説明

振動搬送装置およびそれを用いた組合せ秤

【課題】各マグネットコイル駆動部のスイッチング素子のオンオフタイミングが一致しなくても、そのオンオフで発生した逆起電力に影響されずに、安定に振動させるようにする。
【解決手段】電源装置1と、複数のマグネットコイル駆動部21,22…2nとを有し、複数の各マグネットコイル駆動部21,22…2nの各マグネットL1には、電源装置1から駆動電源線3を介して駆動電圧が印加される一方、前記各マグネットコイルL1に発生する逆起電力を、逆起電力線4を介して電源装置1に導入するようにし、或るマグネットコイル駆動部が発生した逆起電力に、他のマグネットコイル駆動部の駆動電圧が影響されないようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットコイルの吸引力とばねの復元力とによる振動を利用して、物品を搬送する振動搬送装置およびそれを用いた組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、組合せ秤は、円錐形状の分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に設けられた複数の直進フィーダとを具備し、この直進フィーダによって、分散フィーダから供給される、計量すべき物品である被計量物を下方の供給ホッパに供給し、更に、供給ホッパから計量ホッパへ供給するようにしている。直進フィーダは、振動搬送装置によって構成され、被計量物が載荷されるトラフを振動させることによって被計量物を搬送して供給ホッパへ供給する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる組合せ秤においては、直進フィーダによって被計量物が供給ホッパへ供給され、更に、計量ホッパへ供給されて計量され、この計量値に基づいて組合せ演算を行うことによって、計量値を組合せた組合せ重量が、目標組合せ重量と一致するか最も近い計量ホッパの組合せを選択し、この選択された計量ホッパから被計量物を排出する。この排出された被計量物は、集合シュートを介して例えば包装機に投入されて包装される。
【0004】
上記のような組合せ秤においては、直進フィーダの振動の振幅や振動時間を制御することによって、供給ホッパへ搬送する被計量物の搬送量を制御している。
【0005】
図7は、直進フィーダのトラフを振動させるための振動装置の従来例の回路構成図である。
【0006】
直進フィーダのトラフを振動させる振動装置は、電源装置1と、マグネットコイル駆動部21とを有する。電源装置1に対して、マグネットコイル駆動部21は、駆動電源線3とコモン電源線5で接続される。電源装置1は、電圧制御部1bを有し、この電圧制御部1bから駆動電源線3にマグネットコイル駆動電圧を出力する。
【0007】
マグネットコイル駆動部21は、駆動電源線3とコモン電源線5との間に、第1スイッチング素子SW1、マグネットコイルL1、第2スイッチング素子SW2を直列に接続してなる駆動電圧経路と、第2ダイオードD2、マグネットコイルL1、第1ダイオードD1を直列に接続してなる逆起電力経路とを有する。
【0008】
動作を説明すると、電源装置1の電圧制御部1bから駆動電源線3を介してマグネットコイル駆動部21に一定の大きさの駆動電圧を出力する。マグネットコイル駆動部21では、両スイッチング素子SW1,SW2を同時にオンして駆動電圧経路P3を形成し、駆動電源線3から入力される駆動電圧を、マグネットコイルL1に印加する。これにより、トラフが取付けられる被振動体がマグネットコイルL1に吸引される。
【0009】
次に、マグネットコイルL1への被振動体の吸引を解除してバネで復帰させるため、両スイッチング素子SW1,SW2を同時にオフしてマグネットコイルL1への駆動電圧の印加を遮断する。これにより被振動体は、バネの復元力で復帰する。この場合、駆動電圧が一定であると、被振動体の振動も一定となる。
【0010】
こうしてマグネットコイルL1の磁力の吸引と、バネの復元力による復帰で被振動体は振動し、この振動は直進フィーダのトラフに伝達されて被計量物が搬送される。
【0011】
この振動装置では、マグネットコイルL1への被振動体の吸引を解除させるべく、駆動電圧を立ち下がらせると、マグネットコイルL1に逆起電力が発生するが、従来では、この逆起電力を、逆起電力経路P4から駆動電源線3を経由させ、電源装置1の電圧制御部1bに戻していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−201099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
