説明

押出成形方法と押出成形装置

【課題】押出成形機の立ち上げ/立ち下げの際に排出される溶融樹脂の総量を極力抑えること。また、非生産時に押出成形機を停止させないで連続運転することにより、溶融樹脂の焦げ付きを防止すること。
【解決手段】押出成形装置1は、フィーダ4の吐出速度、スクリュー7の回転速度、ギアポンプ12の回転速度及び圧力計15の圧力が入力される制御装置17を設け、生産時には、ギアポンプ12の回転速度を設定値に固定し、フィーダ4の吐出速度とスクリュー7の回転速度により圧力計15の圧力を調整することにより生産運転状態を維持し、非生産時には溶融樹脂が樹脂劣化しない範囲域でフィーダ4の吐出速度を設定値に固定し、ギアポンプ12の回転速度により圧力計15の圧力を調整することにより待機運転状態を維持し、各々の運転状態を安定化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂を加熱、混練して生成した溶融樹脂を待機状態から生産状態へ自動的に稼働させることができる押出成形方法と押出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは飲料の容器や製品のケースなど日常生活に欠かせないものとなっている。このプラスチックの成形法の一例として押出成形機による成形がある。これは、ホッパから原料をシリンダ内で回転するスクリューによって前方側に移送し、合成樹脂などの原料を加熱して混練することによって溶融樹脂を形成する。そして、この溶融樹脂をシリンダに接続されたギアポンプに供給し、ギアポンプによって溶融樹脂が定量化された後に、ダイスを介して圧縮成形機の金型等に供給されて、圧縮成形された後に製品化にされる。
【0003】
押出成形機には、単軸押出成形機と二軸以上の多軸押出成形機とが使用されている。単軸押出成形機は、混練・圧縮フィーダ機の機能を1本のスクリューで行なうため、複雑な工程を必要とする。これに対し、多軸押出成形機は高混練、高スクリューに優れており、合成樹脂を押出成形機に供給するフィーダとの組み合わせによって運転条件の範囲が広くなる利点がある。
このような押出成形機では、生産前の待機運転から実際に製品を作る生産運転に移行する際、押出成形機の成形機本体とギアポンプとの間に設けられた圧力計(図1の成形機本体2、ギアポンプ12、圧力計15を参照)、すなわちギアポンプの入口圧力を作業員が監視しながら、図4のラインY(点線)に示すように、段階的に溶融樹脂を供給するフィーダ(図1のフィーダ4を参照)の吐出量を上げて、作業員の監視のもと作業が行われた。
このように押出成形機の運転にあたっては、通常、作業員の監視のもとに作業がなされるが、省略化のため無人運転することが望まれ、下記の特許文献1のように、押出成形機を用いた生産ラインの無人運転システムや、特許文献2のように押出成形機の立ち上げや吐出量変更時の運転制御方法が開示されている。
【特許文献1】特開平9−131780号公報
【特許文献2】特公平6−55415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように押出成形機の自動運転制御による省人化や、生産運転に至るまでの時間短縮が可能となっている。
しかしながら、押出成形機が生産運転に至るまでの溶融樹脂を製品の製造に使用できないシステム、例えば圧縮成形機のように毎時数百kgを越える吐出量を有する大型押出成形機においては、如何に溶融樹脂の排出量を抑えるかが課題となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、非生産運転において、溶融樹脂の吐出量を少なくするとともに、成形機本体の自動運転により人手を省略することができる押出成形方法と押出成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の押出成形方法は上記目的を達成するために、合成樹脂をフィーダから多軸式の押出成形装置の成形機本体に供給するステップと、成形機本体のシリンダ内にて合成樹脂を加熱、混練して溶融樹脂を生成するステップと、溶融樹脂を前記シリンダの排出口からギアポンプに供給するステップと、前記ギアポンプの入口圧力を測定するステップとを含んだ押出成形方法において、前記押出成形装置を起動してパージ運転をした後に、スクリュー負荷(フィーダ吐出量/スクリュー回転速度)を設定値A1にした状態で前記フィーダ吐出量を設定値Q1になるように前記押出成形装置を稼働するようにしたパージ運転状態から待機運転状態へ移行する移行区間と、前記スクリュー負荷を設定値A2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1に維持した状態で、前記ギアポンプの入口圧力を設定値V1となるように前記ギアポンプ回転速度を制御するように前記押出成形装置を稼働するようにした待機運転状態とを含み、該待機運転状態から生産運転に移行する際に、前記スクリュー負荷を設定値A2にした状態で前記ギアポンプの入口圧力を設定値V2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1から設定値Q2になるようにして前記押出成形装置を生産運転に切り替えるようにした。
