説明

抽選装置

【課題】ペイアウト率が目標値から外れることを抑制しつつ、ジャックポット抽選を実行する期間とジャックポット抽選を実行しない期間とを設定可能な抽選装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るゲームシステム100は、複数のゲーム装置10と、各ゲーム装置10と通信可能な管理装置20とを含む。管理装置20の制御部27は、JP抽選が実行される第1期間T1とJP抽選が実行されない第2期間T2とを管理する。制御部27は、第1期間T1において取得部22がIN枚数を取得したとき、当該取得したIN枚数に対して、第2期間T2において取得部22が取得したIN枚数を累積した貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。当該取得したIN枚数に対して貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率は、通常当選確率に比べて、JP賞に当選する確率が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定賞に当選するか否かの抽選を実行する抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プログレッシブジャックポット・ゲームシステムが広く知られている。このゲームシステムでは、複数のゲーム端末の各々における遊技媒体(例えばメダル)の消費量の一部を累積的に積み上げていき、所定の条件が成立したときに(例えば抽選で所定の賞に当選したときなど)、条件が成立したゲーム端末に対して、プールされている遊技媒体(説明の便宜上、「ジャックポット」と呼ぶ)が付与される。
【0003】
例えば特許文献1には、複数のゲーム端末をそれぞれが有する複数の店舗で一つのジャックポットを共有するワイドエリア型プログレッシブジャックポット・ゲームシステムが開示されている。特許文献1に開示されたゲームシステムでは、複数の店舗の各々とネットワークを介して接続される管理サーバが行うジャックポット抽選によって、ジャックポットが付与される1つの店舗が決定される。そして、当該1つの店舗で行われる抽選によって、当該1つの店舗内の複数のゲーム端末のうち、ジャックポットが付与される1つのゲーム端末が決定される。特許文献1に開示されたゲームシステムでは、ジャックポットの量(プールされる遊技媒体の量)が莫大なものとなるため、そのジャックポットの獲得を期待してプレイヤーのゲームに対する意欲が高まり、結果として、各店舗の集客力が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−89864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されたゲームシステムでは、管理サーバは、各店舗サーバから店舗内累積メダル枚数データ(店舗内のゲーム機でプレイヤーが消費したメダルの一部)を受信するたびに、受信した店舗内累積メダル枚数に応じた当選確率(所定確率×受信した店舗内累積メダル枚数)に基づいてジャックポット抽選を実行している。これに対して、店舗側からは、場内を盛り上げて集客力をさらに向上させるために、常時ジャックポット抽選を実行するのではなく、客数が多い時間帯においてはジャックポット抽選を実行する一方、客数が少ない時間帯においてはジャックポット抽選を実行しないようにしたいという要望がある。
しかしながら、例えば特許文献1において、管理サーバが店舗内累積メダル枚数データを受信してもジャックポット抽選を実行しない非抽選期間を設けると、その非抽選期間においては、管理サーバが受信した店舗内累積メダル枚数データはプールされないため、所望のペイアウト率(プレイヤーがゲームに賭けた遊技媒体数のうち、どれだけの数の遊技媒体がプレイヤーに払い出されるかを示す指標)が得られないという問題が起こる。また、この態様では、管理サーバが店舗内累積メダル枚数データを受信するたびにジャックポット抽選を実行する態様(非抽選期間が設けられない態様)に比べて、非抽選期間を設けた分だけ、ジャックポット抽選の回数が少なくなり、結果として、ジャックポットに当選する確率の全体値(ジャックポット抽選の当選確率の総和)が小さくなる。これにより、ジャックポットに当選し難くなるから、ペイアウト率のずれが一層顕著になる。すなわち、従来の技術では、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制しつつ、ジャックポット抽選を実行する期間とジャックポット抽選を実行しない期間とを設定することは困難であった。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制しつつ、ジャックポット抽選を実行する期間とジャックポット抽選を実行しない期間とを設定可能な抽選装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0008】
本発明に係る抽選装置(20、130)は、複数のゲーム装置(10)または複数のゲーム装置(110)をそれぞれ有する複数のブロック(遊技施設)を複数の抽選対象として、特定賞(JP賞)に当選するか否かの抽選を実行する抽選装置であって、複数の抽選対象のそれぞれで消費される遊技媒体の量の一部である消費量を取得する取得部(22、132)と、記憶部(23、133)と、取得部が取得した消費量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行する抽選部(24、134)と、抽選部による抽選が実行される第1期間と抽選部による抽選が実行されない第2期間とを管理する期間管理部(27、137)と、第1期間および第2期間において取得部が取得した消費量を累積した量に基づいた配当量を記憶部に記憶して管理する配当量管理部(27、137)と、第2期間において取得部が取得した消費量を累積して貯留量として記憶部に記憶して管理する貯留量管理部(27、137)と、抽選部による抽選の結果が特定賞の当選を示す場合、複数の抽選対象の中から、配当量が付与される1つの抽選対象を決定する決定部(25、135)と、を備え、抽選部(24、134)は、第1期間において取得部が消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行し、当該取得した消費量に対して貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率は、当該取得した消費量に応じた当選確率である通常当選確率に比べて、特定賞に当選する確率が高いことを特徴とする。
配当量管理部は、取得部が取得した消費量を累積した量をそのまま配当量として管理することもできるし、取得部が取得した消費量を累計した量に所定量の初期値を加算した値を配当量として管理することもできる。また、配当量管理部は、取得部が取得した消費量を累積した量やその累積した量に所定量の初期値を加算した値に対して所定の割合を乗じた値を配当量として管理することもできる。例えば取得部が取得した消費量を累積した量を、そのまま配当量としてもよいし、取得部が取得した消費量を累積した量の一部を配当量としてもよい。
【0009】
本発明においては、抽選部による抽選が実行される第1期間と抽選部による抽選が実行されない第2期間とが設定される。抽選部は、第1期間において取得部が消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、第2期間において取得部が取得した消費量を累積した貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行する。当該取得した消費量に対して貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率は、通常当選確率(当該取得した消費量に応じた当選確率)に比べて特定賞に当選する確率が高いから、第1期間において抽選部が実行する各抽選の当選確率の総和、つまり特定賞に当選する確率の全体値を、第2期間が設けられない態様(取得部が消費量を取得するたびに、抽選部は通常当選確率に基づいて抽選を実行する態様、「従来例」と呼ぶ)における値に近付けることができる。また、本発明では、抽選部による抽選が実行されない第2期間においても、取得部が取得した消費量がプールされて配当量が更新されるから、従来例に比べて配当量が少なくなることもない。すなわち、本発明によれば、抽選部による抽選が実行されない期間を設けても、特定賞に当選する確率の全体値および配当量が従来例に比べて小さくなることを抑制できるから、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制できる。したがって、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制しつつ、ジャックポット抽選を実行する期間とジャックポット抽選を実行しない期間とを設定することができる。
【0010】
