説明

掘起し機具、ドリル及び草刈機具

【課題】
農耕、林業、園芸、土木、廃物処理、田畑、湖沼作業に於て掘り起こし、耕作、掘削、穿孔、刈取りの労力節約、安全性向上、小規模田畑、芝生、山地の手入等を未熟練者、素人でも容易にする。草木の繊維、根等の巻付、絡まりを防止し軽量機具で内燃機駆動は勿論小型電動ドリル機を活用可能にする。
【解決手段】
木工や鉄鋼ドリル類、座繰り、りーマー、スクリュー掘削機、自作の棒ドリル等の外側にスクレーパを付けて繊維、線、プラスチックフイルムを含む土壌、堆積物掘削、根切り、堀返しに使う。軸回転部表面にスクレーパ、として筒、樋等で回転部を覆い又は翼等を付け、しかも回転軸と交差方向の切削性能を付与し、同時に撹拌解砕、孔への管挿入、ガス吸引、排水、雨水浸透用穿孔草木切断、等を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
農耕、林業、園芸、土工作業、堆積廃物、堆肥との処理、掘削作業、草木刈、除草、環境対策等に於て、ドリル類、除草機である動力機具を使用して作業を容易化、省力化、安全化し、しかも機具を携帯、搬送容易なものとする。さらに小規模或は山間の田畑、芝生の手入、除草機使用を素人でも容易にし、繊維性の根、枝葉、繊維、プラスチックフイルム等を含む土壌でもドリル或はカッターとしてのドリルへの繊維、プラスチックフイルム等の巻付、絡まりを防止することによって作業を効率化し軽量、小型、小動力の電動ドリル機を活用可能にする。
【背景技術】
【0002】
ドリル刃は、通常電動ドリルなどの回転駆動装置に装着して穿孔に利用する。
小型のものは鉄工用と木工用に大別される。土工用はアースドリルのように大型のものがある。類似したものに比較的大型の螺旋式の耕作用の農機用がある。しかし工作用、草か利用の小型で手持ち作業できるものはない。比較的小型の木工用ドリルは木材に高速穿孔できる。このドリルは螺旋先ネジによって穿孔の位置決めを行うとともに、先ネジの螺旋によってドリル本体を先方に誘導し、掬い刃によって穿孔を行うことができるようにしている。この際、被加工物である木質材料では、ドリル刃本体の外周先端に突出させた、ナイフ状の罫書き刃によって円形に罫書きながら剛性の繊維構造を切断し、その内方を掬い刃によって切除し、バリはドリル本体の螺旋刃によって切断でき、螺旋外周は孔の方向形態の維持に有用で正確な円形孔を穿孔している。
【0003】
しかし、これを軽作業としての耕作、園芸の掘り起し、山林の下草刈、棚田,段々畑耕作や家庭菜園園芸に利用する発想はなかった。 堅い土壌、芝生、雑草地の鍬、シャベルによる掘り起こしは筋肉労働であって時に重労働である。動力耕起機作業も労力を要する。しかも、狭い区分された土地、段になった田畑に使うには動力耕作機は不便なものであった。
ドリルを播種用の穿孔に使われる提案はあるが、耕作に使われる例はない。
鎌を使う作業は労力と時間を要し、しかも危険な作業であった。丸鋸を使う草刈機はき剣渇軽量ではなかった。車輪付動力芝刈り機も操作に労力を要した。
【0004】
これらの操作は素人、子供、婦人の労働では安全性、労働過重問題がある。山地での動力耕作は重量物運搬の問題がありこれらは重労働で熟練を要した。よって、ボランティアや素人、老齢労働には問題があり、高コストのために山林、山地の田畑は放置されて荒れるものが増加している。荒地や休耕地、山林の手入れが容易になればバイオマスが大量安価に得られる道が開ける。
特許文献1はドリル刃の螺旋を側方切削刃に仕立てたドリルで木質穿孔に次いで穿孔の側壁を横方向に切削拡大して容易に木材や立ち木を切断するドリルであった。
【特許文献1】発明者の特願2007−317217植物質材料の処理方法と装置ドリルを樹木伐採に利用する。
【特許文献2】発明者の特願2007−105016「乾燥装置とバイオマスシステム」は自然通風、強制通風併用でき小型分散型装置可能で、バイオマス、間伐材粉砕物を貯蔵できるとともに省エネルギーで乾燥可能で本発明に加えて効果を増強できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は化石燃料を節約して農林業促進をはかるに適した、機具である。従来の一般的な穿孔用の木工ドリル、鉄工ドリルは、穿孔はできるが耕起、切断の機能はない。また可撓誓の草木の切断作用はない。固定されていない柔軟な草、潅木の刈取は困難なものであった。
土壌に穿孔するには木工用板錐、石工用の鑿、鉄工用のタガネ或は先端をタガネや先細ネジ形状に加工した鉄棒が使えるが耕作、除草、下草刈、芝刈、湖沼河川の葦、藻、の処理にt枝葉されることはなかった。これらの場合には草木の繊維性葉、根、繊維、プラスチックフイルムとが巻き付きこれに泥土が付着する場合があり作業を妨害する。
【0006】
既存の耕起機械は内燃機関駆動では必ずしも軽量、安全とは言い難く動力消費、燃料費は高くついた。木工ドリルは特開2002−210708のような例があるが専ら製材品の穴あけに使用されるもので、土壌掘削や耕作、山林作業、園芸等に使われることはなかった。
大型の耕作或は耕起作動部の代りに軽量で軸方向の掘進力を利用し鍬やショベルのような力が要らないで耕作や堆肥製造の切り返し、廃棄物の掘出しに使える簡便なドリル類を利用して容易に装置構成できるものとしたい。スクリューで掘進する耕作機械はあるが在来型の農耕機に近く、素人用とは言えないものであった。この機械も在来型機械も耕作において、重く危険で扱いは簡単ではなかった。
【0007】
農林業において土壌は繊維分を含むことが多く刃物に巻き付く繊維が刃先と回転軸を覆い作業継続困難なことが屡々起こる。
本発明は木工ドリル、鉄鋼ドリル、スクリュー運搬機を利用でき又はその変形品、新たに考案する穿孔具を利用して耕作、安全高能率、軽労働化する。専門労働者、技術者を必須条件としないことによって臨時労働、ボランティア活動での作業を容易に低コスト化するものである。
また野外で多く使われる石油内燃機関以外に太陽光発電、従来型電力も使えるものとして総合的低コスト化をはかりたい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有する掘起し機具。
