説明

接合方法、接合構造および接合装置

【課題】 被着物と接着物を高精度に位置決めした後、被着物と接着物とをエネルギ線硬化型接着剤を用いて被着物に接着物を接合する方法について、簡単な装置構成で、接着形態等に拘わらず硬化収縮による硬化時の接着位置のずれと、経時変化による接着位置のずれを回避する接合方法、接合構造および接合装置を提供する。
【解決手段】 エネルギ線硬化特性を有する接着剤3を用い被着物1に接着物2を接合する接合方法において、エネルギ線硬化型接着剤3へ硬化エネルギを予め与えつつ該エネルギ線硬化型接着剤を被着物1若しくは接着物2に塗布することにより、硬化エネルギ量に所定の分布を持たせたエネルギ線硬化型接着剤3の接着層を形成し、かつ前記エネルギ線硬化型接着剤3に与えられた前記硬化エネルギが最も少ない接着層内の領域が前記被着物1と前記接着物2とに架かることがないようにし、その後、前記接着層全体へ一様な硬化エネルギを付与し完全硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギ線硬化特性を有する接着剤を用いて、被着物に接着物を接合する接合方法、接合構造および接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被着物に接着物を接合する接着剤として、熱硬化型や光硬化型等のエネルギ線硬化型接着剤が従来から種々知られており、これらのエネルギ線硬化型接着剤は、反応速度が速く硬化時間が短く、したがって、生産工程の効率化が図られことから、様々な技術分野で利用されている(例えば、特許文献1ないし6参照)。
ところで、このエネルギ線硬化型接着剤は、硬化する際に硬化収縮を生じ、この硬化収縮に伴って応力が発生する。一般に、アクリル系紫外線硬化型樹脂では5〜10%、エポキシ系紫外線硬化型樹脂では2〜5%程度硬化収縮し、この硬化収縮量に比例した硬化収縮力が発生する。
この硬化収縮力による接着強度への影響は僅かであるが、この硬化収縮力が被着物と接着物との間に硬化時の接着位置にずれを生じさせる原因となる。また硬化収縮力が硬化後に内部応力として残留すると、この内部残留応力が時間の経過に伴って解放され、この残留応力の経時変化のために、被着物と接着物との間に接着位置にずれを生じるようになり、これによって、精密組み立て部品の所期の機能が低下し、高精度性能が劣化することがある。
図14(a)〜(c)は一般的な接着方法を示す図であり、(a)は硬化前の状況、(b)はUV光照射後の状況を示す図、(c)は接着硬化後の状況を示す図である。同図において21は被着物、22は接着物、23はUV硬化型接着剤である。まず(a)に示すように被着物21と接着物22との間に接着剤23を塗布し、その後UV光6を照射すると、(b)に示すように接着剤23のうちUV光に近い接着層の上層から下層へと順に硬化が進む(図では硬化エネルギを受け硬化反応が進むほど濃い色で示した)。これはエネルギ線硬化接着剤が所定の吸光率を有しているためであり、接着層の下層に行く程UV光の減衰が大きくなるために必然的に起こる。
この場合、接着層の上層全域で硬化が始まるが、接着物22と被着物21との間のこの領域内でのエネルギ線硬化接着剤23の流動性は無くなり硬化収縮が発生し、位置ずれを生じさせる。また接着層の上層全域で同時に硬化が起こるためエネルギ線硬化接着剤23が流動できず、収縮した分を補充できずに内部残留応力が発生する。
続いて、この層より下層部の硬化が始まるが、この領域内においても同様に硬化収縮と内部残留応力が発生する。その際、上層においては硬化が終了しているにも拘わらず下層の硬化収縮の影響を受けることとなり、さらなる内部残留応力を蓄えてしまい、結果として(c)に示すように接着層に膨大な内部残留応力が蓄積され、接着直後(硬化収縮時)の位置ずれ(d1)だけでなく、経時変化による位置ずれが大きくなる。
このような問題点があるため、特許文献1では、接着剤の粘度を低下させ、加圧して、接着剤層を薄くかつ均一にすることにより、接着剤の硬化収縮や温度変化による体積変化が小さく均一に起こるような工夫を開示している。特許文献2では、半硬化工程と本硬化工程に分けるような工夫を開示している。
【0003】
また特許文献3では、平均粒径10μm以下の酸化物セラミック微粒子を添加して接着剤そのものの硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるような工夫を開示している。特許文献4では、複数のレンズを接合する接着剤の硬化収縮に伴う接合層の収縮に追従してレンズの少なくとも一方を押圧しながら接合し、収縮に起因した応力を低減するような工夫を開示している。