上記押出成形方法による前記生産運転の条件は、前記フィーダ吐出量が設定値Q2の許容誤差範囲内に達したときに、前記ギアポンプ回転速度を固定値とし、前記ギアポンプの入口圧力を前記設定値V3になるように、スクリュー回転速度とフィーダ吐出量を制御するようにした。
上記押出成形方法は、前記待機運転状態から前記生産運転状態へ移行する間に、前記フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量し吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲内に達した後は合成樹脂の重量を計量し吐出制御するようにした。
上記押出成形方法は、前記生産運転状態から前記待機運転状態へ移行する間に、前記フィーダ吐出量は、合成樹脂の容積を計量し吐出制御するようにした。
上記押出成形方法は、前記押出成形装置の前記生産運転から前記待機運転に切り替えて、再度前記生産運転に切り替えるようにしたステップを含むようにした。
上記押出成形方法は、前記パージ運転から前記待機運転に移行する間に前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした。
上記押出成形方法は、前記待機運転から前記生産運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした。
上記押出成形方法は、前記生産運転から前記待機運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを閉じるようにした。
また、本発明の押出成形装置は上記目的を達成するために、フィーダから供給された合成樹脂を加熱、混練して溶融樹脂を生成する成形機本体と、該成形機本体から供給された溶融樹脂の供給量を調節するギアポンプと、該ギアポンプの入口に配設した圧力計とを備えた多軸押出成形装置において、前記フィーダ吐出量、前記スクリュー回転速度、前記ギアポンプ回転速度及び前記圧力計の圧力の値に基づいてこれらを制御するようにした制御装置を設け、生産運転に入る前の待機運転にて、スクリュー負荷(フィーダ吐出量/スクリュー回転速度)を設定値A2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1の範囲内に維持した状態で、前記ギアポンプの入口圧力を設定値V1となるように前記ギアポンプ回転速度を、前記制御装置が制御するようにし、前記待機運転状態から生産運転に移行する際に、前記スクリュー負荷を設定値A3にした状態で前記ギアポンプの入口圧力を設定値V2とし、前記フィーダ吐出量を前記設定値Q1から設定値Q2になるように前記制御装置が制御するようにした。
上記押出成形装置は、前記制御装置は、前記フィーダ吐出量が設定値Q2の許容誤差範囲内に達したときに、前記ギアポンプ回転速度を固定値とし、前記ギアポンプの入口圧力を前記設定値V3になるように、スクリュー回転速度とフィーダ吐出量を調整するようにした。
上記押出成形装置は、前記待機運転状態の前記フィーダ吐出量の設定値Q1が前記成形機本体の最大吐出能力の5〜30%の範囲とした。
上記押出成形装置は、前記フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量し吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲内に達した後は合成樹脂の重量を計量し吐出制御するようにした。
上記押出成形装置は、前記生産運転状態から前記待機運転状態へ移行する間に、
前記フィーダ吐出量は、合成樹脂の容積を計量し吐出制御するようにした。
上記機押出成形装置は、前記待機運転から前記生産運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした。
上記押出成形装置は、前記生産運転から前記待機運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを閉じるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、押出成形装置を稼働するにあたって停止状態から生産運転状態の間に待機運転状態を設けることによって、押出成形装置は常時稼働状態にあるため、待機運転状態から生産運転状態、生産運転状態から待機運転状態への移行がスムーズとなり、押出成形装置を停止させたときと比較して、溶融樹脂の大幅な節約が可能となる。
上記発明は、待機運転状態から生産運転状態へ移行するにあたって、フィーダ吐出量の制御を途中まで合成樹脂の容積を計量し吐出制御し、設定値Q2の許容範囲内に達した後は合成樹脂の重量を軽量し吐出制御し、生産運転状態から待機運転状態へ移行するにあたって、合成樹脂の容積を計量し吐出制御することにより、移行時間の短縮を図るとともに、溶融樹脂の無駄な排出を防止することができる。