(2)前記回転軸部と前記スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする掘起し機具。
(3)スクレーパ部にアームを有する請求項1又は2のいずれか記載の掘起し機具。
【0009】
(4)先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部と該スクレーパ部にいずれか又は双方に刃を有することを特徴とするドリル。
(5)前記スクレーパ部にアームを有する請求項4記載のドリル。
(6)前記スクレーパ部が多孔筒又はスリットを有する筒である請求項4又は5記載のドリル。
(7)前記スクレーパ部に支持部を固着し、該支持部を棒又はパイプ加工物のいずれかとねじ継手で構成したことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか記載のドリル。
(8)回転軸部と該回転軸部の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部か該スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする草刈機具。
(9)前記スクレーパ部にアームを有する請求項8記載の草刈機具。
【0010】
農林園芸土木作業に於て耕作、掘削、除草、収穫、湖沼河川の水草刈、降雨の土壌への掘削孔による浸透、通気、施肥、等に於ける掘削、掘り返し、土壌粉砕、草刈、除草、湖沼の水草の粉砕等は手間がかかるものであった。しかも繊維、繊維性の草、根はドリル、回転軸に巻き付いて掘り起こし、掘削、草刈、耕作能率を阻害し、時に作業不能にする。
【0011】
本発明のスクレーパは先端ドリル部、回転軸部への繊維、プラスチックフイルム等の巻付き、巻付による穿孔及び切削能力の低下、消失を防止する。さらにスクレーパ部、ドリル部への切断機能を付加することによって作業効率を上げることに成功した。上記スクレーパ部、先端ドリル部の切断機能は鋭利な刃、鈍い刃、歯、突起及びその相手のまな板に相当する対向面を選択して付与するもので、目的と土壌、繊維質、草木の繊維質、強度と状態によって選択、組み合わせによって所定の目的を達することができる。選択は実験によって容易にできる。先端ドリル部は延長して回転軸部を兼ねることができる。その形状は螺旋型、リーマー型、錐型のみ、平ノミ、掬い刃、罫書き刃、その他公知の先端を利用できる。
【0012】
スクレーパ又はスクレーパ機能を持つ翼の形状は板、角棒、筒、樋、螺旋、穴あき、切欠、凹凸突起付樋、円筒、平板、棒、螺旋、櫛歯、鋸刃から選択された一つ又は組合せであり、それらの変形でもよい。そしてドリルの回転軸近傍に接近又は接して繊維、付着物を掻き取るものである。
草、水草刈り取りの場合には刃又は対向板(まな板)の機能をつける。
スクレーパと土壌との摩擦が大な時、特に螺旋ドリルの牽引力を利かせる時にはドリル部又は回転軸部の駆動部側末端にスクレーパ末端の押さえ鍔56を設けるのが便利である。
【0013】
スクレーパの材質は金属、セラミック、プラスチック、木材、ゴム或はそれらの複合品が適している。
【0014】
アームをスクレーパ部に取り付けることができる。該アームは回転軸を駆動する駆動部に固着してスクレーパ部の回転を防止すると共に、該回転軸或はドリル部の曲がり変形を防止し、梃子としての使用を可能にする。スクレーパに該アームと別のアームを取り付けることができ、操作性向上をできる。これらアームを連結して強度を高めてもよい。
【0015】
アームの形状、材質は既存の市販家庭用ドリル機のようにアルミニウム、鉄鋼、プラスチック、亜鉛ダイカスト、黄銅、青銅、木材等を使うことができる。(形状は例えば図9の31)
またアーム、スクレーパ、ドリル部はネジ継手で延長、短縮、取り外し自在の構造をとることによって穿孔、掘起しの深浅、草刈機具の長さを自由に調節でき、掘起し器具、ドリル及び草刈機具の兼用、融通性を持たせることができ非常に便利になる。
【0016】
スクレーパに付ける翼(リブ)は一枚以上で切れ目があってもよい。減摩加工、メッキ加工されていてもよい。
翼によってアームなしでも土壌の抵抗でスクレーパの回転を止めることができる。
該翼はスクレーパを兼ねることができ、放射状或は切線方向に配置し回転方向に土壌による大きい抵抗を受け、軸方向には低抵抗であるように配置するのが適当である。
円筒状、樋状のスクレーパを使用する場合には翼はスクレーパに固着してスクレーパの回転を防止するとともに、スクレーパを補強できる。翼とアームを併用できる。
【0017】
掘起し機具としてのドリル掘削に於てドリルで土壌を穿孔し、次いでドリル(或は回転軸)を梃子として使い、若しくは撹拌して土壌を粉砕し耕やすことができる。梃子操作、撹拌操作は無視できる程度の振りから、大振りの操作まで目的によって調節する。横振り、歳差運動、横移動を加えることができる。このような操作の多数繰り返しによって掘り起こし、必要によって機械耕うん、手作業耕うんによって容易に少ない労力で田畑、圃場を仕上げることができる。芝生の踏み固められた土壌、開墾、荒地であっても本発明の掘起し機具としてのドリルを使用して同様に耕土や芝生下地に回復できる。
【0018】
土壌を穿孔し孔を形成するドリルは先端ドリル部、回転軸部に相当する部分も螺旋であることが穿孔能率の点から好ましい。多孔管をスクレーパとして使い、穿孔後に孔壁に残すことができる。また、この孔は環境分析の土壌汚染分析用サンプルの採取、水抜き、雨水の地下浸透、砂、礫の充填、地盤強化材注入に使える。
【0019】
草、葦、水草のように固定されていない可撓性物の刈り取り、切断は従来は手鎌を使うか、周速が大きい丸鋸若くは、細い棒状ハンマーで静止慣性を利用してハンマー粉砕機のように切断して刈る方法に限定されていた。
