説明

押し出し式デジタル製造システム用のリボン液化機

熱伝導要素(40)から熱エネルギーを受領するように構成された外側液化機部(66)と、少なくとも部分的に外側液化機部(66)により規定された通路(72)とを備えたリボン液化機(38)であって、通路(72)はリボンフィラメント(44)を受容するように設定された寸法を有し、リボン液化機(38)は、通路(72)に受容されたリボンフィラメント(44)を、溶融流れを生じさせるために、受領した熱エネルギーにより少なくとも押出可能な状態まで溶融するように構成されている。通路(72)の寸法は、さらに、リボン液化機(38)に接続された押出チップ(52)内で、溶融流れを軸方向に非対称な流れからほぼ軸方向に対称な流れに合わせるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[背景]
本開示は、三次元(3D)モデルを構築するためのダイレクトデジタル製造システムに関する。具体的には、本発明は、押し出し式デジタル製造システムに用いるための押出ヘッド液化機に関する。
【0002】
押し出し式デジタル製造システム(例えば、ミネソタ州、エデンプレーリー(Eden Prairie)のストラタシス,インコーポレイテッド(Stratasys,Inc.)により開発された溶融堆積モデリングシステム)は、流動性のある消耗型のモデリング材料を押出すことによって、積層式に、3Dモデルのデジタル表示から3Dモデルを構築するために使用される。モデリング材料は、押出ヘッドにより支持された押出チップを通して押し出され、x−y平面内の基板上に一連の道(roads)として堆積される。押し出されたモデリング材料は、先に堆積されたモデリング材料と融合し、温度が下降すると凝固する。次に、基板に対する押出ヘッドの位置が、z軸(x−y平面に対して垂直である)に沿って増分され、その後この工程が繰り返されて、デジタル表示に近似した3Dモデルが形成される。
【0003】
基板に対する押出ヘッドの運動は、3Dモデルを表わす構築データに従って、コンピュータ制御下で行なわれる。構築データは、最初に3Dモデルのデジタル表示を水平方向にスライスされた複数の層へとスライスすることによって得られる。その後、スライスされた層のそれぞれについて、ホストコンピュータが、3Dモデルを形成するためにモデリング材料の道を堆積させるための構築経路を生成する。
【0004】
モデリング材料の層を堆積させることにより3Dモデルを製造するにあたっては、モデリング材料自体によっては支持されない構築中のオブジェクトの張出し部の下または空洞内に、通常、支持層または支持構造が構築される。モデリング材料を堆積させる技術と同じ堆積技術を用いて、支持構造物が構築されてもよい。ホストコンピュータは、形成されつつある3Dモデルの張出し部分または空き領域部分のための支持構造物の機能を果たす、付加的な形状を生成する。すると、構築プロセス中に、消耗型の支持材料が、その生成された形状に従って第2のノズルから堆積させられる。支持材料は、製造中はモデリング材料に付着し、構築プロセスが完了した時には完成した3Dモデルから取り外すことができる。
[概要]
本開示の一態様は、駆動機構と熱伝導要素とを備えた押し出し式デジタル製造システムに用いるためのリボン液化機を対象としている。リボン液化機は、熱伝導要素から熱エネルギーを受領するように構成された外側液化機部と、外側液化機部により少なくとも部分的に規定された通路とを備える。通路は、リボンフィラメントを受容するように設定された寸法を有し、リボン液化機は、通路に受容されたリボンフィラメントを、溶融流れを生じさせるために、受領した熱エネルギーによって少なくとも押出可能な状態まで溶融させるように構成されている。また、通路の寸法は、さらに、リボン液化機に接続された押出チップ内で、溶融流れを軸方向に非対称な流れからほぼ軸方向に対称な流れに合わせるように設定されている。
【0005】
本開示の他の態様は、駆動機構と熱伝導要素とを備えた押し出し式デジタル製造システムに用いるリボン液化機において、リボン液化機が外表面と内表面とを有する外管を備え、外管の外表面が熱伝導要素と係合するように構成されている、リボン液化機を対象としている。リボン液化機は、また、外管の内部に配設され、外表面を有するコア部と、外管とコア部との間に配設されたシム要素とを備える。シム要素は、そのシム要素の長手側の長さに沿って延びる間隙を有し、間隙は、外管の内表面とコア部の外表面との間に通路を規定している。通路は、リボンフィラメントを受容するように設定された寸法を有し、コア部の外表面は、駆動機構がリボンフィラメントと係合する際、リボンフィラメントに裏打ち支持を提供するように構成されている。
【0006】
本開示の他の態様は、押し出し式デジタル製造システムにおいて三次元モデルを構築する方法を対象としている。本方法は、リボン液化機の通路を介してリボンフィラメントを駆動する工程を含み、リボン液化機はさらに、少なくとも部分的にその通路を規定する外側液化機部を備えている。本方法はまた、通路内のリボンフィラメントを、溶融流れを生じさせるために、少なくとも押出可能な状態まで溶融させる工程であって、通路の寸法がその溶融流れを軸方向に非対称な流れに合わせる工程を含み、また、リボン液化機の押出チップから溶融流れを押し出す工程であって、その溶融流れが押出チップ内でほぼ軸方向に対称な流れを有する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】受容されたモデリング材料および支持材料のリボンフィラメントを溶融するためのリボン液化機を備えた、押し出し式デジタル製造システムの正面図である。
【図2】駆動機構と係合したリボン液化機と、熱ブロックとを備える、押出ヘッドのサブアセンブリの上面斜視図である。
【図3】ポートを有する外管を備えたリボン液化機の斜視図である。
【図4A】図3における断面4A−4Aの断面図である。
【図4B】図3における断面4B−4Bの断面図である。
【図4C】図3における断面4C−4Cの断面図である。
【図5】リボン液化機の分解斜視図である。
【図6】リボンフィラメントの受容、溶融、押し出しのための回転可能なプーリを有する駆動機構とともに使用状態にある、リボン液化機の側面図である。
【図7】リボンフィラメントを受容、溶融、押し出しのためのねじ式回転軸機構を有する別の駆動機構とともに使用状態にある、リボン液化機の側面図である。
【図8A】弛緩した、非湾曲状態にあるリボンフィラメントの断面図である。
【図8B】湾曲状態にあるリボンフィラメントの断面図である。
【図9】上部が開いた配置を備えた、第一の別のリボン液化機の斜視図である。
【図10】リボンフィラメントを受容するための非円弧状の通路を備えた第二の別のリボン液化機を説明する、断面4C−4Cの別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、押し出し式デジタル製造システムで用いるためのリボン液化機を対象とし、リボン液化機は、モデリング材料および/または支持材料のリボンフィラメントを受容するように構成されている。本文中で使用されているように、「リボンフィラメント」の語は、矩形および/またはフィルム状の断面などの非円筒形状を有する材料の糸を言うものである。これは、円形の断面形状を有する「円筒状フィラメント」との比較においてである。リボン液化機と組み合わせてリボンフィラメントを利用することにより、モデリング材料および/または支持材料を短い応答時間で溶融し、押し出すことができる。これは、堆積の正確性を向上させるとともに構築にかかる時間を減少させ、それにより、リボン液化機を用いて3Dモデルおよび対応する支持構造物を構築するための処理効率を向上させるのに役立つ。
【0009】
図1は構築チャンバ12と、プラテン14と、ガントリ16と、押出ヘッド18と、供給源20および22とを備えた押し出し式デジタル製造システムであるシステム10の正面図である。押出ヘッド18は、システム10を用いた構築作業中にリボンフィラメント(図1中には示されていない)の連続する部分を溶融させる、1つ以上のリボン液化機(図1中には示されていない)を備えていてもよい。システム10に適した押し出し式デジタル製造システムは、ミネソタ州エデンプレーリーのストラタシス,インコーポレイテッドにより開発された溶融堆積モデリングシステムを含む。
