説明

拡開したセル状保持構造体を結合する結合部品及び結合方法

【課題】2つの拡開したセル状保持構造体を係止する、耐久性のある結合部品を提供する。
【解決手段】2つの拡開したセル状保持構造体14を係止する結合部品24は、対向する第1の挿入端部及び第2の挿入端部と、それらの間の挿入延長部を有する挿入部を含む。軸部は、挿入延長部から延設され、第1の挿入端部及び第2の挿入端部のそれぞれからは離れている。ハンドル部は、軸部の一端において軸部から延設されており、挿入部からは離れている。ハンドル部は、第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部と、それらの間のハンドル延長部を有する。軸部は、第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部のそれぞれからは離れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2009年10月28日にPCT国際出願として出願された。当該PCT国際出願は、2008年11月10日に出願された米国特許出願第12/268,084号を基礎とする優先権を主張している。また、米国以外の全ての国の指定についての出願人は、米国法人レイノルズ コンシューマ プロダクツ、インク.であり、米国の指定についての出願人は、米国市民センフ、ダニエル、エフ.、ドイツ連邦共和国市民ティーテェン、カイ、米国市民シュナイダー、コリー、米国市民ハンドロス、ウイリアム、及び米国市民バッハ、ゲイリー、エム.である。
【0002】
本開示は、充填材料を保持するための拡開したセル状保持構造体向けの結合部品に関する。具体的には、本開示は、少なくとも2つの拡開したセル状保持構造体を相互に係止するために使用される結合部品及び結合方法に関する。
【背景技術】
【0003】
セル状保持構造体は、システムのセル内に位置する充填材料の耐荷重性、安定性及び耐腐食性を向上させるのに役立つ。市販されているシステムとして、ウィスコンシン州アップルトンのプレスト プロダクツ インク.が販売している、Geoweb(登録商標)プラスチック網保持構造体がある。Geoweb(登録商標)セルは、複数の高密度ポリエチレン片で作成されており、複数のポリエチレン片は、隣接する側同士を互い違いの位置で溶接することによって接合されている。したがって、片の面に対して垂直な方向に片が延長されたときに、セルが正弦曲線状又は波状になるので、結果としてできる網セクションは、蜂の巣状の外観を呈する。Geoweb(登録商標)セクションは、取り扱い及び据付を簡単にするために、軽量であり、折りたたまれた形状で輸送される。Geoweb(登録商標)システムは、米国特許第6,395,372号公報、第4,778,309号公報、第4,965,097号公報及び第5,449,543号公報に記載されており、これらの特許文献のそれぞれがここに引用されるものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的には、セル状保持構造体は、相互に隣接して配列され、相互に結合されている。過去においては、これらのセクションは、ホチキス(登録商標)、ワイヤ、ケーブルタイ等を使用することによって相互に結合されていた。このような部品は、労働集約的かつ過度の組み立て時間を必要としていた。多くの実施形態においては、これらの結合タイプは、状況又は地形によっては使用困難となる。多くの場合、これらの結合タイプは、発電機からの電力及び圧縮機からの動力空気を必要とする。このようなセル状保持構造体が典型的に配置される特定の環境又は地形次第では、電力は益々入手しにくくなる。小規模プロジェクトにおいては、結合1単位あたりのコストは、非常に割高になり得る。小規模な据付であっても、大規模な据付であっても、発電機及び空気圧縮機の調達コストは定額であるからである。さらに、これらの結合部品のなかには、結合構造が比較的弱く、長持ちしないものもある。これらのことが問題とならない実施形態もある。しかしながら、多くの適用例においては、作業速度が重要であり、発電設備が常に利用できるとは限らない。多くの実施形態において、長期耐久性が必須となる。改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
2つの拡開したセル状保持構造体を係止する結合部品が提供される。一般的には、結合部品は、挿入部を含む。挿入部は、対向する第1の挿入端部及び第2の挿入端部、並びに、これらの間に位置する挿入延長部を有する。軸部は、挿入延長部から延設されており、第1の挿入端部及び第2の挿入端部のそれぞれからは離れている。ハンドル部は、一般的に、軸部の一方の端部から延設されており、挿入部からは離れている。ハンドル部は、第1のハンドル端部、第2のハンドル端部、及び、それらの間に位置するハンドル延長部を有する。軸部は、第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部のそれぞれからは離れている。
