説明

接続構造

【課題】少ない種類の接続部材で、様々な配置態様及び横幅の被接続部材(例えば笠木)を接続することができる接続構造を提供する。
【解決手段】接続部材21を介して笠木31,32を接続する。笠木31,32の端面31a,32a間には介在部材5が介在し、接続部材21は被覆部41と介挿部42とが一体に設けられてなり、介挿部42は、笠木31,32の端面31a,32a間に介挿されて、抜け止め部42aが端面31a,32a間に無理嵌めされる。また、被覆部41は、エラストマを用いてなり、被接続部材の端面31a,32aの周縁に沿い、該周縁の長さに応じて笠木31,32の端部に巻き掛けられ、端面31a,32a間の空隙を被覆する。接続部材21は切断によって長さが調節できるため、夫々異なる幅の笠木31,32に共用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば笠木のような板状部材又は棒状部材の端部同士を、接続部材を介して接続してなる接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
笠木は、階段の昇降口、踊り場等の階段壁に固定されることによって、階段の手すり、階段壁の化粧板等として用いられる。
【0003】
例えば昇降口に設けてある階段壁は、略鉛直な端面と、この端面に連続的に、略水平の上面、又は水平面に対して35°の勾配を有する上面とを有する。このため、2本の笠木が90°又は125°の配置角度で、夫々階段壁の端面と上面とを覆って配される。
また、例えば踊り場に設けてある階段壁は、直線状の略水平な上面、又は90°に屈折する略水平な上面を有する。このため、2本の笠木が180°又は90°の配置角度で、夫々階段壁の上面を覆って配される。
【0004】
従来、このように配された2本の笠木の端面同士を接続部材で接続し、更に、この接続部材で笠木端部を化粧して美観を向上させる接続構造が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0005】
特許文献1に開示されている第1の接続構造においては、矩形板状の2本の笠木夫々の端部が挿入される溝部が形成してある接続部材(笠木接続部材)が用いられている。この溝部の底面同士の配置角度は笠木の配置角度に対応し、接続部材の各溝部の底面に笠木の端面を突き合わせることによって笠木同士が接続され、また、溝部の壁部で笠木端部を被覆することによって化粧される。
ここで、笠木の端面は、笠木の配置角度にかかわらず笠木の表面及び裏面夫々に対して略垂直である。
【0006】
しかしながら、このような接続部材は、笠木の配置角度毎、及び、異なる幅を有する笠木毎に、異なる形状の接続部材が必要となるため、接続部材の種類が増加するという問題があった。
【0007】
例えば、4種類の幅を有する笠木を用い、鉛直な笠木とこの笠木に対し90°又は125°の配置角度を有して配される笠木とを接続する場合、接続部材は8種類必要となり、このため、接続部材を形成するための金型も8種類必要となる。
【0008】
図10は、従来の接続構造の側面図である。
接続部材の種類を低減させるために、特許文献1に開示されている第2の接続構造における接続部材(笠木接続部材)9は、本体901と、2個の端部被覆部材902,902(1個のみ図示)とを備える。
矩形板状の2本の笠木131,132は、笠木131が鉛直に配され、笠木132は、水平面に対して45°の勾配、即ち笠木131に対して135°の配置角度で階段壁Wの端面W1及び上面W2夫々に配される。
【0009】
本体901は、笠木131,132の端部が挿入される溝部91,92が形成してある。溝部91,92の底面同士の配置角度は45°である。
各端部被覆部材902は、本体901の断面積よりも広い面積を有する板状である。本体901の両端には、端部被覆部材902の一面(裏面)に形成された凸部94が挿入される穴93,93(1個のみ図示)が形成してあり、端部被覆部材902,902の表面を外側に向けて、穴93,93に凸部94,94を挿入することによって、端部被覆部材902,902が本体901に図中二点鎖線のように取り付けられ、本体901の両端部を被覆する。
【0010】
笠木131,132は、溝部91,92の底面に笠木131,132の端面を突き合わせることによって接続される。
また、笠木131,132端部は、溝部91,92の壁部91a,92aと端部被覆部材902とが笠木131,132端部を被覆することによって化粧される。
【0011】
このような接続部材9は、本体901を切断して、笠木131,132の幅に応じて本体901の長さを調整することによって、異なる幅を有する笠木131,132に対応可能である。しかも、端部被覆部材902で本体901端部を被覆するため、切断された本体901端部の美観を向上させることができる。
【0012】
例えば、4種類の幅を有する笠木131,132を用い、鉛直な笠木131と、この笠木131に対し90°又は125°の配置角度を有して配される笠木132とを接続する場合、接続部材9の本体901及び端部被覆部材902は夫々2種類準備されていればよい。