上記発明は、待機運転状態のときに真空ベントを閉じることにより、同状態での吐出速度を大幅に抑えることができ、溶融樹脂の無駄な排出を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態の押出成形方法及び押出成形装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書では、図1に示す成形機本体2の右側を装置の後端側として説明する。
図1は、本発明に係る押出成形装置1を示し、この押出成形装置1の成形機本体2について、原料の流れに沿って説明すると、成形機本体2の後端側上部には、合成樹脂などの原料が供給されるホッパ3を備えている。ホッパ3は、シリンダ5内に供給すべき合成樹脂などの原料を投入するものであり、ホッパ3の下端には、原料を成形機本体2のシリンダ5の内に供給するフィーダ4が接続されている。フィーダ4は、シリンダ5へ投入する原料の供給量を増減する調整装置(図示せず)が配設されている。
【0008】
筒状のシリンダ5はその軸を横方向へ延ばし、シリンダ5の内部には、一対のスクリュー7(図では1つのみ示す)がそのシリンダ5の軸方向へ配設されている。したがって、この成形機本体はいわゆる2軸式押出機と呼ばれるものである。シリンダ5は、一対のスクリュー7を回転可能に支持し、スクリュー7の周囲にはスパイラル状のフィンが、スクリュー7の先端側から後端側に亘って形成され、スクリュー7は駆動モータ8の回転力によって、スクリュー軸を中心にして回転する。スクリュー7の回転によって、原料は、スクリュー7の前端側に移送される。
シリンダ9の内壁には、原料を加熱するヒータ10が配設されている。成形機本体2は、原料をヒータ10によって加熱し、一対のスクリュー7によって混練しながら溶融樹脂を生成するように構成されている。シリンダ5のほぼ中間位置には、シリンダ5の内孔と連通するベント11が形成され、ベント11は真空装置19に繋がっており、遮蔽バルブ13の制御によって開閉される。
【0009】
シリンダ5の溶融樹脂の排出口には、ギアポンプ12が接続されている。ギアポンプ12は、歯車の噛み合わせによって、溶融樹脂を移送するポンプであり、図示しない駆動源によって歯車を回転させて、溶融樹脂を定量化することができる。ギアポンプ12の下流側には、ダイス14が配設される。そして、シリンダ5とギアポンプ12との間には、ギアポンプ12の入口側圧力を検知する圧力計15を配設している。
成形機本体2には、図示しない各々のセンサーによって、フィーダ吐出量Q(kg/分)の値、スクリュー回転速度Ns(回転/分)の値、ギアポンプ回転速度GP(回転/分)の値が入力される制御装置17が配設されている。制御装置17は、フィーダ4の原料供給量を調整し、駆動モータ8を介してスクリュー7の回転量を調整し、さらにギアポンプ12の回転量を調整することができる。
【0010】
このような押出成形機1では、例えばペットボトルのプリフォームなどを成形する圧縮成形機に溶融樹脂を供給できる。押出成形装置1の生産運転では、成形機本体2のホッパ3に合成樹脂原料を入れると、フィーダ4が原料供給量を調整してシリンダ5の内部に供給する。原料は、シリンダ5の内部でヒータ10によって加熱され、スクリュー7により移送されながら加熱、混練されて溶融樹脂となる。溶融樹脂は、成形機本体2から排出されるとギアポンプ12に押し出され、ギアポンプ12では、溶融樹脂が定量排出され、その下流側にあるダイス14に供給される。ダイス14は、溶融樹脂をプリフォームに圧縮成形する図示しない圧縮成形機の金型へ供給する。
【0011】
次に、図2を用いて押出成形装置1の押出成形方法について説明する。
ここで、Q(t),Ns(t),GP(t),A(t)は、それぞれ時間tにおける、フィーダ吐出量Qの値、スクリュー回転速度Nsの値、ギアポンプ回転速度GPの値、スクリュー負荷Aの値、である。
図2に示すように、押出成形装置1のシフトaに示す停止状態から装置を起動するときには、初めにフロー図の状況bに示すように、パージ運転cを行う。パージ運転cは、押出機本体2の溶融樹脂の焦げ出し(図中のa〜c)を行う。これは、押出成形装置1の生産状態から停止された際における装置内に残されている焦げ付いた溶融樹脂を排出させるためである。この焦げ出し作業は、押出成形装置1のギアポンプ11、成形機本体2、フィーダ4の順に各装置を稼働させ、押出成形装置1の下流側から上流側の順に各装置を稼働させる。溶融樹脂の押出量について制約はない。なお、押出成形装置1の起動時では遮蔽バルブ13は閉じたままである。押出成形装置1の焦げ等樹脂の状態を確認後、パージ運転cを完了する。
【0012】
パージ運転完了後は、直ちに待機運転f(c〜f)まで移行し、生産運転の指令が出るまで待機運転fを継続する。
パージ運転から待機運転までの移行区間では、シフトc,状況dに示すように、スクリュー負荷Q(t)/Ns(t)(≡A(t))を設定値A1にした状態で、フィーダ吐出量がQ1になるようスクリュー回転速度Nsを制御する。このフィーダ吐出量Q1は、成形機本体2の最大吐出量QMAXの5〜30%であり、このQ1の数値は、溶融樹脂が劣化しない範囲に設定する。そして、Q1の値がこの数値に達する前に、シフトkに示すように、遮断バルブ13を開きベント11を開放状態にする。ベント11は、溶融樹脂を加熱・混練する際の蒸発水分などを排出することができる。
