説明

排水管継手及びこれを用いた排水管構造

【課題】排水配管設備の施工性を向上させる。
【解決手段】複数の排水器具1〜5から延びる各排水枝管11〜15から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管16へ流出させる排水管継手20において、排水本管16に通じる流出口を一端に有するとともに排水枝管12〜15と接続可能な複数の枝管接続部24を周壁に有した筒状の継手本体22を設け、前記枝管接続部24を、継手本体22の側面と上面とにそれぞれ1個以上設ける。また、前記枝管接続部24を、自在継手44やエルボ(屈曲継手)48を介して枝管接続部12〜15と接続されるように構成してもよい。また、前記継手本体22の上面部を、排水本管16の直径と略同一かそれ以上の幅を有する平坦面に形成してもよい。さらには、継手本体22と排水本管16の間に四方継手(接続継手)28を介在させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等における複数の排水器具(例えばトイレや風呂等)から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手及びこれを用いた排水管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
前記のような排水管継手としては、例えば、下記特許文献1に記載のものが公知である。この特許文献1記載の排水管継手(排水桝)は、その下流側にある排水本管よりも大きい断面を有する(特に断面の高さが排水本管よりも大きい)筒状の継手本体(桝本体)と、この継手本体に前記各排水枝管を接続するために前記継手本体の側面に設けられた枝管接続部(枝管流入口)と、前記継手本体の上面に設けられた点検・清掃用の掃除口とから構成されたものである。
【特許文献1】特開2002−276018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、前記排水管継手は、通常、住宅等の建物の床下に設置される。そして、このような床下の限られたスペースに設置された排水管継手に、前記複数の排水器具から延びる各排水枝管が集中的に接続されることから、当該排水管継手は、配管施工性に優れたものであることが望まれる。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1記載の排水管継手では、各排水枝管を接続するための枝管接続部が継手本体の側面のみに設けられているため、例えば排水管継手の側方に障害物があるような場合には、排水枝管を排水管継手へ接続することが困難になるおそれがあった。
【0005】
また、前記特許文献1記載の排水管継手では、各排水枝管と枝管接続部との接続を、両者の軸心が一致する状態でしか行うことができないため、配管施工上不便な場合があった。
【0006】
さらにまた、前記特許文献1記載の排水管継手では、継手本体の断面の高さが前記排水本管のそれよりも大幅に大きいため、特に床下スペースの狭い低床化住宅においては、排水管継手の設置が困難になるおそれもあった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、排水配管設備の施工性向上に貢献することのできる排水管継手及びこれを用いた排水管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するためのものとして、第1の発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、前記枝管接続部は、前記継手本体の側面と上面とにそれぞれ1個以上設けられていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
この第1の発明の排水管継手によれば、複数の排水器具から延びる各排水枝管を接続するための枝管接続部が、継手本体の側面だけでなく上面にも設けられていることにより、排水枝管を継手本体の側方からも上方からも接続することができるため、枝管接続部が継手本体の側面のみに設けられていた従来の排水管継手と異なり、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0010】
また、第2の発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、前記枝管接続部は、自在継手を介して前記排水枝管と接続されるようになっており、当該自在継手は、前記排水枝管がその接続端を起点に傾倒することを許容するように構成されていることを特徴とするものである(請求項2)。
【0011】
この第2の発明の排水管継手によれば、複数の排水器具から延びる各排水枝管と、継手本体に設けられた枝管接続部とが、自在継手を介して接続されており、当該自在継手が、排水枝管の傾倒を許容するように構成されているため、排水枝管と枝管接続部との接続角度(排水枝管の軸心と枝管接続部の軸心とがなす角度)を所定範囲内で変更・調整することができるため、排水枝管の接続作業を容易化することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0012】
この場合、前記自在継手は、前記排水枝管の傾倒を同一平面上でのみ許容するように構成されていてもよい(請求項3)。
【0013】