この結果、接続部材を形成するための金型の種類が低減される。
【0013】
しかしながら、特許文献1の第1及び第2の接続構造に用いられる笠木の端面は、笠木の配置角度にかかわらず笠木の表面及び裏面夫々に対して略垂直であり、笠木の配置角度に応じて笠木の端面が傾斜させてある場合については言及されていない。
また、例えば90°の配置角度を有して配される水平な笠木131,132同士を、第2の接続構造に用いられる接続部材9を介して接続する場合については言及されていない。
【0014】
ところで、特許文献2に開示されている接続構造においては、笠木の外周縁と略同形状の頭部と、この頭部を外周縁に有する平板状の介挿部とを備える接続部材(笠木用接合部材)が用いられている。この接続構造では、接続部材の介挿部を2本の笠木の端面間に介挿することによって笠木同士が接続され、接続部材の頭部で笠木の端部を被覆することによって笠木端部が化粧される。
このような接続構造では、笠木を略一直線に配する場合は、端面が表面及び裏面夫々に対して略垂直の笠木が用いられ、笠木を90°、125°等の配置角度を有して配する場合は、配置角度に応じて端面が傾斜させてある笠木が用いられる。つまり、2本の笠木の端面同士が略一定の距離で離隔配置された略平行に対向した状態で接続される。
【特許文献1】特開2004−257035号公報
【特許文献2】特開2004−27771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献2の接続部材は、異なる幅を有する笠木毎に、この笠木に応じた接続部材が必要となるため、接続部材の種類が増加する。
また、特許文献1〜2のような従来の接続構造に用いられる接続部材は、一般に硬質の合成樹脂で形成される。このため、例えば図10に示す接続部材9の場合、本体901の溝部91,92の形状及びサイズと笠木131,132形状及びサイズとが厳密に一致しない限り、溝部91,92と笠木131,132との間に不要な空隙を生じることがある。
【0016】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、被接続部材の端面間に介在部材を介在し、そして、被接続部材の端面の周縁の長さに応じて被接続部材の端部に巻き掛けられ、被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部と、被接続部材の端面間に介挿される介挿部とを備える接続部材を介して被接続部材を接続する構成とすることにより、少ない種類の接続部材で、様々な配置態様及び横幅の被接続部材を接続することができる接続構造を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、被接続部材の端面間に介在部を介在し、そして、被接続部材の端面の周縁の長さに応じて被接続部材の端部に巻き掛けられ、被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部と、被接続部材の端面間に介挿される介挿部とを備える接続部材を介して被接続部材を接続する構成とすることにより、少ない種類の接続部材で、様々な配置態様及び横幅の被接続部材を接続することができる接続構造を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、エラストマを用いてなる被覆部を被接続部材の端部に巻き掛ける構成とすることにより、接続部材と被接続部材との間に空隙が生じることを防止することができる接続構造を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、被接続部材の端面間に介挿される介挿部の抜け止め部を被接続部材の端面間に無理嵌めする構成とすることにより、介挿部を確実に固定することができる接続構造を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、被覆部の湾曲部分又は屈曲部分に対応する位置の介挿部に、凹部が形成してあることにより、被接続部材の形状に応じて接続部材が容易に湾曲又は屈曲することができる接続構造を提供することにある。
【0021】
本発明の更に他の目的は、介挿部に複数の凹部が形成してあることにより、被接続部材の形状に応じて接続部材が容易に湾曲又は屈曲することができ、しかも作業性を向上させることができる接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1発明に係る接続構造は、2個の板状又は棒状の被接続部材を、接続部材を介して、端面同士を略平行に対向させて接続してなる接続構造において、前記被接続部材の端面間に、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定される介在部材を備え、前記接続部材は、前記被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて前記被接続部材の端部に巻き掛けられ、前記被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部、及び、該被覆部の長手方向に沿って配され、前記被接続部材の端面間に介挿される介挿部が、一体に設けられてなり、前記介挿部を、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定してなることを特徴とする。
