抵抗投入式ガス遮断器
【課題】各遮断部の抵抗接点部に、熱容量を小さい投入抵抗体を使用することができ、小型で経済的に製作できる抵抗投入式ガス絶縁遮断器を提供する。
【解決手段】金属容器1内に、主接点部11A、11Bと抵抗接点部11A、11Bとを有して直列接続する複数の遮断部10A、10Bを配置する。各遮断部10A、10Bには、それぞれ独立した油圧操作器20A、20Bを備えている。各油圧操作器20A、20Bは、それぞれ作動油の圧力を高める加圧手段21A、21Bと、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段22A、22Bと、これら蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段23A、23Bと、加圧手段を制御する制御手段24A、24Bを有している。そして、各油圧操作器20A、20B間は制御信号系統線30で接続して、一方の加圧手段が起動したときは、他方の加圧手段を相互に強制的に同期させて起動可能に構成している。
【解決手段】金属容器1内に、主接点部11A、11Bと抵抗接点部11A、11Bとを有して直列接続する複数の遮断部10A、10Bを配置する。各遮断部10A、10Bには、それぞれ独立した油圧操作器20A、20Bを備えている。各油圧操作器20A、20Bは、それぞれ作動油の圧力を高める加圧手段21A、21Bと、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段22A、22Bと、これら蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段23A、23Bと、加圧手段を制御する制御手段24A、24Bを有している。そして、各油圧操作器20A、20B間は制御信号系統線30で接続して、一方の加圧手段が起動したときは、他方の加圧手段を相互に強制的に同期させて起動可能に構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抵抗投入式ガス遮断器に係り、特に主接点部と抵抗接点部とを有する多点切の抵抗投入式ガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統に使用されるガス遮断器では、遮断部の主接点の投入時に開閉サージが発生する場合があることはよく知られており、この開閉サージは系統電圧に比例して高くなる。通常、投入時の開閉サージを抑制するため、主接点部と並列に抵抗接点部を備えて遮断部を構成する抵抗投入式ガス遮断器が使用されている。
【0003】
系統電圧が高くなると抵抗投入式ガス遮断器は、抵抗投入方式の2組の遮断部を直列に接続し、これを絶縁性能や消弧性能の良好なSF6等の絶縁ガスが充填する金属容器内に収納して2点切りに構成している。この抵抗投入式ガス遮断器では、各遮断部の接点間の絶縁距離を長くして絶縁性能を確保し、しかも各遮断部は1台の操作機構によって、2組の主接点部と抵抗接点部とを同時に駆動することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかし、2組の遮断部を1台の操作機構で駆動するには、リンク機構を用いるので部品点数が増加するため、経済的でない問題がある。しかも、リンク機構で2組の主接点部と抵抗接点部を互いに反対方向に高速駆動せねばならないから、構造が複雑となって信頼性を低下させるばかりか、また高速駆動する操作器は、より大きな駆動力が求められていた。
【0005】
従来の2点切りの抵抗投入式ガス遮断器では、図8に示すように絶縁ガスを充填する金属容器1内に、接続導体2にて直列に接続する2組の遮断部10A、10Bを配置している。各遮断部10A、10Bは、主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bを備えて構成され、絶縁ロッド3A、3Bにより操作されるもので、これら主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bは、左右同一の構造である。そして、主接点部11A、11Bは、固定接触子4A、4B及び可動主接触子5A、5Bと、固定側アーク接触子6A、6B及び可動側アーク接触子7A、7Bや、遮断時に動作して絶縁ガスを圧縮するシリンダ及びピストンのパッファ装置8A、8Bや、圧縮された絶縁ガスをアーク接触子部分に吹き付けてアークを消弧する絶縁ノズル9A、9B等からそれぞれ構成し、また抵抗接点部12A、12Bは、投入抵抗体13A、13B側の固定抵抗接点14A、14Bと、可動主接触子5A、5Bと同時に動く可動抵抗接点15A、15B等からそれぞれ構成している。そして、左右の遮断部10A、10Bは、金属容器1の外部に別々に設けた独立した構造の操作機構部により、絶縁ロッド3A、3Bを介して同時に駆動することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
操作機構部としては、図8に示すようなリンク機構を使用せず、機械的信頼性の高い構造の油圧操作器20A、20Bが用いられてきている。各油圧操作器20A、20Bには、それぞれ作動油の圧力を高める加圧手段21A、21Bや、作動油の圧力を蓄えるタンクを含む蓄圧手段22A、22Bや、加圧手段21A、21Bの作動油の圧力を検出する検出手段23A、23Bや、更には加圧手段21A、21Bを制御する制御手段24A、24Bを有している。
【0007】
【特許文献1】特開平6−5164号公報