このパージ運転から待機運転までの設定をまとめると、以下のようになる。
[パージ運転から待機運転]
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が設定値A1になるように運転を行う。
フィーダ吐出量Q(t):Q(t)を待機運転の設定値Q1になるように運転する。
【0013】
そして、フィーダ吐出量Q(t)が設定値Q1に到達した後は、押出成形装置1は待機運転fを継続する。
待機運転では、状況e及びシフトfに示すように、制御装置17がフィーダ吐出量Q1を吐出制御する。この際、スクリュー負荷A(t)(Q1/Ns(t))が定数A2となるように、スクリュー回転速度Ns(t)を同時に調整する(Ns(t)=Q1/A2;一定値)。なお、このスクリュー負荷A2は、値が大きくなるほど、樹脂の発熱を抑制することができるが、機械的強度により制約される。また、状況dとeでスクリュー負荷を変更する必要はないので、普通はA1=A2である。
制御装置17は、ギアポンプ12の入口圧力が設定値V1になるように、ギアポンプ回転速度GPを制御する。また、スクリュー負荷の最大許容値AMAXやフィーダの最大吐出量QMAXは、押出成形装置の仕様によって制限される。
【0014】
待機運転fの設定をまとめると以下のようになる。
[待機運転]
フィーダ吐出量Q(t):最大吐出量QMAXの5%〜30%の範囲で固定値Q1に設定。
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が一定値A2になるように運転を行う。(スクリュー回転数はNs(t)=Q1/A2;一定値)
ギアポンプ回転速度GP(t):ギアポンプ12の入口圧力が設定値V1になるようにGP(t)を制御する;(ギアポンプ入口圧力)>V1のときは、GP(t)を増加させ、(ギアポンプ入口圧力)<V1のときは、GP(t)を減少させる。GP(t)の増減については公知の制御方法を用いればよく、例えばPID制御が好適である。
【0015】
待機運転から生産運転への切り替えは、本押出成形装置を含む成形システムの制御回路からの制御信号により、若しくは、作業員の判断により行う。この切り替えが行われると、図2のシフトgに示すように、ギアポンプ12の入口圧力が一定になるようにした状態で、スクリュー負荷A(t)を設定値A3とし、フィーダ吐出量Q(t)及びスクリュー回転数Ns(t)を徐々に大きくする。すなわち、フィーダ吐出量Qが設定値Q2に達するよう制御装置17が、自動的にフィーダ吐出量Q(t)、スクリュー回転速度Ns(t)を増加させる。そして、フィーダ吐出量Q(t)が生産運転における設定値Q2の±ΔQの許容誤差範囲内に達したときに、制御装置17は、押出成形装置1を生産運転に切り替える(シフトh)。
【0016】
なお、フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量(容積フィード)して吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲ΔQ内に達した後は、合成樹脂の重量を計量(重量フィード)して吐出制御する。重量フィードは、吐出する合成樹脂の重量を計測しながらフィーダの吐出量(フィーダのスクリュー回転速度)を制御する方式であり、計量精度が高い反面、待機運転状態から生産運転状態までの移行区間では段階的に吐出量を上げ、その都度吐出量の安定化を図るため、生産運転状態での設定吐出量に到達するまでに時間を要する。一方、容積フィードは、フィーダのスクリュー回転数により合成樹脂の吐出量を制御する方式で、設定吐出量までのレスポンスが早い反面、合成樹脂の嵩密度等のばらつきに影響され、計量精度が劣る短所がある。
両者とも、スクリュー回転数、ギアポンプの回転数をギアポンプの前圧を一定にするように制御する都合上、急激な吐出速度の上昇、下降は無理であるが、停止、待機、待機から生産までの移行期間は、レスポンスの良い容積フィード、生産運転状態では計量精度が高い重量フィードにすることにより、吐出速度の上昇、下降に掛かる時間を短縮し、高い計量精度を得ることができる。
【0017】
図3のA〜Cに本実施形態の待機運転から生産運転へ移行する際のフィーダ吐出速度Q、成形機本体2のスクリュー回転速度Ns、ギアポンプ回転速度GPと時間tの関係を示す。
図2に示すように、生産運転の状態では、制御装置17は、シフトiに示すように、ギアポンプ回転速度GPを設定値に固定して図示しない圧縮成形機への溶融樹脂の供給量を固定し、ギアポンプ12の入口側圧力が設定値V3になるようにスクリュー回転速度Ns(t)とフィーダ吐出量Q(t)を調整するよう制御し、この生産運転の条件を維持させて運転する。従来では、フィーダ吐出量Q(t)の調整を、ギアポンプ12の入口側圧力を作業員が確認しながら調整したが、本実施形態では制御装置がスクリュー負荷A(t)が一定値A4に保たれるようNs(t)と併せ、調整を自動的に行う。
