説明

拡散赤外光線を利用したイメージング・システム

【課題】拡散赤外光線を利用した、皮下脂肪下血管のイメージング・システムの提供。
【解決手段】イメージング・システムは赤外光線で組織を照明することで、皮下血管の視認性を向上させ、反射された赤外光線に基づいて体組織および皮下血管のビデオ・イメージを作製する。本システムには、赤外光線を発生させる赤外光線源および赤外光線を拡散するための構造体が含まれている。拡散構造体には、光を拡散させる拡散素材から成る層が、一つもしくはそれ以上含まれている。システムには、更に、体組織から反射された赤外光線を受光し、反射された赤外光線に基づいて体組織のビデオ・イメージを作製するビデオ・イメージング・デバイスが含まれている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に拡散赤外光線の発生に関する。更に詳しく述べると、本発明は、拡散赤外光線で対象物体を照らし、反射された赤外光線に基づいて対象物体のビデオ・イメージを作製する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医学的処置および治療によっては、医療従事者が、患者の腕あるいは他の外肢中の血管の位置を特定しなければならないような場合がある。これは特に、皮下脂肪の奥深くに血管が位置している場合、困難な作業である。このような場合、そういった血管を見つけるように設計された以前のイメージング・システムでは十分でなかった。
【0003】
よって、皮下血管と周囲の組織との間の視覚的コントラストを高めるようなシステムが必要とされている。
【特許文献1】米国出願特許 10/386249
【特許文献2】米国特許 5969754
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような、そして他の理由から、患者のような対象物体に拡散光を当て、皮下血管の視認性を高めるような装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態において、装置は光放射源を含んでいる。各光放射源は、対象物体に向かって進行する波長を有する赤外光線を放射することが出来る。電源はアレイに対して電力を提供し、電源(power source)が与えられると、アレイは赤外光線を放射することが出来る。装置は、更に、一つ以上の拡散段階(diffusion stage)を有する拡散構造体を含んでいる。各拡散段階は、アレイから放射された赤外光線に対して、光が拡散構造体を通過する際に、拡散のレベルを規定する。
【0006】
他の実施形態において、装置は対象物体に対して拡散光を提供する、というように開示されている。装置は光放射源のアレイを含んでおり、各光源は、対象物体に向かって進行する波長を有する赤外光線を放射する。電源は、アレイに対して電力を提供する。装置は、更に、アレイから放射された赤外光線に対して様々な拡散のレベルを規定するような拡散構造体を含んでいる。拡散構造体は、アレイに隣接して配置された第一拡散層を含んでいる。第一拡散層は、アレイによって放射された光に対して、拡散の第一レベルを規定する。第二拡散層は、第一拡散層とは間隔を置いて配置されており、アレイによって放射された光に対して拡散の第二レベルを規定する。偏光子も含まれており、アレイによって放射された光を偏光する。
【0007】
また別の実施形態において、対象物体に対して拡散光を提供する装置が開示されている。装置は、対象物体に向かって進行する赤外光線を放射する光源を含んでいる。第一拡散面を有する第一拡散層は、光源からの光を遮り、光源によって放射された赤外光線に対して拡散の第一量を規定する。装置は、対象物体から反射された光を受光するビデオ・イメージング・デバイスを含んでいる。ビデオ・イメージング・デバイスは、反射光に基づいて、対象物体のビデオ・イメージを作製することが出来る。
【0008】
更に別の実施形態では、対象物体に対して拡散光を提供する装置が開示されている。ライト・エミッティング・ダイオード(LED)のグループが、セレクト・パターンに配置され、LED面を確定している。各LEDは、対象物体に向かって進行する赤外光線を放射する放射面、およびLEDに対して電気的信号を提供する電気的入力を有している。装置は、制御回路を含んでおり、LEDの選択されたグループ内にある一つもしくはそれ以上のLEDを活性化する制御信号を提供する。拡散構造体は、一つもしくはそれ以上のLEDから放射された赤外光線を遮り、そして拡散するように配置されている。
【発明の効果】
【0009】
ここで述べられている発明を利用することで、白色光もしくは非拡散赤外光の下では観察するのが困難であった若しくは不可能であった皮下血管を、容易に、ビデオ・イメージとして観察することができ、皮下血管は、明るい背景である周囲の組織(flesh)に対して、より暗い線として映し出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
皮膚およびその他の体組織のいくつかは、波長がおよそ700〜900nmの近赤外領域における赤外光線を反射するが、一方で、血液はこの領域の放射を吸収する。このように、赤外光線照明下で得られた体組織のビデオ・イメージでは、血管は周辺組織の明るい背景に対して、暗い線として現れる。しかし、皮下脂肪の反射特性のために、直接照明つまり殆んど一方向から到達する光で照明しても、そういった分厚い脂肪下に存在する血管を観察するのは、困難である若しくは不可能である。
【0011】
