説明

拡張アップリンクのためのMAC多重化およびTFC選択手順

【課題】WTRUとノードBとRNCとを含む無線通信システム内において実施される、許可によって許された多重化データを、選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに密接に一致するように量子化するための方法が開示される。
【解決手段】送信することが許されるスケジュール型および非スケジュール型データの量は、EU MAC−e PDUに多重化されたデータ量が、選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに、より密接に一致するように量子化される。一実施形態では、少なくとも1つの許可(サービング許可および/または非サービング許可)によって多重化されることが許されるバッファリングされたデータの量が、MAC−e PDUに多重化されたMACヘッダおよび制御情報を含むスケジュール型と非スケジュール型データの合計が選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに、より密接に一致するように量子化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関する。より詳細には、本発明は、拡張アップリンク(EU:enhanced uplink)伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すシステム100などの第3世代(3G:Third Generation)セルラシステムでは、EUは、アップリンク(UL:uplink)のデータスループットおよび伝送待ち時間の向上を提供する。システム100は、ノードB 102と、RNC 104と、無線送受信ユニット(WTRU:wireless transmit/receive unit)106とを含む。
【0003】
図2に示すように、WTRU 106は、プロトコルアーキテクチャ200を含み、このプロトコルアーキテクチャ200は、上位層202と、個別チャネルMAC(MAC−d)204と物理層(PHY)208の間のEU動作をサポートするために使用されるEUメディアアクセス制御(MAC:medium access control)(MAC−e)206とを含む。MAC−e 206は、MAC−dフローとして知られているチャネルから、EU伝送のためのデータを受信する。MAC−e 206は、MAC−dフローからのデータを伝送用のMAC−eプロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)に多重化し、EU伝送のために適切なEUトランスポートフォーマットコンビネーション(E−TFC:EU transport format combination)を選択する役割を担う。
【0004】
EU伝送を可能にするために、物理リソース許可が、ノードB 102およびRNC 104によってWTRU 106に割り当てられる。高速の動的チャネル割当てを必要とするWTRU ULデータチャネルには、ノードB 102によって提供された高速「スケジュール型の(scheduled)」許可(grant)が与えられ、連続的な割り当てを必要とするチャネルには、RNC 104によって、「非スケジュール型の(non-scheduled)」許可が与えられる。MAC−dフローは、UL伝送のためのデータをMAC−e 206に提供する。MAC−dフローは、スケジュール型または非スケジュール型のMAC−dフローとして構成される。
【0005】
「サービング許可(serving grant)」は、スケジュール型データのための許可である。「非スケジュール型の許可」は、非スケジュール型データのための許可である。サービング許可は、多重化され得るスケジュール型データの対応する量に変換される電力比であり、したがってスケジュール型データ許可をもたらす。
【0006】
RNC 104は、無線リソース制御(RRC:radio resource control)手順を使用して、各MAC−dフローのための非スケジュール型許可を構成する。複数の非スケジュール型MAC−dフローが、WTRU 106内で同時に構成されることがある。この構成は一般に、無線アクセスベアラ(RAB:radio access bearer)が確立されると実施されるが、必要なときに再構成されてもよい。各MAC−dフローについての非スケジュール型許可は、MAC−e PDUに多重化することができるビット数を指定する。次いで、WTRU 106は、同じ送信時間間隔(TTI:transmission time interval)内で多重化される場合には、非スケジュール型送信を非スケジュール型許可の総数まで送信することを許される。
【0007】
WTRU 106からのレート要求(rate request)で送信されたスケジューリング情報に基づいて、ノードB 102は、スケジュール型MAC−dフローのためのスケジューリング許可を動的に生成する。WTRU 106とノードB 102の間のシグナリングは、高速MAC層シグナリングによって実施される。ノードB 102によって生成されたスケジューリング許可は、許容された最大のEU個別物理データチャネル(E−DPDCH:EU dedicated physical data channel)/個別物理制御チャネル(DPCCH:dedicated physical control channel)電力比を指定する。WTRU 106は、この電力比および構成された他のパラメータを使用して、すべてのスケジュール型MAC−dフローからMAC−e PDUに多重化することができる最大ビット数を判定する。
【0008】
スケジュール型許可は、非スケジュール型許可の「上に」あり、相互に排他的なものである。スケジュール型MAC−dフローは、非スケジュール型許可を使用してデータを送信することはできず、非スケジュール型MAC−dフローは、スケジュール型許可を使用してデータを送信することはできない。
【0009】
すべての可能なE−TFCを含むEUトランスポートフォーマットコンビネーションセット(E−TFCS:EU transport format combination set)は、WTRU 106に知られている。それぞれのEU伝送について、E−TFCが、E−TFCS内のサポートされたE−TFCのセットから選択される。
【0010】
他のULチャネルがEU伝送に優先するので、E−DPDCH上のEUデータ伝送に使用可能な電力は、DPCCH、個別物理データチャネル(DPDCH:dedicated physical data channel)、高速個別物理制御チャネル(HS−DPCCH:high speed dedicated physical control channel)およびEU個別物理制御チャネル(E−DPCCH:EU dedicated physical control channel)に必要な電力が考慮に入れられた後の残りの電力である。EU伝送のための残りの送信電力に基づいて、E−TFCS内でE−TFCの送信停止(blocked)または送信可能(supported)状態が、WTRU 106によって連続的に判定される。
【0011】
それぞれのE−TFCは、EU送信時間間隔(TTI)内に送信することができる複数のMAC層データビットに対応する。各EU TTI内で送信されるE−TFCごとに1つのMAC−e PDUだけしかないので、残りの電力によってサポートされる最大のE−TFCによって、MAC−e PDUの内に送信することができるデータの最大量(すなわちビット数)が定められる。
【0012】
複数のスケジュール型および/または非スケジュール型MAC−dフローが、絶対優先度に基づいて各MAC−e PDU内で多重化されてもよい。各MAC−dフローから多重化されるデータ量は、最小量の現在のスケジュール型または非スケジュール型許可、サポートされた最大のTFCからの使用可能なMAC−e PDUペイロード、およびMAC−dフロー上の送信に使用可能なデータである。