【0006】
他の実施形態においては、セル状保持システムが提供される。セル状保持システムは、第1の単位網及び第2の単位網を含む。第1の単位網及び第2の単位網は、間隔を置いた領域で接合された複数の細長いプラスチック片から作成された複数のセルを有する。プラスチック片は、セルの壁面を形成し、セルのうちの少なくともいくつかは、開放長孔を区画する。第1の単位網の少なくとも1つの開放長孔は、第2の単位網の少なくとも1つの開放長孔と位置合わせされているので、セル重ね合わせ領域ができることになる。セル重ね合わせ領域は、対向する第1の側及び第2の側を有する。少なくとも1つの結合部品が、第1の単位網及び第2の単位網を係止する。結合部品は、前記したようなタイプであってもよい。使用されたとき、挿入部は、セル重ね合わせ領域の第1の側上に位置する。軸部は、第1の単位網の長孔及びそれと位置合わせされている第2の単位網の長孔を通りセル重ね合わせ領域を貫通する。ハンドル部は、セル重ね合わせ領域の第2の側上に位置する。
【0007】
他の実施形態においては、2つの拡開したセル状保持構造体を係止する方法が提供される。当該方法は、2つの拡開したセル状保持構造体の位置を合わせることを含む。その結果、第1の単位網によって区画される少なくとも1つの開放長孔と、第2の単位網によって区画される少なくとも1つの開放長孔とは位置合わせされ、第1の側及び第2の側を有する重ね合わせ領域を形成する。当該方法は、結合部品の挿入部を、重ね合わせ領域の第2の側から挿入し、重ね合わせ領域の位置が揃った開放長孔を貫通させる。すると、挿入部は、重ね合わせ領域の第1の側上に現れ、結合部品のハンドル部は、重ね合わせ領域の第2の側上に残り、挿入部及びハンドル部の間の軸部は、重ね合わせ領域を貫通することとなる。
【0008】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、ハンドル部を回転し、重ね合わせ領域内で結合部品を回転することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の原理を使用するセル状保持システム及び結合部品が、端部同士を直列的に接続される前の分解斜視図である。
【図1A】本開示の原理を使用するセル状保持システム及び結合部品が、並列的に接続される前の分解斜視図である。
【図2】拡開したセル状保持構造体の部分である2つのセルが、相互に結合される前の斜視図である。
【図3】本開示の原理に従って構成された結合部品を使用して相互に結合された拡開したセル状保持構造体の斜視図である。
【図4】本開示の原理に従って構成された結合部品の1つの実施形態の斜視図である。
【図5】図4の結合部品の他の斜視図である。
【図6】図4及び図5の結合部品の平面図である。
【図7】図6の結合部品の側面図である。
【図8】図7で示される側面の反対側の側面を示す、図6の結合部品の他の側面図である。
【図9】本開示の原理に従って構成された結合部品の第2の実施形態の平面図である。
【図10】図9の結合部品の斜視図である。
【図11】図9の結合部品の平面図である。
【図12】図9〜図11の結合部品の斜視図である。
【図13】結合部品及び腱を併用するステップの斜視図である。
【図14】結合部品及び腱を併用する他のステップの斜視図である。
【図15】結合部品及び腱を併用する他のステップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
図1及び図1Aにおいて、セル状保持システム14が記載されている。示されている具体的な実施形態においては、セル状保持システム14は、複数のセル18を有する、第1の単位網及び第2の単位網を含む。第1の網は符号20で示されている。一方、第2の網は符号22で示されている。示されている実施形態において、セル状保持システム14は、第1の網20及び第2の網22を係止するための少なくとも1つの結合部品24をさらに含む。
【0011】
図1は、第1の網20及び第2の網22の端部同士を直列的に接続する前のシステム14を示している。図1Aは、第1の網20及び第2の網22の側同士を(並列的に)接続する前のシステム14を示している。拡開したセル状保持構造体14のそれぞれは、相互に接合された複数のプラスチック片26を有する。互い違いに等間隔で接合されている領域28において、ある片は次の片と接合され、個別セル32のセル壁30を形成している。複数の片26が片の面に対して垂直な方向に延長されたとき、片26は、正弦曲線状に曲がり、セル32の網20及び22を、連続セルパターン状に形成する。セル32のそれぞれは、ある1つの片26から作られるセル壁30と、異なる1つの片26から作られるセル壁30とを有している。
【0012】