発明者が気付いたことは、分厚い皮下脂肪を有する体組織領域を、高拡散赤外光線の照明下で、近赤外領域の光でイメージングすると、赤外光線の直接照明下で組織を観察したときよりも、血管と周辺組織のコントラストが高くなる、ということである。本発明は、実施の特別な原理によって制限されるべきではないが、皮下脂肪によって反射された拡散赤外光線の多くは、観察方向から逸れてしまうようである。このように、高拡散赤外光線で組織を照明すると、血管と周辺組織間の視覚的コントラストが希望通りに得られる。
【0012】
図1に示されているのは、イメージング・システム2であって、前記イメージング・システムは、高拡散赤外光線を用いて体組織などの対象物体32を照明し、対象物体32から反射された赤外光線に基づいて、対象物体32のビデオ・イメージを作製する。ここで詳細に述べるように、対象物体32が体組織である場合、分厚い皮下脂肪に覆われた組織中に存在する血管を、システム2によって作製されたビデオ・イメージにおいて明確に確認することが出来る。
【0013】
イメージング・システム2は、照明装置10を含んでおり、前記照明装置は、赤外光線を用いて、多数の異なった方向から対象物体32を照明する。装置10は、多数の赤外光線供給器10a‐10fを含んでおり、それぞれが異なった照明方向から対象物体32に対して赤外光線を提供している。各光供給器10a‐10fからの赤外光線の到達方向は、図1の光線4a‐4fで表されている。図1に示されているように、赤外光線の到達方向は、対象物体32の表面に対して垂直もしくはほぼ垂直から、対象物体32の表面に対して平行もしくはほぼ平行の範囲内である。赤外照明は非常に広い照明方向に渡って対象物体32に到達してくるため、赤外照明は非常に拡散している。
【0014】
後により詳細に述べるように、光供給器10a‐10fは、好適には対象物体32に向かって単一光源から光を放つような光反射面である。他の実施形態では、光供給器10a‐10fは、個別の光源であるか、若しくは光源と反射板の組み合わせである。
【0015】
イメージング・システムは、また、ビデオカメラなどのイメージング・デバイス38を含んでおり、対象物体32を観察することが出来る。イメージング・デバイス38は、図1に矢印6によって示されている観察方向から対象物体32を観察できる。イメージング・デバイス38は、対象物体32から反射された拡散赤外光線を受光し、反射された赤外光線に基づいて対象物体32の電気的ビデオ・イメージを作製する。
【0016】
図2aおよび図2bには、照明装置10の好適な実施例が示されている。図3には、図2aおよび図2bで示されている断面A−Aに於ける装置10の断面図を示している。装置10は、好適には光源12を含んでおり、前記光源は、光拡散構造体14の一端に光を放射する。光拡散構造体14は、反射性の内面を有する細長い外囲い部16を含んでいる。好適には、細長い外囲い部16の内面は白色である。または、前記反射面は、鏡面もしくは白色と鏡面の組み合わせである。光源12に対向した光拡散構造体14の端部は、中空の光誘導路部22である。以下により詳細に述べるように、光誘導路部22は、拡散光に対して出力開口部として作用する。
【0017】
細長い外囲い部16には第一区画および第二区画、16aおよび16bがあり、それぞれ大端部と小端部を有する。好適には、第一区画および第二区画、16aおよび16bはほぼピラミッド型をしており、それぞれが4つの台形面を有している。好適な実施形態では、区画16aおよび16bの4つの台形面は同一で、区画16aおよび16bの各端部は、正方形型の開口部を形成している。図2aおよび図2に示しているように、第一および第二区画、16aおよび16bの大端部は、結合して囲い部16を形成している。
【0018】
第一区画16aの小端部は、入力開口部18であり、区画16aの4つの台形面の4つの短辺で形成されている。光源12は、好適には、入力開口部18で第一区画16aの小端部に結合している。このように、光源12によって生成された光は、入力開口部18で細長い囲い部16に入り、そして囲い部16の内面を照明する。
【0019】
第二区画16bの小端部は、区画16bの4つの台形面の4つの短側部で形成される出力開口部20である。出力開口部20は、中空の光誘導路部22の一端と結合している。光誘導路部22は、好適には、囲い部16の内面と同様に、白色の反射性内面を有している。
【0020】
装置10も、また、細長い内部反射装置部24を有しており、前記反射板は、外囲い部16の内部に配置されており、好適には、外囲い部16と同軸を有している。明確なのは、図2bに示されているように、内部反射装置部24は外囲い部16から離れて設置されている、ということである。好適な実施形態において、内部反射装置部24は、方形管状部24aから形成されており、前記方形管状部は、ピラミッド型部24bの方形底面部に結合している。好適には、ピラミッド型部24bは、先端に向かって先細りしている4つの側部を有している。図3に示しているように、ピラミッド型部24bの先端は、外囲い部16の入力開口部18の近傍に位置している。内部反射装置部24の外面は、外囲い部16の内面と同様に、反射性のある白色になっている。
【0021】
構造体14の光拡散特性は、図3を参照すると最もよく理解できる。光源12の内部にはランプ26が在り、前記ランプは、ギルウェイ(Gilway)製のクォーツ‐ハロゲン・バルブおよび金板反射板で出来ており、部品番号はL517A‐Gである。電圧を加えると、白色光のように電磁放射を発生する。
【0022】
本明細書の目的として、ランプ26は、例示的な光線28および30に示されるような、多方向に光を放射する点光源と考えても良い。図3に示されているように、光線28は、外囲い部16の区画16bの内面から反射してくる。光線28は、それから、出力開口部20から出力され、光誘導路部22に入り、そして、光誘導路部22の内面から何度も反射された後、出口開口部23から放射される。光線28とは異なった角度で光源12から放射された光線30は、内部反射装置部24で反射される。光線30は、それから、外囲い部16の区画16bの内面で反射され、そして、出力開口部20から出力され、光誘導路部22に入る。光誘導路部22の内面で何度も反射された後、光線30も又、出口開口部23から放射されるが、光線28とは異なった角度で放射される。
