説明

抜き型および抜き型システム

【課題】
型抜き製品に傷を付けることなく型抜きを行いかつプレス機への負荷を低減させ、型抜きの際に帯状刃に取り残されている型抜き製品等を、ゴム部材を用いることなく帯状刃から離脱させる。
【解決手段】
上面の常態位置が前記帯状刃の前記上端縁より高くなるように上方に弾力付勢され、プレス機が駆動されたときに上面位置が前記プレス機の他方の定盤により帯状刃の上端縁よりも低い位置に押し下げられるステージ13,14と、プレス機が駆動されたときに前記上下定盤の相対距離が最小となるタイミングまたは相対距離が最小となった後に増大するタイミングでテージを上端縁より低い位置から高い位置に押し上げるステージ押上げ用のアクチュエータ151〜158とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機により帯状刃がループ状に取り付けられた抜き型を用いてシート等の薄状体を型抜きするに際し、型抜き製品に傷を付けることなく型抜きを行いかつプレス機への負荷を低減することができ、型抜きの際に帯状刃に取り残されている型抜き製品等を、ゴム部材を用いることなく帯状刃から離脱させる(押し上げる)ことができる抜き型および抜き型システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定形状のプラスチック製のシートやフィルム(たとえば、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイに使用されるディスプレイ用シート等)、所定形状の紙製品(たとえば、紙箱等の組み立て前の展開形状の紙)の型抜きの工程を、図8(A)から(C)に示す。
【0003】
図8(A)に示すように、まず、下定盤91と上定盤92の一方(図8では下定盤91)に抜き型93を配置し、この抜き型の上にシート,紙等の薄状体94を載置する。抜き型93は帯状刃931とボード932とゴム部材933とからなる。図10に示すように、帯状刃931は、上端縁に刃が形成されており、ボード932に上端縁がボード表面Sから突出するように取り付けられている。また、ボード932の上面には、帯状刃931の突出高さよりも高い厚みがあるゴム部材933が多数配置されている。このゴム部材933は帯状刃931に沿って配置されるほか、帯状刃931のループの内側や外側の帯状刃931から離れた部位にも配置されている。
【0004】
次に、図8(B)に示すように、上定盤92によりゴム部材933を圧縮しつつ、薄状体94の型抜きを行う。この後、図8(B)に示すように、上定盤92を引き上げるが、圧縮されたゴム部材933により、型抜きされた薄状体94(製品部を符号941で示し廃棄される残余部を符号942で示す)は、帯状刃931に取り残されることなく上方に押し上げられる。
【0005】
なお、ゴム部材933を設けない場合には、型抜き後に、製品部941や残余部942は帯状刃931に押接するので、帯状刃931から押し上げることは容易ではない。したがって、従来、この種の抜き型にはゴム部材933は必須である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ゴム部材933を用いた場合、図8(B)に示したように、薄状体94の製品部941はゴム部材933と上定盤92とにより強い圧力を受けるので、薄状体94に傷が付くことがある。
【0007】
たとえば、薄状体94が液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるプラスチックシートであるような場合には、僅かな傷が付いても不良品として扱われる。
【0008】
したがって、プレス機の扱いに不慣れな未経験者が、ゴム部材933の材質の選択やボード表面Sでの配置を行うと、歩留まりが悪くなることがあるので、これらの選択や配置は経験に頼らざるを得ないという問題がある。
【0009】
また、ゴム部材933はボード932に接着してあるため再利用ができない。また、環境保護の面から、抜き型93を廃棄する際には、ボード932からゴム部材933を取り外さなければならないが、その取外しは容易ではなく大きな手間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、製品に傷を付けることなく型抜きできる抜き型および抜き型システムを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、型抜きに際して、ゴム部材を用いることなく型抜き製品等を帯状刃から離脱する(押し上げる)ことができる抜き型および抜き型システムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、プレス機への負荷を低減することができる抜き型および抜き型システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の抜き型は、(1)から(8)を要旨とする。