なお、本発明は、1つの遊技施設内(ブロック内)に設置された複数のゲーム装置を対象としたリンク型プログレッシブジャックポット・ゲームシステムに適用し得る。この態様では、遊技施設内の管理装置が本発明における「抽選装置」に相当し、各ゲーム装置が本発明における「抽選対象」に相当する。さらに、本発明は、複数の遊技施設(ブロック)同士をネットワークで接続し、それぞれの遊技施設を対象としたワイドエリア型プログレッシブジャックポット・ゲームシステムにも適用し得る。この態様では、各遊技施設と通信可能な中央管理装置が本発明における「抽選装置」に相当し、各遊技施設(ブロック)が本発明における「抽選対象」に相当する。なお、「抽選対象」が各遊技施設(ブロック)であるとは、各遊技施設に設置された管理装置が本発明における「抽選対象」であることを意味する。
【0011】
本発明に係る抽選装置の第1の態様として、抽選部(24、134)は、第1期間において取得部が消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、貯留量を用いた所定の処理で求められた分配量または予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行し、貯留量管理部(27、137)は、貯留量から分配量を減じた量を新たな貯留量として記憶部に記憶して管理する。この第1の態様によれば、第2期間において累積した貯留量を小出しにして、第1期間中の各抽選に割り振るように抽選を実行する。つまり、第1期間中の各抽選の通常当選確率に対して分配量に応じた当選確率を加えることで、第1期間中の各抽選の当選確率が通常当選確率よりも高くなる。
【0012】
本発明に係る抽選装置の第2の態様として、抽選部(24、134)は、第1期間が開始された後の特定期間において取得部が消費量を取得したときは、当該取得した消費量に対して貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行する一方、第1期間が開始されてから特定期間が開始されるまでの期間において取得部が消費量を取得したときは、通常当選確率に基づいて抽選を実行する。この第2の態様では、貯留量を特定期間中の各抽選だけに割り振ることで、特定期間中の各抽選の当選確率を、第1期間中の各抽選の当選確率に比べて、意図的に高くすることができる。すなわち、第2の態様によれば、通常当選確率と比べて高い確率で特定賞に当選可能な高確率当選タイムを作り出すことができる。この場合、所定の時間帯が高確率当選タイムになることを、事前にゲーム画面や遊技施設内の情報掲示板などに表示してプレイヤーに知らせたり、イベントを開催するなどして店内を盛り上げることができる。
【0013】
本発明に係る抽選装置の第3の態様として、貯留量管理部(27、137)は、貯留量を、複数の抽選対象のそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量に区分して記憶部に記憶して管理し、抽選部(24、134)は、第1期間において取得部が複数の抽選対象のうちの何れかに対応する消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する個別貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行する。第3の態様において、抽選部(24、134)は、第1期間において取得部が複数の抽選対象のうちの何れかに対応する消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する個別貯留量を用いた所定の処理で求められた分配量または予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行し、貯留量管理部は、当該抽選対象に対応する個別貯留量から分配量を減じた量を新たな個別貯留量として記憶部に記憶して管理することができる(第4の態様)。第4の態様によれば、第2期間において累積した個別貯留量を小出しにして、第1期間中の各抽選に割り振るように抽選を実行する。つまり、第1期間中の各抽選対象に対応する抽選の通常当選確率に対して、当該抽選対象に対応する個別貯留量の一部である分配量に応じた当選確率を加えることで、第1期間中の各抽選対象に対応する抽選の当選確率が通常当選確率よりも高くなる。
【0014】
また、上述の第3の態様において、抽選部(24、134)は、第1期間が開始された後の特定期間において取得部が複数の抽選対象のうちの何れかに対応する消費量を取得したときは、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する個別貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて抽選を実行する一方、第1期間が開始されてから特定期間が開始されるまでの期間において取得部が消費量を取得したときは、通常当選確率に基づいて抽選を実行することもできる(第5の態様)。第5の態様によれば、各抽選対象に対応する個別貯留量を、特定期間中の各抽選対象に対応する抽選だけに割り振ることで、特定期間中の各抽選対象に対応する抽選の当選確率を、第1期間中の各抽選対象に対応する抽選の当選確率に比べて、意図的に高くすることができる。すなわち、この態様によれば、通常当選確率と比べて高い確率で特定賞に当選可能な高確率当選タイムを作り出すことができる。
【0015】
また、以上の態様において、期間管理部(27、137)は、設定された開始時刻に到達した場合に第1期間を開始させ、設定された終了時刻に到達した場合に第1期間を終了させる。さらに、期間管理部(27、137)は、複数の抽選対象のそれぞれで遊技を行っている遊技者の合計が所定数を越えた場合に第1期間を開始させ、遊技者の合計が所定数以下となった場合に第1期間を終了させることもできる。なお、開始時刻および終了時刻は、運営者(店員)が、それらの設定情報を管理装置に入力することで、任意の時刻に設定することができる。また、管理装置が、外部装置からの設定情報をネットワークを介して受信し、その受信した設定情報に応じて開始時刻および終了時刻を設定することもできる。
【0016】
なお、本明細書で用いる用語はそれぞれ次の意味をあらわす。
「遊技媒体」とは、プレイヤーがゲームに参加するために必要な媒体であり、その種類は任意である。典型的には遊技用のメダルが該当し得るが、例えばICカードやプリペイドカードなどの記録媒体に電気的若しくは磁気的に記録されたメダルの数を示す情報なども遊技媒体に該当し得る。
「クレジット」とは、ゲーム装置の記憶部に電気的若しくは磁気的に記録された遊技媒体の情報をいい、その数を「クレジット数」と呼ぶ。
遊技媒体の「消費」とは、ゲーム装置へ投入した遊技媒体がプレイヤーにとって取り戻し不能となり、当該ゲーム装置で展開されるゲームへの参加が確定した時点において発生する事象である。クレジット機能を有するゲーム装置においては、ゲーム装置へ投入した遊技媒体はクレジット数として記憶される。この態様において、遊技媒体をゲーム装置へ投入することは「消費」には該当しない。この場合は、クレジット数をゲームに使用することが「消費」に該当する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態におけるゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるゲーム装置を説明するための図である。
【図3】ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図4】管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】JP抽選の具体的な内容を説明するための図である。
【図6】2つの第1期間が設定される態様を説明するための図である。
【図7】本発明の変形例におけるゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の変形例における中央管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の変形例におけるJP抽選の具体的な内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<A:構成>
図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステム100の概略構成を示すブロック図である。このゲームシステム100は、同じブロック(遊技施設)BL内に設置された複数のゲーム装置で1つのジャックポットを共有するリンク型プログレッシブジャックポット・ゲームシステムである。図1に示すように、あるブロックBL内のゲームシステム100は、複数のゲーム装置10と、各ゲーム装置10と通信可能な管理装置20とを含む。本実施形態では、複数のゲーム装置10の各々は、LAN(Local Area Network)を介して管理装置20と通信可能に接続されている。
【0019】