【特許文献2】特開平7−335088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、抵抗投入式ガス遮断器に上記した構造の独立した油圧操作器20A、20Bを使用すると、投入抵抗体13A、13Bの使用条件を十分に検討する必要がある。以下これについて、図9及び図10を用いて説明する。各油圧操作器20A、20Bは、検出手段23A、23Bで検出する作動油の圧力が上限値に達すると制御手段24A、24Bが停止指令し、逆に下限値に達すると起動指令して加圧する。油圧操作器20A、20Bは、構造は同一であっても機械的な誤差のため、油圧の特性時間変化まで同一にできないから、油圧ピストンと油圧シリンダで構成する蓄圧手段油圧22A、22Bでの作動油の漏れ量に、それぞれ個体差が生ずる。
【0009】
例えば、油圧操作器20Aが図9に実線で示すように作動油の漏れ量の少ない特性P1で、また油圧操作器20Bが破線で示すように作動油の漏れ量の多い特性P2であるとする。この場合、各油圧操作器20A、20Bの加圧速度が同じであったとしても、油圧の低下速度が異なることから、これらの起動開始点PA1とPB1は、次第に異なってずれてしまうようになる。
【0010】
このような特性P1、P2をもつ油圧操作器20A、20Bを用いていた場合、遮断部10A、10Bが遮断状態から、指令点PABで投入動作に入ったとする。このとき、油圧操作器20Aでは点PAHの上限に近い油圧の状態にあるため、絶縁ロッド3Aを介して抵抗接点部12Aを速いストローク速度で投入する。これに対して、油圧操作器20Bでは点PBLの下限に近い油圧の状態にあるから、絶縁ロッド3Bを介して抵抗接点部12Bの投入のストローク速度は遅くなる。
【0011】
このため、図10に実線で示す特性P1の油圧が上限に近いときの遮断部ストローク及び、破線で示す特性P2の油圧が下限に近いときの遮断部ストロークとは、抵抗接点部12A及び12Bの先行放電開始位置や抵抗接点投入位置、更に遮断部投入位置との交点の各時刻TA1、TA2、TA3及びTB1、TB2、TB3はそれぞれ違ってくる。つまり、一方の遮断部10Aでは、時刻TA1で抵抗接点部12Aが先行放電を開始、時刻TA2で抵抗接点部12Aの投入、時刻TA3で主接点部11Aの投入と進完了するが、これより遅れて他方の遮断部10Aでは、時刻TB1で抵抗接点部12Bが先行放電を開始、時刻TB2で抵抗接点部12Bの投入、時刻TB3で主接点部11Bの投入と進んで完了することになる。したがって、一方の遮断部10Aの抵抗接点部12Aは通電時間SA、他方の遮断部10Bの抵抗接点部12Bは通電時間SBとなり、両者では差時間SCが生ずることになる。この差時間SCの間、他方の遮断部10Bでは抵抗接点部12Bのみが投入され、主接点部11Bは開いている状態にある。
【0012】
直列接続した遮断部10A、10Bで、上記の状態の等価回路を図11に示している。遮断部10Aは、この主接点部及び抵抗接点部の各接触子4Aと5A4Aと5A及び14Aと15Aの双方が閉じているから、主接点部の各接触子4Aと5A間にだけ電流Iが流れ、抵抗接点部の各接触子14Aと15A間には流れない。これに対して、遮断部10Bは、この主接点部の各接触子4Bと5B間は開放され、抵抗接点部の各接触子14Bと15B間が閉じられているから、この部分に電流Iが全て流れてしまうことになる。
【0013】
したがって、各油圧操作器の油圧の差が大きくなるほど、遮断部10Bでは抵抗接点部に電流Iが流れている時間が長くなり、投入抵抗体13Bに注入されるエネルギ量が多くなってしまうことになる。このため、遮断部10A、10Bの各抵抗接点部の投入抵抗体13Aと13Bは、熱容量を大きく設計して熱破壊しないものを使用せねばならず、全体が大型化して経済的に製作できない問題がある。
【0014】
本発明の目的は、直列接続して用いる各遮断部の抵抗接点部に、熱容量を小さい投入抵抗体を使用することができ、小型で経済的に製作できる抵抗投入式ガス絶縁遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の抵抗投入式ガス遮断器は、金属容器内に、主接点部と抵抗接点部とを有して直列接続する複数の遮断部を配置し、前記各遮断部にはそれぞれ独立した油圧操作器を備え、前記各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有する際に、前記各油圧操作器間は制御信号系統線で接続して、一方側の加圧手段が起動したとき、他方側の加圧手段を強制的に同期させて起動可能に構成したことを特徴としている。
【0016】
好ましくは、前記制御信号系統線により、一方側の前記油圧操作器の制御手段と他方側の前記油圧操作器の加圧手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴としている。
【0017】
また、前記各油圧操作器の検出手段は、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段と油圧下限値を検出する第二の検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第二の検出手段を接続し、かつ前記制御信号系統線により他方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第一の検出手段を接続して構成したことを特徴としている。
【0018】