(1)「 プレス機の上下定盤の一方に設置または取り付けられて使用される、下端側にアーチ状切り欠き部を有し上端縁に刃が形成されてなるループ状の帯状刃がボードに前記上端縁が前記ボードの表面から突出するように取り付けられてなる抜き型において、
【0014】
上面の常態位置が前記帯状刃の前記上端縁より高くなるように上方に弾力付勢され、前記プレス機が駆動されたときに上面位置が前記プレス機の他方の定盤により前記帯状刃の上端縁よりも低い位置に押し下げられるステージと、
前記プレス機が駆動されたときに前記上下定盤の相対距離が最小となるタイミングまたは前記相対距離が最小となった後に増大するタイミングで前記テージを前記上端縁より低い位置から高い位置に押し上げるステージ押上げ用のアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする抜き型。」
【0015】
(2)「 前記ステージが、前記帯状刃のループ内側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より小さく形成されている内側ステージであることを特徴とする(1)に記載の抜き型。」
【0016】
(3)「 前記ステージが、前記帯状刃のループ外側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より大きく形成されている外側ステージであることを特徴とする(1)に記載の抜き型。」
【0017】
(4)「 前記ステージが、前記帯状刃のループ内側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より小さく形成されている内側ステージと、前記帯状刃のループ外側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より大きく形成されている外側ステージと、
からなることを特徴とする(1)に記載の抜き型。」
【0018】
(5)「 前記アクチュエータがソレノイドアクチュエータ、エアーシリンダアクチュエータ、油圧シリンダアクチュエータ、エアーポンプ型アクチュエータであることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の抜き型。」
【0019】
(6)「 前記アクチュエータは、前記ボードに着脱可能に埋設されることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の抜き型。」
【0020】
(7)「 前記アクチュエータが動作するタイミングを検出するタイミングセンサを備えたことを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の抜き型。」
【0021】
(8)「 前記タイミングセンサは、前記ボードに着脱可能に埋設されることを特徴とする(7)に記載の抜き型。」
【0022】
本発明の抜き型システムは、(9)および(10)を要旨とする。
(9)「 (1)から(6)の何れかに記載の抜き型と前記アクチュエータを駆動する制御装置とを備えてなる抜き型システムであって、
前記制御装置は、前記プレス機からのタイミング信号を受け取り、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする抜き型システム。
【0023】
(10)「 (7)または(8)に記載の抜き型と前記アクチュエータを駆動する制御装置とを備えてなる抜き型システムであって、
前記制御装置は、前記プレス機からのタイミング信号を受け取り、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする抜き型システム。」
【発明の効果】
【0024】
本発明では、ゴム部材を使用せずに、内側ステージまたはさらに外側ステージをアクチュエータにより駆動することにより、型抜き製品(製品部)や残余部の押し上げを行うようにしたので、製品を傷を付けることなく型抜きできる。
また、本発明では、ゴム部材を使用していないことおよび容易にアクチュエータの取外しが可能なことから、抜き型を廃棄する際に、環境保護の面からの分別が容易となる。