【0023】
対象物体32が出口開口部23近辺に置かれると、光線28および30は異なった角度から対象物体32に到達する。光源12から放射された光は、内部反射装置部24および外囲い部16の内面に達し、様々な角度で反射される無数の光線として表されるのは明らかである。このように、出口開口部23から放射された光は、様々な角度から対象物体32に達するので、非常に拡散された光となる。これらの光線の到達角度は、出口開口部23の水平面に対して、ほぼ直角からほぼ平行の範囲内にある。拡散構造体14は三次元構造体なので、図3に示された面に対して直角であるように、外囲い部16および内部反射装置部24の他の面から反射される光も存在することは明らかである。それ故、照明装置10の出口開口部23で放射された光は非常に拡散されており、あたかもいくつもの異なった光源から生成されたかのようである。
【0024】
外囲い部16の反射内面および内部反射装置部24の反射外面の配置により、拡散構造体14は、ランプ26から放射された光を効率的に出口開口部23に移動させることが出来る。このようにランプ26によって提供された光の大部分は対象物体32に到達し、無駄になる光エネルギーは殆んど存在しない。
【0025】
以下により詳細に説明するように、照明装置10は、医療用イメージング目的の拡散光を提供するのにも用いることが出来る。しかし、本発明の範囲は医療目的の使用のみに制限されるものではないことを明らかにしておきたい。装置10は、一般的な写真技術に対しても、拡散光源として使用することが可能である。
【0026】
本発明の好適な実施形態に於いて、図3に示しているように、光源12には、ランプ26と外囲い部16の入力開口部18の間に冷却ミラー34が設置されている。冷却ミラー34は、選択された赤外領域外の波長を有するほぼ全ての光を反射する。好適には、選択された波長領域は、およそ700〜1000nmである。冷却ミラー34と入力開口部18の間で、冷却ミラー34のすぐ近傍に設置された赤外光線透過フィルタ36は、選択された赤外領域内の波長を有する光を透過する一方で、選択領域外の波長を有する光を更に減衰させる。このように、冷却ミラー34とフィルタ36を透過して外囲い部16に達する光は、選択された赤外領域内の波長を有する赤外光線である。
【0027】
光源12が赤外光線を生成するように配列する方法が他にも在る、ということを明らかにしておかなければならない。例えば、光源12は赤外ライト・エミッティング・ダイオード(LED)もしくは赤外LEDのアレイで構成されても良い。このように、図3に示されたまたは上で述べられた光源12の構成は、単に好適な実施形態の一つであり、本発明は、光源12の如何なる特別な構成に対しても制限を与えるものではない。
【0028】
図4は、照明装置10の好適な実施形態の寸法を示している。図4に示しているように、光拡散構造体14の全体長さは、およそ34.82インチである。外囲い部16の第一および第二区画、16aおよび16bの接合部での高さおよび幅は、10.04インチである。光誘導路部22の好適な長さは、およそ14.00インチであり、そしてその高さおよび幅は、およそ5.08インチである。好適には、内部反射装置部24の全体長さは、およそ15.86インチである。内部反射装置部24の管状部24aの好適な長さは、およそ7.93インチである。管状部24aの高さおよび幅は、およそ3.5インチである。光源12の高さおよび幅は、およそ2.11インチである。
【0029】
図4に示されているように、本発明の好適な実施形態には、ビデオ・イメージング・デバイス38と連結されて、対象物体32から反射された拡散光に基づいて対象物体32のビデオ・イメージを作製するためのレンズ40が含まれている。好適には、本実施形態のイメージング・デバイス38は、コフ(Cohu)製のチャージ・カップルド・デバイス(CCD)ビデオカメラ38、モデルナンバー631520010000である。本好適な実施形態のレンズ40は、アンジェニックス(Angenieux)製の動画用カメラレンズ25mm、f‐0.95である。
【0030】
好適な実施形態のカメラ38とレンズ40は、内部反射装置部24の管状部24a内に設置されている。図4に示されているように、管状部24aの開口端はカメラ38とレンズ40が設置されている方向を向いた開口部を形成している。このように、中空の光誘導路部22は、カメラ38の視野のほぼ中央に位置している。このように、カメラ38は、対象物体32から反射された光を受光するが、前記反射された光は、光誘導路部22に入り、囲い部16を通り、そして管状部24aの開口部に入る。
【0031】
図4に示されているように、本発明の好適な実施形態には、管状部24aの開口端部に設置された赤外透過フィルタ42が含まれている。このフィルタ42は、対象物体32から反射された光および囲い部16に入ってしまうような光を受光し、およそ700〜1000nmの赤外領域外の波長を有する光をほぼ全て消し去ってしまう。好適な実施形態に於いて、フィルタ42は、およそ800〜850nmの選択された赤外領域外の波長を有する光を殆んど消し去ってしまう。このように、フィルタ42を通り、レンズ40に入る光は、選択された波長領域内の赤外光線である。それ故、カメラ38が受光する赤外光線は、照明装置10を起源とし、対象物体32で反射された光が主である。
【0032】