この実施形態においては、片26は、開口34を区画する。開口34は、腱(tendon)を通して網20及び22を補強し、部材を連続的かつ全体的に固定することによって網の安定性を向上させ、網20及び22の予期せぬずれを防止するために使用され得る。開口34は、工事現場での充填材注入に充分な壁面剛性を維持しつつ、充填材が接触しあって一体的に固まることを可能にする。最適化された開口サイズ及びパターンが、米国特許第6,395,372号公報に記載されており、当該文献はここに引用されるものとする。
【0013】
図2は、2つのセル32を示している。図1に示されるすべての開口34を片26が有しているとは限らないという点で、図2のセル32は、図1と若干異なっている。開口34がオプションとして使用され得るか否かは、実施形態次第である。図2に記載されているオプションは、片26上に開口34を示していない。しかしながら、図2は、片26上にセル壁30によって区画された開放長孔36を記載している。開放長孔36は、結合部品24と協働して、隣接する網20及び22を相互に係止するために使用される。
【0014】
図3は、第1の網20及び第2の網22が結合部品24によって相互に係止されているセル状保持システム14を示している。図3の実施形態においては、少なくとも1つの結合部品24が使用され、実際の図では、複数の結合部品24が使用されている。図3は、結合部品24が2つである例を示している。
【0015】
引続き図3を参照すると、セル重ね合わせ領域38が記載されている。具体的には、セル重ね合わせ領域38が2つ存在する。図示されているように、セル重ね合わせ領域では、複数のセルを有する第1の単位網20の開放長孔36と複数のセルを有する第2の単位網22の開放長孔36とが位置合わせされている。セル重ね合わせ領域38は、第1の側40及びその反対側の第2の側42を区画する。結合部品24は重ね合わせ領域38を貫通しているので、重ね合わせ領域38の第1の側上に結合部品24の一部が視認され得る。一方、結合部品24の他の部分が、重ね合わせ領域38の第2の側42上に破線として視認され得る。この例はさらに後記される。
【0016】
図4〜図8を参照する。図4〜図8は、結合部品24の1つの実施形態を記載している。記載されている実施形態においては、結合部品24は、挿入部44を含む。挿入部44は、対向する第1の挿入端部46及び第2の挿入端部47、並びに、第1の挿入端部46及び第2の挿入端部47との間に位置する挿入延長部48を有する。第1の長さは、第1の挿入端部46及び第2の挿入端部47の間の距離によって定義される。
【0017】
1つの実施形態においては、第1の挿入端部46は、全体的に丸められた三角形状50を有し、テーパ形状となっている。当該形状は、適切かつ迅速に結合部品24を使用するために必要となる。当該形状であれば、挿入部の幅を最大化することができ、したがって、一旦使用位置におかれた挿入部に掛かる力を最大限に分散できる。
【0018】
当該実施形態においては、第2の挿入端部47は、テーパ形状の端部を有するものとして記載されている。当該実施形態においては、図4に示されているように、第2の挿入端部47は、丸められた三角形状52を有する。当該形状は、第1の網20及び第2の網22を相互に結合するときに、結合部品24を適切かつ迅速に使用することを可能にする。
【0019】
示されている実施形態においては、挿入部44は、1組の挿入板部54及び55を有する。示されている例では、挿入板部54及び挿入板部55は、相互に平行である。示されている例では、挿入板部54及び挿入板部55は、湾曲部56によって繋がれている。示されている例では、挿入板部54及び挿入板部55は、相互に離れて位置しており、両者間に位置する空間58を区画している。1つの実施形態において、挿入部44のサイズは、長孔36のサイズに合うように選択される。挿入部44の使用可能な長さは、70ミリメートルよりも短く、例えば、20〜60ミリメートルであり、特に、35〜50ミリメートルである。挿入板部54の外縁から挿入板部55の外縁までの距離である挿入部44の幅もまた、長孔36の大きさに合うように選択される。当該実施形態では、当該幅は、20ミリメートルより小さく、例えば、4〜12ミリメートルである。
【0020】
挿入板部54及び55の、湾曲部56とは反対側の端部に、1組の橋部61及び62が位置する。この組は、挿入部44の周辺の領域から空間58へのアクセスを遮断する。例えば、結合部品24が、挿入部44の周辺で、結合部品の一部に腱を通しているとき、橋部61及び62は、腱が空間58に滑り込むのを防ぐ。
【0021】
引続き図4〜図8を参照すると、一例としての結合部品24は、軸部64を含む。軸部64は、挿入延長部48から延設されており、第1の挿入端部46及び第2の挿入端部47のそれぞれから離れて位置している。様々な実施形態が可能である。記載されている実施形態においては、軸部64は、挿入延長部48に対して概ね垂直に延設されている。
【0022】
1つの実施形態においては、軸部64は、1組の軸板部66及び67を含む。示されている実施形態では、軸板部66及び67は、相互に平行かつ離れて位置しており、それらの間に空間68を区画している。
【0023】
