説明

持続的な香料の送達とフラッシュ時の香料の増加との組み合わせを提供する便器リムブロック

本発明は、a)香料含有液体組成物を保持する容器;b)前記組成物を便器の縁の下から分配するための分配手段;及びc)芳香剤送達構成要素を具備する便器リムブロックを包含する。フラッシュ時のみの香料含有組成物からの芳香剤。したがって、持続する香料送達とフラッシュ時の香料の増加の組み合わせが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、a)少なくとも1つの容器;b)分配手段;及びc)芳香剤送達構成要素を具備する便器リムブロックに関する。本明細書の便器リムブロックは、優れた芳香剤送達性能を提供する。
【背景技術】
【0002】
大便器のような便器を洗浄する多種多様な方法が、当該技術分野において記載されてきた。大便器のような便器を洗浄する1つの特別な方法は、いわゆるリムブロックである。実際に、リムブロックは、液体又は溶解された固体組成物を便器中に前記便器の縁の下から分配する装置である。こうしたリムブロックは、普通はフックなどの様々な手段で便器の縁に取り付けられる。少なくとも1つの液体組成物を便器中に分配するリムブロック、いわゆる「液体リムブロック」は、溶解された固体組成物を分配するリムブロックより好ましい。これは、第1に固体リムブロックは、それらの存続期間中にフラッシュ中に分配される製品の量に、はるかにより大きなばらつきを示す傾向があるという事実による。固体リムブロックの存続期間の終わり近くでは、その中の固体組成物は大きさ及びまたフラッシュ水に開放される表面積を劇的に減少させ、それによって分配/溶解される製品の量を限定する傾向があることが観察された。第2に、固体リムブロックは使用中に極めて見苦しくなる可能性がある。第3に、固体組成物からの香料の放出は液体組成物からよりも低い傾向があるため、固体リムブロックの空気フレッシュニング能力は、液体リムブロックと比べて劣る傾向がある。
【0003】
液体リムブロックにより提供される洗浄効果に加えて、液体リムブロックが芳香剤(即ち、香料及び/又は消臭剤)の送達を化粧室/トイレ付き洗面室の空気中に提供することは望ましい。そのため、香料含有液体組成物を分配し、少なくとも幾つかの香料の送達を提供する液体リムブロックが開発されており、当該技術分野において開示される。実際に、例えばEP−A−0538957は、フックを用いて便器の端の内側に吊り下げたケージ内で逆さにされた、液体組成物を保持する瓶を開示する。使用中、液体組成物は瓶から「多孔質集合体」の中に連続的に流れるが、これは製品をフラッシュ水中に分配し、並びに空気フレッシュニングのために製品の大きな表面積を周囲にさらす。
【0004】
しかしながら、当該技術分野において記載される液体リムブロックの既知の欠点は、化粧室の空気中への芳香剤の送達に関してそれらの性能がなお不十分なことである。実際に、消費者調査により、消費者は、化粧室の空気中への持続的な芳香剤の送達と便器のフラッシュ時の化粧室の空気中への香料の増加との組み合わせを提供する液体リムブロックを期待していることが判明している。
【0005】
容器から液体組成物をケージの中に連続放出する液体リムブロックは、例えばEP−A−0538957、米国特許第6,178,564号、及びPCT国際公開特許WO00/42261に記載されている。こうした連続放出リムブロックは、化粧室の空気中へのある程度の持続的な香料の送達を生み出す場合もあるが、これはこの液体組成物が、香料が組成物中に存在する場合に、香料を空気中に放出できるためである。更に連続香料放出の他の形態は、例えば米国特許第4,709,425号、米国特許第3,359,063号、又はGB918,218に記載されている。しかしながら、こうした連続放出リムブロック又はその他の連続香料放出装置は、便器のフラッシュ時の化粧室の空気中への香料の増加を提供できない。加えて、連続放出リムブロックは、特に便器が定常的に使用されない場合は、便器中への液体の漏れを示すことが多い。これは、製品が見苦しく便器表面をコーティングするという結果をもたらす。加えて、この連続的な漏れは、液体瓶が早く空になるという結果をもたらし得る。
【0006】
更に、フラッシュ中にのみ容器から液体組成物を分配する液体リムブロックは、例えばPCT国際公開特許WO01/06067、EP10072728、及びPCT国際公開特許WO01/02653に記載されている。フラッシュ中にのみ液体組成物を分配するこうしたリムブロックは、フラッシュ中に分配される液体組成物中に香料が存在することを条件として、便器のフラッシュ時に化粧室の空気中への香料の増加を提供する場合がある。しかしながら、製品を蒸発させ、それによって香料の増加を生み出すための十分な時間がないため、便器のフラッシュ時の化粧室の空気中への香料の増加は限定される。更に、フラッシュ中にのみ液体組成物を分配するこうしたリムブロックは、化粧室の空気中への持続的な香料の送達を提供できない。
【0007】
加えて、フラッシュ後に液体組成物を分配する液体リムブロックは、例えばPCT国際公開特許WO01/88286及びEP−A−1046756に記載されている。フラッシュ後に液体組成物を分配するこうした液体リムブロックは、フラッシュ中に分配される液体組成物中に香料が存在することを条件として、便器のフラッシュ時に化粧室の空気中への香料の増加を最終的には確かに提供する。実際に、液体組成物は次のフラッシュの前に香料を放出できる。しかしながら、こうしたリムブロックにより放出される液体組成物の量、したがって香料の量は少量であり、素早く蒸発して、非常に限られた時間だけ、例えばフラッシュ後1〜2時間だけ空気フレッシュニングを提供することが判明している。そのため、これは化粧室の空気中への持続的な香料の送達を提供できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため上記のことを考慮して、化粧室の空気中への持続的な芳香剤(即ち、香料及び/又は消臭剤)の送達と便器のフラッシュ時の化粧室の空気中への香料の増加との組み合わせを提供する液体リムブロックを提供することが本発明の目的である。
【0009】
上記の目的は、本発明による便器リムブロックによって達成できることが今では判明している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、便器リムブロックであって:
a)香料含有液体組成物を保持する少なくとも1つの容器;
b)前記組成物を便器の縁の下から前記便器のフラッシュ水中に分配するための分配手段;及び
c)芳香剤送達構成要素を具備し;
前記芳香剤送達構成要素が、前記分配手段を用いて芳香剤を分配せず、長期間にわたって前記芳香剤を周囲に送達する、便器リムブロックを包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(便器表面)
本発明による便器リムブロックは、大便器、小便器などのような便器に用いられる。好ましくは、本発明による便器リムブロックは、大便器、小便器などのような便器の内側部分に設置される。本明細書の極めて好ましい実施形態では、本明細書の便器リムブロックは、好ましくは大便器に用いる便器リムブロックである。
【0012】
本明細書の便器表面は、セラミック、ほうろう、ビニル、ワックスなしのビニル、リノリウム、メラミン、ガラス、イノックス(Inox)(登録商標)、フォーマイカ(Formica)(登録商標)、いずれかのプラスチック、可塑化木材、金属、又はいずれかの彩色した若しくはニスを塗った若しくは下地塗料を塗った表面などの異なる材料から製造されてもよい。
【0013】
(便器リムブロック)
本明細書の便器リムブロックは、a)香料含有液体組成物を保持する少なくとも1つの容器;b)液体組成物を容器から移送し及び前記組成物を便器の縁の下から前記便器のフラッシュ水中に分配するための分配手段;並びにc)芳香剤送達構成要素を具備する。
【0014】
