説明

接着装置および接着方法

【課題】 載置台上の被接着物に載置された複数の接着物にそれぞれ錘を一つずつ載せる場合と比較して作業者の労力を大幅に低減することができ、また、各々の接着物の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物に対する複数の接着物の所望の接着を行うことができる接着装置および接着方法を提供する。
【解決手段】 接着装置10は、載置台11と、載置台11の上方に離間して設けられ鉛直方向に移動自在となっている支持部材12と、支持部材12に対して鉛直方向に往復自在となっている複数の錘部材13と、を備えている。載置台11に被接着物50を載置してこの被接着物50の表面に複数の接着物51を載せた後に、支持部材12を下方に移動させて各錘部材13を各接着物51の上面に当接させる。各錘部材13が自重により上方から各接着物51を被接着物50側に押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着装置および接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エレベータパネル等の板状の被接着物の一方の表面に複数の補強材(接着物)を接着させる接着方法としては、図5に示すように、被接着物50の表面の一部に接着剤52を塗布し、この接着剤52が塗布された部分の上に接着物51を載置し、さらに複数の錘(おもり)60をこれらの接着物51の上にそれぞれ載せて各接着物51を被接着物50側に押圧することにより、被接着物50に対する複数の接着物51の押圧接着を行う方法が知られている。
【0003】
他の接着方法としては、図6に示すように、各接着物51にそれぞれ錘60を個別に載せるのではなく、被接着物50とほぼ同じ大きさの1枚の錘板61を複数の接着物51にわたって載せることにより各接着物51を被接着物50側に押圧させて被接着物50に対する複数の接着物51の押圧接着を行う方法が知られている。
【0004】
さらに他の方法としては、例えば特許文献1に示す方法が知られている。この方法は、回路基板への電子部品の実装などに適用される圧着方法に関するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−68633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図5に示すような、被接着物50の表面の一部に接着剤52を塗布し、この接着剤52が塗布された部分の上に接着物51を載置し、さらに複数の錘60をこれらの接着物51の上にそれぞれ載せて各接着物51を被接着物50側に押圧する方法においては、作業者が、被接着物50に載置された複数の接着物51にそれぞれ錘60を一つずつ載せなければならないので、作業者に多大な負担をかけてしまうという問題がある。
【0007】
また、図6に示すような、各接着物51にそれぞれ錘60を個別に載せるのではなく、被接着物50とほぼ同じ大きさの1枚の錘板61を複数の接着物51にわたって載せることにより各接着物51を被接着物50側に押圧する方法においては、1枚の錘板61により一括して各接着物51を被接着物50側に押圧するので、作業者はこの1枚の錘板61を各被接着物50に跨るよう載せるだけでよい。このため作業者の負担を軽減することができる。しかしながら、図6に示すように、各接着物51の高さ寸法が異なっている場合には、錘板61に接することのない接着物51には何ら力が加えられないので、所望の押圧接着を行うことができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に示す方法においては、圧着ヘッドの押圧力を、弾性シートを介して複数のセラミックコンデンサ(被圧着物)に加えることにより、これらのセラミックコンデンサ(被圧着物)の間に多少の高さ寸法のばらつきがあっても圧着不良が発生しないようになっている。しかしながら、このような特許文献1に示す方法においては、厚さの範囲が規定された弾性シートを用いなければならないので、このような弾性シートを予め準備しなければならないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、載置台上の被接着物に載置された複数の接着物にそれぞれ錘を一つずつ載せる場合と比較して作業者の労力を大幅に低減することができ、また、各々の接着物の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物に対する複数の接着物の所望の接着を行うことができる接着装置および接着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着装置において、複数の接着物が表面に載せられた被接着物を載置するための載置台と、前記載置台の上方に離間して設けられ、鉛直方向に移動自在となっている支持部材と、前記支持部材に設けられ、当該支持部材から下方に延びるとともにこの支持部材に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在となっている複数の錘部材と、を備え、前記載置台に被接着物を載置してこの被接着物の表面に複数の接着物を載せた後に、支持部材を下方に移動させることにより当該支持部材に設けられた各錘部材を各接着物の上面に当接させ、これらの各錘部材が自重により上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着が行われることを特徴とする接着装置である。
