説明

排気ガス処理装置のための取付けマット

【課題】排気ガス処理装置のための取付けマットを提供する。
【解決手段】取付けマットは、湿式シートが湿潤状態にある間も物理的に絡み合っている多結晶無機繊維の湿式シートを含む。排気ガス処理装置は、ハウジング、ハウジング内に弾性的に取り付けられる脆弱触媒支持構造体、及びハウジングと脆弱構造体との間のギャップに配置される取付けマットを含む。更に、排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法及び取付けマットを組み込んでいる排気ガス処理装置の製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示内容は、排気ガス処理装置、例えば、触媒コンバータ又はディーゼルパティキュレートトラップのための湿って横たわり(wet laid)かつ物理的に絡み合った取付けマットに関する。排気ガス処理装置は、ハウジングと脆弱構造体との間のギャップに配置される取付けマットによってハウジング内に取り付けられる脆弱構造体を含み得る。
【背景技術】
【0002】
エンジン排出ガスからの大気汚染を削減するために排気ガス処理装置が自動車に用いられている。広く用いられている排気ガス処理装置の例としては、触媒コンバータ及びディーゼルパティキュレートトラップが挙げられる。
自動車エンジンによって生成される排気ガスを処理するための触媒コンバータは、ハウジングと、一酸化炭素と炭化水素の酸化及び窒素の酸化物の還元を行うために用いられる触媒を保持するための触媒担持脆弱構造体と、ハウジング内に触媒担持脆弱構造体を弾性的に保持するために触媒担持脆弱構造体の外面とハウジングの内面との間に配置される取付けマットとを含む。
ディーゼルエンジンによって生成される汚染を防止するためのディーゼルパティキュレートトラップは、一般的には、ハウジングと、ディーゼルエンジン排出ガスからの微粒子を集めるためのパティキュレート脆弱フィルター又はトラップと、ハウジング内に脆弱フィルター又はトラップ構造体を保持するためにフィルター又はトラップの外面とハウジングの内面との間に配置される取付けマットとを含む。
脆弱構造体は、一般的には、金属の脆弱材料又は脆性セラミック材料、例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ジルコニア、コージライト、炭化ケイ素等から製造されるモノリシック構造体からなる。これらの材料によって、複数のガス流路を有するスケルトンタイプの構造体が得られる。これらのモノリシック構造体は、脆弱である場合があり、そのために、小さい衝撃荷重又は応力でさえ亀裂が入るか又は粉砕するのにしばしば充分である。熱的及び機械的な衝撃及び他の応力から脆弱構造体を保護するだけでなく、断熱及びガスシールを与えるために、脆弱構造体とハウジングとの間のギャップに取付けマットが位置決めされる。
多結晶ウールマットは、乾式プロセス又は湿式プロセスによって得ることができる。多結晶ウールマットの製造における乾燥段階と焼成段階の前のゾル-ゲル繊維は可撓性である。可撓性のままである間にゾル-ゲル繊維を機械的にインターロックするためにこの段階でニードリング装置が用いられる。ニードリング段階後、ニードリングされた多結晶ウールマットを乾燥し、焼成する。焼成プロセスによって、ゾル-ゲル繊維が硬くなる。
多結晶質ウールマット処理の乾燥段階と焼成段階の前のゾル-ゲル繊維は依然として可撓性であり、ゾル-ゲル繊維は5パーセントよりも多い水を含有するので、水への暴露に感受性がある。従って、乾燥段階の前の湿式プロセスの間に用いられる水にさらされた際に、ゾル-ゲル繊維は分解しかつ溶解する。水に感受性であることから、乾燥かつ焼成したゾル-ゲル繊維のみが、湿式マット形成プロセスにおいて用いられる。乾燥かつ焼成したゾル-ゲル繊維のみが湿式マット形成プロセスにおいて用いられるように、脆くかつ硬いゾル-ゲル繊維をニードリングするいかなる試みも繊維を破壊しかつ引張強度が極めて小さいマットになるので、ニードリングの可能性がない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】図1は、現在開示されている取付けマットを含む例示的排気ガス処理の斜視図である。
【図2】図2は、繊維状取付けマットをニードリングするのに適したニードリングマシンの一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
排気ガス処理装置に有効な取付けマットを提供する。取付けマットは、シートの中に湿って横たわりかつ物理的に絡み合っている複数のゾル-ゲル無機繊維からなる。湿って横たわりかつ物理的に絡み合ったゾル-ゲル由来繊維のマットは、外部ハウジング内に触媒担持脆弱構造体を取り付ける取付けマットとして又は排気ガス処理装置の端部コーン領域における断熱マットとして用いることができる。
ある例示的実施態様によれば、排気ガス処理装置のための取付けマットは、シートの中に湿って横たわりかつシートがまだ湿潤状態にある間にニードリングされた複数のゾル-ゲル無機繊維を含む。すなわち、ニードリング操作は、まだ湿っている間に湿式層上で行われる。湿って横たわりかつニードリングされたゾル-ゲル由来繊維のマットは、外部ハウジング内に触媒担持脆弱構造体を取り付ける取付けマットとして又は排気ガス処理装置の端部コーン領域における断熱マットとして用いることができる。
取付けマットには、湿って横たわりかつ物理的に絡み合ったゾル-ゲル由来繊維の少なくとも一層を含む。排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法は、ゾル-ゲル由来無機繊維を準備する工程、ゾル-ゲル繊維を安定化する工程、安定化されたゾル-ゲル由来繊維の層を湿潤形成する工程、ゾル-ゲル由来繊維の安定化層を物理的に絡み合わせる工程、ゾル-ゲル由来繊維の物理的に絡み合わされた層を焼成する工程を含む。
ある例示的実施態様によれば、取付けマットは、湿って横たわりかつニードリングされたゾル-ゲル由来繊維の少なくとも1つの層を含む。排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法は、ゾル-ゲル由来無機繊維を準備する工程、ゾル-ゲル繊維を安定化する工程、安定化されたゾル-ゲル由来繊維の層を湿式形成する工程、ゾル-ゲル由来繊維の安定化された層をニードリングする工程、及びにゾル-ゲル由来繊維のニードリングされた層を焼成する工程を含む。ゾル-ゲル由来無機繊維の層は、複数のゾル-ゲル由来無機繊維、適切な処理剤、及び適切な液体、例えば水のスラリーを形成することによって調製することができる。ゾル-ゲル由来繊維の層は、スラリーから液体の少なくとも一部を除去することによって形成される。このプロセスは、当該技術において“湿式積層”と呼ばれ、得られたゾル-ゲル由来無機繊維の層は“湿式”層と呼ばれる。
【0005】
湿式層に存在するゾル-ゲル由来無機繊維は、典型的な機械的ニードリングプロセスに耐えるのに充分可撓性である。しかしながら、ゾル-ゲル由来繊維は、水に感受性があり、水との接触時に溶解する。ゾル-ゲル由来繊維は、溶解に対して繊維を安定化するために処理される。溶解に対してゾル-ゲル由来繊維を安定化するために処理される工程は、ゾル-ゲル由来繊維の少なくとも一部を水に不溶にするのに充分な温度で層中のゾル-ゲル由来繊維を加熱する段階を含んでもよい。限定されるものではなく、また、単に例示として、ゾル-ゲル由来繊維の層を700℃以下の温度で加熱してもよい。他の実施態様によれば、ゾル-ゲル由来繊維の層を600℃以下の温度で加熱されてもよい。適切な温度、例えば、700℃以下の温度でゾル-ゲル由来繊維を加熱することにより、ゾル-ゲル繊維が水にさらされた際の溶解又は他の分解に対して実質的に耐性になる。ゾル-ゲル由来繊維を700℃以下の温度で加熱した後、繊維は脆く又は硬くならず、ニードリング操作を存続するのにまだ充分な可撓性を保持する。ゾル-ゲル繊維を溶解に対して安定化するために上記のように加熱することができ、ゾル-ゲル繊維の溶解耐性を改善するいかなる方法も用いてもよい。
ゾル-ゲル由来繊維が安定化された後、例えば、ゾル-ゲル由来繊維を熱処理することによって、安定化繊維の湿式層が形成され、層は機械的ニードリングプロセスを受ける。ニードリングプロセスは、層内の繊維の少なくとも一部の配向を変え、層内のこれらの繊維を機械的にインターロックする。