好ましくは、本明細書の便器リムブロックは、少なくとも1つの液体組成物を、便器の縁部分から便器表面上に分配する。実際に、本明細書の便器リムブロックは、好ましくは、水による便器のフラッシュ時に、本明細書の十分な量の液体組成物が便器に移動されるように設計されている。
【0015】
本明細書の便器リムブロックは、第1の必須要素として、香料含有液体組成物を保持する少なくとも1つの容器を具備する。本明細書の容器は、液体組成物を保持するためのいかなる好適な容器であってもよい。実際に、本明細書の好適な容器には、これらに限定されないが、瓶、広口瓶、小袋、箱、袋などが挙げられる。好ましくは、前記容器は少なくとも1つの開口部を有する。容器は、好ましくは熱可塑性材料、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレンテレフタレート−G(PETG);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリプロピレン(PP);ポリスチレン(PS);耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及びこれらの混合物から成る群から選択される材料のブローン成形により製造される。更に、前記容器は好ましくは透明であり、これによりそのユーザーは、前記容器が空である時に目で見ることができる。もしあれば、前記容器の開口部は封止されてもよく、好ましくはプラスチックの蓋で封止されてもよい。こうした封止は容器の使用前に容器から組成物が漏れるのを防止する。
【0016】
好ましくは、本明細書の容器は、リムブロック内に押し込められるように設計された瓶である。この押し込みは、容器の開口部上に設置され及び輸送中に容器を封止する封を破り、容器内に存在する液体組成物を分配手段中に放出する。
【0017】
本明細書の好ましい実施形態では、便器リムブロックの容器は詰め替え可能であり及び/又は入れ替え可能である。実際に、容器は一旦空になったら全体として入れ替えてもよいし(入れ替え可能)、又は香料含有液体組成物を既存の容器中に詰め替えてもよい。容器は、容器の開口を通して、瓶のような別の容器で提供される香料含有液体組成物により詰め替えられてもよい。
【0018】
本発明の便器リムブロックは、第2の必須要素として、前記組成物を便器の縁の下から便器のフラッシュ水中に分配するための分配手段を具備する。好ましくは、前記分配手段は前記容器に結合している。
【0019】
本明細書の分配手段は、少なくとも1つの液体組成物を便器表面上に分配するためのいかなる好適な手段であってもよい。本明細書の便器リムブロックは、1つの又は複数の分配手段を具備してもよい。少なくとも1つの液体組成物を便器表面上に分配するための好適な手段は、開口;噴霧ヘッド;トレイ;毛管経路を有する又は有しないパッド;毛管経路を有する又は有しないプレート;吸い取り紙型分配手段であり;例えばEP−A−0775741、米国特許第6,178,564号、PCT国際公開特許WO00/42261、米国特許第6,412,120号、EP−A−1046755、PCT国際公開特許WO02/36895などに記載されている。
【0020】
本明細書の好ましい実施形態では、便器のフラッシュ時に、本明細書の便器リムブロックの分配手段は、前記便器をフラッシュするために用いられる水と接触する。この好ましい実施形態では、前記便器をフラッシュするために用いられる水は、本明細書の便器リムブロックの少なくとも1つの液体組成物と混ざり、それにより組成物を便器表面上に送達する。本明細書の分配手段は、パイプ、管などのようないずれかの好適な手段により前記容器に結合し、更にバルブ、混合室、シャッターなどを含有してもよい。
【0021】
本明細書の便器リムブロックは、他の要素、例えば、取り付け手段;リムブロックの異なる要素を共に保持する支持構造;美観のため又は水流を規制するために用いられるブラインド;水流を規制するために用いられるウィングなどを具備してもよい。
【0022】
本明細書の好ましい実施形態では、便器リムブロックは、更に取り付け手段を具備する。より好ましくは、本明細書の便器リムブロックは、更に取り付け手段及び支持構造を具備する。前記取り付け手段は、便器リムブロックを便器に結合し、それを所定位置にその存続期間にわたって保持するために用いられる。好適な取り付け手段は、フック、吸着カップ、又はこれらの組み合わせ、接着剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される。好ましくは、前記取り付け手段は、リムブロックを便器の縁部分に取り付けるか、又はリムブロックを前記縁から吊るす。好ましい実施形態では、前記取り付け手段は、リムブロックを便器の縁部分から吊るすためのフックである。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、便器リムブロックは、本明細書の香料含有液体組成物を保持する1つの単一区画容器を具備する(「単一区画液体リムブロック」)。
【0024】
本明細書の別の好ましい実施形態では、本明細書の便器リムブロックは、1つより多い容器及び/又は複数区画容器を具備し、本明細書の香料は、容器若しくはその区画の1つの中に収容される1つの液体組成物中にのみ存在してもよく、又は香料は異なる容器若しくは区画の中に収容される1を超える組成物中に存在してもよい。本発明の好ましい実施形態では、本明細書の便器リムブロックは、2〜4つの、より好ましくは2〜3つの、最も好ましくは2つの容器を具備する。本発明の別の好ましい実施形態では、本明細書の便器リムブロックは、1つの容器当たり2〜4つの、より好ましくは2〜3つの、最も好ましくは2つの区画を具備する少なくとも1つの容器を具備する。
【0025】
本明細書の便器リムブロックが1を超える組成物を具備する本明細書の実施形態では、前記組成物は別個に、又は組成物の組み合わせとして分配されてもよい。「組成物の組み合わせ」とは、様々な組成物が、分配される前に、例えばもしあれば混合室において若しくは分配手段において;分配中に、例えば分配手段上で;又は分配された後に、便器表面自体の上で(これはフラッシュ中を意味する)、混合されるか又は少なくとも組み合わされることを意味する。
【0026】
前記リムブロックが更に固体及び/又はゲル組成物を具備する本発明の実施形態では、フラッシュ水が前記固体及び/又はゲル組成物を溶解又は洗い流すことが必要である場合がある。これは、例えば、開口部、スリットなどを用いて透水性である、又は更には水溶性である、前記固体及び/又はゲル組成物(類)を含有する容器を提供することによって達成できる。
【0027】
(芳香剤送達構成要素)
本発明による便器リムブロックは、第3の必須要素として、芳香剤送達構成要素を具備し、前記芳香剤送達構成要素は前記芳香剤を前記分配手段を用いて分配せず、並びに前記芳香剤を好ましくは直接に及び基本的に持続して長期間にわたって周囲に送達する。好ましくは、本明細書の芳香剤送達構成要素は、香料及び/又は消臭剤を、好ましくは香料を含む。芳香剤送達構成要素は、その性能において空気清浄装置と匹敵する。
【0028】
本明細書において「芳香剤」とは、空気の検出可能な特徴(臭い)を変えることができるいずれかの化学化合物又はそれらの混合物を意味する。これには、(心地よい)臭いを生み出す香料が挙げられ、その際その臭いは悪臭を隠す。それにはまた、悪臭を空気から直接除去する化合物(即ち、消臭剤)、又は香料と消臭剤の両方の組み合わせが挙げられる。
【0029】
本明細書において「周囲」とは、便器リムブロックを具備する便器が存在する化粧室又はトイレ(即ち、トイレ付きの洗面室)の空気を意味する。
【0030】
本明細書において「長期間にわたって送達する」とは、芳香剤送達構成要素が芳香剤を、直接に周囲に対して持続的に少なくとも24時間を超える期間送達することを意味する。好ましくは、本明細書の芳香剤送達構成要素は、芳香剤を周囲に、48時間〜100日、より好ましくは7日〜100日、更により好ましくは14時間〜80日、なおより好ましくは17日〜60日、最も好ましくは21日〜42日間送達する。
