のディスク32の突部32Pの内面に設けられた1対の相対する保持凹部32Rに係入して保持された1対の突部形成駒36Bと、第2のディスク34に形成された1対の案内凹部36R(図9(A)乃至(D)参照)とを更に有し、1対の突部形成駒36Bは、第1のディスク32の内面にカム可動突部を形成し、第2のディスク34の1対の案内凹部36Rは、このカム可動突部が係入して第1と第2のディスク32、34を噛み合わせるカム凹部を形成している。
【0041】
第1のディスク32は、1対の突部32Pに対して90度の角度を隔てて1対の支軸32Sを有し、これらの支軸32Sは、第1のヒンジ部材22の壁面に形成された支持溝22Sに支持されている。後に述べるように、第1のディスク32は、ばね部材38に抗して第1のヒンジ部材22内を軸線方向に変位するので、支持溝22Sは、支軸32Sもこれに追随して変位するのを許すように軸線方向に長くなっている。
【0042】
突出部形成駒36Bは、図示の例では、後に述べるように、この駒36Bがディスク32の周方向に変位することができるように転動するのに有利なボールの形態を有するが、ディスク32の周方向に変位しながら転動することができれば、ローラその他の任意の形態とすることができる。
【0043】
図5乃至図7から解かるように、第2のディスク34は、第2のヒンジ部材24に係入してこのヒンジ部材24とほぼ同径の外周面を有するので、ヒンジ収納部2C1、3Cに係入することができるようにするために、ヒンジ部材24の回り止め用平坦面24Fに整列した同様の形態の平坦面34Fを有する。
【0044】
第2のディスク34の1対の案内凹部36Rの各々は、図7、図9、図10、図12、図13に示すように、第1と第2の筐体2、3が閉じた位置(図13(A)参照)で駒36Bが安定的に係入する第1の溝部分36R1と、第1と第2の筐体2、3が半開角度(例えば、10度程度)で開いた位置(図13(C)参照)で駒36Bが安定的に係入する第2の溝部分36R2と、第1と第2の筐体2、3が全開角度(例えば、160度)まで開いた位置(図13(D)参照)で駒36Bが安定的に係入する第3の溝部分36R3とから成り、第2の溝部分36R2は、駒36Bが第2のディスク34の周方向とに変位しながら第1と第2のディスク32、34を離反する方向(ディスクの厚み方向)に変位することができるように延びる延長部分36R2Eを有する。図13(D)及び図15から解かるように、第1の溝部分36R1と第2の溝部分36R2との間には駒36Bが乗り越えるべき浅い壁36RWを有し、また第2の溝部分36R2の延長部分36R2Eは、第1の溝部分36R1に隣接する最も内径の位置では深いが、外径方向と周方向に変位するにつれて徐々に浅くなるように形成され、従って駒36Bは、第2の溝部分36R2に沿って周方向に変位すると、第1のディスク32をばね部材38に抗して第2のディスク34から離反するように押す働きを有する。
【0045】
この保持手段30によって第1と第2の筐体2、3の閉位置、開位置における第1と第2のディスク32、34の位置関係とこれらの閉位置と開位置との間での第1と第2のディスク32、34の動きがどのように変化するかについては後に詳細述べる。
【0046】
本発明に用いられるヒンジアセンブリ10は、第1のヒンジ収納部2C1、2C2と第2のヒンジ収納部3Cの軸線が整列したヒンジ整列状態と第1のヒンジ収納部2C1、2C2と第2のヒンジ収納部3Cの軸線が整列状態から外れたヒンジ非整列状態とに変位して第1と第2の筐体2、3を横方向又は縦方向にずらせることができるように、第1のヒンジ部材22と第2のヒンジ部材24とのずれを許す変位許容手段42を備え(図8、図11参照)、この変位許容手段42は、図6乃至図15の実施の形態では、ヒンジアセンブリ10の軸杆26が第1と第2のヒンジ部材に跨って変位自在(傾斜自在)に取付けられて形成されている。
【0047】
更に詳細に述べると、ヒンジアセンブリ10の軸杆26は、第1のヒンジ収納部2C1、2C2と第2のヒンジ収納部3Cとのヒンジ整列状態とヒンジ非整列状態とに変位して第1の筐体2と第2の筐体3とを横(幅)方向に水平にずらせることができるようにするために、第1と第2のヒンジ部材22、24に跨って傾斜できるように取付けられ、ヒンジ整列状態からヒンジ非整列状態への移行は、第1と第2の筐体2、3の相対的な水平変位によって行なわれる。図示の形態では、ヒンジアセンブリ110は、保持手段30を有するので、第1と第2のヒンジ収納部2C1、2C2と3Cとのヒンジ整列状態とヒンジ非整列状態とで、保持手段30の第1と第2のディスク32、34の噛み合い部も変位する。
【0048】
