説明

接続方法及び接続装置

【課題】導体同士を接続し、固体絶縁体で絶縁する接続構造の絶縁耐力の低下を防止できる接続方法及び接続装置を提供する。
【解決手段】第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2とを容器20内に配置し、第1高電圧導体3と第2高電圧導体4とを電気的に接続し、容器20内を真空にした後、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着させ、その後、容器20内を大気圧に戻しながら第1固体絶縁体5に第2固体絶縁体6を押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続方法及び接続装置に関し、特に、電力を供給するケーブル同士を接続する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力流通設備は高電圧化と大電流化、長距離広域化と高密度化あるいは系統連係強化が進められる一方、電力流通設備や変圧、保護、制御を司る変電所には、電力需要の増大や高密度化への対応とともに、コスト低減、信頼性の維持、環境・防災への一層の配慮が求められている。
【0003】
電力の流通においては、高電圧・大電流の送電路として、主に管路気中送電線やCVケーブルが用いられている。管路気中送電線は、管路と、管路内に配置される導体と、管路内に加圧充填される絶縁体としてのSF(6フッ化硫黄)ガスとを有して構成されている。このような管路気中送電線は、温暖化係数の高いSFガスを使用するものであるので、前述した環境等への配慮の観点から、SFに替えて固体絶縁体を用いることが検討されている。
【0004】
このような固体絶縁体の利用例としては、導体とこの導体を被覆するエポキシ等の固体絶縁体とからなるCVケーブル同士を、導体同士が電気的に接続され、固体絶縁体同士が機械的に接触するように、接続した接続構造がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に係る接続構造は、SFガスを不要とすることで、温暖化の緩和に貢献することができる。また、固体絶縁体同士の界面の形状を、導体の軸方向の断面形状が波形状(界面が導体の軸方向に対して傾斜した傾斜面と折り返し面とを有する構成)となるようにすることで、必要な絶縁耐力を得るための界面の面積を確保するとともに、コンパクトな専有面積を実現して電力流通設備の高密度化の要請に応えることができる。
【0006】
しかしながら、CVケーブル同士を接続する際に、CVケーブルの絶縁体の界面に空気層が形成され、これが絶縁性能を低下させる要因となる可能性がある。特に、前記したように、固体絶縁体同士の界面の形状が波形状になっている場合、波の谷や頂上部分には、空気が溜まり易く、絶縁破壊が生じやすいという問題がある。
【0007】
このような問題は、CVケーブルの接続に限らず、導体同士を接続し、固体絶縁体で絶縁する接続構造について一般的に存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−40989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、導体同士を接続し、固体絶縁体で絶縁する接続構造の絶縁耐力の低下を防止できる接続方法及び接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、第1高電圧導体及び該第1高電圧導体を被覆する第1固体絶縁体を有する第1接続体と、第2高電圧導体及び該第2高電圧導体を被覆する第2固体絶縁体を有する第2接続体とを接続する接続方法であって、前記第1接続体と前記第2接続体とを容器内に配置し、前記第1高電圧導体と前記第2高電圧導体とを電気的に接続し、前記容器内を真空にした後、前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させることを特徴とする接続方法にある。
【0011】
かかる第1の態様では、第1接続体と第2接続体とを接続するに際し、真空状態において、第1固体絶縁体と第2固体絶縁体とを密着させるので、これらの界面に空気が入り込むことによる絶縁耐力の低下を防止することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する接続方法において、前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させた後、前記第1固体絶縁体に前記第2固体絶縁体を押圧することを特徴とする接続方法にある。
【0013】
かかる第2の態様では、万が一、界面に空気が進入したとしても、押圧により界面の外にその空気を排除することができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載する接続方法において、前記容器内を真空状態から大気圧に戻しながら前記第1固体絶縁体に前記第2固体絶縁体を押圧することを特徴とする接続方法にある。
【0015】
