説明

排水浄化装置

【課題】 理容室、美容室等で使用された水による河川等の水質汚染を極力防止できると共に、水道水の使用量を大幅に減少させることができる排水浄化装置を提供する。
【解決手段】 排水浄化装置1を排水に混在した頭髪、体毛を捕捉する毛髪除去装置11と、排水に含有する化学物質を除去する水質改善装置21とから構成する。毛髪除去装置11は、周壁部及び底壁部に流通孔を多数形成した収集容器12内に不織布から成る袋状フィルター13を装着したものが好ましい。水質改善装置21は、外側容器22内に周壁部及び底壁部に流通孔を多数形成した内側容器23を設置し、その内側容器23内に袋状濾過膜24を装着し、その袋状濾過膜24内に化学物質を吸着する機能を有する吸着繊維体25を充填したものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理容室、美容室、ペットショップ、ペットホテル等で使用された水を浄化処理することによって、使用後の水を再度使用することができると共に、使用後の水による河川等の水質汚染を極力防止することができる排水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
理容室、美容室では、頭髪をカットし、頭髪にパーマをかけた後に、頭髪をシャンプー液、リンス液を用いて水で洗浄する。ペットショップ、ペットホテルでは、動物の体が酷く汚れた時、又、所定期間毎に、動物の体をシャンプー液を用いて水で洗浄する。
【0003】
このように、理容室、美容室、ペットショップ、ペットホテルでは、頭髪、動物の体を洗浄するのに大量の水を使用すると共に、シャワー装置から吐出させた水によって頭髪、動物の体を洗浄した後には、使用した水をそのまま排水配管に流入させ、下水道管へ流出させている。
【0004】
ここで、理容室、美容室、ペットショップ、ペットホテルで使用した後の水は、パーマ液、シャンプー液等の化学物質に汚染されていると共に、多量の頭髪、体毛が混在しているため、下水道管において異物が沈降したり、異臭が発生したりして、河川、湖沼、海洋等に流入すると、環境破壊の大きな原因になっている。
【0005】
又、理容室、美容室、ペットショップ、ペットホテルでは、頭髪、動物の体を洗浄するのに大量の水を使用するため、水道水の使用量も大量となり、そのコストは高額なものとなって、経費を大幅に増大させる要因になっている。
【0006】
一方、理容室、美容室において、洗髪や全身エステに使用する水を浄化すると共に、水質を改善することによって、頭皮や肌を効果的に活性化するようにした液体処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この液体処理装置は、水槽1内の水にミネラル液等を混合させると共に、配管3を流通させる過程で水に空気を混入させ、シャワー装置9から水を吐出させることによって、水の浄化及び液質改善を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−71472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、特許文献1に記載された液体処理装置は、洗髪や全身エステに使用する水を使用前に浄化するものであって、使用後に浄化するものではないから、使用後の水による河川等の水質汚染を防止して、環境破壊を防止することはできなかった。
【0010】
又、特許文献1に記載された液体処理装置は、洗髪や全身エステに使用した水をそのまま排水配管に流入させるものであって、使用後の水を再度使用するものではないから、水道水の使用量は大量であり、経費を削減させることはできなかった。
【0011】
ここで、使用後の水による河川等の水質汚染を防止して、環境破壊を防止すると共に、
使用後の水を再度使用できるようにして、水道水の使用量を減少させ、経費を削減させるためには、頭髪、動物の体を洗浄した後、排水配管に流出される頭髪、体毛、化学物質等を含んだ水を効果的かつ効率的に浄化する装置が必要であるが、従来、そのような排水浄化装置は開発されていない。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたものであって、理容室、美容室、ペットショップ、ペットホテル等で使用された水を効果的かつ効率的に浄化することができて、使用後の水による河川等の水質汚染を極力防止することができると共に、使用後の水を再度使用することができて、水道水の使用量を大幅に減少させ、経費を削減させることができる排水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の排水浄化装置は、排水に混在した頭髪、体毛を捕捉する毛髪除去装置と、排水に含有する化学物質を除去する水質改善装置と、から構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明の排水浄化装置によれば、使用後の水中に混在する毛髪を捕捉すると共に、使用後の水から有害な化学物質を除去することができるから、使用後の水による河川等の水質汚染を極力防止することができる。