さらに特許文献5では、接着物と被着物の間に中間保持部材を設け、充填接着並みの調整代を許容して、薄い接着剤層のため、接着剤の硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるような工夫を開示している。また、特許文献6では、粒径と密度を揃えた充填剤を添加し、接着剤そのものの硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるような工夫を開示している。
なおさらに、未発表の本出願人の研究には、複数の接着剤を用いて複数層構造にすることで、硬化タイミングをずらして他のエネルギ線硬化型接着剤を硬化させて接着硬化を行い、硬化収縮による位置ずれを極力防ぐ技術または照射制御を行うことで、硬化プロセスの進度に空間的に勾配を持たせ、硬化収縮による内部応力を低減させることで、硬化収縮による経時変化を極力防ぐ技術がある。
【特許文献1】特開2000−090481公報
【特許文献2】特開平06−188550号公報
【特許文献3】特開平07−201028号公報
【特許文献4】特開平09−197105号公報
【特許文献5】特開平10−309801号公報
【特許文献6】特開平10−121013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した問題を回避するためになされた上記の種々の技術開発において、特許文献1および5に記載されたような1つ目の方法は、使用(塗布)する接着剤を薄く少量とし、硬化時の位置ずれや温度変動等による経時変化を低減する方法である。しかし、これらの方法では被着物と接着物との接着構造が限定される上、間接接着であるため別部品を必要とし、接着箇所が増えるという不具合がある。
また、特許文献3および6に記載されたような2つ目の方法は、接着剤自体に手を加える方法であり、具体的にはセラミックス微粒子添加や充填材添加で接着剤の硬化収縮を小さくし、硬化時の位置ずれを抑え、内部残留応力を低減することで温度変動等による経時変化を低減する技術である。そしてこの接着剤開発が近年盛んに行われている。
しかし、この場合は、特殊な接着剤が必要であり、また接着剤量が増えるに伴って硬化収縮量が増え、そのために内部残留応力が大きくなるという不具合がある。
さらに、特許文献2に記載されたような3つ目の方法は、接着剤を半硬化させる工程と本硬化させる工程にわける方法であり、半硬化工程で大部分の収縮力を取り除いた後、本硬化工程で完全硬化させる技術である。
しかし、この方法では、本硬化工程で多少の硬化時の位置ずれが発生し、また内部残留応力は変わらず存在してしまうため、経時ずれを防止することもできない。
さらにまた、特許文献4に記載されたような4つ目の方法は、接着剤の硬化収縮に伴う接合層の収縮に追従して接合層の厚みを調整しながら接合し、収縮に起因した応力を低減する技術である。
しかし、この技術は、基本的に面接着であり接着構造が限定され、また、硬化収縮する接着剤と収縮しない部品の界面に起きる応力のみを低減できるにすぎず、さらに、硬化後の接着剤内部の残留応力を大きく低減することはできないので経時ずれを防止することもできない。
【0005】
上述した未発表の本出願人の研究を用いれば、硬化収縮力を緩和させることで、硬化時の接着位置のずれを抑え、また、内部残留応力を低減させ経時変化を抑制できるが、複数の接着剤が必要であったり、照射装置側で大掛かりな制御が必要になったりするため、余計な装置が必要となり、小型の部品の接着では設計上配置することが難しくなり、これを製作するために大掛かりな装置が必要となってしまう。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、被着物と接着物を高精度に位置決めした後、被着物と接着物とをエネルギ線硬化型接着剤を用いて被着物に接着物を接合する方法について、簡単な装置構成で、接着形態等に拘わらず硬化収縮による硬化時の接着位置のずれと、経時変化による接着位置のずれを回避する接合方法、接合構造および接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、エネルギ線硬化特性を有する接着剤を用い被着物に接着物を接合する接合方法において、エネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを予め与えつつ該エネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することにより、硬化エネルギ量に所定の分布を持たせたエネルギ線硬化型接着剤の接着層を形成し、かつ前記エネルギ線硬化型接着剤に与えられた前記硬化エネルギが最も少ない接着層内の領域が前記被着物と前記接着物とに架かることがないようにし、その後、前記接着層全体へ一様な硬化エネルギを付与し完全硬化させる接合方法を特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の接合方法において、前記硬化エネルギが前記接着層内で段階的に変化するようにエネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを与えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の接合方法において、ノズルから吐出されるエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射強度を予め変化させつつエネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の接合方法において、ノズルから吐出されるエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射時間を予め変化させつつエネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項記載の接合方法において、硬化エネルギ量を多く与えられたエネルギ線硬化型接着剤の部分から被着物若しくは接着物に塗布していくことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、エネルギ線硬化特性を有する接着剤を用いて、被着物に接着物を接合する接合構造において、エネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを予め与えつつ該エネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することにより、硬化エネルギ量に所定の分布を持たせたエネルギ線硬化型接着剤の接着層を形成し、かつ前記エネルギ線硬化型接着剤に与えられた前記硬化エネルギが最も少ない接着層内の領域が前記被着物と前記接着物とに架かることがないよう構成した接合構造を特徴とする。
【0007】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の接合構造において、前記硬化エネルギが前記接着層内で段階的に変化するようにエネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを与えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、エネルギ線硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、塗布時に前記エネルギ線硬化型接着剤へ所定の硬化エネルギ量を付与できる第1のエネルギ線照射手段と、この第1のエネルギ線照射手段の硬化エネルギ量を制御する第1の照射量制御手段と、前記エネルギ線硬化型接着剤を完全硬化させるための第2のエネルギ線照射手段と、前記第2のエネルギ線照射手段を制御する第2の照射量制御手段とを備える接合装置を特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の接合装置において、第1の照射量制御手段がエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射強度を変化させることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の接合装置において、第1の照射量制御手段がエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射時間を変化させることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項8記載の接合装置において、前記接着剤塗布手段が吐出したエネルギ線硬化型接着剤の所望の範囲のみに、前記第1のエネルギ線照射手段から照射する硬化エネルギを付与できる照射範囲制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接着層全体に硬化エネルギを与え硬化開始させても、その硬化途中で流動性を保持した部分と硬化収縮を起こす部分に分けることができるので、流動性を保持した部分が流動変形して硬化収縮に伴う引っ張り応力を吸収することが可能となる。
また、塗布した時点で、接着層が流動性を保持した部分と硬化収縮を起こす部分とを備えているのでオフライン工程で行うことが可能であり、工程時間の短縮ができる。さらに、インライン工程での照射制御を行うことがなく、大掛かりな制御や高価な装置が必要とせず、それによる設置場所を確保する必要がないため既存の設備に置き換え易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここでは、エネルギ線硬化型接着剤(例えば、光硬化型接着剤(UV硬化型接着剤、可視光線硬化型接着剤)、放射線硬化型接着剤、X線硬化型接着剤)を対象として説明する。