【0031】
本明細書において「前記芳香剤送達構成要素は芳香剤を前記分配手段を用いて分配しない」とは、本明細書の芳香剤送達構成要素が、液体組成物の便器リムブロックの分配手段を通じた送達とは独立して、化粧室又はトイレの空気中に芳香剤を直接送達することを意味する。しかしながら、分配手段と芳香剤送達構成要素の送達が互いに独立して機能することを条件として、前記芳香剤送達構成要素は任意に分配手段に取り付けられてもよく、又は分配手段に近接して設置されてもよい。更に、本明細書の芳香剤送達構成要素は、リムブロックに取り付けられてもよく、又はリムブロックのいずれかの部分の一部分であってもよい(例えば容器、又はもしあれば取り付け手段に取り付けられてもよい)。
【0032】
芳香剤を周囲に長期間にわたって送達するのに好適ないかなる芳香剤送達構成要素も、本明細書の便器リムブロック中に用いられてもよい。好適な芳香剤送達構成要素は、芳香ゲル;芳香プラスチック;芳香剤含有液体を含むウィックデリバリーシステム;芳香ゲル又は芳香剤含有液体と組み合わされた浸透性フィルムデリバリーシステム;及び電池式/電気式芳香剤放出システム;並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される。芳香剤送達構成要素は、本発明の便器リムブロック中に、多様な異なる方法で組み込むことができる。好適な非限定例は、本明細書の以下に示される。
【0033】
(芳香ゲル)
本発明の好ましい実施形態では、本明細書の芳香剤送達構成要素は、好ましくは長期間に芳香剤を連続放出する芳香ゲルであってもよい。より好ましくは、本明細書の芳香剤送達構成要素は、香料ゲルである。
【0034】
本明細書において「芳香剤含有/香料ゲル」は、芳香剤/香料を含有し、芳香剤/香料を化粧室又はトイレの空気中に放出できるいずれかのワックス系及び/又はゲル系物質を意味する。
【0035】
芳香ゲルには、芳香剤を放出するのに好適ないずれかの種類のワックス系及び/又はゲル系物質が挙げられる。より好ましくは、本明細書の芳香ゲルは、無水又は水性の芳香ゲルである。
【0036】
好ましくは、本明細書に用いるワックス系及び/又はゲル系物質は:無水ワックス系及び/又はゲル系物質;並びに水性ワックス系及び/又はゲル系物質;並びにこれらの混合物から成る群から選択される。
【0037】
本明細書に用いる好ましい無水ワックス系及び/又はゲル系物質は、ポリアミドポリマー;ワックス;スチレンポリマー;ステアレート;エステル末端化ダイマー酸系ポリアミド;ジヒドロキシポリブタジエン及びエトキシル化第一級アミンとの組み合わせによるマレイン酸処理された(maleinized)ポリブタジエン;ジヒドロキシポリブタジエン及びエトキシル化第一級アミンとの組み合わせによるマレイン酸処理された(maleinized)ポリイソプレン、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。
【0038】
本明細書に用いる好ましい水性ワックス系及び/又はゲル系物質は、水とカラギーナンガム又はジェランガムのようなゲル化剤;ポリビニルアルコール又はポリビニルアセテート及びジメチルスルホキシドと水の組み合わせ;ポリアクリルアミドのようなポリマーと水の組み合わせ;ステアリン酸、プロピレングリコール、及び活性炭と水の組み合わせ;及び無水ポリアクリル酸ナトリウム、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。
【0039】
本明細書に用いるこれらのワックス系及び/又はゲル系物質は、典型的にはそれらを最初にそれらの液体形態で加工すること、多くの場合加熱することにより製造される。実際に、ゲルは典型的にはゲルを融解するために加熱されるか、又はゲルは液体状態で高温で重合されるか若しくはゲル化される。芳香剤、好ましくは香料が次に加熱されたゲルに添加され、加熱された芳香剤含有液体が次に冷却されてゲル構造を形成する。
【0040】
本明細書の好ましい実施形態では、本明細書の芳香ゲルは無水の芳香ゲルであり、より好ましくは本明細書の芳香ゲルは、更に芳香ゲルの90重量%までの芳香剤を含有するポリアミドポリマー;更に芳香ゲルの90重量%までの芳香剤を含有するワックス;更に芳香ゲルの90重量%までの芳香剤を含有するスチレンポリマー;更に芳香ゲルの90重量%までの芳香剤を含有するステアレート;更に芳香ゲルの50重量%までの芳香剤を含有するエステル末端化ダイマー酸系ポリアミド;更に芳香ゲルの95重量%までの芳香剤を含有するジヒドロキシポリブタジエン及びエトキシル化第一級アミンとの組み合わせによるマレイン酸処理された(maleinized)ポリブタジエン;及び更に芳香ゲルの95重量%までの芳香剤を含有するジヒドロキシポリブタジエン及びエトキシル化第一級アミンとの組み合わせによるマレイン酸処理された(maleinized)ポリイソプレン、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。好適な芳香ゲルは、例えばPCT国際公開特許WO02/066084、PCT国際公開特許WO98/17243、米国特許第5,780,527号、及びPCT国際公開特許WO01/78794に記載されている。好適な香料ゲルは、レキット・ベンキーザー(Reckitt Benckiser)により商品名クリスタル・エアー(Crystal Air)(登録商標)として、又はアリゾナ・ケミカル(Arizona Chemical)により名称シルバクリアー(Sylvaclear)(登録商標)、シルバコート(Sylvacote)(登録商標)、又はユニクリアー(Uniclear)(登録商標)樹脂として市販されている。上記に列挙されたものに類似した機能のゲルもまた用いられてもよい。無水ポリアクリル酸ナトリウム又は類似のゲル組成物は、US2002/0041860A1に詳述される。
【0041】
本明細書の芳香剤送達構成要素が芳香ゲルである本明細書の好ましい実施形態では、便器リムブロックは、好ましくは最初は95重量%までの、好ましくは10重量%〜95重量%の、より好ましくは50重量%〜95重量%の芳香剤、好ましくは香料を含む。
【0042】
ゲルの形状は、芳香剤を周囲に送達するのに好適ないずれかのデザインであってもよい。芳香ゲルは、リムブロック上のいずれかの適切な位置に直接設置されてもよい。これには、芳香ゲルを容器、及び/又は分配手段、及び/又はもしあれば取り付け手段と組み合わせることが挙げられる。芳香ゲルを容器と組み合わせるために、芳香ゲルで充填されてもよい領域を作成するため、容器の外側表面上に凹部を作成することができる。この凹部は、容器のブローン成形プロセス中に容易に作成することができる。凹部は、容器の前面パネル、上部パネル、側面、底面、又は背面パネル上の外側表面に成形されてもよい。この凹部は芳香剤含有液体ゲルで充填され、これは凹部の中で固化する。あるいは凹部は、分配手段又は(もしあれば)取り付け手段の表面上に作成でき、これは次に芳香ゲルで充填される。部品については、これは典型的には射出成形されるが、凹部は部品の表面内に、それ自体の成形プロセス中に容易に作成できる。
【0043】
あるいは、芳香ゲルは、別個のストリップとして成型されてもよく、本明細書の便器リムブロック、好ましくは容器、分配手段、及び/又は(もしあれば)取り付け手段の表面上の凹部の中に、接着剤のような多様な異なる手段を介して取り付けられてもよい。あるいは、ゲルは、本明細書の便器リムブロック、好ましくは容器、分配手段、及び/若しくは(もしあれば)取り付け手段の表面に、凹部なしに、上記の同じ取り付け手段を用いて直接取り付けられてもよく、又は本明細書の便器リムブロック若しくはその部分が、浸し塗り若しくは芳香ゲルを本明細書の便器リムブロックの表面上に噴霧することのいずれかにより完全に若しくは部分的に芳香ゲルによりコーティングされてもよい。あるいは、芳香ゲルは、便器リムブロックの表面に設置された補完的凹部を含有する別部品を充填してもよく、又は芳香ゲルが、別個のシート若しくはストリップとして成型され、こうした別部品に取り付けられてもよい。この別部品は次に、本明細書の便器リムブロック又はその部分の外側表面上に、部品を本明細書の便器リムブロックの外側表面の凹部内に挟むことにより、又は接着剤若しくはその他の様々な手段により固定される。芳香ゲルを含有するこの別部品は、別個に又は液体容器との組み合わせにより販売されてもよい。別部品はそのため便器リムブロック中に、液体容器をまた補充する時に、別個に又は同時にのいずれかにより補充される。