【0011】
また、本発明は、板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着方法において、載置台の上方に設けられた支持部材を予め鉛直方向上方に移動させておき、当該載置台と支持部材との間に載置用スペースを予め画定する準備工程と、前記の予め画定された載置用スペース内において、前記載置台に被接着物を載置するとともにこの被接着物に複数の接着物を載せる載置工程と、支持部材を下方に移動させることにより、当該支持部材に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在に設けられた各錘部材が各接着物の上面に当接し、これらの各錘部材が自重により上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着を行う押圧接着工程と、を備えたことを特徴とする接着方法である。
【0012】
このような接着装置および接着方法によれば、作業者は、載置台上の被接着物に載置された複数の接着物にそれぞれ錘を一つずつ載せる代わりに、支持部材を下方に移動させるだけで各接着物に錘部材を自重により載せることができるので、作業者の労力を大幅に低減することができる。また、各錘部材はそれぞれ独立して支持部材に対して鉛直方向に往復自在となっているので、各々の接着物の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物に対する複数の接着物の所望の接着を行うことができる。
【0013】
本発明の接着装置においては、前記各錘部材の重量が略同一であることが好ましい。
このような接着装置によれば、それぞれの錘部材の各接着物に対する押圧力を略同一とすることができ、各々の接着物の被接着物に対する接着の度合いにばらつきが生じることを抑止することができる。
【0014】
本発明は、板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着装置において、複数の接着物が表面に載せられた被接着物を載置するための載置台と、前記載置台の上方に離間して設けられた支持部材と、前記支持部材に取り付けられ鉛直方向下方に向かって延びている複数のシリンダ部材と、前記各シリンダ部材内をそれぞれ往復運動し、接着物の上面に当接して当該接着物を下方に押圧するための下端部を各々有する複数のピストン部材と、を備え、前記載置台に被接着物を載置してこの被接着物の表面に複数の接着物を載せた後に、各ピストン部材が各シリンダ部材に対して下方に伸びてこれらのピストン部材の下端部が上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着が行われることを特徴とする接着装置である。
このような接着装置においては、前記の複数のシリンダ部材は各々エアシリンダからなることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着方法において、載置台とこの載置台の上方に設けられた支持部材との間に載置用スペースを予め画定する準備工程と、前記の予め画定された載置用スペース内において、前記載置台に被接着物を載置するとともにこの被接着物に複数の接着物を載せる載置工程と、前記支持部材に取り付けられた複数のシリンダ部材に対応する各ピストン部材を下方に伸ばし、これらのピストン部材の下端部が上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着を行う押圧接着工程と、を備えたことを特徴とする接着方法である。
【0016】
このような接着装置および接着方法によれば、作業者は、載置台上の被接着物に載置された複数の接着物にそれぞれ錘を一つずつ載せる代わりに、各ピストン部材をシリンダ部材に対して下方に伸ばさせるだけで各接着物を被接着物側に押圧することができるので、作業者の労力を大幅に低減することができる。また、シリンダ部材およびピストン部材の組合せ体はそれぞれ独立して支持部材に複数設けられているので、各々の接着物の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物に対する複数の接着物の所望の接着を行うことができる。
【0017】
本発明の接着装置においては、前記各ピストン部材の接着物に対する押圧力が略同一となるよう、前記各エアシリンダの空気圧の調整を行う空気圧調整器を更に備えたことが好ましい。
このような接着装置によれば、各ピストン部材の各接着物に対する押圧力を略同一とすることができるので、各々の接着物の被接着物に対する接着の度合いにばらつきが生じることを抑止することができる。
【0018】
本発明の接着装置においては、前記載置台から上方に延びるよう当該載置台に取り付けられた棒状部材と、前記支持部材に取り付けられるとともに、前記棒状部材に外嵌されて当該棒状部材に沿って鉛直方向に案内される円筒部材と、を備えたことが好ましい。
このような接着装置によれば、作業者は、支持部材を載置台に対向させながら鉛直方向に確実に移動させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の接着装置および接着方法によれば、載置台上の被接着物に載置された複数の接着物にそれぞれ錘を一つずつ載せる場合と比較して作業者の労力を大幅に低減することができる。また、各々の接着物の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物に対する複数の接着物の所望の接着を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1および図2は、本実施の形態の接着装置を示す図である。