本取付けマットの製造方法の一実施態様において、高温耐性繊維、必要により有機結合剤及び必要により膨張性材料からなるプライ又は層は、ロトフォーマー上に湿って横たわり、まだ湿った紙又はシートの複数のプライ又は層が積み重ねられ、乾燥炉に送られる前に、“ニードラー”によって処理される。このプロセスは、シートを乾燥させる前に、製紙水溶液又はスラリーでまだ湿ったまま、これらの一部を撚り合わせかつ絡み合わせるように繊維をニードルパンチする工程を含む。それ故、得られた取付けマットは、同じ厚みと密度の先行技術の取付けマットと比較して強化される。
【0006】
典型的な繊維ニードリング操作において(通常は繊維に分解する直後に)、潤滑液(通常は油又は他を潤滑有機材料)を用いて、繊維破断を防止するとともに繊維の運動と絡み合いを援助する。本プロセスにおいて、それは、ニードリングプロセスを援助するために用いられる湿式形成製紙プロセスからの水である。
ニードリングとは、一部の繊維を紙又はシートの中の配向から外させ、かつ紙又はシートの対向する表面の間である長さにする操作を意味する。ニードリング装置は、典型的には、繊維のウェブが横たわっているか又は移動する水平表面、及びニードルを下方に伸ばすアレイを備えるニードルボードを含む。ニードルボードは、ニードルをウェブへ、また、ウェブから往復運動させ、ウェブの繊維の一部をウェブの表面にほぼ直角の面に再適合させる。ニードルは、一方向から、又は、例えば、針棘を用いて、ウェブを通って繊維を押すことができ、繊維を上部から押すとともに繊維をウェブの一番下から引き離すことができる。典型的には、棘のある針による繊維紙又はシートの完全な又は部分的な貫通による繊維の物理的な絡み合いが得られる。
更に、又は、あるいは、ハイドロエンタングリング法(ウォータジェットニードリング又は液体ジェットニードリングとしても知られる)を用いて、繊維を撚り合わせかつ絡み合わせてもよい。ハイドロエンタングリングプロセスにおいて、水の少量の高強度の噴射がゆるんだ繊維の層又はシートに衝突し、繊維が穿孔した表面、例えば、ワイヤスクリーン又は穿孔したドラム上に支持される。液体ジェットは、比較的短くかつゆるんだ端を有する繊維を、少なくとも繊維の少なくともある部分と再配列させ、相互に物理的に絡み合い、巻き付き、及び/又は撚り合わせる。
【0007】
まだ湿潤した紙又は真空注型マットのニードリング又はハイドロエンタングリングの後、マットは、必要により押圧されてもよく、炉内で、例えば、これに限定されないが約80℃〜約700℃で、乾燥される。
湿式ニードリング工程によって、脆い繊維でさえ著しく破断せずに織ることができる。湿式ニードリングは、更に、有機結合剤が使い果たされた後でさえ、例えば、車両の最初の動作において、高い強度を与え、結果として自動車排気系統が受ける振動状態下でさえ耐久性を保つマット得られる。
図2に示されるように、ニードリングは、形成された紙30をまだ湿潤状態でベッドプレート32とストリッパプレート34の間に通すことを含み、矢44によって示されるように、いずれも棘のあるニードル40が往復運動する方法でそこを通過させることができるアパーチャ36、38を有する。ニードル40は、紙30における繊維42を押しかつ引いて、繊維42に絡ませる三次元のインターロック配向性を誘導し、紙30を強化し、引き続き炉内で乾燥する。
ゾル-ゲル由来繊維の湿式のニードリングされた層を焼成して、排気ガス処理装置における端部コーン断熱マット又は取付けマットのための最終マット製品を得る。ある実施態様によれば、ゾル-ゲル由来繊維の湿式のニードリングされた層の焼成は、約900から約1,500℃まで範囲にある温度で行われ得る。
排気ガス処理装置は、外部ハウジング、触媒担持脆弱構造体、及び湿って横たわりかつ物理的に絡み合ったゾル-ゲル由来無機繊維の少なくとも一層が外部ハウジングの内面と触媒担持脆弱構造体の外面との間のギャップに配置される取付けマットを含む。湿って横たわりかつニードリングされた取付けマットを用いて、ハウジング内に触媒担持脆弱構造体を弾性的に取り付けるとともに排気ガス処理装置の動作の間に遭遇する機械的及び熱的な衝撃から触媒担持構造体を保護する。
【0008】
ある例示的実施態様によれば、排気ガス処理装置は、外部ハウジング、触媒担持脆弱性の構造体、及び湿って横たわりかつニードリングされたゾル-ゲル由来無機繊維の少なくとも一層が外部ハウジングの内面と触媒担持脆弱構造体の外面の間のギャップに配置される取付けマットを含む。湿式のニードリングされた取付けマットを用いて、ハウジング内に触媒担持脆弱構造体を弾性的に取り付けるとともに排気ガス処理装置の動作の間に遭遇する機械的及び熱的な衝撃から触媒担持構造体を保護する。
触媒構造体は、一般的には、ハウジング内に熱的耐性材料によって取り付けられる1つ以上の多孔質管状又はハニカム状構造体を含む。各構造体は、排気処理装置のタイプによって、1平方インチ当たり約200から約900以上のチャネル又はセルをどこにでも含むことができる。ディーゼルパティキュレートトラップは、パティキュレートトラップ内の各チャネル又はセルの一端又はもう一端が閉じられている触媒コンバータ構造体と異なる。パティキュレートは、多孔質構造体における排気ガスから高温バーンアウトプロセスによって再生されるまで集められる。取付けマットの自動車以外の用途には、化学工業用排出(排気)煙突のための触媒コンバータが含まれ得る。
排気ガスを処理するための装置の1つの説明的形態が、図1において符号10によって示されている。取付けマットが図1に示される装置に用いられるのに限定されるものでないことは理解すべきであり、したがって、形状は説明的実施態様としてのみ示されている。実際に、取付けマットは、排気ガスを処理するのに適している脆弱構造体、例えば、ディーゼル触媒構造体、ディーゼルパティキュレートトラップ等を取り付けるか又は支持するために使用し得る。
【0009】
触媒コンバータ10は、フランジ16によって一緒に保持された、2つの金属片、例えば、高温耐熱鋼から形成された通常は管状のハウジング12を含み得る。あるいは、ハウジングは、脆弱構造体を包んだ取付けマットが挿入されている予備成形キャニスタを含み得る。ハウジング12は、一方に入口14とその反対側に出口(図示せず)とを含む。入口14と出口は、最適には、外側の端部に形成され、これによって内燃機関の排気系統におけるコンジットに固定することができる。装置10は、脆弱構造体、例えば破砕性セラミックモノリス18を含有し、これが取付けマット20によってハウジング12内に支持されかつ拘束される。モノリス18は、一方の入口の横断面からその反対側の出口の横断面まで軸方向に伸長する複数のガス透過性通路を含んでいる。モノリス18は、適切な耐火金属材料又はセラミック材料から既知の方法及び配置で構成され得る。モノリスは、典型的には、断面の形状が長円形又は円形であるが、他の形状も可能である。
モノリスは間隔又はギャップによってハウジングの内面から隔置されており、これは用いられる装置のタイプや設計、例えば、触媒コンバータ、ディーゼル触媒構造体、又はディーゼルパティキュレートトラップによって異なる。このギャップに取付けマット20を充填して、セラミックモノリス18に弾性支持体を与える。弾性取付けマット20は、外部環境に対する断熱と脆弱構造体に対する機械的支持を与え、それによって、広範囲の排気ガス処理装置作動温度全体に機械的衝撃から脆弱構造体を保護する。
一般に、取付けマットは、ゾル-ゲル由来多結晶無機繊維、及び必要により少なくとも1つの膨張性材料、有機結合剤、クレー、及び酸化防止剤を含む。取付けマット20の組成は、広い温度範囲全体に排気ガス処理装置10のハウジング12内に触媒担持脆弱構造体18を弾性的に保つ保持圧力能力を与えるのに充分な組成である。
【0010】
ゾル-ゲル由来繊維の湿式のニードリングされた層は、また、排気ガス処理装置の端部コーンにおける断熱マットとして用いることができる。排気ガス処理装置のための端部コーンは、外側の金属コーン、内側の金属コーン、及び外端と内側の金属端部コーンの間に位置付けされた湿式のニードリングされたゾル-ゲル由来無機繊維の一層からなるコーン断熱体層を含む。