【0015】
又、循環配管を配設すると共に、排出配管の途中に配設することによって、使用後の水を浄化した後、再度使用できるようになるから、水の効果的かつ効率的利用を図ることができ、理容室、美容室等における水使用量を大幅に削減することができる。
【0016】
前記毛髪除去装置は、周壁部及び底壁部には流通孔を多数形成した収集容器内に不織布から成る袋状フィルターを装着したものであることが好ましい。
【0017】
前記水質改善装置は、外側容器内に周壁部及び底壁部に流通孔を多数形成した内側容器を設置し、その内側容器内に袋状濾過膜を装着し、その袋状濾過膜内に化学物質を吸着する機能を有する吸着繊維体を充填したものであることが好ましい。
【0018】
さらに、前記袋状濾過膜は、限外濾過膜又は逆浸透膜を網状部材等と重ね合わさせて複層状とし、これを袋状に成形したものであることが好ましい。
【0019】
又、前記毛髪除去装置及び前記水質改善装置を排出配管に装着自在とすれば、それらの性能が低下した場合に、簡単に取り外して廃棄できると共に、新規のものに交換することができるから、保守作業が面倒でなく、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の排水浄化装置の一実施形態の構成図である。
【図2】本発明の排水浄化装置を設置した理美容室用水循環装置の一実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の排水浄化装置の好適な実施形態を、理美容室に設置された洗髪装置の排水配管に連結した場合について、図面を参照して説明する。
【0022】
本発明の排水浄化装置1は、図1に示すように、使用後の水に混在している頭髪、体毛を除去する毛髪除去装置11と、使用後の水を濾過して化学物質等を除去する水質改善装置21とから構成される。
【0023】
理美容室に設置された洗髪装置57は、通常、シャワー装置を設置してあり、ここで、頭髪をシャンプー液、リンス液を用いて水で洗浄したり、顔を剃った後のシェービングナイフ及びタオルを水で洗浄したりする。
【0024】
図1に示すように、洗髪装置57の底面中央部には排水孔57aを形成してあり、この排水孔57aには排水配管58を連結してあり、排水配管58内に直接に異物、頭髪等が流出しないように、複数の流出孔31aを形成した蓋体31を設置してある。
【0025】
排水浄化装置1は、図1に示すように、排水配管58を途中で切断して、上部排水配管58Aと下部排水配管58Bとに分離し、上部排水配管58Aと下部排水配管58Bとの間に設置される。
【0026】
毛髪除去装置11は、図1に示すように、洗髪装置57の蓋体31を取り外し、排水孔57aから上部排水配管58A内に挿入し、その後再度、蓋体31を取り付けることによって、上部排水配管58A内に設置される。
【0027】
毛髪除去装置11は、図1に示すように、円筒状の収集容器12内に袋状フィルター13を装着したものである。
【0028】
収集容器12は、アルミニウム、ステンレス等の腐食し難くい金属材料又はプラスチック材料を円筒状に成型したものであり、外径は上部排水配管58Aの内径と略同一とし、上端部は開口させ、周壁部及び底壁部には1〜10mmの流通孔を多数形成してある。
【0029】
袋状フィルター13は、綿、麻、パルプ等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の化学繊維から成る不織布を袋状に成形したものであり、その外径は前記収集容器12の内径と略同一として、収集容器12内に嵌挿できるようにしてある。
又、その周壁部及び底壁部からは、直径0.01〜0.05mmの繊維をも通過させないように成形してある。
【0030】