組合せ秤では、複数の直進フィーダを振動させる必要があるので、複数の各マグネットコイル駆動部21,22…2nは、例えば、図8に示すように、駆動電源線3を介して、電源装置1に共通に接続することになる。このため、各マグネットコイル駆動部21,22…2nそれぞれのマグネットコイルL1に発生する逆起電力は、駆動電源線3に共通に印加されることになる。
【0014】
各直進フィーダは、個別に駆動されるので、各マグネットコイル駆動部21,22…2nのスイッチング素子SW1,SW2のオンオフタイミングが一致せず、このため、或るマグネットコイル駆動部21のマグネットコイルL1に発生した逆起電力V1が、他のマグネットコイル駆動部22…2nのマグネットコイルL1の駆動電圧に印加され、該他のマグネットコイル駆動部22…2nの駆動電圧が変化してしまう。このため、マグネットコイルL1の磁力で振動する被振動体の振動振幅が安定しなくなり、直進フィーダにおける被計量物の搬送量に影響を及ぼすという課題がある。
【0015】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、逆起電力に影響されず、安定した振動によって物品を搬送できる振動搬送装置およびそれを用いた組合せ秤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0017】
(1)本発明の振動搬送装置は、電源装置と、内部にマグネットコイルをそれぞれ備える複数のマグネットコイル駆動部と、を有し、前記複数のマグネットコイル駆動部は、それぞれのマグネットコイルに対して、前記電源装置から同一の駆動電源線を介して駆動電圧が印加される構成を備える一方、前記マグネットに対する駆動電圧の印加の遮断に伴い発生する逆起電力が前記駆動電源線とは別の配線である逆起電力線を介して前記電源装置に導入されるようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明によると、マグネットコイルに発生した逆起電力は、駆動電源線とは別の配線である逆起電力線を介して電源装置に戻されるので、或るマグネットコイル駆動部で発生した逆起電力によって、他のマグネットコイル駆動部における駆動電圧が影響されてしまうことがなくなり、一定の駆動電圧でマグネットコイルを駆動することができる。これによって、マグネットコイルに吸引されて振動する被振動体の振動の振幅を安定化させて、物品の搬送量を安定化することができる。
【0019】
(2)本発明の振動搬送装置の好ましい実施態様では、前記各マグネットコイル駆動部は、前記電源装置の前記駆動電源線に、第1スイッチング素子と、前記マグネットコイルと、第2スイッチング素子とをこの順で直列に接続してなる第1経路を備えると共に、前記第1経路内の前記両スイッチング素子のオンオフにより前記駆動電源線を介して前記マグネットコイルに対する駆動電圧の印加とその遮断が制御されるようになっている。
【0020】
この実施態様によると、前記第1,第2スイッチング素子のオンオフを制御することで前記マグネットコイルに対する駆動電圧の印加とその遮断とを制御することができる。
【0021】
(3)本発明の振動搬送装置の他の実施態様では、前記各マグネットコイル駆動部は、前記電源装置の前記逆起電力線に前記第1ダイオードのカソードが接続され、該第1ダイオードのアノードが前記マグネットコイルの一端側に接続され、該マグネットコイルの他端側が前記第2ダイオードのカソードに接続されてなる第2経路を備えると共に、前記第2経路は、前記マグネットコイルに逆起電力が発生した際に、前記両ダイオードが導通することで、前記発生した逆起電力を、前記逆起電力線を介して前記電源装置に導入する経路を形成するようになっている。
【0022】
この実施態様によると、マグネットコイルに発生した逆起電力を、駆動電源線以外の配線である逆起電力線を介して電源装置に導入することができる。
【0023】
(4)本発明の組合せ秤は、被計量物を周縁部方向へ分散させる分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に放射状に設けられて、分散フィーダからの被計量物をそれぞれ搬送する複数の直進フィーダと、各直進フィーダに対応して設けられて、各直進フィーダからの被計量物をそれぞれ保持して下方へ排出する複数の供給ホッパと、各供給ホッパに対応して設けられると共に、各供給ホッパから供給される被計量物をそれぞれ保持し、該保持した被計量物を計量する複数の計量ホッパとを備える組合せ秤において、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の振動搬送装置を備え、前記複数の各直進フィーダは、前記振動搬送装置の各マグネット駆動部によって駆動される。
【0024】