更に、前記各油圧操作器の加圧手段は、それぞれ油圧ポンプを駆動する電動機と電源からの電流を検出する電流検出手段とを有し、前記制御信号系統線により、一方側の前記油圧操作器の電流検出手段と他方側の前記油圧操作器の制御手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明のように抵抗投入式ガス絶縁遮断器を構成すれば、各遮断部を駆動する一方の油圧操作器に備えた加圧手段と他方の油圧操作器に備えた加圧手段とを、同期させて起動できるので、各遮断部の投入操作時における油圧操作器間で、油圧の差を小さくすることができる。この結果、各遮断部のうち一方の抵抗接点部のみに大電流が流れる時間を短縮でき、各抵抗接点部には熱容量を小さくした投入抵抗体を使用できるようになるため、小型の抵抗投入式ガス絶縁遮断器を経済的に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のように抵抗投入式ガス絶縁遮断器では、金属容器内に直列接続する複数の遮断部を配置している。各遮断部は、それぞれ主接点部と抵抗接点部とを備えており、独立した油圧操作器を備えて同時に駆動操作される。各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有している。これら各油圧操作器間は、一方の加圧手段が起動したときに、他方の油圧操作器の加圧手段を強制的に同期させて起動させるように制御信号系統線で接続して構成する。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明を適用した図1に示す抵抗投入式ガス遮断器を用いて説明する。この実施例においては、従来と同一部分を同符号で示しており、金属容器1内には接続導体2により直列接続する左右の遮断部10A、10Bを配置している。遮断部10A、10Bは、それぞれ主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bを備え、また独立した油圧操作器20A、20Bを備えて、これらによって遮断部10A、10Bを別々に駆動操作する。
【0022】
油圧操作器20A、20Bは、加圧手段21A、21Bや蓄圧手段22A、22Bや検出手段23A、23Bや制御手段24A、24Bをそれぞれ有している。そして、本発明では蓄圧手段22A、22Bのうち、その一方の油圧が低下して加圧手段を起動すると、他方の加圧手段も強制的に同期させて起動可能にするため、油圧操作器20A、20B間を制御信号系統線30で接続している。
【0023】
制御信号系統線30による油圧操作器20A、20B間の接続を、図2に示す例で具体的に説明する。この例では、一方の油圧操作器20Aの制御手段24Aを、他方側の油圧操作器20Bの加圧手段21Bと接続し、逆に各油圧操作器20Bの制御手段24Bは、他方側の油圧操作器20Bの加圧手段21Bと接続して構成している。
【0024】
このように制御信号系統線30で接続すると、例えば油圧操作器20Aの蓄圧手段22Aにおける作動油の油圧が低下したのを、検出手段23Aが検出したのを受けて、制御手段24Aが起動信号を加圧手段21Aに出すと、同時に起動信号を加圧手段21Bが送信する。このため、いずれかの制御手段からの起動信号で、双方の加圧手段21A、21Bを強制的に同期起動し、蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力を上限値まで高めてから停止するようになる。
【0025】
なお、制御信号系統線30によって、一方の制御手段24A又は24Bと、他方側の加圧手段21B又は21Aとを接続しているので、いずれか一方側の差動油圧力の検出手段が故障しても、他方側の制御手段の起動信号で加圧手段を起動できるから、相互で補うことができる。
【0026】
図3に、上記のようにした抵抗投入式ガス絶縁遮断器において、次に記載する条件における油圧の時間変化を示している。まず条件第1は、油圧操作器20Bの作動油の漏れ量が、油圧操作器20A側より多いこと、また条件第2は、作動油の加圧及び減圧時間に比べて、制御信号の伝達遅れ時間や加圧手段の起動遅れ時間が小さくて無視できることで、油圧の時間変化を検討した。このとき、油圧操作器20Aは、図3に実線で示すように作動油の漏れ量が少ない特性P1で、また油圧操作器20Bは、破線で示すように作動油の漏れ量の多い特性P2であって、時間の経過に伴って双方の蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力は、次第に下限値側に低下する。
【0027】
作動油の圧力の低下速度が速い特性P2の油圧操作器20Bでは、早く下限値に達して検出手段23Bにより検出され、制御手段24Bに伝達される。制御手段24Bから加圧手段21Bに、起動信号が送信されて、同時に制御信号系統線30で接続した加圧手段21Aにも、制御手段24Bから起動信号が送信される。このため、加圧手段21Bだけでなく他方の加圧手段21Aも同時に起動し、蓄圧手段22Bや22A内の作動油の圧力を上限値まで高めて停止する。このとき、作動油の下限まで達していた蓄圧手段22B内の作動油の圧力上昇に比べて、蓄圧手段22A側では、作動油の下限まで達してない途中の圧力状態から加圧されるから、急速に作動油の圧力が上限値に達するようになる。
【0028】
本発明のように構成すると、一方の油圧操作器20Aと他方の油圧操作器20Bでは、図4に実線で示すように作動油の油圧の差は、ない状態から次第に増加して元に戻る状態を繰り返すようになる。このため、破線で示す従来のものが一方の油圧操作器が下限値で、他方の油圧操作器が上限値に近いときには油圧の差が極めて大きくなるのに比べて、油圧の差を著しく小さくできる。
【0029】