軸部64の長さは、後記するように、挿入部44及びハンドル部70の間の距離として定義される。軸部64の長さは、1つの実施形態では、挿入部44の長さより短い。
【0024】
示されている実施形態では、結合部品24は、ハンドル部70を含む。ハンドル部70は、軸部64と一体化されているのが好ましい。ハンドル部70は、軸部64の端部において軸部64から延設されており、挿入部44からは離れている。
【0025】
記載されている例では、ハンドル部70は、第1のハンドル端部72及び第2のハンドル端部73を有する。ハンドル延長部74が、第1のハンドル端部72及び第2のハンドル端部73の間に位置する。
【0026】
記載されている例では、軸部64は、第1のハンドル端部72及び第2のハンドル端部73のそれぞれから離れている。
【0027】
ハンドル部70の長さは、第1のハンドル端部72及び第2のハンドル端部73の間の長さとして定義される。多くの設計例が考えられるが、図示されている実施形態では、ハンドル部70の長さは、挿入部44の長さより長い。1つの実施形態では、軸部64の長さは、ハンドル部70の長さの半分より短く、かつ、挿入部44の長さの半分より短い。これらの相対的な大きさ関係は、長孔36に準拠しており、第1の網20及び第2の網22を適切かつ迅速に係止することを可能にする。
【0028】
例の実施形態では、ハンドル部70の長さは、100ミリメートルより長くはなく、典型的には、30〜80ミリメートルであり、例えば、45〜55ミリメートルである。
【0029】
示されている実施形態では、ハンドル部70の長さは、挿入部44の長さより、少なくとも10%長い。この相対的な大きさ関係は、結合部品24が長孔36の内部にとどまり、長孔36から外れることがないことを保証する。
【0030】
示されている実施形態では、ハンドル延長部74は、そこから突出している第1の耳部76及び第2の耳部76を含む。耳部76及び77は、挿入部44から突出している。示されている実施形態では、第1の耳部76及び第2の耳部77は、丸められて、同じようにそれぞれ第1のハンドル端部72及び第2のハンドル端部73を含んでいる。
【0031】
引続き図4〜図8を参照すると、ハンドル部70は、基板80及び基板80から延設された傾斜ハンドル板81をさらに含む。傾斜ハンドル板81は、交差箇所82において、基板80と繋がっている。傾斜ハンドル板81は、交差箇所82から、基板80に対してある角度をなして延設され、軸部64の軸板部66に達している。傾斜ハンドル板81及び基板80は、これらの間に位置する空間84を区画している。傾斜ハンドル板81及び基板80の間であって、かつ、ハンドル延長部74のうちの耳部76及び77の反対側の箇所で、1組のハンドル橋部86及び87が延設されている。橋部86及び87によって、軸板部66及び67の間の空間68内を通る腱が、ハンドル部70の空間84内に入るのを防ぐことができる。
【0032】
図3に戻ると、結合部品24は、使用状態において、重ね合わせ領域38の第1の側40上に挿入部44を有し、重ね合わせ領域38の第2の側42上にハンドル部70を有していることが分かる。軸部64は、重ね合わせ領域38を貫通している。結合部品24を使用する方法が後記される。結合部品24は、硬質プラスチック鋳造材のような、硬質素材を用いた一体成形部品として作成される。
【0033】
図9〜図12に、結合部品24の第2の実施形態が記載されている。図9〜図12に記載されている結合部品24は、挿入部90、軸部92及びハンドル部94を含む。結合部品24のこの実施形態は、保持部96をさらに含む。保持部96は、軸部92から延設され、挿入部90及びハンドル部94のそれぞれからは離れている。
【0034】
示されている実施形態では、保持部96は、軸部92から延設されている1組の腕部98及び99を含む。図11及び図12で分かるように、腕部98及び99のそれぞれの幅は、挿入部90の幅より大きく、かつ、及びハンドル部94の幅よりも大きい。保持部96は、片26の面に接触し片26に荷重を移転するような形状になっている。使用状態では、保持部96は、セル重ね合わせ領域38の、ハンドル部94と同じ側42上に位置する。
【0035】
当該実施形態においては、ハンドル部94は、挿入部90に向かって突出する第1の耳部101及び第2の耳部102を有する。
【0036】
使用状態では、結合部品24は、拡開したセル状保持構造体を相互に係止するために使用され得る。当該方法は、2つの拡開したセル状保持構造体18の位置を合わせ、その結果、第1の網20によって区画される少なくとも1つの開放長孔36と、第2の網22によって区画される少なくとも1つの開放長孔36とを位置合わせし、重ね合わせ領域38を形成する。
【0037】
結合部品24を用意する。結合部品24は、挿入部44及び90を重ね合わせ領域38の第2の側42から挿入し、重ね合わせ領域38の位置合わせされている開放長孔36を貫通させることによって使用される。このように使用すると、挿入部44及び90は、重ね合わせ領域38の第1の側上に位置する。また、ハンドル部70及び94は、重ね合わせ領域38の第2の側上に位置する。さらに、軸部64及び92は、重ね合わせ領域38を貫通することになる。