【0044】
本明細書の極めて好ましい実施形態では、前記芳香剤送達構成要素は芳香ゲルであり、好ましくは香料ゲルであり、これは好ましくは本明細書の便器リムブロックの容器、分配手段、又はもしあれば取り付け手段の外側部分の凹部内に存在する。
【0045】
本明細書の好ましい実施形態では、芳香ゲルは無水の芳香ゲルである。これらのゲルは、ゲル系に水を添加することによりそれらが活性化されるまでは、芳香剤を放出しない。好ましくは、本明細書の無水の芳香ゲルは、定期的にフラッシュ水に暴露されるリムブロックの領域に設置される。これは、最初の使用又はフラッシュで、水が無水芳香ゲルの中に流れ、それを活性化し、その結果それは香料を放出し始め、次いでその装置の存続期間の間トイレの周囲の空気を新鮮にするためである。この技術はそのため、それが一旦トイレ内で使用された時にのみ作動し始めるという利点を有する。
【0046】
本明細書の好ましい実施形態では、芳香ゲル、好ましくは本明細書の無水芳香ゲルは、本明細の便器リムブロックの表面の凹部内に存在し、穴の開いた覆いで覆われている。こうした覆いは、ゲルを使用前に所定位置に保持し、存在する場合、無水芳香ゲルを活性化するために凹部内に水が入ることを可能にし、活性化したゲルをその後のフラッシュの間所定位置に保つ機能を有する。実際に、ゲルの無水の性質は、リムブロックの表面にしっかりと接着しないゲルを結果としてもたらす場合がある。穴の開いた覆いで覆う異なる手段は、ゲルを所定の位置に保持するために凹部の中のゲルの上に挟まれてもよい硬質プラスチックの格子、又は凹部の上にヒートシール又は糊付けされる穴の開いたフィルムを用いることである。好ましい実施形態は、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)から商品名オールウェイズ(Always)(登録商標)として市販されるような女性の保護製品上に用いられるトップシートに類似した穴の開いたフィルムを用いることである。これらのシートは、開いた穴の形状によりゲルの中に水を通過させる。しかしながら水はまた逃げることはできず、水を所定位置に保ちゲルを連続して活性化する。
【0047】
芳香ゲル系の実施形態のすべてについて、芳香ゲルは、任意であるが極めて好ましくは、その芳香剤をリムブロックの使用前に空気中に放出しないように保護されてもよい。これは、液体リムブロックを、高いガスバリアを有する包装中に包装することにより解決され得る。好ましい選択肢は、アルミニウム、金属化PET、金属化2軸配向ポリプロピレン、及び/又はその他の類似のフィルム材料の積層体から製造されるブリスターの最上部の上の、高酸素バリアフィルムを有するPET、PVC、又はその他の類似の材料から製造される透明な熱成形ブリスター包装である。別のものは、高ガスバリアの可剥性フィルムを、リムブロックの表面上の香料ゲルを覆うようにリムブロック上に封止すること、あるいは別部品内のゲル容器を覆うように別部品上に封止することである。このフィルムは次にユーザーにより、リムブロックを便器中に設置する前に除去される。好ましくは、可剥性フィルムは、消費者がまた動作中のゲルを見ることができるように透明である。好適なフィルムは、Al23、SiO2、又はPVDCコーティング又はその他の類似の高ガスバリアの透明フィルムを用いる積層フィルムである。
【0048】
芳香ゲルを含有する本明細書のすべての実施形態について、極めて好ましい実施形態は、香料ゲルを、好ましくは容器の外側に面する区域上の凹部に設置することである。「外側に面する区域」とは、便器の縁区域から離れた方に向いた(最も近い条件で)容器の区域又は側面、好ましくは便器の中央に向いた横向きの区域を意味する。
【0049】
あるいは、芳香ゲルを含有する本明細書のすべての実施形態について、極めて好ましい実施形態は、芳香ゲルを、好ましくは容器の縁に面する区域上の凹部に設置することである。「縁に面する区域」とは、便器の縁区域に向いた(最も近い条件で)容器の区域又は側面、好ましくは便器の中央から離れた方に向いた横向きの区域を意味する。この縁に面する構成は、便器の使用時に、尿又は糞便による香料ゲルの汚染の危険性が減少するという利点を有する。
【0050】
芳香ゲルが本明細書の容器の凹部内に存在する好ましい実施形態では、芳香ゲルを凹部に設定することは、加熱した芳香ゲルを直接凹部内に注ぎ、それを冷却させることにより達成されてもよい。高バリアを有する小さい可剥性及び好ましくは透明なフィルムが凹部内の芳香ゲルの上に設置され、容器の凹部の外側部分に封止されてもよい。この実施形態は、芳香ゲルを使用前に保護し、且つ便利な、ユーザーが使いやすい補充システムを構築するという利点を有する。実際に、芳香ゲルは、瓶が入れ替えられる時に同時に入れ替えられ、可剥性フィルムは、標準的補充処理の間に除去されゲルを暴露する。
【0051】
加えて、ゲルの2以上の層が、互いの上面の上に充填されてもよい。これは、上部層への接着剤として下部層が作用する利点を有する。これは、水若しくは尿の流れにより芳香ゲルが脱落しないように、又は芳香剤が蒸発するにつれてゲルが小さくなり過ぎないように、芳香ゲルをリムブロック装置内に、より有効にくっ付けることができる。加えて、芳香剤の濃度(%)は、ゲルからの芳香剤の放出をより良く制御するために、これらの層において変えることができる。あるいは、2以上の異なるゲルをリムブロック中に並んで成型することができる。これは、消費者にとってより良い美観を作り出すという利点を有する。加えて、異なる芳香剤又は成分を各ゲルに(例えば香料を1つのゲルに、及び消臭剤を他方のゲルに)加えることができる。
【0052】
(芳香プラスチック)
本発明の好ましい実施形態では、本明細書の芳香剤送達構成要素は、好ましくは、長期間にわたって芳香剤を連続放出する芳香プラスチックであってもよい。より好ましくは、本明細書の芳香剤送達構成要素は香料含有プラスチックである。
【0053】
本明細書において「芳香剤含有/香料含有プラスチック」は、芳香剤/香料を含有し、芳香剤/香料を化粧室又はトイレの空気中に放出できるいずれかのプラスチック材料を意味する。
【0054】
芳香プラスチックは、芳香剤を放出するのに好適ないずれかの種類のプラスチック材料を包含する。好ましくは、芳香プラスチックとして用いるのに好適なプラスチック材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレン(PE);ポリプロピレン(PP);ポリ塩化ビニル(PVC);耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);ポリスチレン(PS)、熱可塑性エラストマー(TPE)、エチルビニルアセテート(EVA)などから成る群から選択される。
【0055】
本明細書のプラスチック材料は、芳香剤含有の、好ましくは香料含有のマスターバッチを含有する。本明細書において「芳香剤含有マスターバッチ」とは、キャリア樹脂、例えばPET、PE、PP、PVC、HIPS、及び/又はPSと、好ましくは総マスターバッチの95重量%まで、10重量%〜90重量%、より好ましくは50重量%〜85重量%の高濃度の芳香剤(好ましくは香料)とから成る材料の部分を意味する。マスターバッチは、射出成形、ブローン成形、シート成形、ブローン・フィルム及びその他の類似のプラスチック製法のための押出成形機中の添加を介して、プラスチック部品の通常の製造中に添加される。プラスチックはまた、プラスチック部品に添加されてもよい芳香剤の量を最大化するため、更に空気中へのその放出を促すために発泡体にされてもよい。この技術は、PCT国際公開特許WO00/08095、米国特許第4,411,855号、GB2,180,157、及び米国特許第3,797,742号に詳述されている。