したがって、本発明の抵抗投入式ガス遮断器では、図5に示すように遮断部ストロークの特性P1と他方の遮断部ストロークの特性P2では、大きな差がなくなり、一方の遮断部10Aの抵抗接点部12Aは通電時間SAで、他方の遮断部10Aの抵抗接点部12Bは通電時間SBとなり、両者の差時間SCは著しく短縮されるから、遮断部10A、10Bの各抵抗接点部12A、12Bに用いる抵抗接点部12A及び12Bは、注入されるエネルギ量少なくなるので、熱容量の小さな小型に設計することができる。
【実施例2】
【0030】
本発明の図6に示す実施例では、各油圧操作器20A、20Bの検出手段23A、23Bは、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段23A1、23B1及び、油圧下限値を検出する第二の検出手段23A2、23B2を備えている。これら第一の検出手段23A11、23B1と第二の検出手段23A2、23B2のそれぞれは、OR素子25A、25Bを介して制御手段24A、24Bに接続されている。
【0031】
しかも、油圧操作器20Aの蓄圧手段22Aを他方側の第一の検出手段23B1と制御信号系統線30で接続し、また油圧操作器20Bの蓄圧手段22Bを他方側の第二の検出手段23A2と制御信号系統線30接続している。これによって、いずれか一方の検出手段23A又は23BからOR素子25A、25Bを通して、制御手段24A、24Bに制御信号を送信する。
【0032】
この例でも、一方側の蓄圧手段22A又は22Bの作動油の圧力が下限値に達したのを、検出手段23A又は23Bで検出すると、双方の加圧手段21Aと21Bを同時に起動することができ、図3の各特性P1、P2に示す如く。両蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力を上限値まで高めてから停止するようになる。したがって、本例を適用した抵抗投入式ガス遮断器でも、上記と同様な効果を達成することができる。
【実施例3】
【0033】
また、本発明の図7に示す実施例は、油圧操作器20A、20Bの各加圧手段は、それぞれ油圧ポンプ(図示せず)を駆動する電動機26A、26Bと、電源28A、28Bから供給される電流を検出する電流検出手段27A、27Bを備えている。そして、各油圧操作器20A、20Bの電流検出手段27A又は27Bを、それぞれ制御信号系統線30によって他方側の制御手段24B又は24Aと接続している。
【0034】
このため、いずれか一方の電流検出手段27A又は27Bで、電源28A又28Bからの電流を検出すると、電動機26A又は26Bの通電情報の信号が制御手段24B又は24Aに送信され、双方の加圧手段21Aと21Bを同時に起動し、上記の例と同様に双方の作動油の圧力を高められる。それ故、この実施例を適用した抵抗投入式ガス遮断器も、上記の各実施例と同様な効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した抵抗投入式ガス遮断器の一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の油圧操作器を示すブロックである。
【図3】図2に示す油圧操作器における油圧の時間変化のグラフである。
【図4】時間の経過に対する油圧の差のグラフである。
【図5】本発明の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部におけるストローク変化を示すグラフである。
【図6】本発明の抵抗投入式ガス遮断器に用いる油圧操作器の他の実施例を示すブロックのである。
【図7】本発明の抵抗投入式ガス遮断器に用いる油圧操作器の別の実施例を示すブロックのである。
【図8】従来の抵抗投入式ガス遮断器を示す概略縦断面図である。
【図9】図8の油圧操作器における油圧の時間変化のグラフである。
【図10】図8の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部におけるストローク変化を示すグラフである。
【図11】図8の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部における投入途中の状態を示す等価回路図である
【符号の説明】
【0036】
1…金属容器、10A、10B…遮断部、11A、11B…主接点部、12A、12B…抵抗接点部、20A、20B…油圧操作器、21A、21B…加圧手段、22A、22B…蓄圧手段、23A、23B…検出手段、23A1…第一の検出手段、23B2…第二の検出手段、24A、24B…制御手段、30…制御信号系統線。
【技術分野】
【0001】
本発明は抵抗投入式ガス遮断器に係り、特に主接点部と抵抗接点部とを有する多点切の抵抗投入式ガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統に使用されるガス遮断器では、遮断部の主接点の投入時に開閉サージが発生する場合があることはよく知られており、この開閉サージは系統電圧に比例して高くなる。通常、投入時の開閉サージを抑制するため、主接点部と並列に抵抗接点部を備えて遮断部を構成する抵抗投入式ガス遮断器が使用されている。
【0003】
系統電圧が高くなると抵抗投入式ガス遮断器は、抵抗投入方式の2組の遮断部を直列に接続し、これを絶縁性能や消弧性能の良好なSF6等の絶縁ガスが充填する金属容器内に収納して2点切りに構成している。この抵抗投入式ガス遮断器では、各遮断部の接点間の絶縁距離を長くして絶縁性能を確保し、しかも各遮断部は1台の操作機構によって、2組の主接点部と抵抗接点部とを同時に駆動することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかし、2組の遮断部を1台の操作機構で駆動するには、リンク機構を用いるので部品点数が増加するため、経済的でない問題がある。しかも、リンク機構で2組の主接点部と抵抗接点部を互いに反対方向に高速駆動せねばならないから、構造が複雑となって信頼性を低下させるばかりか、また高速駆動する操作器は、より大きな駆動力が求められていた。