本発明では先端ドリルを固着した回転軸或は棒状の回転軸に刃若くは突起を付けたもののいずれかにスクレーパを付加することによって巻付きを防止し、しかも必要によって繊維或いは線、紐状物等の巻き付き力或はスクレーパと回転軸、刃、突起等との挟みを固定力として利用することによって、繊維性、柔軟性の草、水草、茎、小枝等を切断し又は刈ることを可能にした。先端ドリル、回転軸それぞれに側面刃、突起を付けることができる。これによって比較的細い長い例えば1m程度のドリル型の草刈器で草取り即ち草刈及び根の除去を容易にする。田畑の草取り、芝の手入れ雑草の除去が容易にできる。田、湖沼の草、水草取りでは図15に例示された浮子付の草刈器を構成できる。
【0020】
完全円筒で回転軸部或は回転する先端ドリル部に被せるスクレーパは円筒先端の縁がスクレーパ刃の機能を果す。切り欠いた円筒、樋、板状スクレーパは回転軸に対向する縁又は接触する部分が刃として巻付きを抑制し又は巻付こうとするもの、付着しようとするもの、例えば泥土を剥離し或は切断する(刈り取る)。
スクレーパは必らずしも鋭利な刃を必須としない。巻付き防止には鈍角の角或は刃でも掻き取り、切断刈り取りに使用できる。スクレーパに鋭角の刃を付ければ刈り取り、切断はいっそう容易になる。スクレーパはドリル刃或は回転軸に被せた筒、筒状スプリング、ドリル刃に沿う樋状又は板状或は角があるブロック状スクレーパ、櫛状スクレーパ、鋸刃を有するスクレーパから選ばれたスクレーパの1つ又は組み合わせであり得る。
【0021】
先端ドリルに回転軸を固定してもネジで着脱自在にしてもよい。草刈時には先端ドリルを外してもよい。草刈専用なら先端ドリルは省略できるが付属しているのが便利である。
【0022】
ドリル刃、回転軸、駆動軸に巻き付き、或は付着して回転と貫入、横方向への孔、穴、耕作範囲の拡張を妨害する繊維性物、線状物、付着物をスクレーパで容易に排除しつつ掘削、孔拡張、撹拌、土壌粉砕等の作業ができることがわかった。またこの際に土砂の作用で刃物の摩耗鈍化があるが、鈍い刃先でも掘削が可能であり、スクレーパ性能も問題ないこと、硬質材料、超硬交換チップ刃先は勿論、軟鋼材料でもドリルを構成できコスト節減できる。又先端刃先は先細、扁平、掬い刃、螺旋他任意の先端を選ぶことができる。自己研摩の組合せをしてもよい。
【0023】
木工用或は鉄工用ドリルの他鋼棒に先端加工した普通鋼、ステンレス鋼、工具鋼等土壌の土質、繊維質、植物質の種類に応じて使い分けることができる。土壌掘削では工具鋼、焼入れ鋼、刃立て、目立ては必らずしも必要でない特徴がある。
先端刃先部2の旋回域はスクレーパ筒外径より大であることが好ましいが、スクレーパ形状、厚み、材質、ドリル刃の径によって選択できる。穿孔後に筒をそのまま孔に残すには先端の外径はスクレーパの内径より小であるか先端の刃を出し入れ可能にする必要がある。機械的遠隔手元操作が高知の技術で可能である。スクレーパとしての筒先の縁の刃23は斜め、又は鋸歯型であってもよく任意に選択できる。細いドリル径例えば直径3乃至15mm或は25mm程度までは動力、先端螺旋の性状,土質によっては穿孔速度に支障がなく推力は少なくて済み、従って労力負荷は少ない。大径ドリル、低動力のドリル、螺旋では推力の大小、緩急、ドリルとしての振れ、歳差運動、振動等(振動ドリルを使うことができる)を与えると低動力かつ能率的である。
【0024】
このようにして手作業での掘り起こしでは労力がかかり困難であった田畑、荒地、山林の土壌、廃棄物埋立地など繊維性の雑草、根、小枝等の物理的障害、巻付き障害に妨害されずに掘削、掘り起こし、耕起できた。
【0025】
完全な筒状のスクレーパをドリル回転部に被せ回転軸を被覆すると巻き付きを防止でき、ドリルの先端を先細にするか、薄い刃(鈍でもよい)状に成型し或は螺旋先端の掬い刃にすれば貫入性能を著しく落すことなく掘削できた。この場合に筒の先端縁がドリルのスクレーパ刃として作用する。筒の一部又は大部分を欠き軸が露出させた場には回転軸に沿う縁がスクレーパとして作用する。さらに回転軸が螺旋、歯車状、皿状、軸流ポンプ羽根、これらに刃(鈍角でもよい)の作用を持たせることによって軸と交差方向の切削、即ちリーマー作用で孔拡張と繊維切断、撹拌作用を持たせることができる。穿孔、草刈では硬い繊維では鋭い歯、又は鋸刃でもよい刃が必要な場合があるが試験によって選択できる。
【0026】
スクレーパの回転又は変位防止手段として、スクレーパにつけた翼、スクレーパの突起、駆動部への固定腕、駆動部以外の物体に繋留する可撓性のスクレーパ回転制御索から選ばれた1つ又は組み合せも使える。
スクレーパ又はその支持部にパイプ加工物を使用するとパイプは軽量であり、ネジ継手、溶接継手を自由に選択し利用できる。ドリル、回転軸径への適応、スクレーパ長も容易に選択できる利点がある。
【0027】
ドリルは市販のドリル刃、ドリル機をそのまま利用できる。スクレーパは線、繊維状の植物、プラスチックフイルムの軸、ドリル刃への巻き付きを防止するもので筒状、樋状、翼状、櫛歯状の軸に沿う角或いは刃、線、コイルが使える。筒を部分的に形状自由に開いて内部のスクリュー又は突起、軸表面を部分的に乃至ほぼ全面露出してもよい。
【0028】
筒状のスクレーパの場合回転軸、ドリル或は螺旋の山或は突起の刃頂との間隙はゼロ乃至2mm程度が適当である。筒の場合には先端の環状縁が掻取刃になり、この部分の間隙に注意すべきである。樋状、開口、スリット、穴の場合にはこれに加えて軸に沿う開口、スリット、或は穴の縁が掻取刃として作用する。刃は直線でも鋸波状、歯車の歯の配置、櫛歯が使え、直線的でなくてもよく、刃は鈍角でもよい。
【0029】
材料は先端ドリル部、回転軸部、スクレーパ部それぞれ金属、プラスチック、セラミックから選ばれた1つ又は組合せができる。先端ドリル部、回転軸部は一体もの或は溶接、接着、ねじ込み等公知の接合構造ができる。スクレーパ部は鉄鋼材料が適当であるが、プラスチック製であってもよい。スクレーパ部を切断刃物とすることができるが巻きつき防止に機能を限定する場合には種々の金属、鉄鋼材料、軟鋼、プラスチック、ゴム、木、炭素、それらの複合材など広汎なものが使える。
【0030】