【0010】
構築チャンバ12は、3Dモデル(3Dモデル24と称する)および対応する支持構造物(支持構造物26と称する)を構築するための、プラテン14と、ガントリ16と、押出ヘッド18とを収納する閉鎖環境である。プラテン14は、その上で3Dモデル24および支持構造物26が構築される台であり、コンピュータ操作式コントローラ(コントローラ28と称する)から供給される信号に基づいて、垂直なz軸に沿って移動する。ガントリ16は、コントローラ28から供給される信号に基づいて、構築チャンバ12の内部で水平なx−y平面内で押出ヘッド18を移動させるように構成されているガイドレールシステムである。水平なx−y平面は、x軸およびy軸(図1中には示されていない)によって規定される平面であり、ここでx軸、y軸およびz軸は互いに直交している。別の実施形態において、プラテン14は、構築チャンバ12内部で水平なx−y平面内を移動するように構成されていてもよく、押出ヘッド18は、z軸に沿って移動するように構成されていてもよい。プラテン14と押出ヘッド18のうちの一方または両方が互いに相対的に移動可能となるように、その他の類似の配置を用いてもよい。
【0011】
コントローラ30から供給される信号に基づいて、積層式にプラテン14上で3Dモデル24および支持構造物26を構築するため、押出ヘッド18がガントリ16によって支持されている。押出ヘッド18は、サブアセンブリ30および32を備えており、各サブアセンブリは本開示のリボン液化機を備えることが望ましい。したがって、サブアセンブリ30は、第一のリボン液化機(図1中には示されていない)を用いてモデリング材料のリボンフィラメントの連続部分を受容し、溶融させるように構成され、サブアセンブリ32は、第二のリボン液化機(図1中には示されていない)を用いて支持材料のリボンフィラメントの連続部分を受容し、溶融させるように構成されている。
【0012】
モデリング材料のリボンフィラメントは、供給源20から経路34を介してサブアセンブリ30に供給されてもよい。同様に、支持材料のリボンフィラメントは、供給源22から経路36を介してサブアセンブリ32に供給されてもよい。システム10はまた、リボンフィラメントを供給源20および22からサブアセンブリ30および32に送るのを補助するように構成された、追加の駆動機構(図示されていない)を備えていてもよい。供給源20および22は、モデリングリボンフィラメントまたは支持リボンフィラメント用の源(例えば、スプール収納ケース)であり、構築チャンバ12から離れた場所に保持されることが望ましい。供給源20および22に適したアセンブリは、Swanson他の米国特許第6,923,634号;Comb他の米国特許第7,122,246号;Taatjes他の米国特許出願公開第2010/0096485号および2010/0096489号に開示されている。
【0013】
構築作業の間、ガントリ16は、構築チャンバ12内において水平なx−y平面内で押出ヘッド18をあちこちに移動させ、リボンフィラメントがサブアセンブリ30および32に供給される。サブアセンブリ30は、受容したモデリング材料のリボンフィラメントの連続する部分を熱で溶融し、それにより溶融材料が押し出されて3Dモデル24を構築できるようにする。同様に、サブアセンブリ32は、支持材料のリボンフィラメントの連続する部分を熱で溶融し、それにより溶融材料が押し出されて支持構造物26を構築できるようにする。リボンフィラメントの上流の非溶融部分は、それぞれ、各サブアセンブリ30および32から溶融材料を押し出すための粘性ポンプ作用を有するピストンとして機能する。
【0014】
押し出されたモデリング材料および支持材料は、次に、層状付加技術を用いて3Dモデル24および支持構造物26を構築するため、プラテン14上に堆積させられる。3Dモデル24の層の張出し領域のために、z軸に沿って垂直支持体を提供するように支持構造物26を堆積させるのが望ましい。これにより、3Dモデル24を種々の形状で構築することができる。構築作業が完了した後、得られる3Dモデル24/支持構造物26を構築チャンバ12から取り出すことができ、支持構造物26を3Dモデル24から取り外すことができる。
【0015】
図2は、押出ヘッド18のサブアセンブリ30の上面斜視図であり、サブアセンブリ30の以下の説明は、サブアセンブリ32(図1に示されている)にも同様に適用される。図2に示されているように、サブアセンブリ30はリボン液化機38、熱ブロック40、および駆動機構42を備えており、該駆動機構42が、リボン液化機38を介してリボンフィラメント44の連続部分を供給する。図示された実施形態において、リボン液化機38は、上端部48と下端部50との間に延びる一連の環状の管を備える。上端部48および下端部50は、縦軸46に沿ったリボン液化機38の反対側の端部であり、上端部48はリボンフィラメント44を湾曲した状態で受容するように構成されている。サブアセンブリ30がシステム10に取り付けられると(図1に示されている)、縦軸46が垂直なz軸に対応する。図2に示すように、リボン液化機38の環状の管は、縦軸46に沿って駆動機構42および熱ブロック40を貫いて延びている。
【0016】
リボン液化機38はまた押出チップ52を備えており、押出チップ52は下端部50に位置し、リボンフィラメント44の溶融材料を所望の道幅で押し出すように構成された小径のチップである。一実施形態において、押出チップ52は、下端部50において環状の管の1つ以上に取り外し可能に固定することができるため、複数の押出チップ52を取り替えて使用することができる。押出チップ52の適切なチップ内径の例は、約125マイクロメータ(約0.005インチ)から約510マイクロメータ(約0.020インチ)の範囲内である。
【0017】
熱ブロック40は、リボン液化機38の少なくとも一部の周囲に延びる熱伝導要素であり、リボン液化機38と受容したリボンフィラメント44に熱を伝えるように構成されている。熱ブロック40に適した熱伝導要素の例は、Swanson他の米国特許第6,004,124号;Comb他の米国特許第6,547,995号;LaBossiere他の米国特許出願公開第2007/0228590号およびBatchelder他の米国特許出願公開第2009/0273122号に開示されたものを含む。別の実施形態においては、熱ブロック40が、縦軸46に沿って温度勾配を生成する種々の異なる熱伝導要素と置き換えられてもよい。
【0018】
駆動機構42は、支持板54、基部ブロック56、およびプーリ58を備え、プーリ58は、支持板54と基部ブロック56との間に回転可能に固定されている。支持板54と基部ブロック56は、駆動機構42の支持要素であり、支持板54と基部ブロック56のうちの1つまたは両方が、押出ヘッド18(図1に示されている)に固定されていてもよい。プーリ58は、内向きにねじの付いた面(図2に示されない)を用いて、リボン液化機38を介してリボンフィラメント44の連続部分を駆動する、回転可能な要素である。駆動機構42に適したフィラメント駆動機構の例は、Batchelder他の米国特許出願公開第2009/0274540号および2009/0273122号に開示されたものを含む。
【0019】
システム10(図1に示されている)における構築作業の間、リボンフィラメント44は、リボン液化機38と合致する湾曲状態まで湾曲させられることが望ましい。湾曲させられたリボンフィラメント44は、次に、先端部48においてリボン液化機38内に投入することができ(矢印60により示されている)、プーリ58の内向きにねじの付いた面と係合する。次に、コントローラ28(図1に示されている)から供給される信号に基づいてプーリ58が回転する(矢印62により示されている)。プーリ58の回転は、それに応じてプーリ58の内向きにねじの付いた面を回転させ、これにより、リボン液化機38を介してリボンフィラメント44の連続部分を駆動する。
【0020】