【0005】
従来の2点切りの抵抗投入式ガス遮断器では、図8に示すように絶縁ガスを充填する金属容器1内に、接続導体2にて直列に接続する2組の遮断部10A、10Bを配置している。各遮断部10A、10Bは、主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bを備えて構成され、絶縁ロッド3A、3Bにより操作されるもので、これら主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bは、左右同一の構造である。そして、主接点部11A、11Bは、固定接触子4A、4B及び可動主接触子5A、5Bと、固定側アーク接触子6A、6B及び可動側アーク接触子7A、7Bや、遮断時に動作して絶縁ガスを圧縮するシリンダ及びピストンのパッファ装置8A、8Bや、圧縮された絶縁ガスをアーク接触子部分に吹き付けてアークを消弧する絶縁ノズル9A、9B等からそれぞれ構成し、また抵抗接点部12A、12Bは、投入抵抗体13A、13B側の固定抵抗接点14A、14Bと、可動主接触子5A、5Bと同時に動く可動抵抗接点15A、15B等からそれぞれ構成している。そして、左右の遮断部10A、10Bは、金属容器1の外部に別々に設けた独立した構造の操作機構部により、絶縁ロッド3A、3Bを介して同時に駆動することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
操作機構部としては、図8に示すようなリンク機構を使用せず、機械的信頼性の高い構造の油圧操作器20A、20Bが用いられてきている。各油圧操作器20A、20Bには、それぞれ作動油の圧力を高める加圧手段21A、21Bや、作動油の圧力を蓄えるタンクを含む蓄圧手段22A、22Bや、加圧手段21A、21Bの作動油の圧力を検出する検出手段23A、23Bや、更には加圧手段21A、21Bを制御する制御手段24A、24Bを有している。
【0007】
【特許文献1】特開平6−5164号公報
【特許文献2】特開平7−335088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、抵抗投入式ガス遮断器に上記した構造の独立した油圧操作器20A、20Bを使用すると、投入抵抗体13A、13Bの使用条件を十分に検討する必要がある。以下これについて、図9及び図10を用いて説明する。各油圧操作器20A、20Bは、検出手段23A、23Bで検出する作動油の圧力が上限値に達すると制御手段24A、24Bが停止指令し、逆に下限値に達すると起動指令して加圧する。油圧操作器20A、20Bは、構造は同一であっても機械的な誤差のため、油圧の特性時間変化まで同一にできないから、油圧ピストンと油圧シリンダで構成する蓄圧手段油圧22A、22Bでの作動油の漏れ量に、それぞれ個体差が生ずる。
【0009】
例えば、油圧操作器20Aが図9に実線で示すように作動油の漏れ量の少ない特性P1で、また油圧操作器20Bが破線で示すように作動油の漏れ量の多い特性P2であるとする。この場合、各油圧操作器20A、20Bの加圧速度が同じであったとしても、油圧の低下速度が異なることから、これらの起動開始点PA1とPB1は、次第に異なってずれてしまうようになる。
【0010】
このような特性P1、P2をもつ油圧操作器20A、20Bを用いていた場合、遮断部10A、10Bが遮断状態から、指令点PABで投入動作に入ったとする。このとき、油圧操作器20Aでは点PAHの上限に近い油圧の状態にあるため、絶縁ロッド3Aを介して抵抗接点部12Aを速いストローク速度で投入する。これに対して、油圧操作器20Bでは点PBLの下限に近い油圧の状態にあるから、絶縁ロッド3Bを介して抵抗接点部12Bの投入のストローク速度は遅くなる。
【0011】
このため、図10に実線で示す特性P1の油圧が上限に近いときの遮断部ストローク及び、破線で示す特性P2の油圧が下限に近いときの遮断部ストロークとは、抵抗接点部12A及び12Bの先行放電開始位置や抵抗接点投入位置、更に遮断部投入位置との交点の各時刻TA1、TA2、TA3及びTB1、TB2、TB3はそれぞれ違ってくる。つまり、一方の遮断部10Aでは、時刻TA1で抵抗接点部12Aが先行放電を開始、時刻TA2で抵抗接点部12Aの投入、時刻TA3で主接点部11Aの投入と進完了するが、これより遅れて他方の遮断部10Aでは、時刻TB1で抵抗接点部12Bが先行放電を開始、時刻TB2で抵抗接点部12Bの投入、時刻TB3で主接点部11Bの投入と進んで完了することになる。したがって、一方の遮断部10Aの抵抗接点部12Aは通電時間SA、他方の遮断部10Bの抵抗接点部12Bは通電時間SBとなり、両者では差時間SCが生ずることになる。この差時間SCの間、他方の遮断部10Bでは抵抗接点部12Bのみが投入され、主接点部11Bは開いている状態にある。
【0012】
直列接続した遮断部10A、10Bで、上記の状態の等価回路を図11に示している。遮断部10Aは、この主接点部及び抵抗接点部の各接触子4Aと5A4Aと5A及び14Aと15Aの双方が閉じているから、主接点部の各接触子4Aと5A間にだけ電流Iが流れ、抵抗接点部の各接触子14Aと15A間には流れない。これに対して、遮断部10Bは、この主接点部の各接触子4Bと5B間は開放され、抵抗接点部の各接触子14Bと15B間が閉じられているから、この部分に電流Iが全て流れてしまうことになる。