ゲーム装置10は、プレイヤーによる直接的な操作を受けながら、当該プレイヤーにゲームを行わせるための機器である。「ゲーム」の種類は任意であり、例えばスロットゲーム、パズルゲーム、プッシャーゲーム、競馬ゲーム、麻雀ゲーム等が含まれる。つまり、本実施形態に係るゲーム装置10は、スロットゲームをプレイヤーに行わせるためのスロットマシンであってもよく、その種類は任意である。本実施形態において、ゲーム装置10で展開されるゲームにプレイヤーが参加するためには、当該ゲーム装置10の所定のスロット(不図示)にメダル(不図示)を投入することが要求される。例えばプッシャーゲームであれば、メダルの投入が、プレイヤーとしての参加資格の獲得を意味すると同時に、ゲームそれ自体に興じることに繋がる。また、ゲームの結果において一定の成績を収めたプレイヤーには、当該プレイヤーが投入したメダルの数よりも多いメダルが支払われる態様とすることもできる。
なお、図2に示すように、競馬ゲーム装置などのマルチプレイヤー対応型の複合ゲーム装置1000は、ステーションまたはサテライトと称される複数のプレイヤーがプレイ可能な複数の個別ゲーム装置1100と、各個別ゲーム装置1100を制御するためのゲーム制御装置1200とを含んで構成される。ここでは、1つの個別ゲーム装置1100とゲーム制御装置1200との組Pが、一つのゲーム装置10に相当する。つまり、本発明におけるゲーム装置10は、プレイヤーごとに設けられるものである。
【0020】
図3は、ゲーム装置10の概略構成を示すブロック図である。図3では、ひとつのゲーム装置10のみが代表的に図示されているが、各ゲーム装置10の構成は、ゲームの種類に関わらず、図3と同様である。図3に示すように、ゲーム装置10は、管理装置20と通信を行うための第1通信部12と、消費枚数検出部14と、付与部16と、ゲーム装置10全体の動作を統括するとともに各種の制御処理を実行する制御部18とを含んで構成される。
【0021】
消費枚数検出部14は、所定の期間毎(例えば10分毎)に、その期間内にゲーム装置10で消費されたメダルの枚数(メダル消費枚数)を検出し、その検出したメダル消費枚数を制御部18へ通知する。制御部18は、当該メダル消費枚数を管理装置20へ送信するように第1通信部12を制御する。なお、本実施形態では、消費枚数検出部14は、10分毎にメダル消費枚数を検出しているが、これに限らず、上記所定の期間の値は任意に設定可能である。一方、制御部18は、消費枚数検出部14で検出されたメダル消費枚数がゼロの場合(例えばゲーム装置10にプレイヤーが存在しない場合など)は、管理装置20との通信を行わない。つまり、本実施形態では、プレイヤーがゲーム装置10でゲームを行っている場合は、当該ゲーム装置は、10分毎に、管理装置20に対してメダル消費枚数の通知を行う一方、ゲーム装置10にプレイヤーが存在しない場合は、当該ゲーム装置は、管理装置20に対してメダル消費枚数の通知を行わない。なお、管理装置20に対してメダル消費枚数を「0」枚として通知を行う態様も採用し得る。
付与部16は、管理装置20から指示された量のメダルを当該ゲーム装置10のプレイヤーに付与する(払い出す)。その具体的な動作については後述する。
【0022】
図4は、管理装置20の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、管理装置20は、各ゲーム装置10と通信を行うための第2通信部21と、取得部22と、メモリ23と、JP抽選部24と、決定部25と、初期化部26と、管理装置20全体の動作を統括するとともに各種の制御処理を実行する制御部27とを含んで構成される。
【0023】
取得部22は、複数のゲーム装置10のそれぞれで消費されるメダルの枚数の一部であるIN枚数を取得する。本実施形態では、制御部27は、各ゲーム装置10からメダル消費枚数を受信するたびに、その受信したメダル消費枚数に所定の割合を乗じて、当該ゲーム装置のIN枚数を算出するように取得部22を制御する。ここでは、上記所定の割合は2%に設定される。例えば、あるゲーム装置10から送信されたメダル消費枚数が50枚ならば、そのゲーム装置10に対応するIN枚数は1枚(=50×0.02)となる。なお、これは一例であり、上記所定の割合は任意の値に設定可能である。
【0024】
制御部27は、取得部22が取得したIN枚数を累積した量に基づいた配当量をメモリ23に記憶して管理する。本実施形態では、制御部27は、取得部22がIN枚数を算出(取得)するたびに、その算出したIN枚数と、それまでメモリ23に記憶されていたIN枚数の累積値とを足し合わせた値をメモリ23に書き込む。これにより、メモリ23に記憶されたIN枚数の累積値は最新の値に更新される。本実施形態では、メモリ23に記憶されているIN枚数の累積値が配当量となる。メモリ23に記憶されたIN枚数の累積値(配当量)は、管理装置20の表示部(不図示)に表示される。
【0025】
JP抽選部24は、ジャックポット賞(以下「JP賞」と呼ぶ)に当選するか否かを抽選するジャックポット抽選(以下、「JP抽選」と呼ぶ)を実行する。本実施形態では、JP抽選が実行される第1期間とJP抽選が実行されない第2期間とが設定され、制御部27は、第1期間においてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。より具体的には、上述の第1期間において取得部22が各ゲーム装置10のIN枚数を取得したタイミング(各ゲーム装置10からメダル消費枚数を受信したタイミング)がJP抽選のトリガー(契機)となり、制御部27は、取得部22が各ゲーム装置10のIN枚数を取得するたびに、JP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。JP抽選の具体的な内容については後述する。
【0026】
決定部25は、複数のゲーム装置10のうちの何れかを、JP賞が付与されるJP当選ゲーム装置として決定する。制御部27は、JP抽選部24によるJP抽選の結果がJP賞の当選を示す場合は、JP賞が付与されるJP当選ゲーム装置を決定するように決定部25を制御する。決定部25によるJP当選ゲーム装置の決定方法は任意である。例えば決定部25は、各ゲーム装置10を抽選対象として、JP当選ゲーム装置に当選するか否かの抽選を行ってJP当選ゲーム装置を決定することもできる。この場合、例えば各ゲーム装置10の過去の所定期間におけるメダル消費枚数の累積値に応じた重み付けを付与して抽選を実行するのが好適である。また、JP賞に当選したときのJP抽選のトリガーとなったIN枚数に対応するゲーム装置10をJP当選ゲーム装置として決定することもできる。
初期化部26は、メモリ23に記憶されていた配当量を初期値に戻す(初期化する)。その具体的な動作については後述する。
【0027】
<B:JP抽選>
次に、図5を参照しながら、管理装置20が実行するJP抽選の具体的な内容について説明する。説明の便宜上、本実施形態では、ゲーム装置A、ゲーム装置Bおよびゲーム装置Cの3台が同じブロック(遊技施設)BL内に設置されるものとする。管理装置20の制御部27は、JP抽選部24によるJP抽選が実行される第1期間T1と、JP抽選部24によるJP抽選が実行されない第2期間T2とを管理する。より具体的には、制御部27は、予め設定された開始時刻tsに到達した場合に第1期間T1を開始させ、予め設定された終了時刻teに到達した場合に第1期間T1を終了させる。なお、図5においては、ひとつの第1期間T1のみが図示されているが、これに限らず、第1期間T1の数は任意である。例えば図6に示すように、2つの第1期間T1が設定されてもよい。図6の態様では、開始時刻ts1から終了時刻te1までの第1期間T11と、開始時刻ts2から終了時刻te2までの第1期間T12とが設定される。
【0028】
第2期間T2において、制御部27は、取得部22が各ゲーム装置10のIN枚数を取得してもJP抽選を実行しないようにJP抽選部24を制御する一方、取得部22がIN枚数を取得するたびに、その取得したIN枚数と、それまでメモリ23に記憶されていたIN枚数の累積値とを足し合わせた値をメモリ23に書き込む。つまり、第2期間T2においては、JP抽選は実行されないものの、各ゲーム装置10のIN枚数がプールされて配当量が更新されていく。本実施形態においては、JP抽選が実行されない第2期間T2においても、表示部(不図示)に表示される配当量は更新されていくので、プレイヤーが、JP抽選が実行されていないのではないかという疑念を抱くことはない。
【0029】
また、制御部27は、第2期間T2において取得部22が取得したIN枚数を累積した貯留量を求め、その貯留量をメモリ23に記憶して管理する。より具体的には、制御部27は、貯留量を、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量に区分して管理する。図5においては、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量(第1期間T1の直前の第2期間T2におけるゲーム装置AのIN枚数の累積値)をa、ゲーム装置Bに対応する個別貯留量(当該第2期間T2におけるゲーム装置BのIN枚数の累積値)をb、ゲーム装置Cに対応する個別貯留量(当該第2期間T2におけるゲーム装置CのIN枚数の累積値)をcと表記する。
【0030】