スクレーパ支持アームはスクレーパの回転防止用であるが操作用、補強用、安全具でもある。駆動部10に直接連結し支持できる。ハンドルとしてドリルを支持し或は操作するために使える。またドリル駆動部本体と直接連結してもよい。31は駆動部10と独立にもうけても連結してもよい。連結の場合にはドリル回転軸を梃子として孔拡張する場合にモーター軸に過剰な負荷をかけない働きがある。
スクレーパに鋭い刃を付けることができる。このときには繊維、細い茎、根の巻付き傾向を逆に利用して切断できる。さもなければそれらは刃物から逃げる。鎌は逃げる草を手で掴んではで切断する。丸鋸刃、遊動刃は高速慣性で切断するが、本発明は周速が比較的低いので巻き付き、挟みの作用で掴むことによって切断可能にしたものである。
【0031】
従来、木工ドリル類(座繰り錐、りーマーであってもよい)或はスクリューを耕作、園芸、草刈、根からの草取り、森林の下草取りに利用しようとするとドリルやスクリュー、回転掘削棒に根や茎の繊維が巻き付いて作業の継続が困難であった。プラスチックフイルム混入の土壌、堆積物なども同様であった。そこでドリル、スクリュー表面、リーマーの刃或は円柱軸、角軸、延長軸の側表面に掻取り翼(スクレーパ)、櫛状、或は熊手状の掻き取り排除機能を付け、又は軸回転に追随しない全面被覆又は部分被覆の筒或は樋状覆いを設けて繊維性物、フイル等の巻付きを防ぎしかも回転軸と交差方向の切削性能を付与でき土壌等の掘起し、解砕、撹拌を効率化する。
【0032】
畑に播種や苗植えの孔をドリルで掘削する掘削機は公知である。土壌に対しては例えば木工ドリル、鉄鋼ドリル等で任意に穿孔できる。しかし同時にまたは引続いて、孔拡大撹拌、耕起するものはなかった。本発明は穿孔に続いて梃子、振動作用と側面切削作用で土壌結合を緩め破砕或は分断する。ところがドリルを軸の交差方向に移動すると植物の根、茎、禾本科植物の根、茎、葉がドリル刃に巻き付き易く団塊になるだけでなく側方切削作用を妨害することがわかった。
本発明はこの問題に加えて安全問題もスクレーパによって解決して軽量のドリルで軽労働で安全に作業することを可能にした。巻き付き防止覆いはスプリングであってもよい。この場合には土中に差し込まない時にはスプリングが伸長してドリル又は回転軸の全部又は一部を覆うので手指等の接触事故を防止できる利点を生じる。
【0033】
木工における切断や穿孔と異なるのは、できるだけ大径の錐を使用することによって作業繰り返し回数負荷を減らすことができるが小径の錐でも軽量ならば多数回の作業が容易になる。ドリル作業だけでもよいが、穿孔して土壌結合を緩めれば鍬、シャベル作業は軽作業に転化する。ドリル自体は粉砕機、撹拌機としても働く。本発明によって繊維質の巻き付き障害を回避しながらの耕起は結果的に枯れ草、草木根の熊手、篩等による分離を軽作業化し特許文献2に開示しているその可燃性廃物の乾燥機の活用を有効にしてバイオマスとしての広域収集を乾燥粉粒、チップとして機械化収集できる。自然乾燥は乾燥装置の設置に場所をとるが、バイオマス発生源近くにサイロを分散配置することによって敷地問題を回避できる。熱源を使い強制乾燥する場合でもバイオマス発生源近くでこの一部を燃焼して熱源とするシステムが有利になる。
【発明の効果】
【0034】
農耕、林業、園芸、土工作業、堆積廃物、堆肥との処理、掘削作業、草木刈、除草、環境対策等に於て、ドリル類、除草機である動力機具を使用して作業を容易化、省力化、安全化し、しかも機具を携帯、搬送容易なものとする。さらに小規模或は山間の田畑、芝生の手入、除草機使用を素人でも容易にし、繊維性の根、枝葉、繊維、プラスチックフイルム等を含む土壌でもドリル或はカッターとしてのドリルへの繊維、プラスチックフイルム等の巻付、絡まりを防止することによって作業を効率化し軽量、小型、小動力の電動ドリル機を活用可能にする。
本発明の従来の木工、鉄工ドリル等との差はこれらが正確な孔内径の穿孔を意図しているので、ドリル刃にカバーを被せ、或はドリル刃に副うスクレーパを併用できず、付着物排除機能も付けることができず、安全用のカバー、枠等を付けることができず、従ってドリル作業は危険なものであったが、本発明では正確な穿孔は不要である点に着目してドリル刃にカバーをかけ、或はスクレーパ、樋状スクレーパ、をつけ巻きつき繊維、線等の付着物を排除ししかもスクレーパ、翼双方とも手指に対する安全器を兼ねる事、梃子あるいは梃子としてのドリル刃若くは長い回転軸を補強できる利点を生じたものである。
【0035】
ドリル穿孔耕起時に大径のドリルを使えば切断と粉砕を同時に高効率、安全に実施できる。
大径ドリルによる比較的大動力の場合には、電流検出、トルク制限器等の付加によって非熟練労働者でも安全に切断、粉砕作業ができる特徴がある。
小型の電動ドリルなら過負荷で停止するので比較的小径のドリルでは400W級の家庭用ドリル又はその感覚で農林作業、園芸、芝生手入れができることになった。
回転刃としてのドリル側面方向の性能は解砕切削作用であって通常の刃のような鋭さを必ずしも必要としない。振動を与えつつ鈍角の刃で土塊を切削し粉砕、分断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明はドリル若くは草刈、水草刈として使用しまたは兼用できる機具である。この機具を使用して土壌に穿孔し、穿孔間をリーマー機能で連絡するか、梃子作用で側面切削しつつ横移動して掘削する場合及びドリルに上下、横或は歳差運動を与えつつ穿孔し掘削、耕作できる。地表近くで扇形運動して草刈し、水草は水中撹拌して切断粉砕しいずれの場合も繊維、線条様物の巻付き、土壌、粘着物付着障害を自動的に排除できる。
本発明の実施例はドリルを使用して土壌に単数穿孔してこの孔を梃子或はこじるなどの動作、梃子作用で側面切削しつつ横移動して掘削する等で拡げながら土壌を作り、又は複数穿孔し、穿孔間をリーマー機能で連絡するか及びドリルに歳差運動を与えつつ穿孔し掘削、耕作するものである。木工用或は鉄工用ドリル(交換硬質チップ付でもよい)の他鋼棒に先端加工した普通鋼、ステンレス鋼、工具鋼等土壌の土質、繊維質、植物質の種類、組成に応じて使い分けることができる。耕作していた土壌、いわゆる耕土のように硬くない土壌では工具鋼、焼入れ鋼、刃立て、目立てはかならずしも必要でない。硬い土壌、荒地の開墾でも高級鋼を加工しつつ使える特徴がある。軟らかい草、水草、細い潅木、根、それらを含む土壌の処理も同様である硬い繊維例えば禾本科植物の場合には、掘削、掘り起しでは巻きつき防止は鋭い刃、歯はひっすではないが、草刈のようにフリーの繊維では鋭利な刃、歯、鋸刃、まず挟んでから切断刃にあたる鑢のような構成が適している。