かかる第3の態様では、完全に大気圧に戻してから押圧すると界面に空気が入り込む可能性が高くなるので、これを避けることができる。また、第1固体絶縁体に第2固体絶縁体の界面に絶縁油が塗布してある場合、真空状態を維持し続けることにより、絶縁油が界面の外に飛散し、その飛散に伴い界面に空気層が形成されてしまうことを防止できる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか一つの態様に記載する接続方法において、互いに密着する前記第1固体絶縁体及び前記第2固体絶縁体の表面に絶縁油を塗布した後これらを密着させることを特徴とする接続方法にある。
【0017】
かかる第4の態様では、第1固体絶縁体及び第2固体絶縁体の界面に空気が入り込むことをより確実に防止することができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか一つの態様に記載する接続方法において、密着する前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体との界面が、前記第1及び前記第2高電圧導体の軸方向に対して0度より大きく90度未満となる傾斜面と、前記傾斜面を前記第1及び前記第2高電圧導体の軸方向について逆方向に曲折させる折り返し部とを有するように形成されていることを特徴とする接続方法にある。
【0019】
かかる第5の態様では、第1固体絶縁体と第2固体絶縁体との界面の折り返し部に空気層が形成されることを防止できる。
【0020】
本発明の第6の態様は、第1高電圧導体及び該第1高電圧導体を被覆する第1固体絶縁体を有する第1接続体と、第2高電圧導体及び該第2高電圧導体を被覆する第2固体絶縁体を有する第2接続体とを接続する接続装置であって、前記第1接続体と前記第2接続体とを収納する容器と、前記第1接続体及び前記第2接続体を、前記第1高電圧導体及び前記第2高電圧導体の軸方向に移動自在に支持する支持手段と、前記容器内の気圧を設定する調圧手段と備え、前記容器内に配設された前記第1接続体と前記第2接続体とを接続する際に、前記調圧手段により前記容器内を真空にし、前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させ得るように構成したことを特徴とする接続装置にある。
【0021】
かかる第6の態様では、真空状態において、第1固体絶縁体と第2固体絶縁体とを密着させるので、絶縁耐力の低下を防止した第1接続体と第2接続体との接続構造を製造することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、導体同士を接続し、固体絶縁体で絶縁する接続構造の絶縁耐力の低下を防止できる接続方法及び接続装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る電力ケーブルの断面図を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る電力ケーブルを接続する手順を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る電力ケーブルの断面図を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る電力ケーブルと比較例に係る電力ケーブルとを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〈実施形態1〉
本発明の本実施形態に係る接続方法では、第1接続体及び第2接続体として、高電圧(例えば66kV〜275kV程度)・大電流(例えば1000A以上)が流れる第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2とを接続する場合について説明する。まず、当該接続方法により接続された電力ケーブルの接続構造について説明する。
【0025】
図1に示すように、第1電力ケーブル1(第1接続体)は、第1高電圧導体3と第1高電圧導体3を被覆する第1固体絶縁体5とを有している。また、第2電力ケーブル2(第2接続体)は、第2高電圧導体4と第2高電圧導体4を被覆する第2固体絶縁体6とを有している。対向する第1高電圧導体3と第2高電圧導体4とは、電気的に接続されており、且つ対向する第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とは、機械的に接続されている。
【0026】
第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4は、断面形状が円形であり、第1固体絶縁体5及び第2固体絶縁体6は、第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4のそれぞれを中心として同軸状に配置されている。第1高電圧導体3の先端部と第2高電圧導体4との先端部は、電気的に良好に接続できるように、互いに嵌合するように形成されている。また、第1固体絶縁体5及び第2固体絶縁体6のそれぞれの外周面には、銅テープやワイヤーシールド等の接地電極11が設けられている。
【0027】
接触する第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6との界面7が、第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4の軸方向に対して0度より大きく90度未満となる傾斜面8と、この傾斜面8を第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4の軸方向について逆方向に曲折させる少なくとも1つの折り返し部9とを有するように形成されている。
【0028】
なお、本実施形態における第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4の軸方向とは、界面7の近傍において、第1高電圧導体3の横断面の中心と、第2高電圧導体4の横断面の中心とを結ぶ線が成す方向を指すものとし、以下、単に軸方向と呼ぶ。
【0029】
界面7に形成される折り返し部9は、半径方向に向かって山または谷を形成するように設けられる。また、折り返すことで形成される頂部を丸めて、折り返し部9を曲面状とすることが好ましい。折り返し部9を曲面状とすることで、折り返し部9において電界の集中度を低減できるからである。この折り返し部9は、図1に示すように1つ以上あっても良く、1つだけでも良い。界面7の面積を大きくする観点からは、折り返し部9は1つ以上であることが好ましい。例えば本実施形態では、第1固体絶縁体5及び第2固体絶縁体6の接続部分を肉厚とし、第1高電圧導体3及び第2高電圧導体4から第1固体絶縁体5及び第2固体絶縁体6外側に向かって、5つの折り返し部9を形成するようにしている。また、本実施形態における傾斜面8及び折り返し部9は、軸方向について対称となるように形成している。
【0030】
また、本実施形態では、折り返し部9の近傍に導電材10を配置するようにしている。この導電材10は、折り返し部9における電界集中を緩和して、界面7における電界分布をより均一とする役割を果たす。本実施形態では、軸方向について対称に設けた折り返し部9の頂点に対向する位置に、銅製のリングを導電材10として配置するようにしている。
【0031】
ここで、図2を用いて、第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2とを接続する接続装置により、これらの電力ケーブルを接続する工程について説明する。
【0032】
図2(a)に示すように、接続装置は、第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2とを収納する容器20を有している。本実施形態では、容器20は、第1容器部21とこれに着脱自在に構成された第2容器部22とから構成され、第1容器部21と第2容器部22とが係合したときその内部に収納部25が形成されるようになっている。
【0033】
第1容器部21及び第2容器部22のそれぞれには、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2を支持する支持部23が設けられている。支持部23は、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2が挿通する挿通孔23aを有しており、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2がその軸方向に移動自在になっている。また、支持部23は、シール構造(特に図示せず)を有しており、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2が挿通孔23aに挿通されると、収納部25が気密に保たれるようになっている。シール構造としては、例えば、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2の外周面に接触するOリングを挿通孔23aに設けることで構成できる。
【0034】
容器20には、その内部の気圧を設定する調圧手段の一例として真空ポンプ24が接続されている。真空ポンプ24は、特に限定されないが、容器20内部を例えば、大気圧〜1Pa程度の圧力に設定できるものであればよい。
【0035】
このような接続装置を用いて、まず、収納部25となる側に第1電力ケーブル1の先端側が位置するように、第1容器部21の支持部23に第1電力ケーブル1を支持させる。同様に、収納部25となる側に第2電力ケーブル2の先端側が位置するように、第2容器部22の支持部23に第2電力ケーブル2を支持させる。このとき、第1固体絶縁体5及び第2固体絶縁体6の互いに接触する界面7には、シリコーン油などの高粘度の絶縁油を塗布しておく。その後、図2(a)に示すように、第1容器部21と第2容器部22とを係合させる。この状態では、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2とは互いに接触させず、また、収納部25の気圧は大気圧としておく。
【0036】
