説明

排尿情報測定大便器

【課題】 下水配管内部で圧力変動が発生しても溜水に変動圧力が伝達されないようにすることにより、一般的な下水配管に接続されても高精度に尿の量や排泄速度等の尿排泄情報の測定を可能とする
【解決手段】 本発明では、下水配管に対して水封手段を有するトラップ構造を有する第一ボール部と、排泄物を受けると共に溜水水位を測定する第二ボール部を、直列に配置すると共に、両者の間の連通路を開閉する連通路開閉手段を設けたことをにより、下水配管内で圧力変動が発生しても高精度に尿の量や排泄速度等の尿排泄情報が測定できるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水配管内で発生した下水の流れに伴う圧力変動の伝達を遮断することに係り、特に一般の下水配管に接続された時に精度不確定要因が発生しないようにすることに好適な排尿情報測定機能付き便器に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の排尿情報測定機能付き便器装置は、排泄された尿を容器で受け、その容量を測定するというものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このような場合、採尿器に全尿を採取することが特に女性で見られるように、排尿方向の個人差があると排尿情報測定を実施できないという問題があった。
【0003】
また、便器ボール部を採尿器として採取率を向上しようとするものもある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、この場合も尿が下水側に流出しないようにする必要があるが、便器のトラップ部を伸縮させる必要があり、伸縮に伴う溜水の漏れが発生しやすく、長期間の使用という便器の特性を満たしにくいものであった。
【0004】
また、便器ボール部水位を下げる方式としては、ボール部と下水配管を連通させて実現するものもある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この場合も汚物排出路に水路固定部が露出するため、汚物詰まりなどの便器としての性能を低下させる恐れがあった。
【0005】
特許文献1の構造に対して、特許文献2および特許文献3の構造は下水配管に接続された便器の溜水を介して尿量を測定しようとするものであるが、実際の下水配管においては他の水周り器具の排水に伴う通水によって下水配管内には圧力変動が発生し、溜水水位面が移動するため測定タイミングによっては測定値に誤差が発生することがあった。
【特許文献1】特開平07−259166号公報
【特許文献2】特開平08−299348号公報
【特許文献3】特開平10−082783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、一般に排泄を行うトイレでで、かつ、性別に関係なく高精度の尿の量や排泄速度等の尿排泄情報を測定するために、下水配管内で他の水周り器具が使用されて水の流れが発生したとしても、その影響が測定される尿排泄情報に対して加わることが無く、使用者の便器としての使い勝手が良好な排尿情報測定機能付き大便器を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、下水配管に対して水封するためのトラップ構造を有し、前記トラップ構造による溜水貯留部に使用者の排泄物を貯留し、サイフォン現象によって連通配設された下水配管に前記排泄物を排出する大便器であって、使用者の排尿を受ける容器の水位を測定する水位測定手段を有し、前記水位測定手段から得られる前記容器の水位変化挙動から排泄される尿の量や排泄速度等の尿排泄情報を計測する排尿情報測定大便器において、
前記溜水貯留部を有する第一ボール部と、前記第一ボール部の上方に配置され使用者の排泄物を受けて測定のために測定溜水として貯留するボール面を有する第二ボール部と、前記第一ボール部と前記第二ボール部との間の連通路とを有し、前記第二ボール部に前記水位測定手段を配すると共に、前記連通路を開閉するための連通路開閉手段を備えたことを特徴とすることにより、
下水配管内で発生する他の設備器具由来の通水に伴う圧力変動が発生しても、本発明の排尿情報測定便器に伝達されないようにすることを可能とした。
【0008】
上記目的を達成するために請求項2記載の発明によれば、前記連通路開閉手段は、前記測定留水の溢流面水位を変化させる堰構造を有していることを特徴とすることにより、
簡便な構成で下水配管の圧力伝達の阻止ができるようになった。
【0009】
上記目的を達成するために請求項3記載の発明によれば、前記第二ボール部は、貯留された貯留物を前記連通路を介してボール部外に排出させる測定溜水排出手段が設けられていることを特徴とすることにより、
排泄物を下水配管に排出することができ、一般的な便器としての併用を可能とした。
【0010】
上記目的を達成するために請求項4記載の発明によれば、前記第二ボール部はボール面を洗浄するためのリム吐水手段を有することを特徴とすることにより、
