説明

排水管

【課題】床下のように設置空間が制限されている場合においても、十分な排水量を確保することができる排水管を提供する。
【解決手段】一端側の上部に流入孔2を有し他端側に側方に向けた流出孔4を有する中空の本体部1と、流入孔2に連続する流入管3とを備える。流入孔2には、流入管3を介して排水が流入し、流出孔4は、水平な外部排水管に接続され流入孔2から流入した排水を外部排水管に導き、本体部1内の下方には、流入孔2の下部から流出孔4に向けて少なくとも一の区切り壁6が形成されており本体部1内を複数の排水溝5,5に分割している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば床下等に設置される排水管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における洗面所等からの排水管は、例えば共同住宅等においては、特許文献1に記載されているように、床下等に設置されることがある(いわゆる床ころがし配管)。
【0003】
このような床下等に設置される排水管は、床材と床基材との間に設置されるため、これらの間の間隔に合わせて、所定の太さ以下のものが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−176575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、床下等に設置される排水管は所定の太さ以下のものが使用されるが、排水量を増加させるためには、配水管としてなるべく太いものを使用する必要がある。
【0006】
しかし、前述したように、排水管を床下等に設置する場合には、床材と床基材との間の間隔によって排水管の径が制限されるため、十分な太さを有する排水管を使用することができない。
【0007】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、床下のように設置空間が制限されている場合においても、十分な排水量を確保することができる排水管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明に係る排水管は、以下の構成を有するものである。
【0009】
〔構成1〕
一端側の上部に流入孔を有し他端側に側方に向けた流出孔を有する中空の本体部と、流入孔に連続する流入管とを備え、流入孔には、流入管を介して排水が流入し、流出孔は、水平な外部排水管に接続され流入孔から流入した排水を外部排水管に導き、本体部内の下方には、流入孔の下部から流出孔に向けて少なくとも一の区切り壁が形成されており本体部内を複数の排水溝に分割していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
構成1を有する本発明に係る排水管においては、一端側の上部に流入孔を有し他端側に側方に向けた流出孔を有する中空の本体部内の下方には、流入孔の下部から流出孔に向けて少なくとも一の区切り壁が形成されており、本体部内を複数の排水溝に分割しているので、一つ一つの排水溝により排出される排出量が少なくても、複数の排水溝による排水量を合算すると、多くの排水量を確保することができる。
【0011】
したがって、排水量を維持しつつ、排水管の高さを低く抑えることができる。
【0012】
すなわち、本発明は、床下のように設置空間が制限されている場合においても、十分な排水量を確保することができる排水管を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る排水管の構成を示す3面図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る排水管の構成を示す3面図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側断面図である。
【0016】
本発明に係る排水管は、図1に示すように、一端側の上部に流入孔2を有し、他端側に側方に向けた流出孔4を有する中空の本体部1を備えている。この本体部1は、合成樹脂材料や金属から形成されている。
【0017】
流入孔2には、この流入孔2に連続する流入管3が取付けられている。この流入管3は、本体部1と一体的に構成してもよい。
【0018】
この排水管においては、流入孔2には、流入管3を介して、洗面所等からの排水が流入する。流出孔4は、図示しない水平な外部排水管に接続され、流入孔2から流入した排水を外部排水管に導くようになっている。
【0019】
この排水管において、流入孔2の直径Aは、例えば、50mm、または、75mmであり、本体部1の幅Bは、例えば、65mm、または、100mmであり、本体部1の高さCは、例えば、32mm、または、50mmである。
【0020】
本体部1内の下方には、流入孔2の下部から流出孔4に向けて、少なくとも一の区切り壁6が形成されている。この区切り壁6は、本体部1内を複数の排水溝5,5に分割している。
【0021】
この排水管においては、本体部1内が、区切り壁6により複数の排水溝5に分割されているので、一つ一つの排水溝5により排出される排出量が少なくても、複数の排水溝5による排水量を合算すると、多くの排水量を確保することができる。そして、この排水管においては、十分な排水量を維持しつつ、排水管の高さを低く抑えることができる。したがって、この排水管は、床下のように設置空間が制限されている場合においても、十分な排水量を確保することができる。
【0022】
なお、外部排水管としては、流出孔4と同一の断面形状を有するものを使用し、流出孔4に連続する状態に接続することが望ましい。
【0023】
この排水管は、地中に埋設する場合においても、本体部1の高さが低く抑えられているので、埋設深さを浅くすることができる。
【0024】
この排水管においては、本体部1内が区切り壁6により複数の排水溝5に分割されていることにより、排水管の断面形状を単に横方向に扁平な形状とした場合に比較して、同一量の排水について、排水の深さが深くなる。そのため、この排水管においては、断面形状を単に横方向に扁平な形状とした排水管と比較して、排水の滞留を防いて円滑な排水を行うことができ、排水管内の汚れも防ぐことができる。
【0025】
なお、この排水管においては、区切り壁6の数を増やし、排水溝5の数を増やすことにより、等しい排水量を一定に維持した場合には、排水管の高さをより低く抑えることができ、排水管の高さを一定に維持した場合には、より排水量を多くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、例えば床下等に設置される排水管に適用される。
【符号の説明】
【0027】
1 本体部
2 流入孔
3 流入管
4 流出孔
5 排水溝
6 区切り壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側の上部に流入孔を有し、他端側に側方に向けた流出孔を有する中空の本体部と、
前記流入孔に連続する流入管と
を備え、
前記流入孔には、前記流入管を介して排水が流入し、
前記流出孔は、水平な外部排水管に接続され、前記流入孔から流入した排水を前記外部排水管に導き、
前記本体部内の下方には、前記流入孔の下部から前記流出孔に向けて、少なくとも一の区切り壁が形成されており、前記本体部内を複数の排水溝に分割している
ことを特徴とする排水管。

【図1】
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