【0056】
本明細書の芳香剤含有マスターバッチは、本明細書の便器リムブロック又はその部分、例えば容器、分配手段、又は(もしあれば)取り付け手段の製造中に用いられてもよい。これは使用時に、芳香剤をリムブロック又はその部分のいずれかから直接放出することにより、芳香剤を化粧室/トイレの空気中に送達するリムブロックを作成する。好ましくは、芳香剤含有マスターバッチは、本明細書の容器の製造中に用いられる。芳香剤送達構成要素は、容器中の液体が一旦使い果たされたら新しい容器と共に同時に入れ替えられるため、実際にこれは、芳香剤送達構成要素を補充する便利な手段を構築する。
【0057】
別の手法は、別個のプラスチック部品の製造のために芳香剤含有マスターバッチを用いることである。この部品(「挿入部品」)は次に、リムブロックのいずれかの部分に固定されてもよい。挿入部品(又は挿入部品類)は、射出成形されてもよく、又は類似のプラスチック製法により製造されてもよい。別個の挿入部品を用いる方法は、リムブロック又はその部品の製造のために芳香剤含有マスターバッチを用いることと比較して、それ自体で芳香剤の量を更に制御することができ、並びに芳香剤の送達量を最大化するために用いられるプラスチックの種類の制御を更にできるという利点を有する。これは、これらのプラスチック部品は芳香剤を分配することだけを必要とするという事実による。それらは、リムブロックを便器に固定する又は組成物を含有/分配するなどの追加の機能を有する必要がない。加えて、プラスチック部品は、美観を改善するために、着色されてもよいし及び/又は異なる設計から製造されてもよい。こうした挿入部品を固定することは、別部品をリムブロックの部分に挟むことにより、又は接着剤若しくは類似の技術を用いることにより達成されてもよい。部品は、別包装、又はもしあれば容器の補充と組み合わされたマルチパックのいずれかにおける補充として販売され得る。両方の包装は、使用前に芳香剤を部品中に保つために、高酸素バリア包装(本明細書で上述されたように)を有する。
【0058】
本発明の別の実施形態では、芳香プラスチックの複数の部品が、好ましくは小さいビーズの形態において又はその他の類似の設計によって用いられる。ビーズを用いることは、部品の表面積を最大化し、芳香剤の放出を促進する。これらのビーズは、リムブロック中に、リムブロック又はその部分の表面の凹部内に包含され、その際、好ましくは前記凹部は、気体透過可能な覆い、好ましくは穴の開いた覆いを用いて覆われる。この気体透過可能な覆いは、ビーズを使用前に所定位置に保持する。覆いは、ビーズの上にそれを所定位置に保持するために凹部内に挟まれてもよい硬質プラスチックの格子、又は凹部の上にヒートシール若しくは糊付けされる穴の開いたフィルムから成ってもよい。更に別のものは、ビーズを保持し、リムブロック又はその部分に様々な手段を介して取り付けられるケージ様の装置を作成することである。あるいは、ケージはリムブロックの部分に一体成形されてもよい。更に別のものは、ビーズを蓋なし容器に収納することである。この容器は、本明細書の香料含有液体組成物用容器と同じ基本形状を取ってもよく、及び前記容器に隣接して又はその上に配置されてもよい。これにより、両方の容器が分配手段の中に同時に挿入できるために、ビーズ容器は、香料含有液体組成物用容器と共に容易に補充することができる。
【0059】
(浸透性フィルム)
本発明の好ましい実施形態では、本明細書の芳香剤送達構成要素は、芳香剤放出媒質の上の浸透性フィルムデリバリーシステムであってもよい。
【0060】
本明細書において「浸透性フィルム」とは、芳香剤への高い浸透速度を有するフィルム系材料を意味する。好ましくは前記浸透性フィルムは、芳香剤への高い浸透速度を有するフィルム系材料、又は香料が空気へと通過するのを可能にする十分な空間をフィルム構造内に有するミクロ孔質の膜材料(好ましくは疎水性コーティングを有する)である。これらのフィルムは、香料の蒸気がリムブロックから化粧室/トイレの空気へと脱出するのを可能にする一方で、もしあれば芳香剤/香料が脱出する又はフラッシュ水が装置に入るのを防止する。放出速度はフィルムの厚さ及びフィルム/膜材料の断面により制御できるため、それらはまた芳香剤のリムブロックからの放出速度を制御することができる。好適な浸透性フィルムには、ゲルマン(Gelman)、ゴア(Gore)、ポール(Pall)、及びその他の類似の膜の供給元から供給されるようなミクロ孔質の膜と共に、高浸透性フィルム、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、エチルビニルアセテート(EVA)などが挙げられる。この技術は、米国特許第4,898,328号、PCT国際公開特許WO97/42983、及びEP−A−0596212に記載されている。
【0061】
本明細書において「芳香剤放出媒質」とは、長期間にわたって芳香剤、好ましくは香料を放出できる媒質を意味する。好適な芳香剤放出媒質は、本明細書で上述された芳香ゲル;本明細書で上述されたビーズを包含する芳香プラスチック;及び芳香剤含有液体組成物、好ましくはアルコール及びその他の揮発性成分を含有する溶媒系液体組成物;及び芳香剤含有液体組成物を染み込ませたパッド;並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0062】
覆いの浸透性フィルムを有する本明細書の芳香剤放出媒質は、本発明のリムブロック内のいずれかの適切な位置に直接設置されてもよく、それには、香料放出媒質と覆いの浸透性フィルムを容器、及び/又は分配手段、及び/又はもしあれば取り付け手段の中に組み合わせることが挙げられる。本明細書の好ましい実施形態では、芳香剤放出媒質は、本明細書の便器リムブロックの外側表面上の凹部内に収容され、凹部は浸透性フィルムで覆われる。あるいは、芳香剤放出媒質は蓋なし容器に収容され、浸透性フィルムで覆われる。この容器は、本明細書の香料含有液体組成物用容器と同じ基本形状を取ってもよく、また容器に隣接して又はその上に配置されてもよい。これにより、両方の容器がリムブロック中に同時に設置できるため、浸透性フィルムにより封止される芳香剤放出媒質用容器は、香料含有液体組成物用容器と共に容易に補充することができる。あるいは、浸透性フィルムにより封止される香料放出媒質用の小さい平らな容器が、本明細書の便器リムブロック又はその部分の表面に、挟む機構により、又は接着剤若しくは類似の方法により直接取り付けられてもよい。
【0063】
浸透性フィルムに基づく実施形態のすべてについて、フィルムにより収容される製品は、その香料が、リムブロックの購入及び使用前に空気中に放出するのを保護されてもよい。これは、リムブロックを、本明細書の上の「芳香ゲル」という項目に記載されたような高ガスバリアを有する包装中に包装することにより達成できる。
【0064】
好ましい実施形態では、高バリアフィルムは、浸透性フィルムに直接積層化され、その結果このフィルムは単一構造として存在する。バリアフィルムと浸透性フィルムとの間の結合は非常に弱く、その結果フィルム構造が、芳香剤放出媒質を囲むようにリムブロックに封止される時に、浸透性フィルムとリムブロックとの間の結合は、浸透性フィルムとバリアフィルムとの間の結合に比べて強く、浸透性フィルムとバリアフィルムとの間の結合は、ユーザーが容易に剥離できるように十分弱い。このシステムは、ユーザーがリムブロックを使用する前にバリアフィルムを容易に除去できるようにするのみでないが、また浸透性及びバリアフィルムを一工程で液体リムブロックに封止するためのはるかに簡単な製造手段を提供する。
【0065】
(ウィック)
本発明の好ましい実施形態では、本明細書の芳香剤送達構成要素は、芳香剤含有液体組成物を含むウィックデリバリーシステムであってもよい。より好ましくは、本明細書の芳香剤送達構成要素は、香料含有液体組成物を含むウィックデリバリーシステムである。
【0066】