なお、シフトgとiでスクリュー負荷を変更する必要はないので、普通はA3=A4である。
【0018】
生産運転時における設定をまとめると、以下のようになる。
[生産運転]
ギアポンプ回転速度GP(t):GP(t)を設定値に固定する。
フィーダ吐出量Q(t):ギアポンプ12の入口圧力が設定値V3になるよう、フィーダ吐出量Q(t)を調整する;(ギアポンプ12の入口圧力)>V3のときは、Q(t)を減少させ、(ギアポンプ12の入口圧力)>V3のときは、Q(t)を増加させる。Q(t)の増減については公知の制御方法を用いればよく、例えばPID制御が好適である。
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が一定値A4になるよう運転を行う。(スクリュー回転数はNs(t)=Q(t)/A4を満たすよう調整)
このとき、ギアポンプから押し出される樹脂量はほぼQ2になる。
なお、ギアポンプ12の入口圧力Vの設定値V1、V2、V3については、V1からV2へと段階的に最終目標値のV3に近づくように段階的に適宜異なる数値を設定するが、例えば、当初の設定値V1から最終目標値のV3の値(例えば1.5MPa)になるように、設定値(V1=V2=V3)を変更してもよい。また、スクリュー負荷Aの設定値A1、A2、A3、A4についても、同様に適宜設定するが、同様に設定値(A1=A2=A3=A4)を変更することができる。
【0019】
図4に示すように、従来のマニュアル運転では、ラインYに示すように生産運転に入るまでに時間t1を費やしていたので、その間に生成した溶融樹脂(時間t1間におけるラインYの面積に等しい)が使用されていなかったが、本実施形態ではラインX(実線)に示すように、待機状態から生産運転までの時間を短縮することができ、使用されない溶融樹脂(時間t2間におけるラインXの面積に等しい)の量を節約できる。
このような押出成形装置1の生産運転中では、溶融樹脂が成形される下流側の図示しない圧縮成形機の不具合、例えば、溶融樹脂から成形された容器のプリフォームなどが成形ライン上で詰まりが生じたような場合に、生産ラインが直ぐに復帰できる状態であれば、押出成形装置1を直ちに停止させたくないことがある。このような場合に、生産運転から待機運転に切り替えることができ、詰まりを取り除くことにより直ちに待機運転から生産運転へ移行でき、押出成形装置1を停止させたときと比較して、溶融樹脂の大幅な節約が可能となる。
ラインの復帰に時間がかるような場合は、待機運転から押出成形装置1の運転を停止し、若しくは、生産状態から直接押出成形装置1を停止する。
【0020】
次に、本発明の第2の実施形態の押出成形方法及び押出成形装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態に対してベント11の開閉操作時期を変更したものであり、図1に示す押出成形装置1をそのまま用い、押出成形装置1の構造の説明については省略する。
【0021】
図5に示すように、押出成形装置1のシフトaに示す停止状態から装置を起動するときには、初めにフロー図の状況bに示すように、パージ運転cを行う。パージ運転cは、押出機本体2の溶融樹脂の焦げ出し(図中のa〜c)を行う。これは、押出成形装置1の生産状態から停止された際における装置内に残されている焦げ付いた溶融樹脂を排出させるためである。この焦げ出し作業は、押出成形装置1のギアポンプ11、成形機本体2、フィーダ4の順に各装置を稼働させ、押出成形装置1の下流側から上流側の順に各装置を稼働させる。溶融樹脂の押出量について制約はない。なお、押出成形装置1の起動時では遮蔽バルブ13は閉じたままである。押出成形装置1の焦げ等樹脂の状態を確認後、パージ運転cを完了する。
【0022】
パージ運転完了後は、直ちに待機運転f(c〜f)まで移行し、生産運転の指令が出るまで待機運転fを継続する。
パージ運転から待機運転までの移行区間では、シフトc,状況dに示すように、スクリュー負荷A(t)を設定値A1にした状態で、フィーダ吐出量がQ1になるようスクリュー回転速度Nsを制御する。このフィーダ吐出量Q1は、成形機本体2の最大吐出量QMAXの5〜30%であり、このQ1の数値は、溶融樹脂が劣化しない範囲に設定する。
このパージ運転から待機運転までの設定をまとめると、以下のようになる。
[パージ運転から待機運転]
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が設定値A1になるように運転を行う。
フィーダ吐出量Q(t):Q(t)を待機運転の設定値Q1になるように運転する。
【0023】
そして、フィーダ吐出量Q(t)が設定値Q1に到達した後は、押出成形装置1は待機運転fを継続する。
待機運転では、状況e及びシフトfに示すように、制御装置17がフィーダ吐出量Q1を吐出制御する。この際、スクリュー負荷A(t)(Q1/Ns(t))が定数A2となるように、スクリュー回転速度Ns(t)を同時に調整する(Ns(t)=Q1/A2;一定値)。なお、このスクリュー負荷A2は、値が大きくなるほど、樹脂の発熱を抑制することができるが、機械的強度により制約される。また、状況dとeでスクリュー負荷を変更する必要はないので、普通はA1=A2である。