本マットに有効であるゾル-ゲル由来無機繊維は、多結晶酸化物繊維、例えば、ムライト、アルミナ、高アルミナ、アルミノケイ酸塩等を含む。繊維は、好ましくは耐火物である。適切なゾル-ゲル多結晶酸化物繊維及びその製造方法は、米国特許第4,159,205号明細書及び同第4,277,269号に含まれ、これらの記載は本願明細書に組み込まれるものとする。FIBERMAX多結晶ムライト繊維は、Unifrax I LLC、 ナイアガラフォール、ニューヨーク州から入手可能である。本取付けマットの製造に用いられる適切な多結晶ムライト繊維は、更に、商標MAFTECとしてMitsubishi Chemical Corporationから市販されている。好適なゾル-ゲル由来多結晶繊維には、アルミナ繊維、例えば、少なくとも60質量パーセントのアルミナを含む繊維が含まれる。ある例示的実施態様によれば、アルミナ繊維は、高アルミナ含有繊維を含むことができる。例えば、また、限定されるものではないが、適切な高アルミナ含有繊維は、Saffil Ltd.(Cheshire、英国)から市販されている。Saffil Ltd.製の高アルミナ含有繊維は、約95から約97質量パーセントまでのアルミナ及び約3から約5質量パーセントまでのシリカを含む。
【0011】
ゾル-ゲル由来繊維の湿って横たわりかつニードリングされた層は、また、繊維が取付けマット形成工程に耐えることができる限り、少量の異なる種類の無機繊維を含み、排気ガス処理装置の作動温度に耐えることができ、かつ作動温度で排気ガス処理装置ハウジング内に脆弱構造体を保つための最低限の保持圧力性能を与える。限定されるものではないが、取付けマットとしては、更に適切な無機繊維のタイプ、例えば、耐火性セラミック繊維、例えば、アルミノケイ酸塩繊維、アルミナ-マグネシア-シリカ繊維、カオリン繊維、アルカリ土類ケイ酸塩繊維、例えば、カルシア-マグネシア-シリカ繊維やマグネシア-シリカ繊維、カルシウム-アルミン酸塩繊維、リン酸塩被覆カルシウム-アルミン酸塩繊維、カリウム-カルシウム-アルミン酸塩繊維、カリウム-アルミノ-ケイ酸塩繊維、ソジア-アルミナ-ケイ酸塩繊維、S-ガラス繊維、S2-ガラス繊維、E-ガラス繊維、石英繊維、シリカ繊維及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施態様によれば、耐熱無機繊維は、セラミック繊維を含むことができる。限定されるものではないが、適切なセラミック繊維としては、アルミナ-シリカ繊維、アルミナ-ジルコニア-シリカ繊維、ジルコニア-シリカ繊維、ジルコニア繊維及び類似の繊維が挙げられる。適切なアルミナ-シリカセラミック繊維は、登録商標FIBERFRAXとしてUnifrax I LLC(ナイアガラフォールズ、ニューヨーク)から市販されている。FIBERFRAX(登録商標)セラミック繊維は、約45〜約75質量パーセントのアルミナと約25〜約55質量パーセントのシリカの繊維化生成物からなる。FIBERFRAX繊維は、作動温度が最高約1540℃、融点が最高約1870℃である。FIBERFRAX繊維は、高温耐熱のシートや紙に容易に形成した。
【0012】
アルミナシリカ繊維は、約40質量パーセントから約60質量パーセントAl2O3と約60質量パーセントから約40質量パーセントまでのSiO2からなり得る。繊維は、約50質量パーセントのAl2O3と約50質量パーセントのSiO2からなり得る。アルミナ/シリカマグネシアガラス繊維は、典型的には、約64質量パーセントから約66質量パーセントまでのSiO2と、約24質量パーセントから約25質量パーセントまでのAl2O3と、約9質量パーセントから約10質量パーセントまでのMgOからなる。
Eガラス繊維は、典型的には、約52質量パーセントから約56質量パーセントまでのSiO2と、約16質量パーセントから約25質量パーセントまでのCaOと、約12質量パーセントから約16質量パーセントまでのAl2O3と、約5質量パーセントから約10質量パーセントまでのB2O3と、約5質量パーセントまでのMgOと、約2質量パーセントまでの酸化ナトリウムと酸化カリウムと、微量の酸化鉄とフッ化物とからなり、典型的な組成物は、約55質量パーセントのSiO2と、約15質量パーセントのAl2O3と、約7質量パーセントのB2O3と、約3質量パーセントのMgOと、19質量パーセントのCaOと、微量のその他の上述した材料である。
限定されるものではないが、排気ガス処理装置のための取付けマットを作製するために使用し得る生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維の適切な例としては、米国特許第6,953,757号明細書、同第6,030,910号明細書、同第6,025,288号明細書、同第5,874,375号明細書、同第5,585,312号明細書、同第5,332,699号明細書、同第5,714,421号明細書、同第7,259,118号明細書、同第7,153,796号明細書、同第6,861,381号明細書、同第5,955,389号明細書、同第5,928,075号明細書、同第5,821,183号明細書、同第5,811,360号明細書に開示された繊維が挙げられ、これらの明細書の開示内容は、本願明細書に組み込まれるものとする。
【0013】
ある実施態様によれば、生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、マグネシウムの酸化物とシリカの混合物の繊維化生成物からなり得る。これらの繊維は、一般にマグネシウム-ケイ酸塩繊維と呼ばれる。マグネシウム・ケイ酸塩繊維は、一般的には、約60から約90質量パーセントまでのシリカと、0より多く約35質量パーセントまでのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物の繊維化生成物からなる。ある実施態様によれば、アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、約65から約86質量パーセントまでのシリカと、約14から約35質量パーセントまでのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物の繊維化生成物からなる。他の実施態様によれば、アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、約70から約86質量パーセントまでのシリカと、約14から約30質量パーセントまでのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物の繊維化生成物からなる。適切なマグネシウム-ケイ酸塩繊維は、登録商標ISOFRAXとしてUnifrax I LLC(ナイアガラフォールズ、ニューヨーク)から市販されている。市販のISOFRAX繊維は、一般的には、約70から約80質量パーセントまでのシリカと、約18から約27質量パーセントまでのマグネシアと、約4質量パーセント以下の不純物の繊維化生成物からなる。
ある実施態様によれば、生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、カルシウム、マグネシウム及びシリカの酸化物の混合物の繊維化生成物からなり得る。これらの繊維は、一般にカルシア-マグネシア-シリカ繊維と呼ばれる。ある実施態様によれば、カルシア-マグネシア-ケイ酸塩繊維は、約45から約90質量パーセントまでのシリカと、0よりも多く約45質量パーセントまでのカルシアと、0よりも多く約35質量パーセントのマグネシアと、10質量パーセント以下の不純物との繊維化生成物からなる。有効なカルシア-マグネシア-ケイ酸塩繊維は、登録商標INSULFRAXとしてUnifrax I LLC(ナイアガラフォールズ、ニューヨーク)から市販されている。INSULFRAX繊維は、一般的には、約61から約67質量パーセントまでのシリカと、約27から約33質量パーセントまでのカルシアと、約2から約7質量パーセントまでのマグネシアとの繊維化生成物からなる。他の適切なカルシア-マグネシア-ケイ酸塩繊維は、商標SUPERWOOL 607、SUPERWOOL 607 MAX及びSUPERWOOL HTとしてThermal Ceramics(オーガスタ、ジョージア州)から市販されている。SUPERWOOL 607 MAX 繊維は、約60から約70質量パーセントまでのシリカと、約25から約35質量パーセントまでのカルシアと、約4から約7質量パーセントまでのマグネシアと、微量のアルミナとからなる。SUPERWOOL(登録商標) 607 MAX繊維は、約60から約70質量パーセントまでのシリカと、約16から約22質量パーセントまでのカルシアと、約12から約19質量パーセントまでのマグネシアと、微量のアルミナとからなる。SUPERWOOL HT繊維は、約74質量パーセントのシリカと、約24質量パーセントのカルシアと、微量のマグネシア、アルミナ及び酸化鉄とからなる。
