説明

接着剤組成物

【課題】十分な耐熱耐水性と使用可能時間とを有し、シート類のオーバーレイに用いることのできる一液型水性エマルジョン接着剤の提供。
【解決手段】 カルボキシル基を含有する重合体(A)と、ポリウレタン(B)と、カルボキシル基に対して反応可能な官能基を有する化合物(C)とを含有し、重合体(A)100重量部に対し、ポリウレタン(B)の含有量が1重量部以上、かつ20重量部以下であり、化合物(C)の含有量が0.1重量部以上、かつ15重量部以下である接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフィルムや紙などのシートを住宅建材や家具などの表面に貼り付ける際に用いる接着剤は、近年問題となっている「シックハウス症候群」の原因と推測される各種の可塑剤や有機溶剤等の揮発性有機化合物(以下、「VOCs」と称する。)が配合されているという問題点を有する。そのため、VOCsを揮発させない水性エマルジョン型接着剤を使用することが行われている。しかし、この水性エマルジョン型接着剤は、従来のVOCsが配合された有機溶剤型接着剤に比べて接着力が低く、加熱処理に耐えられなかったり、耐水性に問題があったりする場合がある。このため、種々の改良検討が行われている。
【0003】
例えば、加熱処理を行うことなく使用でき、ドライ接着時における接着性などを向上させた二液型接着剤として、カルボキシル基を含有するアクリル系重合体及びポリウレタンからなる成分と、イソシアネート系架橋剤、ポリオキサゾリン系架橋剤、ポリカルボジイミド系架橋剤等からなる成分とからなる接着剤が特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−67803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の接着剤は二液型接着剤であるために、使用前に二液を混合する必要があり、作業に手間がかかっていた。また、使用可能時間(ポットライフ)が比較的短いために、予め接着剤を塗っておく用途には向かなかった。
【0006】
そこでこの発明は、十分な耐熱耐水性と使用可能時間とを有し、シート類の貼り付けに用いることができる一液型水性エマルジョン接着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、カルボキシル基を含有する重合体(A)と、ポリウレタン(B)と、カルボキシル基に対して反応可能な官能基を有する化合物(C)とを含有し、上記重合体(A)100重量部に対し、上記ポリウレタン(B)の含有量が1重量部以上、かつ20重量部以下であり、上記化合物(C)の含有量が0.1重量部以上、かつ15重量部以下である接着剤組成物を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0008】
この発明にかかる接着剤組成物は一液型であるので、使用前に二液を混合する作業を行うことなく用いることができる。また、構成する成分を所定の混合比にすることによって、二液型接着剤とほぼ同等の耐熱耐水性を発揮することが出来る。
【0009】
これらのため、この発明にかかる接着剤組成物は、シート類を住宅基材や家具等に貼り付ける際に好適に用いることができる。さらに、所定の混合比としたことによって、使用可能時間を長時間確保でき、使いやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、カルボキシル基を含有する重合体(A)と、ポリウレタン(B)と、カルボキシル基に対して反応可能な官能基を有する化合物(C)とを含有する接着剤組成物である。
【0011】
上記のカルボキシル基を含有する重合体(A)とは、主鎖に直接カルボキシル基が結合したものだけでなく、側鎖にカルボキシル基が結合したものも含む。また、重合体(A)を構成する繰り返しの構成単位の一部にカルボキシル基を有するものでもよいし、上記構成単位の全てがカルボキシル基を有するものでもよい。
【0012】
上記のカルボキシル基を含有する重合体(A)は上記の中でも、酢酸ビニルと、カルボキシル基を有する単量体を含む少なくとも1種類以上の単量体とからなる単量体混合物を重合した共重合体であると、密着性の向上の点で好ましい。中でもエチレンを共重合成分として有するものは、通常用いられるシート基材との親和性が高くなり好ましい。
【0013】
また、上記のカルボキシル基を含有する単量体とは、カルボキシル基と、重合性のビニル基とを有する単量体をいい、例えば(メタ)アクリル酸が挙げられ、アクリル酸がより好ましい。なお、この発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味し、その両者を併用する場合も含む。
【0014】