このような自在継手を用いれば、配管設計上好ましくない方向に排水枝管が傾倒することを規制することができる。例えば、当該自在継手を、継手本体の側面に設けられた枝管接続部と排水枝管との接続用に使用するとともに、当該排水枝管の傾倒を水平面上でのみ許容するように構成すれば、排水枝管が上流側に向かって下方に落ち込むように傾倒することを規制することができるため、排水の逆流を効果的に防止することができる。
【0014】
また、第3の発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、前記枝管接続部は、所定角度に屈曲した屈曲継手を介して前記排水枝管と接続されるようになっており、当該屈曲継手は、前記枝管接続部側の接続口の軸心を中心に回転可能に構成されていることを特徴とするものである(請求項4)。
【0015】
この第3の発明の排水管継手によれば、複数の排水器具から延びる各排水枝管と、継手本体に設けられた枝管接続部とが、所定角度に屈曲した屈曲継手を介して接続されており、当該屈曲継手が、前記枝管接続部側の接続口の軸心を中心に回転可能に構成されていることにより、屈曲継手の排水枝管側の接続口の位置を、枝管接続部の軸心を中心とした円周上に沿って変位させることができため、枝管接続部の軸心から放射状に延びる適宜の方向から排水枝管を接続することができる。この結果、排水枝管の接続作業を容易化することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0016】
また、第4の発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、当該継手本体は、その上面部が前記排水本管の直径と略同一かそれ以上の幅を有する平坦面に形成されていることを特徴とするものである(請求項5)。
【0017】
この第4の発明の排水管継手によれば、複数の排水器具から延びる各排水枝管と接続される継手本体の上面部を、下流側の排水本管の直径と略同一かそれ以上の幅を有する平坦面に形成したことにより、継手本体の断面積を排水本管の断面積よりも大きくすることができるとともに継手本体内の上部に空気の通路を形成し易くできるため、継手本体が満水状態になることに起因した排水の逆流(継手本体から排水枝管側へ排水が逆流すること)を防止することができるとともに、継手本体内の通気層が消滅することに起因したサイフォン現象によって排水器具に設けられたトラップの封水が破れられること(排水器具に設けられたトラップ内に満たされた水が下流側に流れ出ること)を防止することができる。しかも、継手本体の上面部を排水本管の直径と略同一かそれ以上の幅を有する平坦面に形成することによって継手本体の断面積を大きくするようにしたため、継手本体の断面の高さを従来の排水管継手のように大幅に大きくしなくても、前記のような継手本体の断面積の拡大や通気路の確保を図ることができる。そして、このように継手本体の断面の高さを抑制することにより、床下部分における排水管継手の占有スペースを低減することができるため、特に低床化住宅において排水管継手の設置が困難になることを回避することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0018】
前記第4の発明において、前記継手本体の断面形状は、下側半分が前記排水本管と略同一半径の半円形に、上側半分がこの半円形と連続する略矩形に形成されていることが好ましい(請求項6)。
【0019】
この構成によれば、継手本体の上側半分の断面形状が矩形に形成されているとともに下側半分の断面形状が半円形に形成されていることにより、継手本体の断面積を排水本管の断面積よりも大きくできるだけでなく、継手本体内に溜まった排水を、下側の円形断面部分に沿って下流側に円滑に流出させることができる。
【0020】
この場合、前記継手本体の上側半分を構成する矩形断面部分は、前記排水本管の直径と略同一寸法の幅を有するとともに、前記排水本管の半径と略同一寸法の高さを有することが好ましい(請求項7)。
【0021】
これにより、継手本体の断面の高さを排水本管の直径と略同一寸法にできるだけでなく、継手本体の幅についても排水本管の直径と略同一寸法にすることができるため、排水管継手の断面の大きさを従来に比べて大幅にコンパクトにすることができ、排水配管設備の施工性をより向上させることができる。
【0022】
前記継手本体の上側半分の断面形状が前記のように略矩形に形成されている場合、前記枝管接続部は、当該矩形断面部分の上面及び側面に容易に設けることができる。(請求項8)。
【0023】
また、第5の発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体と、この継手本体と前記排水本管の間に介在する接続継手とを備え、当該接続継手は、前記継手本体と接続可能な接続口を2つ以上有することを特徴とするものである(請求項9)。
【0024】
この第5の発明の排水管継手によれば、継手本体と排水本管とが、継手本体とは別体の接続継手を介して接続されており、この接続継手が、前記継手本体と接続可能な接続口を2つ以上有することにより、排水管継手が設置される現場の状況に応じて、継手本体の接続箇所(接続方向)を変更したり、複数の継手本体を設置したりすることができるため、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0025】