さらに、型抜きがあるまでアクチュエータを実質上動作させないようにできるので、プレス機への負荷を低減することができ、省電力化を図るとともに、プレス機の寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の抜き型を示す分解斜視図である。図1において、抜き型1は、プレス機の下定盤または上定盤の何れか(本実施形態で下定盤)に設置または取り付けられて使用されるもので、ボード11と、帯状刃12と、内側ステージ13と、外側ステージ14と、ソレノイドアクチュエータ151〜158と、タイミングセンサ16と、配線部材(図1には示していない)とを備えている。なお、配線部材は、図2(A),(B)、図3(A),(B)および図4(A),(B)および図5(A),(B)では符号17で示す。
【0026】
ボード11として、典型的には合板が使用されるが、その他、プラスチック板、合成紙板、これらの複合板等、種々のものが使用される。ボード11には、帯状刃12を取り付けるための、一部(帯状刃12のアーチ状切り欠き部Aおよび配線部材設置用切り欠き部Bに対応する部分)が非連通となっている溝111が形成されている。溝111はレーザ加工機により、アーチ状切り欠き部Aおよび配線部材設置用切り欠き部Bを残して形成することができる。
【0027】
また、ボード11には、ソレノイドアクチュエータ151〜158をセットするための連通溝1121〜1128およびタイミングセンサ16をセットするための連通溝1129が形成されている。
本実施形態では、連通溝1121,1122、1125,1126は一直線上に並ぶように配置され、また連通溝1123,1124、1127,1128も一直線上に並ぶように配置されている。
【0028】
ボード11の裏面には、細溝対G1が連通溝1121,1122、1215,1216を挟むように少なくとも一端がボード11の側面で開放するように形成され、細溝対G2が連通溝1123,1124、1127,1128を挟むように、かつ少なくとも一端がボード11の側面で開放するように形成されている。さらに、ボード11の裏面には、細溝対G3がボード11の端部から連通溝1129を挟むように、ボード11の側面から当該連通溝1129の位置まで形成されている。
【0029】
帯状刃12は、下端側にアーチ状切り欠き部Aおよび配線部材設置用切り欠き部Bを有し、上端縁Tに刃が形成されてなるループ状をなしており、溝111に上端縁Tがボード11の表面Sから突出するように取り付けられる。本実施形態では、帯状刃12は両刃(鎬が両面に形成されている刃)を例示するが(図4(A),(B)および図5(A),(B)参照)、片刃(鎬が方面に形成されている刃)であってもよいし、二段刃(鎬の勾配が段階的に大きくなるように形成されている刃)であってもよい。
【0030】
内側ステージ13は、帯状刃12のループ内側に配置され輪郭が帯状刃12のループ輪郭より小さく形成されている。外側ステージ14は、帯状刃12のループ外側に配置され内側輪郭が帯状刃12のループ輪郭より大きく形成されている。内側ステージ13および外側ステージ14は、金属板(アルミニウム板,ステンレス板等)、プラスチック板等から構成され、金属板(アルミニウム板,ステンレス板等)により構成する場合には、表面にプラスチック層を形成することができる。
【0031】
また、図4(A)に示すように、内側ステージ13および外側ステージ14は、上面の常態位置が帯状刃12の上端縁Tより高くなるように上方にコイルスプリング131により弾力付勢され、プレス機が駆動されたときに上面位置Pが、帯状刃12の上端縁Tよりも低い位置に上定盤22により押し下げられる(図4(B)参照)。コイルスプリング131は、内側ステージ13や外側ステージ14、および薄状体3を支える程度の付勢力を持てばよい。
【0032】
ソレノイドアクチュエータ151〜154は、ボード11の帯状刃12のループ内側に着脱可能に埋設され、ソレノイドアクチュエータ155〜158は、ボード11の帯状刃12のループ外側に着脱自在に埋設されている。ソレノイドアクチュエータ151〜154はプレス機が駆動されたときに、下定盤21と上定盤22との相対距離Lが最小となるタイミングまたは相対距離Lが最小となった後に増大するタイミングで、内側ステージ13を上端縁Tより低い位置から高い位置に押し上げることができ、チュエータ155〜158は上記のタイミングで、外側ステージ14を上端縁Tより低い位置から高い位置に押し上げることができる。
【0033】