【0014】
排気ガス処理装置のための取付けマットの製造において適切なシリカファイバーの使用には、BelChem Fiber Materials GmbH、ドイツから登録商標BELCOTEXとして、Gardena、カリフォルニア州のHitco Carbon Composites. Inc.から登録商標REFRASILとして、ベラルーシ共和国のPolotsk-Steklovoloknoから呼称PS-23(R)として入手可能な溶出されたガラス繊維が含まれる。
BELCOTEX繊維は、標準型、ステープル繊維プレヤーンである。これらの繊維は、約550テックスの平均繊度を有し、一般的にはアルミナによって変性されるケイ酸から作られる。BELCOTEX繊維は、アモルファスで、一般的には、約94.5のシリカ、約4.5パーセントのアルミナ、0.5パーセント未満の一酸化ナトリウム、及び0.5パーセント未満の他の成分を含有する。これらの繊維は、約9ミクロンの平均繊維直径及び1500〜1550℃の範囲にある融点を有する。これらの繊維は、1100℃までの温度に対して耐熱性であり、典型的には、ダマを含まず、結合剤を含まない。
BELCOTEX繊維のようなREFRASIL繊維は、1000〜1100℃温度範囲の用途に対して断熱するシリカ含有量の高いアモルファスの溶出されたガラス繊維である。これらの繊維は、直径が約6と約13ミクロンの間であり、約1700℃の融点を有する。繊維は、溶出後、典型的には約95質量パーセントのシリカ含有量を有する。アルミナは、約4質量パーセントの量に存在してもよく、他の成分は1パーセント以下の量で存在する。
Polotsk-Steklovolokno製のPS-23(R)繊維は、シリカ含有量が高いアモルファスガラス繊維であり、少なくとも約1000℃までに対して耐性を必要としている用途についての断熱に適している。これらの繊維は、約5〜約20mmの範囲の繊維長及び約9ミクロンの繊維直径を有する。REFRASIL繊維のようなこれらの繊維は、約1700℃の融点を有する。
【0015】
湿って横たわりかつニードリングされたゾル-ゲル由来繊維の層もまた、膨張性材料を含むことができる。取付けマットに組み入れることができる膨張性材料としては、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張性(expandable)グラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤性フッ素四ケイ素マイカ(water-swellable tetrasilicic fluorine mica)、アルカリ金属ケイ酸塩、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。取付けマットは、膨張性材料のタイプについてより多くの混合物を含むことができる。膨張性材料は、米国特許第5,384,188号明細書に記載されるように、未膨張バーミキュライトと膨張性グラファイトの混合物を約9:1〜約1:2のバーミキュライト:グラファイトの相対量で含むことができる。
ゾル-ゲル由来繊維の層、プライ、又はシートは、スラリーを真空注型によって形成することができる。この方法によれば、成分のスラリーは、浸透性ウェブ上に湿って横たわっている。スラリーから水分の大部分を抽出するために減圧し、それによって、湿潤シートが形成される。次に、湿潤プライ又はシートを、典型的には炉内で乾燥する。シートを一組のローラーに通過させて、乾燥の前にシートを圧縮してもよい。
ゾル-ゲル繊維の層は、例えば、ダイスタンプ法によって、切断して、正確な形状とサイズの取付けマットを再現性のある許容量で形成することができる。取付けマット20は、ニードリング等によるように、高密度化の際に適切な取扱適性を示し、容易に処理することができかつ多くの他のブランケット又はマットのような自分の手で砕けるほど脆くないことを意味する。それは、脆弱構造体18又は同様の脆弱構造体のまわりに亀裂が入らずに容易にかつ可撓性に取り付け又は包まれ、次に、触媒コンバータハウジング12内に配置され得る。一般に、取付けマットを包んだ脆弱構造はハウジングに挿入され得るか又はハウジングが取付けマットを包んだ脆弱構造のまわりに作られ得るかあるいは製造され得る。
【0016】
実験
下記の実施例は、更に取付けマット及び排気ガス処理装置を単に例示するために示される。例示的実施例は、取付けマット、取付けマットを組み込んでいる排気ガス処理装置、又は取付けマット又は排気ガス処理装置をどのような方法でも製造する方法を限定するものとして解釈されてはならない。
【0017】
比較例1
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有する乾燥かつ焼成した多結晶ウール繊維を用いて、シートを形成する。繊維と水を混合してスラリーを形成し、水を多孔質スクリーンによって減圧して除去することにより、多結晶ウール繊維の湿式シートを調製した。焼成した多結晶ウール繊維の湿式シートを110℃の温度で乾燥した。焼成した多結晶ウール繊維の乾燥シートを市販のニードリングマシンによってニードリングした。シートをニードリングプロセスにさらすと、ニードリングマシンのニードルの力によって脆く硬い多結晶ウール繊維が破壊されるのでシートは粉々になった。得られたマットは崩壊するので、計測可能な引張強度を有しなかった。
【0018】
実施例2
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有するゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を250℃で乾燥した。引き続き、ゾル-ゲル繊維を熱処理して、590℃の温度で安定化した。繊維と水を混合して、スラリーを形成し、次に水を多孔質スクリーンによって減圧で除去することによって、熱処理されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを調製した。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。熱処理されたゾル-ゲル繊維の湿式のニードリングされたシートを110℃の温度で乾燥した。シートを、更に、約1200℃の温度で1時間焼成した。シートの引張強度を、インストロン万能材料試験によって測定した。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適している引張強度を示した。
【0019】
実施例3
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有するゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を250℃で乾燥した。引き続き、ゾル-ゲル繊維を熱処理して、570℃の温度で安定化した。繊維と水を混合して、スラリーを形成し、次に水を多孔質スクリーンによって減圧で除去することによって、熱処理されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを調製した。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。熱処理されたゾル-ゲル繊維の湿式のニードリングされたシートを110℃の温度で乾燥した。シートを、更に、約1200℃の温度で1時間焼成した。シートの引張強度を、インストロン万能材料試験によって測定した。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適している引張強度を示した。
【0020】
実施例4
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有するゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、440℃の温度で安定化した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の安定化された多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。約10質量パーセントの溶出されたBelchemシリカ繊維を、水と安定化された多結晶繊維を有するバケットに段階的に添加した。水、安定化された多結晶繊維及びBelchemシリカ繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