【実施例1】
【0037】
(1)先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有する掘起し機具。
(2)前記回転軸部と前記スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする掘起し機具。
(3)スクレーパ部にアームを有する請求項1又は2のいずれか記載の掘起し機具。
図1は本発明に適した掘起し機具であるドリル刃1、と駆動部10の側面図であり、作業妨害物である繊維質巻付き防止機構としてのスクレーパ3、スクレーパ回転を防止し同じ土壌に食い込んで回転防止する翼4、これを固定し支持するスクレーパ支持具6、駆動部10からなる。先端ドリル部2、は先細ネジ2で孔の位置決めと、突入抵抗を軽減し、穿孔の牽引力を得る。スクレーパの溝又は開口5は少量の巻付き繊維を自動的に掻き取るための開口であるが、万一閉塞を生じた時には手作業での除去を可能にする。図9のように大きい開口の時には掻き取り効果とともに螺旋による牽引力、突入推力発生に有効であり作業効率を上げ、穿孔後の孔拡大の場合には、孔壁の切削拡大と送り作用による土壌の撹拌粉砕に有用である。螺旋をもつ回転軸(木工、鉄工ドリルの標準品であるが)は掘削土壌をスクリュー運搬機として孔から送り出す。切削土壌の入り口は図1では側面の開口、土砂取入れ口14から回転軸部内を通り開口15の土砂等の輩出工に出る。このような土砂の流れは比較的硬い土壌、土層の場合には好ましく穿孔を円滑にするが、多くの土壌では杭打ち込みにみるように内部のスクリュー運搬機の機能は必要ない。掘り起こし機具としてのドリルに進行方向に対して振れを与えれば(左右振動、歳差運動を与えれば)ドリルの引き抜き、或は穿孔に次ぐ孔へ気掘削運動、撹拌操作に支障を与えない。振動ドリル機を使用してもよい。
【0038】
図9は開口5が大きく、両側面でスクリュー1が露出している。図2はスクレーパ3が切欠のない円筒の場合の先端ドリルと内部螺旋の状況を円筒を開いて示している。8は回転するドリルチャック8の摺動抵抗を減らす減摩用の活動ワッシャーである。公知の材料、形状でよい。図3は図1の先端ドリルとスクレーパ先端部の拡大図である。
図4はドリル部側面開口が大な切削能力、撹拌能力、穿孔速度大なドリルの例を示す。開口は片面である。スクレーパの振れ止め18も示している。
図4は筒状のスクレーパ3の開口5を大きくして樋状にし、スクリューの一部を露出させて側面掘削性能を利用するものである。スクリュー山に切欠、歯等を形成すれば側方の切削リーマー作用粉砕混合作用を増大できる。
図3はカバー3にスリット開口5を開けたものである。先端錐体2の掘削で発生した土砂を開口14から取り入れて開口15の排出口から排出しつつ掘進する。装置軸を揺動させながら穿孔掘進もでき、効率的である。
図5は図4の軸方向視の断面図である。
【0039】
図6は先端ドリル部、回転軸部側面見取り図である。山は平滑環状であるが、上記のように歯状の切り込みその他の刃或は歯とすればいっそう有効である。
【0040】
図7は軸方向ドリル見取り図である。図5のドリル先端2のドリル側面に沿うスクレーパ掻き取り刃にスクリューの谷部をさらう櫛23を付けたものである。この場合にはスクリュー山は歯が食い込む深さ迄環状に切り込みをいれている。
【0041】
図8は図6同様のドリル側面見取り図である。軸流の複数の送り羽根列と櫛状掻き取り歯と送り翼を示す。
【0042】
筒状のスクレーパ3を図5のように部分的に開口し例えば樋状にすれば、3の縁を掻き取刃として活用し、しかもスクリュー等の山部分を側面に露出させるとスクリュー山、或はリーマーの刃によって軸と交差方向の切削作用が働き、孔の拡大と撹拌、解砕作用が増大する利点がある。これは従来のドリルの使用法と大きく異なるところであ両側面開口のスクレーパは図16である。図17はその断面とスクレーパ刃23、翼4或はスクレーパの突起34を示す。耕土掘り起こしの場合には回転軸部は棒で先端は平ノミ、タガネ、尖頭のみ型いずれでも有効であった。但しこれらは硬い土壌の切削、粉砕撹拌能率は低下する。切削能力、根切断能力を回転軸部に付与するには、軸部を露出するとともに図6、図8に示す非螺旋の環状刃、環状突起に歯来るmクァ上加工したもの、軸流ポンプかたの刃である羽を付けたもの図8が例示できる。図5、図7はスクレーパが表面を掻く、或は接触する場合と環状の突起、羽の先端より芯に近く侵入23誌手要る場合を例示している。
同様に図2以下に示すドリル、スクレーパ、翼構造をとって手持ち、台、浮体によって土壌穿孔、耕起、掘り起し時の草木刈、草木根除去に利用できた。
掘り起こし駆動機10は通常モータ、既存のドリル機、振動ドリル機を使えた。穿孔孔径は5mm乃至60mm程度で土質が硬い時には手持ちドリルでは20mm程度までのドリル刃を使用するのが操作が容易であった。先をノミ或は箆状に加工した400mmの軟鋼棒もドリルとして使用できた。
筒状のスクレーパはガス管(SGP)、ステンレス管、硬質プラスチック管(塩ビ管)も使用できた。当然、その他の鋼管、プラスチック管も使用できる。
回転するドリル部、軸部との隙間は0.5乃至2mmが適当であった。板状のスクレーパは密接させることができた。板状のスクレーパの使用形態は図1に於て3を外して翼4が回転軸部1に直接接した状態で有効であった。
【0043】
1個の穴を開けてから周辺土壌を崩し或は2個以上の孔をあけ、次に孔間に残留する固結硬質土壌を分断崩壊破砕することによって、手での掘り起こし解砕作業は著しく省力化される。