さらに、上記の単量体としては、酢酸ビニルとは別に、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系炭化水素や、アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレン等のビニル基を有する単量体を1種類又は2種類以上有していてもよい。これらの中でも、エチレンを用いるのが、通常用いられる基材との親和力向上の点で好ましい。なお、本発明において用いられる基材とは、この発明にかかる接着剤組成物を適用する被着体を言うが、中でもプラスチックフィルム及び木質材料が好ましい。プラスチックフィルムの材料としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0015】
上記の重合体(A)の中でも好ましい上記共重合体は、上記の単量体混合物を任意の方法で乳化重合することにより得ることができる。また、この発明による効果を損なわない範囲で、上記した以外の単量体を含んでいてもよい。さらに、重合により得られる共重合体が、後述する酸価の条件を満たすように混合すると好ましい。
【0016】
これらの単量体混合物の共重合体を形成する際の好ましい組成は、酢酸ビニル(オレフィン系炭化水素を含む場合はこれとの合計量)100重量部に対してカルボキシル基を含有する単量体が0.2重量部以上であるのが好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。0.2重量部未満では、共重合体としての極性が小さくなり、ポリオレフィン等の無極性基材への密着性が低下する。一方、この上限は20重量部以下であるのが好ましく、15重量部以下がより好ましい。20重量部を超えると、親水性が大きくなりすぎて、やはり基材の種類によっては密着性が低下することがある。
【0017】
上記単量体混合物がオレフィン系炭化水素を含む場合、その使用割合としては、例えばエチレンを用いる場合、酢酸ビニル/エチレン=90/10〜20/80(重量比)が好ましく、80/20〜25/75がより好ましい。90/10よりもエチレンの割合が少ない場合は、得られる接着剤の被膜が硬くなり、接着性が低下することがある。一方で、20/80よりもエチレンの割合が多いと、接着剤から得られる被膜が過度に柔軟となり、耐熱接着性が低下する傾向となる。
【0018】
このような重合体(A)としては、例えば、エチレン及び酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸とを上記の比率で共重合させた、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体や、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体が、好適に用いられる。
【0019】
上記の乳化重合においては、使用される温度、圧力等の条件、重合触媒、保護コロイド剤、乳化剤等は特に限定されない。このうち、保護コロイド剤としては、ポリ酢酸ビニルを部分ケン化又は完全ケン化したポリビニルアルコール(以下、まとめて「PVA」と略する。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全ケン化物、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、デンプンやゼラチン等の天然水溶性高分子を用いることができる。
【0020】
上記の保護コロイド剤として用いるPVAは、ケン化度が70%以上であるのが好ましく、85%以上であるとより好ましい。上記ケン化度が70%より低いと、重合安定性が不十分となりやすいためである。一方、99.5%より大きいと、得られる分散液の粘度安定性が悪化し、経時的な粘度変化を起こすことがあるので、99.5%以下が好ましい。
【0021】
上記の保護コロイド剤として用いるPVAの重合度の下限は、300以上であるとよく、500以上であるとより好ましい。300より小さいと、得られる分散液の耐温水接着性が不十分となりやすいためである。一方で、上限は3000以下であるとよく、2700以下であるとより好ましい。3000より大きいと、分散液の粘度が高くなり、作業性が悪化する傾向となるためである。
【0022】
また、上記の乳化重合に用いる乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン界面活性剤等を、この発明の目的、効果を損なわない限り、特に制限無く用いることができる。
【0023】
これらの保護コロイド剤や乳化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの保護コロイド剤や乳化剤を合わせた使用量は、上記重合体(A)の製造に用いる上記の単量体の合計量に対し、1重量%以上がよく、2重量%以上であるとより好ましい。1重量%より小さいと、重合安定性が不足することがある。一方で、20重量%以下であるとよく、15重量%以下であるとより好ましい。20重量%より大きいと、得られる共重合体の粒子径が小さくなり過ぎて分散液の粘度が高くなり、また、耐温水接着性も悪化する場合があるためである。