【0023】
第2発明に係る接続構造は、2個の板状又は棒状の被接続部材を、接続部材を介して、端面同士を略平行に対向させて接続してなる接続構造において、前記被接続部材の端面間に、前記被接続部材の端面の一方又は両方に突設してある介在部を備え、前記接続部材は、前記被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて前記被接続部材の端部に巻き掛けられ、前記被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部、及び、該被覆部の長手方向に沿って配され、前記被接続部材の端面間に介挿される介挿部が、一体に設けられてなり、前記介挿部を、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定してなることを特徴とする。
【0024】
第3発明に係る接続構造は、前記被覆部は、エラストマを用いてなることを特徴とする。
【0025】
第4発明に係る接続構造は、前記介挿部の前記端面間への介挿部分に、前記端面間に無理嵌めされる抜け止め部が形成してあることを特徴とする。
【0026】
第5発明に係る接続構造は、前記被接続部材の端部に巻き掛けられる前記被覆部が湾曲又は屈曲する部分に対応する位置の前記介挿部に、前記介挿部に、該介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部が形成してあることを特徴とする。
【0027】
第6発明に係る接続構造は、前記介挿部に、該介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部が、長手方向に並置して複数形成してあることを特徴とする。
【0028】
以上のような接続構造に用いられる接続部材は、2個の板状又は棒状の被接続部材を、端面同士を略平行に対向させて接続するための接続部材において、前記被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて前記被接続部材の端部に巻き掛けられ、前記被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部、及び、該被覆部の長手方向に沿って配され、前記被接続部材の端面間に介挿される介挿部が、一体に設けられてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
第1発明の接続構造又は第2発明の接続構造による場合、接続部材は、介挿部と被覆部とが一体に設けられてなる1個の部材であり、この接続部材を介して、2個の板状又は棒状の被接続部材を接続する。
【0030】
被接続部材が略一直線に配される場合、被接続部材の端面は、被接続部材の長手方向に略垂直である。また、被接続部材が例えば90°を有して配される場合、被接続部材の端面は、被接続部材の長手方向に対し、45°の角度を有して傾斜している。
被接続部材は端面同士を略平行に対向させて接続される。このため、被接続部材の端面同士を可及的接近させることができる。つまり、被接続部材の接続部をコンパクトにすることができる。
【0031】
接続部材の被覆部は、被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて被接続部材の端部に巻き掛けられる条状部であり、被接続部材の端面間の空隙を被覆することによって、被接続部材端部を化粧する。
接続部材の介挿部は、2個の被接続部材の端面間に介挿されて、被接続部材の端面の一方又は両方に固定されることによって、被接続部材端面間を接続する。
【0032】
このような接続部材は、例えば金型を用いた押出成型で連続的に形成することができ、被接続部材の端面の周縁の長さ(例えば板状の被接続部材の横幅及び両側の厚み、又は棒状の被接続部材の周長)に応じて接続部材を切断して、接続部材の長さを調整することができる。このため、1個の金型を用いて、異なるサイズの被接続部材に対して共用可能な接続部材を形成することができる。
【0033】
また、接続部材によって、被接続部材の端面間を接続し、更に、被接続部材の接続部分の美観を向上し、更にまた、被接続部材の端面の鋭い周縁を接続部材で被覆して、安全性を向上させることができる。
【0034】
被接続部材は、例えば階段壁に固定されるため、接続部材を用いて被接続部材同士を確実に接続する必要はない。このため、介挿部は、2個の被接続部材の端面の一方又は両方に、例えば介挿部と被接続部材の端面間との嵌合による摩擦固定、接着剤による固定等で簡易に固定することができる。
