説明

拡張カードの固定保持装置

【課題】構造が簡単で、拡張カードを素早く、且つ容易に着脱することができる拡張カードの固定保持装置を提供する。
【解決手段】拡張カード200を筐体10に着脱可能に取り付けるために用いられ、且つ拡張カードに連結される位置決め片と、筐体に装着される取付部品40と、取付部品に回転可能に枢着されるロック部品と、を備える。取付部品は、固定部品43と、矩形を呈し、且つ対称に位置する2つの貫通孔415と、を含み、ロック部品は、押圧板61及び押圧板に連接される2つの係止片を含み、各係止片は、弾性アーム及び弾性アームの一端に位置する係止ブロック633を有し、位置決め片は、取付部品の固定部品に係合され、押圧板は、位置決め片に当接される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張カードの固定保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存のサーバーの拡張カード(Peripheral Card)は、サーバーのメインボードのスロットに着脱可能に取り付けられる。しかし、前記サーバーを移動させる際、該拡張カードとスロットとの接続が弱まることで拡張カードが脱落し、損傷する恐れがある。従って、前記拡張カードを前記サーバーに強固に固定しなければならない。
【0003】
従来の拡張カードは、サーバーのメインボードに接続される基板と、接続ポートを有し、且つほぼ「L」字形を呈する金属部と、を備える。前記拡張カードを前記メインボードのスロット内に挿入した後、複数の螺子を介して、前記金属部を前記サーバーの筐体の裏板に固定する。これにより、前記拡張カードを強固に固定することができる。しかし、このような固定方法は、螺子等の固定部材を使用しなければならないので、着脱工程が繁雑であり、時間及び労力を費やす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、構造が簡単で、拡張カードを素早く、且つ容易に着脱することができる拡張カードの固定保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る拡張カードの固定保持装置は、拡張カードを筐体に着脱可能に組付けるために用いられ、且つ前記拡張カードに連結される位置決め片と、前記筐体にスライド可能に装着される取付部品と、前記取付部品に回転可能に枢着されるロック部品と、を備える。前記取付部品は、固定部品と、矩形を呈し、且つ対称に位置する2つの貫通孔と、を含み、前記ロック部品は、押圧板及び前記押圧板に連接される2つの係止片を含み、各係止片は、弾性アーム及び前記弾性アームの一端に位置する係止ブロックをそれぞれ有し、前記位置決め片は、前記取付部品の前記固定部品に係合され、前記押圧板は、前記位置決め片に当接され、2つの前記係止片の前記係止ブロックが前記貫通孔内にそれぞれ係合されることによって、前記拡張カードが前記筐体に装着固定され、前記弾性アームを押圧して、前記係止ブロックを前記貫通孔から離脱させた後、前記押圧板を前記取付部品に対して回転させて、前記位置決め片と前記固定部品との係合を解除させることで、前記拡張カードが前記筐体から取り外される。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と比較して、本発明の拡張カードの固定保持装置は、取付部品及びロック部品を備え、前記ロック部品を前記取付部品に対して回転した後、拡張カードの固定片を前記取付部品に係止するか或いは前記取付部品から離脱させることによって、前記拡張カードのサーバー等に対して、着脱が可能である。従って、本発明の拡張カードの固定保持装置は、構造が簡単で、操作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る拡張カードの固定保持装置の斜視図である。
【図2】図1に示した拡張カードの固定保持装置の分解図である。
【図3】図2に示した拡張カードの固定保持装置の一部を反対側から見た分解図である。
【図4】図2に示した拡張カードの固定保持装置の取付部品の拡大図である。
【図5】図1に示した拡張カードの固定保持装置を別の視点から見た図である。