【0038】
当該方法は、ハンドル部70及び94を回転して、重ね合わせ領域38内で結合部品24を回転することも含む。このようにすると、長孔36内で、結合部品24を固定することができる。
【0039】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、軸部64によって区画される空間68及び重ね合わせ領域38を腱が通るように、腱の向きを変えるステップをさらに含み得る。
【0040】
図13〜図15には、図9〜図12の結合部品24と接続される腱110の使用例が示されている。図13では、腱110が、巻き付き部分112でハンドル部94に巻き付くように図示されている。腱110は、ハンドル部94の下方に位置し、ハンドル部94の1つの側を巻き上がり巻き越している。腱は、再びハンドル部94の上部に巻き付き、交差巻きを形成する。図13を参照すると、直列的又は並列的に隣接している2つの網20及び22の長孔36に、挿入部90がどのようにして挿入されるか又は嵌め込まれるかが分かる。図13では長孔36は見えないが、腱110が、網20及び22の長孔36を貫通しているのが分かる。図14は、結合部品24が長孔36を貫通して完全に嵌め込まれた状態を示している。図14は、結合部品24を回転し、長孔36内で結合部品24を固定する最終ステップを示している。図14及び図15を比較すると、結合部品24が約90度回転していることが分かる。
【0041】
回転するステップは、ハンドル部70及び94を約90度回転することを含むのが好ましい。
【0042】
使用状態において、長孔36は、非円形、例えば、楕円、長円又はトラック形になる。1つの実施形態においては、長孔36は、一辺の長さが半円の直径に等しい長方形によって分割された2つの半円に似た形状となる。使用時には、当該形状は縦軸及び横軸を有することとなる。縦軸と比較した横軸の比率としての、使用可能な長孔36の縦横比は、約3対11である。結合部品24の大きさと比較すると、長孔36の縦軸の長さは、挿入部44及び90の長さの85〜95%、例えば、92%である。長孔36の横軸の長さは、挿入部44及び90の長さの20〜30%、例えば、25%になる。さらに、長孔36の横軸の長さは、結合部品24の幅又は厚さの約101%となる。
【0043】
上記で、1つの説明は完結するが、多くの実施形態が作成可能である。
【符号の説明】
【0044】
14 セル状保持構造体
20、22 (単位)網
24 結合部品
26 片
30 セル壁
32 セル
34 開口
36 (開放)長孔
38 (セル)重ね合わせ領域
40 第1の側
42 第2の側
44、90 挿入部
46、47 挿入端部
48 挿入延長部
54、55 挿入板部
56 湾曲部
64、92 軸部
66、67 軸板部
70、94 ハンドル部
72、73 ハンドル端部
76、77 耳部
80 基板
81 傾斜ハンドル板
86、87 ハンドル橋部
96 保持部
101 耳部
110 腱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの拡開したセル状保持構造体を係止する結合部品であって、
前記結合部品は、
(a)対向する第1の挿入端部及び第2の挿入端部と、
前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間に位置する挿入延長部と、
を有する挿入部を有し、
(i)前記挿入部は、
前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間の長さである第1の長さを有し、
前記結合部品は、
(b)前記挿入延長部から概ね垂直に延設され、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部のそれぞれからは離れている軸部と、
(c)前記軸部の一端において前記軸部から概ね垂直に、かつ、前記挿入部からは離れて延設され、
第1のハンドル端部と、第2のハンドル端部と、前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間に位置するハンドル延長部とを有するハンドル部と、
を有し、
(i)前記軸部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部のそれぞれから離れており、
(ii)前記ハンドル部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間の長さである第2の長さを有し、
(iii)前記軸部は、
前記挿入部及びハンドル部の間の長さである第3の長さを有し、
前記第2の長さは、
前記第1の長さより長く、
前記第3の長さは、
前記第1の長さの半分より短く、かつ、第2の長さの半分より短いこと、