また、本発明は、複数の排水器具から延びる各排水枝管が排水管継手に接続され、さらにこの排水管継手の下流側に排水本管が接続されてなる排水管構造であって、前記排水管継手として前記第1〜第5の発明にかかる排水管継手が使用されていることを特徴とするものである(請求項10)。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明の排水管継手及びこれを用いた排水管構造によれば、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本実施形態の排水管継手20を採用した排水配管設備を示す図である。本図に示すように、排水管継手20は、住宅等の建物の床下に打設された外周基礎10の内側に設置されている。この排水管継手20には、建物内に設置されたトイレ1、風呂2、洗濯機3、台所4、洗面所5からなる排水器具から延びる(一旦床下に降りてから水平方向に延びる)排水枝管11〜15がそれぞれ接続され、これら排水枝管11〜15を通じて、前記各排水器具で生じた排水が排水管継手20に集まるようになっている。そして、この排水管継手20の下流側(図1上では下側)には、排水本管16が接続されており、この排水本管16は、外周基礎10に設けられた貫通孔を通じて外側まで延び、さらに地中を通って公共の下水道本管(図示省略)に通じている。これにより、前記排水管継手20に集まった排水は、最終的に公共の下水道本管まで流出するようになっている。なお、本明細書では以後、トイレ1、風呂2、洗濯機3、台所4、洗面所5のうちの一部又は全部をまとめて指すときは、排水器具1〜5等と呼ぶものとする。
【0029】
ここで、例えば一般家庭用の排水配管設備においては、トイレ1以外の排水器具2〜5用の排水枝管12〜15として小径(例えば50mm)の配管が一律に用いられ、トイレ1用の排水枝管11にのみ、前記排水枝管12〜15よりも大径(例えば75mm)の配管が用いられるのが通常である。このようにトイレ1用の排水枝管11にのみ大径の配管が用いられるのは、トイレ1においては大量の排水を瞬時に排出させる必要があるからである。このような理由から、本実施形態においても、トイレ1以外の排水器具2〜5用の排水枝管12〜15として小径の配管を一律に用い、トイレ1用の排水枝管11として前記排水枝管12〜15よりも大径の配管を用いるものとする。また、トイレ1用の排水枝管11の口径は、排水本管16との比較においては、排水本管16の口径より小さいか、排水本管16の口径と同一であるのが通常である。なお本実施形態では、トイレ1用の排水枝管11として、排水本管16よりも小径の配管を用いるものとするが、排水本管16と同径の配管を用いることも当然に可能である。各排水器具1〜5用の排水枝管11〜15には、合成樹脂管(直管)やフレキシブル管、継手等が必要に応じて用いられる。
【0030】
前記排水管継手20の全体構成を図2に示す。図2(a)は排水管継手20の分解斜視図、同図(b)は組付け状態における側面図である。これら図2(a)(b)及び先の図1に示すように、前記排水管継手20は、筒状の継手本体22と、前後左右の四方にそれぞれ接続口を有する四方継手28とを備えている。そして、このうちの継手本体22に、トイレ1以外の排水器具2〜5用の排水枝管12〜15が接続される一方で、四方継手28に、トイレ1用の排水枝管11が接続されている。
【0031】
前記継手本体22の横断面図を図3に示す。図3は、図2(b)におけるI−I断面を示している。本図に示すように、この継手本体22の断面形状は、下側半分が前記排水本管16の半径(r)と同一半径の半円形に、上側半分がこの下側半分の半円形と連続する矩形に形成されている(なお、本明細書では以後、この継手本体22の断面形状のような、半円形と矩形とを組み合わせた形状のことを「馬蹄形」と呼ぶことがある)。そして、このうち上側半分の矩形断面部分は、幅が前記排水本管16の直径(2r)と同一寸法に、高さが前記排水本管16の半径(r)と同一寸法に設定されている。すなわち、継手本体22の断面は、その幅と高さの両方が、前記排水本管16の直径(2r)と同一寸法になるように形成されている。
【0032】
前記継手本体22は、このような馬蹄形断面を有した筒状の部材であって、図1及び図2に示すように、その上流側の開口端22aが蓋部材36によって閉塞されるとともに、下流側の開口端22bがソケット30を介して前記四方継手28に接続されている。このうち継手本体22の上流側端部を閉塞する蓋部材36は、一端が開口して他端が閉塞された容器状の部材であり、継手本体22よりも一回り大きい馬蹄形に形成されており、その内周面が前記継手本体22における上流側の開口端22aの外周面と密接するようになっている。この蓋部材36は、その内周面が前記継手本体22に接着されることにより、継手本体22に固定される。一方、前記継手本体22と四方継手28とを接続するソケット30は、前記継手本体22における下流側の開口端22bの外周と密接し得る内周面を有した筒状の部材であり、前記蓋部材36と同様にその内周面が継手本体22に接着されることによって継手本体22に固定される。ここで、四方継手28の開口端28aの形状は、後述するように継手本体22の開口端22bと同一形状に形成されているため、これら両部材の開口端28a,22bに接続されるソケット30は、両端に同一形状の開口端を有した筒状に形成されている。また、ソケット30の内周面には段差部30aが突設されている。この段差部30aは、前記継手本体22及び四方継手28の接続位置の位置決めを行うためのものであり、前記継手本体22と四方継手28との接続時には、継手本体22の開口端22bと前記四方継手28の開口端28aとが、それぞれこの段差部30aに当接するようになっている。