リボンフィラメント44がリボン液化機38を通過する際、熱ブロック40により生成された温度勾配が、リボン液化機38内で、リボンフィラメント44の材料を少なくとも押出可能な状態まで溶融する。駆動機構42により駆動されるリボンフィラメント44の上流の非溶融部分は、非溶融部分とリボン液化機38の壁部との間の溶融材料に作用する粘性ポンプを有するピストンとして機能し、それによって押出チップ52から溶融材料を押し出す。そして、押し出された材料は、積層式に3Dモデル24を形成するための道として堆積させられる。
【0021】
さらに図2に示すように、リボン液化機38の上端部48は、駆動機構42に対して、縦軸46に沿った上流に位置している。そのため、リボンフィラメント44は、駆動機構42と係合する前に、入口領域(入口領域64と称される)でリボン液化機38に入ることができ、駆動機構42と係合中および係合後にリボン液化機38によって継続して支持され得る。これにより、押出ヘッド18による構築作業が中断されるリスクが軽減され、また、リボンフィラメント44が座屈しないよう支持されているため、より大きい駆動力を得ることができる。
【0022】
リボン液化機38およびリボンフィラメント44の断面形状は、円筒状のフィラメントおよび液化機に比べて短い反応時間で、リボンフィラメント44を溶融し押出ヘッド18から押し出すことを可能にする。「押し出し式デジタル製造システムで用いられる非円筒状フィラメント」という名称の米国仮特許出願第61/247,067号および米国特許出願第12/612,333号で論じられているように、リボン液化機38およびリボンフィラメント44の断面形状は、円形の断面を有する円筒状フィラメントに付き物であるコアを効果的に取り除くと考えられている。これにより、より短い反応時間で、リボンフィラメント44を溶融して押出ヘッド18から押し出すことが可能になり、3Dモデル24および/または支持構造物26を構築するためのシステム10における処理効率をそれに応じて上げることができる。
【0023】
例えば、より短い反応時間によって、モデリング材料および支持材料の堆積した道の開始および停止位置の精度を向上させることができる。3Dモデル(例えば3Dモデル24)の1つの層を形成する構築作業中に、押出ヘッド(例えば押出ヘッド18)は、水平なx−y平面内で移動させられ、溶融モデリング材料を堆積させる。所与の堆積パターンが完了した後、押出ヘッドはモデリング材料の堆積を停止する。これは、フィラメントが押出ヘッドの液化機内に供給されるのを停止し、それによりフィラメントの粘性ポンプ作用を停止させることによって実現される。
【0024】
しかし、押出ヘッドがフィラメントの液化機内への供給を停止する時と、モデリング材料が押出ヘッドから押し出されるのが実際に停止する時との間の反応時間は、瞬間的ではない。むしろ、例えば液化機の温度特性、フィラメントの組成、および以下で論じるようにフィラメントと液化機の断面形状などの要因に基づく遅延がある。同様に、ゼロ−フロー状態から定常状態フローへの移行に伴う反応時間遅延がある。長い反応時間を要する液化機およびフィラメントは、これらの遅延を増加させ、それによって堆積精度を低下させる可能性がある。しかし、反応時間を低減させれば、特に細かい特徴を有する3Dモデルを構築する場合、出来上がった3Dモデルの美的・構造的品質を向上させることができる。
【0025】
例えば、システム10に関するより短い反応時間は、堆積開始点および停止点に近い適切な位置でガントリ16の加速をコントロールすることができる。これにより、各層の継ぎ目を隠す能力を向上させ、部品の品質を向上させることができる。さらに、反応時間は、ガントリ16がx−y平面内で角を回って移動する際に、一定の接線速度からどの程度逸脱し得るかを決定する。したがって、より短い反応時間は、押出ヘッド18がより優れたコーナリング加速および減速を達成することを可能にする。これによって、レースカーのコーナリング能力が全体のレース時間を低減するために重要であるのと同様に、3Dモデルおよび支持構造物を構築するのに要する製造時間を低減することができる。
【0026】
図3は、外管66、コア管68、およびシム要素70を含むリボン液化機38の拡大斜視図である。図示されているように、外管66、コア管68、およびシム要素70が上端部48と下端部50との間において縦軸46に沿って延びる通路72を規定するように、シム要素70は、外管66とコア管68との間に周方向に配設されている。以下で論じるように、通路72は、リボンフィラメント44を受容するリボン液化機38の一部分である(図2に示されている)。
【0027】
外管66、コア管68、およびシム要素70はそれぞれ様々な材料から製造してもよく、それらの材料は、熱ブロック40からの熱エネルギーおよび構築チャンバ12(図1に示されている)の上昇した温度に耐えることができることが望ましい。外管66、コア管68、およびシム要素70のそれぞれを製造するのに適した材料は、例えばステンレススチールなどの熱伝導性の金属材料を含む。
【0028】
外管66は、外表面74を含むリボン液化機38の外側液化部であり、上端部48と下端部50との間に縦軸46に沿って延びている。図示された実施形態において、外管66は円筒状の断面を有する。別の実施形態において、外管66は、様々な断面形状を有する管と置き換えてもよい。したがって、本文中で用いられているように、「管」という用語は、円筒形状、楕円形状、多角形形状(例えば長方形および正方形の形状)、軸方向に先細の形状など、種々の中空の形状を含む。外表面74は、リボン液化機38に沿って温度勾配を生成するための熱ブロックに接する、外管66の部分である。温度勾配は、縦軸46に沿ってリボンフィラメント44内に温度プロファイルを作り出し、その温度プロファイルにより、リボンフィラメント44がリボン液化機38を通して駆動される際に、リボンフィラメント44の連続部分が溶融される。
【0029】
さらに図3で示されるように、外管66はまたポート76および加熱長78を備える。ポート76は、入口領域64と加熱長78との間において外管66を貫く横方向の開口部である。以下で論じるように、ポート76は、リボンフィラメント44が通路72内に投入された後、プーリ58(図2に示されている)がリボンフィラメント44と係合するのを可能にする。これにより、プーリ58の内向きにねじの付いた面が、加熱長78に向かってリボンフィラメント44を駆動することができる。
【0030】
ポート76の大きさは、リボンフィラメント44の寸法と用いられる駆動機構(例えば駆動機構42)に応じて変えてもよい。例えば、縦軸46に沿ったポート76の長さ(ポート長80と称される)は、プーリ58の内向きにねじの付いた面の大きさに応じて変えてもよい。ポート長80に適した長さの例は、約1.25ミリメートル(約0.05インチ)から約25.0ミリメートル(約1.0インチ)の範囲内であり、特に適した長さ64は、約5.1ミリメートル(約0.2インチ)から約12.7ミリメートル(約0.5インチ)の範囲内である。
【0031】
加熱長78は、熱ブロック40(図2に示されている)によって生成された温度勾配がリボンフィラメント44を溶融するために存在する、外管66に沿った領域である。加熱長78は、ポート76より下の外管66の長手方向の長さに沿って延び、それによってリボンフィラメント44がプーリ58との係合中に溶融するのを防ぐことが望ましい。したがって、加熱長78は、ポート76と下端部50/押出チップ52との間で、外管66の長手方向の長さに沿って延びていることが望ましい。一実施形態において、押出ヘッド18(図1に示されている)は、温度勾配がポート76においてリボンフィラメント44に影響を与えるリスクをさらに低減させるため、冷却用空気を上端部48および/またはポート76に向けるように構成されたエアフローマニホールド(図示されていない)を備えていてもよい。
【0032】
ポート76と下端部50との間に存在すべき加熱長78に適した寸法(長さ82と称される)は、熱ブロック40の熱伝導特性、外管66の厚さおよび材料、およびリボンフィラメント44の厚さ、材料、駆動率に応じて変わり得る。長さ82の適切な長さの例は、約13ミリメートル(約0.5インチ)から約130ミリメートル(約5.0インチ)の範囲内であり、特に適した長さ88は、約25ミリメートル(約1.0インチ)から約51ミリメートル(約2.0インチ)の範囲内である。
【0033】