本発明の組合せ秤によると、各直進フィーダのマグネットコイルに発生した逆起電力は、駆動電源線とは別の逆起電力線を介して電源装置に戻されるので、或る直進フィーダのマグネットコイル駆動部で発生した逆起電力に、他の直進フィーダのマグネットコイル駆動部における駆動電圧が影響されなくなり、一定の駆動電圧で直進フィーダのマグネットコイルを駆動することができる。これによって、マグネットコイルに吸引されて振動する被振動体の振動の振幅が安定する、すなわち、直進フィーダのトラフの振動の振幅が安定し、被計量物の搬送量が安定することになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、マグネットコイルに発生した逆起電力は、駆動電源線とは別の逆起電力線を介して電源装置に戻されるので、或るマグネットコイル駆動部で発生した逆起電力に、他のマグネットコイル駆動部における駆動電圧が影響されなくなり、一定の駆動電圧でマグネットコイルを駆動することができる。これによって、マグネットコイルに吸引されて振動する被振動体の振動の振幅が安定し、物品の搬送量が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は図1の直進フィーダの構成を示す図である。
【図3】図3は図1の直進フィーダの振動搬送装置の要部の回路構成図である。
【図4】図4は図3の駆動パルスおよび印加電圧を示す図である。
【図5】図5は駆動電圧印加時の状態を示す図3に対応する図である。
【図6】図6は逆起電力発生時の状態を示す図3に対応する図である。
【図7】図7は従来例の一部の構成を示す図である。
【図8】図8は従来例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態の組合せ秤の概略構成を示す模式図である。この実施形態の組合せ秤は、その装置上部の中央に、供給装置10から供給される被計量物11を振動によって放射状に分散させる円錐形のトップコーン12及びトップコーン12を振動させる振動装置13からなる分散フィーダ14が設けられている。
【0029】
供給装置10は、図示しないベルトコンベアから供給される被計量物11を振動によって搬送してトップコーン12の中央部へ供給する。トップコーン12では、供給装置10からその中央部に供給される被計量物11を振動によってその周縁部方向へ搬送する。トップコーン12の周辺には、トップコーン12から送られてきた被計量物11を複数の各供給ホッパ15に搬送する振動搬送装置としての複数の直進フィーダ16が放射状に設けられている。各直線フィーダ16は、被計量物11が載荷されるトラフ17及びトラフ17をそれぞれ振動させる振動装置18からなる。
【0030】
トラフ17の周縁部下方には、複数の供給ホッパ15、計量ホッパ19がそれぞれ対応して設けられ、円周状に配置されている。
【0031】
供給ホッパ15及び計量ホッパ19の下部には、開閉可能な排出用のゲート20及びゲート21がそれぞれ設けられている。
【0032】
供給ホッパ15は、トラフ17によって搬送される被計量物11を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ19が空になると排出用のゲート20を開いて計量ホッパ19へ被計量物11を投入する。また、各計量ホッパ19には、計量ホッパ19内の被計量物11の重量を計測するロードセル等の重量センサ22が取り付けられ、各重量センサ22による計量値は制御装置23へ出力される。
【0033】
制御装置23による組合せ演算によって複数の計量ホッパ19の中から被計量物11を排出すべき計量ホッパ19の組合せが求められ、図示しない包装機から排出要求信号の入力があると、その組合せに該当する計量ホッパ19から被計量物11が集合シュート24へ排出され、更にその下方の排出シュート25を介して包装機(図示せず)へと排出される。
【0034】
トップコーン12の上方には、被計量物11の量を検出する、例えば超音波式のレベル検出器26が設けられている。このレベル検出器26によって、トップコーン12上の被計量物の層厚が検出され、その検出出力が制御装置23に与えられる。制御装置23では、レベル検出器26によって検出されるトップコーン12上の被計量物11の層厚に基づいて、トップコーン12上の被計量物11を一定量に保つように、供給装置10を制御する。
【0035】
操作設定表示器27は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作およびその動作パラメータの設定等を行うと共に、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する。
【0036】
制御装置23では、供給装置10の動作制御および組合せ秤の全体の動作制御を行うと共に、組合せ演算を行う。組合せ演算では、複数の計量ホッパ19の中から、被計量物11の計量値の合計である組合せ重量が組合せ目標重量に対して許容範囲となる計量ホッパ19の組合せが1つ選択され、この選択された計量ホッパ19から被計量物11を排出し、上述のように集合シュート24及び排出シュート25を介して包装機に投入して包装される。