【0024】
なお、上記重合体(A)としては、単量体としての酢酸ビニルに由来するポリ酢酸ビニルの構成単位中にあるエステル基部分の一部をケン化してポリビニルアルコールの構成単位とした部分加水分解物も含む。このような構成単位を含む重合体(A)は、上記のような乳化重合を行った後に、加水分解を行うことで得られる。ただし、共重合体中の水酸基の含有量が多すぎると、耐水性が低下したり、基材の種類によっては密着性が損なわれるので、加水分解を行う場合はそうした点を考慮してケン化の程度を調整するのが好ましい。
【0025】
上記の重合体(A)のガラス転移点は、−40℃以上であるのが好ましく、−30℃以上であるとより好ましい。−40℃未満であると、耐水接着性が悪化する傾向がある。一方で、20℃以下であると好ましく、10℃以下であるとより好ましい。20℃より高いと、低温造膜性が不十分となり、接着性が不十分となる傾向がある。
【0026】
上記の重合体(A)の酸価は、上記の単量体群の混合比により調整することができ、下限が1.5mgKOH/g以上であるのが好ましく、2mgKOH/g以上であるとより好ましく、3mgKOH/g以上であるとさらに好ましい。1.5mgKOH/g未満であると、得られる接着剤組成物を用いた際の密着性が低下する場合がある。一方で、上限は60mgKOH/g以下であると好ましく、50mgKOH/g以下であるとより好ましく、30mgKOH/g以下であるとさらに好ましい。60mgKOH/gより大きいと、重合時の安定性が低下し、良好な分散液が得られないことがある。なお、上記酸価は、JIS K 2501に記載の方法に従って測定することができる。
【0027】
上記のポリウレタン(B)とは、イソシアネート基と水酸基とがウレタン化反応により結合した高分子化合物をいい、分子内に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物(a)と、分子内に水酸基を2個以上含有する化合物(b)とを反応させて得ることができる。
【0028】
上記の分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物(a)としては、通常のウレタン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネート化合物であって、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5’−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチロールプロパンとトルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとのアダクト体等のトリイソシアネート類などがあげられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】
上記の分子内に水酸基を2個以上含有する化合物(b)としては、まず、通常の多価アルコールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール化合物が挙げられる。
【0030】
また化合物(b)としては、上記のポリオール化合物と、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸類とをエステル重合させたポリエステルポリオール類や、ポリカプロラクトンポリオール、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオールなどの、分子内に水酸基を2個以上有し、かつ骨格としてポリエステル骨格を有する化合物(以下、「b1」と記す。)も用いることができる。
【0031】
さらに他の化合物(b)としては、分子内に水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール化合物があげられ、具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類などの分子内に水酸基を2個以上有し、かつ骨格としてポリエーテル骨格を有する化合物(以下、「b2」と記す。)などの水酸基を2個以上有する高分子化合物を用いてもよい。
【0032】
なお、これらの化合物(b)は1種類のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
ポリウレタン(B)であるウレタンポリマーは、上記の化合物(a)、(b)を、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等の親水性の揮発性溶剤の存在下で反応させて得られる。また、上記の化合物(b)として、上記の化合物(b1)と化合物(b2)とを併用してもよい。
【0034】