制御部27は、第1期間T1において取得部22が複数のゲーム装置(A,B,C)のうちの何れかに対応するIN枚数を取得したとき、その取得したIN枚数に対して、当該ゲーム装置に対応する個別貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。より具体的には、制御部27は、第1期間T1において複数のゲーム装置(A,B,C)のうちの何れかに対応するIN枚数を取得部22が取得したとき、当該取得したIN枚数に対して、当該ゲーム装置に対応する個別貯留量を用いた所定の処理で求められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。本実施形態では、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれに対応する個別貯留量を、第1期間T1中の当該ゲーム装置に対応するJP抽選の最大回数に基づいた分配数Nで割ることで、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれに対応する分配量を求めている。なお、これは一例であり、例えばアルゴリズムなどを用いて分配量を求めてもよい。
【0031】
ここで、本実施形態では、第1期間T1の時間長は300分に設定されている。第1期間T1において、各ゲーム装置(A,B,C)でプレイヤーが連続的にゲームを行っていれば、各ゲーム装置(A,B,C)は、10分毎に、当該ゲーム装置のメダル消費枚数を管理装置20へ通知する。したがって、制御部27は、10分毎にJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御するから、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の最大回数は30回(=300÷10)ずつとなる。しかしながら、実際には、ゲーム装置にプレイヤーが存在しない時間帯が必ず存在する。前述したように、プレイヤーがゲーム装置に存在しない場合は、当該ゲーム装置は管理装置20に対してメダル消費枚数の通知を行わないから、管理装置20(取得部22)は当該ゲーム装置のIN枚数を取得できない。したがって、JP抽選も行われない。なお、メダル消費枚数の通知を行わない代わりにメダル消費枚数を「0枚」として通知を行う態様を採用した場合には、制御部27は、取得部22が「0枚」のIN枚数を取得した場合はJP抽選を行わないように制御する。つまり、実際には、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の実際の回数は、何れも30回を下回る。そこで、本実施形態では、プレイヤーがゲーム装置に存在しない時間(推定値)を考慮に入れて上記分配数Nを決定している。ここでは、N=20に設定されている。なお、これは一例であり、上記分配数Nは、様々な値を取り得る。例えば、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の最大回数(30回)をそのまま分配数Nとして設定することもできる。
【0032】
図5において、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量はaであるから、第1期間T1中のゲーム装置Aに対応する各JP抽選には、分配量a1(=a/20)がそれぞれ割り振られる。なお、個別貯留量aを20で割り切れない場合もあるので、ゲーム装置Aに対応する各JP抽選に割り振られる分配量a1が全て同一でないことも含み得る。図5に示すように、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Aに対応するIN枚数n1を取得したとき、当該取得したIN枚数n1に対して分配量a1を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。具体的には、当選確率は、(所定確率)×(IN枚数+分配量a1)で表される。所定確率を1/Mとすると、このときの当選確率は、(n1+a1)/Mとなり、IN枚数n1に対応する通常当選確率(=所定確率1/M×IN枚数n1)に比べて、分配量a1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量a1)が加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、個別貯留量aから分配量a1を減じた値(a−a1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。次に、制御部27は、取得部22がゲーム装置Aに対応するIN枚数n11を取得したとき、当該取得したIN枚数n11に対して分配量a1を加えた量に応じた当選確率(n11+a1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。この当選確率(n11+a1)/Mも、IN枚数n11に対応する通常当選確率n11/Mに比べて、分配量a1に応じた当選確率a1/Mが加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、それまでの個別貯留量(a−a1)から、さらに分配量a1を減じた値(a−2a1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。
【0033】
なお、第1期間T1中のゲーム装置Aに対応するJP抽選の回数が20回を超える場合は、21回目以降のJP抽選において、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量はゼロとなる。このため、21回目以降のJP抽選では、制御部27は、通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、第1期間T1中のゲーム装置Aに対応するJP抽選の回数が20回未満の場合は、第1期間T1が終了した時点で、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量はゼロとはならず、所定量が残った状態となる。本実施形態では、この残余分は、次回の第1期間T1中のJP抽選に持ち越される。具体的には、この残余分は、次の第2期間T2におけるゲーム装置Aの個別貯留量に加算され、その後の第1期間T1中のゲーム装置Aに対応する各JP抽選に割り振られる。要するに、第1期間T1中のゲーム装置Aに対応するJP抽選の回数が上記分配数Nを超える場合は、N+1回目以降のJP抽選において、制御部27は、通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、第1期間T1中のゲーム装置Aに対応するJP抽選の回数が上記分配数N未満の場合は、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量の残余分は、次回の第1期間T中のJP抽選に持ち越される。なお、残余分を持ち越す場合には、当日内だけでなく翌日以降に持ち越すことも含み得る。
【0034】
また、図5において、ゲーム装置Bに対応する個別貯留量はbであるから、第1期間T1中のゲーム装置Bに対応する各JP抽選には、分配量b1(=b/20)がそれぞれ割り振られる。なお、個別貯留量bを20で割り切れない場合もあるので、ゲーム装置Bに対応する各JP抽選に割り振られる分配量b1が全て同一でないことも含み得る。図5に示すように、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Bに対応するIN枚数n2を取得したとき、当該取得したIN枚数n2に対して分配量b1を加えた量に応じた当選確率(n2+b1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。このときの当選確率(n2+b1)/Mは、IN枚数n2に対応する通常当選確率n2/Mに比べて、分配量b1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量b1)が加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、個別貯留量bから分配量b1を減じた値(b−b1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。次に、制御部27は、取得部22がゲーム装置Bに対応するIN枚数n22を取得したとき、当該取得したIN枚数n22に対して分配量b1を加えた量に応じた当選確率(n22+b1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。この当選確率(n22+b1)/Mも、IN枚数n22に対応する通常当選確率n22/Mに比べて、分配量b1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量b1)が加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、それまでの個別貯留量(b−b1)から、さらに分配量b1を減じた値(b−2b1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。