図示の形態では、変位許容手段42は、第1のディスク32と第2のディスク34とのいずれか一方のディスク(図示の例では第1のディスク32)内を軸杆26がその径方向に変位できるように第1と第2のディスクを貫通して取付けられる軸杆貫通部40を有し、この軸杆貫通部40は、第1のディスク32の貫通孔32Hの片側延長部分32HEから成っている(図8(A)参照)。従って、図8(A)(B)(E)に示すように、軸杆貫通孔32Hは、この延長部分32HEを含めて楕円形の形態を有する。軸杆26は、他方のディスク(図示の例では第2のディスク34)の貫通孔34Hには緩みなく貫通している。
【0049】
図11から解かるように、軸杆26の傾きによって第1と第2のディスク32、34の噛み合い部がずれることができるようにするために、軸杆26の傾きによって第1のディスク32よりも第2のディスク34の方が徐々に大きく傾くように設定されている。これは、第1のディスク32が支軸32Sと係入溝22G2の閉じた壁面によって第1のディスク32の傾きが制限され、一方第2のディスク34がそれを保持する第2のヒンジ部材24と共に一緒に移動することができることによって達成される。第2のヒンジ部材24は、第2の筐体3のヒンジ収納部3C内に保持され、第1のヒンジ部材22は、第1の筐体2に保持されているので、第2の筐体3を第1の筐体2に対して水平方向に変位すると、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cに保持された第2のヒンジ部材24と共に第2のディスク34を介して軸杆26を傾けることができ、それによって第1と第2のディスク24、34の噛み合いがずれることになる。
【0050】
図4(A)(C)及びそれに相応する図5(A)(B)に示すように、第2の筐体3を第1の筐体2に対し水平に変位するのを許すために、ヒンジ軸6は、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cに所定角度の回動を許すように緩めに嵌め込まれており、また第2のヒンジ部材24は、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cに水平方向にクリアランスがあって動くことができるが、回転方向には緩みがないように嵌め込まれている(図5(B)参照)。なお、図5(A)及び図6(G)に示すように、第2のヒンジ部材24は、平坦面24Fに支軸24Sを有し、この支持軸24Sは、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cの相応する係入溝(図示せず)に弾性的に係入してヒンジ収納部3C内での傾きの支点として作用し、また第1のヒンジ部材22は、1対の回り止め用凹条22E間を横切るように形成された係止凹部22Rを有し(図6(G))参照)、この係止凹部22Rには第1の筐体2に取付けられるストッパー7から延びたストッパーピン7P1がヒンジ収納部2C1の孔2C1Hを貫通してその内面から突出することにより係入してヒンジ10がヒンジ収納部2C1から抜け出すことがないように保持される(図5(A)参照)。なお、反対側のヒンジ軸6も同様の凹部があってストッパー7のもう1つのストッパーピン7P2が同様に抜け止めの目的で係入している。
【0051】
次に、上記の実施の形態の折畳み機器1の動作をヒンジアセンブリ10の動作と共に、図1、図3、図4、図10、図11、図12、図13及び図15を参照して以下に詳細に説明する。
【0052】
(筐体完全閉状態の保持)
まず、第1と第2の筐体2、3が完全に閉じた図1、図3(A)、図4(A)、図5(A)の状態では、図11(A)、図12(A)、図13(A)に示すように、第1のディスク32に保持されている1対の突部形成駒36Bは、第2のディスク34の第1の溝部分36R1に安定状態で係入して第1と第2のヒンジ部材22、24を介して第1と第2の筐体2、3の閉位置に保持している(図12(A)(A‘)及び図15の(1)参照)。この状態は、ヒンジアセンブリ10の軸杆26は、ヒンジ部材22、24に跨って同軸上に位置し、第1と第2の筐体2、3のヒンジ収納部2Cとは整列しており完全重合閉位置を保持している状態である。
【0053】
(保持解放操作の開始)
第1と第2の筐体2、3を開こうとする際には、図3(B)、図4(B)に示すように、第1と第2の筐体2、3いずれか一方、通常では、上方の筐体3(例えば、携帯電話の蓋)を下方の筐体2(例えば、携帯電話の本体)に対して横方向に指で押す。この操作は、例えば、携帯電話の本体を右手で掴んで親指で蓋を横に押すことによって行うことができる。このようにすると、上方の第2の筐体(蓋)3のヒンジ収納部3Cは、ヒンジアセンブリ10側が下降するように、ヒンジ収納部2C1、3C、2C2の整列軸線からずれる(傾斜する)ため(図5(E)参照)、このヒンジ収納部3Cのずれに追従して、図5(B)、図11(B)に示すように、第2のヒンジ部材24と第2のディスク34とを第2の筐体3のヒンジ収納部3C内でヒンジ収納部3Cの傾きと逆向きに傾かせる。一方、第1のディスク32は、相応する第1の筒状ヒンジ収納部2C1内の第1のヒンジ部材22内にあり、第2のディスク34の傾きに追従して同じ方向に傾こうとするが、第1のディスク32は、その1対の支軸32S、32Sが第1のヒンジ部材22の1対の支持溝22S、22Sによって大きく傾くことが規制されながら、これらの支軸32S、32Sを中心にして第1のヒンジ部材22の開いている係入溝22G1内で第2のディスク34の傾きよりも小さな角度で傾く(揺動する)。