【0033】
前記継手本体22の周壁には、図1及び図2に示すように、トイレ1以外の排水器具2〜5用の排水枝管12〜15(図1)に接続される複数の枝管接続部24が突設されている。
【0034】
この枝管接続部24は、前記継手本体22の側面に4箇所、上面に2箇所設けられている。図1の例では、風呂2、台所4、洗面所5用の3本の排水枝管12,14,15が、継手本体22の側面に設けられた4箇所の枝管接続部24のうちの3箇所に接続され、洗濯機3用の排水枝管13が、継手本体22の上面に設けられた2箇所の枝管接続部24のうちの1箇所に接続されているが、これら各排水枝管12〜15の接続位置は、排水器具2〜5の建物内での設置場所等に応じて適宜設定すべきものであることは言うまでもない。また、これら排水枝管12〜15と接続される枝管接続部24以外の、使用されない枝管接続部24(図例では、継手本体22の上面部の1箇所と、側面部の1箇所)には、図2に示すように、開口部を密閉するための止水蓋46が袋ナット40によって固定されている。なお、本実施形態では、前記継手本体22の側面及び上面における合計6箇所に設けられた枝管接続部24の形状が全て同一(同一口径の配管に接続可能)であるものとするが、必要に応じ、これら枝管接続部24の形状を設置箇所によって異なるように形成してもよい。
【0035】
前記複数の枝管接続部24のうち、継手本体22の側面に設けられるものの設置箇所は、図2(b)におけるII−II断面を表した図4に示すように、枝管接続部24の内底面が継手本体22の中心線付近よりも上方に位置するように設定されている。一方で、前記排水本管16の口径が、一般に、排水器具から想定量の排水が流れ込んできた場合にその排水の水位を排水本管16の中心線以下の高さに収めることができるような寸法に設定されることから、継手本体22においても、通常時は、その内部に溜まった排水の水位が継手本体22の中心線を超ないようになっている。従って、通常時において継手本体22内に溜まった排水の水位は、継手本体22の側面において前記のような高さ位置に設置された枝管接続部24の内底面を超えることはない。このように、枝管接続部24の内底面の位置を継手本体22の中心線付近よりも上方に設定すれば、排水が枝管接続部24を通って排水器具側に逆流することを防止することができる。なお、このような排水の逆流は、例えば排水枝管11〜15を上流側に向かって上方に傾斜する状態で接続することによっても防止することができる。このように他の逆流防止手段が講じられている場合は、継手本体22の側面に設けられた枝管接続部24の設置箇所を本実施形態よりも下方に設定してもよい。
【0036】
次に、前記止水蓋46の固定構造について説明する。止水蓋46は、図4に示すように、枝管接続部24の内径と略同一の外径を有して枝管接続部24に挿入される中実の部材であり、その一端部に、径方向外側に突出したツバ部46aを有している。一方、袋ナット40は、枝管接続部24の外周のネジ面に嵌合する雌ネジ部を内周面に有するとともに、内側に突出する折返し部40aを頭部に有している。このため、袋ナット40が枝管接続部24に嵌合すると、この袋ナット40の折返し部40aと前記枝管接続部24の端面との間で前記止水蓋46のツバ部46aが挟み込まれる形となる。止水蓋46は、かかる挟み込みにより、枝管接続部24に安定して固定されるようになっている。また、枝管接続部24にはその内周面に設けられた凹溝に収容される形でOリング25が装着されており、当該Oリング25により、止水蓋46の外周面と枝管接続部24の内周面との隙間がシールされるようになっている。
【0037】
この止水蓋46は、袋ナット40を緩めれば枝管接続部24から取り外すことができる。このように止水蓋46が取り外されると、枝管接続部24が開口し、その開口部を通じて排水管継手20の内部を点検・清掃することが可能となる。すなわち、枝管接続部24にこのような着脱自在な止水蓋46が装着されていることにより、枝管接続部24を掃除口として兼用することができるようになっている。しかも、本実施形態では、枝管接続部24が全て同一形状に形成されているため、前記排水枝管12〜15を現場の状況に応じて最適な箇所に接続することができるとともに、残りの枝管接続部24に同一の止水蓋46を装着して当該枝管接続部24を掃除口として使用することができるという利点もある。なお、この袋ナット40は、手で締めたり緩めたりするものであるため、袋ナット40の外周面には、図3に示すように、滑り止め用の突起40bが形成されている。
【0038】
次に、前記継手本体22の枝管接続部24と排水枝管12〜15との接続構造について説明する。前記排水枝管12〜15のうち、例えば洗面所5用の排水枝管15は、図1に示すように(一部は図2にも示すように)、袋ナット40によって枝管接続部24に固定されるスリーブ42と、このスリーブ42に接続される自在継手44とを介して、継手本体22の側面に設けられた枝管接続部24に接続されている。なお図2では、スリーブ42より先の部分は省略して示している。同様に、継手本体22の側面に接続されるその他の排水枝管12,14も、自在継手44等を介して枝管接続部24に接続されている。一方、継手本体22の上面に接続される排水枝管13は、エルボ48等を介して枝管接続部24に接続されている。
【0039】