コア管68は、リボン液化機38のコア部であり、上端部48と下端部50との間において外管66内に配設されている。図示されているように、コア管68は外表面84を備え、外表面84はポート76において露出されている。
中空の管として図示されているが、コア管68の代わりに、例えば中空でない中実のコア部など様々な別のコア部を用いてもよい。こうした実施形態は、駆動機構40と係合した際のリボンフィラメント44に対する横方向の支持を強化するのに有利であろう。しかしながら、コア部に中空の管(例えばコア管68)を用いれば、リボン液化機38の重量を減少させるのに有利であり、管内に電気要素および/または熱要素を保持することも可能になるであろう。例えば、熱ブロック40が縦軸46に沿った温度勾配を生成するのを補助するために、1つ以上の追加的な熱伝導要素(図示されていない)をコア管68内に固定してもよい。こうした実施形態において、コア管68は、駆動機構42と係合した際のリボンフィラメント44を支持するのに十分な壁厚(例えば、少なくとも約0.25ミリメートル(約0.01インチ))を有することが望ましい。さらに、外管66について前述したように、コア管68もまた、様々な断面形状を有する管に置き換えられてもよい。
【0034】
シム要素70は、外管66とコア管68との間に固定されたC字形の要素であり、やはり上端部48と下端部50との間に延びている。以下で論じるように、シム要素70は上端部48と下端部50との間に延びる間隙を備えており、ポート76とほぼ一列に並んでいる。外管66とコア管68との間におけるシム要素70の間隙は通路72を規定しており、通路72は円弧状断面を有し、ポート76とほぼ一列に並んでいる。この配置により、駆動機構42は、リボンフィラメント44が通路72を通って延びる間に、リボンフィラメント44と係合することができ、ポート76における外表面84の部分は、駆動機構42と係合した際のリボンフィラメント44に対する横方向の裏打ち支持体として機能することができる。
【0035】
サブアセンブリ30(図1および2に示されている)の製造中、リボン液化機38は、ポート76が熱ブロック40より上に延出するように熱ブロック40内に固定されてもよい。前述のように、これによって加熱長78がポート76より下の位置に限定されることが望ましい。リボン液化機38は、様々な方法で熱ブロック40内に固定され得る。一実施形態においては、熱ブロック40内での直接的なアクセスを可能にするよう、熱ブロック40が分離して(または開放されて)いてもよい。そうすると、リボン液化機38を熱ブロック40内に挿入することができ、リボン液化機38の外管66と熱ブロック40との間に優れた熱伝導性接触を提供するために、熱ブロック40を再組立てする(または閉じる)ことができる。押出チップ52はまた、下端部50において外管66に固定されていてもよい。リボン液化機38はまた、プーリ58の内向きにねじの付いた面がポート76においてリボン液化機38と係合するように、駆動機構42に固定されていてもよい。
【0036】
作業中において、通路72の寸法は、リボンフィラメント44の溶融材料の溶融流れを、この例では円弧状パターンの流れである軸方向に非対称な流れに合わせるように構成されている。しかし、押出チップ52に到達すると、この溶融流れは、押出用のほぼ軸方向に対称な流れに変わる。この点は、溶融流れが円筒状の液化機と押出チップ内において軸方向に対称なままである、円筒状の液化機とは対照的である。
【0037】
図4A−4Cは、図3の断面4A−4A、4B−4B、および4C−4Cのそれぞれで切った断面図である。図4Aに示されている断面図は、入口領域64を表している。図示されているように、外管66はさらに内表面86を備え、内表面86は外管66の内径(内径86dと称される)を規定している。内径86dに適した平均的な直径の例は、約3.8ミリメートル(約0.15インチ)から約10.2ミリメートル(約0.40インチ)の範囲内であり、特に適した直径は約5.1ミリメートル(約0.20インチ)から約7.6ミリメートル(約0.30インチ)の範囲内である。
【0038】
それに対して、外表面74は外管66の外径(外径74dと称される)を規定している。外径74dは、外管66の壁厚と内径86dによって変化することが可能であり、外管66が、駆動機構42の支持板54、プーリ58、および基部ブロック56を貫いて挿入でき(図2に示されている)、また支持板54と基部ブロック56のうちの1つまたは両方により保持できるようにすることが望ましい。したがって、液化機の管66に適した平均的な壁厚(すなわち、外径74dと内径86dとの差)の例は、約1.3ミリメートル(約0.05インチ)から約7.6ミリメートル(約0.30インチ)の範囲内であり、特に適した厚さは約2.5ミリメートル(約0.10インチ)から約5.1ミリメートル(約0.20インチ)の範囲内である。
【0039】
さらに図4Aに示されているように、コア管68の外表面84はコア管68の外径(外径84dと称される)を規定する。外管66の内径86dとコア管68の外径84dとの差は、それに応じた通路72の厚さ(通路厚さ88と称される)を規定する。通路厚さ88に適した寸法の例は、約0.25ミリメートル(約0.01インチ)から約2.5ミリメートル(約0.10インチ)の範囲内であり、特に適した厚さは約0.51ミリメートル(約0.02インチ)から約2.0ミリメートル(約0.08インチ)の範囲内であり、さらに特に適した厚さは約0.76ミリメートル(約0.03インチ)から約1.8ミリメートル(約0.07インチ)の範囲内である。通路72は、部分的にシム要素70における間隙により規定されるため、シム要素70も通路厚さ88に対応した厚さを有している。
【0040】
図示された実施形態において、通路72はシム要素70における間隙に亘って延びる円弧状の幅も有しており、その幅は湾曲状態のリボンフィラメント44の寸法に対応することが望ましい。円弧状幅は、図4Aに示されているように、通路72の径方向の同心点からの角度(角度αと称される)により測定することができる。角度αに適した角度の例は、約30度から約180度の範囲内であり、特に適した角度は、約45度から約130度の範囲内であり、さらに特に適した角度は約60度から約90度の範囲内である。
【0041】
あるいは、通路72の幅は円弧状の形状でなく長方形の形状に基づいて測定してもよい。通路72の幅に適した寸法の例は、約1.0ミリメートル(約0.04インチ)から約12.7ミリメートル(約0.50インチ)の範囲内であり、特に適した幅は約3.0ミリメートル(約0.12インチ)から約10.1ミリメートル(約0.40インチ)の範囲内であり、さらに特に適した幅は約3.8ミリメートル(約0.15インチ)から約6.4ミリメートル(約0.25インチ)の範囲内である。
【0042】
前述のように、リボン液化機38とリボンフィラメント44のアスペクト比は、円形の断面を有するフィラメント原料に付随するコアを効果的に取り除くために選択されてもよい。これにより、リボン液化機38は、同じ体積流量を有する円筒状の液化機と比べて、より短い反応時間を実現することができる。特に、米国仮特許出願第61/247,067号、および「押し出し式デジタル製造システムに用いられる非円筒状のフィラメント」と題する米国特許出願第12/612,333号において開示されているように、高いアスペクト比は反応速度を低減させるのに特に適している。したがって、通路72の幅と通路厚さ88とのアスペクト比の適切な例は、約2:1以上のアスペクト比を含む。
【0043】
場合によっては、高過ぎるアスペクト比によって、外表面84とリボンフィラメント44とに不適切に高い負荷がかかることもあり、またリボンフィラメント44と通路72との間の摩擦抵抗が増大することもある。したがって、通路72の幅と通路厚さ88とのアスペクト比の特に適切な例は、約2.5:1から約20:1の範囲内であり、より特に適切なアスペクト比は約3:1から約10:1の範囲内であり、さらにより特に適切なアスペクト比は約3:1から約8:1の範囲内である。
【0044】