図2(A)に内側ステージ13および外側ステージ14が押し下げられる前の様子を示し、図2(B)に内側ステージ13および外側ステージ14が押し下げられたときの様子を示す。
【0034】
本実施形態では、ソレノイドアクチュエータ151〜158は、2端子a,bを持ち、この2端子間に電流を流す(ソレノイドコイルに電流を流す)ことで鉄心が、所定の力(たとえば、数Nないし10N程度)で突出する機構を備えている。ソレノイドアクチュエータ151〜158の側面下部の対向する側に、上記した2端子a,bが形成されている。この2端子a,bは、図3(A)に示すように配線部材17の銅線172と接触することができる(図3(A)では端子aは図示されていない)。
【0035】
タイミングセンサ16は、図示しないコイルバネにより上方に付勢され、内側ステージ13や外側ステージ14と同期して上定盤22に押し下げられる可動磁石161と、ボード11に取り付けられた固定コイル162と、プレート163とからなる。
【0036】
タイミングセンサ16は、ボード11の適宜箇所(本実施形態では帯状刃12のループ外側)に着脱可能に埋設されている。タイミングセンサ16は、ソレノイドアクチュエータ151〜158が動作するべきタイミング、すなわち、下定盤21と上定盤22との相対距離Lが最小となるタイミングまたは相対距離Lが最小となった後に増大するタイミングを検出することができる。可動磁石161の移動により固定コイル162には起電力が生じる。起電力の方向は可動磁石161の移動方向によるので、後述するように、下定盤21と上定盤22との相対距離Lが最小となるタイミングまたは相対距離Lが最小となった後に増大するタイミングを検知することができる。また、タイミングセンサ16の側面下部の対向する側に、図3(B)に示すように2端子(図3(B)では一端子bのみが示されている)が形成され、この2端子は、後述するように配線部材17の銅線172と接触することができる。
【0037】
配線部材17は、細溝対G1、G2およびG3に装着されるもので、図3(A),(B)に示すように、断面L字形をなす長手部材171と、L字の垂直部分の内方に埋め込まれた側面が露出している銅線172とにより構成されている。細溝対G1およびG2に装着される配線部材17は、ソレノイドアクチュエータ151〜158に電力を供給し、細溝対G3に装着される配線部材17は、タイミングセンサ16からの信号を外部の制御装置に送出することができる。
【0038】
図4(A),(B)、図5(A),(B)および図6により本発明の抜き型システムの一実施形態を、抜き型1の動作と併せて説明する。
図6に示すように、抜き型システム40は、抜き型1と、制御装置4とからなる。
制御装置4は、制御部41と、電源装置(AC/DCコンバータ)42と、調節装置(DC/DCコンバータ)43を備えている。
【0039】
まず、抜き型1に薄状体3がセットされた状態(図5(A)参照)で、上定盤22が下方に下がるにつれて、内側ステージ13と外側ステージ14とが、薄状体3を介して上定盤22により押されて下方に下がる。このとき内側ステージ13と外側ステージ14の、上定盤22に対する抗力は、コイルスプリング131の付勢力のみである。この付勢力は、内側ステージ13や外側ステージ14、および薄状体3を支える程度であるので、薄状体3に傷が付くといった不都合は生じない。
【0040】
内側ステージ13および外側ステージ14の上面位置Pが、上定盤22により帯状刃12の上端縁Tよりも低い位置に押し下げられ、薄状体3が帯状刃12より打ち抜かれる(図5(B)参照)。このとき、上定盤22は停止した後上昇するので、タイミングセンサ16はこの動きを、可動磁石161の動きとして検知することができる。すなわち、可動磁石161に生じる起電力の向きは、上定盤22が下がるときと上がるときとでは異なる。
【0041】
したがって、制御部41は固定コイル162からの電流信号または電圧信号により、上定盤22が最下となったタイミングまたは上定盤22が上昇しつつあるタイミングで、調節装置43に制御信号を送出し、調節装置43は電源装置42からの直流電力によりソレノイドアクチュエータ151〜158を駆動する。
【0042】
調節装置43は、本実施形態ではDC/DCコンバータであるが、単にオンオフを行うスイッチ回路であってもよいし、電流を増大させる回路であってもよい。図6では、ソレノイドアクチュエータ151〜154および151〜154をそれぞれ並列接続してあるが、インダクタンスの影響が小さいとき(過渡応答が大きいとき)は、ソレノイドアクチュエータを直列接続することもできる。なお、ソレノイドアクチュエータを直列接続することにより、積極的に応答をなだらかにする(上定盤22が上昇した後に、徐々にソレノイドアクチュエータ151〜158が駆動するようにする)ことも可能である。
