説明

指示入力システム及び指示入力方法

【課題】 操作性を向上させることができる指示入力システム及び指示入力方法を提供する。
【解決手段】 デジタルカメラ20に所持者の個人情報を予め記憶しておき、当該個人情報を店頭端末装置50に無線で送信し、店頭端末装置50において、表示部56の表示面における指先の接触位置に表示された項目により示される指示内容を所持者によって指示されたものとして特定すると共に、前記デジタルカメラ20から送信された前記個人情報を受信し、受信した前記個人情報に応じて表示部56への項目やボタン等の表示位置を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインタフェースを備えた指示入力装置に対して指示を入力する指示入力システム及び指示入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(電荷結合素子)、CMOSイメージ・センサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルカメラの需要が急増している。
【0003】
この種のデジタルカメラでは、撮影を行うとき、撮像素子によりデジタルデータとして得られた画像情報が、当該デジタルカメラに対して着脱可能に構成されたスマート・メディア(SmartMedia(登録商標))、SDカード、コンパクト・フラッシュ(CompactFlash)、ATA(AT Attachment)カード、マイクロドライブ等の記憶メディアに対して記憶されるようになっている。
【0004】
そして、当該記憶メディアを、本発明の出願人が提唱するFDi等に代表されるデジタルカメラ・プリント・サービスの取扱店に持ち込むことにより、当該取扱店の店頭に設置されている店頭端末装置を介して、前記記憶メディアに記憶されている画像情報によって示される被写体像を写真プリントとして出力することもできる。
【0005】
ところで、この種の店頭端末装置では、液晶パネル、タッチパネル等により構成された表示入力部にメニュー画面が表示され、当該表示入力部に指先にて接触することにより所望のメニュー項目を選択するという動作を行うことがあるが、その際に、ユーザの利き腕や好みによってはメニュー項目の表示位置に指先を接触させ難い場合もあり、所望のメニュー項目を選択する操作に手間取ることが多い。
【0006】
この種の問題は、プリントサービスシステムに限らず、その他の指示入力システムにも一般的に生じているものである。
【0007】
そこで、従来、接触入力可能なタッチパネル付き液晶パネル、数値入力等のデータ入力を行うテンキー、上下左右にカーソルを移動するための矢印キーを備えたタッチパネルコンピュータにおいて、ユーザーが利き腕に応じてテンキー及び本体を180度回転させて使用可能とし、テンキー及び本体の向きに応じて、左手テーブル又は右手テーブルから各テンキーの機能情報を読み出して、使用されたテンキーの機能の対応付けを行う処理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、ユーザによる表示位置変更キーの操作に応じて、キーマーク群を右端側又は左端側に表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−215304公報
【特許文献2】特開2003−275484公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の技術では、少なくともユーザー自身による利き腕に対応させるための操作が必要であり、ユーザによる操作が煩雑になる、という問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、操作性を向上させることができる指示入力システム及び指示入力方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、所持者の個人情報が予め記憶された記憶手段及び前記記憶手段に記憶された前記個人情報を無線で送信する送信手段を備えた携帯型情報端末装置と、指示内容を示す項目を表示するための表示手段、前記送信手段によって送信された前記個人情報を受信する受信手段、前記受信手段によって受信した前記個人情報に応じて前記表示手段への前記項目の表示位置を切り替える切替手段、前記表示手段の表示面上に指先が接触した場合に接触位置を検出する検出手段及び前記検出手段によって検出された前記接触位置に表示されている項目により示される指示内容を前記所持者によって指示されたものとして特定する特定手段を備えた指示入力装置と、を有することを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の指示入力システムによれば、携帯型情報端末装置では、当該携帯型情報端末装置の所持者に固有の情報を示す個人情報が記憶手段に予め記憶され、当該個人情報が送信手段によって無線で送信される。
【0013】