【0013】
したがって、各油圧操作器の油圧の差が大きくなるほど、遮断部10Bでは抵抗接点部に電流Iが流れている時間が長くなり、投入抵抗体13Bに注入されるエネルギ量が多くなってしまうことになる。このため、遮断部10A、10Bの各抵抗接点部の投入抵抗体13Aと13Bは、熱容量を大きく設計して熱破壊しないものを使用せねばならず、全体が大型化して経済的に製作できない問題がある。
【0014】
本発明の目的は、直列接続して用いる各遮断部の抵抗接点部に、熱容量を小さい投入抵抗体を使用することができ、小型で経済的に製作できる抵抗投入式ガス絶縁遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の抵抗投入式ガス遮断器は、金属容器内に、主接点部と抵抗接点部とを有して直列接続する複数の遮断部を配置し、前記各遮断部にはそれぞれ独立した油圧操作器を備え、前記各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有する際に、前記各油圧操作器間は制御信号系統線で接続して、一方側の加圧手段が起動したとき、他方側の加圧手段を強制的に同期させて起動可能に構成したことを特徴としている。
【0016】
好ましくは、前記制御信号系統線により、一方側の前記油圧操作器の制御手段と他方側の前記油圧操作器の加圧手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴としている。
【0017】
また、前記各油圧操作器の検出手段は、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段と油圧下限値を検出する第二の検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第二の検出手段を接続し、かつ前記制御信号系統線により他方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第一の検出手段を接続して構成したことを特徴としている。
【0018】
更に、前記各油圧操作器の加圧手段は、それぞれ油圧ポンプを駆動する電動機と電源からの電流を検出する電流検出手段とを有し、前記制御信号系統線により、一方側の前記油圧操作器の電流検出手段と他方側の前記油圧操作器の制御手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明のように抵抗投入式ガス絶縁遮断器を構成すれば、各遮断部を駆動する一方の油圧操作器に備えた加圧手段と他方の油圧操作器に備えた加圧手段とを、同期させて起動できるので、各遮断部の投入操作時における油圧操作器間で、油圧の差を小さくすることができる。この結果、各遮断部のうち一方の抵抗接点部のみに大電流が流れる時間を短縮でき、各抵抗接点部には熱容量を小さくした投入抵抗体を使用できるようになるため、小型の抵抗投入式ガス絶縁遮断器を経済的に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のように抵抗投入式ガス絶縁遮断器では、金属容器内に直列接続する複数の遮断部を配置している。各遮断部は、それぞれ主接点部と抵抗接点部とを備えており、独立した油圧操作器を備えて同時に駆動操作される。各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有している。これら各油圧操作器間は、一方の加圧手段が起動したときに、他方の油圧操作器の加圧手段を強制的に同期させて起動させるように制御信号系統線で接続して構成する。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明を適用した図1に示す抵抗投入式ガス遮断器を用いて説明する。この実施例においては、従来と同一部分を同符号で示しており、金属容器1内には接続導体2により直列接続する左右の遮断部10A、10Bを配置している。遮断部10A、10Bは、それぞれ主接点部11A、11Bと抵抗接点部12A、12Bを備え、また独立した油圧操作器20A、20Bを備えて、これらによって遮断部10A、10Bを別々に駆動操作する。
【0022】
油圧操作器20A、20Bは、加圧手段21A、21Bや蓄圧手段22A、22Bや検出手段23A、23Bや制御手段24A、24Bをそれぞれ有している。そして、本発明では蓄圧手段22A、22Bのうち、その一方の油圧が低下して加圧手段を起動すると、他方の加圧手段も強制的に同期させて起動可能にするため、油圧操作器20A、20B間を制御信号系統線30で接続している。
【0023】
制御信号系統線30による油圧操作器20A、20B間の接続を、図2に示す例で具体的に説明する。この例では、一方の油圧操作器20Aの制御手段24Aを、他方側の油圧操作器20Bの加圧手段21Bと接続し、逆に各油圧操作器20Bの制御手段24Bは、他方側の油圧操作器20Bの加圧手段21Bと接続して構成している。
【0024】
このように制御信号系統線30で接続すると、例えば油圧操作器20Aの蓄圧手段22Aにおける作動油の油圧が低下したのを、検出手段23Aが検出したのを受けて、制御手段24Aが起動信号を加圧手段21Aに出すと、同時に起動信号を加圧手段21Bが送信する。このため、いずれかの制御手段からの起動信号で、双方の加圧手段21A、21Bを強制的に同期起動し、蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力を上限値まで高めてから停止するようになる。
【0025】