対象物体32から反射された光に基づいて、カメラ38は電気的ビデオ信号の形式で対象物体32のビデオ・イメージを作製する。図5に示されているように、ビデオ信号は、好適には、デジビジョン(DigiVision)製の基板、モデルナンバーICE‐3000のような画像強調基板44に送られる。基板44は、カメラ38からのビデオ信号に基づいてビデオ・イメージ信号を強調する。強調されたビデオ・イメージ信号は、ミロ(Miro)製モデル20‐TDLiveカードなどの、ビデオ・キャプチャーおよびディスプレイ・カード46に送られる。カード46は、デジタル記憶装置上にデジタル・フォーマット形式で保存されるイメージ信号からイメージを取り出す。カード46は、また、ビデオモニタ48上にリアルタイムでイメージを表示するようにビデオ・イメージ信号の書式を設定する。
【0033】
明確にしておかなければならないことは、照明装置10は、本発明に係る拡散赤外光線を生成するのに他の方法を利用しても良い、ということである。例えば、図1の光供給器10a‐10fはリング‐ライト・ストロボ・ライトを用いて実施しても良い。その他にも、LEDの環状アレイを用いて、対象物体32の表面近くに設置したプラスチック製の移送拡散器を照明しても良い。後者の実施形態では、光供給器10a‐10fは、アレイ内の各LEDに対応する。
【0034】
図6aおよび図6bに示されている本発明の他の実施形態に於いて、イメージング・システム2は、ビデオ・プロジェクタ50を含んでおり、対象物体32を照明することで対象物体32のイメージを用いて、対象物体32の明部と暗部の視覚的コントラストを高めることが出来るようになっている。CONTRAST ENHANCING ILLUMINATORと題された米国特許5969754で述べられているように、リファレンスとしてその内容をここに取り入れると、対象の特徴が観察者に対して視覚的に強調されるのは、対象の投影された可視光イメージの特徴と対応する対象の特徴とが重なり合った時である。重なり合った可視光イメージは、対象の明らかな特徴を映し出し、暗部はそのままで、特徴だけをより際立たせる。
【0035】
図6aおよび図6bに示されている本発明の実施形態は、対象物体32への拡散赤外光線(光線52で表されている)を、以前に述べたのと同じ方法で表している。しかし、図6aおよび図6bで示されている実施形態に於いて、照明光線の光路は折り重なっており、光誘導路部22の出口開口部23が、図1‐3で示されている出口開口部に対して90度回転している。
【0036】
図6bに示しているように、温熱ミラー54のようなビーム・セパレータは、光拡散構造体14の内部から出てくる赤外光線52を受光し、そして赤外光線52を光誘導路部22へと反射し、対象物体32に向かう。温熱ミラー54もまた、対象物体32の赤外光線イメージ(光線56で表されている)を受光し、カメラ38の方へ反射する。温熱ミラー54は、プロジェクタ50由来の可視光イメージ(光線58で表されている)を受光し、光誘導路部22へと移送し、対象物体32へと向かう。
【0037】
米国特許5969754でより詳細に説明されているように、ビデオカメラ38からのビデオ出力信号は、プロジェクタ50へのビデオ入力信号として提供される。ビデオ入力信号に基づいて、プロジェクタ50は、対象物体32の可視光イメージ58を温熱ミラー54に対して投影する。温熱ミラー54は可視光イメージ58を受け取り、対象物体32へ向かうように光誘導路部22へと移送する。カメラ38によって検知された対象物体32の赤外光線イメージ56を用いて、プロジェクタ50由来の投影された可視光イメージ58を適切に調節することで、投影された可視光イメージ58に於ける特徴は、対象物体32の対応した特徴と重なり合うようになる。
【0038】
対象物体32が体組織で、本発明が体組織中の皮下血管を見つけるために用いられた場合、血管は投影された可視光イメージ58内に暗い線として現れる。このように、可視光イメージ58が体組織上に投影された場合、皮下血管は投影された可視光イメージ58中の暗線の直下に存在する。このようにして、本発明により、患者にさほど不快感を抱かせずに、医療従事者は皮下血管を発見することが出来るようになる。
【0039】
図7aおよび図7bは、本発明をコントラスト向上照明器として用いた場合の他の実施形態を示している。図7a‐図7bの実施形態は、図6aおよび図6bの実施形態と同じような方法で実施されている。しかし、図7a‐図7bの実施形態では、カメラ38は光拡散構造体14の外側に設置されている。カメラ38を異なった位置に設置するために、図7a‐図7bでは温熱ミラー54を図6a‐図6bでの位置に対して、時計の回転方向に90度回転して設置している。そうしないと、温熱ミラー54は先に述べた図6a‐図6bと同じ機能しか果たさない。また、カメラを異なった位置に設置するために、赤外光線透過フィルタ42は光誘導路部22の壁内に設置されている。反射パネル60は、本実施形態で示されるように、光源12からの光を更に光誘導路部22に導き、出口開口部23へと向かわせる。好適には、パネル60は、対象物体32、カメラ38およびプロジェクタ50の間に光が通り抜けることが出来るような開口部を一つ有した平坦な反射シートである。
【0040】
比較的コンパクトで、非常に信頼性のあるイメージング・システム70の好適な実施形態が図8‐図11に示されている。イメージング・システム70は、体組織やそのような対象物体71を照明し、対象物体71で反射された赤外光線に基づいて対象物体71のビデオ・イメージを作製するのに最も好適な構成となっている。イメージング・システム70は、好適には、システム70のイメージングの主要点(imaging feature)を含有するハウジング72を含んでいる。
【0041】