制御装置17は、ギアポンプ12の入口圧力が設定値V1になるように、ギアポンプ回転速度GPを制御する。また、スクリュー負荷の最大許容値AMAXやフィーダの最大吐出量QMAXは、押出成形装置の仕様によって制限される。
【0024】
待機運転fの設定をまとめると以下のようになる。
[待機運転]
フィーダ吐出量Q(t):最大吐出量QMAXの5%〜30%の範囲で固定値Q1に設定。
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が一定値A2になるように運転を行う。
ギアポンプ回転速度GP(t):ギアポンプ12の入口圧力が設定値V1になるようにGP(t)を制御する;(ギアポンプ入口圧力)>V1のときは、GP(t)を増加させ、(ギアポンプ入口圧力)<V1のときは、GP(t)を減少させる。GP(t)の増減については公知の制御方法を用いればよく、例えばPID制御が好適である。
【0025】
待機運転から生産運転への切り替えは、本押出成形装置を含む成形システムの制御回路からの制御信号により、若しくは、作業員の判断により行う。この切り替えが行われると、生産運転に切り替わるように制御装置17はシフトgに移行するよう制御し、フィーダ吐出量Q(t)を徐々に大きくするが、その前処理としてシフトn,pに示すように、フィーダ吐出量Q(t)が設定値Q4の±ΔQ’の許容誤差範囲に達したときに、遮断バルブ13を開く。フィーダ吐出量Q4の値は、ベントアップしない吐出量である。ベントアップとは、ベント口から溶融樹脂が流出する状態をいう。このように、遮断バルブ13を開放するタイミングが上記第1の実施形態よりも遅いので、成形機本体1内の溶融樹脂に水分が含まれるが、生産運転に切り替わるまでにはこの分の溶融樹脂は排出される。
【0026】
そして、図5のシフトgに示すように、ギアポンプ12の入口圧力が一定になるようにした状態で、スクリュー負荷A(t)を設定値A3とし、フィーダ吐出量Q及びスクリュー回転数Ns(t)を徐々に大きくする。すなわち、フィーダ吐出量Qが設定値Q2に達するよう制御装置17が、自動的にフィーダ吐出量Q(t)、スクリュー回転速度Ns(t)を増加させる。そして、フィーダ吐出量Q(t)が生産運転における設定値Q2の±ΔQの許容誤差範囲内に達したときに、制御装置17は、押出成形装置1を生産運転に切り替える(シフトh)。
なお、フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量(容積フィード)して吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲ΔQ内に達した後は、合成樹脂の重量を計量(重量フィード)して吐出制御する。重量フィードは、吐出する合成樹脂の重量を計測しながらフィーダの吐出量(フィーダのスクリュー回転速度)を制御する方式であり、計量精度が高い反面、待機運転状態から生産運転状態までの移行区間では段階的に吐出量を上げ、その都度吐出量の安定化を図るため、生産運転状態での設定吐出量に到達するまでに時間を要する。一方、容積フィードは、フィーダのスクリュー回転数により合成樹脂の吐出量を制御する方式で、設定吐出量までのレスポンスが早い反面、合成樹脂の嵩密度等のばらつきに影響され、計量精度が劣る短所がある。
両者とも、スクリュー回転数、ギアポンプの回転数をギアポンプの前圧を一定にするように制御する都合上、急激な吐出速度の上昇、下降は無理であるが、停止、待機、待機から生産までの移行期間は、レスポンスの良い容積フィード、生産運転状態では計量精度が高い重量フィードにすることにより、吐出速度の上昇、下降に掛かる時間を短縮し、高い計量精度を得ることができる。
【0027】
図3のA〜Cに本実施形態の待機運転から生産運転へ移行する際のフィーダ吐出速度Q、成形機本体2のスクリュー回転速度Ns、ギアポンプ回転速度GPと時間tの関係を示す。
図5に示すように、生産運転の状態では、制御装置17は、シフトiに示すように、ギアポンプ回転速度GPを設定値に固定して図示しない圧縮成形機への溶融樹脂の供給量を固定し、ギアポンプ12の入口側圧力が設定値V3になるようにスクリュー回転速度Ns(t)とフィーダ吐出量Q(t)を調整するよう制御し、この生産運転の条件を維持させて運転する。従来では、フィーダ吐出量Q(t)の調整を、ギアポンプ12の入口側圧力を作業員が確認しながら調整したが、本実施形態では制御装置がスクリュー負荷A(t)が一定値A4に保たれるようNs(t)と併せ、調整を自動的に行う。
なお、シフトgとiでスクリュー負荷を変更する必要はないので、普通はA3=A4である。
【0028】
生産運転時における設定をまとめると、以下のようになる。
[生産運転]
ギアポンプ回転速度GP(t):GP(t)を設定値に固定する。
フィーダ吐出量Q(t):ギアポンプ12の入口圧力が設定値V3になるよう、フィーダ吐出量Q(t)を調整する;(ギアポンプ12の入口圧力)>V3のときは、Q(t)を減少させ、(ギアポンプ12の入口圧力)>V3のときは、Q(t)を増加させる。Q(t)の増減については公知の制御方法を用いればよく、例えばPID制御が好適である。