これは、熱硬化型接着剤の場合は、硬化させるためにオーブン等で熱を加える必要があり、生産効率の向上の妨げになったり、被着物または接着物によっては熱を許容できなかったりすることがあるためである。
また、嫌気硬化型接着剤の場合は、硬化させるために空気を遮断する必要があり、そのために接着形態が限定される可能性がある。光硬化型接着剤にはこのような問題がなく、熱硬化型接着剤や嫌気硬化型接着剤に比べて取り扱いが容易で実用的だからである。
通常、被着物に接着物を例えばUV硬化型接着剤にて接着接合する場合、接着剤を2部材の界面に塗布し、これにUV(紫外線)光を照射することにより接着剤が硬化して接着される。この接着剤硬化時には、硬化収縮現象が発生し、一般のアクリル系紫外線硬化性樹脂は5〜10%、エポキシ系紫外線硬化性樹脂は2〜5%前後収縮する。
この収縮力による接着強度の低下は僅かであるが、硬化収縮により引っ張り応力を生じ初期の接着位置を保持できなくなってしまう。また硬化後に内部残留応力として存在すると、経時変化として内部残留応力が開放され、初期の接着位置を保持できなくなる。
この硬化収縮による引っ張り応力と内部残留応力は接着剤の硬化収縮と周辺接着剤の流動性に起因しており、硬化収縮により接着剤の体積が減少した際に周辺の接着剤に流動性を保持でき、収縮した分を補充できれば応力は発生しない。すなわち、硬化収縮により接着剤の体積が減少した際に周辺の接着剤も硬化して流動性が無ければ、応力が発生してしまう。
そこで本発明では硬化収縮により接着剤の体積が減少しても、硬化収縮が生じている周辺の接着剤に流動性を保持し、発生する応力を流動性を有する部分で吸収することができる接合方法、接合構造、及び接合装置を提供するものである。
【0010】
図1は本発明による接合方法を実施する接着装置の実施の形態を示す図、図2(a)〜(c)は硬化エネルギ量が部分的に異なるような照射を説明するための図である。
これらの図において、1は被着物、2は接着物、3は接着剤、5aは第1のエネルギ線照射手段、5bは第2のエネルギ線照射手段、6はエネルギ線、7aは第1のエネルギ線照射制御手段、7bは第2のエネルギ線照射制御手段、8は接着剤塗布手段、9は塗布手段用動作手段、10は動作制御手段、11は全体の制御手段である。第1および第2のエネルギ線照射手段は硬化エネルギ線を放射するエネルギ源と、放射されたエネルギ線を所定位置まで導光する光ファイバと、導光されたエネルギ線を硬化箇所に集光するための集光レンズまたは発散レンズとを備えている。
【0011】
まず、接着物2と被着物1とを接着剤3で接着する場合、接着剤塗布手段8と、該接着剤塗布手段8を任意位置へ動作させる塗布手段用動作手段9と、該塗布手段用動作制御手段の動作制御手段10と全体の制御手段11により、エネルギ線硬化接着剤3を所望の配置へ塗布すると同時に、接着剤塗布手段8と連動して動く第1のエネルギ線照射手段5aからエネルギ線硬化接着剤3に対応したエネルギ線6を第1のエネルギ線照射制御手段7aで制御して射出させ、エネルギ線硬化接着剤3を完全に硬化させないようにかつ接着層に与えられる硬化エネルギ量が部分的に異なるように照射する(図2(a)、(b)参照)。
次に、(c)に示すように、接着物2をセットし、接着物2と被着物1の相対位置を決め、第2のエネルギ線照射手段5bからエネルギ線硬化接着剤3にエネルギ線6を第2のエネルギ線照射制御手段7bで制御して射出させ、エネルギ線硬化接着剤3の全体に一様に照射して完全に硬化させる。装置全体の動作やタイミングの制御は全体の制御手段11で行う。
このように、エネルギ線硬化接着剤3に硬化エネルギを予め与えておけば、その分の硬化エネルギ量は蓄積されるので、硬化エネルギを与えていないエネルギ線硬化接着剤3よりも完全硬化までの時間が早くなり、必然的に硬化収縮に伴う硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングも早くなる。
【0012】
図3は塗布装置周辺の構成の第1の実施の形態を示す図であり、図1および2と同一の部位には同一の符号を付している。図3に示した構成は集光レンズ12を用いることにより、接着剤塗布手段8のノズルから出てくるエネルギ線硬化接着剤3へエネルギ線照射手段5aからのエネルギ線6を正確に照射することができる。このように、塗布手段8(図1参照)のノズルから吐出した部分(範囲)のみに硬化エネルギが与えられるよう第1のエネルギ線照射手段5aからのエネルギ線6を集光レンズ12により集光させるものであれば、接着層の他の部分に必要以上の硬化エネルギが加わることがなくより正確に接着層を構成できる。
図4は塗布装置周辺の構成の第2の実施の形態を示す図であり、図1および2と同一の部位には同一の符号を付している。図4に示した構成は接着剤塗布手段8のノズル側面に無数の穴14を設け、該穴部分を透明な材質でふさぐことにより、エネルギ線硬化接着剤3が接着剤塗布手段8のノズルを通過する間にエネルギ線6を照射するものである。また、穴14を設ける代わりにノズル全体または一部を透明な材質で構成し、エネルギ線硬化接着剤3が接着剤塗布手段8のノズルを通過する間にエネルギ線6を照射するようにしてもよい。