【0013】
サポートされたE−TFC内で、WTRU 106は、スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従ってデータ伝送を最大にする最小のE−TFCを選択する。スケジュール型許可および非スケジュール型許可が完全に使用され、使用可能なMAC−e PDUペイロードが完全に使用され、あるいはWTRU 106が、使用可能であり送信を許されたさらなるデータをもはや有していない場合、MAC−e PDUは、次の最大のE−TFCサイズに一致するようにパディングされる。この多重化されたMAC−e PDUおよび対応するTFCは、伝送のために物理層に渡される。
【0014】
サービングおよび非サービング許可は、各EU TTI内に特定のMAC−dからMAC−e PDUに多重化することができる最大量のデータを指定する。スケジュール型許可はE−DPDCH/DPCCH比に基づくので、MAC−e PDUごとに多重化することが許されたデータビットの数は、E−TFCS内のサポートされたE−TFCの制限された数のデータサイズに一致する特定のサイズだけを許可するようには明示的に制御され得ない。
【0015】
EUのデータ伝送のための残りの送信電力によって、E−TFCSの内のサポートされたE−TFCのリストが決まる。サポートされたE−TFCがTFCS内の制限された数のE−TFCから判定されるので、許可されたMAC−e PDUサイズの粒度(granularity)は、すべての可能なMAC−dフローとMAC−eヘッダの組合せを可能にするとは限らない。したがって、許可によってMAC−e PDUへの多重化が許されたMAC−dフローの量はしばしば、サポートされたE−TFCのうちの1つのサイズに一致せず、サポートされたE−TFCのリスト内のできるだけ小さいE−TFCサイズに一致するように、パディングがMAC−e PDUに施される。
【0016】
EUセルが最大能力で動作している場合、MAC−e PDU多重化はしばしば、サービングおよび非サービング許可によって制限されるが、サポートされた最大E−TFC、または送信に使用可能なWTRU EUデータによっては制限されないと予想される。この場合、E−TFCS内の指定されたT−TFCの粒度に依存して、選択されたE−TFCに一致するのに必要なパディングは、関連するMAC−eヘッダ情報を含めて、MAC−dフローデータの多重化ブロックサイズを超過することがある。この場合、有効データレートは、選択されたE−TFCおよびその送信に必要な物理リソースによって許されたものから不必要に減少される。
【0017】
図3は、MAC−e PDU 300を示している。スケジューリングおよび非スケジューリング許可によって許されたMAC−e PDUヘッダ302およびMAC−dフローデータ304が多重化される。サポートされたE−TFCのセットのうちで、WTRU 106は、サポートされたE−TFCのリストから、MAC−e PDUヘッダ302およびMAC−dフローデータ304より大きい最小のE−TFCを選択する。次いで、選択されたE−TFCサイズに一致するように、パディング306がMAC−e PDUに施される。しかし、パディング306は、MAC−dフローデータの多重化ブロックサイズを超えることがある。この場合、EU伝送で使用される物理リソースは十分には活用されず、有効なWTRUデータレートは不必要に減少される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、EUデータ多重化への代替の手法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、許可によって許された多重化データの量を、選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに密接に一致するように量子化することに関する。送信することが許されたスケジュール型および/または非スケジュール型データの量は、MAC−e PDUに多重化されたデータの量が選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに、より密接に一致するように、許可に対して増加されまたは減少される。
【0020】
スケジュール型データの量が、選択されたE−TFCに、より緊密に一致するように調整される場合に、多重化する最大量のスケジュール型データ、送信するスケジュール型ペイロードは、次に大きいまたは小さいE−TFCサイズに量子化された、送信に使用可能でありまた許可によって許されたスケジュール型と非スケジュール型データの合計から、非スケジュール型許可によって許される、送信に使用可能な非スケジュール型データの量を引いた値によって決まる。
【0021】
この量子化は、多重化が許可によって制限される場合、およびE−TFC制限に起因する最大E−TFCサイズによって制限されない場合、または送信に使用可能なE−DCHデータによって制限される場合に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】3Gセルラシステムを示す図である。
【図2】WTRU内のEUプロトコルアーキテクチャを示す図である。
【図3】MAC−e PDUの生成を示す図である。
【図4】第1の実施形態による、送信することが許されたスケジュール型および/または非スケジュール型データの最大量を量子化することよってMAC−e PDUを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図5】別の実施形態による、多重化することが許された非スケジュール型データの最大量を量子化することによってMAC−e PDUを生成するためのプロセスのブロック図である。
【図6】別の実施形態による、多重化されたデータを減少させることによってMAC−e PDUを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図7】図6のプロセスを使用したMAC−e PDU生成を示す図である。
【図8A】別の実施形態による、追加のMAC−dフローデータブロックを追加することによってMAC−e PDUを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図8B】図8Aのプロセスの代替案による、追加のMAC−dフローデータブロックを追加することによってMAC−e PDUを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図9】図8Aおよび図8Bのプロセスを使用したMAC−e PDU生成を示す図である。
【図10A】図10Bと併せて、別の実施形態による例示的な多重化手順を示すフローチャートである。
【図10B】図10Aと併せて、別の実施形態による例示的な多重化手順を示すフローチャートである。
【図11A】MAC−dフローをMAC−e PDUに多重化するためのプロセスのフローチャートである。
【図11B】MAC−dフローをMAC−e PDUに多重化するためのプロセスのフローチャートである。
【図12】EU多重化のための簡略化されたアーキテクチャを示すブロック図である。
【図13A】図13Bと併せて、別の実施形態による多重化手順を示すフローチャートである。
【図13B】図13Aと併せて、別の実施形態による多重化手順を示すフローチャートである。
