説明

接続モードでのシステム情報獲得

ワイヤレス通信の方法は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得することを含む。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である。方法は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移することを含む。

【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示は、一般的に、通信システムに関連し、さらに詳細には、接続モードでのシステム情報獲得に関する。
【背景】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャストのような、さまざまな電気通信サービスを提供するために広く採用されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信電力)を共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続技術を用いることがある。このような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム、時分割複信−同期符号分割多元接続(TD−SCDMA)システムを含む。
【0003】
これらの多元接続技術は、異なるワイヤレスデバイスが、都市レベルで、国レベルで、領域レベルで、それどころか地球規模レベルで通信することを可能にする共通のプロトコルを提供するために、さまざまな電気通信標準規格中で採用されている。新興の電気通信標準規格の例は、ロングタームエボリューション(LTE)である。LTEは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により公表されたユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)移動体標準規格に対する1組の拡張である。LTEは、スペクトル効率性を改善させることにより移動体広帯域インターネットアクセスをより良くサポートし、コストを削減し、サービスを改善し、新たなスペクトルを利用して、ダウンリンク(DL)上でのOFDMAと、アップリンク(UL)上でのSC−FDMAと、複数入力複数出力(MIMO)アンテナ技術とを利用する他のオープンな標準規格により良く統合するように設計されている。しかしながら、移動体広帯域アクセスへの需要は増加し続けるので、LTE技術におけるさらなる改良の必要性が存在する。好ましくは、これらの改良は、他のマルチアクセス技術、および、これらの技術を用いる電気通信標準規格に適用可能であるべきである。
【0004】
LTEにおいて、ユーザ機器(UE)は、システム情報獲得手順を適用して、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)によりブロードキャストされた、アクセス層(AS)および非アクセス層(NAS)システム情報を獲得する。手順は、RRC_IDLE状態のUEと、RRC_CONNECTED状態のUEとを適用する。UEが、RRC_CONNECTED状態であるとき、UEは、CDMA2000がサポートされているときに、MasterInformationBlock(MIB)、SystemInformationBlockType1(SIB1)、SystemInformationBlockType2(SIB2)、およびSystemInformationBlockType8(SIB8)の有効なバージョンを持つことが確実でなければならない。UEが、セル上でRRC_CONNECTED状態のままでいるためには、この最小セットのシステム情報で十分である。UEがRRC_IDLE状態であるときに、UEは、MIB、SIB1、SIB2、およびSystemInformationBlockType3(SIB3)ないしSystemInformationBlockType8(SIB8)の有効なバージョンを持つことが確実に必要である。同じセル上でのRRC_CONNECTED状態からRRC_IDLE状態への遷移の時において、RRC_IDLE状態に対する必要なシステム情報を獲得することは、不必要な遅延を潜在的に生じさせることになる。不必要な遅延は、セルの破損および欠落ページとともに、動作停止になる可能性を増加させることにつながるだろう。このように、同じセル上での、RRC_CONNECTED状態とRRC_IDLE状態との間での遷移の間のシステム情報獲得による遅延を減少させるための装置および方法に対する必要性が存在する。
【概要】
【0005】
本開示のある態様では、ワイヤレス通信の方法は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得することを含む。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である。方法は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移することを含む。
【0006】
本開示のある態様では、ワイヤレス通信に対する装置は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得する手段を具備する。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である。装置は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移する手段をさらに具備する。
【0007】
本開示のある態様では、コンピュータプログラムプロダクトは、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得するためのコードを含む。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である、コンピュータ読取可能媒体を含む。コンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移するためのコードをさらに含む。
【0008】
本開示のある態様では、ワイヤレス通信に対する装置は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得するように構成されている。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である、処理システムを具備する。処理システムは、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移するようにさらに構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、処理システムを用いる装置に対するハードウェア実装の例を図示している概念図である。
【図2】図2は、ネットワークアーキテクチャの例を図示している概念図である。
【図3】図3は、アクセスネットワークの例を図示している概念図である。
【図4】図4は、アクセスネットワークにおける使用に対するフレーム構造の例を図示している概念図である。
【図5】図5は、ユーザプレーンおよび制御プレーンに対する無線プロトコルアーキテクチャの例を図示している概念図である。
【図6】図6は、アクセスネットワークにおけるeノードBおよびUEの例を図示している概念図である。
【図7】図7は、無線リソース制御レイヤにおけるシステム情報獲得を図示しているダイヤグラムである。
【図8】図8は、UEが、同じセル上における、RRC_COONNECTED状態からRRC_IDLE状態に遷移するときの潜在的な遅延を図示しているダイヤグラムである。