安定化された多結晶のBelchemシリカ繊維の湿式シートを、手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式のウェットニードリングされたシートを、110℃の温度で乾燥した。ニードリングされたシートを、更に、約1200℃の温度で1時間焼成した。
MTS(ミネアポリス、 ミネソタ州、米国)機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適している引張強度を示した。
【0021】
実施例5
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有するゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、540℃の温度で安定化した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の安定化された多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。水及び安定化された多結晶繊維を約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって安定化された多結晶の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式のウェットニードリングされたシートを、110℃の温度で乾燥した。ニードリングされたシートを、更に、約1200℃の温度で1時間焼成した。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つ試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適している引張強度を示した。
【0022】
実施例6
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有するゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、540℃の温度で安定化した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の安定化された多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。約10質量パーセントの溶出されたBelchemシリカ繊維を、水と安定化された多結晶繊維を有するバケットに段階的に添加した。水、安定化された多結晶繊維及びBelchemシリカ繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって、安定化された多結晶のBelchemシリカ繊維の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式シートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式のウェットニードリングされたシートを、110℃の温度で乾燥した。ニードリングされたシートを、更に、約1200℃の温度で1時間焼成した。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適している引張強度を示した。
【0023】
比較例C7
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有する市販のゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、繊維を1100℃の温度で30分間焼成した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の焼成した多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。水と焼成された多結晶繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって、焼成された多結晶繊維の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。ゾル-ゲル繊維の湿潤焼成されたシートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適していない引張強度を示した。
【0024】
比較例C8
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有する市販のゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、1100℃の温度で約30分間安定化した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の焼成された多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。約10質量パーセントの溶出されたBelchemシリカ繊維を、水と焼成された多結晶繊維を有するバケットに段階的に添加した。水、焼成された多結晶繊維及びBelchemシリカ繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって、焼成された多結晶繊維の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。ゾル-ゲル繊維の湿潤焼成されたシートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適していない引張強度を示した。
【0025】
比較例C9
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有する市販のゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、繊維を1100℃の温度で30分間焼成した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の焼成した多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。水と焼成された多結晶繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって、焼成された多結晶繊維の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。ゾル-ゲル繊維の湿潤焼成されたシートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。ゾル-ゲル繊維のニードリングされたシートを110℃の温度で乾燥し、引き続き1200℃に1時間さらした。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適していない引張強度を示した。
【0026】
比較例C10
約72のアルミナと約28のシリカの組成を有する市販のゾル-ゲル形成多結晶ウール繊維を用いて、湿式のニードリングされたシートを形成する。ゾル-ゲル繊維を熱処理して、1100℃の温度で約30分間安定化した。5ガロン(19リットル)バケットを約4.5ガロン(17リットル)の水で充填し、ミキサーをバケットに入れた。ゾル-ゲル由来の焼成された多結晶繊維をバケットに段階的に添加した。約10質量パーセントの溶出されたBelchemシリカ繊維を、水と焼成された多結晶繊維を有するバケットに段階的に添加した。水、焼成された多結晶繊維及びBelchemシリカ繊維のスラリーを約2〜約3分間混合した。
手すき紙フォーマー中でスラリーを継続して混合し、次に、多孔質スクリーンによって減圧して水を除去することによって、焼成された多結晶繊維の湿式シートを調製した。吸い取り紙を用いて過剰な水分をシートから除去した。ゾル-ゲル繊維の湿潤焼成されたシートを、比較例1に用いた同じニードリングマシンを用いてニードリングした。ゾル-ゲル繊維のニードリングされたシートを110℃の温度で乾燥し、引き続き1200℃に1時間さらした。