【0037】
図2は、図1の直進フィーダ16を示す図である。
【0038】
この直進フィーダ16は、被計量物11が載荷されるトラフ17と、このトラフ17を振動させることで被計量物11を搬送する振動装置18とを備えている。
【0039】
振動装置18は、架台28に複数の防振用の弾性体29を介して取り付けられたベース30を備えており、このベース30には、板ばねからなる弾性部材31a、31bを介して揺動可能に振動部材32が取り付けられており、この振動部材32には、可動鉄心34が取付けられている。ベース30には、可動鉄心34と間隔を空けて対向するように電磁石33が取付けられている。
【0040】
電磁石33への電圧の印加およびその解除によって、弾性部材31a,31bを介して振動板32を振動させることにより、トラフ17に載せられた被計量物が、トラフ17の基端(図2の右)側からトラフ17の先端(図2の左)側へ矢符Aで示されるように搬送され、先端から排出される。
【0041】
図3は、この実施形態の振動搬送装置の回路構成を示す図である。同図を参照して、この実施形態の振動搬送装置は、電源装置1と、複数の各直進フィーダ16のマグネットコイル駆動部21,22,…,2nとを有する。電源装置1は、複数の直進フィーダ16に電源を供給するものであり、各マグネットコイル駆動部21,22,…,2nが、各直進フィーダ16の振動装置18にそれぞれ対応する。
【0042】
各マグネットコイル駆動部21,22,…,2nは、電源装置1に対して、駆動電源線3、逆起電力線4、およびコモン電源線5を介して接続される。
【0043】
電源装置1は、主要な構成として、電力回生部1aと、電圧制御部1bとを備える。電力回生部1aは、電源電圧を入力する。電力回生部1aには、逆起電力線4が接続され、この逆起電力線4を介してマグネットコイル駆動部21,22,…,2nから逆起電力が入力される。電圧制御部1bは、電力回生部1aから電圧が供給され、駆動電源線4を介して駆動電圧をマグネットコイル駆動部21,22,…,2nに供給する。
【0044】
マグネットコイル駆動部21,22,…,2nは、いずれも同じ構成であり、代表してマグネットコイル駆動部21の構成を説明すると、このマグネットコイル駆動部21は、例えばFETからなる第1、第2スイッチング素子SW1,SW2と、上述の図2の電磁石33に対応するマグネットコイルL1と、第1、第2ダイオードD1,D2とを備える。
【0045】
第1スイッチング素子SW1、マグネットコイルL1、第2スイッチング素子SW2は、駆動電源線3とコモン電源線5との間で、この順で直列に接続されて、後述のマグネットコイルL1への駆動電圧経路を構成する。
【0046】
第2ダイオードD2、マグネットコイルL1、第1ダイオードD1は、コモン電源線5と逆起電力線4との間で、この順で直列に接続されて、後述のマグネットコイルL1で発生した逆起電力を逆起電力線4へ導入する逆起電力経路を構成する。
【0047】
スイッチング素子SW1,SW2は、図4(a)で示す駆動信号S1に同期してオンオフする。スイッチング素子SW1,SW2が同時にオンすると、図4(b)に示す駆動電圧V0がマグネットコイルL1にパルス状に印加される。スイッチSW1,SW2が同時にオフすると、マグネットコイルL1の駆動電圧V0が遮断されて立ち下がる。駆動電圧V0が立ち下がると、マグネットコイルの性質により、マグネットコイルL1には、駆動電圧V0とは逆極性の逆起電力V1が発生する。
【0048】
次に、図5、図6を参照して動作を説明する。なお、各マグネットコイル駆動部21,22,…,2nは同一構成であるので、マグネットコイル駆動部2の動作を中心にして説明する。
【0049】
図5に示すように、マグネットコイル駆動部21において、駆動信号S1により第1、第2スイッチSW1,SW2が共にオンすると、電源装置1から駆動電源線3を介して、第1スイッチング素子SW1→マグネットコイルL1→第2スイッチング素子SW2の第1経路としての駆動電圧経路P1で駆動電圧がパルス状にマグネットコイルL1に印加される。
【0050】
これにより、マグネットコイルL1には駆動電圧V0が印加され、この印加に対応して電流が流れて、マグネットコイルL1に磁力が発生して、被振動体が吸引される。
【0051】
次に、図6に示すように、駆動信号S1により、第1、第2スイッチSW1,SW2がオフにされると、駆動電圧V0の印加が遮断され、駆動電圧V0が立下るので、マグネットコイルL1には、逆起電力V1が発生する。この逆起電力V1が発生すると、第1、第2ダイオードD1,D2が導通するので、マグネットコイル駆動部2内には、第2経路として逆起電力経路P2が形成され、この逆起電力V1は、逆起電力経路P2から逆起電力線4を通って、電源装置1の電力回生部1aに入力される。電力回生部1aに入力された逆起電力V1は、ここで回生処理される。この回生処理の詳細な説明は略するが、逆起電力を、電源装置1の電力回生部1aに戻して回生して電力を有効利用することができる。