【図9】図9は、図8に関して議論した遅延を扱うための例示的な方法を図示しているダイヤグラムである。
【図10】図10は、セル再選択に関する例示的な方法を図示しているダイヤグラムである。
【図11】図11は、例示的な装置の機能性を図示している概念ブロック図である。
【詳細な説明】
【0010】
添付した図面に関して下記に述べられている詳細な説明は、さまざまなコンフィギュレーションの説明として意図しており、ここに記述した概念を実施できる唯一のコンフィギュレーションを表すことを意図していない。詳細な説明は、さまざまな概念の完全な理解を提供する目的のために特有な詳細を含んでいる。しかしながら、これらの概念をこれらの特有な詳細なしで実施できることは、当業者にとって明らかだろう。いくつかの事例では、このような概念を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造およびコンポーネントをブロックダイヤグラムの形態で示している。
【0011】
さまざまな装置および方法を参照して、電気通信システムのいくつかの態様をこれから提示する。これらの装置および方法を、(集合的には“エレメント”と呼ばれる)さまざまなブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、処理、アルゴリズム等により、下記の詳細な説明において説明し、添付した図面において図示している。これらのエレメントは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの任意の組み合わせを使用して実現できる。このようなエレメントを、ハードウェアとして、または、ソフトウェアとして実現するか否かは、特定のアプリケーションとシステム全体に課せられる設計の制約とに依存している。
【0012】
例として、エレメント、エレメントの任意の部分、または、エレメントの任意の組み合わせを、1つ以上のプロセッサを備える“処理システム”により実現できる。プロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲート論理、ディスクリートハードウェア回路、および、本開示全体を通して記述したさまざまな機能性を実行するように構成されている他の適切なハードウェアを含む。処理システム中の1つ以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行できる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはその他で言及されるかに関わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、手順、関数等を意味するように広く解釈されるものである。ソフトウェアは、コンピュータ読取可能媒体上に存在してもよい。コンピュータ読取可能媒体は、例として、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル汎用性ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、およびソフトウェアを記憶または送信する他の任意の適切な媒体を含むことができる。コンピュータ読取可能媒体は、処理システム中に内在させることができ、処理システムの外部にすることができ、または、処理システムを含む複数のエンティティにわたって分散させることができる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータプログラムプロダクト中で具現化することができる。例として、コンピュータプログラムプロダクトは、パッケージングマテリアル中のコンピュータ読取可能媒体を含むとしてもよい。特定のアプリケーションと、システム全体に課せられる設計制約全体とに依存して、本開示全体を通して提示し、記述した機能性を、どのように実現することが最良であるかを、当業者は認識するだろう。
【0013】
図1は、処理システム114を用いる装置100に対するハードウェア実装の例を図示している概念図である。この例では、処理システム114は、一般的にバス102により表されている、バスアーキテクチャにより実現することができる。バス102は、処理システム114の特有なアプリケーションと全体的な設計の制約とに依存して、任意の数の相互接続しているバスとブリッジとを含んでもよい。バス102は、一般的にプロセッサ104により表されている、1つ以上のプロセッサと、一般的にコンピュータ読取可能媒体106により表されている、コンピュータ読取可能媒体とを含むさまざまな回路を互いにリンクする。バス102はまた、タイミングソース、周辺装置、電圧レギュレータ、および電力管理回路のような、他のさまざまな回路をリンクする。これらの他のさまざまな回路は、技術的によく知られており、それゆえ、これ以上記述しない。バスインターフェース108は、バス102とトランシーバ110との間のインターフェースを提供する。トランシーバ110は、伝送媒体を通して、他のさまざまな装置と通信する手段を提供する。装置の性質に依存して、ユーザインターフェース112(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック)を提供することもできる。
【0014】
プロセッサ104は、バス102と、コンピュータ読取可能媒体106上に記憶されているソフトウェアの実行を含む一般的な処理とを管理することを担当する。ソフトウェアは、プロセッサ104により実行されるとき、任意の特定の装置に対して下記に記述したさまざまな機能を処理システム114に実行させる。ソフトウェアを実行するときに、プロセッサ104により操作されるデータを記憶するために、コンピュータ読取可能媒体106も使用してもよい。
【0015】
図2中に示されているようなLTEネットワークアーキテクチャを参照して、さまざまな装置を用いる電気通信システムの例をこれから提示する。LTEネットワークアーキテクチャ200が、コアネットワーク202とアクセスネットワーク204とにより示されている。この例では、コアネットワーク202は、アクセスネットワーク204にパケット交換サービスを提供するが、当業者が容易に正しく認識するように、本開示全体を通して提示したさまざまな概念を、回線交換サービスを提供するコアネットワークに拡張することができる。
【0016】
アクセスネットワーク204が、単一の装置212により示されている。この単一の装置212は、通常、LTEアプリケーションにおいて、進化ノードBと呼ばれるが、当業者により、基地局、基地トランシーバ局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、または他のいくつかの適切な専門用語として呼ばれることもある。eノードB212は、移動体装置214に対して、コアネットワーク202へのアクセスポイントを提供する。移動体装置の例は、セルラ電話機、スマートフォン、セッションイニシエーションプロトコル(SIP)電話機、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、衛星ラジオ、グローバルポジショニングシステム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲームコンソール、または他の何らかの類似した機能デバイスを含む。移動体装置214は、通常、LTEアプリケーションにおいて、ユーザ機器(UE)と呼ばれるが、当業者により、移動局、加入者局、移動体ユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、移動体デバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、移動体加入者局、アクセス端末、移動体端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、ユーザエージェント、移動体クライアント、クライアント、または他のいくつかの適切な専門用語で呼ばれることもある。