【図14】別の実施形態による例示的な多重化手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、用語「WTRU」には、それだけに限らないが、ユーザ端末装置(UE:user equipment)、移動局、固定または移動加入者装置、ページャ、または無線環境内で動作することができる他の任意のタイプの装置が含まれる。以下で言及されるとき、用語「ノードB」には、それだけに限らないが、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境内の他の任意のタイプのインターフェース装置が含まれる。WTRUおよびノードBが使用される1つの潜在的なシステムは、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:wideband code division multiple access)周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)通信システムであるが、これらの実施形態は、他の通信システムに適用することができる。
【0024】
本発明の諸特徴は、集積回路(IC:integrated circuit)に組み込むことも、相互接続する多数の構成要素を含む回路内で構成することもできる。
【0025】
MAC−e PDU多重化論理への以下の修正は、MAC−e PDU多重化がスケジュール型許可および/または非スケジュール型許可によって制限され、サポートされた最大のE−TFCまたは送信に使用可能なEUデータによっては制限されない場合のためのより効率的なデータ多重化、および改良型無線リソース使用のために提案される。スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従ってMAC−d フローからMAC−e PDUに多重化することが許されるデータ量は、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって多重化が許されるデータ量に対して次に小さいまたは次に大きいE−TFCサイズに、より密接に一致するように増加または減少される。
【0026】
図4は、一実施形態によるMAC−e PDUを生成するためのプロセス400のフローチャートである。ステップ405で、WTRUは、ノードBからのスケジュール型データ許可および/またはRNCからの非スケジュール型データ許可を受信する。ステップ410で、E−TFCトランスポートブロックサイズが、スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従って多重化することが許されたデータ量に基づいて選択される。ステップ415で、スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従って送信することが許されたスケジュールおよび/または非スケジュール型データの最大量は、各MAC−e PDUに多重化されたデータ量が、選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに、より密接に一致するように量子化される。
【0027】
図5は、別の実施形態によるMAC−e PDUを生成するためのプロセス500のフローチャートである。ステップ505で、WTRUが、ノードBからのスケジュール型データ許可および/またはRNCからの非スケジュール型データ許可を受信する。ステップ510で、E−TFCトランスポートブロックサイズが、スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従って多重化することが許されたデータ量に基づいて選択される。ステップ515で、少なくとも1つの許可によって多重化することが許された、バッファリングされたWTRUデータの量が、各EU MAC−e PDUに多重化されたスケジュール型および非スケジュール型データ(MACヘッダおよび制御情報を含む)の合計が、選択されたE−TFCトランスポートブロックサイズに、より密接に一致するように量子化される。
【0028】
あるいは、別の一実施形態では、E−TFCサイズの粒度は、E−TFCサイズ間の差が1つのMAC−d PDUおよび関連のMAC−eヘッダオーバーヘッドより大きくならないようにE−TFCS内で定義される。E−TFCは、可能な各MAC−dフロー多重化組合せ、および関連するMAC−eヘッダオーバーヘッドに関して定義される。このようにE−TFCSを最適化することによって、スケジュール型許可および非スケジュール型許可に従ってMAC−dフローデータが多重化された後に必要なパディングは、可能なMAC−dフロー多重化ブロックサイズの大きさを超過しなくなる。
【0029】
図6は、別の実施形態によるMAC−e PDUを生成するためのプロセス600のフローチャートである。現在の許可によって許されたMAC−dフローデータおよびMAC−e制御シグナリングのサイズより小さい、サポートされたE−TFCのセットから、最大のE−TFCが選択される(602)。その結果、選択されたE−TFCによって、許可によって許された量に関連するMAC−e PDUに多重化すべき減少したデータの量を、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって必要とされる量より小さい最大E−TFCサイズに、より密接に一致するようにすることが可能となる。MAC−dフローデータ(スケジュール型および/または非スケジュール型)は、選択されたE−TFCの範囲内でMAC−dフローデータブロックをもはや追加できなくなるまで、絶対優先度に従ってMAC−e PDUに多重化する(604)。MAC−e PDUは、選択されたE−TFCサイズに一致するようにパディングが施される(606)。
【0030】
図7は、図6の実施形態による、選択されたE−TFCサイズに、より密接に一致する減少したMAC−e PDU 700Bサイズを示している。MAC−e PDUヘッダ702およびMAC−dフローデータブロック704a〜704cは、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可によってサポートされている。図6および7を参照すると、現在の許可によって許されたMAC−dフローデータのサイズより小さい最大E−TFCが、サポートされたE−TFCのセットから選択される(ステップ602)。MAC−dフローデータブロック(この例では、2つのMAC−dフローデータブロック704a、704b)が、選択されたE−TFCサイズの範囲内でMAC−dフローデータブロックをもはや追加できなくなるまで、絶対優先度に従ってMAC−e PDU 700Bに多重化される(ステップ604)。MAC−dフローデータブロック704cは、選択されたE−TFCの範囲を超えるので多重化されない。好ましくは、多重化されたスケジュール型データの量だけが、選択されたE−TFCサイズに、より緊密に一致するように調整される。次いで、選択されたE−TFCサイズに一致するように、パディング706がMAC−e PDU 700Bに施される(ステップ606)。パディングのための1つの技術は、MAC−e PDUヘッダ情報内にデータ終了指標を挿入することによって暗黙的に完遂される。
【0031】
図8Aは、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可に従って多重化することが許されるデータ量をサポートする最小のE−TFCサイズが、サポートされたE−TFCのセットから選択される、MAC−e PDUを生成するためのプロセス800のフローチャートである。MAC−dフローデータブロックは、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許された最大のデータ量に達するまで、絶対優先度に従ってMAC−e PDUに多重化される(802)。多重化されたMAC−e PDUのサイズより大きいできるだけ小さいE−TFCが、サポートされたE−TFCのセットから選択される(804)。選択されたE−TFCサイズが、多重化されたMAC−dフローデータブロックおよびMAC−eヘッダのサイズを、最小MAC−dフロー多重化ブロックサイズより大きい分だけ超過する場合に、さらなるMAC−dフローデータブロックおよび関連するMAC−eヘッダ情報が選択されたE−TFCサイズ内にもはや適合できなくなるまで、1つまたは複数の追加のMAC−dフローデータブロックを追加する。
【0032】