なお、制御信号系統線30によって、一方の制御手段24A又は24Bと、他方側の加圧手段21B又は21Aとを接続しているので、いずれか一方側の差動油圧力の検出手段が故障しても、他方側の制御手段の起動信号で加圧手段を起動できるから、相互で補うことができる。
【0026】
図3に、上記のようにした抵抗投入式ガス絶縁遮断器において、次に記載する条件における油圧の時間変化を示している。まず条件第1は、油圧操作器20Bの作動油の漏れ量が、油圧操作器20A側より多いこと、また条件第2は、作動油の加圧及び減圧時間に比べて、制御信号の伝達遅れ時間や加圧手段の起動遅れ時間が小さくて無視できることで、油圧の時間変化を検討した。このとき、油圧操作器20Aは、図3に実線で示すように作動油の漏れ量が少ない特性P1で、また油圧操作器20Bは、破線で示すように作動油の漏れ量の多い特性P2であって、時間の経過に伴って双方の蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力は、次第に下限値側に低下する。
【0027】
作動油の圧力の低下速度が速い特性P2の油圧操作器20Bでは、早く下限値に達して検出手段23Bにより検出され、制御手段24Bに伝達される。制御手段24Bから加圧手段21Bに、起動信号が送信されて、同時に制御信号系統線30で接続した加圧手段21Aにも、制御手段24Bから起動信号が送信される。このため、加圧手段21Bだけでなく他方の加圧手段21Aも同時に起動し、蓄圧手段22Bや22A内の作動油の圧力を上限値まで高めて停止する。このとき、作動油の下限まで達していた蓄圧手段22B内の作動油の圧力上昇に比べて、蓄圧手段22A側では、作動油の下限まで達してない途中の圧力状態から加圧されるから、急速に作動油の圧力が上限値に達するようになる。
【0028】
本発明のように構成すると、一方の油圧操作器20Aと他方の油圧操作器20Bでは、図4に実線で示すように作動油の油圧の差は、ない状態から次第に増加して元に戻る状態を繰り返すようになる。このため、破線で示す従来のものが一方の油圧操作器が下限値で、他方の油圧操作器が上限値に近いときには油圧の差が極めて大きくなるのに比べて、油圧の差を著しく小さくできる。
【0029】
したがって、本発明の抵抗投入式ガス遮断器では、図5に示すように遮断部ストロークの特性P1と他方の遮断部ストロークの特性P2では、大きな差がなくなり、一方の遮断部10Aの抵抗接点部12Aは通電時間SAで、他方の遮断部10Aの抵抗接点部12Bは通電時間SBとなり、両者の差時間SCは著しく短縮されるから、遮断部10A、10Bの各抵抗接点部12A、12Bに用いる抵抗接点部12A及び12Bは、注入されるエネルギ量少なくなるので、熱容量の小さな小型に設計することができる。
【実施例2】
【0030】
本発明の図6に示す実施例では、各油圧操作器20A、20Bの検出手段23A、23Bは、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段23A1、23B1及び、油圧下限値を検出する第二の検出手段23A2、23B2を備えている。これら第一の検出手段23A11、23B1と第二の検出手段23A2、23B2のそれぞれは、OR素子25A、25Bを介して制御手段24A、24Bに接続されている。
【0031】
しかも、油圧操作器20Aの蓄圧手段22Aを他方側の第一の検出手段23B1と制御信号系統線30で接続し、また油圧操作器20Bの蓄圧手段22Bを他方側の第二の検出手段23A2と制御信号系統線30接続している。これによって、いずれか一方の検出手段23A又は23BからOR素子25A、25Bを通して、制御手段24A、24Bに制御信号を送信する。
【0032】
この例でも、一方側の蓄圧手段22A又は22Bの作動油の圧力が下限値に達したのを、検出手段23A又は23Bで検出すると、双方の加圧手段21Aと21Bを同時に起動することができ、図3の各特性P1、P2に示す如く。両蓄圧手段22A、22B内の作動油の圧力を上限値まで高めてから停止するようになる。したがって、本例を適用した抵抗投入式ガス遮断器でも、上記と同様な効果を達成することができる。
【実施例3】
【0033】
また、本発明の図7に示す実施例は、油圧操作器20A、20Bの各加圧手段は、それぞれ油圧ポンプ(図示せず)を駆動する電動機26A、26Bと、電源28A、28Bから供給される電流を検出する電流検出手段27A、27Bを備えている。そして、各油圧操作器20A、20Bの電流検出手段27A又は27Bを、それぞれ制御信号系統線30によって他方側の制御手段24B又は24Aと接続している。
【0034】
このため、いずれか一方の電流検出手段27A又は27Bで、電源28A又28Bからの電流を検出すると、電動機26A又は26Bの通電情報の信号が制御手段24B又は24Aに送信され、双方の加圧手段21Aと21Bを同時に起動し、上記の例と同様に双方の作動油の圧力を高められる。それ故、この実施例を適用した抵抗投入式ガス遮断器も、上記の各実施例と同様な効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した抵抗投入式ガス遮断器の一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の油圧操作器を示すブロックである。
【図3】図2に示す油圧操作器における油圧の時間変化のグラフである。
【図4】時間の経過に対する油圧の差のグラフである。
【図5】本発明の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部におけるストローク変化を示すグラフである。