【0017】
コアネットワーク202が、パケットデータノード(PDN)ゲートウェイ208と担当ゲートウェイ210とを含むいくつかの装置により示されている。PDNゲートウェイ208は、アクセスネットワーク204に対する接続をパケットベースのネットワーク206に提供する。この例では、パケットベースのネットワーク206はインターネットであるが、本開示全体を通して提示する概念は、インターネットアプリケーションに限定されない。PDNゲートウェイ208の主な機能は、UE214にネットワーク接続を提供することである。データパケットは、PDNゲートウェイ208と、UE214ないし担当ゲートウェイ210との間で転送される。担当ゲートウェイ210は、UE214がアクセスネットワーク204を通してローミングする際に、ローカル移動性アンカーとして機能する。
【0018】
図3を参照して、LTEネットワークアーキテクチャにおけるアクセスネットワークの例をこれから提示する。この例では、アクセスネットワーク300は、多数のセルラ領域(セル)302に分割されている。eノードB304は、セル302に割り当てられており、セル302中のすべてのUE306に対して、コアネットワーク202(図2参照)へのアクセスポイントを提供するように構成されている。アクセスネットワーク300のこの例では、集中制御装置が存在しないが、集中制御装置は、代替的なコンフィギュレーションにおいて使用してもよい。eノードB304は、無線ベアラ制御、アドミッション制御、移動性制御、スケジューリング、セキュリティ、コアネットワーク202(図2参照)中の担当ゲートウェイ210に対する接続性を含む、すべての無線関連機能を担当する。
【0019】
アクセスネットワーク300により用いられる変調および多元接続スキームは、採用される特定の電気通信標準規格に依存して、変化してもよい。LTEアプリケーションでは、周波数分割多重化(FDD)と時分割多重化(TDD)との双方をサポートするために、DL上でOFDMを使用して、UL上でSC−FDMAを使用する。当業者は、後に続く詳細な説明から、ここで提示したさまざまな概念がLTEアプリケーションに十分に適していることを容易に正しく認識するだろう。しかしながら、これらの概念は、他の変調および多元接続技術を用いる他の電気通信標準規格に容易に拡張することができる。例として、これらの概念は、進化データ最適化(EV−DO)またはウルトラモバイルブロードバンド(UMB)に拡張することができる。EV−DOおよびUMBは、CDMA2000ファミリの標準規格の一部として、第3世代パートナーズシッププロジェクト2(3GPP2)により公表されたエアインターフェース標準規格であり、CDMAを用いて、ブロードバンドインターネットアクセスを移動局に提供する。これらの概念は、ワイドバンドCDMA(W−CDMA)とTD−SCDMAのような他のさまざまなCDMAとを用いるユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)や、TDMAを用いるグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))や、OFDMAを用いる、進化型UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、およびフラッシュOFDMにも拡張することができる。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、3GPP機関からの文書中に記載されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2機関からの文書中に記載されている。実際のワイヤレス通信標準規格、および、用いられる多元接続技術は、特有なアプリケーションと、システム上に課せられる全体的な設計の制約とに依存するだろう。
【0020】
eノードB304は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有していてもよい。MIMO技術の使用により、eノードB304が、空間ドメインを活用して、空間多重化と、ビーム形成と、送信ダイバーシティとをサポートすることが可能になる。
【0021】
同一の周波数上で、異なるデータのストリームを同時に送信するために、空間多重化を使用してもよい。データストリームを単一のUE306に送信して、データレートを増加させてもよく、または、データストリームを複数のUE306に送信して、全体的なシステムの容量を増加させてもよい。各データストリームを空間的にプリコード化して、各空間的にプリコード化したストリームを、ダウンリンク上の異なる送信アンテナを通して送信することにより、これを達成する。空間的にプリコード化したデータストリームは、異なる空間シグネチャでUE306に到達する。これにより、UE306のそれぞれが、そのUE306に宛てられている1つ以上のデータストリームを復元できるようになる。アップリンク上において、各UE306は、空間的にプリコード化したデータストリームを送信し、これにより、eノードB304が、各空間的にプリコード化されたデータストリームの発信元を識別できるようになる。
【0022】
空間多重化は、一般的に、チャネル条件が良いときに使用される。チャネル条件が好適なものにたりないときに、ビーム形成を使用して、送信エネルギーを1つ以上の方向に集中させてもよい。複数のアンテナを通して送信するために、データを空間的にプリコード化することにより、これを達成してもよい。セルの端における良いカバレッジを達成するために、単一のストリームビーム形成送信を、送信ダイバーシティと組み合わせて使用してもよい。
【0023】
後に続く詳細な説明において、ダウンリンク上でOFDMをサポートするMIMOシステムを参照して、アクセスネットワークのさまざまな態様を記述する。OFDMは、OFDMシンボル内で、多数の副搬送波を通してデータを変調するスペクトル拡散技術である。副搬送波は、精密な周波数だけスペースを空けて離れている。間隔は、受信機が副搬送波からデータを復元することを可能にする“直交性”を提供する。時間ドメインにおいて、各OFDMシンボルにガードインターバル(例えば、サイクリックプリフィックス)を付加して、OFDMシンボル間の干渉を抑制してもよい。アップリンクは、DFT拡散OFDM信号の形態でSC−FDMAを使用して、高いピーク対平均電力比(PARR)を補償してもよい。
【0024】
さまざまなフレーム構造を使用して、DLおよびUL送信をサポートしてもよい。図4を参照して、DLフレーム構造の例をこれから提示する。しかしながら、当業者が容易に正しく認識するように、任意の特定のアプリケーションに対するフレーム構造は、任意の数の要因に依存して異なっていてもよい。この例では、フレーム(10ms)が、10個の等しいサイズのサブフレームに分割されている。各サブフレームは、2個の連続するタイムスロットを含む。
【0025】
2個のタイムスロットを表すために、リソースグリッドを使用してもよく、それぞれのタイムスロットは、リソースブロックを含む。リソースグリッドは、複数のリソースエレメントに分割されている。LTEでは、リソースブロックは、周波数ドメインにおける12個の連続する副搬送波と、各OFDMシンボル中の通常サイクリックプリフィックスに対して、時間ドメインにおける7個の連続するOFDMシンボルと、すなわち84個のリソースエレメントを含む。各リソースエレメントにより運ばれるビットの数は、変調スキームに依存する。したがって、UEがリソースブロックを受信すればするほど、および、変調スキームが高ければ高いほど、UEに対するデータレートが高くなる。