図8Bに示される代替プロセス850では、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可に従って多重化することが許されるデータ量をサポートする最小E−TFCが、サポートされたE−TFCのセットから選択される(852)。次いで、MAC−dフローデータブロックが、選択されたE−TFCサイズによって許される最大のデータ量に達するまで、絶対優先度の順序でMAC−e PDUに多重化される(854)。好ましくは、許可によって許されたスケジュール型データの量だけが、選択されたE−TFCに、より密接に一致するように調整され、多重化される非スケジュール型MAC−dフローデータは、非スケジュール型許可に制限されてもよい。次いで、パディングが、選択されたE−TFCサイズに一致するように施される(856)。この方式では、スケジュール型および/または非スケジュール型の許可を超えるデータを送信することができる。
【0033】
図9は、現在の許可をサポートする選択されたE−TFCサイズを完全に使用する増加したサイズのMAC−e PDU 900を示している。MAC−e PDUヘッダ902およびMAC−dフローデータブロック904a〜904cは、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可によってサポートされる。図8A、8Bおよび9を参照すると、MAC−dフローデータブロック904a〜904cは、現在のスケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許された最大のデータ量に達するまで、絶対優先度に従ってMAC−e PDUに多重化される。図9に示すように、一例として3つの(3)MAC−dフローデータブロック904a〜904cが多重化されるが、任意の数のMAC−dフローデータブロックが多重化されてもよい。多重化されたMAC−e PDUのサイズより大きい、できるだけ小さいE−TFCが、サポートされたE−TFCのセットから選択される。選択されたE−TFCサイズが、多重化MAC−dフローデータブロック904a〜904cおよびMAC−eヘッダ902のサイズを最小のMAC−dフロー多重化ブロックサイズより多い分だけ超過する場合、図9に示されるように、1つまたは複数の追加のMAC−dフローデータブロック904dが、さらなるMAC−dフローデータブロックおよび関連のMAC−eヘッダ情報が選択されたE−TFCサイズ内にもはや適合できなくなるまで、絶対優先度に従って追加される。好ましくは、現在の許可を超えてスケジュール型MAC−dフローデータだけが追加されるが、非スケジュール型MAC−dフローデータも追加されてもよい。次いで、パディング906が、選択されたE−TFCサイズに一致するように施される。この方式では、MAC−dフロー多重化は、パディングビットで満たされていた未使用のデータビットを使用するように最適化される。
【0034】
図10Aおよび10Bは併せて、多重化手順を示すフローチャート1000であり、この手順によって、MAC−e PDUの多重化より前に、スケジュール型許可および/または非スケジュール型許可に従って多重化するデータ量が、スケジュール型許可および/または非スケジュール型許可によって多重化することが許されるデータ量に対して次に大きいまたは次に小さいE−TFCサイズに、より密接に一致するように調整される。図10Aは、多重化するスケジュール型データの量だけが、選択されたE−TFCに、より密接に一致するように調整される方法を識別するものである。
【0035】
図10Aを参照すると、E−TFC制限手順が実施されて(ステップ1005)、送信に使用可能な最優先データのMAC−dフロー電力オフセットについて考慮することによって、できるだけ大きいE−TFCサイズを含むサポートされたE−TFCのセットが判定される(ステップ1010)。
【0036】
さらに図10Aを参照すると、ステップ1015で、(残りの電力および最優先MAC−dフロー電力オフセットを考慮して)E−TFC制限に起因するできるだけ大きいE−TFCサイズがスケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許されるデータ量よりも小さいと判定される場合には(残りの電力によって制限されるケース)、MAC−e PDU多重化のための最大可能なペイロードが最大可能なE−TFCサイズに設定され(ステップ1020)、それによって、多重化するスケジュール型データの最大量がスケジュール型許可によって指定されたデータ量に設定され(ステップ1025)、多重化する非スケジュール型データの最大量が、非スケジュール型許可によって指定されたデータ量に設定される(ステップ1030)。
【0037】
さらに図10Aを参照すると、ステップ1015で、E−TFC制限に起因するできるだけ大きいE−TFCサイズが、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許されるデータ量より大きいと判定される場合(許可によって制限されるケース)、多重化するスケジュール型データの最大量が、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許された使用可能なデータの量に対して次に大きいまたは次に小さいE−TFCサイズに一致するように調整される(ステップ1040、1045)。
【0038】
たとえば、多重化するスケジュール型データの最大量をスケジュール型許可によって許されたデータ量に設定するのではなく、スケジュール型データの最大量は、選択されたE−TFCのサイズから非スケジュール型許可によって送信することが許された使用可能データの量を引いた値に設定され(ステップ1040)、多重化する非スケジュール型データの最大量は、各非スケジュール型データフローについての非スケジュール型許可に設定される(ステップ1045)。これらの方法または他の類似の方法によって、多重化されたスケジュール型および非スケジュール型データの量が関連の許可に従って設定されるのではなく、多重化されたスケジュール型および非スケジュール型データの量は選択されたE−TFCサイズに一致するように設定されることになる。
【0039】
好ましくは、スケジュール型MAC−dフローから多重化されることが許されたデータの量だけが、選択されたE−TFCサイズに、より密接に一致するように増加されまたは減少される。任意選択で、MAC−e PDU多重化のための最大可能なペイロードが、選択されたE−TFCのサイズに設定される。多重化の前に、多重化されたスケジュール型および/または非スケジュール型データの最適量を事前に判定するための他の操作シーケンスも可能である。
【0040】
図10Bを参照すると、次いで、MAC−dフローが、サポートされた最大のE−TFCサイズ、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許されたデータ量に達するまで、あるいはMAC−dフロー上の送信に使用可能なすべてデータが多重化されるまで、優先度の順でMAC−e PDUに多重化される。ステップ1050で、残りの総ペイロードは、最大可能なMAC−e PDUペイロードに設定され、残りのスケジュール型ペイロードは、多重化する最大のスケジュール型データに設定され、残りの非スケジュール型ペイロードは、多重化する最大の非スケジュール型データに設定される。
【0041】
「残りの総ペイロード」は、E−TFC制限(すなわちサポートされた最大のE−TFC)の結果として生じる最大可能なペイロードである。しかし、このパラメータは、ステップ1060で、多重化ループ内の多重化された各データブロックについて減少されることに留意されたい。最大E−TFCによって制限されるケースの場合、このパラメータによって、ステップ1065で、多重化ループから出ることになる。「残りのスケジュール型ペイロード」および「残りの非スケジュール型ペイロード」は、そのタイプのデータについて多重化することが許された最大値に最初に設定される残りのスケジュール型および非スケジュール型データである。次いで、これらのパラメータは、そのタイプのデータが多重化されるごとに減少される。これらのパラメータによって、許可に、より制限されるケースについても、ステップ1065で多重化ループから出ることになる。使用可能な最優先データが、送信のために選択される。