【0043】
図5(C)では、上定盤22が上昇した後であっても、ソレノイドアクチュエータ151〜158がまだ駆動していない様子が示され、ソレノイドアクチュエータ151〜158が駆動した後は、図5(D)に示すように内側ステージ13や外側ステージ14による型抜き製品(製品部)や残余部の押し上げを行う。なお、型抜き製品は、帯状刃12の内側に形成されることもあるし、外側に形成されることもある。
【0044】
制御部41は、ソレノイドアクチュエータ151〜158が駆動した後、所定時間経過したときは、その駆動を停止するようにしてもよい。また、制御部41は、タイミングセンサ16から、可動磁石161に生じる起電力が生じている信号を受け取らないときに、ソレノイドアクチュエータ151〜158の駆動を停止することができる。
【0045】
上記の抜き型システム40では、抜き型11にタイミングセンサ16が設けられている場合を示したが、抜き型にタイミングセンサが設けられていない場合には、プレス機本体から動作信号(たとえば型抜き時のタイミング信号)を受け取り、このタイミング信号に基づき、制御装置がソレノイドアクチュエータ151〜158を駆動するようにしてもよい。
【0046】
以上アクチュエータがソレノイドアクチュエータである場合を説明したが、ソレノイドアクチュエータに代えて、エアーシリンダアクチュエータ、油圧シリンダアクチュエータ、エアーポンプ型アクチュエータを用いることができる。
【0047】
図7(A),(B),(C)に、エアーポンプ型アクチュエータ5で、内側ステージ13や外側ステージ14による型抜き製品(製品部)や残余部の押し上げを行う例を示す。ここでは、図示ないコンプレッサにより、エアーポンプ型アクチュエータ5のエアーの注入や排気を行っている。
【0048】
図7(A)では、エアーポンプ型アクチュエータ5の常態を示している。状定盤22により内側ステージ13,外側ステージ14が力を受けたときに、エアーポンプ型アクチュエータ5は排気し、図7(B)に示すように薄状体4の型抜きを行う。この後、エアーポンプ型アクチュエータ5にエアーを注入し、型抜き製品(製品部)や残余部の押し上げを行う。
【0049】
エアーポンプ型アクチュエータ5からのエアーの排気やエアーポンプ型アクチュエータ5へのエアーの注入は、プレス機本体からの動作信号を参照して決定することができる。
【0050】
本発明では、たとえば帯状刃の内側のみにステージを設けてアクチュエータにより型抜き製品(製品部)の離脱(押し上げ)を行い、帯状刃の外側の残余部は、従来のゴム部材を使用した方法により残余部の離脱(押し上げ)を行うことができる。また、逆に、帯状刃の外側のみにステージを設けてアクチュエータにより型抜き製品(製品部)の離脱を行い、帯状刃の内側の残余部は、従来のゴム部材を使用した方法により残余部の離脱(押し上げ)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の抜き型を示す分解斜視図である。
【図2】(A)は内側ステージおよび外側ステージが押し下げられる前の様子を示し、(B)は内側ステージおよび外側ステージが押し下げられたときの様子を示す図である。
【図3】(A)はソレノイドアクチュエータの端子が配線部材の銅線と接触する様子を示す図、(B)はタイミングセンサの端子が配線部材の銅線と接触する様子を示す図である。
【図4】抜き型の動作説明図であり、(A)は型抜き前の様子を示す図、(B)型抜き時の様子を示す図である。
【図5】抜き型の動作説明図であり、(A)は型抜き後に上定盤が引き上げられた後であってもアクチュエータが動作してない様子を示す図、(B)は型抜き後に上定盤が引き上げられた後にアクチュエータが動作した様子を示す図である。
【図6】本発明の抜き型システムを示す図である。
【図7】エアーポンプ型アクチュエータを用いた抜き型の実施形態を示す図であり、(A)はエアーポンプ型アクチュエータの常態を示す図、(B)に示すように薄状体の型抜き時の様子を示す図、(C)はエアーポンプ型アクチュエータにより型抜き製品(製品部)や残余部の押し上げを行う様子を示す図である。
【図8】従来の抜き型を示す図であり、(A)は型抜き前の状態を示す図、(B)は型抜き時の状態を示す図、(C)は型抜き後の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 抜き型
3 薄状体