排泄物の落下面を衛生的に洗浄することができるようになった。
【0011】
上記目的を達成するために請求項5記載の発明によれば、前記第二ボール部は、ボール内を移動して排泄される排泄物を直接採取する検体採取アーム、および前記第二のボール部に貯留された前記測定溜水の一部を採取する測定溜水採取手段の、少なくともどちらか一方を有することを特徴とすることにより、
個人差を気にすることなく、ボール部前体で尿検体の採取を可能とした。
【0012】
上記目的を達成するために請求項6記載の発明によれば、前記第一のボール部と第二のボール部は別体構成であり、第一のボール部上方に第二のボール部を当接配置されることを特徴とするとすることにより、
排尿情報測定機能を後付けすることができるようになった。
【0013】
上記目的を達成するために請求項7記載の発明によれば、前記第一のボール部と第二のボール部は一体構成で、かつ、陶器製であることを特徴とすることにより、
汚れ詰まりなとが発生しにくく、衛生的な便器の使用が可能になった。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、下水配管内で圧力変動が発生しても高精度に溜水水位水位変化が測定できるようになり、溜水水位変化を利用して高精度の排尿情報測定が実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態に関し、以下に図を用いて詳説する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の排尿情報測定装置を組み込んだ洋風大便器の実施例を示す斜視図である。
大便器ユニット1は、洋風大便器10、便座21と便ふた22を回動自在に係止した便座装置本体2、排尿情報測定部4と制御部5を内蔵する機構ユニットケース3、および、前記洋風大便器10の上面であるリム面14に取り付けられる採尿装置6によって構成されている。洋風大便器10の内側には、使用者の排泄物を受ける溜水が貯えられると共に、その下方がトラップ部15を介して図示しない下水配管と連通している第一ボール部11が構成されている。溜水はトラップ部15を介して図示しない下水配管と連通している。採尿装置6は洋風大便器10の上方に係止されると共に、その内側に向けて使用者の排泄物を受ける鉢状の第二ボール部12が構成されている。採尿装置6の上方は、便座装置本体2と便座21が当接している。トラップ部15はロータンクからの給水によって満水となる、または直圧バルブからのゼット吐水がもたらす負圧によって生じたサイホン現象によって、溜水を使用者の排泄物と共に下水配管に送出するようになっている。
【0017】
第一ボール部11と、その上方に配置された第二ボール部12の間には、排泄物が通過する流路が構成されると共に、その間には排泄物の連通路開閉手段20が配置されている。連通路開閉手段20は、フラップ弁のような弁体の開閉手段であったり、設定された所定量に尿量が達するまで溢流を防止できるよう溢流面が上下動する堰である。尿の採取構造については、後述する。
【0018】
壁には遠隔操作装置50が設けられている。尿成分測定結果はプリンター53によって出力される。測定結果は使用者が個人的な生態情報として管理するだけでなく、測定結果を判読した医療スタッフが医療行為に使用することもできる。紙面で出力するだけでなく、無線や有線の通信回線を利用した情報伝送であったり、RFIDタグやIDカードや磁気カードや半導体メモリーなどの外部記憶媒体を利用した出力であったり、装置内部で情報を記憶する半導体メモリーやハードディスクなどの内部記憶媒体であってもよい。
【0019】
図2は、本発明の本発明の排尿情報測定装置を洋風大便器に組み付けた事例を示す斜視図である。
洋風大便器10の内側には、使用者の排泄物を受ける溜水が貯えられると共に、図示しない下水配管と連通している第一ボール部11が構成されている。採尿装置6は洋風大便器10の上方に係止されると共に、その内側に向けて使用者の排泄物を受ける鉢状の第二ボール部12が構成されている。第一ボール部11と、その上方に配置された第二ボール部12の間には、排泄物が通過する流路が構成されると共に、その間には排泄物の連通路開閉手段20が配置されている。連通路開閉手段20は、フラップ弁のような弁体の開閉手段であったり、設定された所定量に尿量が達するまで溢流を防止できるよう溢流面が上下動する堰である。また洋風大便器10のリム面14に上方に配置された採尿装置6は、使用者の尿を採取する採尿器61、第二ボール部12内部を回動させる採尿アーム62、および、駆動動作を行うモーター63で構成されている。採尿装置6の内部には、排泄された尿中に含まれる特定成分の定性・定量測定を実施すべく尿成分測定部に送出したり廃液を溜水に戻すための配管部材や、機構部を動作させるための制御配線が内蔵されている。尿成分測定部は機構ユニットケース3に内蔵されている例だけでなく、項目の一部は採尿器61中で実施しても良く、尿温度や尿中に含まれる電解質濃度のような項目は直接に接尿する部材である。