【0052】
このように実施形態では、マグネットコイルL1に発生した逆起電力V1は、従来のように駆動電源線3に戻すのではなく、この駆動電源線3とは別の配線である逆起電力線を介して電力回生部1aに戻すようにしたので、例えば任意の直進フィーダ16のマグネットコイル駆動部21で発生した逆起電力V1により、他の直進フィーダ16のマグネットコイル駆動部22,…,2nにおける駆動電圧V0が影響されるようなことがなくなり、一定の駆動電圧V0で各マグネットコイル駆動部22,…,2nそれぞれのマグネットコイルL1を駆動することができる。これにより、各マグネットコイル駆動部21,…,2nでのマグネットコイルL1の磁力の大きさが一定化し、これに吸引されて振動する被振動体の振動の振幅、すなわち、トラフ17の振動の振幅が安定し、被計量物11の搬送量を安定化させることができる。
【0053】
また、この実施形態では、複数の直進フィーダ16を1台の電源装置1によって駆動するので、直進フィーダ16毎に電源装置を設ける構成に比べて、コストを低減することができる。
【0054】
なお、実施形態では、各マグネットコイル駆動部22,…,2nのマグネットコイルL1に発生した逆起電力は、駆動電源線3とは別の配線である逆起電力線4を介して、電源装置1の電力回生部1aに戻していたが、この逆起電力を電力回生しない場合には、前記逆起電力は、電源装置1内における電力回生部1a以外の回路部に逆起電力線を介して戻すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 電源装置
1,22,…2n マグネットコイル駆動部
3 駆動電源線
4 逆起電力線
14 分散フィーダ
15 供給ホッパ
16 直進フィーダ
17 トラフ
18 振動搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置と、
内部にマグネットコイルをそれぞれ備える複数のマグネットコイル駆動部と、
を有し、
前記複数のマグネットコイル駆動部は、それぞれのマグネットコイルに対して、前記電源装置から同一の駆動電源線を介して駆動電圧が印加される構成を備える一方、前記マグネットに対する駆動電圧の印加の遮断に伴い発生する逆起電力が前記駆動電源線とは別の配線である逆起電力線を介して前記電源装置に導入される、
ことを特徴とする振動搬送装置。
【請求項2】
前記各マグネットコイル駆動部は、前記電源装置の前記駆動電源線に、第1スイッチング素子と、前記マグネットコイルと、第2スイッチング素子とをこの順で直列に接続してなる第1経路を備えると共に、前記第1経路内の前記両スイッチング素子のオンオフにより前記駆動電源線を介して前記マグネットコイルに対する駆動電圧の印加とその遮断が制御されるようになっている、
請求項1に記載の振動搬送装置。
【請求項3】
前記各マグネットコイル駆動部は、前記電源装置の前記逆起電力線に前記第1ダイオードのカソードが接続され、該第1ダイオードのアノードが前記マグネットコイルの一端側が接続され、該マグネットコイルの他端側が前記第2ダイオードのカソードに接続されてなる第2経路を備えると共に、前記第2経路は、前記マグネットコイルに逆起電力が発生した際に、前記両ダイオードが導通することで、前記発生した逆起電力を、前記逆起電力線を介して前記電源装置に導入する経路を形成するようになっている、
請求項1または2に記載の振動搬送装置。
【請求項4】
被計量物を周縁部方向へ分散させる分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に放射状に設けられて、分散フィーダからの被計量物をそれぞれ搬送する複数の直進フィーダと、各直進フィーダに対応して設けられて、各直進フィーダからの被計量物をそれぞれ保持して下方へ排出する複数の供給ホッパと、各供給ホッパに対応して設けられると共に、各供給ホッパから供給される被計量物をそれぞれ保持し、該保持した被計量物を計量する複数の計量ホッパとを備える組合せ秤において、
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の振動搬送装置を備え、
前記複数の各直進フィーダは、前記振動搬送装置の各マグネット駆動部によって駆動される、
ことを特徴とする組合せ秤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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