【図6】図1に示した拡張カードの固定保持装置のロック部品がロック状態から解除された後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び図2に示したように、本発明の拡張カードの固定保持装置は、コンピュータにおけるサーバーの拡張ボード及びISDNボード等の固定に適用する。本実施形態において、前記拡張カードの固定保持装置は、メインボード210に連接され、複数の拡張カード200を前記サーバーの筐体10に固定するために用いられる。前記拡張カード200の固定保持装置は、複数の固定片20と、1つの取付部品40及び1つのロック部品60と、を備える。
【0009】
図3を併せて参照すると、前記筐体10は、底板11と、前記底板11の一端に設けられた端壁12と、前記端壁12の上方に設けられたカバーボード(図示せず)と、を備える。前記底板11上には、前記メインボード210を装着するためのスロット111が設けられている。また、前記端壁12には、少なくとも1つの切欠き部13が形成されている。前記端壁12における前記切欠き部13の2つの側縁には、2つの支持板14が、前記端壁12から筐体10の内側に向かって延伸し、且つ対称的に設けられている。また、前記1つの当止板15は、端壁12における前記切欠き部13の底縁から前記底板11に対して平行に延在する。また、端壁12のうち一方の支持板14の近傍には、端壁12の上部から底板11に向けて延在するスライド溝16が設けられている。すなわち、スライド溝16は、端壁12のうち、一方の支持板14における切欠き部13に臨む一面とは反対側の面の近傍に設けられている。
【0010】
各々の前記固定片20は、略「L」字形を呈し、連接片21と、前記連接片21の延在方向一端部から垂直に折り曲げられて形成された位置決め片22と、を含む。前記連接片21は、前記拡張カード200の一つの側面に連接される。また、前記位置決め片22には、第一ノッチ23及び第二ノッチ24がそれぞれ設けられている。前記第一ノッチ23は、前記位置決め片22の側辺を開口して形成され、且つその開口方向は前記拡張カード200の厚さ方向に対して平行である、すなわち、下方向である。前記第二ノッチ24は、前記位置決め片22の末端を開口して形成され、且つその開口方向は前記拡張カード200の長手方向に対して平行である、すなわち端壁12に向く方向である。
【0011】
図4を共に参照すると、前記取付部品40は、主体部41と、スライド板42と、複数の固定部品43及び複数の第一枢着部44と、を備える。前記主体部41は、骨組み410と、前記骨組み410の両端に対してそれぞれ垂直に連接する側板411及び前記骨組み410の底辺から垂直に延在する載置板412と、を備える。前記載置板412の側縁には、互いに離間する2つの係止フック414が、前記載置板412に対して垂直に、且つ下方へ突設している。前記載置板412と2つの前記側板411との間には、空隙部416がそれぞれ形成されている。前記スライド板42は、一方の前記側板411の末端から前記主体部41の外側へ折り曲げられて形成される。また、複数の前記固定部品43は、他方の前記側板411の外面(一方の側板411から離れる表面)にそれぞれ設けられる。各々の前記固定部品43は、前記位置決め片22の前記第一ノッチ23に対応する第一突起431及び前記第二ノッチ24に対応する第二突起432をそれぞれ有する。
【0012】
前記側板411の前記固定部品43が突設された表面には、複数の開口部が設けられた取付フレーム413が設けられている。該取付フレーム413の1つの長辺と、前記取付フレーム413の上方及び下方に対向して設けられた板片417の各々の1つの側辺と、が、前記側板411の3つの側辺に連接されている。また、2つの前記板片417には、矩形を呈する1つの貫通孔415がそれぞれ設けられており、該貫通孔415の位置は上下対称である。複数の前記第一枢着部44それぞれは、C字状に開口する筒状に湾曲されて、中空部441を形成しており、前記取付フレーム413の側辺に沿って上下方向に一定の間隔をあけて設けられる。
【0013】