を特徴とする結合部品。
【請求項2】
前記軸部は、
1組の軸板部を含み、
前記1組の軸板部は、
相互に平行にかつ相互に離れて位置し、前記1組の軸板部の間に空間を区画すること、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項3】
前記軸部及び挿入部は、
固形部品であること、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項4】
前記挿入部は、
1組の挿入板部を含み、
前記1組の挿入板部は、
相互に平行であり、湾曲部によって結合され、
前記1組の挿入板部は、
相互に離れていること、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項5】
前記ハンドル延長部は、
前記ハンドル延長部から突出した第1の耳部及び第2の耳部を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項6】
前記第1の耳部及び第2の耳部は、
前記挿入部から突出していること、
を特徴とする請求項5に記載の結合部品。
【請求項7】
前記第1の耳部及び第2の耳部は、
前記挿入部に向かって突出していること、
を特徴とする請求項5に記載の結合部品。
【請求項8】
前記第2の長さは、
前記第1の長さより、少なくとも10%長いこと、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項9】
前記結合部品は、
保持部をさらに有し、
前記保持部は、
前記軸部から延設され、前記挿入部及びハンドル部のそれぞれから離れていること、
を特徴とする請求項1に記載の結合部品。
【請求項10】
前記保持部は、
前記軸部から延設される1組の腕部を含み、
前記腕部のそれぞれは、
前記挿入部の幅よりも大きく、かつ、前記ハンドル部の幅よりも大きい幅を有すること、
を特徴とする請求項9に記載の結合部品。
【請求項11】
セル状保持システムであって、
前記セル状保持システムは、
(a)離れた領域において相互に接合され、セルの壁を形成する、細長いプラスチック片から作成された複数のセルであって、そのうちの少なくともいくつかは開放長孔を形成する複数のセルを有する第1の単位網と、
(b)離れた領域において相互に接着され、セルの壁を形成する、細長いプラスチック片から作成された複数のセルであって、そのうちの少なくともいくつかは開放長孔を形成する複数のセルを有する第2の単位網と、
を有し、
(i)前記第1の単位網の少なくとも1つの開放長孔と、前記第2の単位網の少なくとも1つの開放長孔とは、
セル重ね合わせ領域において、位置合わせされており、
前記セル重ね合わせ領域は、
対向する第1の側及び第2の側を有し、
前記セル状保持システムは、
(c)前記第1の単位網及び第2の単位網を相互に係止する少なくとも1つの結合部品を有し、
前記結合部品は、
(i)対向する第1の挿入端部及び第2の挿入端部と、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間に位置する挿入延長部と、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間の長さである第1の長さと、を有し、
(A)前記セル重ね合わせ領域の前記第1の側上に位置する挿入部と、
(ii)前記挿入延長部から概ね垂直に延設され、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部のそれぞれからは離れており、
(A)前記位置合わせされた第1の単位網の1つの開放長孔及び第2の単位網の1つの開放長孔の両者を貫通することによって前記セル重ね合わせ領域を貫通する軸部と、
(iii)前記軸部の一端において前記軸部から概ね垂直に、かつ、前記挿入部からは離れて延設され、
第1のハンドル端部と、第2のハンドル端部と、前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間に位置するハンドル延長部とを有するハンドル部と、
を有し、
前記軸部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部のそれぞれからは離れており、
(A)前記ハンドル部は、
前記セル重ね合わせ領域の第2の側上に位置すること、
を特徴とするセル状保持システム。
【請求項12】
(a)前記ハンドル部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間の長さである第2の長さを有し、
(b)前記軸部は、
前記挿入部及びハンドル部の間の長さである第3のの長さを有し、
(c)前記第2の長さは、
前記第1の長さよりも長く、
(d)前記第3の長さは、
前記第1の長さの半分よりも短く、かつ、第2の長さの半分よりも短いこと、
を特徴とする請求項11に記載のセル状保持システム。
【請求項13】
前記軸部は、
1組の軸板部を含み、