【0026】
無線プロトコルアーキテクチャは、特定のアプリケーションに依存して、さまざまな形態をとってもよい。図5を参照して、LTEシステムに対する例をこれから提示する。図5は、ユーザプレーンと制御プレーンとに対する無線プロトコルアーキテクチャの例を図示している概念図である。
【0027】
図5に目を向けると、UEおよびeノードBに対する無線プロトコルアーキテクチャが、3つのレイヤ:レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3により示されている。レイヤ1は、最下位であり、さまざまな物理レイヤ信号処理機能を実現する。レイヤ1は、ここでは物理レイヤ506と呼ばれるだろう。レイヤ2(L2レイヤ)508は、物理レイヤ506より上にあり、物理レイヤ506を通してUEとeノードBとの間のリンクを担当する。
【0028】
ユーザプレーンでは、L2レイヤ508は、メディアアクセス制御(MAC)サブレイヤ510と、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ512と、パケットデータ収束プロトコル(PDCP)サブレイヤ514とを含み、これらは、ネットワーク側のeノードBにおいて終端する。示されてはいないが、UEは、L2レイヤ508より上にいくつかの上位レイヤを有していてもよい。L2レイヤ508より上のいくつかの上位レイヤは、ネットワーク側のPDNゲートウェイ208(図2参照)において終端しているネットワークレイヤ(例えば、IPレイヤ)と、接続のもう一端(例えば、離れた端のUE、サーバ等)において終端しているアプリケーションレイヤとを含む。
【0029】
PDCPサブレイヤ514は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間での多重化を提供する。PDCPサブレイヤ514はまた、無線送信オーバーヘッドを減少させるための、上位レイヤデータパケットに対するヘッダ圧縮と、データパケットを暗号化することによるセキュリティと、eノードB間でのUEに対するハンドオーバーサポートとを提供する。RLCサブレイヤ512は、上位レイヤデータパケットの、セグメント化および再組み立てと、消失データパケットの再送信と、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)による順序通りでない受信を補償するための、データパケットの再順序付けとを提供する。MACサブレイヤ510は、論理チャネルと伝送チャネルとの間での多重化を提供する。MACサブレイヤ510は、UEの中のあるセルにおけるさまざまな無線リソース(例えば、リソースブロック)を割り振ることも担当している。MACサブレイヤ510は、HARQ動作も担当している。
【0030】
制御プレーンでは、制御プレーンに対するヘッダ圧縮機能が存在しないことを除いて、UEとeノードBとに対する無線プロトコルアーキテクチャは、実質的に、物理レイヤ506とL2レイヤ508とに対して同一である。制御プレーンは、レイヤ3中の無線リソース制御(RRC)サブレイヤ516も含む。RRCサブレイヤ516は、無線リソース(すなわち、無線ベアラ)を取得することと、eノードBとUEとの間のRRCシグナリングを使用して、下位レイヤを構成することとを担当する。
【0031】
図6は、アクセスネットワーク中でUEと通信中のeノードBのブロックダイヤグラムである。DLにおいて、コアネットワークからの上位レイヤパケットが、送信(TX)L2プロセッサ614に提供される。TX L2プロセッサ614は、図5Aおよび図5Bに関して先に記述したL2レイヤの機能性を実現する。より詳細には、TX L2プロセッサ614は、上位レイヤパケットのヘッダを圧縮し、パケットを暗号化し、暗号化されたパケットをセグメント化し、セグメント化されたパケットを再順序付けし、論理チャネルと伝送チャネルとの間でデータパケットを多重化し、さまざまな優先メトリックに基づいて、無線リソースをUE650に割り当てる。TX L2プロセッサ614はまた、TX無線リソース制御装置612からの制御に基づいて、HARQ動作と、消失パケットの再送信と、UE650へのシグナリングとを担当する。
【0032】
TXデータプロセッサ616は、物理レイヤに対するさまざまな信号処理機能を実現する。信号処理機能は、UE650における順方向誤り訂正(FEC)を促進するために、コード化することおよびインターリーブすることと、さまざまな変調スキーム(例えば、2値位相偏移変調(BPSK)、4位相偏移変調(QPSK)、M位相偏移変調(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM))に基づいて、信号配置にマッピングすることとを含む。コード化され、変調されたシンボルは、その後、パラレルストリーム中に分けられる。各ストリームは、その後、OFDM副搬送波にマッピングされ、時間および/または周波数ドメインにおいて基準信号(例えば、パイロット)で多重化され、その後、高速逆フーリエ変換(IFFT)を使用して互いに合成されて、時間ドメインOFDMシンボルストリームを運ぶ物理チャネルが生成される。OFDMストリームは、空間的にプリコード化され、複数の空間ストリームが生成される。チャネル推定器574からのチャネル推定を使用して、コーディングおよび変調スキームとともに、空間処理に対するスキームを決定してもよい。UE650により送信された、基準信号および/またはチャネル条件フィードバックからチャネル推定を導出してもよい。各空間ストリームは、その後、別個の送信機618TXを通して、異なるアンテナ620に提供される。各送信機618TXは、RF搬送波を、送信に対するそれぞれの空間ストリームで変調する。
【0033】
UE650において、各受信機654RXは、そのそれぞれのアンテナ652を通して信号を受信する。各受信機654RXは、RF搬送波上の変調された情報を復元して、情報を受信機(RX)データプロセッサ656に提供する。
【0034】
RXデータプロセッサ656は、物理レイヤのさまざまな信号処理機能を実現する。RXプロセッサ656は、情報で空間処理を実行して、UE650に宛てられている任意の空間ストリームを復元する。複数の空間ストリームがUE650に宛てられている場合に、これらを、RXデータプロセッサ656により、単一のOFDMシンボルストリームに合成してもよい。RXデータプロセッサ656は、その後、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、時間ドメインから周波数ドメインにOFDMシンボルストリームを変換する。周波数ドメイン信号は、OFDM信号の各副搬送波に対して、別個のOFDMシンボルストリームを含んでいる。各副搬送波上のシンボルおよび基準信号は、eノードB610により送信された可能性が最も高い信号配置点を決定することにより、復元および変調される。これらのソフト判定は、チャネル推定器658により計算されたチャネル推定に基づいていてもよい。その後、ソフト判定をデコードおよびデインターリーブして、物理チャネル上でeノードB610により元々送信されたデータおよび制御信号を復元する。データおよび制御信号は、その後、RX L2プロセッサ660に提供される。
【0035】
RX L2プロセッサ660は、図5Aおよび図5Bに関して先に記述したL2レイヤの機能性を実現する。より詳細には、RX L2プロセッサ660は、伝送チャネルと論理チャネルとの間での多重分割化を提供し、データパケットを上位レイヤパケットへ再組み立てし、上位レイヤパケットを解読し、ヘッダを伸張して、制御信号を処理する。上位レイヤパケットは、その後、データシンク662に提供される。上位レイヤパケットは、L2レイヤより上のすべてのプロトコルレイヤを表す。RX L2プロセッサ660はまた、肯定応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを使用して誤り訂正を担当し、HARQ動作をサポートする。制御信号は、RX無線リソース制御装置661に提供される。