ドリル刃の先端は先細の螺旋2であり、スクリュー送り作用を有する軸部分1、軸の回転に対して自身は回転しない巻付き防止スクレーパ3で繊維質の巻付を防止し、同時に軸部(送り部)1との間隙を制限して巻付による回転軸部膨大化の防止、即ちドリル機能と切削機能の停止を防止する。ドリル側面の螺旋1の表面付近に巻付く繊維質の剥離と土壌振動とリーマー切削機能を持たせている。
【0044】
溝又は開口5は少量巻き付く繊維質があれば容易に除去できるようにした。回転防止リブ4は筒、等のスクレーパの支持機構がなくても土壌の抵抗でスクレーパ3の回転を防止(又は緩和)する機能に加えて、ドリルの土壌への突入とドリルの梃子作用で土壌を分断すること及び梃子の力でドリルが曲がるのを防ぐ補強の機能がある。鋸刃状の縁を持たせれば一層有効である。先端2のネジ、或は放射状のリーマー状の刃の次に回転凹凸部、或は歯車様の部分を設け、或は図6のスクリュー山、環状掻取り刃21を部分又は全面に設けて、こじりにより側面方向の接触圧を与えて、リーマー機能、分断機能を付与できる。8は滑りを与える滑動ワッシャーで支持機構6を利用しない時に特にスクレーパ3の回転防止のために有効である。
【0045】
ドリルとしては短い数センチメートルから1乃至2メートルの棒状のドリルが可能である。先端部又は途中を梃子支点として抉る力を加えて回転しながら堀り起し解砕力を発揮する。高速回転であるから処理速度は大きい。通常の木工に於ける溝きり、座繰り工具に似ているが、長さ方向はドリルに応じて長く、しかも上下左右に振ることができ、かつ移動して耕起できる。いずれにしても穿孔を容易にしながら粉砕作用もある。長いものは草刈、水草刈にも能率がよい。土質が硬くなければ10乃至20mm径の40乃至1000mm長の深孔も容易に削孔できた。ドリルとしての径選択等の条件設定は実験で容易にできる。
【0046】
図2は図1の先端ドリル部2を木工ドリル先端型に改変した例である。先端錘体は先細のネジ又は錐であって土壌への突入を容易にする。スクレーパ部3を閉鎖性筒状スクレーパとした場合にはリーマー機能は乏しいが、人体特に手指への安全性は高く、経験が浅い作業者の使用に適している。しかし翼4を付けると側方リーマー機能と梃子作用の補強になる。
螺旋を側面に露出させるとリーマー機能が大になる。しかも螺旋の頂部を薄くすると一層側面横方向の切削リーマー機能はいっそう強化できる。
【0047】
同時にスクレーパを全部外して発明者の特願2007−317217「植物質材料の処理方法と装置」に示されているようにドリルの側面に正規の刃を立てたものを使えば立ち木、木材の切断に共用でき便利である。本発明のドリルでは木材や鉄鋼の穿孔や切断に使う鋭い硬質の刃は必ずしも必要としない。しかし必要に応じて先の錐部2、必要によって付ける掬い刃、側方歯に硬質鋼、超硬合金、セラミック刃、交換刃を使うことができる。同時にスクレーパを全部外して発明者の特願2007−317217「植物質材料の処理方法と装置」に示されているようにドリルの側面に正規の刃を立てたものを使えば立ち木、木材の切断に共用でき便利である。本発明のドリルでは木材や鉄鋼の穿孔や切断に使う鋭い硬質の刃は必ずしも必要としない。しかし必要に応じて先の錐部2、必要によって付ける掬い刃、側方歯に硬質鋼、超硬合金、セラミック刃、交換刃を使うことができる。
【0048】
穴あけの後にリーマー若くはリーマー作用付きの本発明のドリルで穴間の残部を崩壊できる。ドリル径は大きいほど処理効率がよいが、装置が大型化し熟練を要することになる。
なおこの機能を軽量の台車、車軸に載せて移動と梃子作用を容易にすることもできる。
図10は移動架台の図である。ドリル刃1に、スクレーパ3又は掻き取用部品刃を装着しこれを作業現場に持ち込む。または持ち込みの後に、スクレーパと掻き取用部品を装着してもよい。
【0049】
移動架台20を使う時には架台に取り付ける。次に電源13を接続の後に操作レバー31を操作して送り装置30を駆動して移動台17を押し、ドリル刃を回転しつつ土壌或は堆積物27に挿し込み、穿孔する。所定深さまで穿孔したら、車輪25を支点として梃子のようにこじって側面へと孔を拡げ、同時に解砕作用を働かせる。これはショベルで土壌を掘り起こし或は堆肥を切り返すのと似ている。リブ(翼)はスクレーパである筒3の回転防止とショベルの掘削切り返し機能を兼ねることができる。翼(リブ)は一枚以上であり、ドリル刃及びドリル刃延長棒使時にはその補強も兼ねている。土壌の急速深穴穿孔にも使えることがわかった。木工ドリルによる板加工の場合と異なる点は地面に垂直にも斜めにも穴を自由に開けることができる点である。先端錐体2の代わりに木工ドリル類似の小錐体(棒状でもよい)2、と掬い刃、必要により罫書刃を付けたドリル先端としてもよい。
【0050】
図11は図2の先端ドリル部2を木工ドリル先端型に改変した例である。
図12、図13のホールソーのように大径の穴あけに適した短い穿孔具でも繊維巻き付きがあるが本発明によれば同様にドリルとして使うことができる。この場合に先端は太く、駆動軸を強靭に構成できる。ホールソー構造の場合には、盲構造でなく掘削土等は軸方向に通過できることが望ましく、硬質土で必要になることがある。
先端が大径の掘り起こし機では腐葉土、堆肥作業の場合にも切返しが容易になり、労働負荷が少なくなった。しかも粉砕混合通気作用を強化でき堆肥化促進効果があった。この掘り起こし機のスクリュー内蔵型を吊下げ型自働走行にして切り返し作業に使うことができる。
(作業例)
【0051】
或家庭菜園は庭木の根、すすき等禾本科の雑草が生い茂りショベルによる掘り起しも、単なるドリル機でも耕作復活困難であった。図1のドリル(図3のドリル刃を装着したもの)で手持ちで地面を穿孔した。ドリル(刃長120mm、直径15mm、掬い刃付、先細ねじ先端、罫かき刃付き)、スクレーパ筒(管)の内径16mm(SGPガス管)、切欠幅2mmであった。
軽労働で耕作できた。芝生の手入れも容易になった。