なお、本発明に係る携帯型情報端末装置には、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)、携帯電話機、デジタルカメラ等の情報端末装置が含まれる。また、上記記憶手段には、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の記憶素子、スマート・メディア、xDピクチャーカード(xD-Picture Card)、コンパクト・フラッシュ、ATAカード、マイクロドライブ、フロッピィディスク、CD−R(Compact Disc-Recordable)、CD−RW(Compact Disc-ReWritable)、光磁気ディスク等の可搬型記録媒体が含まれる。
【0014】
一方、本発明の指示入力システムによれば、指示入力装置では、指示内容を示す項目が表示手段に表示されると共に、前記表示手段の表示面上に指先が接触した場合に検出手段により接触位置が検出されて、当該接触位置に表示された前記項目により示される指示内容が前記所有者によって指示されたものとして特定手段により特定されるようになっている。
【0015】
ここで、本発明では、指示入力装置において、前記送信手段によって送信された前記個人情報が受信手段によって受信され、受信された個人情報に応じて切替手段により前記表示手段への前記項目の表示位置が切り替えられる。
【0016】
すなわち、本発明では、本指示入力システムの利用者(携帯型情報端末装置の所持者)によって、指先を接触させ易い表示面上の位置が異なることに着目し、利用者に固有の個人情報を指示入力装置にて取得できるようにすると共に、取得した個人情報に応じて前記表示手段への前記項目の表示位置を切り替えるようにしており、これによって利用者による表示位置の切り替え操作なしに、利用者による指示内容の入力動作を容易にすることができ、操作性を向上させることができるようにしている。
【0017】
このように、請求項1に記載の指示入力システムによれば、携帯型情報端末装置により、所持者の個人情報を記憶しておき、指示入力装置により前記携帯型情報端末装置から前記個人情報を取得し、取得した前記個人情報に応じて指示内容を示す項目の指示入力用に設けられた表示手段への表示位置を切替えるので、利用者による表示位置の切り替え操作なしに、操作性を向上することができる。
【0018】
本発明は、請求項2の発明のように、前記個人情報を、前記所持者の利き腕を示す情報を含むものとしてもよい。
【0019】
すなわち、利き腕は利用者毎に異なり、項目の選択を利き腕で行う場合が多いと考えられるので、利き腕を示す情報に応じて、たとえば利き腕が左であれば表示手段の表示面左側に、利き腕が右であれば表示手段の表示面右側に、それぞれ項目を表示することにより、表示面を利き腕で覆い隠すことなく利き腕での操作が行え、操作性が向上する。
【0020】
また、本発明は、請求項3の発明のように、前記携帯型情報端末装置を、撮像によって得られた画像を記録するデジタルカメラとし、前記指示入力装置を、デジタルカメラにより記録された画像を印刷して写真プリントを作成する店頭端末装置とすることができる。
【0021】
さらに、本発明は、請求項4の発明のように、前記記憶手段及び前記送信手段を、記憶手段と送信手段の双方を有しているICタグにより構成することができる。ICタグは、小型であるので、違和感無く携帯型情報端末装置に設けることができる。
【0022】
なお、ICタグは、無線タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、IDタグ、電磁誘導タグ等と呼ばれることもあるが、本明細書では、これらを総称してICタグという。
【0023】
一方、上記課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、携帯型情報端末装置により、所持者の個人情報を記憶しておき、指示入力装置により前記携帯型情報端末装置から前記個人情報を取得し、取得した前記個人情報に応じて指示内容を示す項目の指示入力用に設けられた表示手段への表示位置を切替えることを特徴としている。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と略同様に作用するので、利用者による表示位置の切り替え操作なしに、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、携帯型情報端末装置により、所持者の個人情報を記憶しておき、指示入力装置により前記携帯型情報端末装置から前記個人情報を取得し、取得した前記個人情報に応じて指示内容を示す項目の指示入力用に設けられた表示手段への表示位置を切替えるので、利用者による表示位置の切り替え操作なしに、操作性を向上することができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るプリントサービスシステム10の構成について説明する。
【0028】