毛髪除去装置11によれば、洗髪装置57の蓋体31に形成された流出孔31aから排水孔57aを通過し、上部排水配管58A内に流出した排水は、収集容器12内に嵌挿された袋状フィルター13の内部に流入する。
【0031】
袋状フィルター13の内部に流入した排水は、袋状フィルター13の側壁部及び底壁部を通過することになるが、その際、直径が0.1mm程度の毛髪は袋状フィルター13を通過することができないから、排水に混在している毛髪は、袋状フィルター13の内部に捕捉され、残留することになる。
又、排水に固形状又は粉粒状の異物が混在していた場合には、それら異物をも捕捉されることになる。
【0032】
袋状フィルター13は、不織布の表面に適宜方法によってゼオライトを付着させたものであってもよい。
【0033】
このような構成によれば、ウィルス、細菌類の増殖を抑制したり、悪臭成分を除去したりする効果が期待できる。
【0034】
水質改善装置21は、図1に示すように、上部排水配管58Aの下端部及び下部排水配管58Bの一端部に連結部材を介して連結することによって、上部排水配管58Aと下部排水配管58Bとの間に設置される。
【0035】
水質改善装置21は、図1に示すように、円筒状の外側容器22内に円筒状の内側容器23を設置し、その内側容器23内に袋状濾過膜24を装着し、その袋状濾過膜24内に吸着繊維体25を充填したものである。
【0036】
外側容器22は、アルミニウム、ステンレス等の腐食し難くい金属材料又はプラスチック材料を円筒状に成型したものであり、上端部に流入口22aを、下端部に流出口22bを形成してある。
【0037】
内側容器23は、アルミニウム、ステンレス等の腐食し難くい金属材料又はプラスチック材料を円筒状に成型したものであり、上端部は開口させ、周壁部及び底壁部には1〜10mmの流通孔を多数形成してある。
【0038】
袋状濾過膜24は、限外濾過膜(UF膜)又は逆浸透膜(RO膜)を網状部材等と重ね合わさせて複層状とし、これを袋状に成形したものである。
限外濾過膜(UF膜)は概ね2〜200nmの微小孔を、逆浸透膜(RO膜)は概ね2nm以下の微小孔を形成したものであり、何れも、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール等の材料から成る。
【0039】
吸着繊維体25は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の化学繊維に不溶性のシクロデキストリン(環状オリゴ糖)を結合させたものである。
ここで、シクロデキストリンは、糖の分子が環状に繋がった構造を呈し、内部に空孔を有することから、化学物質をこの空孔に取り込み、包接する機能がある。よって、吸着繊維体25は、化学物質、特に、界面活性剤を吸着する機能を果たす。
【0040】
水質改善装置21によれば、毛髪除去装置11によって毛髪を除去された排水は、上部排水配管55Aから外側容器22に形成された流入口22aを通過し、内側容器23内に嵌挿された袋状濾過膜24の内部に流入する。
【0041】
袋状濾過膜24の内部に流入した排水は、充填された吸着繊維体25間を流通し、袋状濾過膜24の側壁部及び底壁部を通過して、外側容器22内に流出することになる。
【0042】
ここで、吸着繊維体25間を流通する間に、化学物質、特に、界面活性剤は吸着繊維体25に吸着されて、内側容器23内に残留する。
又、排水に含有している細菌、ウィルス、金属イオン、塩素化合物等の不純物は袋状濾過膜24を通過することができず、内側容器23内に残留する。
【0043】
そして、界面活性剤、不純物等が除去された浄化された水が外側容器22内に流出し、さらに、外側容器22に形成された流出口22bを通過し、下部排水配管58Bへと流出する。
【0044】
本実施例においては、吸着繊維体25を使用したが、これに代えて、吸着粒状体を使用してもよい。
【0045】
又、内側容器23内に粒状の活性炭を混在させたり、吸着繊維体25に粉状の活性炭を練り込むようにすれば、さらに、浄化作用、脱臭作用を向上させることができる。
【0046】
毛髪除去装置11において、袋状フィルター13内に毛髪が多量に蓄積され、性能が低下した場合には、装着時と逆の手順で、袋状フィルター13を装着した収集容器12を取り出して、袋状フィルター13ごと収集容器12を廃棄すればよい。
そして、新規な袋状フィルター13を装着した収集容器12に交換して、上記装着手順で装着すればよい。
【0047】