MTS機械的試験機を、取付けマット試料の引張強度を試験するために用いた。取付けマットの試験試料を、約1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)の寸法を有する細長片に切断した。3つの試料の取付けマットを試験し、3つの取付けマットについて結果の平均を下記の表1に示す。ニードリングされかつ焼成されたシートは、排気ガス処理装置取付けマット用途に適していない引張強度を示した。
【0027】
表1


【0028】
マットがまだ湿潤状態にある間にニードリングされた安定化多結晶無機繊維の湿式シートからなる実施例4-6の取付けマットは、1100℃で完全に焼成した後にニードリング作動させた多結晶繊維のシートをニードリングすることによって調製された比較例C7及びC8の取付けマットと比較して、引張特性の著しい改善を示した。
マットがまだ湿潤状態にある間にニードリングされた安定化多結晶無機繊維の湿式シートからなる実施例4-6の取付けマットは、1100℃で完全に焼成した後にニードリング作動させた多結晶繊維のシートをニードリングすることによって調製されかつ取付けマットをニードリングした後に1200℃で更に焼成動作に供した比較例C7及びC8の取付けマットと比較して、引張特性の著しい改善を示した。
したがって、第1の実施態様によれば、排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法は、複数のゾル-ゲル由来無機繊維を安定化する工程、前記安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維の層を湿潤形成する工程、及び湿潤層内の前記無機繊維の一部を物理的に絡み合わせる工程を含む。
第1の例示的実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、安定化する工程が、ゾル-ゲル由来繊維の少なくとも一部を水に充分に不溶にする温度でゾル-ゲル由来繊維を加熱する段階を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、更に、安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維の前記湿潤形成されかつ物理的に絡み合わされた層を乾燥する工程を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、前記加熱する段階が、ゾル-ゲル由来繊維を700℃以下の温度で加熱することを含む。
【0029】
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、前記加熱する段階が、ゾル-ゲル由来繊維を600℃以下の温度で加熱することを含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、前記物理的に絡み合わせる工程が、ゾル-ゲル由来無機繊維の前記層をニードリングする段階を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、前記物理的に絡み合わせる工程が、ゾル-ゲル由来無機繊維の前記層をハイドロエンタングリングする段階を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、ゾル-ゲル由来無機繊維のニードリングした層を焼成させる工程を更に含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、焼成させる工程が、約900から約1,500℃までの範囲にある温度で行われる。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維及び液体のスラリーを調製する工程、及び前記液体の少なくとも一部をスラリーから除去して、スラリーから安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式層を形成する工程を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、ゾル-ゲル由来繊維が約72〜約100質量パーセントのアルミナと約0〜約28質量パーセントのシリカの繊維化生成物を含む。
【0030】
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、ゾル-ゲル由来繊維が、高アルミナ繊維からなる。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、前記層が、前記ゾル-ゲル由来繊維と、セラミック繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる異なる無機繊維の混合物を含む。
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、セラミック繊維が含まれる場合には、約45〜約72質量パーセントのアルミナと約28〜約55質量パーセントのシリカの繊維化生成物からなるアルミノ-ケイ酸塩繊維を含み、又は生体溶解性繊維が含まれる場合には、約65〜約86質量パーセントのシリカと約14〜約35質量パーセントのマグネシアと約5質量パーセント以下の不純物、又は約70〜約86質量パーセントのシリカと約14〜約30質量パーセントのマグネシアと約5質量パーセント以下の不純物、又は約70〜約80質量パーセントのシリカと約18〜約27質量パーセントのマグネシアと0〜4質量パーセントの不純物の繊維化生成物からなるマグネシア-シリカ繊維を含み、又は生体溶解性繊維が、約45〜約90質量パーセントのシリカと0よりも多く約45質量パーセントまでのカルシアと0よりも多く約35質量パーセントのマグネシア、又は約60〜約70質量パーセントのシリカと約16から約35質量パーセントまでのカルシアと約4から約19質量パーセントまでのマグネシア、又は約61〜約67質量パーセントのシリカと約27から約33質量パーセントまでのカルシアと約2から約7質量パーセントまでのマグネシアの繊維化生成物からなるカルシア-マグネシア-シリカ繊維を含む。
【0031】
第1の実施態様又は続いての実施態様の排気ガス処理装置のための取付けマットの製造方法であって、取付けマットが、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張性グラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤性フッ素四ケイ素マイカ、アルカリ金属ケイ酸塩、又はこれらの混合物からなる群より選ばれる膨張性材料を更に含む。
第2の例示的実施態様によれば、安定化されかつ湿って絡み合ったゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層を含む取付けマットが提供される。
上記の第2の例示的実施態様の取付けマットであって、安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がニードリングされている。
上記の第2の例示的実施態様の取付けマットであって、安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がハイドロエンタングリングされている。
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示される実施態様の取付けマットであって、安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がニードリングされ、層が焼成されている。
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がハイドロエンタングリングされ、層が焼成されている。
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、ゾル-ゲル由来繊維が、約72〜約100質量パーセントのアルミナと約0〜約28質量パーセントのシリカの繊維化生成物からなる。
【0032】
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、ゾル-ゲル由来繊維が、高アルミナ繊維からなる。