次に、図2(b)に示すように、第1電力ケーブル1及び第2電力ケーブル2とを互いに接近させ、第1高電圧導体3と第2高電圧導体4とを嵌合させる。このとき、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とが接触しないようにする。本実施形態では、第1高電圧導体3と第2高電圧導体4とを完全には嵌合させず、後にさらに押し込み嵌合できる程度の余裕を残してある。なお、図2(a)に示した状態から第1高電圧導体3と第2高電圧導体4とを嵌合(図2(b))させるまでの間では、収納部25の圧力は特に限定はなく、大気圧でも真空状態でもよい。
【0037】
次に、図2(c)に示すように、真空ポンプ24を稼働させて、収納部25の圧力を真空にする。収納部25の圧力が真空になったら、第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2とを互いに押圧して、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着させる。
【0038】
このように、真空状態の下で第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着させることにより、界面7に空気が取り込まれてしまうことが防止され、その空気により絶縁耐力が低下することを防止できる。また、これらの界面7に絶縁油を塗布したので、空気が入り込む余地をなくすことができるため、より一層、絶縁耐力の低下を防止できる。
【0039】
特に、本実施形態のように、界面7の形状が、傾斜面8と折り返し部9とからなるような形状のように平面的でない場合、折り返し部9などに空気が溜まりやすい。しかしながら、本実施形態に係る接続方法では、このような平面的でない形状の絶縁体同士を接続する場合であっても、その界面7に空気が進入してしまうことを防止することができる。
【0040】
さらに、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着させた後、第1電力ケーブル1を第2電力ケーブル2に押圧する。このような押圧により、万が一、界面7に空気が進入したとしても、押圧により界面7の外にその空気を排除することができる。
【0041】
また、密着後における第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2との押圧は、収納部25の圧力を大気圧にしながら行う。完全に大気圧に戻してから押圧すると界面7に空気が入り込む可能性が高くなるので、これを避けることができ、また、真空状態を維持し続けることにより、絶縁油が界面7の外に飛散し、その飛散に伴い界面7に空気層が形成されてしまうことを防止できる。
【0042】
その後は、特に図示しないが、容器20を取り外し、第1ケーブル1と第2ケーブル2とが接合された状態を維持するように、これらの第1ケーブル1と第2ケーブル2とを機械的に固定する。
【0043】
以上に説明したように、本実施形態1に係る接続方法及び接続装置によれば、真空状態において、第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2の第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着させるので、これらの界面7に空気が入り込むことによる絶縁耐力の低下を防止した電力ケーブルの接続構造を提供できる。
【0044】
〈実施形態2〉
実施形態1では、第1固体絶縁体と第2固体絶縁体との界面が曲面状であったが、平面的な界面であってもよい。また、それらを直接的に密着させる場合について説明したが、他の絶縁体を介して密着させても良い。
【0045】
図3は、実施形態2に係る電力ケーブルの断面図を示す図である。接続されるべき第1及び第2電力ケーブル101のケーブル導体先端部102は、対向配置され、導体接続管111に嵌入後、導体接続管111を圧縮することにより電気的に接続される。導体接続管111の周囲には、絶縁体としての円筒状のエポキシユニット112が配置されている。このエポキシユニット112の両端部には、円錐台状のプレモールド絶縁体113a、113b(第1固体絶縁体、第2固体絶縁体)が配置されている。プレモールド絶縁体113a、113bは、ばねを用いて構成される圧縮装置114により、エポキシユニット112、第1及び第2電力ケーブル101に密着するように押圧されている。
【0046】
このように、プレモールド絶縁体113a及び113bは、エポキシユニット112を介して接続されている。本発明に係る接続方法によれば、例えば、容器20内にエポキシユニット112を固定し、容器20の収納部25を真空にした後、各プレモールド絶縁体113a及び113bをエポキシユニット112に密着させることで、これらの界面115に空気が進入することを防止することができる。
【0047】
〈実施例〉
図4は、本発明の実施例に係る電力ケーブルと比較例に係る電力ケーブルとを示す写真である。
【0048】
図示するように、電力ケーブルAは、本発明に係る接続方法により形成したものであり、電力ケーブルBは、従来の接続方法、すなわち、大気圧下で形成したものである。電力ケーブルAは、シリコーンゴム部(第1固体絶縁体)と、エポキシ樹脂部(第2固体絶縁体)との界面部分には、空気層は形成されていない。一方、電力ケーブルBの界面部分には、三日月状に空気層が形成されている。このように、従来の接続方法では、目視でも十分に認識できるほどの空気層が形成されてしまうものの、本発明の接続方法では、このような空気層の形成が防止されている。