所与の液化機内で熱エネルギーが拡散する次元を比較することにより、円筒状の液化機とはさらに区別することができる。熱エネルギーは、円筒状の液化機内に受容された円筒状のフィラメントに、二次元に拡散されるものであり、熱エネルギーの約50%が第一次元に沿って(例えばx軸に沿って)拡散され、熱エネルギーの約50%が第二次元に沿って(例えばy軸に沿って)拡散される。しかし、それに対して、液化機38内では、熱エネルギーのほとんどが、1つの次元のみに沿ってリボンフィラメント44に拡散される。実際、この一次元拡散は、リボンフィラメント44とリボン液化機38とのアスペクト比に従って増大する。したがって、前述の適切なアスペクト比に対して、熱エネルギーの少なくとも約60%が一次元だけに拡散し、熱エネルギーの少なくとも約65%が一次元だけに拡散することがより望ましく、熱エネルギーの少なくとも約70%が一次元だけに拡散することがさらにより望ましい。
【0045】
一実施形態においては、コア管68の外表面84および/または外管66の内表面86は、リボンフィラメント44の滑り摩擦を低減させるために、滑らかにされ、かつ/または磨かれていてもよい。別の実施形態においては、入口領域64における外表面84および内表面86の1つ以上の部分が、リボンフィラメント44との摩擦をさらに低減させるために、低表面エネルギーコーティングを含んでいてもよい。適切なコーティング材料は、フッ素化ポリマー(例えば、四フッ化エテン、フッ化エチレンプロピレン、およびパーフルオロアルコキシポリマー)、ダイアモンド状炭素材料、およびそれらの組み合わせを含む。
【0046】
図4Bに示された断面図は、図示された実施形態においてほぼ通路72と並んだ円弧状幅を有する、ポート76を表している。別の実施形態においては、通路72の円弧状幅がポート76の幅より大きくてもよい。ポート76の円弧状幅の角度(角度βと称される)は、プーリ58の内向きにねじの付いた面との係合および通路72の円弧状幅に応じて変化し得る。したがって、角度βに適した角度の例は、約30度から約180度の範囲内であり、特に適した角度は約45度から約130度の範囲内であり、さらに特に適した角度は約60度から約90度の範囲内である。
【0047】
図4Cに示された断面図は加熱長78を表しており、図示された実施形態においては、加熱長78における通路72が入口領域64(図4Aに示されている)およびポート76(図4Bに示されている)におけるのと同じ大きさを有している。したがって、この実施形態においては、通路72が、上端部48と下端部50の間において、縦軸46に沿ってほぼ同じ大きさを有している。別の実施形態においては、厚さ(通路厚さ89と称される)および/または通路72の円弧状幅が縦軸46に沿って変化してもよい。例えば、通路厚さ89と通路72の幅のうちの1つまたは両方が、加熱長78に沿って下端部50に向かって下降する間、徐々に減少してもよい。
【0048】
通路厚さ89に適した平均の厚さの例は、通路厚さ88(図4Aに示されている)に関する前述の厚さを含み、通路厚さ89は通路厚さ88と同じであってもよく、縦軸46に沿って下端部50に向かって徐々に減少してもよい。同様に、円弧状幅(角度θと称される)に適した角度は、角度α(図4Aに示されている)に関する前述の角度を含み、角度θは、角度αと同じであってもよく、縦軸46に沿って下端部50に向かって徐々に減少してもよい。
【0049】
図5は、リボン液化機38の分解斜視図であり、リボン液化機38を製造する方法を表している。リボン液化機38は、最初にコア管68の外表面84の周囲にシム要素70を挿入することにより製造してもよい(例えば、矢印90により示されるように、シム要素70内にコア管68を摺動させる)。シム要素70は、例えば摩擦嵌合、粘着化合物、および/または溶接作業など、様々な方法で外表面84に固定してもよい。
【0050】
シム要素70は、前述のように、部分的に通路72を規定する間隙(間隙92と称される)を備える。さらに、シム要素70のうちリボン液化機38の下端部50における部分は、押出チップ52内にちょうど嵌るように先細になっており、押出チップ52内では、間隙92もそれに対応して円弧状幅が減少してもよい。コア管68もまた、シム要素70および押出チップ52内にちょうど嵌るように先細になった、リボン液化機38の下端部50における円錐端部94を有している。円錐端部94はまた、コア管68の中空の孔領域内に溶融材料が逆流するのを防ぐため、密閉された先端であることが望ましい。
【0051】
組み立てられたコア管68/シム要素70は、その後、外管66(矢印96で示されている)内に挿入することができ、間隙92が望ましくはポート76と並ぶ。外管66は、摩擦嵌合、粘着化合物、および/または溶接作業など様々な方法で、コア管68/シム要素70の周囲に固定することができる。これにより、コア管68の外表面84、外管66の内表面86、および間隙92におけるシム要素70により規定された、上端部48から下端部50の押出チップ52まで延びる通路72が提供される。
【0052】
外管66、コア管68、シム要素70は、そのほかにも様々な方法で組み立てることができる。例えば、シム要素70は、コア管68が外管66内に挿入される前に外管66内に挿入されてもよい。さらに、コア管68が最初に外管66内に挿入され、次にシム要素70が外管66とコア管68との間に挿入されてもよい。さらに、押出チップ52は、下端部50において外管66に取り外し可能に固定されてもよい(例えば、外管66にねじ止めされる)。さらに別の実施形態においては、外管66、コア管68、シム要素70のうちの1つ以上が、後で組み立てられる別々な要素としてではなく、一緒に一体成形(例えば押出成形または鋳造)されてもよい。そして、出来上がったリボン液化機38が、前述のように押出ヘッド18のサブアセンブリ30に組み込まれてもよい。
【0053】
前述のように、通路72の寸法は、リボンフィラメント44の溶融材料の溶融流れを、軸方向に非対称な流れの一種である円弧状の流れに合わせるように構成されている。しかし、図5に示されているように、押出チップ52と円錐端部94の寸法は、溶融流れを、円弧状の流れから押出チップ52から押し出すための軸方向に対称な流れに変化させる寸法を規定している。この点が、円筒状の液化機内においても押出チップ内においても溶融流れが軸方向に対称な流れのままである円筒状の液化機とは、対照的である。
【0054】
図6は、3Dモデル24(または、図1に示されている支持構造物26)を構築するために、リボンフィラメント44の材料を溶融して押し出すための、駆動機構42(図2に示されている)のプーリ58とともに使用するリボン液化機38の断面図である。熱ブロック40、および駆動機構42の支持板54と基部ブロック56は、説明を簡単にするため図6では省略されている。図に示されているように、プーリ58は内表面98を備え、内表面98はプーリ58の内向きにねじが付いた面であって、ポート76においてリボンフィラメント44と係合する。内表面98に適した内向きにねじが付いた面の例は、Batchelder他の米国特許出願公開第2009/0274540号および第2009/2273122号に開示されている。
【0055】
3Dモデル24を形成するための構築作業中、リボンフィラメント44は先端部48で液化機38の通路72内に投入される。前述のように、リボンフィラメントは、通路72の円弧状断面とほぼ合致するような湾曲断面を有するように湾曲させられていることが望ましい。一実施形態において、リボンフィラメント44は、供給源20(図1に示されている)内にある間および経路34(図1に示されている)を通って供給される間は、弛緩した非湾曲状態にあってもよい。リボン液化機38の上端部48に到達した際に、リボンフィラメント42が所望の湾曲断面に湾曲させられ(例えば、手作業で湾曲させられ)、通路72内に供給されてもよい。リボンフィラメント44の連続部分が通路72内に引き込まれるに従って、通路72の円弧状断面が、リボンフィラメント44の連続部分を自動的に湾曲して通路72の寸法に適合するようにさせてもよい。
【0056】