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、前記層が、前記ゾル-ゲル由来繊維と、セラミック繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる異なる無機繊維の混合物からなる。
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、セラミック繊維が含まれる場合には、約45〜約72質量パーセントのアルミナと約28〜約55質量パーセントのシリカの繊維化生成物からなるアルミノ-ケイ酸塩繊維を含み、又は生体溶解性繊維が含まれる場合には、約65〜約86質量パーセントのシリカと約14〜約35質量パーセントのマグネシアと約5質量パーセント以下の不純物、又は約70〜約86質量パーセントのシリカと約14〜約30質量パーセントのマグネシアと約5質量パーセント以下の不純物、又は約70〜約80質量パーセントのシリカと約18〜約27質量パーセントのマグネシアと0〜4質量パーセントの不純物の繊維化生成物からなるマグネシア-シリカ繊維を含み、又は生体溶解性繊維が、約45〜約90質量パーセントのシリカと0よりも多く約45質量パーセントまでのカルシアと0よりも多く約35質量パーセントのマグネシア、又は約60〜約70質量パーセントのシリカと約16から約35質量パーセントまでのカルシアと約4から約19質量パーセントまでのマグネシア、又は約61〜約67質量パーセントのシリカと約27から約33質量パーセントまでのカルシアと約2から約7質量パーセントまでのマグネシアの繊維化生成物からなるカルシア-マグネシア-シリカ繊維を含む。
【0033】
上記の第2の例示的実施態様及び上記の続いて示された実施態様の取付けマットであって、取付けマットが、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張性グラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤性フッ素四ケイ素マイカ、アルカリ金属ケイ酸塩、又はこれらの混合物からなる群より選ばれる膨張性材料を更に含む。
これらのマットは、触媒コンバータ及びディーゼルパティキュレートトラップ産業に有利である。取付けマットは、ダイカットすることができ、弾性的な支持体として取扱いが容易な薄い外形で、かつ可撓性の形態で動作可能であり、必要であれば亀裂を生じることなく触媒支持構造体を完全に取り巻くことができる。あるいは、取付けマットは、触媒支持構造体の周囲全体又は少なくとも一部の周囲を一体的に巻くことができる。取付けマットは、また、部分的に巻くことができ、ガスのバイパスを防止するために、必要であればいくつかの従来のコンバータ装置において現在用いられているような端部シールを含むこともできる。
上記の取付けマットは、また、特に、オートバイ及び他の小形エンジン機械のための通常の自動車用触媒コンバータ、及び自動車用プレコンバータ、並びに高温スペーサ、ガスケット、更に次世代自動車用アンダーボディ用の触媒コンバータシステムのような様々な用途において有用である。一般に、これらは、室温で保持圧力を作用し、より重要なことには、熱サイクル中を含む、高温で保持圧力を維持する能力を示すマット又はガスケットを必要とする用途において使用し得る
【0034】
取付けマット材料は、排気ガス処理装置における端部コーン断熱体として用いることができる。ある実施態様によれば、排気ガス処理装置のための端部コーンが提供される。端部コーンは、一般的には、外側の金属コーン、内側の金属端部コーン、外側と内側の金属端部コーンの間のギャップ又は空間の中に配置される端部コーン断熱体を備えている。
他の実施態様によれば、端部コーンは、外側の金属コーン及び外側の金属コーンの内部表面に隣接して位置決めされるコーン断熱体の少なくとも一層を備えることができる。これらの実施態様によれば、端部コーンアセンブリは、内側の金属コーンを備えていない。むしろ、コーン断熱体は、装置に流れ込む高温ガスに耐性である自立性コーン構造体を与えるいくつかの方法で硬くされる。
少なくとも1つの端部コーンを含む排気ガス処理装置が提供される。排気ガス処理装置は、ハウジングと、ハウジング内に位置決めされる脆弱構造体と、排気管をハウジングに結合するための入口と出口の端部コーンアセンブリを備え、各端部コーンアセンブリが、内側の端部コーンハウジングと外側の端部コーンハウジングを備え; 端部コーン断熱が、熱処理された生体溶解性繊維と、必要により内側のコーンハウジングと外側コーンハウジンの間に位置決めされた膨張性材料を備えている。
上記取付けマットは、また、保護するように取り付ける必要のある脆弱ハニカム状構造体を含有するものを含む、排気又は排出煙突内に位置する化学工業において使われる触媒コンバータに使用し得る。
取付けマット及び排気ガス処理装置を様々な例示的実施態様に関連して記載してきたが、他の類似の実施態様を用いることもでき、本明細書に開示される同一の機能をそこから逸脱することなく行うために記載された実施態様に変更や追加をなし得ることも理解すべきである。種々の実施態様を組み合わせて所望の特徴を得ることができるので、上記の実施態様は必ずしも変形例ではない。それ故、取付けマット及び排気ガス処理装置は、単一の実施態様に限定すべきでなく、むしろ添付の特許請求の範囲の説明に従う幅及び領域において解釈されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法であって、
複数のゾル-ゲル由来無機繊維を安定化する工程、
前記安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維の層を湿潤形成する工程、 及び
前記無機繊維の一部を湿潤層内で物理的に絡み合わせる工程、
を含む、前記方法。
【請求項2】
安定化する工程が、ゾル-ゲル由来繊維の少なくとも一部を水に不溶にする充分な温度でゾル-ゲル由来繊維を加熱する段階を含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項3】
安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維の前記湿潤形成されかつ物理的に絡み合った層を乾燥する工程を更に含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項4】
前記加熱する段階が、ゾル-ゲル由来繊維を700℃以下の温度で加熱することを含む、請求項3に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項5】
前記加熱する段階が、ゾル-ゲル由来繊維を600℃以下の温度で加熱することを含む、請求項3に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項6】
前記物理的に絡み合わせる工程が、ゾル-ゲル由来無機繊維の前記層をニードリングする段階を含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項7】
前記物理的に絡み合わせる工程が、ゾル-ゲル由来無機繊維の前記層をハイドロエンタングリングする段階を含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項8】
ゾル-ゲル由来無機繊維のニードリングした層を焼成させる工程を更に含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項9】
焼成させる工程が、約900から約1,500℃までの範囲にある温度で行われる、請求項6に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項10】
安定化されたゾル-ゲル由来無機繊維と液体のスラリーを調製する工程、及びスラリーから前記液体の少なくとも一部を除去して、スラリーから安定化されたゾル-ゲル繊維の湿式層を形成する工程を含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項11】
ゾル-ゲル由来繊維が約72〜約100質量パーセントのアルミナと、約0〜約28質量パーセントのシリカとの繊維化生成物を含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項12】
ゾル-ゲル由来繊維が、高アルミナ繊維からなる、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項13】