【0013】
図5は塗布装置周辺の構成の第3の実施の形態をA−A’断面とともに示す図であり、図1および2と同一の部位には同一の符号を付している。図5に示した構成は、接着剤塗布手段8のノズルの外周部にエネルギ線照射手段(図示せず)のエネルギ線6を伝達させるファイバ13(A−A’断面で示す)を埋め込んでおき、接着剤塗布手段8のノズルから出てくるエネルギ線硬化接着剤3へエネルギ線6を照射できる。
このようにして塗布したエネルギ線硬化接着剤3は、所定の硬化エネルギを介在した状態で、接着層の一点に塗布された状態となる。硬化エネルギ量の制御はエネルギ線照射強度×照射時間で決まる。そのため、エネルギ線硬化型接着剤に予め与える硬化エネルギ量の制御はエネルギ線の照射強度を変化させつつ塗布して行うか、照射強度を一定にして塗布する時間を変化させることで可能となる。
本発明の骨子は、1つの接着剤で硬化プロセスの進度(進み具合)を段階的に変化させ、硬化する接着剤の隣接部(の接着剤3)に流動性を確保し、接着直後(硬化収縮時)の位置ずれと内部残留応力の低減による経時変化後の位置ずれを防止して極めて高精度な接着(接合)を可能とするものである。
【0014】
図6(a)〜(c)は本発明による接着(接合)方法を示す図であり、従来技術で説明した従来の接着方法(図14)と比較するために用いる説明図である。まず(a)に示すようエネルギ線硬化接着剤3に硬化エネルギを照射して硬化させる際に、エネルギ線硬化接着剤3の流動性がなくなって、外部と接した箇所を通して硬化収縮力を外部へ伝えられるまでの硬化エネルギ量が異なるように、接着(エネルギ線硬化接着剤3)層の部分ごとに硬化エネルギ量を予めコントロールして照射し、塗布して接着層を形成する。3aは硬化エネルギ量の最も少ない部分、3bは硬化エネルギ量の多い部分である。接着層は、硬化エネルギ量の最も少ない部分3aが被着物1と接着物2とに架かることがないように分断した構造とする。
このため、(b)に示すように接着層3a、3b全体に硬化エネルギであるエネルギ線6を与え硬化を開始させても、その硬化途中で流動性を保持した部分3aと硬化収縮を起こす部分3bに分かれ、流動性を保持した部分3aが流動変形して接着層3bの硬化収縮に伴う引っ張り応力を矢印に示したように吸収することが可能となる。
より具体的には、エネルギ線硬化型接着剤3a、3bが硬化する際に、硬化収縮に伴う硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングの早い部分3bと遅い部分3aができる。予めエネルギ線を所定量照射された到達タイミングの早い部分3bが硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングに達した時点では、残余の部分のエネルギ線硬化型接着剤3aは未だ流動性を保っている状態となる。
【0015】
ここで硬化収縮に伴う硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングとは、接着部の層のそれぞれにおいてエネルギ線硬化型接着剤の流動性がなくなり被着物1または接着物2をずらすことができる瞬間をいう。
エネルギ線硬化型接着剤3a、3bが硬化すると硬化収縮が起こり、引っ張り応力が発生するが、到達タイミングの早い部分3bの引っ張り応力が発生する際には残余の部分3aによって到達タイミングの早い部分3bが被着物1と接着物2とに架かることがないように形成されている。
したがって、この引っ張り応力は残余の流動性を保持した部分のエネルギ線硬化型接着剤3aにのみ働き、流動性を保持したエネルギ線硬化型接着剤3aは硬化収縮によって生じる硬化収縮分を補填(補充)するように流動変形し、この引っ張り応力が被着物1まで伝播することなく、被着物1に対する接着物2の位置ずれは発生しない。
また、到達タイミングの早い部分3bでは被着物1と接着物2とに硬化収縮を阻害されず自由に硬化できるため、内部残留応力が発生しない。内部残留応力は経時変化を起こす重要な要素であるので、内部残留応力を抑えることで経時変化を抑えることができる。
続いて、(c)に示すように残余の到達タイミングの遅い部分3aが到達タイミングに達する過程においても硬化収縮は起こり引っ張り応力が発生する。到達タイミングが遅い部分3aが硬化する際に発生する引っ張り応力は他に吸収されず、接着物2に伝播し、その結果、被着物1に対する接着物2の位置ずれは生じてしまうものの、すでに発生した引っ張り応力は吸収されてしまっている分、ずれ幅は小さく抑えられる。