このため、第1と第2のディスク32、34は相互に噛み合いがずれて、図12(B)、図13(B)に示すように、1対の突起形成用駒36Bは、案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から外れるように、共に径方向に変位する。即ち、図12(B)に示すように、同図の右側の突起形成用駒36Bは、貫通孔32Hに近づき、左側の突起形成用駒36Bは、貫通孔32Hから離れるように変位してそれぞれ第2の溝部分36R2の最も深い部分の手前に位置する(図12の(B)、図13(B)及び図15の(2)参照)。この保持解放操作開始位置では、第1と第2の筐体2、3は、まだ、開いていないが、上方の第1の筐体3を下方の第2の筐体2に対して水平方向にずらしたために、これらの上下の筐体の完全重合状態から部分的に重合されていない部分が生ずる(図3(B)及び図4(B)の右下方部分参照)。
【0054】
(筐体の半開き位置までの自動開放)
図10(C)(D)、図15に示すように、第2の溝部分36R2は、壁36RWよりやや周方向にずれた位置で最も深くなっており、従って突部形成駒36Bは、ばね部材38と協動して壁36RWを乗り越えた位置からこの最も深い位置(図15の(3)参照)に自動的に転動するので、第2のディスク34が突部形成駒36Bの周方向の変位に伴って角度変位し、従って第2のヒンジ部材24を介してヒンジ収納部3Cを揺動し、第2の筐体3は、図3(C)に示すように、例えば、10度程度開く(図11(C)、図12(C)及び図13(C)参照)。この小さな角度での自動開放によって第1の筐体2と第2の筐体3との間には指を入れることができる程度の隙間が発生する(図3(C)参照)。
【0055】
(筐体の完全開放)
従って、第1と第2の筐体2、3の間に指を入れて第2の筐体3を押し開けることによって、第2の筐体3を完全に開くことができるが、この際、第1のディスク32内の突部形成駒36Bは、第2のディスク34の1対の案内凹部36Rの第2の溝部分36R2から外れて第2のディスク34の表面を転動する(図13(D)及び図15の(5)参照)。この場合、第1のディスク32上の突部形成駒36Bは、溝部分36R2の拘束から解放されるので、第1と第2のディスク32、34は、相互に軸線が整列するように自動的に戻されながら第2のディスク34上を転動し、筐体2、3が完全に開いた位置で突部形成駒36Bは、案内凹部36Rの第3の溝部分36R3に安定的に係入し、これらの筐体2、3が例えば160度の完全開放状態に保持する。(図12(D)、図13(D)参照)。このようにして、第1と第2の筐体2、3の開いた保持状態で携帯電話を使用することができる。
【0056】
(筐体の閉動作)
携帯電話を閉じるには、第2の筐体3を第1の筐体2に完全に閉じるように第1の筐体2に向けて手で折畳む。このようにすると、第2の筐体3と一体のヒンジ収納部3Cと連動する第2のヒンジ部材24が元に戻る方向に回動するので、第2のディスク34は、第1のディスク32に対して図13(D)の位置から図13(E)の位置まで反時計方向に回動し、ヒンジ収納部3Cを介して第2の筐体3が第1の筐体2に閉じる。
【0057】
なお、既に述べたように、第2の筐体3の水平変位に伴って、軸杆26が第1のディスク32の貫通孔32Hの延長部32HE内で径方向に変位するので、第1と第2のディスク32、34が軸杆26の傾斜に伴って整列していなくても1対の駒36Bと1対の案内凹部36Rとの位置関係が常に同じ状態となるように、1対の駒36Bと1対の案内凹部36Rとが貫通孔32H、34Hに対して対称的ではなく、一方の駒36B、案内凹部36Rが貫通孔32H、34Hに近く、他方の駒36B、案内凹部36Rが貫通孔32H、34Hに対して離れた位置にあるように設定されている(図12、図13参照)。
【0058】