前記層が、前記ゾル-ゲル由来繊維と、セラミック繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる異なる無機繊維との混合物からなる、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項14】
セラミック繊維が、約45〜約72質量パーセントのアルミナと約28〜約55質量パーセントのシリカの繊維化生成物からなるアルミノ-ケイ酸塩繊維を含む、請求項13に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項15】
生体溶解性繊維が、約65〜約86質量パーセントのシリカと約14〜約35質量パーセントのマグネシアと約5質量パーセント以下の不純物の繊維化生成物からなるマグネシア-シリカ繊維を含む、請求項13に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項16】
マグネシア-シリカ繊維が、約70〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約30質量パーセントのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物との繊維化生成物からなる、請求項15に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項17】
マグネシア-シリカ繊維が、約70〜約80質量パーセントのシリカと、約18〜約27質量パーセントのマグネシアと、0〜4質量パーセントとの不純物の繊維化生成物からなる、請求項16に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項18】
生体溶解性繊維が、約45〜約90質量パーセントのシリカと、0よりも多く約45質量パーセントまでのカルシアと、0よりも多く約35質量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物からなるカルシア-マグネシア-シリカ繊維を含む、請求項13に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項19】
カルシア-マグネシア-シリカ繊維が、約60〜約70質量パーセントのシリカと、約16から約35質量パーセントまでのカルシアと、約4から約19質量パーセントまでのマグネシアとの繊維化生成物からなる、請求項18に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項20】
カルシア-マグネシア-シリカ繊維が、約61〜約67質量パーセントのシリカと、約27から約33質量パーセントまでのカルシアと、約2から約7質量パーセントまでのマグネシアとの繊維化生成物からなる、請求項19に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項21】
取付けマットが、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張性グラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤性フッ素四ケイ素マイカ、アルカリ金属ケイ酸塩、又はこれらの混合物からなる群より選ばれる膨張性材料を更に含む、請求項1に記載の排気ガス処理装置のための取付けマットを製造する方法。
【請求項22】
安定化されかつ湿って絡み合ったゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層を含むことを特徴とする取付けマット。
【請求項23】
安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がニードリングされている、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項24】
安定化されたゾル-ゲル由来多結晶繊維の湿潤形成層がハイドロエンタングリングされている、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項25】
層が焼成されている、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項26】
ゾル-ゲル由来繊維が、約72〜約100質量パーセントのアルミナと、約0〜約28質量パーセントのシリカとの繊維化生成物からなる、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項27】
ゾル-ゲル由来繊維が、高アルミナ繊維からなる、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項28】
前記層が、前記ゾル-ゲル由来繊維と、セラミック繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる異なる無機繊維の混合物からなる、請求項22に記載の取付けマット。
【請求項29】
セラミック繊維が、約45〜約72質量パーセントのアルミナと、約28〜約55質量パーセントのシリカとの繊維化生成物からなるアルミノ-ケイ酸塩繊維を含む、請求項28に記載の取付けマット。
【請求項30】
生体溶解性繊維が、約65〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約35質量パーセントのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物との繊維化生成物からなるマグネシア-シリカ繊維を含む、請求項28に記載の取付けマット。
【請求項31】
生体溶解性繊維が、約45〜約90質量パーセントのシリカと、0よりも多く約45質量パーセントまでのカルシアと、0よりも多く約35質量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物からなるカルシア-マグネシア-シリカ繊維を含む、請求項28に記載の取付けマット。
【請求項32】
取付けマットが、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張性グラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤性フッ素四ケイ素マイカ、アルカリ金属ケイ酸塩、又はこれらの混合物からなる群より選ばれる膨張性材料を更に含む、請求項28に記載の取付けマット。
【請求項33】
ハウジング; ハウジング内に弾性的に取り付けられる脆弱構造体; 及びハウジングと脆弱構造体の間のギャップに配置された取付けマットであって、該取付けマットが、湿って横たわりかつ湿って絡み合ったゾル-ゲル多結晶由来繊維の少なくとも一層からなる、前記取付けマットを含むことを特徴とする排気ガス処理装置。
【請求項34】
前記取付けマットが、湿って横たわりかつ湿ってニードリングされたゾル-ゲル由来多結晶繊維の少なくとも一層からなる、請求項22に記載の排気ガス処理装置。
【請求項35】
排気ガス処理装置のための端部コーンであって、
外側の金属コーン;
内側の金属のコーン; 及び
前記外側の金属端部コーンと、内側の金属端部コーンとの間に配置されたコーン断熱体を備え、前記断熱体が、湿って横たわりかつ絡み合った無機ゾル-ゲル由来多結晶繊維の少なくとも一層からなることを特徴とする端部コーン。
【請求項36】
前記コーン断熱体が、湿って横たわりかつ湿ってニードリングされた無機ゾル-ゲル由来多結晶繊維の少なくとも一層からなる、前記端部コーン。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−514496(P2013−514496A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544756(P2012−544756)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060516
【国際公開番号】WO2011/084487
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(500421462)ユニフラックス ワン リミテッド ライアビリティ カンパニー (19)
【Fターム(参考)】