本明細書において「ウィックデリバリーシステム」とは、吸収性基材(「ウィック」)、例えば綿又は類似の材料が容器の一部であり、その際ウィックの一方の端が芳香剤、好ましくは香料を含有する液体組成物中に存在し、その一方でウィックの他方の端が、容器の外側又は容器の開口部の最上部に存在し、ウィックが芳香剤含有液体を毛管力を介してウィック中にくみ上げ、それを容器開口部に置かれたウィックの末端部に輸送するシステムを意味する。これは、芳香剤を含有する液体組成物を蒸発させ、したがって液体は、芳香剤を化粧室/トイレの空気中に連続放出させる。ウィック技術は先行技術において周知であり、米国特許第5,014,912号、米国特許第6,514,467号、及び米国特許第5,000,383号に記載されている。
【0067】
本明細書の好ましい実施形態では、ウィックデリバリーシステムは、開口部を有し及び香料を含有する揮発性液体を保持する瓶のような容器であり、その際容器は更にウィックを収容するが、本明細書のリムブロックの一部分である。これは、容器及び/又は分配手段及び/又はもしあれば取り付け手段に取り付けられたウィックデリバリーシステムの容器を包含する。瓶は液体リムブロックに、挟むこと、接着テープなどを介して取り付けられてもよい。
【0068】
ウィックデリバリーシステムの容器自体が、蓋で封止される単位として補充として更に販売され得る。
【0069】
(電池式/電気式芳香剤放出システム)
本発明の好ましい実施形態では、本明細書の芳香剤送達構成要素は、電池式/電気式芳香剤放出システムであってもよい。この実施形態では、本明細書の便器リムブロックは、芳香剤、好ましくは香料を分配するための電気式又は電池式手段を用いる、芳香剤を分配するシステムを含有する。
【0070】
電気式又は電池式手段を用いて芳香剤を分配するのに好適ないずれかの手段を本明細書において用いることができる。好ましくは、前記電池式/電気式芳香剤放出システムは、長期間にわたって芳香剤を分配する電気又は電池駆動ポンプ手段である。極めて好ましい実施形態では、前記電池式/電気式芳香剤放出システムは、芳香剤を含む液体組成物を収容するカートリッジ、カートリッジから液体組成物を放出するための手段、及びガス発生セルを用いて液体をカートリッジの中から外へ押し出すための手段を包含する。本明細書のガス発生セルは、好ましくは、ガスを長期間にわたって発生する電気化学セル(電池)である。液体をカートリッジの中から外へ押し出すための手段は、好ましくは、香料を含む液体組成物をカートリッジの中から外へ押し出すピストンポンプである。好適なガス発生セル、並びに電池式/電気式芳香剤放出システムは、米国特許第6,045,055号、米国特許第6,109,539号、PCT国際公開特許WO97/13007、PCT国際公開特許WO99/06614、PCT国際公開特許WO00/72951、米国特許第5,681,435号、米国特許第5,899,381号、PCT国際公開特許WO02/069935、PCT国際公開特許WO00/76645、及びPCT国際公開特許WO02/16048に記載されている。
【0071】
本発明の好ましい実施形態では、電池式/電気式芳香剤放出システムは、本明細書の便器リムブロック中に収容される。実際に、電池式/電気式芳香剤放出システムは、容器及び/又は分配手段と、及び/又はもしあれば取り付け手段中に組み合わされてもよい。電池式/電気式芳香剤放出システムはリムブロックに、挟むこと、接着テープなどを介して取り付けられてもよい。更に、電池式/電気式芳香剤放出システムは、本明細書のリムブロックの一部である別個の筺体中に収容されてもよい。
【0072】
電池式/電気式芳香剤放出システムは、リムブロックと組み合わされる別個の補充装置として販売されてもよい。あるいは、好ましい実施形態では、電池式/電気式芳香剤放出システムは、本明細書のリムブロックの容器に取り付けられるか、又は組み合わされ、容器内の液体製品が使い果たされたらいつでもその補充が用いられる。補充は、別個に又は芳香剤の連続性を提供するために液体容器の補充と共にマルチパックでのいずれかにより販売されてもよい。
【0073】
(香料含有液体組成物)
本明細書の便器リムブロックは、第4の必須要素として、香料含有液体組成物を具備する。「液体組成物」という用語は、水性の増粘されたゲル及びペースト組成物を包含する。
【0074】
本明細書の好ましい実施形態では、本明細書の香料含有液体組成物は、増粘された組成物である。本明細書の増粘された組成物は、ゲル又はペースト組成物の形態であってもよい。
【0075】
本発明の好ましい増粘された組成物は、ステンレス鋼の4cmの円錐のスピンドルを有するキャリ−メド・レオメーター(Carri-Med Rheometer)モデルCSL2100(登録商標)(TAインスツルメンツ(TA Instruments)より供給される)(最大8分以内に0.1〜100秒-1の線形増加)によって20℃で測定される場合、2cps以上、より好ましくは2〜5000cps、更により好ましくは100〜3500cpsの粘度を有する。
【0076】
本明細書の増粘された組成物が、便器表面上に組成物の良好な分配を示す、並びに表面にくっ付くために十分な前記表面への付着力を示すのは、これらの好ましい粘度においてである。
【0077】
本明細書の好ましい液体組成物は、水を組成物全体の0.01重量%〜90重量%、更により好ましくは2重量%〜70重量%、最も好ましくは5重量%〜60重量%の量で含む。
【0078】
別の好ましい実施形態では、本明細書の香料含有液体組成物は、水を実質的に含まず、好ましくは水を含まない。「水を実質的に含まない」とは、水自体が液体組成物に添加されないことを意味する。しかしながら、組成物は、組成物を製造するために用いられる原材料を通じて組成物に添加される水の痕跡は含んでもよい。液体組成物を製造するために用いられる原材料を通じて組成物中に添加される水の濃度は、好ましくは、組成物全体の15重量%未満、より好ましくは5重量%未満である。
【0079】
香料含有液体組成物のpHは、典型的には0〜14であってもよい。好ましくは、本明細書の液体組成物のpHは25℃で測定される時に、4〜8、より好ましくは5〜7である。
【0080】
それ故に、本明細書の組成物は、pHを調整するために必要に応じて酸又は塩基を更に含んでもよい。存在する場合、酸性は、石灰かすの良好な除去性能を示す一方でまた良好な消毒特性を示す本発明による組成物を配合するために更に貢献する場合がある。
【0081】
それ故に、本発明の組成物は有機及び/又は無機酸を含んでもよい。本明細書で用いられるべき特に好適な有機酸は、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、スルファミン酸、マレイン酸などのようなアリール及び/又はアルキルスルホネートである。特に好適な無機酸は、硫酸、リン酸、硝酸などである。
【0082】
存在する場合、このような酸の典型的な濃度は、組成物全体の0.0001重量%〜15重量%、好ましくは0.001重量%〜10重量%、より好ましくは0.01重量%〜7重量%である。
【0083】
本明細書で用いるのに好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び/若しくは水酸化リチウムのような苛性アルカリ、並びに/又は酸化ナトリウム及び/若しくは酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物、又はこれらの混合物である。その他の好適な塩基には、アンモニア、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムが挙げられる。
【0084】
存在する場合、このような塩基の典型的な濃度は、組成物の0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜3重量%、より好ましくは0.1重量%〜2重量%である。
【0085】