【0035】
さて、第1発明の接続構造による場合、被接続部材の端面間には、被接続部材の端面の一方又は両方に固定される介在部材が介在する。この介在部材に被接続部材の端面を突き当てることによって、被接続部材の端面間の離隔距離を高精度に設けることができる。
また、被接続部材の端面間の離隔距離を略一定に設けることができるため、簡易な形状の接続部材の介挿部を被接続部材の端面間に挿入して、確実に固定することができる。
更に、介挿部の確実な固定によって、接続部材の浮き、脱離等を防止することができる。
【0036】
このような介在部材は、例えば合成樹脂の射出成型によって簡易に形成することができる。
被接続部材は、例えば階段壁に固定されるため、介在部材を用いて被接続部材同士を確実に接続する必要はない。このため、介在部材は、2個の被接続部材の端面の一方又は両方に、接着剤、両面テープ、ビス等で簡易に固定することができる。
【0037】
また、第2発明の接続構造による場合、被接続部材の端面間には、被接続部材の端面の一方又は両方に突設してある介在部が介在する。一方の被接続部材の介在部に他方の被接続部材の端面又は介在部を突き当てることによって、被接続部材の端面間の離隔距離を高精度に設けることができる。
また、被接続部材の端面間の離隔距離を略一定に設けることができるため、簡易な形状の接続部材の介挿部を被接続部材の端面間に挿入して、確実に固定することができる。
更に、介挿部の確実な固定によって、接続部材の浮き、脱離等を防止することができる。
【0038】
第3発明の接続構造による場合、接続部材の被覆部が、エラストマを用いてなる。エラストマは、合成ゴム、天然ゴム等、常温で非常に大きな弾性を有する高分子物質であり、例えばABS、PP等のような硬質の合成樹脂に比べて柔軟であり、容易に撓む。このため、エラストマ製の被覆部は、被接続部材の端面の周縁に沿って被接続部材の端部に巻き掛けられる場合に、被接続部材の端面の周縁の形状に容易に沿うことができる。この結果、接続部材と被接続部材との間に空隙が生じることを防止することができる。
【0039】
第4発明の接続構造による場合、接続部材の介挿部は、被接続部材の端面間への介挿部分に抜け止め部が形成してある。
被接続部材の端面間に介挿部が介挿され、介挿部分の抜け止め部が、被接続部材の端面間に無理嵌めされることによって介挿部は更に確実に固定され、接続部材の浮き、脱離等を防止することができる。
【0040】
第5発明の接続構造による場合、接続部材の被覆部は、被接続部材の端面の周縁の湾曲部分、屈曲部分に沿う部分が長手方向に湾曲又は屈曲するため、接続部材の介挿部も、被覆部の湾曲部分又は屈曲部分に対応する位置で長手方向に湾曲又は屈曲する必要がある。
このために、介挿部の前記位置に、介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部を形成しておくことによって、介挿部の湾曲又は屈曲を容易にすることができる。
【0041】
この凹部は、例えば接続部材の形成時に、湾曲又は屈曲の位置、程度等に応じて予め形成してもよいが、接続部材の取付時に、作業者が介挿部に切り欠きを入れることによって、湾曲又は屈曲の位置、程度等に応じて適宜に形成してもよい。
仮に、凹部が形成されていない場合は、介挿部の容易な湾曲又は屈曲のために、介挿部を非常に柔軟な材料で形成しておくことが考えられる。つまり、凹部を形成することによって、介挿部の材料が制限されることを防止することができる。
【0042】
第6発明の接続構造による場合、介挿部に、介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部を、長手方向に並置して複数形成しておくことによって、凹部の形成位置で、介挿部が長手方向に容易に湾曲又は屈曲することができる。
【0043】
このため、例えば接続部材の形成時に、湾曲又は屈曲の位置に応じた凹部を形成しておく必要がなく、また、接続部材の取付時に、作業者が介挿部に切り欠きを入れることによって、湾曲又は屈曲の位置に応じて適宜に形成する必要もない。つまり、凹部の形成時に、湾曲又は屈曲の位置に対する位置合わせが不要であるため接続部材の形成が容易であり、作業者による凹部の形成が不要であるため作業者の作業性が向上されている。
【0044】
仮に、凹部が形成されていない場合は、介挿部の容易な湾曲又は屈曲のために、介挿部を非常に柔軟な材料で形成しておくことが考えられる。つまり、凹部を形成することによって、介挿部の材料が制限されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0046】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る接続構造11の構成を示す斜視図である。図2は、同じく分解斜視図であり、図3は、同じく横断面図である。