同図に示すように、プリントサービスシステム10は、デジタルカメラ20及び店頭端末装置50を含んで構成されている。ここで、デジタルカメラ20はプリントサービスシステム10に対応したものであり、不特定多数のユーザにより所有されているものである。これに対し、店頭端末装置50はコンビニエンス・ストアやDPE(Develop Print Enlargement)店等の多店舗展開を特徴とする店舗の店頭に設置されているものである。
【0029】
また、デジタルカメラ20は自身の機種を示す機種情報を無線で送信できるものとして構成されており、店頭端末装置50は、デジタルカメラ20から送信された機種情報を受信できるものとして構成されている。
【0030】
なお、店頭端末装置50は、デジタルカメラ20による撮影によって得られた画像を印刷して写真プリントを作成する機能を有するものであるが、当該画像を示す画像データは、デジタルカメラ20に対して着脱可能に構成されたメモリカード34(本実施の形態では、xDピクチャーカード)を介して店頭端末装置50に入力される。従って、店頭端末装置50には、メモリカード34を挿脱可能に構成されたメモリカード・スロット72と、作成した写真プリントを外部に排出するための写真プリント・トレイ74とが備えられている。
【0031】
また、店頭端末装置50には、各種メニュー画面や各種情報を表示するための液晶ディスプレイによって構成された表示部56が設けられている。なお、本実施の形態に係る表示部56の表示面上には透過型のタッチパネル58が装着されており、ユーザは、表示部56に表示されている各種メニュー項目から所望のものを指定する際には、当該表示部56上にて指先で接触指定することができる。また、店頭端末装置50には、各種情報を入力するための操作部60と、店頭端末装置50への人の接近を検出するための人検出センサを含んで構成された人検出部66と、が設けられている。
【0032】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ20の電気系の主要構成について説明する。
【0033】
同図に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラ20は、被写体像を結像させるためのレンズ21(図1も参照。)を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、データ制御部30と、を備えている。
【0034】
CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデータ制御部30の入力端に、各々接続されている。従って、CCD24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデータ制御部30に入力される。
【0035】
ここで、データ制御部30は、ADC28から入力されたデジタル画像データや後述するメモリ32、メモリカード34等に記憶されたデジタル画像データを、動作状態に応じて予め定められた部位に選択的に出力するための制御を行う。
【0036】
また、デジタルカメラ20には、ADC28によって得られたデジタル画像データ等を一時的に記憶するメモリ32と、可搬型のメモリカード34をデジタルカメラ20でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース36と、デジタル画像データに対するホワイトバランス調整、ガンマ処理、シャープネス処理、圧縮処理、伸張処理等の各種デジタル信号処理を行う画像信号処理部38と、が備えられている。
【0037】
更に、デジタルカメラ20には、デジタルカメラ20全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40が備えられており、前述した光学ユニット22、CCD24、アナログ信号処理部26、ADC28、データ制御部30、画像信号処理部38等の各部の動作はCPU40によって制御される。
【0038】
デジタルカメラ20は、不図示のレリーズボタンがユーザによって押圧操作されたタイミングで、ADC28から出力されたデジタル画像データが画像信号処理部38にて各種デジタル信号処理が施された状態でメモリカード34に記憶されるものとして構成されている。
【0039】
ところで、デジタルカメラ20には、当該デジタルカメラ20の機種を示す機種情報等がデジタルカメラ20の製造工程で予め記憶されたICタグ42が備えられている。
【0040】
また、本実施の形態では、ICタグ42に、必要に応じて利き腕を示す情報を含むユーザの個人情報が記憶されるようになっている。当該個人情報は、デジタルカメラ20の販売店等にICタグライタを備えておき、デジタルカメラ20の購入時等に店員がICタグライタを用いて書き込むようになっている。
【0041】
図3には、本実施の形態に係るICタグ42の電気系の主要構成が示されている。
【0042】
同図に示すように、本実施の形態に係るICタグ42は、ICタグ42全体を制御するCPU(中央処理装置)42Aと、各種情報の書き込み及び読み出しが可能に構成された不揮発性のメモリ42Bと、アンテナ42Eを介して外部装置との間の各種情報の送受信を行う送受信部42Cと、外部装置から電磁誘導によって供給された電力を蓄電するコンデンサ42Dと、を備えている。