本明細書の便器リムブロックは、本明細書の香料含有液体組成物の上に追加組成物(類)を具備してもよく、その際前記組成物は、香料含有液体組成物と比較して異なる特性、例えばレオロジー特性、pH、水分含有量などを有してもよい。好ましくは前記追加組成物(類)は、液体、ゲル、又は固体組成物(類)であってもよく、より好ましくは前記追加組成物(類)は、液体組成物(類)である。
【0086】
想定される最終使用に応じて、本明細書の組成物は、染料、光学的光沢剤、ビルダー、顔料、溶媒、緩衝剤、ラジカルスカベンジャー、ポリマー、安定剤などが挙げられる多様な他の成分を更に含んでもよい。
【0087】
(芳香剤)
本発明による液体組成物は香料を含む。更に、芳香剤送達構成要素は、好ましくは芳香剤を、より好ましくは香料及び/又は消臭剤を、更により好ましくは香料を含む。
【0088】
香料含有液体組成物の香料、及び芳香剤送達構成要素の芳香剤は互いに独立している。
【0089】
好ましい実施形態では、もしあれば、本明細書の芳香剤送達構成要素の香料、及び本明細書の香料含有液体組成物の香料は、化学的に同一組成物であってもよく、又は少なくとも類似の臭いを有する。これにより消費者に香料の連続性を提供する。
【0090】
本明細書の別の好ましい実施形態では、好ましくは本明細書の芳香剤送達構成要素の香料及び/又は消臭剤、並びに本明細書の香料含有液体組成物の香料は互いに異なる。これは、芳香剤送達構成要素から「弱い」香料及び/又は消臭剤が空気中に連続放出され気持ちの良い臭いを提供し及び/又は悪臭を除去し、並びに液体組成物中に用いられる「より強い」香料が、使用後に直接便器から発散される悪臭を隠すためにフラッシュ後に放出される可能性を提供する。2つの異なる芳香剤を有するこのシステムはまた、装置がフラッシュ後に機能することを消費者に強調する。
【0091】
(香料)
便器のフラッシュ時に化粧室の空気中に香料の増加を送達するのに好適ないずれかの香料が、本明細書の便器リムブロック中に用いられてもよい。更に、本明細書の芳香剤送達構成要素により分配されるのに好適ないずれかの香料が本明細書で用いられてもよい。
【0092】
高度に揮発性の低沸点の香料の例は、アネトール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルフォーメート、イソボルニルアセテート、カンフェン、シスシトラール(ネラール)、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、p−シメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、ゲラニアール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルニトリル、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルプロピオネート、アントラニル酸メチル、α−メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルビニルアセテート、左旋性−メンチルアセテート、メントン、イソメントン、ミクレン、ミルセニルアセテート、ミルセノール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、テルピニルアセテート、及びバーテネックス(p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート)である。幾つかの天然油はまた、高揮発性香料成分の高い百分率を含有する。例えば、ラバンジンは主構成成分として、リナロール;リナリルアセテート;ゲラニオール;及びシトロネロールを含有する。レモン油及びオレンジテルペンは両方共約95%のd−リモネンを含有する。
【0093】
中程度に揮発性の香料の例は、アミルシンナミックアルデヒド、イソアミルサリチラート、β−カリオフィレン、セドレン、シンナミックアルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、イソオイゲノール、フローアセテート(flor acetat)、ヘリオトロピン、3−シス−ヘキセニルサリチラート、ヘキシルサリチラート、リリア−ル(p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、γ−メチルイオノン、ネロリドール、パチュリアルコール、フェニルヘキサノール、β−セリネン、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、トリエチルシトレート、バニリン、及びベラトルムアルデヒドである。シダーウッドテルペンは、主にα−セドレン、β−セドレン、及びその他のC1524セスキテルペンから構成される。
【0094】
それほど揮発性でない高沸点の香料の例は、ベンゾフェノン、ベンジルサリチラート、エチレンブラシレート、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、リラール(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−10−カルボキシアルデヒド)、メチルセドリロン(methyl cedrylone)、メチルジヒドロジャスモネート、メチル−β−ナフチルケトン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベテン(musk tibetene)、及びフェニルエチルフェニルアセテートである。
【0095】
好ましい香料は、環状テルペン/セスキテルペン香料、例えばユーカリプトール、セドロール、ピノカルベオラス(pinocarveolus)、セスキテルペングロブラルアルコール(sesquiterpenic globulul alcohol);リナロ(linalo);テトラヒドロリナロ(tetrahydrolinalo);ヴァードックス(シクロヘキサジイル2テトリルブチルアセテート(cyclohexadiyl 2 tetryl butyl acetate));6,3ヘキサノール;及びシトロネロール、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。
【0096】
本明細書の香料含有液体組成物は、組成物全体の0.01重量%〜40重量%、好ましくは0.01重量%〜35重量%、より好ましくは0.1重量%〜30重量%、最も好ましくは0.1重量%〜25重量%の前記香料を含んでもよい。
【0097】
(消臭剤)
本発明による液体組成物は、消臭剤又は消臭する剤を更に含んでもよい。更に、芳香剤送達構成要素は、消臭剤又は消臭する剤を含んでもよい(本明細書では同義語として用いられる)。
【0098】
臭気を吸収する又は少なくとも減少させるのに好適ないずれかの消臭剤又は消臭する剤が本発明に用いられてもよい。固体の消臭剤又は消臭する剤は、本明細書の液体組成物及び/又は芳香剤送達構成要素に組み込まれる前に可溶化されてもよい(例えば、水のような好適な溶媒中に溶解される)。
【0099】
本明細書に用いるのに好適な消臭剤又は消臭する剤は、シクロデキストリン;少なくとも16個の炭素原子を有する分枝鎖又は直鎖、飽和又は不飽和の、1又は複数のヒドロキシル化脂肪酸の金属塩;樹脂酸の金属塩;二価金属イオンとポリアニオン性キレート化剤、好ましくはアミン系キレート化剤とから形成されるウレアーゼ阻害錯体;及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0100】
好適な消臭剤又は消臭する剤は、例えば、EP1,214,878A1、米国特許第5,942,217号、米国特許第5,939,060号、米国特許第5,783,544号、米国特許第5,714,137号、米国特許第5,668,097号、及び米国特許第5,593,670号に記載されている。
【0101】
好ましい実施形態では、消臭剤又は消臭する剤は、EP1,214,878A1([0008]〜[0017]条)に特に記載されるように、二価金属イオンとポリアニオン性キレート化剤、好ましくはアミン系キレート化剤とから形成されるウレアーゼ阻害錯体を含む。