このうち、図1は、本実施の形態の接着装置において複数の錘部材を支持部材に設ける前の全体構成を示す斜視図であり、図2は、本実施の形態の接着装置の縦断面図である。
【0021】
図1および図2に示すように、接着装置10は、エレベータパネル等の被接着物50を載置するための載置台(定盤)11と、載置台11の上方に離間して設けられた支持部材12と、支持部材12に設けられ、この支持部材12から下方に延びるとともに当該支持部材12に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在となっている複数の錘部材13とを備えている。
【0022】
以下、このような接着装置10の具体的な構成について図1および図2を用いて説明する。
図1および図2に示すように、複数の接着物51が表面に載せられた被接着物50を載置するための長方形形状の板状の載置台11が水平状態となるよう位置固定されている。
この板状の載置台11の四隅には、当該載置台11の表面から上方に延びる4本の棒状部材15がそれぞれ取り付けられている。
そして、各棒状部材15には、この棒状部材15に沿って鉛直方向に案内される円筒部材16がそれぞれ各棒状部材15に外嵌されている。
【0023】
支持部材12は、表面面積が載置台11と略同一である長方形形状の板状のものであり、当該載置台11と対向して設けられている。具体的には、この支持部材12は、その四隅が前述の円筒部材16にそれぞれ接続されており、これらの円筒部材16が対応する各々の棒状部材15に沿って鉛直方向に案内されることにより、支持部材12が鉛直方向に自在に移動することができるようになっている。この支持部材12は載置台11の上方に離間して設けられており、載置台11と支持部材12との間に載置用スペースSが画定されている。この載置用スペースSにおいて、載置台11に被接着物50が載置されるとともにこの被接着物50に複数の接着物51が載置されるようになっている。
【0024】
複数の錘部材13は、それぞれ支持部材12から鉛直方向下方に延びるよう、当該支持部材12の全面にわたって満遍なく設けられている。各錘部材13は、それぞれ支持部材12に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在となっており、各々の錘部材13に対して何ら力が作用されていない場合には、当該錘部材13は自重により支持部材12に対して最も高さレベルの低い位置に存在することとなる。一方、各錘部材13に対して下方から力が加えられた場合には、当該錘部材13は支持部材12に対して上方に移動し、この支持部材12に対する高さレベルが大きくなる。
このような錘部材13は、載置台11に被接着物50を載置してこの被接着物50の表面に通常用いられる個数の接着物51を載せたときに、各々の接着物51の鉛直方向上方への投影空間内に少なくとも1つの錘部材13が存在するような密度で支持部材12に複数設けられていることが好ましい。また、各錘部材13は、その重量が略同一となっていることが好ましい。
【0025】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、支持部材12を載置台11から離間するよう予め鉛直方向上方に移動させておき、この載置台11と支持部材12との間に載置用スペースSを予め画定しておく。この際に、支持部材12に設けられた各錘部材13は、自重により支持部材12に対して最も高さレベルの低い位置に存在している。
次に、この予め画定された載置用スペースS内において、載置台11に被接着物50を載置するとともに、この被接着物50にそれぞれ接着剤52を介して複数の接着物51を載せる。
【0026】
次に、支持部材12を載置台11に向かって下方に移動させる。ある程度支持部材12を下方に移動させると、この支持部材12から下方に延びるよう設けられた複数の錘部材13のうちの一部の錘部材13が接着物51の上面に当接する。ここで、錘部材13は支持部材12に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在となっているので、支持部材12は下方に移動されながら錘部材13は接着物51上に載置されて位置固定されることとなる。
接着物51上に載置されて位置固定された錘部材13は、自重により上方からこの接着物51を被接着物50側に押圧することとなる。ここで、各錘部材13の重量が略同一であるので、それぞれの錘部材13の接着物51に対する押圧力を略同一とすることができ、各々の接着物51の被接着物50に対する接着の度合いにばらつきが生じることを抑止することができる。
このようにして、被接着物50に対する複数の接着物51の接着が行われる。
【0027】
以上のように本実施の形態の接着装置10およびこの接着装置10を用いた接着方法によれば、作業者は、載置台11上の被接着物50に載置された複数の接着物51にそれぞれ錘を一つずつ載せる代わりに、支持部材12を下方に移動させるだけで各接着物51に錘部材13を自重により載せることができるので、作業者の労力を大幅に低減することができる。また、各錘部材13はそれぞれ独立して支持部材12に対して鉛直方向に往復自在となっているので、各々の接着物51の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物50に対する複数の接着物51の所望の接着を行うことができる。