前記スリーブ42は、図4に示すように、枝管接続部24の内径と略同一の外径を有して枝管接続部24に挿入される筒状の部材であり、その外周部の軸方向中央部付近に、径方向外側に突出したツバ部42aを有している。スリーブ42は、このツバ部42aが前記袋ナット40の折返し部40aと枝管接続部24の端面との間で挟み込まれることにより、枝管接続部24に安定して固定されるようになっている。また、枝管接続部24の内周面には、前記止水蓋46の場合と同様に、シール用のOリング25が装着されている。
【0040】
そして、このようにして枝管接続部24に固定されたスリーブ42に、前記自在継手44やエルボ48(図1)が接続され、さらにこの自在継手44やエルボ48に、前記排水枝管12〜15が接続されるようになっている。
【0041】
まず、このうちの自在継手44を用いた接続構造について、図5を用いて説明する。なお図5では、洗面所5用の排水枝管15を自在継手44に接続する構造について説明するが、継手本体22の側面に接続される他の排水枝管12,14についても同様である。
【0042】
図5(a)は、自在継手44及びこの前後に接続される部材を垂直方向に切断した縦断面図である。本図に示すように、自在継手44は、先端部に断面視円弧状の膨出部50aを有する筒状のケース体50と、このケース体50の膨出部50aの内周面に沿って摺動可能な球状の外周面を有しかつ前記排水枝管15の外周面に密接し得る内周面を有して前記膨出部50aの内部に収容・保持される球状リング52とから構成されている。この自在継手44は、前記枝管接続部24に固定されたスリーブ42の先端部の外周面に前記ケース体50の後端部の内周面が接着され、前記排水枝管15の後端部の外周面に前記球状リング52の内周面が接着されることにより、前記スリーブ42と排水枝管15とを連結するように構成されている。また、前記球状リング52には、その外周面に設けられた凹溝に収容される形でOリング54が装着されており、当該Oリング54により、球状リング54の外周面と膨出部50aの内周面との隙間がシールされるようになっている。なお、このような構造の自在継手44の製造時において、前記球状リング52を前記ケース体50の膨出部50aの内部に挿入する作業は、例えば、熱可塑性樹脂製のケース体50を成形してそのケース体50が完全に硬化する前に球状リング52を挿入し、その後に型締め等によって絞り部50bを形成すれば、容易に行うことができる。
【0043】
前記膨出部50aのさらに先端側には、絞り部50bが形成されている。図5(b)は、この絞り部50bの横断面図であり、図5(a)におけるIII−III断面を示す図である。この図5(b)に示すように、絞り部50bは、上下部が平面状に形成されるとともに左右部が円弧状に形成された小判型の断面形状を有しており、上下に形成された平坦面どうしの距離(高さ寸法)が、左右の円弧部分どうしの距離(幅寸法)よりも小さくなるように形成されている。これにより、前記排水枝管15は、絞り部50bの上下の平坦面と接触して(絞り部50bの上下の平坦面との間には隙間を形成することなく)かつ絞り部50bの左右の円弧部分との間にはある程度の隙間を形成する状態で、自在継手44に接続されている。
【0044】
前記排水枝管15は、このような構造を有する自在継手44に接続されることにより、その接続端を起点として水平方向にのみ傾倒可能に構成されている。この排水枝管15の傾倒動作を図5(c)(d)を用いて説明する。図5(c)は、前記自在継手44と排水枝管15との接続部を水平方向に切断した縦断面図であり、図5(b)におけるIV−IV断面を示す図である。この図5(c)では、当該接続部を垂直方向に切断した先の図5(a)とは異なり、ケース体50の絞り部50bと排水枝管15との間に隙間が形成されているのが分かる。
【0045】
前記排水枝管15が当該隙間の分だけ水平方向に傾倒させた状態を図5(d)に示す。この図5(d)及び先の図5(c)に示すように、排水枝管15は、その接続端を保持する前記球状リング52がその外周面を前記膨出部50aの内周面に沿って摺動させながらその姿勢を変位させるのに伴って傾倒するようになっており、排水枝管15の軸心が前記ケース体50の軸心と平行になる正規姿勢(図5(c))と、排水枝管15の軸心が前記ケース体50の軸心に対し水平方向に傾倒する傾倒姿勢(図5(d))との間で変位可能に構成されている。このとき、ケース体50の絞り部50bの上下に形成された平坦面が、前記したように排水枝管15の外周と接触しているため、排水枝管15は、垂直方向へは傾倒することができないようになっている。
【0046】
次に、前記エルボ48(図1)を用いた接続構造について説明する。エルボ48は、前記したように、洗濯機3用の排水枝管13を継手本体22の上面に接続するために用いられている。当該接続部分の縦断面図を図6に示す。本図に示すように、エルボ48は、90度の角度に屈曲した継手であり、枝管接続部24に固定されたスリーブ42の先端部の外周面にエルボ48の後端部の内周面が接着され、前記排水枝管13の後端部の外周面にエルボ48の先端部の内周面が接着されることにより、前記スリーブ42と枝管接続部24とを連結するように構成されている。
【0047】
ここで、前記スリーブ42は、袋ナット40によって固定されているため、この袋ナット40を緩めれば、スリーブ42をその軸心を中心に回転させることが可能であり、このスリーブ42の回転に伴って、これに接着されたエルボ48も回転させることが可能である。従って、このようなエルボ48を用いた接続構造によれば、エルボ48の排水枝管13側の接続口の位置を、図示の矢印に示すように、枝管接続部24の軸心を中心とした円周上に沿って自在に変位させることが可能である。