第1のディスク32に係入している突部形成駒36Bが案内凹部36Rの第2溝部分36R2内や案内凹部36Rから外れた位置にあるときは、突部形成駒36Bは、第1のディスク32をばね部材38に抗して第1のヒンジ部材22の内側に押し込みながら第2のディスク34上を転動し、従って第1と第2のディスク32、34の相対的な回動が許されることは理解できることと思う。なお、図13は、突部形成駒36Bの周方向及び径方向の動きのみを示して第2のディスク34の案内凹部36Rは静止状態にして便宜的に示されているが、実際には、第2のディスク34が図13(A)乃至(D)の反時計方向に回転して突部形成駒36Rが相対的に周方向および径方向に動く。
【0059】
上記実施の形態では、第2のディスク34に設けられた案内凹部36Rの第2の溝部分36R2は、図9(A)及び図12、図13に示すように、最も深い部分から次第に浅くなりながら外径方向に延びているが、この部分は、第1と第2の筐体2、3を指で強制的に開く部分であるので、最も深い部分で終わっているか徐々に浅くなる部分の長さを更に長くしても短くしてもよい。
【0060】
図1乃至図15の実施の形態によるヒンジアセンブリ10を組み込んだ折畳み機器1は、上記のように、第2の筐体3を第1の筐体2に対して水平に揺動変位することなく、通常のように、第1と第2の筐体2、3を両手で開くこともできる。この場合は、軸杆26は傾くことなく、第1と第2のヒンジ部材22、24が整列したまま、第1のディスク32に保持された突部形成駒36Bは、図14(B)(C)に示すような軌跡を辿って第2のディスク34上を転動しながら案内凹部36Rの第1の溝部分36R1と第3の溝部分36R3との間を移動して、第1と第2の筐体2、3を完全閉状態及び完全開状態に保持する。
【0061】
本発明の第2の実施の形態による折畳み機器1が図16乃至図19に示されており、この形態では、ヒンジアセンブリ10は、第2の筐体3が第1の筐体2に対して半開きすることなく、第2の筐体3を第1の筐体2に対して水平方向に揺動のみ行なうことができるように構成されている。
【0062】
この第2の実施の形態では、図18(A)乃至(C)に示すように、第2のディスク34の案内凹部36Rが第1と第3の溝部分36R1、36R3とを有するが、第2の溝部分36R2を省略したことを除いて第1の実施の形態と同じである。
【0063】
この形態では、図16(B)に示すように、第2の筐体3を第1の筐体2に対して強制的に水平方向に揺動すると、第1の実施の形態と同様にして、第2のヒンジ部材24を介して軸杆26が傾き、第1と第2のディスク32、34の噛み合いがずれて図18(A)に示すように第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から脱出してばね部材38に抗して第2のディスク34に乗り上げる(図18(B)及び図19参照)。
【0064】
従って、第2の筐体3が第1の筐体2に対して水平揺動して両者が幅方向にずれて両者が重合されていない部分3Aが生ずる状態(図16(B)参照)が維持されるので、この重合されていない部分で上方の第2の筐体3を右手の親指などで下方の第1の筐体2に対して開くように操作することができる(図16(C)参照)。
【0065】
本発明の第2の実施の形態の変形例が図20に示されており、この変形例では、第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1が図19の第1の溝部分36R1よりもやや大きく形成されていて第2の筐体3の水平揺動運動に伴う第2のヒンジ部材24及び軸杆26の動きに追従して第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1の浅い部分に移行するだけでこの第1の溝部分36R1から完全に脱出することができないようにしている。これは、第2の実施の形態における第2の筐体3の水平揺動状態を不安定に維持していることになる。
【0066】
この変形例では、第2の筐体3を第1の筐体2に対して幅方向に指で水平揺動しても指を第2の筐体3から離すと、第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1の深いところに戻るため、第2の筐体3が第1の筐体2に重合する元の状態に戻る。従って、第2の筐体3の開操作は、第2の筐体3の水平揺動位置をそのまま指で維持しながら同じ指又は他の指で第2の筐体2に対して持ち上げることによって行われる。
【0067】
第1の実施の形態に用いられたヒンジアセンブリと同じ形態の2つのヒンジアセンブリ10を用いた本発明の折畳み機器1の変形例が図21乃至図24に示されている。この変形例では、2つのヒンジアセンブリ10が第1の筐体2のヒンジ収納部2C1と第2の筐体3のヒンジ収納部3Cとの間と、第1の筐体2のヒンジ収納部2C2と第2の筐体3のヒンジ収納部3Cとの間に対称的に取り付けられている。
【0068】
この変形例では、図21(B)(C)及び図22(B)に示すように、図3乃至図5の折畳み機器の場合よりも、第2の筐体3を第1の筐体2に対して一層大きな角度で水平揺動運動することができる他に、図23(B)及び図24に示すように、第2の筐体3を第1の筐体2に対して上下方向に水平変位することができる。