【0028】
また、接着装置10は、載置台11から上方に延びるよう当該載置台11の四隅に取り付けられた4本の棒状部材15と、支持部材12の四隅に取り付けられるとともに、各棒状部材15に外嵌されてこれらの各棒状部材15に沿って鉛直方向に案内される4つの円筒部材16と、を備えているので、作業者は、支持部材12を載置台11に対向させながら鉛直方向に確実に移動させることができる。
【0029】
第2の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図3および図4は、本実施の形態の接着装置を示す図である。
このうち、図3は、本実施の形態の接着装置の縦断面図であり、図4は、図3の接着装置のエアシリンダに係る空気配管図である。
【0030】
本実施の形態の接着装置は、図3および図4に示すように、支持部材に錘部材を設ける代わりに支持部材にエアシリンダからなるシリンダ部材を取り付け、このシリンダ部材内にピストン部材を設けた点が異なるのみであり、他は実質的に図1および図2に示す第1の実施の形態と同様の構成を有している。
図3および図4に示す本実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0031】
図3および図4に示すように、接着装置20は、被接着物50を載置するための載置台11と、載置台11の上方に離間して設けられた支持部材12と、支持部材12に取り付けられ鉛直方向下方に向かって延びている複数のエアシリンダ(シリンダ部材)23と、各エアシリンダ23内を往復運動して下方に突出可能なピストン部材24とを備えている。
【0032】
以下、このような接着装置20の具体的な構成について図3および図4を用いて説明する。
複数のエアシリンダ23は、それぞれ支持部材12から鉛直方向下方に向かって延びるよう、当該支持部材12の全面にわたって満遍なく取り付けられている。また、各エアシリンダ23の内部にはピストン部材24が設けられており、各ピストン部材24はエアシリンダ23に対して鉛直方向に往復運動するようになっている。各ピストン部材24は下端部24aを有しており、この下端部24aは接着物51の上面に当接してこの接着物51を下方に押圧するために用いられるよう形成されている。
このようなエアシリンダ23およびピストン部材24の組合せは、載置台11に被接着物50を載置してこの被接着物50の表面に通常用いられる個数の接着物51を載せたときに、各々の接着物51の鉛直方向上方への投影空間内に少なくとも1つの前述の組合せ体が存在するような密度で支持部材12に複数取り付けられていることが好ましい。
【0033】
さらに、図4に示すように、各エアシリンダ23には切替弁25を介して空気圧調整器26が取り付けられている。この空気圧調整器26は、各ピストン部材24の接着物51に対する押圧力が略同一となるよう、切替弁25を制御して各エアシリンダ23の空気圧の調整を行うようになっている。
【0034】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、支持部材12を載置台11から離間するよう予め鉛直方向上方に移動させておき、この載置台11と支持部材12との間に載置用スペースSを予め画定しておく。
次に、この予め画定された載置用スペースS内において、載置台11に被接着物50を載置するとともに、この被接着物50にそれぞれ接着剤52を介して複数の接着物51を載せる。
【0035】
次に、支持部材12を載置台11に向かって下方に移動させ、この支持部材12を載置台11上の被接着物50に載せられた各接着物51に接近させる。そして、支持部材12に取り付けられたエアシリンダ23が各接着物51に近接したときに、空気圧調整器26により各エアシリンダ23に高圧空気を送り、各々のエアシリンダ23内にあるピストン部材24を下方に突出させる。各エアシリンダ23内のピストン部材24を下方に伸ばすことにより、これらのピストン部材24の下端部24aが上方から各接着物51を被接着物50側に押圧することとなる。ここで、空気圧調整器26により各エアシリンダ23の空気圧の調整が行われているので、各ピストン部材24の接着物51に対する押圧力を略同一とすることができ、各々の接着物51の被接着物50に対する接着の度合いにばらつきが生じることを抑止することができる。このようにして、被接着物50に対する複数の接着物51の接着が行われる。
【0036】
以上のように本実施の形態の接着装置20およびこの接着装置20を用いた接着方法によれば、作業者は、載置台11上の被接着物50に載置された複数の接着物51にそれぞれ錘を一つずつ載せる代わりに、支持部材12を下方に移動させて各ピストン部材24をエアシリンダ(シリンダ部材)23に対して下方に伸ばさせるだけで各接着物51を被接着物50側に押圧することができるので、作業者の労力を大幅に低減することができる。また、エアシリンダ23およびピストン部材24の組合せはそれぞれ独立して支持部材12に複数設けられているので、各々の接着物51の高さ寸法が異なっている場合においても被接着物50に対する複数の接着物51の所望の接着を行うことができる。
【0037】
本実施の形態の接着装置20においては、支持部材12は鉛直方向に移動自在となっているものに限定されることはなく、この支持部材12の四隅が各々棒状部材15に固定されていてもよい。この場合、支持部材12は載置台11から離間した位置に固定され、載置台11と支持部材12との間に載置用スペースSが画定されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施の形態の接着装置において複数の錘部材を支持部材に設ける前の全体構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の接着装置の縦断面図である。