【0043】
CPU42Aは、送受信部42C及びメモリ42Bに接続されており、CPU42Aは、外部装置から送信された情報をアンテナ42E及び送受信部42Cを介し取得してメモリ42Bに記憶させたり、メモリ42Bに記憶されている情報に対して各種処理を施したり、メモリ42Bに記憶されている情報を送受信部42C及びアンテナ42Eを介して外部装置に送信すること等ができる。
【0044】
一方、送受信部42C及びCPU42Aにはコンデンサ42Dが接続されており、送受信部42C及びCPU42Aへの駆動用の給電はコンデンサ42Dによって行われる。なお、メモリ42Bへの給電は、コンデンサ42DよりCPU42Aを介して行われる。
【0045】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る店頭端末装置50の電気系の主要構成について説明する。
【0046】
同図に示すように、本実施の形態に係る店頭端末装置50は、当該店頭端末装置50全体の動作を司る制御部52が備えられており、前述した表示部56、タッチパネル58、操作部60、及び人検出部66は制御部52に電気的に接続されている。
【0047】
従って、制御部52は、表示部56への各種メニュー画面や情報の表示、タッチパネル58に対するユーザによる指定情報の把握、操作部60に対するユーザによる操作状態の把握、及び人検出部66による人の検出状態の把握を、各々行うことができる。
【0048】
また、店頭端末装置50には、写真プリントを作成するプリント部54と、表示部56へのメニュー各種画面の表示状態を制御するメニュー表示制御部55と、各種情報を記憶するためのメモリ62と、デジタルカメラ20に設けられたICタグ42との間で各種情報の授受を行う通信部64と、メモリカード・スロット72に接続されると共に当該メモリカード・スロット72に装着されたメモリカード34を店頭端末装置50でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース68と、プリントサービスシステム10を統括する統括センタに設置されているホストコンピュータ80とネットワーク接続するためのネットワークインタフェース70と、が備えられており、これら各部は制御部52に電気的に接続されている。
【0049】
従って、制御部52は、プリント部54による写真プリントの作成の制御、メニュー表示制御部55との協働による表示部56への各種メニュー画面の表示状態の制御、メモリ62、ICタグ42、メモリカード34へのアクセス、及びホストコンピュータ80との間の各種情報の授受を行うことができる。
【0050】
なお、本実施の形態に係る店頭端末装置50のメモリ62には、ユーザの利き腕に応じたメニュー画面(後述する右利き用メニュー画面及び左利き用メニュー画面)を示す情報が予め記憶されている。
【0051】
次に、本実施の形態に係るプリントサービスシステム10の作用として、店頭端末装置50の動作について図5を参照して説明する。
【0052】
図5は、店頭端末装置50の制御部52において常時実行されるメニュー画面表示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ62の所定領域に予め記憶されている。
【0053】
まず、ステップ100では、人検出部66による人の接近の検出待ちを行い、次のステップ102では、接近した人が所持しているデジタルカメラに対してICタグ42へのアクセスを試み、次のステップ104にて、ICタグ42が検知されたか否かを判定し、肯定判定となった場合は、接近したユーザが所持するデジタルカメラ20に機種情報及び個人情報等が記憶されているICタグ42が備えられているものと見なしてステップ108に移行する。
【0054】
なお、上述したように、ICタグ42は外部から電源供給を受けて作動可能な構成であるので、店頭端末装置50では、デジタルカメラ20が起動しているか否かに拘わらずICタグ42を検出可能である。
【0055】
ステップ108では、ICタグ42から個人情報を読み出し、次のステップ110では、読み出した個人情報に利き腕を示す情報が書き込まれていたか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合はステップ112に移行して、ユーザの利き腕が右利きか否かを判定する。
【0056】
上記利き腕を示す情報に応じて特定されるユーザの利き腕が右利きであった場合はステップ112で肯定判定となってステップ114に移行する。ステップ114では、右利き用のメニュー画面を読み出し、その後にステップ120に移行する。
【0057】
ステップ120では、読み出したメニュー画面を表示部56に表示させ、その後にステップ122に移行する。
【0058】
一方、上記利き腕を示す情報に応じて特定されるユーザの利き腕が左利きであった場合はステップ112で否定判定となってステップ116に移行する。ステップ116では、左利き用のメニュー画面を読み出し、その後にステップ120に移行する。
【0059】
