説明

挟持具着脱装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】 原稿束からの挟持具の取り外しや再装着を容易にするとともに、取り外された挟持具の紛失等のおそれもない挟持具着脱装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 挟持具着脱装置9は、挟持具保持手段11及び挟持具装着手段12を備えている。挟持具保持手段11で取り外された挟持具10は、連通路23を通って挟持具装着手段12内の第2保持部22に移動する。次いで、押圧部材19及びソレノイド20から成る押圧手段21が挟持具10を矢印A方向に押圧すると、図示しないガイド部材により挟持具10の先端部が離反して開放され、原稿束17の端部に外装された後、再び先端部が閉じることにより原稿束17を挟持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の原稿が挟持具で仮綴じされている場合における、挟持具の着脱に用いられる挟持具着脱装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の構成を図8に示す。図8(a)、図8(b)はそれぞれ画像形成装置の正面斜視図及び背面斜視図であり、ここでは一例として胴内排紙型の複写機について示している。図8(a)において、画像形成装置1の本体中央部には転写紙上に画像を形成する画像形成部2が設けられている。画像形成部2の上方には胴内排紙空間3が設けられ、胴内排紙空間3の底面には画像が形成された転写紙を排紙経路(図示せず)を通じて積載可能な胴内排紙トレイ4が設けられている。
【0003】
胴内排紙空間3の上方には画像読取部5が配置され、画像読取部5の上部に設けられた原稿台(図示せず)上に載置された原稿或いは後述する原稿搬送部より搬送される原稿を読み取る。画像読取部5の上方には、セットされた複数の原稿を順次自動的に搬送する原稿搬送部6が設けられている。また、図8(b)に示すように、原稿搬送部6は、画像読取部5に対しヒンジ部7を介して回動自在に保持されており、ヒンジ部7は画像読取部5に固定されている。8は画像形成装置1に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する給紙カセットである。
【0004】
このような画像形成装置を使用する場合、原稿がクリップ等の挟持具により複数枚仮綴じされていると、原稿搬送部による自動搬送は不可能であり、また、原稿台上に原稿を載置する場合においても原稿を原稿台に密着させるのが困難となり、原稿押さえにより無理に密着させると原稿台上での位置ずれが発生したり、挟持具付近で原稿が折れ曲がって原稿を傷めたりするおそれがある。そのため、仮綴じされた原稿束から挟持具を取り外しておく必要があり、また、画像形成終了後は再び挟持具を装着して原稿を仮綴じする必要があった。
【0005】
このとき、原稿枚数が多いと挟持力の強い挟持具で仮綴じされているため、ユーザが挟持具を手で取り外す際や再度装着する際にかなりの力を必要とし、手指を傷めるおそれもある。また、取り外された挟持具を不用意に原稿台に放置すると、挟持具を紛失したり、誤って原稿押さえを閉じた場合に原稿台或いは原稿押さえを傷つけたりするおそれもある。従来、画像形成装置に挟持具の置き場所を設けて対応しているが、挟持具を手で取り外すという煩雑さは解消されず、またユーザが挟持具の置き場所に気付かない場合もあるため十分な対策とはいえなかった。
【0006】
そこで、画像形成後の原稿の取り扱いを容易にする方法が提案されており、例えば特許文献1には、回収された原稿束を整合する整合手段と、整合された原稿束の端部に挟持具を装着する仮綴じ手段とを設け、原稿を傷つけることなく容易に回収できる画像形成装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1の方法では、回収された原稿束への挟持具の再装着は容易となるものの、画像形成前に仮綴じされた原稿束から挟持具を取り外す際の煩雑性は解消されていない。また、取り外された挟持具の紛失や、挟持具による原稿台或いは原稿押さえの損傷という問題点についても考慮されたものではなかった。
【0008】