(対照例) 刈草、枯草、剪定枝葉、根未破砕物を含む土壌は繊維性物を含み軸への巻付で巻きついた萱、すすきの除去を要し作業継続困難な土地があることを認めた。スクレーパなしで木工ドリルで土壌を穿孔し掘り返すために梃子のように抉ったところ根の巻きつきに加え、ドリルは曲がった。スクレーパを装着したものは巻付きも、曲がりも認められなかった。芝生の手入れでは芝の根が絡みドリルをそのまま使うことは困難で面倒な手作業になった。或家庭菜園は庭木の根、すすき等禾本科の雑草が生い茂りショベルによる掘り起しも、単なるドリル機でも耕作復活困難であった
【実施例2】
【0052】
(4)先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部と該スクレーパ部にいずれか又は双方に刃を有することを特徴とするドリル。
(5)前記スクレーパ部にアームを有する請求項4記載のドリル。
(6)前記スクレーパ部が多孔筒又はスリットを有する筒である請求項4又は5記載のドリル。
(7)前記スクレーパ部に支持部を固着し、該支持部を棒又はパイプ加工物のいずれかとねじ継手で構成したことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか記載のドリル。
【0053】
図1乃至図17まで先端ドリル部2、回転軸1とスクレーパ3、翼4、要すればアーム6、等の構成、刃、歯の構成、形状と機能は穿孔することにおいて実施例1と同様である。
実施例1は比較的軟らかい耕地に適した土壌対象で孔と周辺土壌葉崩すのが原則であって図4乃至図17のようにドリル部或は回転軸部の切削機能を持つ部分の露出部分が
が多いが、第3、第4、第5の発明は穿孔した孔を崩さずに、螺旋の食い込み能力を利用して多くは深い孔を得るのを目的としている。崩壊しやすい土壌では多孔管をスクレーパに使い、穿孔後にこのスクレーパを外して孔に残すことができる。崩壊し難い土壌では砂、礫、砂利等を充填し、必要時には環境測定サンプル管を挿入採取、空気水吸引浄化、排水用、雨水浸透管として使うことができた。穿孔孔に浄化剤、吸着剤、砂、砂利充填が容易になった。
【実施例3】
【0054】
(8)回転軸部と該回転軸部の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部か該スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする草刈機具。
(9)前記スクレーパ部にアームを有する請求項8記載の草刈機具。
【0055】
回転軸1とスクレーパ3、翼、刃、歯の構成、形状と機能は実施例1と同様である。 手持ちで草刈に使用する時には先端のドリル部を外し、若しくは先端ドリル部がないものが使える。径2mm乃至20mmのドリル又は刃(又は突起)付きの機具が便利である。
図18Aは刃を有する回転軸1の側面を地面27に生えている草55の側面にあてて刈ろうとする試験を示す。草の1端は地面中の根56で固定されているが地上の草は自由に動くので、低速の軸に付けた刃では切断できず即ち刈れない。
図18Bはスクレーパを付けた回転軸1で刈る様子を示す。即ちスクレーパ刃又はスクレーパの面が草を噛んで大2の支点を構成して切断するので草自身の静止慣性を要せずに切断可能になる。鋏と同様に働く。又はスクレーパの刃に対抗する面がまな板の機能を果たして切断可能になった。
【0056】
木工ドリルの場合には、螺旋(或は環状刃、又は鋭い歯)の山部に特許文献1に示されている刃を付けると一層有効であり、スクレーパ縁にも鋭角の直刃、鋸刃を付けるのが好ましい。
回転軸部先端ドリル部が付いたものをそのまま草刈に兼用もできる。ドリルの掘削耕作機能と草刈機能兼用の農林園芸土工機具として草刈機能と根の掘起し除去を同一機で兼用できるので便利に使用できた。アーム6は翼4の回転を防止する固定具である。と同時に及び安全機能及び300mm長の手鎌の程度から、1乃至2m長の軸回転刃を手持ち動力草刈機具共に可能にする。スクレーパは軸を補強するとアームを使用し同時に両手で操作可能にしてしかも取り扱い容易かつ安全取り扱い可能にした。
【0057】
図19は草刈器の刃の形状例を示す。円筒3側面に斜めに切り込みを入れて複数の開口を作りスクレーパとし、刃61を付け、スクリュー側にも刃21を付けて草繊維の巻きつきを防止しながら切断できた。図20筈19のB-B断面の軸方向視である。草58が挟まりながら切断される。鋏と似作での切断が可能である。刃部の自己研摩も可能である。翼4の平面視は草の刃への誘導用櫛歯形状の例を示している。なおドリルの軸方向は平面か傾斜をつけても切断できスクリューのピッチと回転方向、刃の形状によって選択できる。
【実施例4】
【0058】
図1のような手持ちドリルによる潅木の除去に於て側面露出の図5、図7また刃図12、図13のドリルに刃を付けた片のドリルによって先端ドリル部、回転軸軸部の刃を使って根の切断除去が容易であった。巻き付きの障害はなかった。
【実施例5】
【0059】
踏み固めた土壌を耕作した。図10に相当する掘り起こし機ドリル及び手持ち掘り起こし機ドリル作業を行い、次に手作業で実施した。図4,8、11、12、14,16のドリルいずれもしようできた。粗砕はドリルで行い、土粒を細かく砕く作業はショベル、鍬で容易にできた。
これを全部手作業で実施すると労働負荷が大きい。
【実施例6】
【0060】
プラスチックフイルム、繊維屑、草木を含む堆積土をホリ返した。ショベルでの手作業は困難であったが図1にドリルを使用してドリルに巻きつくことなく掘削し解砕し、土質と上記廃物を容易に分離できた。
【実施例7】
【0061】
木工用板錐(2本、それぞれ幅30mm及び12mm、厚み2mm、軸径8mm、有効軸長105mm)の軸部に内径9.2mmのガス管を筒スクレーパとして図9のように被せた。アーム長は450mmであった。
耕土の掘り返し、硬く踏み固められた芝生土壌の穿孔手入れのいずれも軸巻付きなしに掘削作業できた。力仕事ではなくなった。
(対照例)筒スクレーパなしの時には枯れ草、芝生等が巻き付き作業ができなかった。ドリル機を使わない時には、芝の手入れ、畑の雑草の根切り作業、ショベルによる掘り起こし等は力作業であった。
【実施例8】
【0062】