【0035】
なお、ゲーム装置Aの場合と同様に、第1期間T1中のゲーム装置Bに対応するJP抽選の回数が20回を超える場合は、21回目以降のJP抽選において、制御部27は、通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、第1期間T1中のゲーム装置Bに対応するJP抽選の回数が20回未満の場合は、ゲーム装置Bに対応する個別貯留量の残余分は、次回の第1期間T中のJP抽選に持ち越される。
【0036】
さらに、図5において、ゲーム装置Cに対応する個別貯留量はcであるから、第1期間T1中のゲーム装置Cに対応する各JP抽選には、分配量c1(=c/20)がそれぞれ割り振られる。なお、個別貯留量cを20で割り切れない場合もあるので、ゲーム装置Cに対応する各JP抽選に割り振られる分配量c1が全て同一でないことも含み得る。図5に示すように、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Bに対応するIN枚数n3を取得したとき、当該取得したIN枚数n3に対して分配量c1を加えた量に応じた当選確率(n3+c1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。このときの当選確率(n3+c1)/Mは、IN枚数n2に対応する通常当選確率n2/Mに比べて、分配量b1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量c1)が加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、個別貯留量cから分配量c1を減じた値(c−c1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。次に、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Cに対応するIN枚数n33を取得したとき、当該取得したIN枚数n33に対して分配量c1を加えた量に応じた当選確率(n33+c1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。この当選確率(n33+c1)/Mも、IN枚数n33に対応する通常当選確率n33/Mに比べて、分配量b1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量c1)が加わった分だけJP賞に当選する確率が高い。そして、制御部27は、それまでの個別貯留量(c−c1)から、さらに分配量c1を減じた値(c−2c1)を新たな個別貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。
【0037】
なお、ゲーム装置Aの場合と同様に、第1期間T1中のゲーム装置Cに対応するJP抽選の回数が20回を超える場合は、21回目以降のJP抽選において、制御部27は、通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、第1期間T1中のゲーム装置Cに対応するJP抽選の回数が20回未満の場合は、ゲーム装置Cに対応する個別貯留量の残余分は、次回の第1期間T中のJP抽選に持ち越される。
【0038】
制御部27は、第1期間T1において実行されるJP抽選の結果がJP賞の当選を示す場合は、各ゲーム装置(A,B,C)について、プレイヤーの有無を判定する。ゲーム装置にプレイヤーが存在しているか否かを判定する方法は任意である。プレイヤーを特定するプレイヤー識別番号を記憶させている会員カードを挿入させてプレイヤーに応じたゲームを提供するゲーム装置であれば、会員カードが挿入されているか否かを、プレイヤーの有無を判断する条件として採用し得る。また、クレジット機能を有するゲーム装置であれば、クレジット数の有無を、プレイヤーの有無を判断する条件として採用し得る。また、ゲームの消費によりゲームが進行しているか否かを、プレイヤーの有無を判断する条件として採用し得る。これらの条件を互いに組み合わせてもよい。そして、制御部27は、プレイヤーが存在していると判定したゲーム装置を対象としてJP当選ゲーム装置を決定するように決定部25を制御する。
【0039】
次に、制御部27は、決定部25によってJP当選ゲーム装置として決定されたゲーム装置に対して、当該ゲーム装置がJP当選ゲーム装置として決定されたことを示すJP決定情報と、メモリ23に記憶されている配当量とを通知するように第2通信部21を制御する。この配当量は、JP当選ゲーム装置に対して付与されるメダルの量(「JP配当量」と呼ぶ)に相当する。そして、制御部27は、メモリ23に記憶されている配当量の値を初期値に戻すように初期化部26を制御する。本実施形態では、初期値の値は1000枚に設定されるが、これに限らず、初期値の値は任意である。例えば初期値がゼロに設定される態様であってもよい。
【0040】
各ゲーム装置(A,B,C)の制御部18は、管理装置20からJP決定情報およびJP配当量の通知を受けると、通知されたJP配当量分のメダルをプレイヤーに払いだすように付与部16を制御する。これにより、JP当選ゲーム装置のプレイヤーはJP配当量分のメダルを獲得する。
【0041】
<C:作用・効果>
以上に説明したように、本実施形態においては、JP抽選が実行される第1期間T1とJP抽選が実行されない第2期間T2とが設定される。そして、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の通常当選確率に対して、当該ゲーム装置に対応する個別貯留量の一部である分配量に応じた当選確率を加えることで、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の当選確率を通常当選確率よりも高くすることができる。これにより、第1期間T1中の各JP抽選の当選確率の総和(図5においては、(n1+a1)/M+(n11+a1)/M+・・・+(n2+b1)/M+(n22+b1)/M+・・・+(n3+c1)/M+(n33+c1)/M+・・・)を、従来例における各JP抽選の当選確率の総和(JP賞に当選する確率の全体値)に近付けることができる。また、本実施形態においては、第2期間T2においても取得部22が取得したIN枚数がプールされて配当量が更新されるから、従来例に比べて配当量が少なくなることもない。すなわち、本実施形態によれば、JP抽選が実行されない第2期間T2を設けても、JP賞に当選する確率の全体値や配当量が従来例に比べて小さくなることを抑制できるから、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制できる。したがって、ペイアウト率が目標値から外れることを抑制しつつ、JP抽選を実行する期間とJP抽選を実行しない期間とを設定できるという利点がある。
【0042】
<D:変形例>
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
【0043】
(1)変形例1
上述の実施形態では、リンク型プログレッシブジャックポット・ゲームシステム100に対して本発明が適用されている。管理装置20は本発明における「抽選装置」に相当し、各ゲーム装置10は本発明における「抽選対象」に相当する。ただし、これに限らず、例えば図7に示すようなワイドエリア型プログレッシブジャックポット・ゲームシステム200に対して本発明を適用することもできる。この態様では、中央管理装置130が本発明における「抽選装置」に相当し、各ブロック(遊技施設)BLが本発明における「抽選対象」に相当する。
【0044】
図7に示すように、ゲームシステム200は、複数のブロック(遊技施設)BLと、各ブロックBLと通信可能な中央管理装置130とを備える。複数のブロックBLの各々は、複数のゲーム装置110、管理装置120およびルータ40を含んでLAN(Local Area Network)が構成される。LAN上の各装置はルータ40を経由してWAN(Wide Area Network)と接続されている。WANとして、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を可能とするものが使用される。典型的には、インターネットが使用される。一方、中央管理装置130はルータの機能を有するゲートウェイ50を経由してWANと接続される。ルータ40およびゲートウェイ50には、WAN上でそれぞれを識別するためのIPアドレス(グローバルアドレス)が付与されている。また、中央管理装置130、複数のゲーム装置110および管理装置120の各装置は、ルータ40によってLAN上でそれぞれを識別するためのIPアドレス(プライベートアドレス)が付与される。さらに、本実施形態では、ゲートウェイ50とルータ40との間は、VPN(Virtual Private Network)が構築される。これにより、ネットワーク(WAN,LAN)上の各装置同士は、ルータ40やゲートウェイ50を経由して相互に通信が可能となる。