プーリ58の回転によって、内表面98は、リボンフィラメント44の連続部分を、加熱長78に向かって通路72を通り縦軸46に沿って下方に駆動させることができる。加熱長78において通路72を通過する間に、熱ブロック40(図2に示されている)により生成された温度勾配が、リボンフィラメント44の材料を押出可能な状態まで溶融する。加熱長78より上流に位置するリボンフィラメント44の未溶融の連続部分は、プーリ58と内表面98とによって駆動され、未溶融部分と通路72との間において溶融材料に作用する粘性ポンプを有するピストンとして機能し、それによりリボンフィラメント44の溶融材料を押出チップ52を介して押し出す。前述のように、通路72の断面寸法、特に前述の適切なアスペクト比の範囲内における寸法によれば、リボンフィラメント44の材料をより短い反応時間で押し出すことができる。そして、押し出された材料は、積層式に3Dモデル24を構築するための道として堆積される。
【0057】
また前述のように、入口領域64は、プーリ58に対して縦軸46に沿って上流側に位置する。したがって、リボンフィラメント44は内表面98と係合する前に通路72に入り、内表面98と係合する間および係合した後は、コア管68(図3−5に示されている)の外表面84によって継続的に支持される。これにより、別体の駆動機構および液化機を有する押出ヘッドに起こりうる潜在的な問題(例えば、位置合わせや座屈)が、効果的に取り除かれ、それによって、押出ヘッド18(図1に示されている)を用いた構築作業を中断させるリスクを低減させる。
【0058】
図7は、3Dモデル24を構築するためにリボンフィラメント44の材料を溶融し押し出す別のフィラメント駆動機構の、回転可能なシャフト100とともに使用中の、液化機チューブ32の側面図である。熱ブロック40(図2に示されている)は、説明を簡略化するため図7では省略されている。この実施形態において、回転可能なシャフト100は、ポート76においてリボンフィラメント44と係合する外向きにねじの付いた面である、ねじ面102を備える。回転可能なシャフト100の回転により、ねじ面102がリボンフィラメント44の連続部分を、加熱長78に向かって通路72を通って縦軸46に沿って下方に駆動させることができる。すると、リボンフィラメント44の材料が、加熱長78において通路72内で溶融し、それによって溶融材料が押出チップ52から押し出されて、積層式に3Dモデルを構築することができる。
【0059】
本実施形態において、入口領域64も、ねじ面102に対しては縦軸に沿った上流位置にある。したがって、リボンフィラメント44は、ねじ面102と係合する前に通路72に入り、ねじ面102と係合する間および係合した後は、コア管68(図3−5に示されている)の外表面84によって継続的に支持される。これにより、別体の駆動機構および液化機を有する押出ヘッドに起こりうる潜在的な問題(例えば、位置合わせや座屈)が、効果的に取り除かれる。したがって、リボン液化機38は、様々な異なる駆動機構を用いて使用するのに適しており、駆動機構は、リボンフィラメント44がコア管68により支持された後(例えばポート76において)、リボンフィラメント44と係合してもよい。
【0060】
図8Aおよび8Bは、縦軸46(図2に示されている)に対して垂直な平面で切り取ったリボンフィラメント44の断面図であり、図8Aは弛緩した非湾曲状態にあるリボンフィラメント44を表し、図8Bは湾曲状態にあるリボンフィラメント44を表している。図8Aに示されているように、リボンフィラメント44は、通路72の通路厚さ88と円弧状幅(図4Aに示されている)にほぼ対応する、幅104と厚さ106とを有する。リボンフィラメント44はまた、供給源20(図1に示されている)内に残っているリボンフィラメント44の量に応じて変化し得る、連続した長さを有する。
【0061】
幅104は、通路72の寸法およびリボンフィラメント44がどの程度湾曲させられるかに応じて変化し得る。幅104に適した寸法の例は、約1.0ミリメートル(約0.04インチ)から約10.2ミリメートル(約0.40インチ)の範囲内であり、特に適した幅は約2.5ミリメートル(約0.10インチ)から約7.6ミリメートル(約0.30インチ)の範囲内であり、さらに特に適した幅は約3.0ミリメートル(約0.12インチ)から約5.1ミリメートル(約0.20インチ)の範囲内である。
【0062】
厚さ106に適した寸法は、リボンフィラメント44が湾曲状態にある間に、通路72内に挿入できるようにすることが望ましい。例えば、厚さ106は、リボンフィラメント44が湾曲状態まで軸方向に湾曲して(矢印108で表されているように)、リボンフィラメント44を供給源20内に巻くために長さに沿って曲がるようにでき、経路34(図1に示されている)を通ってリボンフィラメント44を供給するのに十分なくらい小さいことが望ましい。例えば、一実施形態においては、“t”が湾曲面におけるリボンフィラメント44の断面厚さ(例えば厚さ106)であり、“r”が曲げ半径(例えば、供給源20もしくは22内の曲げ半径、および/または経路34もしくは36を通る曲げ半径)である場合に、リボンフィラメント44がt/rより大きい弾性歪みに耐えられることが望ましい。
【0063】
厚さ106は、リボンフィラメント44に適した構造的完全性を提供し、それによって、リボンフィラメント44が供給源20または22内に保持されている間、およびシステム10を通って(例えば、経路30または32を通って)供給される間に、破断または破損するリスクを低減させるのに十分なくらい大きいことが望ましい。厚さ106に適した寸法の例は、約0.08ミリメートル(約0.003インチ)から約1.5ミリメートル(約0.06インチ)の範囲内であり、特に適した厚さは約0.38ミリメートル(約0.015インチ)から約1.3ミリメートル(約0.05インチ)の範囲内であり、さらに特に適した厚さは約0.51ミリメートル(約0.02インチ)から約1.0ミリメートル(約0.04インチ)の範囲内である。
【0064】
リボンフィラメント44はまた、図8Bに示されているように、リボンフィラメント42が通路72と合致するように湾曲させられる際の上端部48における通路72のアスペクト比にほぼ対応する、幅104対厚さ106のアスペクト比を有することが望ましい。幅104対厚さ106の適切なアスペクト比の例は、約2:1以上のアスペクト比を含み、特に適したアスペクト比は約2.5:1から約20:1の範囲内であり、さらに特に適したアスペクト比は約3:1から約10:1の範囲内であり、さらに特に適したアスペクト比は約3:1から約8:1の範囲内である。
【0065】
リボンフィラメント44は、3Dモデル24および支持構造物26(図1に示されている)をそれぞれ構築するための、種々の押出可能なモデリング材料および支持材料から製造することができる。リボンフィラメント44に適したモデリング材料は、高分子材料および金属材料を含む。実施形態によっては、適したモデリング材料は、例えば、熱可塑性材料、非晶質金属材料、およびそれらの組合せなど、非晶性を有する材料を含む。リボンフィラメント34に適した熱可塑性材料の例は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)コポリマー、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルイミド、非晶質ポリアミド、これらの改質された変化形(例えばABS−M30コポリマー)、ポリスチレン、およびこれらの混合物を含む。適した非晶質金属材料の例は、Batchelderの米国特許出願公開公報第2009/0263582号に開示されたものを含む。
【0066】
リボンフィラメント44に適した支持材料は、非晶性を有する材料であって(例えば、熱可塑性材料)、望ましくは3Dモデル24および支持構造物26が構築された後、対応するモデリング材料から取り外し可能である材料を含む。
【0067】
リボンフィラメント44に適した支持材料の例は、ミネソタ州エデンプレーリーのストラタシス,インコーポレイテッドから「WATERWORKS」および「SOLUBLE SUPPORTS」という商品名で市販されている水溶性の支持材料と、ミネソタ州エデンプレーリーのストラタシス,インコーポレイテッドから「BASS」という商品名で市販されている分離支持材料と、Crump他の米国特許第5,503,785号;Lombardi他の米国特許第6,070,107号および第6,228,923号;Priedeman他の米国特許第6,790,403号;およびHopkins他の米国特許出願公開公報第2010/0096072号に開示された支持材料とを含む。
【0068】