【0069】
更に、詳細に述べると、図21(B)に示すように、第2の筐体3を第1の筐体2に対して幅方向の右方に水平揺動すると、図11に関連して説明したように、図22の左側のヒンジアセンブリ10Lでは、第2のヒンジ部材24を介して軸杆26が図22(B)の左方に示すように傾き(図11(B)では傾きが逆方向に表示されている)、第1と第2のディスク32、34の噛み合いがずれて第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から第2の溝部分36R2に移行し、また図22の右側のヒンジアセンブリ10Rでは、第2のヒンジ部材24を介して軸杆26が図22(B)の右方に示すように傾き(図11(B)と同じ向きの傾き)、第1と第2のディスク32、34の噛み合いがずれて第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から第2の溝部分36R2に移行する。従って、図3乃至図5の場合に比べて、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cの傾きはほぼ倍加する(図3(B)と図21(B)とを対比参照のこと)
【0070】
その後、突部形成駒36Bは、第2の溝部分36R2の最も深い部分に自動的に移行するため(図12(C’)参照)、両ヒンジアセンブリ10L、10Rの第2のヒンジ部材24が軸杆26の回りを回動して第2の筐体3が約10°程度開いて半開き状態となる。従って、第2の筐体3を指で押し上げてこの筐体3を完全開放状態にすることができる(図21(D)参照)
【0071】
一方、図23及び図24に示すように、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cが第1の筐体2のヒンジ収納部2C1及び2C2に対して水平方向の上方に水平変位することもできる。このようにすると、図23の左側のヒンジアセンブリ10Lでは、第2のヒンジ部材24を介して軸杆26が図23(B)の左方に示すように右上がりに傾き(図11(B)と同じ傾き)、第1と第2のディスク32、34の噛み合いがずれて第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から第2の溝部分36R2に移行し、また図24の右側のヒンジアセンブリ10Rでは、第2のヒンジ部材24を介して軸杆26が図23(B)の右方に示すように左上がりに傾き(図11(B)と同じ向きの傾き)、第1と第2のディスク32、34の噛み合いがずれて第1のディスク32に保持されている突部形成駒36Bが第2のディスク34の案内凹部36Rの第1の溝部分36R1から第2の溝部分36R2に移行する。従って、第2の筐体3のヒンジ収納部3Cが水平のままヒンジ収納部2C1、2C2に対して上昇するのが許される(図23(B)参照)。
【0072】
従って、図22、23の使用例と同様に、その後、突部形成駒36Bは、第2の溝部分36R2の元も深い部分に自動的に移行するため(図12(C’)参照)、両ヒンジアセンブリ10L、10Rの第2のヒンジ部材24が軸杆26の回りを回動して第2の筐体3が約10°程度開いて半開き状態となるので、第2の筐体3を指で押し上げてこの筐体3を完全開放状態にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、第1と第2の筐体の完全閉状態から一方の筐体を他方の筐体に対して水平変位するように押すと、ヒンジアセンブリの軸杆が内部で傾いて第1と第2のヒンジ部材を整列状態から非整列状態にして筐体の開閉を容易にするために筐体の水平変位を許すことができるが、この筐体の水平変位は、単に保持手段を有するヒンジアセンブリ内の軸杆の傾きを許すように取付けるだけでよく、多軸構造等の複雑で特別な手段を必要とすることがなく、高い産業上の利用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態による折畳み機器の一例としての携帯電話の完全閉状態(A乃至F)と完全開状態(G)とを示し、同図(A)は、正面図、同図(B)は、背面図、同図(C)は、下面図、同図(D)(E)は、それぞれ左右側面図、同図(F)(G)は、斜視図である。
【図2】図1の携帯電話の第1と第2の筐体とそのヒンジアセンブリとを分解した斜視図である。
【図3】図1及び図2の携帯電話の完全閉状態(A)、水平揺動変位状態(B)、半開き状態(C)及び完全開放状態(D)の斜視図並びに完全開放状態(E)の平面図である。
【図4】図3と同様であるが、携帯電話の完全閉状態(A)、水平揺動変位状態(B)、半開き状態(C)の平面図である。