【特許文献1】特開2003−118929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、原稿束からの挟持具の取り外しや再装着を容易にするとともに、取り外された挟持具の紛失等のおそれもない挟持具着脱装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、一対の挟持部と該挟持部を連結する連結部とが一体成形され、前記挟持部の付勢力により原稿束を挟持する挟持具の着脱に用いられる挟持具着脱装置において、前記挟持具から原稿束を引き抜いて取り外す際に前記挟持具を保持する挟持具保持手段と、前記挟持部の先端を付勢力に抗して開口させて前記挟持具を原稿束に装着する挟持具装着手段とが設けられたことを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の挟持具着脱装置において、前記挟持具保持手段は、原稿束に装着された前記挟持具を保持する第1保持部と、該第1保持部に保持された前記挟持具から原稿束を引き抜くための原稿抜き穴と、前記挟持具が装着された原稿束を前記第1保持部に誘導する誘導穴と、から構成され、前記挟持具装着手段は、原稿束の端部を挿入する原稿挿入口と、前記挟持部の開口方向が原稿束の挿入方向となるように前記挟持具を保持する第2保持部と、該第2保持部に保持された前記挟持具を押圧して原稿束の端部に外装する押圧手段と、該押圧手段による押圧に伴い前記挟持部の先端を開口させるガイド部材と、から構成されることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の挟持具着脱装置において、前記第1保持部と前記第2保持部とを連通する連通路が設けられており、前記第1保持部において原稿束から取り外された前記挟持具は、前記連通路を通って前記第2保持部に移動することを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の挟持具着脱装置を備えた画像形成装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の構成によれば、一対の挟持部及び該挟持部を連結する連結部から成る挟持具により仮綴じされた原稿束から挟持具を手で取り外し、再度手で装着するという煩雑さを解消するとともに、原稿を傷つけることなく迅速な挟持具の着脱が可能となる。
【0015】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の挟持具着脱装置において、挟持具保持手段を、原稿束に装着された挟持具を保持する第1保持部と、該第1保持部に保持された挟持具から原稿束を引き抜くための原稿抜き穴と、挟持具が装着された原稿束を第1保持部に誘導する誘導穴とで構成し、挟持具装着手段を、原稿束の端部を挿入する原稿挿入口と、挟持部の開口方向が原稿束の挿入方向となるように挟持具を保持する第2保持部と、該第2保持部に保持された挟持具を押圧して原稿束の端部に外装する押圧手段と、該押圧手段による押圧に伴い挟持部の先端を開口させるガイド部材とで構成したことにより、原稿束からの挟持具の脱着を簡易な構成で可能とする。
【0016】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の挟持具着脱装置において、第1保持部と第2保持部とを連通する連通路が設けられ、第1保持部において原稿束から取り外された挟持具は連通路を通って第2保持部に移動するため、取り外された挟持具の紛失や、挟持具による原稿台或いは原稿押さえの損傷のおそれもなくなる。
【0017】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の挟持具着脱装置を画像形成装置に搭載することにより、仮綴じされた原稿束から挟持具を迅速且つ確実に取り外して画像形成処理を行い、さらに画像形成終了後は挟持具を手早く再装着して原稿を仮綴じすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の挟持具着脱装置を備えた画像形成装置の全体構成を示す概略図である。従来例の図8と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図1において、画像形成装置1の本体上部には画像読取部5が配置され、画像読取部5の上部、即ち画像形成装置1の本体上面には原稿を載置する原稿台としてのコンタクトガラス30が設けられている。
【0019】
コンタクトガラス30の上方には、コンタクトガラス30上に載置された原稿を押さえる原稿押さえ31が設けられており、画像読取部5の奥側に設けられたヒンジ部7を介して画像形成装置1の本体上面に開閉可能に支持されている。また、原稿押さえ31には複数の原稿を順次コンタクトガラス30に搬送する原稿搬送部6が付設されている。そして、画像読取部5においてコンタクトガラス30上に載置された原稿或いは原稿搬送部6より搬送される原稿を読み取り、読み取った原稿画像を図示しない画像形成部において転写紙上に出力する。32はユーザが装置の機能や印刷条件等の設定を行う操作キーであり、33は設定条件や装置の状態等を表示する表示部である。
【0020】
本実施形態においては、画像形成装置1の本体側面に、挟持具により仮綴じされた原稿束から挟持具を着脱する挟持具着脱装置9が設けられている。挟持具着脱装置9は、予め画像形成装置1と一体に形成しておくこともできるが、画像形成装置1とは別体に作製し、用途及び目的に応じて適宜着脱可能に構成しても良い。
【0021】