【0036】
ULにおいて、データソース667を使用して、データパケットを送信(TX)L2プロセッサ664に提供する。データソース667は、L2レイヤ(L2)より上のすべてのプロトコルレイヤを表す。eノードB610によるDL送信に関して記述した機能性に類似して、TX L2プロセッサ664は、ユーザプレーンおよび制御プレーンに対するL2レイヤを実現する。後者は、TX無線リソース制御装置665に対応する。TXデータプロセッサ668は、物理レイヤを実現する。基準信号、または、eノードB610により送信されるフィードバックから、チャネル推定器558により導出されるチャネル推定は、適切なコーディングおよび変調スキームを選択して、空間処理を促進するために、TXデータプロセッサ668により使用できる。TXデータプロセッサ668により発生された空間ストリームは、別々の送信機654TXを介して、異なるアンテナ652に提供される。各送信機654TXは、RF搬送波を、送信に対するそれぞれの空間ストリームで変調する。
【0037】
UL送信は、UE650における受信機機能に関して記述した方法と類似した方法で、eノードB610において処理される。各受信機618RXは、そのそれぞれのアンテナ620を通して信号を受信する。各受信機618RXは、RF搬送波上に変調された情報を復元し、情報をRXデータプロセッサ670に提供する。RXデータプロセッサ670は、物理レイヤを実現し、RX L2プロセッサ672は、L2レイヤを実現する。RX L2プロセッサからの上位レイヤパケットは、コアネットワークに提供でき、制御信号は、RX無線リソース制御装置676に提供できる。
【0038】
図7は、RRCレイヤ516における、RX無線リソース制御装置661によるシステム情報獲得を図示しているダイヤグラム700である。LTEでは、UE702は、E−UTRAN704によりブロードキャストされたASおよびNASシステム情報を、システム情報獲得手順を通して獲得する。手順は、以下のRRC_IDLE状態において、UEに適用する(1)電源入力の際の、カバレッジ外から戻る際の、および、別の無線アクセス技術(RAT)からE−UTRAに入った後の、セル選択;(2)セル再選択;(3)システム情報が変更されたという通知(4)最大有効性持続期間の満了。手順は、以下のRRC_CONNECTED状態において、UEに適用する(1)ハンドオーバー完了;(2)セル選択(T311満了の前の無線リンク障害の後の復元);(3)システム情報が変更されたという通知。
【0039】
図7中に示したように、システム情報は、E−UTRAN704により、複数のシステム情報メッセージ中で送られる。下記の表1は、LTEにおけるシステム情報メッセージをリストしている:
【表1】

【0040】
UE702がRRC_IDLE状態であるときに、UE702は、関係しているRATのサポートに依存して、確実に、MIB、SIB1、およびSIB2ないしSIB8の有効なバージョンを有さなければならない。特に、RRC_IDLE状態であるとき、UE702は、WCDMAがサポートされているときに、MIB、SIB1ないしSIB5、SIB6を獲得しなければならず、GSMがサポートされているときに、SIB7を獲得しなければならず、および、CDMA2000がサポートされているときに、SIB8を獲得しなければならない。UE702がRRC_CONNECTED状態であるとき、UE702は、CDMA2000がサポートされている場合に、確実に、MIB、SIB1、SIB2、およびSIB8の有効なバージョンを有さなければならない。
【0041】
図8は、UE702が、同じセル上で、RRC_CONNECTED状態からRRC_IDLE状態に遷移するときの潜在的な遅延を図示しているダイヤグラム800である。UE702がRRC_CONNECTED状態であり、(ハンドオーバーの完了の成功、システム情報の変更、または、無線リンク障害(RLF)復元のために)システム情報を獲得する必要があるときに、UE702は、(CDMA2000がサポートされていると仮定して)MIB、SIB1、SIB2、およびSIB8のみを収集する必要がある。UE702が、セル上でRRC_CONNECTED状態のままでいるためには、この最小セットの“必要な”システム情報で十分である。しかしながら、UEが、同じセル上で、RRC_CONNECTED状態からRRC_IDLE状態に遷移するときに、UEは、RRC_IDLE状態における最小システム情報要件を満たすために不必要なシステム情報SIB3ないしSIB7を獲得する必要がある。遷移の間のシステム情報SIB3ないしSIB7の獲得は、図7で描写するように、RRC_IDLE状態に遷移するUE702のプロセスにおいて不必要な遅延を加えるだろう。T1の前に、UE702は、セルA上にキャンプされる。T1において、UE702は、セルAからセルBへのハンドオーバーを成功して完了する。UE702は、セルB上で、MIB、SIB1、SIB2、およびSIB8を収集し始める。UEは、それらの情報ブロックを獲得して記憶する。T2において、RRC接続がリリースされ、UE702は、セルB上で、RRC_IDLE状態に遷移することを試みる。UE702は、セルB上で、T3までにSIB3ないしSIB7を獲得する。UE702は、T3において、RRC_IDLE状態のキャンプステータスに遷移することに成功する。SIB3ないしSIB7を獲得するための時間期間(すなわち、T2とT3との間の時間期間)は、RRC_CONNECTED状態とRRC_IDLE状態との間での遷移において遅延を生じさせる。システム情報スケジューリングに依存して、この割り込みは、数秒の長さになることがあり、これは、潜在的に、遅延した通話セットアップ、欠落ページ、および、下文で議論するような、可能性の増加につながるだろう。このように、遅延はUE702の信頼性を低下させる場合がある。
【0042】
図9は、図8に関して議論した遅延を扱うための例示的な方法を図示しているダイヤグラム900である。図9中に示されているように、T1の前に、UE702は、セルA上でキャンプされる。T1において、UE702は、セルAからセルBへのハンドオーバーを成功して完了する。UE702は、セルB上で、必要なシステム情報MIB、SIB1、SIB2、およびSIB8を収集し始める。加えて、UE702は、セルB上で、不必要なシステム情報SIB3ないしSIB7を収集し始める。UEは、これらの情報ブロックを獲得して記憶する。T2において、RRC接続がリリースされ、UE702は、セルB上で、RRC_IDLE状態に遷移することを試みる。UE702は、RRC_IDLE状態に対して必要なシステム情報のすべてを既に有していることから、UE702は、T3’おいて、RRC_IDLE状態のキャンプステータスに遷移することに成功する。このケースでは、遅延(T3’とT2との差)は、実質的に減少される(すなわち、不必要なシステム情報を獲得しなくてはならないことにより生まれる遅延に対して、最小化される)。したがって、例示的な方法は、同じセルに対する、RRC_CONNECTED状態とRRC_IDLE状態との間での遷移における不必要な遅延を除去し、したがって、結果的に、通話セットアップ障害、欠落ページ、に対するUEの性能がより良くなり、動作停止になる可能性を減少させる。
【0043】