なお、上記ポリウレタン(B)には、この発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオール化合物、例えば、ポリブタジエンポリオール又はその水添物、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオールが使用されてもよい。
【0035】
上記のポリウレタン(B)が存在することにより、この発明で得られる接着剤組成物を使用する際に、塗布する基材への浸透性が高くなり、耐熱性を向上させることができる。
【0036】
さらに、上記のポリウレタン(B)は、得られたポリウレタン樹脂を、アセトン法、プレポリマーミキシング法、ケチミン法、ホットメルトディスパージョン法等の公知の方法で水分散性ポリウレタンに転化させて用いるとより好ましい。
【0037】
上記のポリウレタン(B)が水分散性ポリウレタンであると、この発明にかかる接着剤組成物を水性エマルジョンとして用いることができるのでより好ましい。この水分散性ポリウレタンとは、上記化合物(a)等の分子内に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物、上記化合物(b1)及び上記化合物(b2)等の高分子ポリオール、及び必要により鎖伸長剤を反応させた重合体であり、水溶媒中に分散可能であるものをいう。
【0038】
この水分散性ポリウレタンの具体例としては、住友バイエルウレタン(株)製;ディスパコールU−42、U−53、U−54、U−56、KA−8481、KA−8584、大日本インキ化学工業(株)製;ハイドランHW−111、HW−311、HW−333、HW−350、HW−337、HW−374、AP−20、AP−60LM、AP−80、三洋化成工業(株)製;サンプレンUXA−3005、UXA−306、UX−312、第一工業製薬(株)製;スーパーフレックス107M、110、126、130、150、160、300、361、370、410、420、460、700、750、820等が挙げられる。なお、これらは全て商品名である。
【0039】
カルボキシル基と反応可能な官能基を有する化合物(C)は、重合体(A)が含有するカルボキシル基と反応して架橋可能な官能基を複数個有する化合物である。この化合物(C)としては、例えば、ポリアミドエポキシ化合物、ポリオキサゾリン化合物、多価グリシジル化合物、アセチルアセトネート基含有化合物等が挙げられ、これらのうちの1種又は複数を混合して用いてもよい。
【0040】
上記ポリアミドエポキシ化合物としては、例えば、ポリアミンポリアミド類にエピハロヒドリンを反応して得られる樹脂等が挙げられる。
【0041】
上記ポリアミンポリアミド類としては、例えば、ジカルボン酸類とポリアルキレンポリアミン類との重縮合物等が挙げられる。このポリアミンポリアミド類に使用されるジカルボン酸類としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸類、このジカルボン酸類のナトリウム塩やカリウム塩等の塩類、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等のジカルボン酸エステル;無水コハク酸、無水グルタル酸等のジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0042】
上記ジカルボン酸類の中でも、炭素数3〜10程度の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。上記ジカルボン酸類は、1種類のみを使用してもよく、異なる2種類以上のジカルボン酸類を混合して使用してもよい。
【0043】
上記ポリアルキレンポリアミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等があげられる。
上記ポリアルキレンポリアミン類の中でも、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンがより好ましい。上記ポリアルキレンポリアミン類は、1種類のみを使用してもよく、異なる2種類以上のポリアルキレンポリアミン類を混合して使用しても良い。
【0044】
上記ポリアミンポリアミド類を与える重縮合反応において、ポリアルキレンポリアミン類の1級アミノ基(末端アミノ基)1当量に対し、ジカルボン酸類を、0.9〜1.4当量使用するのが好ましく、0.9〜1.2当量使用するのが好ましい。また、この重縮合反応において、アミノカルボン酸類やジアミン類を併用しても良い。
【0045】
このアミノカルボン酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、アミノカプロン酸等のアミノカルボン酸及びそのエステル、カプロラクタム等のラクタム類があげられる。また、上記ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等があげられる。
【0046】