すなわち、図14(a)〜(c)に示したように、硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングの異なる複数の部分を有さず、接着部を構成するエネルギ線硬化型接着剤3を均等に硬化させる接合構造の場合、エネルギ線硬化型接着剤の硬化収縮に伴う引っ張り応力を吸収するものがなく、したがって、この引っ張り応力が被着物21から接着物22にまで直接伝播するため、エネルギ線硬化型接着剤23の硬化に伴う硬化収縮分がそのまま被着物21に対する接着物22の位置ずれ分になって現れ、ずれ幅の大きい位置ずれが発生するが、本発明に係る接合方法では図6(a)〜(c)に示すようにエネルギ線硬化型接着剤の硬化に伴う硬化収縮を接着剤の一部で吸収するのでずれ幅を小さくすることができる。
【0016】
図7はエネルギ線照射、重合率および位置ずれの関係をグラフで示す図である。同図に示すようにエネルギ線照射に応じて重合率が所定時間経過後に変動し、さらに重合率の変動から所定時間経過後に位置ずれが発生する。なお、前述したように、硬化収縮に伴う硬化収縮力を外部へ伝えられる到達タイミングとは、接着部の層のそれぞれにおいてエネルギ線硬化型接着剤の流動性がなくなり被着物1または接着物2をずらすことができる瞬間をいい、この瞬間は、必ずしも重合率などで示すものではなく、エネルギ線硬化型接着剤3の粘度と被着物1または接着物2の重さ、摩擦係数に密接に関係するものである。
図8(a)〜(c)は本発明による接着(接合)方法の第2の実施の形態を示す図である。
本発明によれば、エネルギ線硬化型接着剤3に硬化エネルギを照射して硬化する際に、エネルギ線硬化型接着剤3の流動性がなくなって、外部と接した箇所を通して硬化収縮力を外部へ伝えられるまでの硬化エネルギ量が異なるように、接着層(エネルギ線硬化型接着剤層)3の部分ごとに硬化エネルギ量を予めコントロールして照射しながら塗布して接着層を形成する。
そのとき、エネルギ線硬化型接着剤3の硬化エネルギ量を段階的に変化させ、硬化するエネルギ線硬化型接着剤3の隣接部(の接着剤)に流動性を確保するように構成する。図8(a)においてはエネルギ線硬化型接着剤3の右側の硬化エネルギ量が高く、左側の硬化エネルギ量が低い状態を示している。
この状態で接着硬化した場合、図8(b)に示すように、接着層には最も硬化が遅い部分のみ(図においては左端)に内部残留応力が蓄積するため、エネルギ線硬化型接着剤3が保有する内部残留応力量が圧倒的に少なくなり、経時変化後の位置ずれを防止して極めて高精度な接着(接合)を可能とするものである。また、接着層に付与する硬化エネルギ量が多い箇所からエネルギ線硬化型接着剤を塗布することで、接着層の他の部分に硬化エネルギが伝達するのを極力防ぎ、正確に接着層を構成できる。
【0017】
図9(a)〜(c)は本発明に係る接合方法の第1乃至第2の実施の形態における硬化エネルギ量の分布の一例をグラフで示す図である。
接着層を構成するときの硬化エネルギ量の分布は、主として接着直後(硬化収縮時)の位置ずれを防止する場合には、流動性を保持する部分をできるだけ少なくし、早いタイミングの部分と遅いタイミングの部分とが明確に分かれた方が好ましい。このためには図6(a)〜(c)に示したような接合方法を用い、図9(a)のような硬化エネルギ量の分布を持たせると良い。
また、最終的に位置ずれを起こす部分のタイミングが明確であれば良いため、図8(a)〜(c)に示したような接合方法を用い、図9(b)に示したように硬化エネルギ量に傾きを設けたり、あるいは図9(c)に示したように硬化エネルギ量を複数段階に別かれるように設定しても良い。
図10(a)〜(c)は本発明に係る接合方法による硬化エネルギ量分布の他の例を示す図である。接着層を構成するときの硬化エネルギ量の分布は、主として経時変化後の位置ずれを防止する場合には、同時に硬化する部分をできるだけ少なくすれば良いので、図10(a)〜(c)に示すように端部〜中央〜端部にかけて硬化エネルギ量が最も高い部分があり、そこから連続的に低下するように分布を持たせると良い。
この硬化エネルギ量を含んだ接着部に一様にエネルギ照射すると、最も硬化エネルギ量の高い部分が最も早く硬化プロセスが進み、硬化エネルギ量が少ない部分へ行くほど硬化プロセスの進度が遅く硬化する。特に、図9(b)に示した硬化エネルギ量分布の場合には接着直後の位置ずれ防止と経時変化後の位置ずれ防止の両方の性質を備えることができるため、最も好ましい形態となる。
図11(a)〜(c)はそれぞれ肉盛接着(接合)に適応した場合を示す斜視図、硬化エネルギ量の分布をグラフで示す図、肉盛接着を示す部分図である。接着方法や原理については、図1〜図10記載の面接着の場合と同様であるので省略する。
【0018】
図12(a)〜(c)はそれぞれ充填接着(接合)とよばれる接着形態を示す斜視図、硬化エネルギ量の分布をグラフで示す図、充填接着を示す断面図である。