ここで、図6(A)には、ユーザの利き腕が右である場合における右利き用メニュー画面の表示状態の一例が、図6(B)には、ユーザの利き腕が左である場合における左利き用メニュー画面の表示状態の一例が、各々示されている。なお、同図において、メニュー操作エリアには、画面上のタッチパネルをユーザが指先でタッチすることにより選択可能なメニュー項目やボタン等を表示する領域を示しており、画像表示エリアは、デジタルカメラ20により撮影され、プリント候補とされる画像を表示する領域を示している。
【0060】
同図に示されるように、各メニュー画面では、表示部56におけるメニュー操作エリアをユーザの利き腕に応じた位置としているので、ユーザが所望のメニューを選択する動作を容易にすることができ、この結果として、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0061】
一方、上記ステップ104で否定判定となった場合は、接近したユーザが所持するデジタルカメラ20に機種情報及び個人情報等が記憶されているICタグ42が備えられていないものと判断してステップ118に移行する。
【0062】
ステップ118では、予め設定されているデフォルト初期メニュー画面を読み出し、その後にステップ120に移行する。当該デフォルト初期メニュー画面の構成は、利き腕については特に考慮されていない。なお、デフォルト初期メニュー画面において、適宜、利き腕を示す情報を入力可能に構成してもよい。
【0063】
また、上記ステップ110で否定判定となった場合も、利き腕を特定できないものと判断してステップ118に移行する。
【0064】
このようにしてメニュー画面が表示された後、ユーザによるタッチパネル58に対する操作に基づいてメニュー項目やボタン等の選択指示が入力される。
【0065】
そこで、ステップ122では、ユーザの操作に基づく指示の入力待ちを行う。タッチパネル58によりユーザの指先の接触位置が検出された場合に指示の入力があったものと判断されて当該判定が肯定判定となって、次のステップ124に移行する。
【0066】
ステップ124では、タッチパネル58により検出された指先の接触位置と表示部56のメニュー操作エリアに表示している各種メニュー項目やボタン等の位置とに基づいて、ユーザにより選択指示されたメニュー項目やボタン等を特定する。
【0067】
次のステップ126では、特定したメニュー項目やボタン等に応じた指示を実行する指示実行処理を行い、その後に本メニュー画面表示処理を終了する。
【0068】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、デジタルカメラ20に所持者の個人情報を予め記憶しておき、当該個人情報を店頭端末装置50に無線で送信し、店頭端末装置50において、表示部56の表示面における指先の接触位置に表示された項目により示される指示内容を所持者によって指示されたものとして特定すると共に、前記デジタルカメラ20から送信された前記個人情報を受信し、受信した前記個人情報に応じて表示部56への項目やボタン等の表示位置を切り替えているので、利用者による表示位置の切り替え操作なしに、操作性を向上することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、個人情報を所持者の利き腕を示す情報を含むものとし、利き腕に応じてメニュー項目やボタン等の表示位置を切替える形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
また、個人情報としては、上述した所持者の利き腕を示す情報及び所持者の好みを示す情報のほか、ユーザIDを示す情報や購入店を示す情報等があげられる。
【0070】
さらに、本実施の形態では、メニュー項目やボタン等の表示位置を表示部56の右側又は左側に切替える形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下に切替えるように構成してもよいし、表示部56の表示領域を複数の領域に分割して得られる分割領域から任意の領域をメニュー項目やボタン等の表示位置として選択可能に構成することもできる。
【0071】
なお、本実施の形態では、デジタルカメラ20の販売店等にICタグライタを備えておき、デジタルカメラ20の購入時等に店員がICタグライタを用いて書き込む形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラにICタグライタに相当するICタグへの情報書き込み機能を付加し、ユーザが個人情報を書き込むようにすることもできるし、当該情報書き込み機能を店頭端末装置50に搭載し、店頭端末装置50を介して書き込むようにしてもよい。
【0072】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ20では、当該デジタルカメラ20の製造工程においてICタグ42のメモリ42Bに機種情報を記憶するものとしているが、これに限定されるものではなく、デジタルカメラ20の出荷時や出荷後等に梱包箱の外から電磁誘導で記憶させる形態とすることもできる。