【0048】
再び図1及び図2に戻って、前記四方継手28について説明する。
【0049】
この四方継手28は、その前後左右の四方に形成された開口端28a〜28dの形状が、前記継手本体22の断面形状と同一の馬蹄形に形成されている。このうちの上流側の開口端28aには、前記したように、ソケット30を介して前記継手本体22が接続される。一方、四方継手28の下流側の開口端28bには、排水本管用変換継手32を介して排水本管16が接続される。この排水本管用変換継手32は、一端側に馬蹄形断面部32aを有するとともに他端側に円形断面部32bを有しており、このうちの馬蹄形断面部32aに四方継手28が接続され、もう一方の円形断面部32bに排水本管16が接続されるようになっている。また、四方継手28の左側(上流から見て左側)の開口端28cには、排水枝管用変換継手34を介してトイレ1用の排水枝管11が接続される。この排水枝管用変換継手34は、前記排水本管用変換継手32と同様に、馬蹄形断面部34aと円形断面部34bとから構成されている。ただし、このうちの円形断面部34bには、前記排水本管16よりも小径の排水枝管11が接続されるため、この排水枝管用変換継手34の円形断面部34bは、前記排水本管用変換継手32の円形断面部32bよりも小径に形成されている。なお、排水枝管11として排水本管16と同径の配管を用いた場合には、この排水枝管用変換継手34として、前記排水本管用変換継手32と同一形状のものを用いることができる。また、前記排水本管用変換継手32及び排水枝管用変換継手34の内周面には、配管接続時における位置決め用の段差部32c,34cが形成されている。さらにまた、四方継手28の右側(上流から見て右側)の開口端28dは、前記継手本体22の上流側の開口端22aと同様に、蓋部材36によって閉塞される。なお、前記ソケット30、排水本管用変換継手32、排水枝管用変換継手34、及び蓋部材36と、前記四方継手28の4つの開口端28a〜28dとの接続は、いずれも接着(四方継手28の4つの開口端28a〜28dの外周面と相手側部材の内周面との間の接着)によって行われる。
【0050】
また、前記四方継手28の上面部には、掃除口29が形成されており、この掃除口29から、四方継手28の内部等を点検・清掃することができるようになっている。この掃除口29には、外周面にOリング38aが装着された蓋38が装着されており、この蓋38は、点検・清掃時には取り外すことができるようになっている。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の排水管継手20によれば、トイレ1以外の排水器具2〜5用の排水枝管12〜15と接続される複数の枝管接続部24が、継手本体22の側面だけでなく上面にも設けられていることにより、排水枝管12〜15を継手本体22の側方からも上方からも接続することができるため、枝管接続部24が継手本体22の側面のみに設けられていた従来の排水管継手と異なり、排水配管設備の施工性を向上させることができる。なお、本実施形態では、枝管接続部24を、継手本体22の側面に4箇所、上面に2箇所設けたが、この枝管接続部24の設置数は、建物内に配置される排水器具の数等に応じて適宜変更可能である。また、排水器具の数が多い場合には、継手本体22を直列に接続することによって枝管接続部24の数を増加させるようにしてもよい。
【0052】
また、本実施形態の排水管継手20によれば、風呂2、台所4、洗面所5用の3本の排水枝管12,14,15と、継手本体22の側面に設けられた枝管接続部24とが、自在継手44を介して接続されており、当該自在継手44が、前記排水枝管12等の傾倒を許容するように構成されているため、排水枝管12等と枝管接続部24との接続角度(排水枝管の軸心と枝管接続部の軸心とがなす角度)を所定範囲内で変更・調整することができるため、排水枝管12等の接続作業を容易化することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。なお、本実施形態では、自在継手44のケース体50に絞り部50bを形成し、この絞り部50bによって排水枝管12等の垂直方向の傾倒を規制することにより、排水枝管12等の傾倒を水平方向にのみ(水平面上でのみ)許容するように構成したが、このような絞り部50bを省略することにより、排水枝管12等が全ての方向に傾倒し得るように構成してもよい。ただし、そのように構成した場合には、排水枝管12等が下向きに傾倒する(上流側に向かって下方に傾斜する)ことが可能となるため、排水が逆流する可能性が高まることになる。従って、このような事態を確実に防止したい場合は、やはり本実施形態のように、排水枝管12等の傾倒を水平方向にのみ(水平面上でのみ)許容するように構成することが好ましい。
【0053】