【図6】本発明の抵抗投入式ガス遮断器に用いる油圧操作器の他の実施例を示すブロックのである。
【図7】本発明の抵抗投入式ガス遮断器に用いる油圧操作器の別の実施例を示すブロックのである。
【図8】従来の抵抗投入式ガス遮断器を示す概略縦断面図である。
【図9】図8の油圧操作器における油圧の時間変化のグラフである。
【図10】図8の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部におけるストローク変化を示すグラフである。
【図11】図8の抵抗投入式ガス遮断器の投入抵抗付遮断部における投入途中の状態を示す等価回路図である
【符号の説明】
【0036】
1…金属容器、10A、10B…遮断部、11A、11B…主接点部、12A、12B…抵抗接点部、20A、20B…油圧操作器、21A、21B…加圧手段、22A、22B…蓄圧手段、23A、23B…検出手段、23A1…第一の検出手段、23B2…第二の検出手段、24A、24B…制御手段、30…制御信号系統線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属容器内に、主接点部と抵抗接点部とを有して直列接続する複数の遮断部を配置し、前記各遮断部にはそれぞれ独立した油圧操作器を備え、前記各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有する抵抗投入式ガス遮断器において、前記各油圧操作器間は制御信号系統線で接続して、一方側の加圧手段が起動したとき、他方側の加圧手段を強制的に同期させて起動可能に構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項2】
請求項1において、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の制御手段と他方側の前記油圧操作器の加圧手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項3】
請求項1において、前記各油圧操作器の検出手段は、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段と油圧下限値を検出する第二の検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第二の検出手段を接続し、かつ前記制御信号系統線により他方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第一の検出手段を接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項4】
請求項1において、前記各油圧操作器の加圧手段は、それぞれ油圧ポンプを駆動する電動機と電源からの電流を検出する電流検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の電流検出手段と他方側の前記油圧操作器の制御手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項1】
金属容器内に、主接点部と抵抗接点部とを有して直列接続する複数の遮断部を配置し、前記各遮断部にはそれぞれ独立した油圧操作器を備え、前記各油圧操作器は、作動油の圧力を高める加圧手段と、作動油の圧力を蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧手段の作動油の圧力を検出する検出手段と、前記加圧手段を制御する制御手段とを有する抵抗投入式ガス遮断器において、前記各油圧操作器間は制御信号系統線で接続して、一方側の加圧手段が起動したとき、他方側の加圧手段を強制的に同期させて起動可能に構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項2】
請求項1において、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の制御手段と他方側の前記油圧操作器の加圧手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項3】
請求項1において、前記各油圧操作器の検出手段は、それぞれ油圧上限値を検出する第一の検出手段と油圧下限値を検出する第二の検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第二の検出手段を接続し、かつ前記制御信号系統線により他方側の前記油圧操作器の蓄圧手段と前記第一の検出手段を接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【請求項4】
請求項1において、前記各油圧操作器の加圧手段は、それぞれ油圧ポンプを駆動する電動機と電源からの電流を検出する電流検出手段とを有し、前記制御信号系統線により一方側の前記油圧操作器の電流検出手段と他方側の前記油圧操作器の制御手段をそれぞれ接続して構成したことを特徴とする抵抗投入式ガス遮断器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−204682(P2008−204682A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37529(P2007−37529)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】
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