前記ロック部品60は、「L」字状の板体であり、且つ押圧板61と、連接板62及び互いに対向して設けられた2つの係止片63と、を備える。前記押圧板61と前記連接板62とは、互いに垂直に連接される。前記押圧板61における前記連接板62から離れる面は、押圧面611を備え、該押圧面611には、さらに、複数の収容開口612が設けられている。また、前記連接板62には、複数の貫通開口622が設けられ、該連接板62における各々の貫通開口622の前記押圧板61から離れる一端には、略弧状に湾曲された第二枢着部624が設けられている。2つの前記係止片63は、連接部631と、弾性アーム632及び係止ブロック633と、をそれぞれ備える。2つの前記連接部631は、前記押圧板61の両端から前記連接板62と同じ延在方向に沿ってそれぞれ延伸する。前記弾性アーム632は、前記連接部631の末端から、互いに対向するように垂直にそれぞれ延伸し、且つその自由端は略弧状に湾曲する。また、前記係止ブロック633は、前記連接部631の末端で、前記弾性アーム632の延在方向と相反する方向に向かって突出する。
【0014】
以下、図1ないし図5を参照しながら、本発明の拡張カードの固定保持装置を用いて、前記拡張カード200を前記サーバーの筐体10に固定する場合のステップについて詳細に説明する。
【0015】
先ず、前記ロック部品60の複数の前記第二枢着部624を、前記取付部品40の複数の前記第一枢着部44の前記中空部441内にそれぞれ挿入する。次いで、前記拡張カード200の前記固定片20と前記主体部41とを位置合わせした後、各々の前記固定部品43の前記第一突起431及び前記第二突起432を、各々の前記位置決め片22の前記第一ノッチ23及び前記第二ノッチ24内に係合することにより、前記固定片20の前記取付部品40に対する横方向及び縦方向の移動を制限する。
【0016】
次に、前記第二枢着部624を回転軸として、前記押圧板61を前記取付部品40に対して回転させる。次いで、前記固定部品43を前記収容開口612内に収納させ、且つ前記押圧面611を前記位置決め片22に当接させて、前記ロック部品60を前記取付部品40の前記取付フレーム413内に装着する。この際、2つの前記係止片63の前記係止ブロック633は、前記取付フレーム413の2つの前記貫通孔415内にそれぞれ係合される。この時、前記位置決め片22は、前記押圧板61及び前記側板411により挟持されるので、前記取付部品40から離脱しない。
【0017】
次に、前記拡張カード200が固定された前記取付部品40を、サーバーの前記筐体10に取り付ける。具体的には、前記取付部品40の前記主体部41を、前記端壁12の前記切欠き部13に対応させて設置した後、前記切欠き部13の両側の前記支持板14を、前記主体部41の両端の前記空隙部416内にそれぞれ挿入し、同時に、1つの前記スライド板42を前記支持板14に隣接する前記スライド溝16内にスライドさせ、且つ2つの前記係止フック414を前記切欠き部13の底辺の前記端壁12に係止させる。この際、前記載置板412は前記当止板15の上面に当接され、前記メインボード210は前記筐体10の前記スロット111内に挿入される。これにより、前記拡張カード200は、前記筐体10に固定挟持される。
【0018】
最後に、カバーボード(図示せず)を前記筐体10の前記端壁12の上端に被覆させ、且つ位置決めピン等を介して、前記端壁12に固定する。これにより、前記取付部品40が前記筐体10の内部から離脱することを、効果的に防止することができる。
【0019】
図6に示したように、前記拡張カード200を取り替える場合は、2つの前記係止片63の前記弾性アーム632を上方及び下方から同時に押圧することによって、前記連接部631を弾性変形させて、前記係止ブロック633を連動させ、該係止ブロック633を前記貫通孔415から離脱させる。次いで、前記ロック部品60の前記押圧板61を前記固定片20に対して離れる方向に回転させた後、前記第一ノッチ23及び前記第二ノッチ24と、前記取付部品40の前記第一突起431及び前記第二突起432と、の係合を解除させる。以上により、前記拡張カード200を前記メインボード210から取り外すことができる。
【0020】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0021】
10 筐体
11 底板
12 端壁
13 切欠き部
14 支持板
15 当止板
16 スライド溝
20 固定片
21 連接片
22 位置決め片
23 第一ノッチ
24 第二ノッチ
40 取付部品
41 主体部
42 スライド板