図12(a)〜(c)に示すような充填接着は、被着物1と接着物2の相対的位置関係の調整軸数が多い場合にとくに用いられ、図のように、被着物1、接着物2のどちらか一方にピンを、他方に穴を設け、位置調整後、エネルギ線硬化型接着剤3を充填して接着する。この場合も充填接着の場合も面接着や肉盛接着と同様に考えることができる。
被着物1はガラス板、セラミックス板、金属板等の光学ベースから構成されている。また、接着物2はレンズ、回折格子、ミラー等の光学素子、受光素子、発光素子、CCD等の固体撮像素子等の光学部品から構成されている。
【0019】
図13は本発明の接着(接合)方法の全体の制御の流れを説明するフローチャートである。先ず、接着物2、被着物1を調整により所定の位置にセットする(S1)。次にエネルギ線硬化型接着剤3を所定の硬化エネルギ量に基づいたエネルギ線照射を行いながら塗布し、硬化エネルギ量の分布を持たせた接着層をセットする(S2)。次に、エネルギ線硬化型接着剤3に対応する照射条件(積算光量)をセットし(S3)、硬化箇所にエネルギ線照射を行う(S4)。この際、エネルギ線照射光量を算出し(S5)、算出された積算光量と予め設定されているエネルギ線硬化型接着剤3の硬化が終了する積算光量とを比較して、積算光量が設定値(硬化が終了する積算光量)に到達したかどうか判定し(S6)、積算光量が設定値に達していない場合(ステップS6にて“N”)にはステップS4に戻り、一方、積算光量が設定値に達した場合(ステップS6にて“Y”)には、照射を終了する。
エネルギ線硬化型接着剤3の硬化の判断は、例えばエネルギ線照射強度が予め判っているので、エネルギ線照射強度×照射時間=積算光量の関係から照射時間を測ることで積算光量が判り、この積算光量とエネルギ線硬化型接着剤3の硬化に必要な積算光量と比較することにより行う。
また、制御フローのステップS1〜S2までは塗布工程、ステップS3〜S6までは調整・接着硬化工程であり、2つの工程に分けて、並列して作業することでタクト時間の短縮を行うことも可能になる。
【0020】
上記のように本発明に係る接合方法では、エネルギ線硬化型接着剤に硬化エネルギを照射して硬化する際に、エネルギ線硬化型接着剤の流動性がなくなって、外部と接した箇所を通して硬化収縮力を外部へ伝えられるまでの硬化エネルギ量が異なるように、接着層の部分ごとに硬化エネルギ量を予めコントロールして照射しつつ塗布して接着層を形成するので、硬化エネルギ量の最も少ない部分によって他の部分の硬化収縮に伴う引っ張り応力を吸収することができる。
したがって、接着層には最も硬化が遅い部分のみに内部残留応力が蓄積し、エネルギ線硬化型接着剤が保有する内部残留応力量が圧倒的に少なくなるので経時変化後の位置ずれを防止して極めて高精度な接着接合を可能とすることができる。
また、塗布した時点で、上記の構造を満たすことができるのでオフライン工程で行うことが可能であり、工程時間の短縮ができる。さらに、インライン工程での照射制御を行うことがなく、大掛かりな制御や高価な装置が必要とせず、それによる設置場所を確保する必要がないため既存の設備に置き換え易い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による接合方法を実施する接着装置の実施の形態を示す図である。
【図2】(a)は硬化エネルギ量が部分的に異なるような照射を説明する図、(b)は被着物上の接着剤を示す図、(c)は第2のエネルギ線照射手段からの接着剤に対応したエネルギ線照射を示す図である。
【図3】塗布装置周辺の構成の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図4】塗布装置周辺の構成の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図5】塗布装置周辺の構成の第3の実施の形態をA−A’断面とともに示す概略図である。
【図6】(a)は本発明による接着(接合)方法を示す図、(b)は本発明による接着方法におけるUV光の照射を示す図、(c)は本発明による接着方法での接着硬化を示す図である。
【図7】エネルギ線照射、重合率および位置ずれの関係をグラフで示す図である。
【図8】(a)は本発明による接着(接合)方法の第2の実施の形態を示す図、(b)は本発明による接着方法におけるUV光の照射を示す図、(c)は本発明による接着方法での接着硬化を示す図である。
【図9】(a)〜(c)は硬化エネルギ量の分布の例をグラフで示す図である。
【図10】(a)〜(c)は硬化エネルギ量の分布の他の例をグラフで示す図である。
【図11】(a)は肉盛接着(接合)に適応した場合を示す斜視図、(b)はその場合の硬化エネルギ量の分布をグラフで示す図、(c)は肉盛接着を示す部分図である。
【図12】(a)は充填接着(接合)とよばれる接着形態を示す斜視図、(b)はその場合の硬化エネルギ量の分布をグラフで示す図、(c)は充填接着を示す断面図である。
【図13】本発明の接着(接合)方法の全体の制御の流れを説明するフローチャートである。