また、本実施形態の排水管継手20によれば、洗濯機3用の排水枝管13と、継手本体22の上面に設けられた枝管接続部24とが、90度屈曲したエルボ48(屈曲継手)を介して接続されており、当該エルボ48が、袋ナット40を緩めた状態において前記枝管接続部24側の接続口の軸心を中心に回転可能に構成されていることにより、エルボ48の排水枝管13側の接続口の位置を、前記枝管接続部24の軸心を中心とした円周上に沿って移動させることができるため、枝管接続部24の軸心から放射状に延びる適宜の方向から排水枝管13を接続することができる。この結果、排水枝管の接続作業を容易化することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態の排水管継手20によれば、継手本体22の下側半分の断面形状が排水本管16と同一半径(r)の半円形に形成されるとともに、継手本体22の上側半分の断面形状が矩形に形成されていることにより、継手本体22の断面積を排水本管16の断面積よりも大きくすることができるとともに継手本体22内の上部(矩形断面部分)に空気の通路を形成し易くできるため、継手本体22が満水状態になることに起因した排水の逆流(継手本体から排水枝管側へ排水が逆流すること)を防止することができるとともに、継手本体22に接続される排水器具2〜5に設けられたトラップの封水が継手本体22内の通気層が消滅することに起因したサイフォン現象によって破られること(排水器具に設けられたトラップ内に満たされた水が下流側に流れ出ること)を防止することができる。しかも、本実施形態では、継手本体22の上側半分の矩形断面部分が、排水本管16の直径(2r)と同一寸法の幅を有しかつ排水本管16の半径(r)と同一寸法の高さを有することにより、継手本体22の断面の幅と高さの両方が排水本管16の直径(2r)と同一寸法に抑えられるようになっているため、継手本体22の断面の大きさが排水本管16の断面の大きさよりも大きかった従来の排水管継手に比べて、継手本体22の幅と高さを小さくすることができる。これにより、床下部分における排水本体22の占有スペースを低減することができるため、特に低床化住宅において排水管継手の設置が困難になることを回避することができ、排水配管設備の施工性を向上させることができる。なお、本実施形態では、継手本体22を構成する矩形断面部分の幅を(継手本体22の上面部の幅を)排水本管16の直径(2r)と同一寸法に設定したが、図7に示す継手本体122のように、当該幅を排水本管16の直径(2r)よりも大きい寸法に設定してもよい。このようにすれば、継手本体22の断面積をより大きくすることができるため、継手本体22が満水状態になることに起因した排水の逆流(継手本体から排水枝管側への逆流)をより確実に防止することができる。ただしこの場合には、継手本体122の幅が大きくなるため、排水管継手20を狭い場所に設置したいときは、やはり本実施形態の継手本体22の形状を採用することが好ましい。
【0055】
また、本実施形態の排水管継手20によれば、継手本体22と排水本管16とが、継手本体22とは別体の四方継手28を介して接続されており、この四方継手28の4つの開口端28a〜28dの形状が全て、継手本体22の下流側の開口端22bと同一形状に形成されているため、継手本体22を、図2に示したソケット30を介して四方継手28の開口端28a〜28dのいずれにも接続することができる。これにより、排水管継手20が設置される現場の状況に応じて、継手本体22の接続箇所(接続方向)を変更したり、複数の継手本体22を設置したりすることができるため、排水配管設備の施工性を向上させることができる。例えば、継手本体22の接続箇所を、四方継手28の上流側の開口端28aから右側の開口端28dに変更したい場合には、ソケット30と蓋部材36の接続位置を入れ替えればよいし、四方継手28に2つの継手本体22を接続したい場合には、蓋部材36を2つ目のソケット30に変更すればよい。なお、本実施形態では、前後左右の四方に接続口を有する四方継手28を用いたが、接続口の方向や数は適宜設定すべきものであることは言うまでもない。また、特に必要なければ四方継手28は省略してもよい。この場合、トイレ1用の排水枝管11(他の排水枝管12〜15よりも太い枝管)を継手本体22に接続する必要が生じるが、当該接続は、この排水枝管11の口径に対応した大きめの枝管接続部24を継手本体22に設ければ容易に行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態では、継手本体22の枝管接続部24に袋ナット40によって固定されたスリーブ42に自在継手44又はエルボ48を接続し、当該自在継手44やエルボ48に排水枝管12等を接続するようにしたが、このような枝管接続部24と排水枝管12等との接続構造は適宜変更可能であり、例えば図8に示すように、継手本体222に設けられた枝管接続部224に直接排水枝管12等を嵌入することにより、これら枝管接続部224と排水枝管12等とを接続するようにしてもよい。なお、止水蓋146についてもこれと同様に、枝管接続部224に嵌入するだけで固定することができる。
【0057】
また、本実施形態では、継手本体22(又は四方継手28)とソケット30との接続を接着によって行うものとしたが、このような接続構造以外にも各種の構造を適用可能である。例えば、ソケット30の両端部の外周を継手本体22及び四方継手28の接続口に挿入され得る大きさに形成するとともに、当該ソケット30の外周面にOリングを装着し、当該Oリング装着部分を継手本体22及び四方継手28の接続口に挿入することにより、継手本体22と四方継手28とを接続するようにしてもよい。このような接続構造は、排水本管用変換継手32や排水枝管用変換継手34、蓋部材36に対しても同様に適用可能である。
【0058】