【0049】
〈他の実施形態〉
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0050】
本発明に係る第1接続体または第2接続体とは、電力ケーブル同士の接続に限られるものではなく、高電圧導体と当該高電圧導体を被覆する固体絶縁物とを少なくとも有して構成される物であり、特にその形態が限定されるものではない。第1接続体または第2被接続体としては、例えば変電設備に用いられる電力ケーブルや電力機器(例えば遮断器や断路器等)が該当する。従って、本発明に係る接続方法は、電力ケーブルと電力機器との接続、或いは電力機器同士の接続に適用することが可能である。
【0051】
また、実施形態1では、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6に絶縁油を塗布したが、必須ではない。また、収納部25を真空にした後、第1固体絶縁体5と第2固体絶縁体6とを密着したが、その後に、押圧することや大気圧にしながら押圧することは必ずしも行う必要はなく、単に真空下で密着させて固定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、電力ケーブルや電力機器を接続することを要する産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
A 電力ケーブル
B 電力ケーブル
1 第1電力ケーブル
2 第2電力ケーブル
3 第1高電圧導体
4 第2高電圧導体
5 第1固体絶縁体
6 第2固体絶縁体
7、115 界面
8 傾斜面
9 折り返し部
10 導電材
11 接地電極
20 容器
21 第1容器部
22 第2容器部
23 支持部
23a 挿通孔
24 真空ポンプ
25 収納部
101 第1電力ケーブル
101 第2電力ケーブル
102 ケーブル導体先端部
111 導体接続管
112 エポキシユニット
113a、113b プレモールド絶縁体
114 圧縮装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高電圧導体及び該第1高電圧導体を被覆する第1固体絶縁体を有する第1接続体と、第2高電圧導体及び該第2高電圧導体を被覆する第2固体絶縁体を有する第2接続体とを接続する接続方法であって、
前記第1接続体と前記第2接続体とを容器内に配置し、
前記第1高電圧導体と前記第2高電圧導体とを電気的に接続し、
前記容器内を真空にした後、前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させることを特徴とする接続方法。
【請求項2】
請求項1に記載する接続方法において、
前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させた後、前記第1固体絶縁体に前記第2固体絶縁体を押圧することを特徴とする接続方法。
【請求項3】
請求項2に記載する接続方法において、
前記容器内を真空状態から大気圧に戻しながら前記第1固体絶縁体に前記第2固体絶縁体を押圧することを特徴とする接続方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する接続方法において、
互いに密着する前記第1固体絶縁体及び前記第2固体絶縁体の表面に絶縁油を塗布した後これらを密着させることを特徴とする接続方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する接続方法において、
密着する前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体との界面が、前記第1及び前記第2高電圧導体の軸方向に対して0度より大きく90度未満となる傾斜面と、前記傾斜面を前記第1及び前記第2高電圧導体の軸方向について逆方向に曲折させる折り返し部とを有するように形成されていることを特徴とする接続方法。
【請求項6】
第1高電圧導体及び該第1高電圧導体を被覆する第1固体絶縁体を有する第1接続体と、第2高電圧導体及び該第2高電圧導体を被覆する第2固体絶縁体を有する第2接続体とを接続する接続装置であって、
前記第1接続体と前記第2接続体とを収納する容器と、
前記第1接続体及び前記第2接続体を、前記第1高電圧導体及び前記第2高電圧導体の軸方向に移動自在に支持する支持手段と、
前記容器内の気圧を設定する調圧手段と備え、
前記容器内に配設された前記第1接続体と前記第2接続体とを接続する際に、前記調圧手段により前記容器内を真空にし、前記第1固体絶縁体と前記第2固体絶縁体とを密着させ得るように構成したことを特徴とする接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−283964(P2010−283964A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134248(P2009−134248)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】