採尿器61中に配置したセンシング手段で測定すると、高精度な測定が期待できる。尿成分測定部は、バイオセンサーや電気化学センサーや物理量計測センサーをはじめとする各種生体情報センシング手段が組み込まれても良いし、他の大型臨床検査装置で測定すべく検体を採取して容器に所定量だけ備蓄するような方法であっても良い。なお採尿装置6の外郭は、排泄物や水との接触を配慮して、抗菌性のある材質を選定したり、撥水性のある処理を実施しておけば清掃性がより向上する。採尿装置6の外郭サイズは洋風大便器10の外形シルエットと略同様の形状であるため、使用者の下肢裏側と干渉せず、採尿機能が組付けられた便器であっても用便行為自体を行う限りにおいて、一般便器との間で使い勝手面の支障が発生することがない。合わせて尿成分測定部6がトイレの床面を占有していないため、清掃の度ごとに尿成分測定部を移動させる必要もない。尿成分測定部の存在がトイレとしてのスペースが狭めることがなく使い勝手がよいだけでなく、トイレの衛生性としても有用である。
【0020】
尿検体の採取方法として、採尿器61を利用した空中採尿方式だけでなく、第一ボール部11と、その上方に配置された第二ボール部12の間の連通路開閉手段20に溜まった尿を尿成分測定部に吸引する方法も考えられる。
第二ボール部12全体で尿を採集できるため、女性で見受けられるように排尿方向に個人差があったとしても、採尿器61に尿がかからなかったり採取できる量が少ないという現象を防止できる。ヒトの大便には胆汁由来のビリルビンが含まれるため、第二のボール部12に大便飛沫が残っていた場合、尿検体に混入して特に肝臓疾患の指標であるウロビリノーゲンの誤差要因となる恐れがある。また大便中の細菌が尿検体中で繁殖して、腐敗の原因となる恐れがある。これらの課題に対しては、第二ボール部12の洗浄用として後述の電解水を利用した殺菌・制菌を実施している。なお尿の採取方法として、混入が絶対に不可なものについては採尿器61を利用した空中採尿を利用し、大便飛沫混入が認められるものについては第二ボール部12を介した回収を共に利用するものであってもよい。
【0021】
図3は、本発明の洋風大便器システムの第一の実施例を示す測定系システム図である。
洋風大便器10の内側には第一ボール部11が形成され、底部は上方に屈曲した管路からなるトラップ部15と連通している。本図に示すトラップ部15はロータンクからの給水によって満水となって生じるサイホン現象、また別の事例としては直圧バルブからのゼット吐水がもたらす負圧によって生じたサイホン現象によって、溜水13を使用者の排泄物と共に下水配管に送出するよう排水ソケット16と接続されている。第一ボール部11の上部にはリム吐水ノズル8が構成され、採尿装置6の内側に構成される第二ボール部12を洗浄する水を供給するよう連通している。
第一ボール部11と、水位変化によって排泄された尿量を測定するための第二ボール部12は別体であり、両者は組合せによって洋風大便器10を構成するようになっている。組合せ隙間部に汚物汚れが侵入しないよう、パッキン手段の組込みなどが必要であるが、通常の便器に対して排尿情報測定機能を後付けすることができるため、機能の拡張性というメリットがある。
【0022】
洋風大便器10のリム面14に上方に配置された採尿装置6は、使用者の尿を採取する採尿器61と採尿アーム62を、第二ボール部12内部で回動させている。また第二ボール部12の間の連通路開閉手段20に溜まった尿のいずれか、または両方は尿中の特定成分測定を実施すべき尿成分測定部9に吸引される。なお前述のように、電解物質濃度や尿温度などのセンサーは、採尿器61に組みつけられてもよい。採尿器61によって空中採取された検体が送出されるのが尿成分測定部9−aであり、第二ボール部12で採取された検体が送出されるのが尿成分測定部9−bである。
【0023】
第二ボール部12の連通路開閉手段20近傍には、尿および/または尿混じりの溜水の水位ヘッドを測定する水位測定手段として、導圧路42を介して圧力センサー43が取付けられている。溜水の水位ヘッドを測定する時には、三方弁33の流路が圧力センサー43と第二ボール部12間を連通するようになっている。止水栓17に導かれた市水は、チーズ17−1によって洋風大便器10に洗浄水を供給するためのロータンク10−1と第二ボール部12側に分岐される。ロータンク10−1の内部には、図示しないボールタップが内蔵されている。第二ボール部12側に分岐されされた市水は、開閉弁19に導かれる。市水はバキュームブレーカーやエアギャップなどの逆流防止手段32を経て、三方弁35に導かれている。導圧管42内部を洗浄するときには市水を導圧管42に導くよう、三方弁35の管路を三方弁33側に管路を連通させる。また第二ボール部12内部に溜まった尿を尿成分測定部9−bが吸引する時には、三方弁35は導圧管42と尿成分測定部9を連通するよう切替可能とし、尿成分測定部9−bの吸引機構によって検体としての尿が尿成分測定部9−bに送り込まれることになる。三方弁35と三方弁33の間には電解水生成手段37が配置されている。市水を第二ボール部12に導く時、また第二ボール部から吸引した尿検体の廃液を尿成分測定部9から第二ボール部に戻す時に、塩素を含んだ市水を電気分解して殺菌性のある次亜塩素イオンを生成することにより、配管内部で尿やトイレ内の環境起因の細菌等の繁殖で管路閉塞が生じることを防止している。尚、抗菌性のある銀イオンなどの金属イオンを供給するように装置であっても、考え方としては同じである。