また、本実施形態では、住宅等の建物の床下に打設された外周基礎10の内側に排水管継手20を設置したが、本発明にかかる排水管継手20は、このような場所に限らず、排水設備が設けられる各種建物内に設置可能である。例えば、マンション等の集合住宅において各階の床下に設置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態にかかる排水管継手を採用した排水管設備の全体構成を示す図である。
【図2】(a)は前記排水管継手の分解斜視図、(b)は前記排水管継手の組付け状態における側面図である。
【図3】前記排水管継手の横断面図であり、図2(b)におけるI−I断面を示す図である。
【図4】前記排水管継手の横断面図であり、図2(b)におけるII−II断面を示す図である。
【図5】前記排水管継手の継手本体に自在継手を介して排水枝管を接続する構造を示す図であり、(a)は当該接続部分を垂直方向に切断した縦断面図、(b)は(a)におけるIII−III断面を示す横断面図、(c)は当該接続部分を水平方向に切断した縦断面図、(d)は(c)の状態から排水枝管が傾倒した状態を示す図である。
【図6】前記排水管継手の継手本体に、エルボを介して排水枝管を接続する構造を示す図であり、(a)は当該接続部分の縦断面図、(b)は前記エルボの変位自在性を示す図である。
【図7】本発明の変形実施例にかかる排水管継手(の継手本体)の横断面図である。
【図8】本発明の他の変形実施例にかかる排水管継手(の継手本体)の横断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1〜5 排水器具
11〜15 排水枝管
16 排水本管
20 排水管継手
22 継手本体
24 枝管接続部
28 四方継手(接続継手)
44 自在継手
48 エルボ(屈曲継手)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、
前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、
前記枝管接続部は、前記継手本体の側面と上面とにそれぞれ1個以上設けられていることを特徴とする排水管継手。
【請求項2】
複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、
前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、
前記枝管接続部は、自在継手を介して前記排水枝管と接続されるようになっており、
当該自在継手は、前記排水枝管がその接続端を起点に傾倒することを許容するように構成されていることを特徴とする排水管継手。
【請求項3】
請求項2記載の排水管継手において、
前記自在継手は、前記排水枝管の傾倒を同一平面上でのみ許容するように構成されていることを特徴とする排水管継手。
【請求項4】
複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、
前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、
前記枝管接続部は、所定角度に屈曲した屈曲継手を介して前記排水枝管と接続されるようになっており、
当該屈曲継手は、前記枝管接続部側の接続口の軸心を中心に回転可能に構成されていることを特徴とする排水管継手。
【請求項5】
複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、
前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体を備え、
当該継手本体は、その上面部が前記排水本管の直径と略同一かそれ以上の幅を有する平坦面に形成されていることを特徴とする排水管継手。
【請求項6】
請求項5記載の排水管継手において、
前記継手本体の断面形状は、下側半分が前記排水本管と略同一半径の半円形に、上側半分がこの半円形と連続する略矩形に形成されていることを特徴とする排水管継手。
【請求項7】
請求項6記載の排水管継手において、
前記継手本体の上側半分を構成する矩形断面部分は、前記排水本管の直径と略同一寸法の幅を有するとともに、前記排水本管の半径と略同一寸法の高さを有することを特徴とする排水管継手。
【請求項8】
請求項6又は7記載の排水管継手において、
前記枝管接続部は、前記継手本体の上側半分を構成する矩形断面部分の上面及び側面に設けられていることを特徴とする排水管継手。
【請求項9】
複数の排水器具から延びる各排水枝管から流れ込む排水を合流させて下流側の排水本管へ流出させる排水管継手であって、
前記排水本管に通じる流出口を一端に有するとともに前記各排水枝管と接続可能な複数の枝管接続部を周壁に有した筒状の継手本体と、
この継手本体と前記排水本管の間に介在する接続継手とを備え、
当該接続継手は、前記継手本体と接続可能な接続口を2つ以上有することを特徴とする排水管継手。
【請求項10】
複数の排水器具から延びる各排水枝管が排水管継手に接続され、さらにこの排水管継手の下流側に排水本管が接続されてなる排水管構造であって、
前記排水管継手として請求項1〜9のいずれか1項に記載の排水管継手が使用されていることを特徴とする排水管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−92381(P2007−92381A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282901(P2005−282901)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【Fターム(参考)】