本発明の挟持具着脱装置により着脱される挟持具を図2に示す。図2(a)は挟持具の斜視図、図2(b)は挟持具を図2(a)の矢印A方向から見た平面図、図2(c)は挟持具を図2(a)の矢印B方向から見た側面図である。挟持具10は、一対の挟持部10a、10b及び挟持部10a、10bを連結する連結部10cから成り、原稿束が挟持されていない状態では挟持部10a、10bの先端は当接している。挟持部10a、10bの先端にはそれぞれ幅広部10dが上下対称に設けられており、各幅広部10dはその先端が離反するように傾斜している。
【0022】
挟持部10a、10b、連結部10c及び幅広部10dは金属等により一体成形されており、挟持部10a、10bは図2(c)の黒矢印方向に付勢されている。この挟持具10により原稿束を仮綴じする場合は、挟持部10a、10bを付勢力に抗して押し広げた状態で原稿束を挟持部10a、10bの間に挿入した後、押し広げていた力を開放することにより、挟持部10a、10bの付勢力で原稿束を挟持する。また、仮綴じされた原稿束から挟持具10を取り外す場合は、挟持部10a、10bの付勢力に抗して原稿束を引き抜く。
【0023】
次に、本発明の第1実施形態に係る挟持具着脱装置の構成を図3に示す。図3(a)は挟持具着脱装置の正面図、図3(b)は。図3(a)の矢印A方向から見た側面図である。図3(a)において、挟持具着脱装置9は、上側に挟持具保持手段11、下側に挟持具装着手段12を備えており、正面には挟持具保持手段11に保持された挟持具10(図2参照)から原稿束を引き抜くための原稿抜き穴13と、挟持具装着手段12により挟持具10を装着する際に原稿束の端部を挿入する原稿挿入口14とが設けられている。
【0024】
原稿挿入口14の中央部には、挟持具10が装着された状態で再び原稿挿入口14から原稿束を取り出せるように挟持具10が通過可能な拡張部15が形成されている。また、挟持具10は拡張部15の位置で原稿束に装着されるため、ユーザは仮綴じしたい場所を拡張部15に合わせて原稿束を原稿挿入口14から挿入することにより、原稿束の所望の位置に挟持具10を装着することができる。即ち、拡張部15は挟持具10の装着箇所を決める目印としての役割も果たしている。
【0025】
図3(b)に示すように、原稿抜き穴13及び原稿挿入口14は挟持具着脱装置9の側面まで連通して設けられており、原稿抜き穴13の後端部には、挟持具が装着された原稿束を挟持具保持手段11内に誘導する誘導穴16が設けられている。誘導穴16は、挟持具10の断面形状に合わせて三角形状に形成されている。原稿抜き穴13及び原稿挿入口14の開口幅h1、h2は、挟持具10の装着が可能な最大の原稿束の厚さに対応するように設計されている。
【0026】
次に、挟持具保持手段11について説明する。図4(a)は、仮綴じされた原稿束を挟持具保持手段11に挿入した状態を示す拡大側面図であり、図4(b)は図4(a)の矢印B方向から見た矢視図である。先ず、原稿束17の挟持具10で仮綴じされている端部を誘導穴16に合わせ、原稿束17が原稿抜き穴13から突出するように挿入し、挟持具保持手段11内部(図3の矢印A方向)にスライドさせていくと、図4(b)に示すように、挟持具10は誘導穴16を延長して設けられた第1保持部18に保持される。
【0027】
第1保持部18は誘導穴16と同様に、挟持具10の断面形状に合わせて断面が逆テーパ状に形成されている。この状態で原稿束17を矢印C方向に引っ張ると、挟持具10の連結部10cが第1保持部18の内面に引っ掛かるため、原稿束17は挟持部10a、10bの付勢力に抗して原稿抜き穴13から引き抜かれ、挟持具10が取り外される。
【0028】
次に、挟持具装着手段12について説明する。図5は、挟持具装着手段12の構造を示す側面断面図である。挟持具装着手段12内には挟持具10を押圧する押圧部材19と、押圧部材19を矢印AA′方向に往復移動させるソレノイド20とから構成される押圧手段21が設けられている。23は挟持具保持手段11と挟持具装着手段12とを連通する連通路であり、挟持具保持手段11の第1保持部18(図4参照)で原稿束17(図4参照)が引き抜かれた挟持具10は、連通路23を通って挟持具装着手段12内に移動し、押圧部材19の上面に当接して支持される。
【0029】
そして、押圧部材19が矢印A′方向に移動することにより、挟持具10は第2保持部22内に移動し、挟持部10a、10b(図2参照)を原稿挿入口14方向に向けて保持される。次いで、押圧部材19が矢印A方向に移動すると、挟持具10も押圧部材19に押圧されて矢印A方向に移動するとともに、図示しないガイド部材により挟持部10a、10bが離反して先端部が開放され、原稿束17の端部に外装された後、再び先端部が閉じることにより原稿束17を挟持する。
【0030】
なお、押圧手段21による挟持具10の装着は、原稿挿入口14から原稿束17を挿入した後、ユーザの操作により行うこととしてもよいが、原稿挿入口14付近に原稿束17の挿入を検知するセンサを設置しておき、原稿束17の挿入と同時に自動的に挟持具10の装着を行う構成とすることもできる。