上記重縮合反応としては、例えば、常圧下または減圧下にて、約50〜250℃程度の反応温度により、生成する水またはアルコールを系外に除去する方法などがあげられる。得られた反応生成物の50%水溶液の粘度が、約100mPa・s以上、好ましくは約400mPa・s〜1000mPa・sになるまで反応せしめる。
【0047】
上記重縮合反応において、鉱酸及びスルホン酸類を触媒として用いることもできる。この鉱酸の例としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等があげられ、また、このスルホン酸類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等があげられる。上記触媒の中でも、硫酸又はスルホン酸類がより好ましい。
【0048】
ここで、触媒の使用量としてはポリアルキレンポリアミン1モルに対して、通常、0.005〜0.1モル程度、好ましくは0.01〜0.05モルである。
【0049】
このポリアミドエポキシ化合物の具体例としては、例えば、東邦化学工業(株)製、スパラミン30(商品名)が挙げられる。
【0050】
また、上記のポリオキサゾリン化合物とは、2−オキサゾリン基が2つ以上含まれている化合物のことをいう。このポリオキサゾリン化合物の具体例としては、例えば、(株)日本触媒製:エポクロスK−1010E、2010E、1020E、WS−500(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0051】
さらに、上記の多価グリシジル化合物とは、グリシジル基が2つ以上含まれている化合物をいう。この多価グリシジル化合物としては、例えば、グリセリンの多価グリシジルエーテル、ソルビトールの多価グリシジルエーテル等が挙げられる。また、アセチルアセトネート基含有化合物としては、例えばポリ酢酸ビニルの一部又は全部をケン化したポリビニルアルコールの水酸基をアセチルアセトン化したもの、例えばゴーセファイマーZ−100、Z−200(日本合成化学工業(株)、商品名)が挙げられる。
【0052】
次に、上記した重合体(A)、ポリウレタン(B)及び化合物(C)の構成成分の混合比について説明する。
【0053】
上記のポリウレタン(B)の含有量は、上記重合体(A)100重量部に対して、1重量部以上であることが必要であり、1.5重量部以上であるとより好ましい。1重量部未満であると、耐熱性が低下する場合があるためである。一方、20重量部以下であることが必要であり、15重量部以下であるとより好ましい。20重量部を超えると、ドライタック性が不足する場合があるためである。
【0054】
上記化合物(C)の含有量は、上記重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部以上であることが必要であり、0.2重量部以上であるとより好ましい。0.1重量部未満であると、添加することによる架橋効果が不十分となり、耐熱性が低下する場合があるためである。一方、15重量部以下であることが必要であり、10重量部以下であるとより好ましい。15重量部を超えると、接着剤の使用可能時間(ポットライフ)が短くなって作業性が悪化する場合があるためである。
【0055】
また、この発明にかかる接着剤組成物は、上記の構成成分の他に、この接着剤組成物の効果を妨げない範囲で、添加剤を含んでいてもよい。この添加剤としては、例えば、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルなどの脂肪族二塩基酸エステルや、アルキル基の炭素原子数が1〜10である安息香酸アルキルエステル、主鎖の重合度が1〜10であるポリオキシエチレンフェニルエーテル等の造膜性付与剤(D)が挙げられる。この造膜性付与剤(D)を用いることにより、低温での接着性が向上する。また、これらの造膜性付与剤(D)は1種類ではなく、2種類以上の物質を併用してもよい。
【0056】
上記の造膜性付与剤(D)を添加する際の、上記重合体(A)に対する混合比は、上記重合体(A)100重量部に対して1重量部以上であると好ましく、2重量部以上であるとより好ましい。1重量部未満では低温接着性向上等の効果が十分に発揮されない場合があるからである。一方で20重量部以下であると好ましく、15重量部以下であるとより好ましい。20重量部を超えると、接着剤が過度に柔軟化して凝集力が不足することがある。
【0057】
この発明にかかる接着剤組成物は、上記重合体(A)、ポリウレタン(B)、化合物(C)等の各成分を、一般的な接着剤組成物を製造する際の常法に従って所望の混合割合で攪拌・混合し、必要に応じて固形分濃度を調整することで製造することができる。
【0058】