接続構造11は階段の踊り場に設けられており、図1に示すように、階段の踊り場には、水平方向に約90°に屈曲する階段壁71が設けられている。階段壁71は、矩形状の上面711と、上面711に連続的に、長手方向が約90°の角度で交差する矩形状の上面712とを有する。ただし、上面711,712夫々は略水平であり、上面711,712の接続部分(短辺)は、上面711,712の長辺に対して約45°(又は約135°)に傾斜している。
【0047】
図中31,32は、幅及び厚みが夫々略等しい矩形状の板状部材を用いてなる笠木である。笠木31,32は、一面(裏面)が上面711,712に固定されて上面711,712を被覆することによって上面711,712を化粧し、また、踊り場の手すりとして利用される。
【0048】
図1〜図3に示すように、笠木31,32を被接続部材とする接続構造11は、接続部材21を介して、笠木31,32を接続してなる。ここで、笠木31,32の端面31a,32aは、笠木31,32の一側面31d,32dに対して約45°の傾斜(他側面31e,32eに対して約135°の傾斜)を有する。接続構造11によって接続された笠木31,32は、笠木31,32夫々の長手方向同士が約90°の配置角度を有し、笠木31,32の他面(表面)31c,32cが互いに約180°の配置角度を有し、接続部材21を介して端面31a,32aが略平行に対向している。
【0049】
笠木31,32は、安全性及び意匠性のために、四隅が曲面状に形成されている。このため、端面31a,32aは、四隅が弧状の矩形状である。
【0050】
図4は、接続部材21、及び端面31a,32a間に介在する介在部材5の構成を示す横断面図である。また、図5は、接続部材21の構成を示す側面図である。
図2〜図4に示すように、介在部材5は薄板状であり、側面視が、笠木31,32の端面31a,32aの長辺及び短辺夫々の長さより短い長辺及び短辺を有する単純な矩形状である。
このような介在部材5は、ABS、PP等の硬質の合成樹脂を用いた射出成型によって、形状及びサイズ(例えば介在部材5の厚み)が高精度に形成されるが、例えば所要の厚みを有する市販の板状部材を適宜の形状及びサイズに切り出すことによって、容易に準備することができる。
【0051】
接続構造11においては、1枚の介在部材5が、介在部材5の周縁を端面31a,32aの周縁に対応させて、接着剤、ビス、両面テープ等で端面31a,32aの一方又は両方の中央部に固定されることによって、笠木31,32の端面31a,32a間に介在している。
このため、端面31a,32aの離隔距離は、介在部材5の厚み(+接着剤、両面テープ等の厚み)に略等しい。
【0052】
さて、図3〜図5に示すように、接続部材21は、横断面(長手方向に略直交する断面。図3及び図4)形状が円形状の被覆部41と横断面形状が矢符状の介挿部42とが一体に設けられてなる棒状の部材である。円形状の被覆部41の直径は、端面31a,32aの離隔距離より長い。
また、接続部材21は、笠木31,32の色合いに近似した色合いを有する。
【0053】
接続部材21の長さは笠木31,32の端面31a,32aの長辺(即ち笠木31,32の幅方向の一辺)の長さと、一側面31d,32dの短辺及び他側面31e,32eの短辺(即ち、笠木31,32の厚さ方向の各一辺)の長さとの和に略等しい(図2)。つまり、接続部材21の長さは笠木31,32の裏面側を除く端面31a,32aの周縁の長さに略等しい。
このため被覆部41の長さも笠木31,32の裏面側を除く端面31a,32aの周縁の長さに略等しい。このような被覆部41は、図1〜図3に示すように、端面31a,32aの周縁に沿い、該周縁の長さに応じて笠木31,32の端部に巻き掛けられ、端面31a,32a間の空隙を被覆する。
【0054】
図4及び図5に示すように、介挿部42は、被覆部41の長手方向に沿って配されている。更に詳細には、介挿部42は、矢符状の介挿部42の後尾部42bが、円形状の被覆部41の径方向の一側に配されて、該径方向に突出している。介挿部42の後尾部42bは、側面視が細長矩形状の薄板状であり、介挿部42の前頭部が抜け止め部42aである。
横断面形状に関し、抜け止め部42aは三角形状であり、また、後尾部42bの横幅は、介在部材5を介在することによる笠木31,32の端面31a,32a間の離隔距離よりも狭いが、抜け止め部42aの最大の横幅は、端面31a,32a間の離隔距離よりも広い。
【0055】
このような介挿部42は、図3に示すように、笠木31,32の端面31a,32a間に介挿され、抜け止め部42aを笠木31,32の端面31a,32a間に無理嵌めされることによって、端面31a,32a間に固定される。この場合、介挿部42は端面31a,32aの両方に固定される。
【0056】
図1及び図2に示すように、笠木31,32の端部に巻き掛けられた被覆部41は、表面31c,32cと一側面31d,32dとの間、及び、表面31c,32cと他側面31e,32eとの間で屈曲する。このため、介挿部42も被覆部41の屈曲部分に対応する位置で屈曲する必要があり、図5に示すように、介挿部42には、介挿部42の屈曲を補助する凹部43,43が形成してある。