【0042】
ステップ1055で、この優先度の各スケジュール型チャネルについて、最小量の残りの総ペイロード、残りのスケジュール型ペイロード、およびこのチャネル上の使用可能なデータが多重化される。残りの総ペイロード、および残りのスケジュール型ペイロードは、多重化されたデータの量だけ減少される。ステップ1060で、この優先度の各非スケジュール型チャネルについて、最小量の残りの総ペイロード、残りの非スケジュール型ペイロード、およびこのチャネル上の使用可能なデータが多重化される。残りの総ペイロード、および残りのスケジュール型ペイロードは、多重化されたデータの量だけ減少される。
【0043】
ステップ1065で残りの総ペイロードがゼロであり、または残りのスケジュール型ペイロードおよび残りの非スケジュール型ペイロードがゼロであり、または送信に使用可能なデータがもはや存在しないと判定される場合、多重化されるデータのサイズをサポートするできるだけ小さいE−TFCサイズが選択され、必要であれば、このサイズに一致するようにパディングがMAC−e PDUに追加される(ステップ1070)。そうでない場合は、ステップ1075で、送信に使用可能な次に低い優先度のデータが選択される。ステップ1075で次に低い優先度を選択するのではなく、サービスされていない最優先の論理チャネルを単に選択し、すべての論理チャネルがサービスされるまで多重化ループを継続することも可能であることに留意されたい。
【0044】
併せて考慮される図11Aおよび11Bに示される別の実施形態では、選択されたMAC−dフローの電力オフセットが識別される(ステップ1301)。電力オフセットを使用して、オフセットおよびE−DCHデータのために許された残りの電力に基づいてWTRUによって送信することができるサポートされた最大E−TFCなどのサポートされた最大ペイロードが識別される。これは、E−TFC制限手順と呼ばれることがある(ステップ1302)。変数「残りのペイロード」は最初、サポートされた最大ペイロードに設定される(ステップ1303)。スケジュール型許可に基づいて、変数「残りのスケジュール型ペイロード」が、スケジュール型許可および電力オフセットに従って送信することができる最大ペイロードにセットされる(ステップ1304)。非スケジュール型許可を有する各MAC−dフローについて、変数「残りの非スケジュール型ペイロード」が、許可の値に設定される(ステップ1305)。変数「非スケジュール型ペイロード」は、送信することができる非スケジュール型データの量であり、非サービング許可と、これらの非スケジュール型MAC−dフローのそれぞれについての使用可能データとの合計に基づく(ステップ1306)。
【0045】
「残りのペイロード」が、任意のMACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッドを含む「残りのスケジュール型ペイロード」、「残りの非スケジュール型ペイロード」によって送信することが許された使用可能データ量の合計より大きい場合は、その合計に基づいて、サポートされた次に小さいE−TFCが選択される(ステップ1307)。「残りのペイロード」が合計より大きくない場合は、サポートされた最大のE−TFCが、多重化されるデータの量を制限するために使用される。「スケジュール型ペイロード」がないケースでは、選択されたE−TFCは、「残りのペイロード」が合計より大きくないので、サポートされた最大のE−TFCである。これによって、E−TFCがこの転送を許さないように制限されない限り、すべての「非スケジュール型」ペイロードの転送が可能となる。
【0046】
サポートされた次に小さいE−TFCは、合計より多いデータを運ばないサポートされた最大のE−TFCである。換言すると、選択されたE−TFCは、サービング許可、非スケジュール型許可、電力オフセット、ならびにスケジューリング情報などの任意のMACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッドを含む使用可能なデータに基づく次に小さいE−TFCである。「残りのスケジュール型ペイロード」は、「量子化された合計」と呼ばれることもある選択されたE−TFCから、「非スケジュール型ペイロード」および任意のMACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッドを引いたサイズに設定される(ステップ1308)。「残りのスケジュール型ペイロード」をこのように設定することによって、スケジュール型データだけが量子化される。「非スケジュール型ペイロード」は、非スケジュール型許可に従って、選択されたE−TFCの内に保存される。その優先度に基づいて、それぞれの論理チャネルおよびその関連するMAC−dフローが、MAC−e/es PDUに多重化される(ステップ1309)。
【0047】
論理チャネルのMAC−dフローが非スケジュール型許可に適用される場合、MAC−e/es PDUは、この論理チャネルからのMAC−dフローデータで、最小量の「残りの非スケジュール型ペイロード」、「残りのペイロード」まで満たされるか、またはその論理チャネルを満たすための使用可能なMACーdフローデータで満たされる(ステップ1310)。MAC−e/es PDUを満たすために使用されたビットは、任意のMACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッドを考慮に入れて、「残りのペイロード」および「残りの非スケジュール型ペイロード」から引かれる。MAC−dフローがスケジュール型許可に適用される場合、MAC−e/es PDUは、この論理チャネルからのMAC−dフローデータで、最小量の「残りのスケジュール型ペイロード」、「残りのペイロード」まで満たされ、またはその論理チャネルに使用可能なMACーdフローデータで満たされる(ステップ1311)。MAC−e/es PDUを満たすために使用されるビットは、MACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッドを考慮に入れて、「残りのペイロード」および「残りのスケジュール型ペイロード」から引かれる(ステップ1312)。このプロセスは、すべての論理チャネルについて繰り返されるか、または「残りの非スケジュール型ペイロード」と「残りのスケジュール型ペイロード」の両方が使い果たされるまで、または「残りのペイロード」が使い果たされるまで、または送信に使用可能なデータがもはやなくなるまで繰り返される(ステップ1313)。スケジューリング情報などのMAC制御シグナリングオーバーヘッドがPDUに追加され、PDUは、選択されたE−TFCサイズにパディングされる(ステップ1314)。
【0048】
この手順によってUE動作は「決定論的」なものとなることができ、したがって、ノードBスケジューラは、どんなリソース許可がUEによって使用されるか正確に予測することができる。その結果、ノードBは、リソースをより効率的に割り当てることができる。第1に物理リソースがより効率的に使用され、第2にデータレートの向上が達成されるように調整された(量子化された)多重化データの量を有することが望ましい。これを遂行するには、許可によって制限されるケースでは、E−TFCが現在の許可に基づいて選択され、このペイロードサイズがMAC−e/es PDUの多重化の前に、許可によって許されたスケジュール型データの量を量子化するために使用されることが必要である。物理リソース使用の向上およびデータレートの増加は、E−TFC選択および多重化アルゴリズムを遂行することに、より達成される。
【0049】