図10は、セル再選択に関する例示的な方法を図示しているダイヤグラム1000である。RRC_CONNECTED状態の間でのUEによる不必要なシステム情報の獲得は、UEがRRC_CONNECTED状態の間に無線リンク障害から復元することを促進する。さらに、RRC_CONNECTED状態の間での不必要なシステム情報の獲得は、RRC_IDLE状態の間に、セル再選択を通して動作停止になる可能性を減少させる(または、最小化する)。図10中に示されているように、UEは、RRC_CONNECTED状態の間に、必要なシステム情報と不必要なシステム情報とを獲得し、UEがT4において動作停止になりそうになる場合に、UEは、RRC_IDLE状態の間に、セル再選択を実行して、動作停止になる可能性を最小化する、または、そうでなければ、減少させる。UEは、UEがセル再選択を実行するのに必要な不必要なシステム情報を既に有していることから、UEは、T4においてセル再選択を実行することができる。UEが、RRC_CONNECTED状態の間に不必要なシステム情報を取得していなかったら、UEは、図8に関して議論したように、T3の後までにセル再選択を実行できなかっただろう。セル再選択は、セルの同じ搬送波上での、異なる周波数へのイントラ周波数再選択であってもよく、セルの異なる搬送波へのインター周波数再選択であってもよく、また、異なるセルへのインターRAT再選択であってもよい。セル再選択がイントラ周波数再選択である場合に、表1中に示したような、システム情報タイプブロック3とシステム情報タイプブロック4とに基づいて、セル再選択は実行される。セル再選択がインター周波数再選択である場合に、表1中で示したような、システム情報ブロックタイプブロック3とシステム情報タイプブロック5とに基づいて、セル再選択は実行される。セル再選択がインターRATである場合に、表1中で示したような、システム情報ブロックタイプブロック3と、システム情報タイプブロック6とシステム情報ブロックタイプ7とのうちの少なくとも1つとに基づいて、セル再選択は実行される。
【0044】
図11は、例示的なUE装置100の機能性を図示している概念ブロック図1100である。装置100は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得するモジュール1102を備える。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である。装置100は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移するモジュール1104をさらに備える。あるコンフィギュレーションでは、少なくとも1つの不必要なシステム情報の獲得は、RRC接続状態からRRCアイドル状態に遷移する遷移時間を最小化または減少させる。あるコンフィギュレーションでは、装置100は、少なくとも1つの不必要なシステム情報に基づくセル選択を通して、動作停止になる可能性を最小化する、または、そうでなければ減少させるために、少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用する。セル再選択は、RRCアイドル状態への遷移の後に実行される。セル再選択は、イントラ周波数再選択、インター周波数再選択、または、インターRAT再選択であってもよい。あるコンフィギュレーションでは、RRC接続された状態は、RRC_CONNECTED状態であり、RRCアイドル状態は、RRC_IDLE状態である。“必要な”システム情報は、CDMA2000がサポートされている場合に、MIB、SIB1、SIB2、およびSIB8を含む。“不必要な”システム情報は、SIB3ないしSIB7と、システム情報ブロックタイプ9(すなわち、SystemInformationBlockType9)とを含むが、さらなるSIBを含むかもしれない。
【0045】
あるコンフィギュレーションでは、ワイヤレス通信に対する装置100は、無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得する手段を備える。不必要なシステム情報は、無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である。さらに、装置100は、少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、セル上で、無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移する手段を備える。前述した手段は、前述した手段により記載された機能を実行するように構成されている処理システム114である。
【0046】
上述したように、例示的な方法および装置は、RRC接続状態において不必要なシステム情報を獲得し、RRC接続状態からRRCアイドル状態に、前もって獲得した不必要なシステム情報を獲得することなく遷移する。例示的な方法により、例示的な装置が、RRC接続状態とRRCアイドル状態との間の遷移期間を減少させることが可能になる。さらに、例示的な方法により、例示的な装置が、RRC接続状態の間に取得した不必要なシステム情報に基づく(RRCアイドル状態での)セル再選択を通して、動作停止になる可能性を減少させることが可能になる。
【0047】
開示したプロセスにおけるステップの特有な順序または階層が、例示的なアプローチの実例であることを理解すべきである。設計選択に基づいて、プロセスにおけるステップの特有な順序または階層は再構成してもよいことを理解すべきである。添付している方法の請求項は、サンプルの順序におけるさまざまなステップのエレメントを提示しており、提示した特有な順序または階層に限定することを意味していない。
【0048】
先の説明は、任意の当業者が、ここに記述したさまざまな態様を実施できるように提供している。これらの態様に対するさまざまな修正は、当業者に容易に明らかになり、ここで規定した一般的な原理を、他の態様に適用してもよい。したがって、特許請求の範囲は、ここで示した態様に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と矛盾しない全範囲に一致させるべきである。エレメントへの単数での言及は、“1つおよび1つのみ”と特に述べられていない限り、“1つおよび1つのみ”を意味することを意図しているのではなく、むしろ“1つ以上の”を意味することを意図している。そうでないことが特に述べられていない限り、“いくつか”という用語は、1つ以上のことを指している。当業者に知られ、または後に知られることになる、本開示全体を通して記述しているさまざまな態様のエレメントに対するすべての構造的および機能的な均等物は、ここでの参照により明確に組み込まれ、特許請求の範囲により含まれることを意図している。さらに、ここで開示したものは、このような開示が特許請求の範囲中に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公共に捧げられることを意図していない。どの請求項のエレメントも、エレメントが“する手段”というフレーズを使用して明確に記載されていない限り、または、方法の請求項のケースでは、エレメントが“するステップ”というフレーズを使用して記載されていない限り、米国特許法第112条第6パラグラフの規定の下で解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法において、
無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得することと、
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、前記セル上で、前記無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移することとを含み、