リボンフィラメント44の組成物はまた、例えば可塑剤、レオロジー改質剤、不活性充填剤、着色料、安定剤およびそれらの組合せなどの、追加の添加物を含んでいてもよい。支持材料における使用に適した追加の可塑剤の例は、フタル酸ジアルキル類、フタル酸シクロアルキル類、フタル酸ベンジル類およびフタル酸アリール類、フタル酸アルコキシ類、リン酸アルキル/アリール類、ポリグリコールエステル類、アジピン酸エステル類、クエン酸エステル類、グリセリンのエステル類、およびそれらの組合せを含む。適した不活性充填剤の例は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス球、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス繊維、タルク、珪灰石、雲母、アルミナ、シリカ、カオリン、炭化ケイ素、複合材料(例えば球状およびフィラメント状の複合材料)、およびそれらの組合せを含む。組成物が追加の添加物を含む実施形態においては、組成物における追加の添加物の適した総濃度の例は、組成物の全重量に基づき、約1重量%から約10重量%の範囲内であり、特に適した濃度は約1重量%から約5重量%の範囲内である。
【0069】
リボンフィラメント44はまた、システム10において消耗材料としてリボンフィラメント44を使用することが可能となる物理的性質を示すことが望ましい。一実施形態において、リボンフィラメント44の組成物は、その長さに沿ってほぼ均質である。さらに、リボンフィラメント44の組成物は、構築チャンバ12内での使用に適したガラス転移点を示すことが望ましい。リボンフィラメント44の組成物に関する大気圧での適したガラス転移点の例は、約80℃以上の温度を含む。ある実施形態においては、適したガラス転移点が約100℃以上の温度を含む。別の実施形態においては、適したガラス転移点が約120℃以上の温度を含む。
【0070】
リボンフィラメント44はまた、その軸方向の圧縮によってリボンフィラメント44が液化機内で捉えられないよう、低い圧縮率を示すことが望ましい。リボンフィラメント44の高分子組成に適したヤング率値の例は、約0.2ギガパスカル(GPa)(約30,000ポンド/平方インチ(psi))以上のモジュラス値を含み、この場合ヤング率値はASTM D638−08に従って測定される。ある実施形態においては、ヤング率が、約1.0GPa(約145,000psi)から、約5.0GPa(約725,000psi)の範囲内である。別の実施形態においては、ヤング率値は、約1.5GPa(約200,000psi)から、約3.0GPa(約440,000psi)の範囲内である。
【0071】
リボンフィラメント44に適したリボンフィラメント、およびリボンフィラメント44の適した製造方法の更なる例は、米国仮特許出願第61/247,067号;および「押し出し式デジタル製造システムで用いられる非円筒状フィラメント」と題する米国特許出願第12/612,333号に開示されたものと;米国仮特許出願第61/247,078号;および「押し出し式デジタル製造システムで用いられる立体的な表面の模様を有する消耗材料」と題する米国特許出願第12/612,342号に開示された、立体的な表面の模様を有するリボンフィラメントとを含む。
【0072】
図9および10は、リボン液化機28(図2−7に示されている)とは別の、適したリボン液化機の例を示しており、前述の実施形態は、以下の例にも同様に適用することができる。図9に示されているように、リボン液化機138はリボン液化機38の第一の代替例であり、対応する参照符号が「100」だけ増している。この実施形態では、入口領域64およびポート76に対応する入口領域およびポートが省略されている。代わりに、上端部148において、コア管168が外管166およびシム要素170より延出している。この実施形態では、通路172の上部において、駆動機構(例えば駆動機構42)がコア管168の外表面184においてリボンフィラメント44と係合してもよい。これにより、リボン液化機38について前述したのと同様に、外表面184がリボンフィラメント44の横方向の裏打ち支持体として機能する間に、駆動機構が、リボンフィラメント44の連続部分を通路172内へと駆動することができる。
【0073】
図示された実施形態において、通路172の入口と下端部150との間にあるべき加熱長178に適した寸法(長さ182と称される)は、熱ブロック40(図2に示されている)の熱伝導特性、外管166の厚さと材料、およびリボンフィラメント44の厚さ、材料、および駆動速度に応じて変化してもよい。長さ182に適した長さの例は、長さ82(図3に示されている)について前述した長さを含む。
【0074】
別の実施形態においては、シム要素170もまた、コア管168とともに上方に延出していてもよい。さらに別の実施形態においては、外管166、コア管168、およびシム要素170のうちの1つ以上が、Batchelder他の米国特許出願公開第2009/0273122号で説明されているように、歪みゲージを備えていてもよい。これは、システム10における作業中に外管166、コア管168、および/またはシム要素170に掛かる負荷を監視するのに都合がよい。
【0075】
図10は、リボン液化機38(図2−7に示されている)およびリボン液化機138(図9に示されている)の更なる代替例であるリボン液化機238の断面図である。本断面図は、図3において切り取られた断面4A−4Aに対応し、対応する参照符号は「200」だけ増している。図示されているように、リボン液化機238は、通路272を規定する外管266、コア部268、およびシム要素270を備え、通路272は円弧状の断面でなく長方形の断面を有している。
【0076】
外管266、コア部268、シム要素270、および通路272に適した寸法は、リボン液化機38のそれぞれの要素について前述した寸法を含む。例えば、外表面274に適した平均幅(幅274wと称される)、外表面284に適した平均幅(幅284wと称される)、および内表面286に適した平均幅(幅286wと称される)は、外径74d、外径84d、および内径86d(図4Aに示されている)のそれぞれについて前述されたものを含む。外管266、コア部268、およびシム要素270の寸法は、x軸とy軸とに沿ってほぼ同じであってもよく(つまり、図10に示されているように正方形の断面)、リボン液化機238の特定の構成に応じて異なっていてもよい(例えば長方形)。それに対応して、通路272に適した幅(幅272wと称される)は、通路72の円弧状幅について前述されたものも含み、通路272に適した厚さ(厚さ272tと称される)は、厚さ88(図4Aに示されている)について前述されたものも含む。
【0077】
図示された実施形態において、コア部268は、中空の孔部を有さず充填されている。これは、駆動機構(例えば、図2に示されている駆動機構42)から外表面284に加えられる横方向の応力に、コア部268が座屈や変形することなく耐えられるのを確実にするのに役立つ。別の実施形態においては、コア部268が適した壁厚を有する中空のコア管であってもよい。
【0078】
リボン液化機238は、図8Aに示されているように、弛緩して非湾曲状態にあるリボンフィラメント44を受容するように構成された、本開示の適したリボン液化機の一例である。リボン液化機238とリボンフィラメント44の寸法はまた、円形の断面を有する円筒状フィラメントに付き物であるコアを効果的に取り除く。これにより、リボン液化機238は、同じ体積流量を有する円筒状液化機に比べて、反応時間を短くすることも可能になる。
【0079】
さらに、通路272の寸法は、リボンフィラメント44の溶融材料の溶融流れを、軸方向に非対称な流れでもある長方形状の流れに合わせるように構成されている。しかし、押出チップ252(図示されていない)に到達すると、この溶融流れは、図5におけるリボン液化機38について前述したのと同様に、押出のためほぼ軸方向に対称な流れに変化する。これもまた、円筒状液化機内および押出チップ内において溶融流れが軸方向に対称な流れのままである、円筒状液化機とは対照的である。
【0080】