【0024】
待機時に第一ボール11はトラップ部15の溢流面まで溜水13を貯えている。直接、使用者の尿を受ける第二ボール部12は連通路開閉手段20を開放した状態としている。使用者が測定準備操作をした場合、市水は止水栓17、チーズ8、開閉弁19、逆流防止手段32、三方弁35、三方弁33、電解水生成手段37、および、導圧路42を介して第二ボール部12に導かれる。連通路開閉手段20は開放した状態であるから、水は溜水13に落下する。
【0025】
次いで開閉弁19の閉止と三方弁33の切替動作を実施する。導圧路42から三方弁33を介した圧力センサー43までの流路は市水の供給で満水に成ると共に、第二ボール部12と圧力センサー43の間が水位検出のための導圧路として準備される。その状態で連通路開閉手段20を閉止し、使用者の排尿を待つ。使用者が排尿すると連通路開閉手段20の上に尿が溜まり、その水位は圧力センサー43によって測定される。尿が第二ボール部12に存在しない状態を圧力センサー43の測定基準として、尿が排泄された水位が圧力センサー43で測定されることになるため、毎回の測定再現性が高い。
【0026】
水位Zは排尿後水位であり、水位Yが排尿前水位である。水位Yの時は第二ボール部12は空であるから、水位Zの時の第二ボール部12溜水量が排尿量ということになる。下水配管中に他の設備器具などに起因する排水流れによって圧力変動が発生した場合、溜水13の溜水水位Xは変動することになるが、連通路開閉手段20が閉止しているため、圧力センサー43に影響が伝わることが無く、高精度の水位Z測定、引いては排尿情報測定が実施可能となる。第二ボール部12の溜水水位と溜水量の関数関係は、設計値として設定されるだけでなく、製造・施工誤差が想定される場合には後述の方法によって施工時や定期点検時などに、定量給水に対する水位変化挙動を測定して、検量線や対照テーブルとして設定されるものであっても良い。
【0027】
単位時間当たりの溜水水量変化は、尿流速または尿流率と称されるものであるから、溜水量の時間変動挙動の微係数を演算することによって、尿流速または尿流率を演算してもよい。なお、尿流速または尿流率の演算は、単位圧力の増加に要する時間を計測することによっても行うことができる。また、これら尿流速または尿流率が最大値となるまでの排尿開始からの時間も記憶するようにして、結果として得られた、尿量,排尿時間、最大尿流速(最大尿流率)、最大尿流速(最大尿流率)に達するまでの時間といった情報と、予めデータベース化されて記憶されている評価テーブルとの比較に基づいて、使用者の泌尿器疾病の可能性の推定を行うこともできる。
【0028】
排泄された尿は、連通路開閉手段20を開放して第一ボール部11の溜水13に落下させた後、ロータンク10−1からリム吐水ノズル8によって第二ボール部12に導かれる。連通路開閉手段20を経て第一ボール部11に導かれた水は、トラップ部15の頂部を満たした後、サイホン現象によって排水ソケット16を介して図示しない下水配管に送出されていくことになる。排出完了後、ロータンク10−1からのリフィール水はリム吐水ノズル8、第二ボール部12、連通路開閉手段20を介して第一ボール部11に導かれ、溜水13は再びトラップ部15の溢流水位Wに復帰することになる。
【0029】
使用者が準備操作をしなかった場合、連通路開閉手段20は開放されたままであり、大便モードとして動作する。この状態で使用者が排便した場合、大便は直接、溜水13に落下する他、一部は第二ボール部12に残ることになる。第二ボール部12に設けられたリム吐水ノズル8は周状の第二ボール部12に対して接線状に導流され、旋回した流れは付着した大便を洗い落としながら溜水13に落下する。連通路開閉手段20を経て第一ボール部11に導かれた水は、トラップ部15の頂部を満たした後、サイホン現象によって排水ソケット16を介して図示しない下水配管に送出されていくことになる。排出完了後、ロータンク10−1からのリフィール水はリム吐水ノズル8、第二ボール部12、連通路開閉手段20を介して第一ボール部11に導かれ、溜水13は再び溢流水位てに復帰することになる。特に第二ボール部12には、セフィオンテクト(商標)と称されるような付着防止手段を配するべきであり、排泄物は旋回流によって溜水13に流れ落ちやすくなっている。
【0030】
図4は、本発明の洋風大便器システムの第一の実施例を示すフローチャートである。