図8に示されているように、ハウジング72は、好適には、ほぼ矩形である。ハウジング72は、好適には、長さがおよそ3〜5インチで、幅はおよそ3と1/2インチである。当業者によって明らかになるであろうことは、イメージング・システム70は様々な様態で構成され得るということ、そして本発明は、ここで述べられた特別な例や実施形態によって制限されるものでは無いということである。例えば、図8において、ハウジングはほぼ矩形であるように描写されているが、環状、多角形または他の形状でも良く、同様に大きさも適当に変化させて良い。
【0042】
レンズ75を有するビデオカメラ等のイメージング・デバイス74、およびビデオ・プロセシング・コンポーネントがハウジング72内に組み込まれている。イメージング・デバイス74およびビデオ・プロセシング・コンポーネントは、対象物体71由来の赤外光線を受光し、受光した赤外光線を加工処理する。イメージング・システム74は、ここで述べたように、対象物体71で反射され、受光された赤外光線に基づいて画像を作製する。図8および図9で示されているように、イメージング・デバイス74は、更に以下で説明するように、好適には、据付壁78の開口部76内に据え付けられ、ハウジング内装77内に延伸するレンズ75を有している。より具体的にいうと、カメラ74は、好適には、ハウジング72の中央に対称的に取り付けられている。カメラを対称的な位置に取り付けることによって、カメラが受光する光量が最も多くなり、システム70によって作製したイメージを強調することが出来、そのことによって、体組織中の皮下脂肪下に存在する血管を強調することが出来る。
【0043】
ハウジング72は、最も好適には、拡散光をシステム70から対象物体71へ移送する様々な構成要素を含有している。矢印80はシステム70によって移送された拡散光を表している。矢印82は対象物体71で反射された光を表している。図9に示されているように、図8の分断線A−Aに沿って矢印の方向を見てみると、壁78には多数の赤外ライト・エミッティング・ダイオード(LED)84がLEDアレイ85内に配置され、赤外光を放射するようになっている。LEDアレイ85は、レファレンス(reference)のLED面を確定している。電圧を加えると、各LED84は、好適には、波長およそ740nmの光を放射する。好適な実施形態では、各LED84は、オーストリアのロイスナー・レーザーテクニック(Roithner Lasertechnik)社製、モデルナンバーELD‐740‐524である。
【0044】
図10に示しているように、また好適な実施形態によれば、LED84は、壁78に隣接した回路基板86上に取り付けられている。図9に示しているように、最も好適なのは、イメージング・システム74に関して同心円状にLED84の8つのグループ92、94が配置されたものである。同心円状にLEDを配置すると、システム70からの拡散光の拡散と移送が最大になる。LED84の各グループ92,94が少なくとも10個のLED84を有するのが好ましい。しかし、システム70は、システム70の利用法に応じて、各グループ内のLEDの数を多くしたり少なくしたり出来る。さらに、システム70は、LEDアレイ85内のLEDのグループ数を多くしたり少なくしたりすることも出来る。
【0045】
続けて図9を参照すると、LED84の4つのグループ92が、LEDアレイ85のコーナー領域96に位置している。最も好適には、少なくとも15個のLED84がLEDアレイ85の各コーナー領域96に配置されている。好適には、LED84の4つのグループ94は、LEDアレイ85の横領域98に配置されている。各横領域98は、実質的にコーナー領域94の間に配置されている。最も好適には、少なくとも10個のLED84が、LEDアレイ85の各横領域98内に配置されている。
【0046】
上で述べたように、LEDアレイ85は、最も好適には、回路基板86上に配置されている。制御システム90と共に、回路基板86は制御基板を備えており、前記制御基板は、各グループもしくはLEDアレイ85内に存在するLED84のグループ92,94内の1つ若しくはそれ以上のLED84の活性をコントロールする。図11のブロック図に示しているように、マイクロプロセッサー或いは同様のコントロール・デバイスといった動力源88および制御システム90は、回路基板86と電気的に接続されている。明確なのは、制御システム90を使わなくてもLEDをコントロールすることが出来る、ということ、つまり、動力源88のスイッチの“on”“off”でLEDアレイ85を活性にしたり不活性にしたり出来る、ということである。パルス変調技術を動力源88と共に使用することで、ここではLED“off”と相対的にLED“on”として定義しているが、好適なデューティ・サイクル(duty cycle)に応じて、LEDアレイ85内の1つ若しくはそれ以上のLED84を活性にしたり不活性にしたり出来る、ということも明らかであろう。
【0047】
図11のブロック図に示しているように、イメージング・システム70の好適な実施形態に於いて、LEDアレイ85は、回路基板86を介して動力源88および制御システム90と電気的に接続されている。制御システム90には、LEDアレイ85をコントロールして、放射した赤外光線が対象物体に向かって進行するようにする、という制御特性がある。ここで説明したように、制御システム90は、LEDアレイ85の1つ若しくは複数のグループ内に存在する1つ若しくはそれ以上のLED84を使用可能にして、連続的に若しくは断続的に光を放射することが出来る。つまり、1つ若しくは複数のLED84が選択され、対象物体71に向かって進行する赤外光線が断続的に若しくは連続的に放射されるようにコントロールされる。このように、システム70は、LED84および/またはLEDのグループ92,94の様々な順列と組み合わせによって、赤外光線がLEDアレイから移送されるように構成することが出来る。
【0048】