水質改善装置21において、界面活性剤、不純物等の除去性能が低下した場合には、装着時と逆の手順で、上部排水配管58Aの下端部及び下部排水配管58Bの一端部との連結を解除して、水質改善装置21を取り出して、袋状濾過膜24、吸着繊維体25ごと内側容器23を廃棄すればよい。
そして、新規な袋状濾過膜24、吸着繊維体25を装着した内側容器23に交換して、上記装着手順で水質改善装置21を連結すればよい。
【0048】
本実施例においては、水質改善装置21を連結部材によって上部排水配管58Aの下端部及び下部排水配管58Bの一端部に連結し、設置するようにしたが、外側容器22の側壁部に窓部を形成し、この窓部に扉体を開閉自在に設けて、内側容器23をこの窓部から着脱自在にできるようにしてもよい。
【0049】
次に、本発明の排水浄化装置を、理美容室用水循環装置に適用した場合について、図面を参照して説明する。
【0050】
本実施例における理美容室用水循環装置51は、図2に示すように、上水配管52、給水制御装置53、供給配管54、供給ポンプ55、加熱装置56、洗髪装置57、排出配管58、排水浄化装置1、切換バルブ59、循環配管60、廃棄配管61、循環ポンプ62から構成される。
【0051】
上水配管52は、一端部を給水口を介して上水道管に連結すると共に、他端部を給水制御装置53の貯水槽71内に突出させてあり、上水道管から貯水槽71内に水を供給できるようになっている。
【0052】
給水制御装置53は、貯水槽71、球状の浮遊体72a及び杆状の支持体72bから成る給水制御機構72から構成され、貯水槽71には、上水配管52、供給配管54、循環配管60を連結してある。
そして、貯水槽71内の水位が所定高さ以下になると、球状の浮遊体72aが下降し、給水制御機構72が作動して、上水配管2から貯水槽13内に新鮮な水が供給されるようになっている。
【0053】
給水制御装置53から供給配管54に流出した水は、供給ポンプ55によって加熱装置56に供給される。
この加熱装置56は、洗髪を快適に行うために、水を加温するものである。
【0054】
加熱装置56から供給配管54に流出した加温された水は、さらに、供給ポンプ55によって洗髪装置57に供給される。
【0055】
洗髪装置57は、上述のように、通常、シャワー装置を設置してあり、ここで、頭髪をシャンプー液、リンス液を用いて水で洗浄したり、顔を剃った後のシェービングナイフ及びタオルを水で洗浄したりする。
尚、図2においては、2基の洗髪装置57,57を配設してあるが、理容室又は美容室の規模によって、1基又は3基以上の洗髪装置57が配設される。
【0056】
排出配管58は、使用後の水を洗髪装置57から排出するものであるが、本発明の排水浄化装置1を設置する場合には、上述のように、排出配管58を途中で切断して、上部排出配管58Aと下部排出配管58Bとに分離される。
【0057】
排水浄化装置1は、図1及び図2に示すように、上部排出配管58Aと下部排出配管58Bとの間に設置され、使用後の水に混在している多量の頭髪を捕捉すると共に、パーマ液、シャンプー液等の成分である化学物質を除去することによって、使用後の水を浄化させることができる。
【0058】
排水浄化装置1によって浄化された水は、切換バルブ59を通過して、循環配管60又は廃棄配管61へと流通していく。
【0059】
切換バルブ59を切換えて、浄化された水を循環配管60へと流通させた場合には、循環ポンプ62によって、確実に水を給水制御装置53まで送給できるようになっている。
そして、浄化した水を供給配管54へと送給し、洗髪装置57に供給して、水を再使用できるようになっている。
【0060】
一方、切換バルブ59を切換えて、浄化された水を廃棄配管61へと流通させた場合には、浄化された水を廃棄配管61を流通させて、下水道管に流出して、廃棄することができるようになっている。
【0061】
理美容室用水循環装置51は、以上のような構成であって、以下のような作用、効果を奏する。
【0062】
先ず、上水道管から給水口を介して上水配管52を流通してきた水は、給水制御装置53に導入され、さらに、供給配管54へと流入していく。そして、加熱装置56において加温された後、洗髪装置57,57へと供給されていく。
【0063】
そして、洗髪装置57において、シャワー装置等から吐出され、洗髪等に使用された水は、排水浄化装置1へと流入していく。
排水浄化装置1において、使用後の水から有害な化学物質が除去されると共に、混在する毛髪が捕捉され、排出配管58には浄化された水が流出する。
【0064】