S101は待機している排尿情報測定便器が使用者の近接を検知するステップである。水位測定のための圧力センサーと水位測定を行う第二ボール部をつなぐ導圧管は、バキュームブレーカーを代表事例とされる逆流防止手段によって換気され、管路内部は空になっている。第一ボール部はトラップ部の溢流水位まで溜水は満水となっているが、第一ボール部と第二ボール部の間の連通路開閉手段は開放されているため、第二ボール部は空になっている。合わせて第二ボール内を回動する採尿アームは、上面近傍で移動している。S102は水位を圧力として測定するための導圧管路を満水とするステップである。圧力センサーから使用者が排尿して尿によって水位が上昇する第ニボール間の空気を追い出し、全て水で充填し、水位変化による圧力変化をロスなく圧力センサーに伝達できるようになる。合わせて待機中の導圧管内汚れを洗浄する効果も期待できる。
【0031】
S103は使用者が準備操作として準備スイッチを押したり、個人認証用のタグやカードをかざす等の所定の準備操作を行うステップである。尿量を測定するのではなく、大便用途の場合は準備スイッチ操作をせずに着座することになり、S201ステップに移行する。S103ステップで排尿情報測定の意思を使用者が示した場合、S104ステップで使用者が排尿を行う第二ボールの水位による圧力を測定する。連通路開閉手段が作動していないため水位は0であり、その圧力が原点として認識され、圧力センサーが校正される。S105は第二ボールに排泄された尿が、第一ボールに落下することを防止するために連通路開閉手段、例えばフラップ弁のような構成を駆動する。連通路開閉手段の作動が完了すると、排尿に伴う水位変化を測定できるようになるため、S106ステップで使用者に対して排尿情報測定準備が完了したことを表示する。使用者の使い勝手を考えた場合、S101からS106までに要する時間は10秒以内とすると、排尿したいのに待たなければならないと使用者が感じることを防止することができる。
【0032】
S107ステップで、採尿アームを使用者の排泄経路に移動させる。性別や個人認証結果、また座位か立位かによって採尿器の駆動位置を変更が推奨される。S108ステップで使用者は採尿器に向けて排尿を実施する。女性の排尿は座位で実施されるが、一般的に男性の排尿は座位だと飛び散りの発生を防止できる。ただし尿流率の測定を行う時には、男性は腹筋が働きやすい立位で行うことが推奨される。S109は尿中に含まれる特定成分濃度を測定するために尿を吸引し、所定のセンシング手段に向けて送出するステップである。尿量のみが必要な場合は不要であるが、尿検体による特定成分濃度測定が必要な場合は適宜採用すればよい。
【0033】
排尿が終了すると、使用者はS110ステップで終了操作を実施する。終了スイッチを押したり、個人認証用のタグやカードをかざす等の所定の操作を行うことになる。S110は第二ボールの水位を圧力値で測定するステップである。S111は水位を尿量に換算するステップである。排尿前の溜水量は0であるから、測定した水位が表す溜水量がそのまま尿量として演算される。水位と溜水量の関係は、設計値として設定するほか、施工や寸法的なバラツキを含む場合は所定水量ごとの水位を学習させて、水位と溜水量の関係を示す検量線を設定してもよい。
【0034】
S112は水位変化から尿量を換算するステップである。排尿と同時に大便のような固形で体積を有するものが落下した場合、水位変化挙動に不連続点が発生したり、大きな波立ちが生じることから、S113ステップにおいて大便の同時排泄が懸念される場合は、S114ステップにおいて排尿情報測定精度に疑念があることを警告する出力を行う。尿中の特定成分測定のための吸引動作が実施される場合、大便混入が懸念されると特定成分測定ができない項目については診断ミスを防止するため、および、器具保全のために検体としてのサンプル尿の吸引をS115ステップで中止する。
【0035】
S116は尿中に含まれる特定成分濃度を測定するために、連通路開閉手段の上に溜まった尿を吸引し、所定のセンシング手段に向けて送出するステップである。採尿器で空中採尿する方式に比べ、ボール部中に付着した大便飛沫や洗剤や排泄物由来の細菌などの混入が起こる場合が想定されるが、測定しようとしている項目によっては本方式を採用してもよい。例えば尿中のウロビリノーゲンを測定したい場合に大便の混入は不可であるが、尿中のグルコースを測定したい場合には微小量の大便飛沫混入は誤差要因として除外できる可能性がある。特に女性は排尿方向に個人差があることと、生理学的に排尿方向の変更を自分の意志で行うことが難しいことから、本方式のように第二ボール全体を集尿手段として利用できることから、尿採取としての使い勝手がよいことになる。
【0036】
S117は第二ボール部の尿を第一ボール部の溜水に落下させるために、連通路開閉手段を作動させるステップである。S118で排泄物が侵入した恐れのある導圧管は洗浄され、洗浄水は第一ボール部の溜水に落下する。使用者がS119ステップで便器洗浄操作を実施すると、S120ステップで第二ボール部に向けたリム洗浄と、第一ボール部の排泄物混じりの水を排出する便器洗浄が実施され、用足しが終了した使用者の離座とトイレ離室をS121ステップで検出する。