直径12mm、長さ450mmのネジ棒鋼に先端先細に削り、もくねじ状に7mmピッチ、深さ3mm、軸方向への傾き45度、表裏、2山ずつ溝きり加工した。図1のように手持ちドリルに仕立てて
硬い踏み固めた芝生土壌を梃子のように掘り起こした。労力を要せずに容易に作業できた。芝の根の巻き付きはなかった。長さ50mmの上記棒鋼で作業した。同様に浅い耕作ができた。
[発明の効果]
【0063】
農林業、園芸、家庭菜園、有機、無機堆積物、埋立地、休耕地、荒地開墾の掘り起こし等で繊維質、線、延伸がかかる廃プラスチックフイルム等高強度でドリル、スクリューに巻き付いて作業妨害物が多い土地、山地、廃棄物処理場等の掘り起こし、必要によってそれら妨害物回収、を容易にする。環境対策のサンプル採取、土壌からの有害ガス放散、雨水浸透、排水等の作業を簡便化する。
同時に手指の接触事故を防止し、在来の作業機械と異なり軽量な装置、可搬性ドリルが使え安全性軽量性の故に未熟練労働者、子供でも安全作業が可能になる。農業ではショベル、スコップ、鍬の前作業としてそれらによる耕作を容易にする。掘削、農耕作業では装置を大型化しても利用可能である。本発明によれば小型可搬性、携帯性に優れ、既存ドリル機の活用、耕作機械、間伐、材木切り出し兼用できるので、チェーソーの代りに使え、巻きつきがないので草刈にも使える。

【産業上の利用可能性】
【0064】
電力線、分散配置の太陽光発電等を電源にでき可搬性、担送性ドリルが使えるので辺鄙な山中での山林作業も可能にする。電源は発生源又はその近傍に分散配置可能である。本発明は土壌掘削、掘り起こしだけでなく刃先交換でドリルによる立ち木伐採、粉砕も可能であり、潅木刈、間伐、粉砕、乾燥が分散配置できバイオマス粉体燃料としての搬出コストを下げ経済性を大幅に改善し未利用資源未利用土地、遊休耕地の復活にも有用である。
また簡易なドリルで多数の小孔を安全容易に開けることができ環境問題の解決にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ドリル側面見取り図
【図2】先端ドリル部、回転軸部側面視 開いた断面の見取り図
【図3】スクレーパ部の見取り図
【図4】スクレーパ部、回転軸部外形図 横切削にスクリューが使える場合
【図5】軸方向視 図4相当の例
【図6】先端ドリル部のリーマー刃と環状掻き取り翼又は刃側面視との図
【図7】ドリル刃覆いとスクリュー切欠部に食い込ませた掻取り歯回転軸部、ドリル先端ネジ軸方向視図
【図8】先端リーマー型切削ドリル刃掻き取り歯とドリル側面視 パドル型送り翼の場合
【図9】スクレーパ支持アーム付ドリルの側面説明図
【図10】分解可能な可搬台付ドリル側面視と穿孔、孔拡大、撹拌、解砕の説明図。
【図11】木工ドリル型刃の側面図
【図12】ホールソー型先端のドリル刃説明図
【図13】側面切削歯を持つホールソー型先端のドリル刃説明図
【図14】ハンドル付軽量ドリル側面図
【図15】浮子付ドリル側面図
【図16】大開口筒スクレーパ軸方向見取図
【図17】図16筒スクレーパ軸方向見取図
【図18】草刈図
【図19】草刈機具図
【図20】草刈機具軸方向断面視図
【符号の説明】
【0066】
1 軸、ドリル刃、2 錐体又はリーマー状刃、先ネジ、22 掬い刃、3 筒型、樋型スクレーパ、4 翼、5 溝又は開口、6 スクレーパ支持具、7 留めネジ、8 滑動ワッシャー、
9 ドリルチャック、10 駆動部、11 支持具留めネジ、12 スイッチ、13 ドリル電源、
14 開口 土砂等の取り入れ口、15 開口 土砂等の排出口、
16 駆動軸、17 移動台、18 筒型スクレーパの振れ止め、補強腕、
19 案内用スライドベース、20 作業車、運搬車、
21 スクリュー山、環状の土砂掻き取り刃、22 掬い刃、23 スクレーパの刃、櫛歯、刃、
23 櫛状スクレーパ、24 操作用把手、25車輪、26 処理済土、27 土地、堆積物表面、28 姿勢安定用脚、29 調節用腕、30 送り装置、31 操作レバー、
32 掬い刃、罫書刃、ホールソー刃、34 スクレーパの突起、
37 ネジ継手、溶接継手、ネジ込、39 把手、41 翼の刃、鋸刃、43 筒状スクレーパの部分、44 首振機構、53 水面、54 穿孔深さストッパ、56 草の根、58 草

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有する掘起し機具。
【請求項2】
前記回転軸部と前記スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする掘起し機具。
【請求項3】
前記スクレーパ部にアームを有する請求項1又は2のいずれか記載の掘起し機具。
【請求項4】
先端ドリル部と該先端ドリル部に固着された回転軸部と該回転軸分の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部と該スクレーパ部にいずれか又は双方に刃を有することを特徴とするドリル。
【請求項5】
前記スクレーパ部にアームを有する請求項4記載のドリル。
【請求項6】
前記スクレーパ部が多孔筒又はスリットを有する筒である請求項4又は5記載のドリル。
【請求項7】
前記スクレーパ部に支持部を固着し、該支持部を棒又はパイプ加工物のいずれかとねじ継手で構成したことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか記載のドリル。
【請求項8】
回転軸部と該回転軸部の外側に設けたスクレーパ部を有し、該回転軸部か該スクレーパ部のいずれか又は双方に刃を有することを特徴とする草刈機具。
【請求項9】
前記スクレーパ部にアームを有する請求項8記載の草刈機具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−166822(P2010−166822A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9835(P2009−9835)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(391004816)
【Fターム(参考)】