さて、図10を参照すると、第一拡散層100は、LEDアレイ85内のLED84の放射面102に隣接している。好適な実施形態によると、第一拡散層100は、よく知られた粘着剤を使用して、LEDアレイ85の放射面102上に接合されている。第一拡散層100は、最も好適には、ホログラフィック20度拡散器(holographic twenty degree diffuser)で、カリフォルニア、トランスのフィジカル・オプティック・コーポレーション製の認識コードLSD20PC10‐F10x10/PSAである。最も好適には、第一拡散層100の長さは、およそ3と1/2インチで、幅はおよそ3と1/2インチ、そして厚さはおよそ0.10インチである。LEDアレイ85内の1つ若しくはそれ以上のLED84が活性化したら、第一拡散層100は、LEDアレイ85から放射された赤外光線を拡散し、そうすることで、放射された赤外光線に対する第一拡散量が規定される。
【0049】
ハウジング72の内面104を図10に示す。最も好適には、内面104は、白色に塗られているか同様なもので、反射性コーティングが施されており、第一拡散層100で既に拡散された光を反射し、更に拡散する。更に図10を参照すると、第二拡散層106は、第一拡散層100と距離LDDだけ離れて設けられている。最も好適には、第一および第二拡散層100および106間の間隔LDDは、およそ3インチである。第二拡散層106は、最も好適には、上で説明した第一拡散層100とよく似たまたは同じホログラフィック20度拡散器である。第二拡散層106の好適な長さは、およそ3と1/2インチで、幅はおよそ3と1/2インチ、厚さはおよそ0.10インチである。
【0050】
第二拡散層106は、内面104から反射され、第一拡散層100によって提供された既に拡散された光を更に拡散する。図8に示しているように、第一および第二拡散層はほぼ平坦である、つまり、層100および106は何れも平坦面である。最も好適な実施形態によると、第一および第二拡散層、100および106によって確定される面は、互いにほぼ平行である。拡散層100,106が好適に平行平坦に配置されているおかげで、1つ若しくはそれ以上のLED84が使用可能になると、システム70から放射される拡散光の量を定量化し、一定にすることが出来る。
【0051】
引き続き図10を参照すると、LUCITEのようなバッキング・マテリアル(backing material)108が、第二拡散層106に隣接して設置されている。最も好適には、バッキング・マテリアルの厚さは、およそ0.125インチである。可視光偏光子(visible polarizer)110は、バッキング・マテリアル108に隣接して設置されている。可視光偏光子110は、最も好適には、イリノイのヴァーノン・ヒル、Visual Pursuits製、部品番号VP‐GS‐12Uで、その厚さはおよそ0.075インチである。
【0052】
このように、放射された光が、第一拡散層100を通り、第一構成要素72aの内面104で反射され、第二拡散層106、バッキング・マテリアル108、および偏光子110を通ることで、システム70は様々なレベルの拡散を作り出すことが出来る。このように、放射光が第一拡散層100を通り抜けた後、拡散のレベルが決定する。他の拡散のレベルが決定されるのは、第一拡散層100で既に拡散された光が、第一構成要素72aの内面104で反射されたときである。また、もう一つの拡散のレベルは、第二拡散層106を通過した後に決定する。
【0053】
図8に示しているように、可視光偏光子110は、好適には、セントラル・ポーション(central portion)112を有しており、最も好適には、直径およそ1インチの円形である。セントラル・ポーション112の形状は、最も好適には、カメラレンズ75の形状や寸法と一致する。セントラル・ポーション112の偏光方向は、好適には、偏光子110の周辺領域114の偏光に対して、およそ90度回転しているのが望ましい。好適な実施形態に於いて、カメラレンズ75は、バッキング・マテリアル108と接触している。図8で示されているように、ハウジング70内にあるレンズの位置は、好適には、偏光子110のセントラル・ポーション112の中心軸と一致する、若しくは同軸上にある。偏光子110のセントラル・ポーション112が、レンズ75の正面と一致しているおかげで、強い反射光は最終的なカメラ画像から取り除かれている。
【0054】
図10に示されているように、バッキング・マテリアル108および偏光子110は平坦面を有しており、前記平坦面は、好適には、第一および第二拡散層100,106によって確定される平面に関して、同じ平面方向を含んでいる。最も好適な実施形態によると、第一拡散層100、内面104、第二拡散層106、バッキング・マテリアル108、および可視光偏光子110が、対象物体71に対して拡散光を提供する拡散システム116(図10)を確定する。拡散構造体にはいくつかのコンポーネントが含まれており、本発明は、如何なる特別な例もしくはここで説明した実施例によって制限されるものではない、ということは明らかであろう。例えば、拡散システム116に、第一若しくは第二拡散層100,106のどちらかを含み、偏光子110を有するか有しないか、または偏光子110を有さずに第一および第二拡散層100,106をともに含むか、を選択できる。
【0055】
上述のように、いちど始動させると、システム70は、対象物体71に向かって拡散光80を移送し、イメージング・システム74で対象物体71のビデオ・イメージを作製する。より具体的に言うと、動力源88がいちど始動すると、LEDアレイ85内の1つ若しくはそれ以上のLED84が放射面102から赤外光線を放射する。第一拡散層100は放射された赤外光線に対して、第一拡散量を規定する。内面104は、第一拡散層100から発せられた拡散光を更に拡散させる。第二拡散層106は、既に拡散されている光を更に拡散し、前記既に拡散されている光は、バッキング・マテリアル108を介して移送され、対象物体71を照明する以前に偏光されている。上述のように、対象物体71が反射する放射拡散光80は、イメージング・システム74によって検出される拡散反射光82を生成する。イメージング・システム74は、それから、対象物体71のビデオ・イメージを作製する。従って、独特な拡散提供システム70による拡散光を放射することで、血管や組織といった、対象物体71の素材特性の違いを突き止め、区別する手助けとなる。