【図5】携帯電話とヒンジアセンブリとの関係を示し、同図(A)は、第1と第2の筐体の完全閉状態でのヒンジアセンブリの幅方向の垂直断面図、同図(B)(C)は、筐体の完全閉状態と水平揺動変位状態での横断面図、同図(D)は、完全閉状態の水平断面図、同図(E)は、水平揺動変位状態の水平断面図である。
【図6】本発明の折畳み機器に用いられる第1の実施の形態によるヒンジアセンブリの全体を示し、同図(A)は、正面図、同図(B)は、背面図、同図(C)は、左側面図、同図(D)は、右側面図、同図(E)は、上面図、同図(F)は、下面図、同図(G)は、斜視図、同図(H)は、縦断面図である。
【図7】図6のヒンジアセンブリを分解して示し、同図(A)は、一方の側から見た分解斜視図、同図(B)は、反対側から見た分解斜視図である。
【図8】図6のヒンジアセンブリに用いられる第1のディスクを示し、同図(A)は、正面図、同図(B)は、背面図、同図(C)は、下面図、同図(D)は、右側面図、同図(E)は、斜視図、同図(F)は、断面図である。
【図9】図6のヒンジアセンブリに用いられる第2のディスクを示し、同図(A)は、正面図、同図(B)は、背面図、同図(C)は、右側面図、同図(D)は、斜視図である。
【図10】図6のヒンジアセンブリに用いられる第2のディスクを断面で示し、同図(A)は、図9(A)のA−A線断面図、同図(B)は、図9(A)のB−B線断面図、同図(C)は、図9(A)のC−C線断面図、同図(D)は、図9(A)のD−D線断面図である。
【図11】本発明の折畳み機器の動作を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態にある時の縦断面図、同図(B)は、携帯電話の第2の筐体の水平揺動変位状態にある時の縦断面図、同図(C)は、携帯電話の半開き状態にある時の縦断面図、同図(D)は、携帯電話の完全開放状態にある時の縦断面図である。
【図12】図6のヒンジアセンブリに用いられる突部形成駒と案内凹部との位置関係の変化を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態にある時の平面図、同図(B)は、携帯電話の第2の筐体の水平揺動変位状態にある時の平面図、同図(C)は、携帯電話の半開き状態にある時の平面図、同図(D)は、携帯電話の完全開放状態にある時の平面図、同図(A’)(B’)(C’)(D’)は、それぞれ同図(A)(B)(C)(D)のA−A線、B−B線、C−C線及びD−D線断面図である。
【図13】図12とほぼ同じであるが、突部形成駒と案内凹部との位置関係の変化を拡大して示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態にある時の平面図、同図(B)は、携帯電話の第2の筐体の水平揺動変位状態にある時の平面図、同図(C)は、携帯電話の半開き状態にある時の平面図、同図(D)は、携帯電話の完全開放状態にある時の平面図、同図(E)は、同図(D)の状態からから突部形成駒が矢印で示す軌跡を辿って同図(A)と同じ状態に戻った状態にある時の平面図である。
【図14】携帯電話の第2の筐体を水平揺動することなく通常の開閉操作で使用する場合の突部形成駒と案内凹部との位置関係の変化を拡大して示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態にある時の平面図、同図(B)は、携帯電話の完全開放状態にある時の平面図、同図(C)は、携帯電話を元の完全閉状態に戻した時の平面図である。
【図15】突部形成駒と案内凹部の第1と第2の溝部分の相対位置関係を示す拡大断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態による折畳み機器に用いられるヒンジアセンブリの全体を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態の斜視図、同図(B)は、その水平揺動変位状態の斜視図、同図(C)は、その完全開放状態の斜視図である。
【図17】図16のヒンジアセンブリを断面で示し、同図(A)は、第1と第2の筐体が完全閉状態にあるときのヒンジアセンブリの縦断面図、同図(B)は、第2の筐体が第1の筐体に対して水平揺動変位したときのヒンジアセンブリの縦断面図、同図(C)は、第1と第2の筐体が完全開放状態にあるときのヒンジアセンブリの縦断面図である。
【図18】図17のヒンジアセンブリに用いられる突部形成駒と案内凹部との位置関係の変化を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態にある時の平面図、同図(B)は、携帯電話の第2の筐体の水平揺動変位状態にある時の平面図、同図(C)は、携帯電話の完全開放状態にある時の平面図、同図(A’)(B’)(C’)は、それぞれ同図(A)(B)(C)のA−A線、B−B線及びC−C線断面図である。