【0031】
これにより、ユーザは手指や原稿を傷めることなく挟持具を円滑且つ確実に着脱することができる。また、取り外された挟持具を紛失したり、原稿台上に放置して原稿台或いは原稿押さえを傷つけたりするおそれもなくなる。さらに、連通路23の長さを挟持具10の複数個分以上に設計しておくことにより、図5のように、挟持具保持手段11で取り外された挟持具10は連通路23内に貯留されるため、挟持具10を原稿束から連続して取り外すことができる。
【0032】
なお、連通路23を設けずに、挟持具保持手段11で取り外された挟持具10を貯留する貯留部と、挟持具装着手段12で装着される挟持具10をストックしておくストック部とを別個に設ける構成とすることもできる。しかし、連通路23を設ける本実施形態の構成とすることにより、挟持具保持手段11で取り外された挟持具10を挟持具装着手段12で再装着でき、挟持具10の回収や補充の必要がないためより好ましい。
【0033】
挟持具装着手段12による挟持具10の装着方法を更に詳細に説明する。図6(a)は図5における第2保持部22周辺の拡大図であり、図6(b)は図6(a)を矢印B方向から見た平面図である。連通路23(図5参照)を通って挟持具装着手段12内の第2保持部22に移動した挟持具10は、押圧部材19により幅広部10dの幅に合わせて形成された第2保持部22の内面に沿って摺動する。第2保持部22の左右両側には断面くさび型のガイド部材24が設けられており、くさび型の先端が挟持部10a、10bの先端に設けられた2箇所の幅広部10dの間に位置するように固定されている。
【0034】
原稿挿入口14(図5参照)より挿入された原稿束17に挟持具10を装着する場合、図6(c)のように押圧部材19が矢印A方向に移動し、挟持具10を原稿束17方向に摺動させる。このとき、挟持部10a、10bに設けられた幅広部10dが、それぞれ左右のガイド部材24に乗り上げることにより、挟持部10a、10bは付勢力に抗して上下に開いていく。そして、挟持具10は挟持部10a、10bで原稿束17の端部を上下から挟み込むように矢印A方向に移動する。
【0035】
さらに押圧部材19が矢印A方向に移動していくと、図6(d)のように幅広部10dがガイド部材24から外れ、挟持部10a、10bは付勢力により原稿束17を挟み込んだ状態で再び閉じられる。その後、原稿束17を矢印A方向に引っ張ることにより、原稿束17の仮綴じされた端部が原稿挿入口14及び拡張部15(図5参照)を通過して挟持具装着手段12から取り出され、原稿束17への挟持具10の装着が終了する。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態の挟持具着脱装置の構成を図7に示す。図7(a)は挟持具着脱装置の正面図、図7(b)は挟持具着脱装置の側面図である。本実施形態においては、2箇所の原稿抜き穴13及び大きさの異なる誘導穴16と、2箇所の原稿挿入口14とが設けられている。即ち、挟持具保持手段11及び挟持具装着手段12はサイズの異なる2種類の挟持具10に対応可能となっている。
【0037】
また、それぞれの連通路23の位置が重ならないように、第1保持部18(図4参照)、第2保持部22及び押圧手段21(いずれも図5参照)は挟持具着脱装置9内の幅方向に異なる位置に設けられており、拡張部15もそれに合わせて幅方向にずらして形成されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。これにより、原稿束がサイズの異なる挟持具10で仮綴じされている場合でも挟持具10の着脱が可能となる。なお、ここでは挟持具保持手段11及び挟持具装着手段12を2種類の挟持具10に対応可能としているが、3種類以上の挟持具10に対応させることもできる。
【0038】
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、例えば拡張部15は、原稿挿入口14の開口幅h2(図3参照)によっては必ずしも必要とされるものではない。また、上記実施形態では、押圧部材19の駆動源としてソレノイド20を用いているが、ソレノイドに代えてモータ及びギヤの組み合わせ等、従来公知の他の駆動手段を用いてもよく、押圧部材19を手動で移動させる構成としてもよい。また、挟持具着脱装置9は画像形成装置1の側面に搭載しているが、他の位置に搭載してもよく、スキャナやファクシミリ等の他の画像形成装置に搭載することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、一対の挟持部と該挟持部を連結する連結部とが一体成形され、挟持部の付勢力により原稿束を挟持する挟持具の着脱に用いられる挟持具着脱装置において、挟持具から原稿束を引き抜いて取り外す際に挟持具を保持する挟持具保持手段と、挟持部の先端を付勢力に抗して開口させて挟持具を原稿束に装着する挟持具装着手段とが設けられたこととする。