【0037】
大便を行う場合は準備操作を行わないため、S201で着座を検出する。S202で使用者が排便した後、S203で便器洗浄操作を受付ける。連通路開閉手段が作動していないため、直接大便は第一ボールに落下する。なお着座検出に合わせて、第二ボール部に向けたリム吐水によるプレ洗浄を実施すれば、第二ボール部に大便飛沫が付着する恐れはかなり小さくなる。次いでS204ステップで導圧管が洗浄され、大便が導圧管に侵入することを防止する。次いでS205ステップで便器洗浄が実施された後、使用者はS206ステップで便座から立ち上がったことが検出される。
【0038】
図5は、本発明の洋風大便器システムの第一の実施例の動作シーケンスである。
使用者が準備操作を行うと、開閉弁19が所定時間動作して導圧管に水を供給して洗浄を行い、市水を充填する。次いで連通路開閉手段20が作動し、圧力センサーと第二ボール間を連通すべく三方弁33を駆動する。圧力センサー34が起動され原点位置が構成された後、連通路開閉手段20が作動し第二ボール部から第一ボール部に尿が落下しないようにする。合わせて三方弁35が作動して、第二ボール部の尿を尿成分測定部に送れるよう準備する。尿成分測定を尿量や尿流率等の排尿状態に関係する情報を測定する排尿情報測定と同時に実施し、かつ、大便の混入不可の場合は採尿器が排尿経路に移動する。使用者が排尿を行うと第二ボール部12の水位が上昇するが、採尿器の尿検知に合わせて、尿成分測定部9に尿検体が送られる。排尿が終了すると尿量・尿流率などが演算・印刷等で使用者・データ管理者に開示される。
【0039】
次いで第二ボール部12中の尿は、三方弁35を介してその検体を尿成分測定部9−aに送る。使用者が便器洗浄操作を実施すると、連通路開閉手段20が作動して第二ボール部12中の尿を第一ボール部11に落下させ、第二ボール部12にリム吐水が供給される。給水によって第一ボール部11のトラップ部15は満水となり、生じるサイホン現象によって第一ボール部の排泄物混じりの溜水は下水配管に向けて排出される。その後、リフィール水によって第一ボール部には再び溜水が溜まる。導圧管に向けた吐水が開閉弁19の動作によって実施され、接尿した配管の清浄性が保たれることになる。
【0040】
図6は、本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第二の実施例を示す測定系システム図である。
洋風大便器10の内側には第一ボール部11が形成され、底部は上方に屈曲した管路からなるトラップ部15と連通している。トラップ部15はロータンクからの給水によって満水となる、または直圧バルブからのゼット吐水がもたらす負圧によって生じたサイホン現象によって、溜水13を使用者の排泄物と共に下水配管に送出するよう排水ソケット16と接続されている。第一ボール部11の上部には使用者の尿が溜まる第二ボール部12が配置され、第一ボール部11と第二ボール部12の間には連通路開閉手段20が構成されている。第二ボール部12に排泄された尿は、第二ボール部12の上部に構成されたリム吐水ノズル8による第二ボール部12の周に沿う洗浄水の旋回流によって、連通路開閉手段20を経て溜水13に押し出されるようになっている。第二ボール部12における連通路開閉手段20の最下点近傍には導圧路42が接続されており、第二ボール部12の排尿に伴う水位変化を圧力値として測定している。
【0041】
本例において、第二ボール部に組み付けることができる空中採尿用の採尿アーム回動機構は省略されている。また第一の実施例において連通路開閉手段20はギロチン式のスライド弁を採用していたが、本例では回動方式のフラップ弁を採用した例を示した。連通路開閉手段20を開放しても、溜水13に対して排泄物が直接落下しないため第二ボール部12に大便等が付着しやすいという欠点があるが、弁体の動作スピードを上げて弁体自身が汚れにくいという特徴を持っている。第二ボール部12には、セフィオンテクト(商標)と称されるような付着防止手段を配することで大便付着を防止している。
【0042】
なお本実施例において、第一ボール部11と第二ボール部12は一体に構成され、かつ陶器によって形成された洋風大便器10となっている。第一の実施例が別体であったため、両者の隙間に汚れが侵入しやすいのに対して汚れが侵入する恐れがなく、衛生的な使用が可能になっている。また洋風大便器10の上面には開口10−2が形成されており、連通路開閉手段20の駆動機構を組み込んだり、万一便器が詰まった時のメンテナンスが実施できるよう配慮されている。
【0043】
図7は、本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第三の実施例を示す測定系システム図である。