【0056】
当業者であれば、先述の説明および添付図面から本発明の実施形態を改良および/もしくは変更することが可能であることは、明らかに予想し得ることである。例えば、第一および第二拡散層、100および106によって確定される面は、互いに平行でなくても良く、それによってシステム70からは拡散レベルの異なった光が提供される。更に、LEDアレイ85によって確定される面は、最も好適には、第一拡散層100で確定される面に関してほぼ平行である。しかし、LEDアレイ85と第一拡散層100で確定される面は、当業者にとっては明らかであるが、様々な実施条件に応じて変更可能である。したがって、明らかにしておかなければならないことは、先述の説明および添付図面は、単に好適な実施形態の説明であって、それらを制限するものではなく、本発明の真の精神と範囲は、請求項によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の更なる利点は、好適な実施形態の詳細な説明と図面とを関連付けることで明らかになるであろう。また、図面中の同様の参照番号は、同様の要素を指し、これは以下の図面を通して同様である。
【図1】本発明の好適な実施形態に応じた、赤外光線照明下で対称を観察するイメージング・システム。
【図2a】本発明の好適な実施形態に応じた、拡散赤外光線を利用したイメージング・システムの透視図。
【図2b】本発明の好適な実施形態に応じた、拡散赤外光線を利用したイメージング・システムの透視図。
【図3】本発明の好適な実施形態に応じたイメージング・システムの断面図。
【図4】本発明の好適な実施形態に応じたイメージング・システムの断面図。
【図5】本発明の好適な実施形態に応じたイメージング・システムの機能的ブロック図。
【図6a】本発明の代替的な実施形態に応じた、拡散赤外光線を利用したイメージング・システムの透視図。
【図6b】図6aのイメージング・システムの断面図。
【図7a】本発明のもう一つの実施形態に応じた、拡散赤外光線を利用したイメージング・システムの透視図。
【図7b】図7aのイメージング・システムの断面図。
【図8】イメージング・システムの又もう一つ別の側面の等軸観察図。
【図9】図8の線A−Aに沿って得られる矢印方向で観察したときのイメージング・システムの部分の前面図。
【図10】図9の線B−Bに沿って得られる断面の側面図。
【図11】イメージング・システムのブロック図。
【符号の説明】
【0058】
2 イメージング・システム
4a 光線方向矢印
4b 光線方向矢印
4c 光線方向矢印
4d 光線方向矢印
4e 光線方向矢印
4f 光線方向矢印
6 観察方向矢印
10 照明装置
10a 赤外光線供給器
10b 赤外光線供給器
10c 赤外光線供給器
10d 赤外光線供給器
10e 赤外光線供給器
10f 赤外光線供給器
12 光源
14 光拡散構造体
16 細長い外囲い部
16a 第一区画
16b 第二区画
18 入力開口部
20 出力開口部
22 光誘導路部
23 出口開口部
24 内部反射装置部
24a 方形管状部
24b ピラミッド型部
26 ランプ
28 光線
30 光線
32 対象物体
34 冷却ミラー
36 赤外光線移送フィルタ
38 イメージング・デバイス
40 レンズ
42 赤外光線移送フィルタ
44 イメージ強調基盤
46 ビデオ・キャプチャーおよびディスプレイ・カード
48 ビデオモニタ
50 ビデオ・プロジェクタ
52 拡散赤外光線
54 温熱ミラー
56 赤外光線イメージ
58 可視光イメージ
60 反射パネル
70 イメージング・システム
71 対象物体
72 ハウジング
72a 第一構成要素
74 イメージング・デバイス
75 レンズ
76 開口部
77 ハウジング内装
78 据付壁
80 拡散光矢印
82 反射光矢印
84 LED
85 LEDアレイ
86 回路基板
88 動力源
90 制御システム
92 LEDグループ
94 LEDグループ
96 コーナー領域
98 横領域
100 第一拡散層
102 放射面
104 ハウジング内面
106 第二拡散層
108 バッキング・マテリアル
110 可視光偏光子
112 セントラル・ポーション
114 周辺領域
116 拡散システム
LDD 第一および第二拡散層間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射源アレイの各光源が、対象物体に向かって進行する波長を有する赤外光線を放射し、アレイに対して電力(power)を供給し、電源(power source)が与えられると前記アレイは赤外光線を放射し、放射された光が拡散構造体を通過する際、アレイから放射された赤外光線に対して様々なレベルの拡散を規定する一つ以上の拡散段階を有する拡散構造体から成る、皮下血管の視認性を高めるための対象物体に対する拡散光放射装置。
【請求項2】
拡散構造体が、更に、隣接して配列された第一拡散層を有しており、前記第一拡散層がアレイによって放射された光に対して拡散の第一レベルを規定する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
第一拡散層が、更に、ホログラフィー・ディフューザを有する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