【0045】
各ゲーム装置110の構成は、上述の実施形態と同様である。また、各管理装置120は、所定の期間ごとに(例えば10分毎に)、当該期間内において自ブロックBL内の各ゲーム装置110で消費されたメダル枚数の合計の一部であるブロックIN枚数を取得し、その取得したブロックIN枚数を中央管理装置130に通知する。さらに、各管理装置120は、JP抽選を実行しない点でも上述の実施形態と異なる。
【0046】
図8は、中央管理装置130の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、中央管理装置130は、各ブロックBLの管理装置30と通信を行うための第3通信部131と、取得部132と、メモリ133と、JP抽選部134と、当選ブロック決定部135と、初期化部136と、中央管理装置130全体の動作を統括するとともに各種の制御処理を実行する制御部137とを含んで構成される。
【0047】
取得部132は、複数のブロックBLのそれぞれのブロックIN枚数を取得する。制御部137は、各ブロックBLの管理装置120からブロックIN枚数を受信するたびに、その受信したブロックIN枚数と、それまでメモリ133に記憶されていたブロックIN枚数の累積値とを足し合わせた値をメモリ133に書き込むように制御する。これにより、メモリ133に記憶されたブロックIN枚数の累積値は最新の値に更新される。この態様では、メモリ133に記憶されているブロックIN枚数の累積値が配当量となる。
【0048】
なお、この態様では、各管理装置120は、所定の期間毎に、当該期間における自ブロックBL内のブロックIN枚数を取得し、その取得したブロックIN枚数を中央管理装置130に通知している。これに限らず、例えば各管理装置120は、所定の期間毎に、当該期間内において自ブロックBL内の各ゲーム装置110で消費されたメダル枚数の合計(合計消費メダル枚数)を取得し、その取得した合計消費メダル枚数を中央管理装置130に通知してもよい。この場合、中央管理装置130は、各ブロックBLから合計消費メダル枚数を受信するたびに、その受信した合計消費メダル枚数に所定の割合を乗じて当該ブロックBLのブロックIN枚数を算出する。要するに、取得部132は、複数のブロックBLのそれぞれのブロックIN枚数を取得するものであればよい。
【0049】
JP抽選部134は、JP抽選を実行する。この態様では、第1期間T1において取得部132が各ブロックBLのブロックIN枚数を取得したタイミング(各ブロックBLからブロックIN枚数を受信したタイミング)がJP抽選のトリガー(契機)となり、制御部137は、取得部132が各ブロックBLのブロックIN枚数を取得するたびに、JP抽選を実行するようにJP抽選部134を制御する。
【0050】
当選ブロック決定部135は、複数のブロックBLのうちの何れかを、JP賞が付与されるJP当選ブロックとして決定する。制御部137は、JP抽選部134によるJP抽選の結果がJP賞の当選を示す場合は、JP賞が付与されるJP当選ブロックを決定するように当選ブロック決定部135を制御する。当選ブロック決定部135によるJP当選ブロックの決定方法は任意である。例えば、あるブロックBLから通知されたブロックIN枚数がトリガーとなって実行されたJP抽選の結果、JP賞に当選した場合は、当選ブロック決定部135は、当該ブロックBLをJP当選ブロックとして決定することができる。当選ブロック決定部135によってJP当選ブロックが決定されると、制御部137は、そのJP当選ブロックの管理装置120に対してJP当選情報と、メモリ133に記憶されている配当量(JP配当量)とを通知するように第3通信部131を制御する。JP当選情報および配当量の通知を受けた管理装置120は、自ブロックBL内の複数のゲーム装置110の中から、JP配当量が付与される1つのゲーム装置110を決定する。
【0051】
初期化部136は、メモリ133に記憶されていた配当量を初期値に戻す(初期化する)。この態様では、制御部137は、JP当選ブロックの管理装置120に対してJP当選情報と、JP配当量とを通知するように第3通信部131を制御した後、メモリ133に記憶されている配当量の値を初期値に戻すように初期化部136を制御する。初期値の値は任意である。
【0052】
次に、中央管理装置130が実行するJP抽選の具体的な内容について説明する。中央管理装置130の制御部137は、JP抽選部134によるJP抽選が実行される第1期間T1と、JP抽選部134によるJP抽選が実行されない第2期間T2とを管理する。第2期間T2において、制御部137は、取得部132が各ブロックBLのブロックIN枚数を取得してもJP抽選を実行しないようにJP抽選部134を制御する一方、取得部132がブロックIN枚数を取得するたびに、その取得したブロックIN枚数と、それまでメモリ133に記憶されていたブロックIN枚数の累積値とを足し合わせた値をメモリ133に書き込む。つまり、第2期間T2においては、JP抽選は実行されないものの、各ブロックBLのブロックIN枚数がプールされて配当量が更新されていく。
【0053】
また、制御部137は、第2期間T2において取得部132が取得したブロックIN枚数を累積した貯留量を求め、その貯留量をメモリ133に記憶して管理する。より具体的には、制御部137は、貯留量を、複数のブロックBLのそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量に区分して管理する。そして、第1期間T1中の各ブロックBLに対応するJP抽選の通常当選確率(取得部132が取得したブロックIN枚数に応じた当選確率)に対して、当該ブロックBLに対応する個別貯留量の一部である分配量に応じた当選確率を加えることで、複数のブロックBLのそれぞれの第1期間T1中の各JP抽選の当選確率を通常当選確率よりも高くすることができる。すなわち、この態様であっても、上述の実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0054】
(2)変形例2
上述の実施形態では、制御部27は、貯留量を、複数のゲーム装置10のそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量に区分して管理しているが、これに限らず、例えば制御部は、貯留量を、複数の個別貯留量に区分せずに管理してもよい。この態様であっても、第1期間中の各ゲーム装置10に対応するJP抽選の通常当選確率に対して、貯留量の一部に応じた当選確率を加えることで、第1期間T1中の各ゲーム装置10に対応するJP抽選の当選確率を通常当選確率よりも高くすることができる。
【0055】
具体的には、制御部27は、貯留量を、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量(a,b,c)に区分して管理するのではなく、それ自体を各ゲーム装置(A,B,C)に対応する共通貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。ここでは、共通貯留量をp(=a+b+c)と表記する。そして、分配数Nとして60回(20回×3機種)が設定される。ここでは、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選にそれぞれ割り振られる分配量をp1(=p/60)と表記する。制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Aに対応するIN枚数n1を取得したとき、IN枚数n1に対応する通常当選確率(=所定確率1/M×IN枚数n1)に対して、分配量p1に応じた当選確率(=所定確率1/M×分配量p1)が加わった分だけJP賞の当選確率が高くなるように設定された当選確率(=所定確率1/M×(IN枚数n1+分配量p1))に基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。そして、制御部27は、共通貯留量pから分配量p1を減じた値(p−p1)を新たな共通貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。同様に、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Bに対応するIN枚数n2を取得したとき、当選確率(n2+p1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御し、共通貯留量pから分配量p1を減じた値(p−p1)を新たな共通貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。同様に、制御部27は、第1期間T1において取得部22がゲーム装置Cに対応するIN枚数n3を取得したとき、当選確率(n3+p1)/Mに基づいてJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御し、共通貯留量pから分配量p1を減じた値(p−p1)を新たな共通貯留量としてメモリ23に記憶して管理する。