洋風大便器10の内側には第一ボール部11が形成され、底部は上方に屈曲した管路からなるトラップ部15と連通している。トラップ部15はロータンクからの給水によって満水となる、または直圧バルブからのゼット吐水がもたらす負圧によって生じたサイホン現象によって、溜水13を使用者の排泄物と共に下水配管に送出するよう排水ソケット16と接続されている。第一ボール部11の上部には使用者の尿が溜まる第二ボール部12が配置され、第一ボール部11と第二ボール部12の間には連通路開閉手段20が構成されている。第二ボール部12に排泄された尿は、第二ボール部12の上部に構成されたリム吐水ノズル8による第二ボール部12の周に沿う洗浄水の旋回流によって、連通路開閉手段20を経て溜水13に押し出されるようになっている。
【0044】
第二ボール部12における連通路開閉手段20の最下点近傍には導圧路42が接続されており、第二ボール部12の排尿に伴う水位変化を圧力値として測定している。本例において、第二ボール部12に組み付けることができる空中採尿用の採尿アーム回動機構は省略されている。また第一の実施例において連通路開閉手段20はギロチン式のスライド弁を採用していたが、本例も回動方式のフラップ弁を採用した例を示した。第二の実施例において、トラップ部15の溢流面の上方に第二のボール部を配置したのに対して、本例は溢流面の下方にまで第二ボール部12を干渉させるようレイアウトしている。
【0045】
第二の実施例では第二ボール部12の床からの高さが高くならざるを得ないが、本例の方法を採用すると第二ボール部12の床からの高さ寸法を抑制することができる。下肢に障害を持つ方が車椅子から移乗することを配慮すると、第二ボール部12の床からの高さは417mm程度とすることが推奨されるが、背の低い高齢者などを配慮すると第二ボール部12の床からの高さは370mm程度とするべきである。本例の構成を採用すると、第二ボール部12の床からの高さは370mm程度が可能である。
【0046】
連通路開閉手段20を開放した時に、第一ボール部11中の溜水13の一部が第二ボール部12内部に侵入する。排尿情報測定を実施するときには連通路開閉手段20を閉止した後、導圧管42、三方弁33、三方弁35を介してポンプ41で吸引を行い、排水ソケット16に排水を行うようになっている。また管路にはトラップ43が設けられているため、下水配管中の臭気や昆虫などがトイレ内に侵入することが無い。また連通路開閉手段20を開放しても、溜水13に対して排泄物が直接落下しないため第二ボール部12に大便等が付着しやすいという欠点がある。第二ボール部12には、セフィオンテクト(商標)と称されるような付着防止手段を配することで大便付着を防止している。
【0047】
なお本実施例においても前述した第ニ実施例同様、第一ボール部11と第二ボール部12は一体に構成され、かつ陶器によって形成された洋風大便器10となっている。第一の実施例が別体であったため、両者の隙間に汚れが侵入しやすいのに対して汚れが侵入する恐れがなく、衛生的な使用が可能になっている。また洋風大便器10の上面には開口10−2が形成されており、連通路開閉手段20の駆動機構を組み込んだり、万一便器が詰まった時のメンテナンスが実施できるよう配慮されている。
【0048】
図8は、本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第四の実施例を示す測定系システム図である。
第一ボール部11の上方に第二ボール部12を構成する考え方は前述のものと同じであるが、本実施例の構成は第一ボール部11と第二ボール部12の間に開閉弁を構成するのではなく、第二ボール部12に排泄された尿が第一ボール部に落下しないよう、堰状の連通路開閉手段20を形成しているところにある。本実施例の連通路開閉手段20はネジ対偶で第二ボール部12に組み合わされており、尿を貯める時には連通路開閉手段20が回動して上方に伸出し、尿を第一ボール部11に落下させる時には同じく連通路開閉手段20が回動して第二ボール部12のツラ面まで後退するようになっている。また排泄された尿が連通路開閉手段20中央の開口を通じて直接第一ボール部11に落下することが無いよう、貯尿時には採尿器61が開口部上方に回動移動して開口を覆うようになっている。当然、採尿器は検体の一部を採取して尿中の特定成分を測定しても良い。
【0049】
図9は、本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第四の実施例の連通防止処断の斜視図である。
連通路開閉手段20は略筒状であり、中央には排泄物が通過する開口が形成されている。外周にはネジ20−1が形成されており、前述の第二ボール部との間で回動による伸出・後退が実現されるようになっている。回動方法としてはリム面部に配置されたモーターなどの回動手段からワイヤーなど自由曲面に沿って駆動力を伝達できる方法で引き回すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の排尿情報測定装置を組み込んだ洋風大便器の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の本発明の排尿情報測定装置を洋風大便器に組み付けた事例を示す斜視図である。