【図19】図18(B’)の拡大断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に用いられるヒンジセンブリの変形例の図19と同様の拡大断面図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態による折畳み機器の1つの操作状態を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態の斜視図、同図(B)は、その水平揺動変位状態の斜視図、同図(C)は、その半開き状態の斜視図、同図(D)は、その完全開放状態の斜視図である。
【図22】図21の操作状態で携帯電話とヒンジアセンブリとの関係を示し、同図(A)は、完全閉状態の水平断面図、同図(B)は、水平揺動変位状態の水平断面図である。
【図23】図21の折畳み機器の他の操作状態を示し、同図(A)は、携帯電話の完全閉状態の一部を破断した正面図、同図(B)は、その水平上方変位状態の一部を破断した正面図である。
【図24】図23の操作状態で携帯電話とヒンジアセンブリとの関係を示し、同図(A)は、完全閉状態の水平断面図、同図(B)は、水平上方変位状態の水平断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 折畳み機器
2 第1の筐体
2C1、2C2 筒状ヒンジ収納部
2C1H 孔
3 第2の筐体
3C 筒状ヒンジ収納部
6 ヒンジ軸
7 ストッパー
7P1 ストッパーピン
7P2 ストッパーピン
8 ねじ
10 ヒンジアセンブリ
20 ヒンジ本体
22 第1の筒状ヒンジ部材
22H 貫通孔
22E 1対の回り止め用係入凹条
22G1、22G2 係入溝
22S 支持溝
22R 係止凹部
24 第2の筒状ヒンジ部材
24F 1対の回り止め平坦面
24G 係入溝
24H 貫通孔
24TH 拡大テーパ孔部分
26 軸杆
26F 鍔
26L 先端
30 保持手段
32 第1のディスク
32H 貫通孔
32S 支軸
32P 突部
34 第2のディスク
34H 貫通孔
34P 1対の固定ピン
34R 保持凹部
36B 1対の突部形成用駒
36R 1対の案内凹部
36R1 第1の溝部分
36R2 第2の溝部分
36R2E 延長部分
36R3 第3の溝部分
36RW 壁
38 ばね部材
40 軸杆貫通部
42 変位許容手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって前記第1と第2の筐体を折畳み自在に結合して構成され、前記ヒンジアセンブリが前記第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と前記第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材とを備えた折畳み機器において、前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線の整列が外れたヒンジ非整列状態とに変位して前記第1と第2の筐体をずらせることができるように、前記第1のヒンジ部材と前記第2のヒンジ部材とのずれを許す変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳み機器であって、前記変位許容手段は、前記ヒンジ非整列状態を保持する保持構造を含むことを特徴とする折畳み機器。
【請求項3】
請求項1に記載の折畳み機器であって、前記変位許容手段は、前記ヒンジ非整列状態から前記ヒンジ整列状態にもどる構造を含むことを特徴とする折畳み機器。
【請求項4】
第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって折畳み自在に結合して構成され、前記ヒンジアセンブリは、前記第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と前記第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材と前記第1と第2のヒンジ部材を弾性的に結合する軸杆とから成る折畳み機器において、前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線が整列状態から外れたヒンジ非整列状態とに変位して前記第1と第2の筐体をずらせることができるように、前記ヒンジアセンブリの前記軸杆が前記第1と第2のヒンジ部材に跨って変位自在に取付けられた変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項5】