4 制御装置
5 エアーポンプ型アクチュエータ
11 ボード
12 帯状刃
13 内側ステージ
14 外側ステージ
16 タイミングセンサ
17 配線部材
21 下定盤
22 上定盤
40 抜き型システム
41 制御部
42 電源装置
43 調節装置
111 溝
131 コイルスプリング
151〜158 ソレノイドアクチュエータ
161 可動磁石
162 固定コイル
163 プレート
1121〜1128,1129 連通溝
G1,G2,G3 細溝対
A アーチ状切り欠き部
B 配線部材設置用切り欠き部
a,b 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機の上下定盤の一方に設置または取り付けられて使用される、下端側にアーチ状切り欠き部を有し上端縁に刃が形成されてなるループ状の帯状刃がボードに前記上端縁が前記ボードの表面から突出するように取り付けられてなる抜き型において、
上面の常態位置が前記帯状刃の前記上端縁より高くなるように上方に弾力付勢され、前記プレス機が駆動されたときに上面位置が前記プレス機の他方の定盤により前記帯状刃の上端縁よりも低い位置に押し下げられるステージと、
前記プレス機が駆動されたときに前記上下定盤の相対距離が最小となるタイミングまたは前記相対距離が最小となった後に増大するタイミングで前記テージを前記上端縁より低い位置から高い位置に押し上げるステージ押上げ用のアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする抜き型。
【請求項2】
前記ステージが、前記帯状刃のループ内側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より小さく形成されている内側ステージであることを特徴とする請求項1に記載の抜き型。
【請求項3】
前記ステージが、前記帯状刃のループ外側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より大きく形成されている外側ステージであることを特徴とする請求項1に記載の抜き型。
【請求項4】
前記ステージが、前記帯状刃のループ内側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より小さく形成されている内側ステージと、前記帯状刃のループ外側に配置され輪郭が前記帯状刃のループ輪郭より大きく形成されている外側ステージと、
からなることを特徴とする請求項1に記載の抜き型。
【請求項5】
前記アクチュエータがソレノイドアクチュエータ、エアーシリンダアクチュエータ、油圧シリンダアクチュエータ、エアーポンプ型アクチュエータであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の抜き型。
【請求項6】
前記アクチュエータは、前記ボードに着脱可能に埋設されることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の抜き型。
【請求項7】
前記アクチュエータが動作するタイミングを検出するタイミングセンサを備えたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の抜き型。
【請求項8】
前記タイミングセンサは、前記ボードに着脱可能に埋設されることを特徴とする請求項7に記載の抜き型。
【請求項9】
請求項1から6の何れかに記載の抜き型と前記アクチュエータを駆動する制御装置とを備えてなる抜き型システムであって、
前記制御装置は、前記プレス機からのタイミング信号を受け取り、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする抜き型システム。
【請求項10】
請求項7または8に記載の抜き型と前記アクチュエータを駆動する制御装置とを備えてなる抜き型システムであって、
前記制御装置は、前記プレス機からのタイミング信号を受け取り、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする抜き型システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−136558(P2007−136558A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329521(P2005−329521)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】