43 固定部品
44 第一枢着部
60 ロック部品
61 押圧板
62 連接板
63 係止片
111 スロット
200 拡張カード
210 メインボード
410 骨組み
411 側板
412 載置板
413 取付フレーム
414 係止フック
415 貫通孔
416 空隙部
417 板片
431 第一突起
432 第二突起
441 中空部
611 押圧面
612 収容開口
622 貫通開口
624 第二枢着部
631 連接部
632 弾性アーム
633 係止ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張カードを筐体に着脱可能に取り付けるために用いられ、且つ前記拡張カードに連結される位置決め片と、前記筐体に装着される取付部品と、前記取付部品に回転可能に枢着されるロック部品と、を備える拡張カードの固定保持装置であって、
前記取付部品は、固定部品と、矩形を呈し、且つ対称に位置する2つの貫通孔と、を含み、前記ロック部品は、押圧板及び前記押圧板に連接される2つの係止片を含み、各係止片は、弾性アーム及び前記弾性アームの一端に位置する係止ブロックをそれぞれ有し、前記位置決め片は、前記取付部品の前記固定部品に係合され、前記押圧板は、前記位置決め片に当接され、
2つの前記係止片の前記係止ブロックが前記貫通孔内にそれぞれ係合されることによって、前記拡張カードが前記筐体に装着固定され、
前記弾性アームを押圧して、前記係止ブロックを前記貫通孔から離脱させた後、前記押圧板を前記取付部品に対して回転させて、前記位置決め片と前記固定部品との係合を解除させることで、前記拡張カードが前記筐体から取り外されることを特徴とする拡張カードの固定保持装置。
【請求項2】
前記位置決め片において隣接する2つの側辺には、第一ノッチ及び第二ノッチがそれぞれ設けられ、前記第一ノッチの開口方向と前記第二ノッチの開口方向は、互いに垂直であることを特徴とする請求項1に記載の拡張カードの固定保持装置。
【請求項3】
前記固定部品は、前記第一ノッチに係合される第一突起及び前記第二ノッチに係合される第二突起を備え、前記押圧板には、複数の収容開口が設けられ、前記押圧板が前記位置決め片に当接された後、前記第一突起及び前記第二突起が、前記収容開口内に収納されることを特徴とする請求項2に記載の拡張カードの固定保持装置。
【請求項4】
前記取付部品は、骨組みと、前記骨組みの両端に垂直に連接される2つの側板と、前記骨組みの底辺から垂直に延在する載置板と、を備え、
前記固定部品は、一方の前記側板の外面に設けられ、前記側板の固定部品が突設された表面には、前記側板の3つの側辺に対して垂直に連接される取付フレームが設けられ、2つの前記貫通孔は、前記取付フレームの上方及び下方に、互いに対向して設けられた2つの板片に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の拡張カードの固定保持装置。
【請求項5】
前記取付部品は、前記取付フレームの側辺に一定の間隔をあけて設けられ、且つ筒状に湾曲された第一枢着部を備え、前記ロック部品は、前記押圧板に対して垂直に連接される連接板を備え、
前記連接板の前記押圧板から離れる一端には、弧状に湾曲された第二枢着部が設けられ、前記第二枢着部は、前記第一枢着部内に回転可能に挿入され、前記押圧板は、前記第二枢着部を回転軸として、前記取付部品に対して回転することを特徴とする請求項4に記載の拡張カードの固定保持装置。
【請求項6】
固定部品が突設された前記側板に対向する他方の側板の末端は、前記取付部品の外側へ折り曲げられたスライド板を有し、前記載置板と2つの前記側板との間には、空隙部がそれぞれ形成され、前記筐体の端壁には、切欠き部が設けられ、前記切欠き部の両側には、2つの支持板が対称的に設けられ、前記端壁には、一方の前記支持板に隣接して前記スライド板をスライドさせるためのスライド溝が設けられ、前記取付部品は、2つの前記支持板を前記空隙部内にそれぞれ挿入するために、前記筐体の切欠き部に対応して装着されることを特徴とする請求項4または5に記載の拡張カードの固定保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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