前記1組の軸板部は、
相互に平行にかつ相互に離れて位置し、前記1組の軸板部の間に空間を区画し、前記軸板部に前記セルの荷重が係る状態に置かれたとき、前記軸板部に掛かる前記荷重を保持すること、
を特徴とする請求項11に記載のセル状保持システム。
【請求項14】
前記セル状保持システムは、
腱をさらに含み、
前記腱は、
前記軸部内の空間を貫通し、かつ、前記位置合わせされた第1の単位網の開放長孔及び前記第2の単位網の開放長孔を貫通して延設されていること、
を特徴とする請求項13に記載のセル状保持システム。
【請求項15】
前記セル状保持システムは、
保持部をさらに含み、
前記保持部は、
前記軸部から延設され、前記挿入部及びハンドル部のそれぞれから離れており、
前記第2の単位網のセル内に位置していること、
を特徴とする請求項11に記載のセル状保持システム。
【請求項16】
前記第2の長さは、
前記第1の長さより、少なくとも10%長いこと、
を特徴とする請求項12に記載のセル状保持システム。
【請求項17】
前記結合部品は、
複数存在し、
前記結合部品のそれぞれは、
前記第1の単位網及び第2の単位網を相互に係止すること、
を特徴とする請求項11に記載のセル状保持システム。
【請求項18】
2つの拡開したセル状保持構造体を係止する方法であって、
前記方法は、
(a)第1の単位網によって区画される少なくとも1つの開放長孔及び第2の単位網によって区画される少なくとも1つの開放長孔の位置を合わせ、第1の側及び第2の側を有する重ね合わせ領域を形成するように、前記2つの拡開したセル状保持構造体の位置を合わせ、
(b)前記重ね合わせ領域の前記第2の側から、前記重ね合わせ領域の前記位置が合わされた開放長孔に、結合部品の挿入部を挿入することによって、
(i)前記挿入部が前記重ね合わせ領域の前記第1の側上に位置し、
(ii)前記結合部品のハンドル部が前記重ね合わせ領域の前記第2の側上に位置し、
(iii)前記挿入部及びハンドル部の間の軸部が前記重ね合わせ領域を貫通するようにし、
(c)前記ハンドル部を回転して前記重ね合わせ領域において前記結合部品を回転すること、を含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記軸部によって区画される空間及び前記重ね合わせ領域を腱が貫通するように、前記腱の方向を変更することをさらに含むこと、
を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(a)前記挿入部は、
対向する第1の挿入端部及び第2の挿入端部と、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間に位置する挿入延長部と、
(i)前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部の間の長さである第1の長さと、
を有し、
(b)前記軸部は、
前記挿入延長部から概ね垂直に延設され、前記第1の挿入端部及び第2の挿入端部のそれぞれからは離れており、
(c)前記ハンドル部は、
前記軸部の一端において前記軸部から概ね垂直に、かつ、前記挿入部からは離れて延設され、
第1のハンドル端部と、第2のハンドル端部と、前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間に位置するハンドル延長部とを有し、
(i)前記軸部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部のそれぞれから離れており、
(ii)前記ハンドル部は、
前記第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部の間の長さである第2の長さを有し、
(iii)前記軸部は、
前記挿入部及びハンドル部の間の長さである第3の長さを有し、
前記第2の長さは、
前記第1の長さより長く、
前記第3の長さは、
前記第1の長さの半分より短く、かつ、第2の長さの半分より短いこと、
を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ハンドル部を回転することは、
前記ハンドル部を約90度回転することを含むこと、
を特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2012−508125(P2012−508125A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535599(P2011−535599)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/062359
【国際公開番号】WO2010/053783
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(511112836)レイノルズ コンシューマー プロダクツ、インク. (1)
【Fターム(参考)】