前記不必要なシステム情報は、前記無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することは、前記無線リソース制御接続状態から前記無線リソース制御アイドル状態に遷移する遷移期間を最小化する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用することは、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報に基づくセル再選択を通して、動作停止になる可能性を最小化することを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記セル再選択は、前記セル上での同じ搬送波上における、異なる周波数へのイントラ周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報タイプブロック4を含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記セル再選択は、前記セル上での、異なる搬送波へのインター周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報ブロックタイプ5を含む請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記セル再選択は、異なるセルへのインター無線アクセス技術再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3、システム情報ブロックタイプ6、およびシステム情報ブロックタイプ7を含む請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記無線リソース制御接続状態は、RRC_CONNECTED状態であり、前記無線リソース制御アイドル状態は、RRC_IDLE状態である請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記不必要なシステム情報は、システム情報ブロックタイプ3、システム情報ブロックタイプ4、システム情報ブロックタイプ5、システム情報ブロックタイプ6、システム情報ブロックタイプ7、およびシステム情報ブロックタイプ9を含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記システム情報ブロックタイプ3は、SystemInformationBlockType3であり、
前記システム情報ブロックタイプ4は、SystemInformationBlockType4であり、
前記システム情報ブロックタイプ5は、SystemInformationBlockType5であり、
前記システム情報ブロックタイプ6は、SystemInformationBlockType6であり、
前記システム情報ブロックタイプ7は、SystemInformationBlockType7であり、
前記システム情報ブロックタイプ9は、SystemInformationBlockType9である請求項9記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信に対する装置において、
無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得する手段と、
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、前記セル上で、前記無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移する手段とを具備し、
前記不必要なシステム情報は、前記無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得する手段は、前記無線リソース制御接続状態から前記無線リソース制御アイドル状態に遷移する遷移期間を最小化する請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用する手段をさらに具備する請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用する手段は、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報に基づくセル再選択を通して、動作停止になる可能性を最小化する手段を備える請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記セル再選択は、前記セル上での同じ搬送波上における、異なる周波数へのイントラ周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報タイプブロック4を含む請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記セル再選択は、前記セル上での、異なる搬送波へのインター周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報ブロックタイプ5を含む請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記セル再選択は、異なるセルへのインター無線アクセス技術再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3、システム情報ブロックタイプ6、およびシステム情報ブロックタイプ7を含む請求項14記載の装置。
【請求項18】
前記無線リソース制御接続状態は、RRC_CONNECTED状態であり、前記無線リソース制御アイドル状態は、RRC_IDLE状態である請求項11記載の装置。
【請求項19】
前記不必要なシステム情報は、システム情報ブロックタイプ3、システム情報ブロックタイプ4、システム情報ブロックタイプ5、システム情報ブロックタイプ6、システム情報ブロックタイプ7、およびシステム情報ブロックタイプ9を含む請求項11記載の装置。
【請求項20】
前記システム情報ブロックタイプ3は、SystemInformationBlockType3であり、
前記システム情報ブロックタイプ4は、SystemInformationBlockType4であり、
前記システム情報ブロックタイプ5は、SystemInformationBlockType5であり、
前記システム情報ブロックタイプ6は、SystemInformationBlockType6であり、
前記システム情報ブロックタイプ7は、SystemInformationBlockType7であり、
前記システム情報ブロックタイプ9は、SystemInformationBlockType9である請求項19記載の装置。
【請求項21】
無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得するためのコードと、
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、前記セル上で、前記無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移するためのコードとを含み、
前記不必要なシステム情報は、前記無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である、
コンピュータ読取可能媒体を含むコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項22】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得するためのコードは、前記無線リソース制御接続状態から前記無線リソース制御アイドル状態に遷移する遷移期間を最小化する請求項21記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項23】