【図3】本発明の洋風大便器システムの第一の実施例を示す測定系システム図である。
【図4】本発明の洋風大便器システムの第一の実施例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の洋風大便器システムの第一の実施例の動作シーケンスである。
【図6】本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第二の実施例を示す測定系システム図である。
【図7】本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第三の実施例を示す測定系システム図である。
【図8】本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第四の実施例を示す測定系システム図である。
【図9】本発明を組み込んだ洋風大便器システムの第四の実施例の連通防止処断の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1…大便器ユニット
2…便座装置本体
3…機構ユニットケース
4…排尿情報測定部
5…制御部
6…採尿装置
8…リム吐水ノズル
9…尿成分測定部
9−a…尿成分測定部
9−b…排尿情報測定部
10…洋風大便器
10−1…ロータンク
10−2…開口
11…第一ボール部
12…第二ボール部
13…溜水
14…リム面
15…トラップ部
16…排水ソケット
17…止水栓
17−1…チーズ
19…開閉弁
20…連通路開閉手段
20−1…ネジ
21…便座
22…便ふた
32…逆流防止手段
33…三方弁
35…三方弁
37…電解水生成手段
42…導圧路
43…圧力センサー
50…遠隔操作装置
53…プリンター
60…採尿ユニット
61…採尿器
62…採尿アーム
63…モーター
W…溢流水位
X…溜水水位
Y…スタート水位
Z…排尿後水位


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水配管に対して水封するためのトラップ構造を有し、前記トラップ構造による溜水貯留部に使用者の排泄物を貯留し、サイフォン現象によって連通配設された下水配管に前記排泄物を排出する大便器であって、使用者の排尿を受ける容器の水位を測定する水位測定手段を有し、前記水位測定手段から得られる前記容器の水位変化挙動から排泄される尿の量や排泄速度等の尿排泄情報を計測する排尿情報測定大便器において、
前記溜水貯留部を有する第一ボール部と、前記第一ボール部の上方に配置され使用者の排泄物を受けて測定のために測定溜水として貯留するボール面を有する第二ボール部と、前記第一ボール部と前記第二ボール部との間の連通路とを有し、前記第二ボール部に前記水位測定手段を配すると共に、前記連通路を開閉するための連通路開閉手段を備えたことを特徴とする排尿情報測定大便器。
【請求項2】
前記連通路開閉手段は、前記測定留水の溢流面水位を変化させる堰構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の排尿情報測定大便器。
【請求項3】
前記第二ボール部は、貯留された貯留物を前記連通路を介してボール部外に排出させる測定溜水排出手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかの項に記載の排尿情報測定大便器。
【請求項4】
前記第二ボール部はボール面を洗浄するためのリム吐水手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の排尿情報測定大便器。
【請求項5】
前記第二ボール部は、ボール内を移動して排泄される排泄物を直接採取する検体採取アーム、および前記第二のボール部に貯留された前記測定溜水の一部を採取する測定溜水採取手段の、少なくともどちらか一方を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の排尿情報測定大便器。
【請求項6】
前記第一ボール面と第二ボール部は別体構成であり、第一ボール部上方に第二のボール部を当接配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の排尿情報測定大便器。
【請求項7】
前記第一ボール部と第二ボール部は一体構成で、かつ、陶器製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の排尿情報測定大便器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−98084(P2006−98084A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281354(P2004−281354)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】