第1の筐体に設けられた第1のヒンジ収納部と第2の筐体に設けられた第2のヒンジ収納部とに跨って配置された少なくとも1つのヒンジアセンブリによって折畳み自在に結合して構成され、前記ヒンジアセンブリは、前記第1のヒンジ収納部に配置される第1のヒンジ部材と前記第2のヒンジ収納部に配置される第2のヒンジ部材と前記第1と第2のヒンジ部材を弾性的に結合する軸杆とから成り、前記ヒンジアセンブリは、その内部に前記第1の筐体と前記第2の筐体とを閉じた状態と開いた状態とに保持する保持手段を含み、前記保持手段は、前記第1のヒンジ部材に保持された第1のディスクと前記第2のヒンジ部材に保持された第2のディスクとから成り、前記第1と第2のディスクは、前記第1と第2の筐体の閉じた状態と開いた状態とで相互に安定的に噛み合う噛み合い部を有する折畳み機器において、前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線が整列したヒンジ整列状態と前記第1のヒンジ収納部と前記第2のヒンジ収納部の軸線が整列状態から外れたヒンジ非整列状態とに変位して前記第1と第2の筐体をずらせることができるように、前記ヒンジアセンブリの前記軸杆が前記第1と第2のヒンジ部材に跨って変位自在に取付けられた変位許容手段を備えていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項6】
請求項5に記載の折畳み機器であって、前記第1と第2のディスクの噛み合い部は、前記ヒンジ非整列状態で、前記第1と第2の筐体のずれを維持するように形成されていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の折畳み機器であって、前記第1と第2のディスクの噛み合い部は、前記ヒンジ非整列状態で、前記第1と第2の筐体のずれの後に前記第1と第2の筐体の半開状態を維持するように形成されていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項8】
請求項6に記載の折畳み機器であって、前記保持手段は、前記第1と第2のディスクのいずれか一方のディスクに保持された突部形成駒と他方のディスクに形成された案内凹部とを有し、前記軸杆の径方向の変位を許す軸杆貫通部は、前記突部形成駒を有する側のディスクに設けられ、前記他方のディスクの前記案内凹部は、前記第1と第2の筐体の完全閉状態とずれを保持する相互に隣接する溝部分を有することを特徴とする折畳み機器。
【請求項9】
請求項7に記載の折畳み機器であって、前記保持手段は、前記第1と第2のディスクのいずれか一方のディスクに保持された突部形成駒と他方のディスクに形成された案内凹部とを有し、前記軸杆の径方向の変位を許す軸杆貫通部は、前記突部形成駒を有する側のディスクに設けられ、前記他方のディスクの前記案内凹部は、前記第1と第2の筐体の完全閉状態と前記半開状態とを保持する相互に隣接する溝部分を有することを特徴とする折畳み機器。
【請求項10】
請求項4乃至9のいずれかに記載の折畳み機器であって、前記第1の筐体の一方側で前記第1と第2のヒンジ収納部に跨って前記ヒンジアセンブリが配置され、前記第1の筐体の他方側で前記第1と第2のヒンジ収納部に跨ってヒンジ軸が配置されていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項11】
請求項4乃至9のいずれかに記載の折畳み機器であって、前記第1の筐体の両側で前記第1と第2のヒンジ収納部に跨って前記ヒンジアセンブリが配置されていることを特徴とする折畳み機器。
【請求項12】
請求項4乃至11のいずれかに記載の折畳み機器であって、前記ヒンジアセンブリのヒンジ整列状態は、前記第1と第2の筐体が閉じた状態と開いた状態とで維持され、また前記ヒンジアセンブリのヒンジ非整列状態は、前記第1と第2の筐体が閉じた状態から開いた状態に移行する間に生ずることを特徴とする折畳み機器。
【請求項13】
請求項4乃至12のいずれかに記載の折畳み機器であって、前記変位許容手段は、ヒンジの軸杆が前記第1のディスクと前記第2のディスクとのいずれか一方のディスク内をその径方向に変位できるように前記第1と第2のディスクを貫通して取付けられていることによって得られることを特徴とする折畳み機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−202690(P2008−202690A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39549(P2007−39549)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000107572)スガツネ工業株式会社 (153)
【Fターム(参考)】