スクリュー負荷A(t):Q(t)/Ns(t)が一定値A4になるよう運転を行う。(スクリュー回転数はNs(t)=Q(t)/A4を満たすよう調整)
このとき、ギアポンプから押し出される樹脂量はほぼQ2になる。
なお、ギアポンプ12の入口圧力Vの設定値V1、V2、V3については、V1からV2へと段階的に最終目標値のV3に近づくように段階的に適宜異なる数値を設定するが、例えば、当初の設定値V1から最終目標値のV3の値(例えば1.5MPa)になるように、設定値(V1=V2=V3)を変更してもよい。また、スクリュー負荷Aの設定値A1、A2、A3、A4についても、同様に適宜設定するが、同様に設定値(A1=A2=A3=A4)を変更することができる。
【0029】
図4に示すように、従来のマニュアル運転では、ラインYに示すように生産運転に入るまでに時間t1を費やしていたので、その間に生成した溶融樹脂(時間t1間におけるラインYの面積に等しい)が使用されていなかったが、本実施形態ではラインX(実線)に示すように、待機状態から生産運転までの時間を短縮することができ、使用されない溶融樹脂(時間t2間におけるラインXの面積に等しい)の量を節約できる。
【0030】
このような押出成形装置1の生産運転中では、下流側の図示しない圧縮成形機や後工程においてプリフォームの詰まりなどのトラブルが生じたような場合に、押出成形装置1を直ぐに停止させたくないときがある。生産運転から待機運転に切り替えるには、生産運転状態(シフトf)から待機運転状態(シフトj)に押出成形装置1の運転を切り替える。この際、シフトr及びシフトsに示すように、フィーダ吐出量Q(t)が上述の設定値Q1の値に対して±ΔQ’の範囲を超えたときに遮蔽バルブ13を閉じて、押出成形装置1の運転状態を待機運転に移行する。そして、再度、押出成形装置1を生産運転状態にするには、待機運転状態から、シフトn,p,g,h,iの工程を経て生産運転に切り替えることができる。
押出成形装置1を停止する必要がある場合は、シフトtに示すように、ベント11を閉じてから押出成形装置1を停止する。
本実施形態でも、上記第1の実施形態と同様に、待機運転から生産運転までの時間を短縮することができ、使用されない溶融樹脂の量を、マニュアル運転と比べて大幅に節約できる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、押出成形装置1の成形機本体2について、2軸式スクリューを例にあげて説明したが、本発明3軸式スクリュー以上の多軸スクリューにも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の各実施形態における押出成形装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における押出成形装置を用いた押出成形方法のフロー図である。
【図3】本発明の各実施形態における待機運転から生産運転に移行するまでの成形機本体の作動状態を示し、Aはフィーダ吐出量と時間との関係を示す線図、Bはスクリュー回転速度と時間との関係を示す線図、Cはギアポンプと時間との関係を示す線図である。
【図4】本実施形態と従来例によるフィーダ吐出速度と時間を示す線図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における押出成形装置を用いた押出成形方法のフロー図である。
【符号の説明】
【0033】
1 押出成形装置
2 成形機本体
3 ホッパー
4 フィーダ
5 シリンダ
7 スクリュー
12 ギアポンプ
13 遮蔽バルブ
14 ダイス
15 圧力計
17 制御装置
19 真空装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂をフィーダから多軸式の押出成形装置の成形機本体に供給するステップと、
成形機本体のシリンダ内にて合成樹脂を加熱、混練して溶融樹脂を生成するステップと、
溶融樹脂を前記シリンダの排出口からギアポンプに供給するステップと、
前記ギアポンプの入口圧力を測定するステップとを含んだ押出成形方法において、
前記押出成形装置を起動してパージ運転をした後に、スクリュー負荷(フィーダ吐出量/スクリュー回転速度)を設定値A1にした状態で前記フィーダ吐出量を設定値Q1になるように前記押出成形装置を稼働するようにしたパージ運転状態から待機運転状態へ移行する移行区間と、
前記スクリュー負荷を設定値A2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1に維持した状態で、前記ギアポンプの入口圧力を設定値V1となるように前記ギアポンプ回転速度を制御するように前記押出成形装置を稼働するようにした待機運転状態とを含み、
該待機運転状態から生産運転に移行する際に、前記スクリュー負荷を設定値A3にした状態で前記ギアポンプの入口圧力を設定値V2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1から設定値Q2になるようにして前記押出成形装置を生産運転に切り替えるようにした押出成形方法。