また、上述の実施形態と同様に、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の回数が上記分配数Nを超える場合は、N+1回目の以降のJP抽選において、制御部27は、通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、第1期間T1中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選の回数が上記分配数N未満の場合は、共通貯留量の残余分は、次回の第1期間T1中のJP抽選に持ち越される。
【0056】
なお、複数のゲーム装置が図2に示すようなマルチプレイヤー対応型の複合ゲーム装置における各個別ゲーム装置に該当する場合には、制御部27は、同一の複合ゲーム装置に属する複数のゲーム装置のそれぞれと対応付けた個別貯留量を管理することはせず、これらの個別貯留量の合計に相当する共通貯留量を管理することもできる。この態様では、複合ゲーム装置が異なれば、当該複合ゲーム装置に対応付けられて管理される共通貯留量も異なる。
具体的には、ゲーム装置A,ゲーム装置A及び個別ゲーム装置C1〜C4でゲームシステム100が構成されている場合、制御部27は、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量aと、ゲーム装置Bに対応する個別貯留量bと、ゲーム装置C1〜C4に対応する共通貯留量c(ゲーム装置C1〜C4が属する複合ゲーム装置に対応する共通貯留量c)に区分して管理する。
【0057】
(3)変形例3
上述の実施形態では、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれに対応する個別貯留量(a,b,c)を用いた所定の処理(演算やアルゴリズム)によって、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれに対応する分配量が求められている。ただし、これに限らず、予め定められた量が分配量として設定される態様であってもよい。この態様では、管理装置20は、第1期間T1において複数のゲーム装置(A,B,C)のうちの何れかに対応するIN枚数を取得したとき、当該取得したIN枚数に対して、予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行し、当該ゲーム装置に対応する個別貯留量から分配量を減じた値を新たな個別貯留量として管理する。この態様においても、第1期間T1の途中で各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロになった場合は、それ以降の当該ゲーム装置に対応するJP抽選は通常当選確率に基づいて実行される。一方、第1期間T1が終了しても個別貯留量が残っている場合は、その残余分は、次回の第1期間T1中のJP抽選に持ち越される。
【0058】
(4)変形例4
上述の実施形態では、貯留量を小出しにして、第1期間T1中の各JP抽選に割り振る態様が例示されているが、これに限らず、例えば貯留量を、第1期間T1が開始された後の特定期間において実行されるJP抽選に集中的に付与する態様であってもよい。図9は、この態様の一例を示す図である(図5に対応)。図9において、管理装置20の制御部27は、第1期間T1を、第1期間T1が開始されてから特定期間Tiが開始されるまでの第1非特定期間Tu1と、特定期間Tiと、特定期間Tiが終了してから第1期間T1が終了するまでの第2非特定期間Tu2とに区分して管理する。
【0059】
制御部27は、貯留量を、第1期間T1内の特定期間Ti中のJP抽選に集中的に付与する。より具体的には、図9に示すように、制御部27は、ゲーム装置Aに対応する個別貯留量aを、特定期間Ti中のゲーム装置Aに対応する各JP抽選だけに割り振る。また、制御部27は、ゲーム装置Bに対応する個別貯留量bを、特定期間Ti中のゲーム装置Bに対応する各JP抽選だけに割り振る。さらに、制御部27は、ゲーム装置Cに対応する個別貯留量cを、特定期間Ti中のゲーム装置Cに対応する各JP抽選だけに割り振る。一方、制御部27は、第1非特定期間Tu1中の各JP抽選に対しては貯留量を付与しない。つまり、制御部27は、第1非特定期間Tu1においては、取得部22が取得したIN枚数に応じた通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。
【0060】
図9の態様では、各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量が、特定期間Ti中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選だけに割り振られるから、特定期間Ti中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選に割り振られる分配量の値は、図5の態様における分配量の値に比べて大きい。割り振られる分配量の値が大きいほどJP抽選の当選確率は高くなるから、図9の態様によれば、特定期間Ti中のJP抽選の当選確率を、図5の態様における第1期間T1中のJP抽選の当選確率に比べて高くすることができる。すなわち、図9の態様によれば、図5の態様に比べて高い確率でJP賞に当選可能な高確率当選タイムを作り出すことができるから、所定の時間帯が高確率当選タイムになることを、事前にゲーム画面や遊技施設内の情報掲示板などに表示してプレイヤーに知らせたり、イベントを開催するなどして店内を盛り上げることができるという利点がある。
【0061】
なお、特定期間Tiにおいて各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選がそれぞれ実行された結果、特定期間Tiの終了時点において各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がそれぞれゼロ(つまり貯留量がゼロ)となった場合、制御部27は、第2非特定期間Tu2においては、取得部22が取得したIN枚数に応じた通常当選確率でJP抽選を実行するようにJP抽選部24を制御する。一方、特定期間Tiの終了時点において各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロとはならず、それぞれ所定量が残った場合、制御部27は、これらの残余分を、第2非特定期間Tu2中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選に割り振ることもできるし、次回の特定期間Ti中の各ゲーム装置(A,B,C)に対応するJP抽選に持ち越すこともできる。例えば、特定期間Tiにおいてゲーム装置Aにプレイヤーが存在しない場合、つまり、特定期間Tiにおいてゲーム装置Aに対応するJP抽選が実行されない場合は、特定期間Tiの終了時点においてゲーム装置Aに対応する個別貯留量aの全部がそのまま残った状態となる。この場合、制御部27は、その残った個別貯留量aを、第2非特定期間Tu2中のゲーム装置Aに対応する各JP抽選に割り振ることもできるし、次回の特定期間Ti中のゲーム装置Aに対応するJP抽選に持ち越すこともできる。ゲーム装置Bおよびゲーム装置Cについても同様である。
なお、上述の第1非特定期間Tu1、特定期間Tiおよび第2非特定期間Tu2の時間長のそれぞれの値は任意に設定可能である。
また、特定期間Tiは、開始条件だけが規定されるようにして、各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロになると終了する態様であってもよい。開始条件としては、設定により任意の時間に開始される場合(つまり、所定の時刻に到達することが開始条件として設定されている場合)や、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれでゲームを行っているプレイヤーの合計が規定数を超えた場合が採用し得る。
【0062】
(5)変形例5
上述の実施形態では、管理装置20の取得部22は、各ゲーム装置10から受信した消費メダル枚数に基づいて、各ゲーム装置10のIN枚数を算出しているが、これに限らず、例えば各ゲーム装置10が、当該ゲーム装置のメダル消費枚数に所定の割合を乗じてIN枚数を算出し、その算出したIN枚数を管理装置20へ送信する態様であってもよい。要するに、取得部22は、各ゲーム装置10で消費されるメダルの量の一部であるIN枚数を取得するものであればよい。
【0063】
(6)変形例6