図12は、EU多重化のための簡略化されたアーキテクチャを示すブロック図である。WTRU 1414で、様々な論理チャネル1402のためのMAC−dフロー1403が、MAC−d 1401によって、MAC−e/es 1404に提供される。E−TFC選択装置1405は、たとえば拡張型個別チャネル(E−DCH:enhanced dedicated channel)TTIベースで、EU伝送のためのE−TFCを選択する。E−TFC選択装置1405は、スケジュール型許可(SG)1406、非スケジュール型許可(NSG)1407、電力オフセット(PO)1408、MACヘッダ情報および制御シグナリングオーバーヘッド(MAC HEADER)1409、E−DCHにマップされたMAC−dフローのバッファ占有率1422、およびサポートされたE−TFC(またはE−TFC制限手順を実施するための残りのE−DCH電力)などの入力を受信する。また、リソース許可によって許された多重化されるデータの最大量を調整する「許可量子化」は、E−TFC選択1405とマルチプレクサ(MUX)1410の間で行うことができる。マルチプレクサ(MUX)1410は、選択されたE−TFCに、より密接に一致するように量子化されていた許可に従って、送信すべきMAC−dフロー1403を多重化する。MUX 1410は、MAC−dフロー1403を多重化し、ヘッダ情報1409を追加し、必要ならば、選択されたE−TFCサイズに一致するようにパディングを追加する。MUX 1410によって生成されたMAC−e PDU 1411、選択されたE−TFCおよび電力オフセットは、選択されたE−TFCを使用してE−DPCH(enhanced dedicated physical channel)1413を介して送信するために物理層装置(PHY:physical layer device)1412に提供される。
【0050】
基地局/ノードBおよび無線ネットワーク制御装置(RNC)1415上で、E−DPCH1413は、基地局/ノードB 1415のPHY 1416によって受信され処理される。PHY 1416によって生成されたMAC−e PDU 1417は、MAC−e/es 1420のデマルチプレクサ(DEMUX)1418によって、構成要素MAC−dフロー1419および論理チャネル1423に分離される。MAC−dフロー1419は、MAC−d 1421に引き渡される。
【0051】
併せて考慮される図13Aおよび13Bは、データの多重化を実施する間、多重化されたスケジュール型および/または非スケジュール型データの量が次に高いまたは低いE−TFCサイズに、より密接に一致するように調整される、多重化手順1100のフローチャートである。図10B内に示される優先多重化ループの順序内で、多重化するデータの量が許可によって制限される場合は、多重化するデータ量は、許可の合計によって多重化することが許されたデータ量による次に大きいまたは小さいE−TFCサイズに従って調整される。
【0052】
図13Aを参照すると、ステップ1105で、残りの総ペイロードが、最大可能なMAC−e PDUペイロードに設定され、残りのスケジュール型ペイロードが、多重化する最大のスケジュール型データに設定され、残りの非スケジュール型ペイロードが、多重化する最大の非スケジュール型データに設定される。
【0053】
ステップ1110で残りのスケジュール型ペイロードが残りの総ペイロードより少ない、または等しいと判断され、また任意選択で、残りの非スケジュール型ペイロードおよび非スケジュール型データがゼロより大きいと判断される場合(ステップ1115)、(MACヘッダオーバーヘッドを含む)既に多重化されているデータの量に残りのスケジュール型ペイロードを足した値に対して、次に小さいまたは大きいE−TFCサイズが選択される(ステップ1120)。残りのスケジュール型ペイロードは、選択されたE−TFCサイズから、(MACヘッダオーバーヘッドを含む)既に多重化されているデータ量を引いた値に等しい。
【0054】
ステップ1125で、この優先度の各スケジュール型チャネルについて、最小量の残りの総ペイロード、残りのスケジュール型ペイロードおよびこのチャネル上の使用可能なデータが多重化される。残りの総ペイロードおよび残りのスケジュール型ペイロードは、多重化されたデータの量だけ減少される。
【0055】
図13Bを参照すると、ステップ1130で、この優先度の各非スケジュール型チャネルについて、最小量の残りの総ペイロード、残りの非スケジュール型ペイロードおよびこのチャネル上の使用可能なデータが多重化される。残りの総ペイロードおよび残りのスケジュール型ペイロードは、多重化されたデータの量だけ減少される。
【0056】
ステップ1135で残りの総ペイロードがゼロであると判定される場合、または残りのスケジュール型ペイロードおよび非スケジュール型ペイロードがゼロであると判定される場合、または送信に使用可能なデータがもはやないと判定される場合は、多重化されたデータのサイズをサポートする、できるだけ小さいE−TFCサイズが選択され、必要ならば、このサイズに一致するようにパディングがMAC−e PDUに追加される。(ステップ1140)。そうでない場合は、ステップ1145で、送信に使用可能な次に低い優先度のデータが選択される。ステップ1145で次に低い優先度を選択するのではなく、サービスされていない最優先の論理チャネルを単に選択することも可能であることに留意されたい。
【0057】
図14は、別の実施形態による多重化手順1200のフローチャートである。許可によって制限されるケースでは、MAC−dフローデータは、各MAC−dフローに関連付けられたスケジュール型または非スケジュール型許可によって多重化することが許されたデータ量に達するまで、MAC−e PDUに多重化される。
【0058】
選択されたE−TFCサイズに一致するようにMAC−e PDUにパディングをする前に、多重化ブロックサイズ(MAC−d PDUサイズ)が、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許されたデータ量に対して次に大きいE−TFCサイズに一致させるのに必要なパディング量よりも小さい場合は、より多くのMAC−dフローデータが多重化される。追加の多重化に好ましくは、送信に使用可能な最優先のスケジュール型データだけが使用され、非スケジュール型の多重化データは、非スケジュール型許可によって制限されるままである。
【0059】
あるいは、多重化データは、多重化ブロックサイズ(MAC−d PDUサイズ)が次に高いE−TFCサイズへのパディングに必要な量より小さい場合は、スケジュール型許可および非スケジュール型許可によって許されたデータ量に対して次に低いE−TFCサイズをサポートするように減少される。任意選択で、E−TFCサイズを減少させるための多重化ブロックサイズ以外のパディング閾値を考慮することもでき、あるいはより大きいE−TFCといくらかの差だけ小さい、次に低いE−TFCサイズに一致させるのに必要なパディングが、E−TFCサイズ減少の基準として使用され得る。
【0060】
許可に従って多重化されたデータ量、および選択されたE−TFCに従って多重化することができるデータ量への言及では、MACヘッダ情報、およびMAC−e PDUのフォーマティングに必要な他の制御シグナリングオーバーヘッドを考慮に入れる。
【0061】
図14を参照すると、既に多重化されたデータ(MACヘッダオーバーヘッドを含む)のサイズをサポートするできるだけ小さいE−TFCサイズが選択される(ステップ1205)。残りのスケジュール型ペイロードおよび残りの非スケジュール型ペイロードがゼロに等しい場合(任意選択のステップ1210)、残りの総ペイロードは、選択されたE−TFCサイズから、既に多重化されたデータ(MACヘッダオーバーヘッドを含む)の量を引いた値に等しい(ステップ1215)。
【0062】