【0057】
凹部43,43は、抜け止め部42a及び後尾部42bを切り欠いて設けられた側面視三角形状である。このような凹部43,43は、接続部材21の形成時に介挿部42に設けてもよいが、接続部材21を笠木31,32に巻き掛ける場合に、作業者が適宜の位置及び大きさの凹部43,43を形成することが好ましい。なお、凹部43は側面視三角形状に限らず、例えば矩形状、半円状等でもよい。
【0058】
以上のような接続部材21は、被覆部41の材料として合成ゴム系弾性体であるウレタン系エラストマ、スチレン系エラストマ、又は塩素化オレフィン系エラストマを用い、介挿部42の材料としてABS、PP等の硬質の合成樹脂を用いて、押出成型によって、形状及びサイズ(被覆部41の直径、抜け止め部42aの横幅等)が高精度に形成される。
表1に、被覆部41の材料として用いるべきエラストマの物性を2種類例示するが、これに限るものではない。
【0059】
【表1】

【0060】
以上のような接続構造11を構成する場合、作業者は、端面31a,32aを有する笠木31,32と、押出成型された1本の接続部材と、1枚の介在部材5とを準備する。この接続部材は、笠木31,32の裏面側を除く端面31a,32aの周縁の長さより長く、該周縁の長さに応じて接続部材を切断することによって、作業者は接続部材21を準備する。
切断された接続部材21の端面は下方を向けて配されるため、接続部材を切断する際に、接続部材21の端面に肌荒れが生じても問題はない。つまり、接続部材21は、接続部材21を準備する際の作業性が向上されている。
【0061】
笠木31,32、接続部材21及び介在部材5を準備した作業者は、例えば、まず、階段壁71の上面711に、表面31cを表側にし、端面31aを階段壁71の上面712側にして笠木31を取り付ける。
【0062】
次に作業者は、介在部材5の両面夫々に図示しない両面テープを固着して、介在部材5の一面を端面31aの中央部に固着する。
次いで作業者は、階段壁71の上面712に、表面32cを表側にし、端面32aを階段壁71の上面711側にして笠木32を取り付ける。ただし、笠木32を取り付ける際、作業者は、笠木31に固着された介在部材5の位置をズラさないようにしつつ、端面32aを、夫々両面テープが固着された介在部材5の他面に突き当てる。
【0063】
このとき、笠木31,32の端面31a,32a間には空隙が生じる。
また、端面31a,32a間の離隔距離は、介在部材5に対する端面31a,32aの突き当てによって高精度に設けることができる。つまり、接続構造11の接続部分を高精度に設けることができる。
【0064】
最後に作業者は、介挿部42に対し、被覆部41の屈曲位置に対応する位置に切り欠きを形成することによって凹部43,43を設ける。そして、被覆部41を端面31a,32aの周縁に沿わせて端面31a,32a間に配しつつ、介挿部42を端面31a,32a間に挿入して抜け止め部42aを無理嵌めする。このとき、凹部43,43に対応する部分で接続部材21が容易に屈曲する。
【0065】
ここで、端面31a,32aの離隔距離は介在部材5の介在によって高精度に設けられるため、無理嵌めされた抜け止め部42aの端面31a,32a間からの浮き、脱離等、延いては接続部材21の浮き、脱離等が、簡易な作業で容易に防止される。
【0066】
また、被覆部41の直径は、端面31a,32aの離隔距離より長いため、被覆部41は端面31a,32a間の空隙を被覆しつつ笠木31,32の端部に巻き掛けられる。被覆部41はエラストマ製であり容易に撓むため、端面31a,32aの周縁の形状に応じて容易に屈曲し、しかも、被覆部41の介挿部42側を端面31a,32a間に押し込むようにして、端面31a,32a間に空隙が生じることを確実に防止することができる。
また、介挿部42は凹部43,43で容易に屈曲するため、介挿部42の屈曲部分における接続部材21の浮き、脱離等の発生が防止される。
【0067】
以上のようにして笠木31,32は、接続構造11によって接続され、このとき、笠木31,32夫々の長手方向同士は約90°の配置角度を有し、表面31c,32cは互いに約180°の配置角度を有して、接続部材21を介して端面31a,32aが略平行に対向する。
【0068】
また、接続部材21は端面31a,32a間の上部及び両側部夫々の空隙を目隠しして、笠木31,32の端部を化粧する。
また、笠木31,32の取り付けの際に、笠木31,32に僅かの段差が生じても、この段差を接続部材21によって目隠しすることができる。
【0069】
このように、接続構造11は、笠木31,32の鋭い周縁を被覆して触感及び安全性を向上しつつ、作業性の向上、及び美観の向上を両立させている。
また、接続部材21は被覆部41の周面が曲面であるため、接続部材21に触れた場合の触感及び安全性が向上されている。
【0070】