上述の実施形態では、管理装置20の制御部27は、予め設定された開始時刻tsに到達した場合に第1期間T1を開始させ、予め設定された終了時刻teに到達した場合に第1期間T1を終了させる。ただし、これに限らず、制御部27は、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれでゲームを行っているプレイヤーの合計が所定数を超えた場合に第1期間T1を開始させ、プレイヤーの合計が所定数以下となった場合に第1期間T1を終了させることもできる。この態様では、第1期間T1中の各ゲーム装置に対応するJP抽選の回数を推測することは困難であるため、貯留量を小出しにして第1期間T1中のJP抽選に割り振る場合は、複数のゲーム装置(A,B,C)のそれぞれについて、予め定められた量を分配量として設定しておくことが好ましい。そして、上述の実施形態と同様に、第1期間T1の途中で各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロになった場合は、それ以降の当該ゲーム装置に対応するJP抽選は通常当選確率に基づいて実行される。一方、第1期間T1が終了しても個別貯留量が残っている場合は、その残余分は、次回の第1期間T1中のJP抽選に持ち越される。
【0064】
(7)変形例7
上述の実施形態では、第1期間T1の途中で各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロになった場合は、それ以降の当該ゲーム装置に対応するJP抽選は通常当選確率に基づいて実行される態様が例示されているが、これに限らず、個別貯留量がマイナスになることを許容する態様であってもよい。この態様では、管理装置20は、第1期間T1において複数のゲーム装置(A,B,C)のうちの何れかに対応するIN枚数を取得したとき、当該取得したIN枚数に対して、所定の処理(演算やアルゴリズム)で求められた分配量または予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいてJP抽選を実行し、当該ゲーム装置に対応する個別貯留量から分配量を減じた値を新たな個別貯留量として管理する。そして、第1期間T1の途中で各ゲーム装置(A,B,C)に対応する個別貯留量がゼロになった場合でも、引き続き分配量を減じた値を新たな個別貯留量(マイナス値)として管理する。第1期間T1が終了し、JP抽選が実行されない第2期間T2が開始されてからは、管理装置20は、複数のゲーム装置(A,B,C)のうちの何れかに対応するIN枚数を取得するたびに、その取得したIN枚数を、当該ゲーム装置に対応するマイナス値の個別貯留量に加算していく。
なお、上述の実施形態のように制御部27が各個別貯留量を管理する場合には、各個別貯留量が同じタイミングでゼロになるとは限らない。そこで、各個別貯留量のうち何れかの個別貯留量がゼロになっても全ての個別貯留量がゼロに到達するまでは、既に個別貯留量がゼロに到達したものに対してマイナスを許容するようにしてもよい。そして全ての個別貯留量がゼロに到達した場合(一部の個別貯留量はマイナス値を取り得る)、それ以降のJP抽選は通常当選確率に基づいて実行される。また、このマイナス値の個別貯留量を許容する管理は、貯留量を個別貯留量に区分して管理せずに共通貯留量として管理する態様でも採用し得る。
【符号の説明】
【0065】
10……ゲーム装置、12……第1通信部、14……消費枚数検出部、16……付与部、18……制御部、20……管理装置、21……第2通信部、22……取得部、23……メモリ、24……JP抽選部、25……決定部、26……初期化部、27……制御部、40……ルータ、50……ゲートウェイ、100……ゲームシステム、110……ゲーム装置、120……管理装置、130……中央管理装置、200……ゲームシステム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム装置または前記複数のゲーム装置をそれぞれ有する複数のブロックを複数の抽選対象として、特定賞に当選するか否かの抽選を実行する抽選装置であって、
前記複数の抽選対象のそれぞれで消費される遊技媒体の量の一部である消費量を取得する取得部と、
記憶部と、
前記取得部が取得した消費量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行する抽選部と、
前記抽選部による抽選が実行される第1期間と前記抽選部による抽選が実行されない第2期間とを管理する期間管理部と、
前記第1期間および前記第2期間において前記取得部が取得した前記消費量を累積した量に基づいた配当量を前記記憶部に記憶して管理する配当量管理部と、
前記第2期間において前記取得部が取得した前記消費量を累積して貯留量として前記記憶部に記憶して管理する貯留量管理部と、
前記抽選部による前記抽選の結果が前記特定賞の当選を示す場合、前記複数の抽選対象の中から、前記配当量が付与される1つの前記抽選対象を決定する決定部と、を備え、
前記抽選部は、前記第1期間において前記取得部が前記消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して前記貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行し、
当該取得した消費量に対して前記貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率は、当該取得した消費量に応じた当選確率である通常当選確率に比べて、前記特定賞に当選する確率が高い、
ことを特徴とする抽選装置。
【請求項2】
前記抽選部は、前記第1期間において前記取得部が前記消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、前記貯留量を用いた所定の処理で求められた分配量または予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行し、
前記貯留量管理部は、前記貯留量から前記分配量を減じた量を新たな貯留量として前記記憶部に記憶して管理する、
ことを特徴とする請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
前記抽選部は、前記第1期間が開始された後の特定期間において前記取得部が前記消費
量を取得したときは、当該取得した消費量に対して前記貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行する一方、前記第1期間が開始されてから前記特定期間が開始されるまでの期間において前記取得部が前記消費量を取得したときは、前記通常当選確率に基づいて前記抽選を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の抽選装置。
【請求項4】
前記貯留量管理部は、前記貯留量を、前記複数の抽選対象のそれぞれと対応付けた複数の個別貯留量に区分して前記記憶部に記憶して管理し、
前記抽選部は、前記第1期間において前記取得部が前記複数の抽選対象のうちの何れかに対応する前記消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する前記個別貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の抽選装置。
【請求項5】
前記抽選部は、前記第1期間において前記取得部が前記複数の抽選対象のうちの何れかに対応する前記消費量を取得したとき、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する前記個別貯留量を用いた所定の処理で求められた分配量または予め定められた分配量を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行し、
前記貯留量管理部は、当該抽選対象に対応する前記個別貯留量から前記分配量を減じた量を新たな個別貯留量として前記記憶部に記憶して管理する、
ことを特徴とする請求項4に記載の抽選装置。
【請求項6】
前記抽選部は、前記第1期間が開始された後の特定期間において前記取得部が前記複数の抽選対象のうちの何れかに対応する前記消費量を取得したときは、当該取得した消費量に対して、当該抽選対象に対応する前記個別貯留量の少なくとも一部を加えた量に応じた当選確率に基づいて前記抽選を実行する一方、前記第1期間が開始されてから前記特定期間が開始されるまでの期間において前記取得部が前記消費量を取得したときは、前記通常当選確率に基づいて前記抽選を実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の抽選装置。
【請求項7】
前記期間管理部は、設定された開始時刻に到達した場合に前記第1期間を開始させ、設定された終了時刻に到達した場合に前記第1期間を終了させる、
請求項1から請求項6の何れかに記載の抽選装置。
【請求項8】
前記期間管理部は、前記複数の抽選対象のそれぞれで遊技を行っている遊技者の合計が所定数を越えた場合に前記第1期間を開始させ、前記遊技者の合計が前記所定数以下となった場合に前記第1期間を終了させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の抽選装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−147531(P2011−147531A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10045(P2010−10045)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】