【図14】(a)〜(c)は一般的な接着方法を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 被着物
2 接着物
3 エネルギ線硬化型接着剤(接着層)
3a 流動性を保持した部分
3b 硬化収縮を起こす部分
5a 第1のエネルギ線照射手段
5b 第2のエネルギ線照射手段
6 エネルギ線
7a 第1のエネルギ線照射制御手段
7b 第2のエネルギ線照射制御手段
8 接着剤塗布手段
9 塗布手段用動作手段
10 動作制御手段
11 全体の制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ線硬化特性を有する接着剤を用い被着物に接着物を接合する接合方法において、エネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを予め与えつつ該エネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することにより、硬化エネルギ量に所定の分布を持たせたエネルギ線硬化型接着剤の接着層を形成し、かつ前記エネルギ線硬化型接着剤に与えられた前記硬化エネルギが最も少ない接着層内の領域が前記被着物と前記接着物とに架かることがないようにし、その後、前記接着層全体へ一様な硬化エネルギを付与し完全硬化させることを特徴とする接合方法。
【請求項2】
前記硬化エネルギが前記接着層内で段階的に変化するようにエネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを与えたことを特徴とする請求項1記載の接合方法。
【請求項3】
ノズルから吐出されるエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射強度を予め変化させつつエネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することを特徴とする請求項1または2記載の接合方法。
【請求項4】
ノズルから吐出されるエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射時間を予め変化させつつエネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することを特徴とする請求項1または2記載の接合方法。
【請求項5】
硬化エネルギ量を多く与えられたエネルギ線硬化型接着剤の部分から被着物若しくは接着物に塗布していくことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の接合方法。
【請求項6】
エネルギ線硬化特性を有する接着剤を用いて、被着物に接着物を接合する接合構造において、エネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを予め与えつつ該エネルギ線硬化型接着剤を被着物若しくは接着物に塗布することにより、硬化エネルギ量に所定の分布を持たせたエネルギ線硬化型接着剤の接着層を形成し、かつ前記エネルギ線硬化型接着剤に与えられた前記硬化エネルギが最も少ない接着層内の領域が前記被着物と前記接着物とに架かることがないよう構成したことを特徴とする接合構造。
【請求項7】
前記硬化エネルギが前記接着層内で段階的に変化するようにエネルギ線硬化型接着剤へ硬化エネルギを与えたことを特徴とする請求項6記載の接合構造。
【請求項8】
エネルギ線硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、塗布時に前記エネルギ線硬化型接着剤へ所定の硬化エネルギ量を付与できる第1のエネルギ線照射手段と、この第1のエネルギ線照射手段の硬化エネルギ量を制御する第1の照射量制御手段と、前記エネルギ線硬化型接着剤を完全硬化させるための第2のエネルギ線照射手段と、前記第2のエネルギ線照射手段を制御する第2の照射量制御手段とを備えることを特徴とする接合装置。
【請求項9】
第1の照射量制御手段がエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射強度を変化させることを特徴とする請求項8記載の接合装置。
【請求項10】
第1の照射量制御手段がエネルギ線硬化型接着剤へ照射するエネルギ線の照射時間を変化させることを特徴とする請求項8記載の接合装置。
【請求項11】
前記接着剤塗布手段が吐出したエネルギ線硬化型接着剤の所望の範囲のみに、前記第1のエネルギ線照射手段から照射する硬化エネルギを付与できる照射範囲制御手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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