【図3】第2の実施の形態の接着装置の縦断面図である。
【図4】図3の接着装置のエアシリンダに係る空気配管図である。
【図5】従来の接着装置の縦断面図である。
【図6】従来の他の接着装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 接着装置
11 載置台
12 支持部材
13 錘部材
15 棒状部材
16 円筒部材
20 接着装置
23 エアシリンダ(シリンダ部材)
24 ピストン部材
24a 下端部
25 切替弁
26 空気圧調整器
50 被接着物
51 接着物
52 接着剤
60 錘
61 錘板
S 載置用スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着装置において、
複数の接着物が表面に載せられた被接着物を載置するための載置台と、
前記載置台の上方に離間して設けられ、鉛直方向に移動自在となっている支持部材と、
前記支持部材に設けられ、当該支持部材から下方に延びるとともにこの支持部材に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在となっている複数の錘部材と、
を備え、
前記載置台に被接着物を載置してこの被接着物の表面に複数の接着物を載せた後に、支持部材を下方に移動させることにより当該支持部材に設けられた各錘部材を各接着物の上面に当接させ、これらの各錘部材が自重により上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着が行われることを特徴とする接着装置。
【請求項2】
前記各錘部材の重量が略同一であることを特徴とする請求項1記載の接着装置。
【請求項3】
板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着装置において、
複数の接着物が表面に載せられた被接着物を載置するための載置台と、
前記載置台の上方に離間して設けられた支持部材と、
前記支持部材に取り付けられ鉛直方向下方に向かって延びている複数のシリンダ部材と、
前記各シリンダ部材内をそれぞれ往復運動し、接着物の上面に当接して当該接着物を下方に押圧するための下端部を各々有する複数のピストン部材と、
を備え、
前記載置台に被接着物を載置してこの被接着物の表面に複数の接着物を載せた後に、各ピストン部材が各シリンダ部材に対して下方に伸びてこれらのピストン部材の下端部が上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着が行われることを特徴とする接着装置。
【請求項4】
前記の複数のシリンダ部材は各々エアシリンダからなることを特徴とする請求項3記載の接着装置。
【請求項5】
前記各ピストン部材の接着物に対する押圧力が略同一となるよう、前記各エアシリンダの空気圧の調整を行う空気圧調整器を更に備えたことを特徴とする請求項4記載の接着装置。
【請求項6】
前記載置台から上方に延びるよう当該載置台に取り付けられた棒状部材と、
前記支持部材に取り付けられるとともに、前記棒状部材に外嵌されて当該棒状部材に沿って鉛直方向に案内される円筒部材と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接着装置。
【請求項7】
板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着方法において、
載置台の上方に設けられた支持部材を予め鉛直方向上方に移動させておき、当該載置台と支持部材との間に載置用スペースを予め画定する準備工程と、
前記の予め画定された載置用スペース内において、前記載置台に被接着物を載置するとともにこの被接着物に複数の接着物を載せる載置工程と、
支持部材を下方に移動させることにより、当該支持部材に対して一定の範囲内で鉛直方向に往復自在に設けられた各錘部材が各接着物の上面に当接し、これらの各錘部材が自重により上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着を行う押圧接着工程と、
を備えたことを特徴とする接着方法。
【請求項8】
板状の被接着物の一方の表面に複数の接着物を接着させる接着方法において、
載置台とこの載置台の上方に設けられた支持部材との間に載置用スペースを予め画定する準備工程と、
前記の予め画定された載置用スペース内において、前記載置台に被接着物を載置するとともにこの被接着物に複数の接着物を載せる載置工程と、
前記支持部材に取り付けられた複数のシリンダ部材に対応する各ピストン部材を下方に伸ばし、これらのピストン部材の下端部が上方から各接着物を被接着物側に押圧することにより被接着物に対する複数の接着物の接着を行う押圧接着工程と、
を備えたことを特徴とする接着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−46001(P2007−46001A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234220(P2005−234220)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】