この発明にかかる接着剤組成物は、水又は水を主体とする水性媒体中に上記の構成成分を分散させたものである。その分散液となった接着剤組成物の固形分含有量は、40重量%以上であると好ましく、45重量%以上であるとより好ましい。40重量%より少ないと得られた接着剤組成物を塗布した後の乾燥に要する時間が長くなりすぎる場合があるからである。一方で、70重量%以下であると好ましく、65重量%以下であるとより好ましい。70重量%より多いと、塗布作業中に乾燥が進みやすく、均一な塗膜が得られにくくなる場合があるためである。
【0059】
この発明にかかる接着剤組成物のpHは、4以上であることが好ましく、5以上であるとより好ましい。4未満であると、例えば重合体(A)成分として酢酸ビニル系共重合体を用いた場合、その加水分解が促進されて、酢酸が遊離し、これが化合物(C)成分と反応してしまい、結果的に化合物(C)成分を加えた効果が低下するためである。一方で、8以下であることが好ましい。8を超えると、前記同様、加水分解が起きやすくなり、化合物(C)の成分が消費される結果となるためである。
【0060】
この発明にかかる接着剤組成物の粘度は、25℃における値として、2000mPa・s以上が好ましく、3000mPa・s以上であるとより好ましい。2000mPa・s未満では、接着剤の塗布時に垂れたり、流れたりして塗工性が悪化するためである。一方で、20000mPa・s以下が好ましく、15000mPa・s以下であるとより好ましい。20000mPa・sを超えると、取り扱いしにくくなり、作業性が悪化する。
【0061】
この発明にかかる接着剤組成物は、上記化合物(C)が上記重合体(A)及び上記ポリウレタン(B)を架橋することによって接着効果を発揮し、かつ、これらの構成成分を上記の組成比とすることにより、接着剤組成物として使用できる時間を長時間確保でき、優れた作業性が得られる。この発明にかかる接着剤組成物をオーバーレイ、すなわち住宅建材や家具などへのシート類の貼り付けや、ラッピング等の貼り付け作業に用いる接着剤として使用すると、低温接着性や密着性の点で優れた性能を示す。上記シート類としては、ポリ塩化ビニルシートや、ポリオレフィンシート、ポリエチレンテレフタレートシートなどが挙げられる。
【0062】
また、この発明にかかる接着剤組成物は、常温状態だけではなく、0℃近い低温状態であっても接着性を発揮し、基材と被着体とを強固に接合できる。さらに、この接着剤組成物により接合した界面は、熱に対しても、温水に対しても接着強度を十分に維持できる。
【実施例】
【0063】
以下、この発明について具体例を挙げてより詳細に説明する。なお、この発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
まず、用いた成分について説明する。
【0064】
[カルボキシル基を含有する重合体(A)]
ここで用いる薬品の詳細を先に記す。
・PVA…日本合成化学工業(株)製:ゴーセノールAH−17(ケン化度98%、重合度1700、以下、「AH−17」と略する。)
・PVA…日本合成化学工業(株)製:ゴーセノールGH−17(ケン化度88%、重合度1700、以下、「GH−17」と略する。)
・酢酸ビニル…日本合成化学(株)製
・2−エチルヘキシルアクリレート…三菱化学(株)製
・アクリル酸…三菱化学(株)製
・エチレン…三菱化学(株)製
・重合開始剤…35%過酸化水素水(三菱ガス化学(株)製)
・還元剤…酒石酸(扶桑化学工業(株)製)
【0065】
・カルボキシル基を含有する酢酸ビニル共重合体(表中、「CVAc」と表記する。)の製造方法
攪拌機、還流冷却機及び原料投入口を備えたフラスコに、保護コロイド剤として、PVAであるAH−17の10%水溶液と、同じくPVAであるGH−17の10%水溶液と、水とを、それぞれ、80重量部、20重量部、27重量部投入し、70℃に昇温した。その後、重合開始剤1重量部及び還元剤0.3重量部に水を加えて全量を10重量部として、これと、酢酸ビニル72重量部、2−エチルヘキシルアクリレート23重量部、アクリル酸5重量部の単量体混合液を6時間かけて滴下し、乳化重合を行った後、冷却して共重合体分散液を得た。この共重合体分散液について、後述する試験方法により測定したところ、粘度は7000mPa・s、不揮発分は48重量%、酸価は15.8mgKOH/g、Tgは0℃であった。
【0066】
・カルボキシル基を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(表中、「CEVA」と表記する。)の製造方法
耐圧容器に、水を15重量部、酢酸ビニルを74重量部、アクリル酸を1重量部、PVAであるGH−17を4.5重量部導入した。内温を50℃に調整後、エチレンを25重量部導入し、重合開始剤1重量部及び還元剤0.3重量部をそれぞれ水に溶かして滴下した。反応終了後、未反応のエチレンガスを除去し、共重合体分散液を得た。この共重合体分散液を後述する試験方法により測定したところ、粘度は3000mPa・s、不揮発分は54重量%、酸価は3.3mgKOH/g、Tgは0℃であった。
【0067】
[ポリウレタン(B)]
・水分散性ポリウレタン……サンプレンUXA−3005(商品名)(三洋化成工業(株)製:固形分含量40重量%)