【請求項2】
前記生産運転の条件は、
前記フィーダ吐出量が設定値Q2の許容誤差範囲内に達したときに、前記ギアポンプ回転速度を固定値(=生産運転時の吐出量)とし、前記ギアポンプの入口圧力を前記設定値V3になるように、スクリュー回転速度とフィーダ吐出量を調整するようにした請求項1に記載の押出成形方法。
【請求項3】
前記待機運転状態から前記生産運転状態へ移行する間に、
前記フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量し吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲内に達した後は合成樹脂の重量を計量し吐出制御するようにした請求項1又は2に記載の押出成形方法。
【請求項4】
前記生産運転状態から前記待機運転状態へ移行する間に、
前記フィーダ吐出量は、合成樹脂の容積を計量し吐出制御するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の押出成形方法。
【請求項5】
前記押出成形装置の前記生産運転から前記待機運転に切り替えて、再度前記生産運転に切り替えるようにしたステップを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出成形方法。
【請求項6】
前記パージ運転から前記待機運転に移行する間に前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の押出成形方法。
【請求項7】
前記待機運転から前記生産運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の押出成形方法。
【請求項8】
前記生産運転から前記待機運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを閉じるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の押出成形方法。
【請求項9】
フィーダから供給された合成樹脂を加熱、混練して溶融樹脂を生成する成形機本体と、
該成形機本体から供給された溶融樹脂の供給量を調節するギアポンプと、
該ギアポンプの入口に配設した圧力計とを備えた多軸押出成形装置において、
前記フィーダ吐出量、前記スクリュー回転速度、前記ギアポンプ回転速度及び前記圧力計の圧力の値に基づいてこれらを制御するようにした制御装置を設け、
生産運転に入る前の待機運転にて、スクリュー負荷(フィーダ吐出量/スクリュー回転速度)を設定値A2とし、前記フィーダ吐出量を設定値Q1の範囲内に維持した状態で、前記ギアポンプの入口圧力を設定値V1となるように前記ギアポンプ回転速度を、前記制御装置が制御するようにし、
前記待機運転状態から生産運転に移行する際に、前記スクリュー負荷を設定値A3にした状態で前記ギアポンプの入口圧力を設定値V2とし、前記フィーダ吐出量を前記設定値Q1から設定値Q2になるように前記制御装置が制御するようにした押出成形装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記フィーダ吐出量が設定値Q2の許容誤差範囲内に達したときに、前記ギアポンプ回転速度を固定値(=生産運転時の吐出量)とし、前記ギアポンプの入口圧力を前記設定値V3になるように、スクリュー回転速度とフィーダ吐出量を調整するようにした請求項9に記載の押出成形装置。
【請求項11】
前記待機運転状態の前記フィーダ吐出量の設定値Q1が前記成形機本体の最大吐出能力の5〜30%の範囲とした請求項9又は10に記載の押出成形装置。
【請求項12】
前記フィーダ吐出量は、設定値Q2の許容誤差範囲内に達するまでは合成樹脂の容積を計量し吐出制御し、設定値Q2の許容誤差範囲内に達した後は合成樹脂の重量を計量し吐出制御するようにした請求項9〜11のいずれか1項に記載の押出成形装置。
【請求項13】
前記生産運転状態から前記待機運転状態へ移行する間に、
前記フィーダ吐出量は、合成樹脂の容積を計量し吐出制御するようにした請求項9〜12のいずれか1項に記載の押出成形装置。
【請求項14】
前記待機運転から前記生産運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを開放するようにした請求項9〜13のいずれか1項に記載の押出成形装置。
【請求項15】
前記生産運転から前記待機運転に移行する間に、予め設定した吐出量を超えた後に、前記成形機本体に配設したベントを閉じるようにした請求項9〜14のいずれか1項に記載の押出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−23847(P2008−23847A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198999(P2006−198999)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】