【0040】
これにより、ユーザは挟持具により仮綴じされた原稿束から挟持具を手で取り外し、再度手で装着する必要がなく、挟持具の着脱の煩雑さを解消するとともに、手指や原稿を傷つけるおそれもなくなる。
【0041】
また、挟持具保持手段を、原稿束に装着された挟持具を保持する第1保持部と、該第1保持部に保持された挟持具から原稿束を引き抜くための原稿抜き穴と、挟持具が装着された原稿束を第1保持部に誘導する誘導穴とで構成し、挟持具装着手段を、原稿束の端部を挿入する原稿挿入口と、挟持部の開口方向が原稿束の挿入方向となるように挟持具を保持する第2保持部と、該第2保持部に保持された挟持具を押圧して原稿束の端部に外装する押圧手段と、該押圧手段による押圧に伴い挟持部の先端を開口させるガイド部材とで構成したので、挟持具着脱装置の構成が簡単なものとなり、挟持具着脱装置の低コスト化に貢献する。
【0042】
また、第1保持部で原稿束から取り外された挟持具を第2保持部に移動する連通路を設けたので、挟持具脱離手段で取り外された挟持具の回収や、挟持具装着手段への挟持具の補充を必要とせず、挟持具の紛失や、挟持具による原稿台或いは原稿押さえの損傷のおそれもなくなる。
【0043】
また、本発明の挟持具着脱装置を画像形成装置に搭載することにより、ユーザは原稿を傷めることなく仮綴じされた原稿束から容易に挟持具を取り外した後、原稿を原稿搬送部又は原稿台に載置して読み取り操作を行い、さらに原稿読み取り終了後は原稿束に挟持具を手早く再装着して仮綴じすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】は、本発明の挟持具着脱装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】は、本発明の挟持具着脱装置により着脱される挟持具を示す図である。
【図3】は、本発明の第1実施形態に係る挟持具着脱装置の構成を示す正面図及び側面図である。
【図4】は、挟持具保持手段の構造を示す側面断面図及び矢視図である。
【図5】は、挟持具装着手段の構造を示す側面断面図である。
【図6】は、挟持具装着手段による挟持具の装着方法を示す図である。
【図7】は、本発明の第2実施形態に係る挟持具着脱装置の構成を示す正面図及び側面図である。
【図8】は、従来の画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 画像形成装置
9 挟持具着脱装置
10 挟持具
10a、10b 挟持部
10c 連結部
11 挟持具保持手段
12 挟持具装着手段
13 原稿抜き穴
14 原稿挿入口
15 拡張部
16 誘導穴
17 原稿束
18 第1保持部
19 押圧部材
20 ソレノイド
21 押圧手段
22 第2保持部
23 連通路
24 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の挟持部と該挟持部を連結する連結部とが一体成形され、前記挟持部の付勢力により原稿束を挟持する挟持具の着脱に用いられる挟持具着脱装置において、
前記挟持具から原稿束を引き抜いて取り外す際に前記挟持具を保持する挟持具保持手段と、前記挟持部の先端を付勢力に抗して開口させて前記挟持具を原稿束に装着する挟持具装着手段とが設けられたことを特徴とする挟持具着脱装置。
【請求項2】
前記挟持具保持手段は、原稿束に装着された前記挟持具を保持する第1保持部と、該第1保持部に保持された前記挟持具から原稿束を引き抜くための原稿抜き穴と、前記挟持具が装着された原稿束を前記第1保持部に誘導する誘導穴と、から構成され、前記挟持具装着手段は、原稿束の端部を挿入する原稿挿入口と、前記挟持部の開口方向が原稿束の挿入方向となるように前記挟持具を保持する第2保持部と、該第2保持部に保持された前記挟持具を押圧して原稿束の端部に外装する押圧手段と、該押圧手段による押圧に伴い前記挟持部の先端を開口させるガイド部材と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載の挟持具着脱装置。
【請求項3】
前記第1保持部と前記第2保持部とを連通する連通路が設けられており、前記第1保持部において原稿束から取り外された前記挟持具は、前記連通路を通って前記第2保持部に移動することを特徴とする請求項2に記載の挟持具着脱装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の挟持具着脱装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−30278(P2006−30278A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204732(P2004−204732)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】