【0068】
[カルボキシル基に対して反応可能な官能基を有する化合物(C)]
・ポリアミドエポキシ化合物……スパラミン30(商品名)(東邦化学工業(株)製:固形分含量30重量%)
・ポリオキサゾリン化合物……エポクロスK−2010E(商品名)((株)日本触媒製:固形分含量40重量%)
・多価グリシジル化合物……デナコールEX−614B(商品名)(ナガセケムテックス(株)製)
【0069】
[比較例で用いる重合体]
・カルボキシル基を含有しないエチレン−酢酸ビニル共重合体(表中、「EVA」と表記する。)の製造方法
上記のCEVAの製造方法において、アクリル酸を使用せず、酢酸ビニルを80重量部とし、エチレンを20重量部とした以外は同様の手順により共重合体分散液を得た。この共重合体分散液を後述する試験方法により測定したところ、粘度は15000mPa・s、不揮発分は53%、酸価は0mgKOH/g、Tgは0℃であった。
【0070】
[比較例で用いる二液用硬化剤]
・ポリイソシアネート……BA−11B(商品名)(中央理化工業(株)製)
【0071】
[可塑剤]
・脂肪族二塩基酸エステル……DBE(商品名)(デュポン(株)製:表中、「DBE」と表記する。)
・安息香酸アルキルエステル……ハイエスターB−203M(商品名)(東邦理化(株)製:表中、「AB」と表記する。)
・ポリオキシエチレンフェニルエーテル…Y−PE(商品名)(四日市合成(株)製:CO(CO)H)(n=1〜2)、表中、「POEPE」)
【0072】
次に、製造方法について説明する。
基材として中質繊維板(MDF、厚さ:2.7mm)を用い、これに0.08mmアプリケータを使用して接着剤組成物を80g/m塗布した。この塗布面に対して被着体であるポリオレフィンシート(厚み:0.16mm、濡れ指数34mN/m)を貼り付け、ハンドゴムローラで1回脱気した。次に0.005N/mmの圧力をかけて16時間圧締し、その後3日間常圧下に置いて養生させた。
【0073】
この作業を常温である23℃で行って、常温試験用の試験体を得た。また、基材を気温5℃の環境で16時間冷却した後、上記の作業を全て5℃の環境で、同温度にした装置を用いて行い、低温試験用の試験体を得た。
【0074】
次に試験方法について説明する。
【0075】
[ガラス転移温度(表中、「Tg」と表記する。)測定方法]
重合体(A)及びカルボキシル基を含有しないエチレン−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度を、それぞれの製造に用いた単量体の単独重合体のガラス転移温度から、FOXの式により求めた。(なお、FOXの式は、エマルジョン・ラテックスハンドブック,(株)大成社,280〜281頁参照。)
【0076】
[酸価測定方法]
重合体(A)及びカルボキシル基を含有しないエチレン−酢酸ビニル共重合体の酸価を、JIS K 2501に記載の方法に従って測定した。
【0077】
[粘度測定方法]
JIS K 7117に規定する回転粘度計(B型粘度計、東機産業(株)製、BH型、TV−10型粘度計)を用いて、温度25℃において、10rpm、No.3,4,5ロータ(粘度に応じて選択)の条件で測定した。
【0078】
[pH測定方法]
JIS K 6833−1994(接着剤の一般試験方法)に準拠して、JIS Z 8802に規定する形式III又はこれと同等のpH計を用いて23±2℃で測定した。
【0079】
[不揮発分測定方法]
JIS K 6828−1−2003(合成樹脂エマルジョンの試験方法)に準拠して、アルミニウム箔の皿として直径40mm程度のものを用い、恒温槽中での乾燥時間を180±5分間とした条件で、不揮発分を測定した。
【0080】
[常温接着性試験]
常温である23℃で作成した試験体を、25mm幅に切断し、23℃、50%RH(JIS標準状態2級)の雰囲気中で人手によって強制瞬間剥離を試みた。その破壊状態を目視観察し、次の3段階に評価した。
○……基材が材料破壊
△……接着剤の凝集破壊
×……界面剥離
【0081】
[低温接着性試験]
5℃の環境で作成した低温試験用の試験体を用い、5℃の雰囲気下で試験を行ったこと以外は常温接着性試験と同様の作業を行い、同様に評価した。
【0082】
[耐熱性試験]
常温試験用の試験体を25mm幅に切断し、70±2℃の熱風循環乾燥機中に30分放置した後、同温度のまま90度角の方向に4.9Nの静荷重をかけた。静荷重をかけたまま24時間経過後における剥離の長さを測定し、次の3段階に評価した。なお、剥離長さが短いほど良好である。
○……3mm未満
△……3〜30mm
×……30mm超
【0083】
[耐温水試験(JAS2類浸漬剥離試験)]
常温試験用の試験体を75mm×75mmのサイズに切断した。この試験片を70℃±3℃の温水中に2時間浸漬させた後、60℃±3℃の雰囲気中で3時間乾燥させた。同一接着層のそれぞれの側面における剥離した部分の長さを測定し、下記の基準で判定した。