ところで、接続部材21を形成するための接続部材は、異なる幅及び厚みを有する笠木31,32に対して共用することができるため、接続部材の種類を低減することができる。このため、前記接続部材を形成する場合に用いる1個の押出成型用の金型が準備されればよい。
一方、介在部材5は、市販の板状部材を適宜に切り出すか、又は所要の厚み、形状及びサイズを有する市販の板状部材を準備することによって、異なる幅及び厚みを有する笠木31,32に対して使用することができるため、金型を準備する必要がない。
【0071】
なお、介在部材5の笠木31,32に対する取付手段、介挿部42の端面31a,32a間に対する取付手段、笠木31,32、接続部材21及び介在部材5の取付手順等は、本実施の形態で説明した取付手段又は取付手順に限るものではない。
【0072】
また、介在部材5の形状も本実施の形態で示した形状に限るものではない。更に、複数枚の介在部材を介在させてもよい。
更にまた、接続部材21の色合いは笠木31,32の色合いと異なってもよく、被覆部41と介挿部42とで色合いが異なってもよい。
【0073】
また、介挿部42は、笠木31,32の端面31a,32a間に固定可能であれば矢符状に限るものではなく、例えば接着剤を用いて端面31a又は端面32aに固定してもよい。
更に、介挿部42を被覆部41の材料と同じエラストマを用いてもよい。この場合、介挿部42は、被覆部41同様、容易に屈曲するため、凹部43,43は形成してもしなくてもよい。
更にまた、被覆部41の横断面形状は円形状に限るものではなく、笠状、板状、三角形状等でもよい。また、被覆部41の表面に、接続部材21の装飾、保護等の目的で、例えばオレフィンシートを貼着してもよい。
【0074】
更に、端面31a,32aに、例えば抜け止め部42aが係止される係止溝を設けるか、端面31a,32aの表面を肌荒れさせて抜け止め部42aに対する摩擦力を向上させてもよい。この場合、接続部材21の浮き、脱離等が更に確実に防止される。
【0075】
実施の形態 2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る接続構造12の構成を示す斜視図である。また、図7は、接続構造12に用いられる接続部材22及び介在部341の構成を示す横断面図である。更に、図8は、接続部材22の構成を示す側面図である。
実施の形態1の接続構造11は、笠木31,32同士の接続部分の両端(端面31a,32aの長辺方向の両端)の形状は非対称形状であるが、本実施の形態の接続構造12は、接続部分が略対称形状である。
【0076】
接続構造12は階段の昇降口に設けられており、階段の昇降口の側部には、図6に示すように、階段壁72が設けられている。階段壁72は、略鉛直な矩形状の端面721と、端面721に連続的に、水平面に対して約35°の勾配を有する矩形状の上面722とを有する。
【0077】
笠木33,34は、幅及び厚みが夫々略等しい矩形状の板状部材を用いてなる。笠木33は、裏面が階段壁72の端面721に固定されて端面721を被覆することによって階段壁72の端面721を化粧する。笠木34は、裏面が上面722に固定されて上面722を被覆することによって上面722を化粧し、また、階段の手すりとして利用される。
【0078】
笠木33,34を被接続部材とする接続構造12は、接続部材22を介して、笠木33,34を接続してなる。ここで、図7に示すように、笠木33,34の端面33a,34aは、笠木33,34の表面33c,34cに対して約62.5°の傾斜を有する。接続構造12によって接続された笠木33,34は、図6及び図7に示すように、笠木33,34夫々の長手方向同士が約125°の配置角度を有し、接続部材22を介して端面33a,34aが略平行に対向している。
また、接続構造12は、実施の形態1の介在部材5に対応する介在部材を備えない。このため、接続構造12は準備すべき部材の個数が低減されている。
【0079】
ただし、笠木34の端面34aの中央部に、介在部341が突設してある。この介在部341の端面は端面34aと略平行に設けられ、笠木33の端面33aの中央部に当接させてある。なお、介在部341の端面と端面33aとの間に、両面テープ、接着剤等を介在してもよい。
介在部341は、側面視が、笠木33,34の端面33a,34aの長辺及び短辺夫々の長さより短い長辺及び短辺を有する単純な矩形状である。このような介在部341は、端面33a,34aの形状及びサイズに応じて笠木34に適宜に形成することができる。なお、端面33a側にも介在部を設けて、端面34aに当接させてもよく、介在部341の端面に当接させてもよい。
【0080】
図6〜図8に示すように、接続部材22は、被覆部61と、抜け止め部62aを有する介挿部62とが一体に設けられてなる棒状の部材である。この被覆部61、介挿部62及び抜け止め部62aは、実施の形態1の接続部材21の被覆部41、介挿部42及び抜け止め部42aに対応するため、以下では接続部材22と接続部材21との差異について主に説明する。
【0081】