拡散構造体が、更に、アレイによって放射された光に対して、拡散の第二レベルを規定する第二拡散層を有する、請求項2記載の装置。
【請求項5】
第二拡散層が、更に、ホログラフィー・ディフューザを有する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
第二拡散層が、第一拡散層との間に距離をとっている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
第一拡散層が第一平坦面を有し、第二拡散層が第二平坦面を有する、請求項4記載の装置。
【請求項8】
第一および第二拡散層の第一および第二平坦面がほぼ平行である、請求項7記載の装置。
【請求項9】
更に、アレイによって放射された光を偏光するための偏光子を有している、請求項1記載の装置。
【請求項10】
偏光子は、更に、第一および第二領域を有しており、第一領域は第一偏光回転を規定し、第二領域は第一偏光回転とは異なった第二偏光回転を規定する、請求項9記載の装置。
【請求項11】
第一および第二偏光回転は、およそ90度異なっている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
更に、対象物体から反射された光を受光するビデオ・イメージング・デバイスを有しており、前記ビデオ・イメージング・デバイスは反射光に基づいた対象物体のビデオ・イメージを示すことのできる、請求項1記載の装置。
【請求項13】
光放射源アレイの各光源が、対象物体に向かって進行する波長を有する赤外光線を放射し、アレイに対して電力(power)を供給し、電源(power source)が与えられると前記アレイは赤外光線を放射し、アレイから放射された赤外光線に対して拡散の様々なレベルを規定する拡散構造体から成り、前記拡散構造体が、アレイによって放射された光に対して拡散の第一レベルを規定するように隣接して配列された第一拡散層、前記第一拡散層から距離を置いて配置され、アレイによって放射された光に対して拡散の第二レベルを規定する第二拡散層、およびアレイによって放射された光を偏光するための偏光子を有する、対象物体に対して拡散光を提供するための装置。
【請求項14】
対象物体に向かって進行する赤外光線を放射する光源、光源からの光を遮るように配置され、光源から放射された赤外光線に対して拡散の第一量(a first amount of diffusion)を規定し、第一拡散面を有する第一拡散層、対象物体から反射された光を受光し、反射光に基づいた対象物体のビデオ・イメージを提供できるビデオ・イメージング・デバイス、および装置に電力を供給するための電源を有する、皮下血管の視認性を強調するために、対象物体に対して拡散光を提供するための装置。
【請求項15】
更に、第一拡散層から距離を置いて第二拡散層を有し、前記第二拡散層が、第一拡散層によって拡散された赤外光線に対して拡散の第二量を規定し、前記第二拡散層が、第二拡散面を有している、請求項14記載の装置。
【請求項16】
第一および第二拡散層が、ホログラフィー・ディフューザを有している、請求項15記載の装置。
【請求項17】
第一および第二拡散面がほぼ平行である、請求項15記載の装置。
【請求項18】
更に、放射された赤外光線を偏光する偏光子を有する、請求項14記載の装置。
【請求項19】
光源が、更に、選択されたパターンで配置されたライト・エミッティング・ダイオードのグループから成る、請求項14記載の装置。
【請求項20】
ライト・エミッティング・ダイオード(LED)面を確定し、各LEDが対象物体に向かって進行する赤外光線を放射するような放射面およびLEDに対して電気信号を提供するような電気的入力を有するような選択パターンで配置されたLEDのグループから成る、対象物体に対して拡散光を提供するための装置。
【請求項21】
LEDのグループは、LED面に関して対称に配置され、LEDの第一グループはLED面の平らな角(plane corner)に隣接して配置され、そしてLEDの第二グループはLED面の隣接した平らな角の間に配置されている、請求項20記載の装置。
【請求項22】
拡散構造体は、更に、拡散面を有する拡散層から成り、前記拡散層はLEDの放射面に隣接して配置されており、拡散面とLED面はほぼ平行である、請求項20記載の装置。
【請求項23】
更に、対象物体から反射された拡散赤外光線に基づいたビデオ・イメージを作製することの出来るビデオ・イメージ・システムを有している、請求項20記載の装置。
【請求項24】
更に、LEDアレイに制御信号を提供する制御回路を有し、前記制御回路が、対象物体に向かって進行する赤外光線を放射するように、一つもしくはそれ以上のLEDグループ内の一つもしくはそれ以上のLEDを制御することの出来る、請求項20記載の装置。
【請求項25】
更に、LEDアレイに対して制御信号を提供し、LEDアレイに対してデューティー・サイクル(duty cycle)に応じたパルス変調信号を提供することの出来る制御回路を有する、請求項20記載の装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−524427(P2007−524427A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501194(P2006−501194)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/005669
【国際公開番号】WO2004/080276
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505338305)ルミネットクス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】