ステップ1220で、この優先度の各スケジュール型チャネルについて、残りの総ペイロードが各MAC−dフローの多重化ブロックサイズより大きい、または等しいと判断される場合は、最小量の残りの総ペイロードおよびこのチャネル上で使用可能なデータが多重化され、残りの総ペイロードおよび残りのスケジュール型ペイロードは、多重化されたデータ量だけ減少される(ステップ1225)。ステップ1230で、送信に使用可能な次に低い優先度のスケジュール型データが選択される。ステップ1235で、必要であれば、選択されたE−TFCのサイズに一致するようにパディングがMAC−e PDUに追加される。
【0063】
向上した多重化効率および無線リソース使用を達成するために、上記の諸実施形態の任意の組合せを適用することもできる。
【0064】
本発明の諸特徴および要素について、好ましい諸実施形態において特定の組合せで述べているが、それぞれの特徴または要素は、好ましい諸実施形態の他の特徴および要素なしに単独に使用してもよく、あるいは本発明の他の特徴および要素を伴うまたは伴わない様々な組合せで使用してもよい。
【0065】
<<実施形態>>
<第1のグループ>
量子化されたデータがより密接にブロックサイズに一致するようにデータを量子化することを含む方法。
【0066】
ブロックサイズはトランスポートブロックサイズである、上記いずれかの第1グループ実施形態に記載の方法。
【0067】
ブロックサイズは拡張アップリンクトランスポートブロックサイズ(E−TFC)である、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0068】
量子化されたデータはスケジュール型許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0069】
量子化されたデータは非スケジュール型許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0070】
量子化されたデータはサービング許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0071】
量子化されたデータはスケジュール型データである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0072】
量子化されたデータは非スケジュール型データである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0073】
データはメディアアクセス制御個別チャネル(MAC−d)フローである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0074】
データはパケットデータユニット(PDU)である、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0075】
データはメディアアクセス制御個別チャネル(MAC−d)パケットデータユニット(PDU)である、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0076】
量子化されたデータは電力オフセットに基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0077】
量子化されたデータはスケジューリング情報に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0078】
量子化されたデータはメディアアクセス制御ヘッダ情報に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0079】
ブロックサイズを選択するステップを含む上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0080】
トランスポートフォーマットの組合せ(TFC)に関連付けられたブロックサイズを選択するステップを含む上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0081】
拡張アップリンクトランスポートフォーマットコンビネーション(E−TFC)に関連付けられたブロックサイズを選択するステップを含む上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0082】
選択されたブロックサイズはスケジュール型許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0083】
選択されたブロックサイズは非スケジュール型許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0084】
選択されたブロックサイズはサービング許可に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0085】
選択されたブロックサイズはメディアアクセス制御ヘッダ情報に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0086】
選択されたブロックサイズはスケジューリング情報に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0087】
選択されたブロックサイズは電力オフセットに基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0088】
選択されたブロックサイズはバッファ占有率に基づく、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0089】
選択されたブロックサイズは複数のブロックサイズから選択され、その選択されたブロックサイズは次に小さいブロックサイズである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0090】
選択されたブロックサイズは複数のブロックサイズから選択され、その選択されたブロックサイズは次に大きいブロックサイズである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0091】
選択されたブロックサイズは複数のブロックサイズから選択され、その選択されたブロックサイズは、送信されるデータ量に基づいており、複数のブロックサイズのうち、そのデータ量を超えない最大のブロックサイズである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0092】
選択されたブロックサイズは複数のブロックサイズから選択され、その選択されたブロックサイズは、送信されるデータ量に基づいており、複数のブロックサイズのうち、そのデータ量を超える最小のブロックサイズである、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0093】
量子化されたデータにパディングが追加される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0094】
量子化されたデータが送信される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0095】
量子化されたデータは拡張個別チャネル上で送信される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0096】
符号分割多元接続エアインターフェースのために実施される上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0097】
周波数分割複信符号分割多元接続拡張アップリンク通信のために実施される上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0098】
無線送受信ユニットによって実施される上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0099】