【0102】
(方法)
本発明は、便器の表面を本発明による便器リムブロックで処理する方法を包含し、前記方法は、香料含有液体組成物を便器表面上に適用する工程を含む。
【0103】
好ましくは前記香料含有液体組成物の便器表面上への前記適用は、前記便器表面を水でフラッシュする時に行われる。
【0104】
本明細書のリムブロックで便器表面を処理する前記方法では、香料含有液体組成物は、好ましくは前記表面上に希釈形態で適用され、その際希釈は本明細書の液体組成物の前記表面への適用時に生じる。
【0105】
本明細書において「その希釈形態で」とは、前記組成物が、120.000xの希釈度まで、好ましくは50.000x〜80.000x、より好ましくは10.000x〜60.000x、更により好ましくは10.000x〜55.000x、最も好ましくは20.000x〜50.000xの希釈度に、水で希釈されてもよいことを意味する。
【0106】
更に、本発明は、本明細書で上述されたように、本方法の1つに用いる組成物の製造を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器リムブロックであって、
a)香料含有液体組成物を保持する少なくとも1つの容器;
b)前記組成物を便器の縁の下から前記便器のフラッシュ水中に分配するための分配手段;及び
c)芳香剤送達構成要素を具備し、
前記芳香剤送達構成要素が、前記分配手段を用いて芳香剤を分配せず、長期間にわたって前記芳香剤を周囲に送達する、便器リムブロック。
【請求項2】
前記便器リムブロックが、取り付け手段を更に具備し、好ましくは前記分配手段が、前記取り付け手段及び支持構造を具備する、請求項1に記載の便器リムブロック。
【請求項3】
前記取り付け手段が、前記便器リムブロックを便器の前記縁に取り付けるか、又は前記便器リムブロックを前記縁から吊るし、好ましくは前記取り付け手段が、前記便器リムブロックを便器の前記縁から吊るすためのフックである、請求項2に記載の便器リムブロック。
【請求項4】
前記芳香剤送達構成要素が、芳香ゲル;芳香プラスチック;芳香剤含有液体を含むウィックデリバリーシステム;芳香ゲル又は芳香液体と組み合わされた浸透性フィルムデリバリーシステム;及び電池式/電気式芳香剤放出システム;並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項5】
前記芳香剤送達構成要素が芳香ゲルであり、好ましくは香料ゲルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項6】
前記芳香ゲルが、本明細書の便器リムブロックの外側部分上の凹部内に存在する、請求項5に記載の便器リムブロック。
【請求項7】
前記芳香ゲルが、前記容器の外側に面する区域上の凹部内に設置される、請求項5又は6に記載の便器リムブロック。
【請求項8】
前記芳香ゲルが、前記容器の縁に面する区域上の凹部内に設置される、請求項5又は6に記載の便器リムブロック。
【請求項9】
前記芳香剤送達構成要素が、ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレン(PE);ポリプロピレン(PP);ポリ塩化ビニル(PVC);耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);及びポリスチレン(PS)、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるプラスチック材料に基づく芳香プラスチックである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項10】
前記芳香剤送達構成要素が、芳香ゲル又は芳香剤含有液体媒質と組み合わされた浸透性フィルムデリバリーシステムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項11】
前記芳香剤送達構成要素が、芳香剤含有液体組成物を含むウィックデリバリーシステムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項12】
前記芳香剤送達構成要素が、電池式/電気式芳香剤放出システムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項13】
前記香料含有液体組成物中に存在する前記香料が、環式テルペン/セスキテルペン香料、例えばユーカリプトール、セドロール、ピノカルベオラス(pinocarveolus)、セスキテルペングロブラルアルコール(sesquiterpenic globulul alcohol);リナロ(linalo);テトラヒドロリナロ(tetrahydrolinalo);ヴァードックス(シクロヘキサジイル2テトリルブチルアセテート(cyclohexadiyl 2 tetryl butyl acetate));6,3ヘキサノール;及びシトロネロール、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項14】
前記芳香剤送達構成要素によって分配される前記芳香剤が、香料及び/又は消臭剤であり、好ましくは香料である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項15】
前記芳香剤送達構成要素によって分配される前記香料が、環式テルペン/セスキテルペン香料、例えばユーカリプトール、セドロール、ピノカルベオラス(pinocarveolus)、セスキテルペングロブラルアルコール(sesquiterpenic globulul alcohol);リナロ(linalo);テトラヒドロリナロ(tetrahydrolinalo);ヴァードックス(シクロヘキサジイル2テトリルブチルアセテート(cyclohexadiyl 2 tetryl butyl acetate));6,3ヘキサノール;及びシトロネロール、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項14に記載の便器リムブロック。
【請求項16】
前記芳香剤送達構成要素によって分配される前記消臭剤が、シクロデキストリン;少なくとも16個の炭素原子を有する分枝鎖又は直鎖、飽和又は不飽和の、1又は複数のヒドロキシル化脂肪酸の金属塩;樹脂酸の金属塩;二価金属イオンとポリアニオン性キレート化剤、好ましくはアミン系キレート化剤とから形成されるウレアーゼ阻害錯体;及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項14に記載の便器リムブロック。
【請求項17】
前記香料含有液体組成物が、組成物全体の0.01重量%〜40重量%の前記香料を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の便器リムブロック。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の便器リムブロックで便器表面を処理する方法であって、その際前記方法が、香料含有液体組成物を便器表面上に適用する工程を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の便器表面を洗浄する方法であって、その際香料含有液体組成物の便器表面上への前記適用が、前記便器表面を水でフラッシュする時に行われる方法。

【公表番号】特表2006−522241(P2006−522241A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501271(P2006−501271)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011691
【国際公開番号】WO2004/092492
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】