○……4方全ての側面で剥離無し
△……4方全ての側面で剥離が25mm未満
×……剥離が25mm以上の側面が少なくとも一面ある
【0084】
[使用可能時間評価]
組成物を製造してから1日経過後(比較例5のみ2液混合から1日経過後)に、上記の常温接着性試験を行い、同様に評価した。
【0085】
(実施例1〜7)
表1に記載の構成成分を、記載した混合比と固形分比になるように水に添加して混合し、接着剤組成物を得て、それぞれについて上記の試験体を作成して上記の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、構成成分の比率は固形分の値である。
【0086】
【表1】

【0087】
(比較例1〜4)
また、実施例と同様に、表2に記載の構成成分を、記載した混合比と固形分比になるように水に添加して混合した組成物のそれぞれについて、上記の試験体を作成して上記の評価を行った。その結果を表2に示す。なお、構成成分の比率は固形分の値である。また、それぞれの比較例は以下のように評価できる。
【0088】
比較例1はカルボキシル基を含有する重合体(A)の代わりに、カルボキシル基を有さないエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用するもので、耐温水性が不十分であった。比較例2及び3は、ポリウレタン(B)を含有しないもので、いずれも低温接着性と耐熱性が不足していた。比較例4は化合物(C)を含有しないもので、耐温水性が不十分であった。
【0089】
【表2】

【0090】
(比較例5 二液混合接着剤組成物)
カルボキシル基を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体と、ポリウレタンとを表2に記載の比率で混合した液と、ポリイソシアネートを含む液とからなる二液タイプ接着剤組成物を、二液を混合して上記の試験体を作成し、上記の評価を行った。その結果を表2に示す。接着性や耐熱耐温水性は優れているが、使用可能時間が短く、1日経過後には使用できなくなっていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基を含有する重合体(A)と、ポリウレタン(B)と、カルボキシル基に対して反応可能な官能基を有する化合物(C)とを含有し、
上記重合体(A)100重量部に対し、上記ポリウレタン(B)の含有量が1重量部以上、かつ20重量部以下であり、上記化合物(C)の含有量が0.1重量部以上、かつ15重量部以下である接着剤組成物。
【請求項2】
上記重合体(A)が、酢酸ビニルと、カルボキシル基を有する単量体を含む少なくとも1種類の単量体とからなる単量体混合物を重合して得られた共重合体又はその部分加水分解物である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
上記重合体(A)のガラス転移点が、−40℃以上、かつ20℃以下である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
上記重合体(A)の酸価が、1.5mgKOH/g以上、かつ60mgKOH/g以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項5】
上記ポリウレタン(B)が、水分散性ポリウレタンである、請求項1乃至4のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項6】
上記のカルボキシル基と反応可能な官能基を有する化合物(C)が、ポリアミドエポキシ化合物、ポリオキサゾリン化合物、多価グリシジル化合物、及びアセチルアセトネート基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1乃至5のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項7】
上記重合体(A)、上記ポリウレタン(B)及び上記化合物(C)に加えて、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アルキル基の炭素原子数が1〜10である安息香酸アルキルエステル、及び、主鎖の重合度が1〜10であるポリオキシエチレンフェニルエーテルからなる群から選ばれる造膜性付与剤(D)の少なくとも1種類を含有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の接着剤組成物。

【公開番号】特開2007−8993(P2007−8993A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188741(P2005−188741)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000211020)中央理化工業株式会社 (65)
【Fターム(参考)】