水を循環して再使用する場合、排出配管58と循環配管60との間に配設された切換バルブ59を切換えて、循環配管60に浄化された水が流入するようにする。
【0065】
浄化された水は、さらに循環配管60を流通して給水制御装置53に流入し、以後、供給配管54を流通していき、加熱装置56を通過して洗髪装置57,57へと供給されていく。
これにより、洗髪等に使用され、浄化された水は、洗髪装置57,57へと供給され、再度使用されることになる。
【0066】
しかし、水を長期間に渡って循環して使用すると、水中の微生物、配管内面の錆等によって、汚濁したり、腐敗したりしてくるのは避けられない。
そのため、所定期間毎に、排出配管58と循環配管60との間に配設された切換バルブ59を切換えて、廃棄配管61に浄化された水が流入するようにする。
【0067】
以上のように、理美容室用水循環装置51によれば、排出配管58の途中に排水浄化装置1を配設することによって、使用後の水から有害な化学物質を除去すると共に、水中に混在する毛髪を捕捉するようにしたから、使用後の水を浄化した後に廃棄配管61に排出させることができ、使用後の水による河川等の水質汚染を極力防止することができる。
【0068】
又、洗髪装置57と供給配管54とを連結する循環配管60を配設すると共に、排出配管58の途中に排水浄化装置1を配設して、使用後の水を浄化し、再度使用できるようにしたから、水の効果的かつ効率的利用を図ることができ、理容室及び美容室における水使用量を大幅に削減することができる。
【0069】
以上のように、本発明の排水浄化装置は、頭髪を捕捉する毛髪除去装置と、化学物質を除去する水質改善装置と、から構成したから、使用後の水中に混在する毛髪を捕捉すると共に、使用後の水から有害な化学物質を除去することができ、使用後の水による河川等の水質汚染を極力防止することができる。
【0070】
又、本発明の排水浄化装置は、洗髪装置と供給配管とを連結する循環配管を配設すると共に、排出配管の途中に配設することによって、使用後の水を浄化し、再度使用できるようになるから、水の効果的かつ効率的利用を図ることができ、理容室及び美容室における水使用量を大幅に削減することができる。
【0071】
尚、上記においては、本発明の排水浄化装置を理容室、美容室において使用する場合について説明したが、ペットショップ、ペットホテルで使用する場合にも同様の効果が期待できること、勿論である。
【符号の説明】
【0072】
1 排水浄化装置
11 毛髪除去装置
12 収集容器
13 袋状フィルター
21 水質改善装置
22 外側容器
23 内側容器
24 袋状濾過膜
25 吸着繊維体
58 排出配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水に混在した頭髪、体毛を捕捉する毛髪除去装置と、排水に含有する化学物質を除去する水質改善装置と、から構成したことを特徴とする排水浄化装置。
【請求項2】
前記毛髪除去装置は、周壁部及び底壁部に流通孔を多数形成した収集容器内に不織布から成る袋状フィルターを装着したものであることを特徴とする請求項1に記載の排水浄化装置。
【請求項3】
前記水質改善装置は、外側容器内に周壁部及び底壁部に流通孔を多数形成した内側容器を設置し、その内側容器内に袋状濾過膜を装着し、その袋状濾過膜内に化学物質を吸着する機能を有する吸着繊維体を充填したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排水浄化装置。
【請求項4】
前記袋状濾過膜は、限外濾過膜又は逆浸透膜を重ね合わさせて複層状とし、これを袋状に成形したものであることを特徴とする請求項3に記載の排水浄化装置。
【請求項5】
前記毛髪除去装置及び前記水質改善装置は、排出配管に装着自在としたものであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の排水浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−20068(P2011−20068A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168325(P2009−168325)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(508376258)株式会社 S・B Consulting (2)
【Fターム(参考)】