【0073】
なお、本実施の形態で説明したメニュー画面表示処理プログラムの処理の流れ(図5参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0074】
また、本実施の形態で説明したプリントサービスシステム10の構成(図1〜図4参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0075】
例えば、本実施の形態では、本発明の記憶手段及び送信手段としてICタグを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明の記憶手段としてEEPROM、フラッシュ・メモリ等の半導体記憶素子やxDピクチャーカード、スマートメディア等の可搬型記録媒体を、本発明の送信手段として、電波、赤外線、光等に対して本発明の機種情報を重畳させて送信することのできる送信装置を、各々適用する形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0076】
更に、本実施の形態で示したメニュー画面の表示状態(図6参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態に係るプリントサービスシステムの構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の主要構成示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係るICタグの電気系の主要構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る店頭端末装置の電気系の主要構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るメニュー画面表示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】(A)は、ユーザの利き腕が右である場合におけるメニュー画面の表示状態の一例を、(B)は、ユーザの利き腕が左である場合におけるメニュー画面の表示状態の一例を、各々示す模式図である。
【符号の説明】
【0078】
10 プリントサービスシステム
20 デジタルカメラ
42 ICタグ
42B メモリ(記憶手段)
42C 送受信部(送信手段)
50 店頭端末装置(指示入力装置)
52 制御部(特定手段)
55 メニュー表示制御部(切換手段)
56 表示部(表示手段)
58 タッチパネル(検出手段)
64 通信部(受信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所持者の個人情報が予め記憶された記憶手段及び前記記憶手段に記憶された前記個人情報を無線で送信する送信手段を備えた携帯型情報端末装置と、
指示内容を示す項目を表示するための表示手段、前記送信手段によって送信された前記個人情報を受信する受信手段、前記受信手段によって受信した前記個人情報に応じて前記表示手段への前記項目の表示位置を切り替える切替手段、前記表示手段の表示面上に指先が接触した場合に接触位置を検出する検出手段及び前記検出手段によって検出された前記接触位置に表示されている項目により示される指示内容を前記所持者によって指示されたものとして特定する特定手段を備えた指示入力装置と、
を有することを特徴とする指示入力システム。
【請求項2】
前記個人情報を、前記所持者の利き腕を示す情報を含むものとした
ことを特徴とする請求項1記載の指示入力システム。
【請求項3】
前記携帯型情報端末装置を、撮像によって得られた画像を記録するデジタルカメラとし、
前記指示入力装置を、デジタルカメラにより記録された画像を印刷して写真プリントを作成する店頭端末装置とした
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の指示入力システム。
【請求項4】
前記記憶手段及び前記送信手段を、ICタグにより構成した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の指示入力システム。
【請求項5】
携帯型情報端末装置により、所持者の個人情報を記憶しておき、指示入力装置により前記携帯型情報端末装置から前記個人情報を取得し、取得した前記個人情報に応じて指示内容を示す項目の指示入力用に設けられた表示手段への表示位置を切替える指示入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−85370(P2006−85370A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268607(P2004−268607)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
2.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】