本開示の更なる実施形態において、前述の円筒状および非円筒状のフィラメントは中空であってもよい。中心部が無くなることによりプラスチックの断面積が減少するため、中空のフィラメントの水力直径は、物理的直径より小さくてもよい。したがって、本開示の中空のフィラメントに適した水力直径は、前述のものも含む。さらに、液化機は、押出物が外側からも内側からも加熱されるように、中空のフィラメントに対する嵌合コアを備えていてもよい。
【0081】
中空のフィラメントの更なる利点の1つとなり得るのは、中空のフィラメントが混合機からの迅速押出により製造される場合、供給アセンブリに保持される(例えば巻かれて)前に、望ましくは中空のフィラメントが迅速に冷却されることである。迅速冷却工程は、フィラメントの長さに沿って変化し得る、別の中実フィラメントにおける直径の変化を誘発する。それに比べて、中空のフィラメントが迅速冷却される場合、中空のフィラメントの内表面は直径が変化し得るため、外表面はより均一な状態になる。
【0082】
円筒状の外殻の形を取った中空のフィラメントの更なる利点となり得るのは、フィラメント駆動機構との適合性である。中実フィラメントは、ほぼ圧縮不能であるため、フィラメントの直径がやや小さいか、または大きい場合、駆動ローラまたは駆動歯が実現する静止摩擦が小さ過ぎたり大き過ぎたりすることがある。しかし、中空のフィラメントは、適合性を提供することができ、フィラメントの直径における少々の差異は、中空のフィラメントの圧縮量における差異によって埋め合わせることができる。
【0083】
中空のフィラメントの更に別の利点となり得るのは、液化機の入口における熱伝導が低減することである。中実フィラメントが静止している場合、壁部が比較的冷たい、液化機の加熱された部分より上方の領域まで、熱がフィラメントの中心部へとゆっくり伝わり得る。もしそこでフィラメントが溶融すると、より冷たい壁部に対して凝固する傾向があり、フィラメントの動きを再開させる軸方向の大きな力を生じさせる可能性がある。しかし、中空のフィラメントの上方への熱伝導速度は、中心部が無いことにより、中実フィラメントの上方への熱伝導速度より遅い。
【0084】
本開示は、好適な実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更を行い得ることは理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構と熱伝導要素とを有する押し出し式デジタル製造システムにおいて用いられるリボン液化機であって、
前記熱伝導要素から熱エネルギーを受領するように構成された外側液化機部と、
少なくとも部分的に前記外側液化機部により規定された通路であって、該通路が、リボンフィラメントを受容するように設定された寸法を有し、前記リボン液化機が、該通路に受容された該リボンフィラメントを、溶融流れを生じさせるために、受領した熱エネルギーによって少なくとも押出可能な状態まで溶融するように構成され、スロットの寸法が、前記リボン液化機に接続された押出チップ内で溶融流れを軸方向に非対称な流れからほぼ軸方向に対称な流れに合わせるように設定されている通路と、
を含むリボン液化機。
【請求項2】
前記通路の寸法が円弧状の断面を規定する、請求項1に記載のリボン液化機。
【請求項3】
前記通路の寸法が、幅対厚さのアスペクト比が約2:1以上である幅と厚さとを有する断面を規定する、請求項1に記載のリボン液化機。
【請求項4】
前記幅対前記厚さのアスペクト比が約2.5:1から約20:1の範囲内である、請求項3に記載のリボン液化機。
【請求項5】
前記外側液化機部が、前記通路に受容された前記リボンフィラメントと係合するためのアクセスを前記駆動機構に提供するように構成されたポートを備える、請求項1に記載のリボン液化機。
【請求項6】
前記外側液化機部内に設けられている、部分的に前記通路を規定するコア部をさらに備え、該コア部は前記駆動機構が前記リボンフィラメントと係合する際に該リボンフィラメントに裏打ち支持を提供するように構成されている、請求項1に記載のリボン液化機。
【請求項7】
前記外側液化機部と前記コア部との間に設けられたシム要素をさらに備え、該シム要素が前記通路をさらに規定する間隙を規定する、請求項6に記載のリボン液化機。
【請求項8】
駆動機構と熱伝導要素とを有する押し出し式デジタル製造システムにおいて用いられるリボン液化機であって、
外表面と内表面とを有する外管であって、該外管の該外表面が前記熱伝導要素と係合するように構成されている外管と、
前記外管内に配設され、外表面を有するコア部と、
前記外管と前記コア部との間に配設されたシム要素であって、該シム要素は該シム要素の長手方向の長さに沿って延びる間隙を有し、該間隙は前記外管の内表面と前記コア部の外表面との間の通路を規定し、該通路はリボンフィラメントを受容するように設定された寸法を有しており、前記コア部の外表面は、前記駆動機構が前記リボンフィラメントと係合する際に該リボンフィラメントに裏打ち支持を提供するように構成されているシム要素と、
を備えるリボン液化機。
【請求項9】
前記通路の寸法が円弧状の断面を規定する、請求項8に記載のリボン液化機。
【請求項10】
前記円弧状の断面が、径方向の同心点からある角度で延びる円弧幅を有し、該角度が約30度から約180度の範囲内である、請求項9に記載のリボン液化機。
【請求項11】
前記角度が約45度から約130度の範囲内である、請求項10に記載のリボン液化機。
【請求項12】
前記外管が、前記通路内に受容された前記リボンフィラメントと係合するためのアクセスを前記駆動機構に提供するように構成されたポートを備えている、請求項8に記載のリボン液化機。
【請求項13】
前記ポートが前記通路と実質上繋がっている、請求項12に記載のリボン液化機。
【請求項14】
前記コア部がコア管を備えている、請求項8に記載のリボン液化機。
【請求項15】
押し出し式デジタル製造システムにおいて三次元モデルを構築する方法であって、
リボン液化機の通路を介してリボンフィラメントを駆動させる工程であって、該リボン液化機が、少なくとも部分的に前記通路を規定する外側液化機部を備える工程と、
前記通路内の前記リボンフィラメントを、溶融流れを生じさせるために、少なくとも押出可能な状態まで溶融する工程であって、該通路の寸法が該溶融流れを軸方向に非対称な流れに合わせる工程と、
前記リボン液化機の押出チップから前記溶融流れを押し出す工程であって、該溶融流れが該押出チップ内でほぼ軸方向に対称な流れを有する工程と、
を含む方法。
【請求項16】
前記通路の寸法が円弧状の断面を規定する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記通路の寸法が、幅対厚さのアスペクト比が約2:1以上である幅および厚さを有する断面を規定する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記幅対厚さのアスペクト比が2.5:1から約20:1の範囲内である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記外側液化機部がポートを備え、前記方法がさらに、該ポートにおいて、駆動機構を前記通路内に受容された前記リボンフィラメントと係合させる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記通路内で前記リボンフィラメントを溶融させる工程が、熱エネルギーを該リボンフィラメントに拡散させる工程を含み、該熱エネルギーの少なくとも約65%が一次元においてのみ拡散される、請求項15に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2013−506579(P2013−506579A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532131(P2012−532131)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/049604
【国際公開番号】WO2011/041165
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(509113977)ストラタシス,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】