ユーザ端末装置によって実施される上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0100】
量子化されたデータは基地局によって受信される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0101】
量子化されたデータはノードBによって受信される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0102】
量子化されたデータは無線ネットワーク制御装置によって受信される、上記いずれかの第1グループ実施形態の方法。
【0103】
<第2のグループ>
物理層を含む無線送受信ユニット(WTRU)。
【0104】
ユーザ端末装置である上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0105】
メディアアクセス制御個別チャネル(MAC−d)手段を含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0106】
多重化手段を含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0107】
多重化手段はメディアアクセス制御−個別チャネル(MAC−d)フローをメディアアクセス制御−拡張アップリンク(MAC−e)パケットデータユニット(PDU)に多重化する、上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0108】
e−TFC選択手段を含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0109】
複数のE−TFCからE−TFCを選択するe−TFC選択手段を含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0110】
MAC−e/esを含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0111】
MAC−e/esは多重化手段とE−TFC選択手段とを含む、上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0112】
物理層は送信用の拡張個別物理チャネルを生成する、上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0113】
基地局、ノードBまたはRNCを伴う実施形態を除く第1グループ実施形態からの方法のステップを実施する上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0114】
基地局、ノードBまたはRNCを伴う実施形態を除く第1グループ実施形態からの方法のステップを実施する手段を含む上記いずれかの第2グループ実施形態のWTRU。
【0115】
<第3のグループ>
物理層を含む基盤コンポーネント。
【0116】
基地局を含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0117】
ノードBを含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0118】
ノードBとRNCとを含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0119】
分離手段を含む上記いずれかの第3グループの実施形態の基盤コンポーネント。
【0120】
拡張アップリンクメディアアクセス制御パケットデータユニットをメディアアクセス制御−個別チャネルフローに分離する分離手段を含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0121】
メディアアクセス制御−個別チャネル手段を含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0122】
メディアアクセス制御−個別チャネルフローを受信するメディアアクセス制御−個別チャネル手段を含む上記いずれかの第3グループの実施形態の基盤コンポーネント。
【0123】
物理層は拡張個別物理チャネルを受信する、上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。
【0124】
第1グループ実施形態によって生成された受信メディアアクセス制御拡張アップリンクパケットデータユニットを分離する分離手段を含む上記いずれかの第3グループ実施形態の基盤コンポーネント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信ユニット(WTRU)において実行される、拡張個別チャネル(E−DCH)に対するデータを多重化する方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つのサービング許可および少なくとも1つの非スケジュール型許可を受信するステップであって、前記少なくとも1つのサービング許可は、スケジュール型データ送信についての許可であり、前記少なくとも1つの非スケジュール型許可は、非スケジュール型データ送信についての許可である、ステップと、
サポートされる拡張個別チャネルトランスポートフォーマットコンビネーション(E−TFC)を判定するステップと、
拡張アップリンク媒体アクセス制御(MAC−e)プロトコルデータユニット(PDU)ペイロード量を判定するステップと、
論理チャネルについて、優先度に基づいて、前記論理チャネルに関連付けられる個別チャネルについての媒体アクセス制御(MAC−d)フローからのデータをMAC−e PDUに多重化するステップであって、前記MAC−e PDUペイロード量がサポートされるE−TFCサイズに等しくないことを条件として、MAC−dフローからのデータの減少量をMAC−e PDUに多重化し、前記MAC−dフローからのデータの減少量は、前記MAC−e PDUペイロード量に関連して次のより小さなE−TFCサイズに基づく、ステップと、
前記MAC−e PDUの送信のためのE−TFCを選択するステップであって、前記選択されるE−TFCは、前記MAC−e PDUをサポートする最小のE−TFCである、ステップと、
前記選択されるE−TFCに従って処理される前記MAC−e PDUを送信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サポートされるE−TFCは、残りのWTRU送信電力に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MAC−e PDUペイロード量は、
最大のサポートされるE−TFC、または
前記少なくとも1つのサービング許可および前記少なくとも1つの非スケジュール型許可に基づいて送信されることが許可されるデータの総量
の最小値に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記最大のサポートされるE−TFCは、電力オフセットに基づくことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電力オフセットは、最も高い優先度のデータが送信されることを許可するMAC−dフローの電力オフセットであることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−81253(P2013−81253A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−2013(P2013−2013)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2011−152013(P2011−152013)の分割
【原出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】