前記コンピュータ読取可能媒体は、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用するためのコードをさらに含む請求項21記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用するためのコードは、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報に基づくセル再選択を通して、動作停止になる可能性を最小化する請求項23記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項25】
前記セル再選択は、前記セル上での同じ搬送波上における、異なる周波数へのイントラ周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報タイプブロック4を含む請求項24記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項26】
前記セル再選択は、前記セル上での、異なる搬送波へのインター周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報ブロックタイプ5を含む請求項24記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項27】
前記セル再選択は、異なるセルへのインター無線アクセス技術再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3、システム情報ブロックタイプ6、およびシステム情報ブロックタイプ7を含む請求項24記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項28】
前記無線リソース制御接続状態は、RRC_CONNECTED状態であり、前記無線リソース制御アイドル状態は、RRC_IDLE状態である請求項21記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項29】
前記不必要なシステム情報は、システム情報ブロックタイプ3、システム情報ブロックタイプ4、システム情報ブロックタイプ5、システム情報ブロックタイプ6、システム情報ブロックタイプ7、およびシステム情報ブロックタイプ9を含む請求項21記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項30】
前記システム情報ブロックタイプ3は、SystemInformationBlockType3であり、
前記システム情報ブロックタイプ4は、SystemInformationBlockType4であり、
前記システム情報ブロックタイプ5は、SystemInformationBlockType5であり、
前記システム情報ブロックタイプ6は、SystemInformationBlockType6であり、
前記システム情報ブロックタイプ7は、SystemInformationBlockType7であり、
前記システム情報ブロックタイプ9は、SystemInformationBlockType9である請求項29記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項31】
無線リソース制御接続状態の間に、少なくとも1つの不必要なシステム情報をセルから獲得し、
前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を獲得することなく、前記セル上で、前記無線リソース制御接続状態から無線リソース制御アイドル状態に遷移するように構成されており、
前記不必要なシステム情報は、前記無線リソース制御接続状態で必要とされないシステム情報である、
処理システムを具備する、ワイヤレス通信に対する装置。
【請求項32】
前記処理システムは、前記無線リソース制御接続状態から前記無線リソース制御アイドル状態に遷移する遷移期間を最小化するために、前記無線リソース制御接続状態の間に、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を前記セルから獲得するように構成されている請求項31記載の装置。
【請求項33】
前記処理システムは、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用するように構成されている請求項31記載の装置。
【請求項34】
前記処理システムは、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報に基づくセル再選択を通して、動作停止になる可能性を最小化するために、前記少なくとも1つの不必要なシステム情報を使用するように構成されている請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記セル再選択は、前記セル上での同じ搬送波上における、異なる周波数へのイントラ周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報タイプブロック4を含む請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記セル再選択は、前記セル上での、異なる搬送波へのインター周波数再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3およびシステム情報ブロックタイプ5を含む請求項34記載の装置。
【請求項37】
前記セル再選択は、異なるセルへのインター無線アクセス技術再選択であり、前記不必要なシステム情報は、システム情報タイプブロック3、システム情報ブロックタイプ6、およびシステム情報ブロックタイプ7を含む請求項34記載の装置。
【請求項38】
前記無線リソース制御接続状態は、RRC_CONNECTED状態であり、前記無線リソース制御アイドル状態は、RRC_IDLE状態である請求項31記載の装置。
【請求項39】
前記不必要なシステム情報は、システム情報ブロックタイプ3、システム情報ブロックタイプ4、システム情報ブロックタイプ5、システム情報ブロックタイプ6、システム情報ブロックタイプ7、およびシステム情報ブロックタイプ9を含む請求項31記載の装置。
【請求項40】
前記システム情報ブロックタイプ3は、SystemInformationBlockType3であり、
前記システム情報ブロックタイプ4は、SystemInformationBlockType4であり、
前記システム情報ブロックタイプ5は、SystemInformationBlockType5であり、
前記システム情報ブロックタイプ6は、SystemInformationBlockType6であり、
前記システム情報ブロックタイプ7は、SystemInformationBlockType7であり、
前記システム情報ブロックタイプ9は、SystemInformationBlockType9である請求項39記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−510515(P2013−510515A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537995(P2012−537995)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055493
【国際公開番号】WO2011/057001
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.EEPROM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】