実施の形態1の介挿部42には、屈曲位置に凹部43,43が形成してあるが、本実施の形態の介挿部62には、長手方向に連続的に並置して複数の凹部63,63,…が形成してある。各凹部63は側面視三角形状であるため、介挿部62の側面視は、先端に複数の抜け止め部62a,62a,…を有する鋸状である。
【0082】
このような凹部63,63,…は、接続部材22を切り出すための接続部材の製造時に、介挿部62を切り欠いて形成する。
なお、各凹部63を側面視矩形状又は半円状となし、介挿部62の側面視を、先端に複数の抜け止め部62a,62a,…を有する櫛状又は波状にしてもよい。また、隣り合う凹部63,63間を適長離隔させてもよい。
【0083】
凹部63,63,…が形成してあるため、介挿部62、延いては接続部材22は長手方向に容易に湾曲し、また屈曲する。この結果、屈曲位置に高精度に対応させた凹部を形成する必要がないため接続部材22の形成が容易であり、しかも、作業者が、接続部材22の取り付けの際に屈曲位置に合わせて凹部を形成する必要がないため作業性が向上される。
【0084】
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号又は対応する符号を付してそれらの説明を省略する。
【0085】
以上のような接続構造12は、作業者は、端面33aを有する笠木33と、端面34aに介在部341を有する笠木34と、押出成型された1本の接続部材とを準備し、この接続部材を、笠木33,34の裏面側を除く端面の周縁の長さに応じて切断することによって、接続部材22を準備する。
【0086】
笠木33,34及び接続部材22を準備した作業者は、例えば、まず、階段壁72の端面721に笠木33を取り付ける。
次に作業者は、階段壁72の上面722に笠木34を取り付ける。ただし、笠木34を取り付ける際、作業者は、介在部341の端面を、笠木33の端面33aに突き当てる。
このとき、笠木33,34の端面間には空隙が生じる。
【0087】
最後に作業者は、被覆部61を笠木33,34の端面33a,34aの周縁に沿わせて端面33a,34a間に配しつつ、介挿部62を端面33a,34a間に挿入して抜け止め部62a,62a,…を無理嵌めする。このとき、凹部63,63に対応する部分で接続部材22が容易に屈曲する。
【0088】
以上のようにして笠木33,34は、接続構造12によって接続され、このとき、笠木33,34夫々の長手方向同士は約125°の配置角度を有し、接続部材22を介して笠木33,34の端面33a,34aが略平行に対向する。
【0089】
また、接続部材22は笠木33,34の端面33a,34a間の上部及び両側部夫々の空隙を目隠しして、笠木33,34の端部を化粧する。
また、笠木33,34の取り付けの際に、笠木33,34に僅かの段差が生じても、この段差を接続部材22によって目隠しすることができる。
【0090】
このように、接続構造12は、笠木33,34の鋭い周縁を被覆して触感及び安全性を向上しつつ、作業性の向上、及び美観の向上を両立させている。
また、接続部材22は被覆部61の周面が曲面であるため、接続部材22に触れた場合の触感及び安全性が向上されている。
【0091】
ところで、接続部材22を形成するための接続部材は、異なる幅及び厚みを有する笠木33,34に対して共用することができるため、接続部材の種類を低減することができる。また、この接続部材は、実施の形態1の笠木31,32に対しても共用することができる。逆に、実施の形態1の接続部材21を形成するための接続部材を、本実施の形態の笠木33,34に対して共用することもできる。
【0092】
以上のように、接続部材21又は接続部材22を切り出すための接続部材を多様なサイズ及び多様な配置形態の笠木31〜34に対して共用できるため、前記接続部材を形成する場合に用いる1個の押出成型用の金型が準備されればよい。
【0093】
実施の形態 3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る接続構造13の構成を示す斜視図である。
【0094】
本実施の形態の笠木35,36、及び笠木35,36を被接続部材とする接続構造13は、実施の形態2の笠木33,34及び笠木33,34を被接続部材とする接続構造12に対応する。また、本実施の形態の階段壁73及び階段壁73の端面731と上面732とは、実施の形態1の階段壁72及び階段壁72の端面721と上面722とに対応する。
更に、接続構造13が備える接続部材23は、実施の形態1の接続部材21を切り出すための接続部材、又は実施の形態2の接続部材22を切り出すための接続部材を、笠木35,36の裏面側を除く端面の周縁の長さに応じて切断したものである。
【0095】
本実施の形態における階段の昇降口の側部には、階段壁73が設けられている。階段壁73は、略鉛直な矩形状の端面731と、端面731に連続的に、略水平面な矩形状の上面732とを有する。
笠木35,36の端面は、笠木35,36の表面35c,36cに対して約45°の傾斜を有する。接続構造13によって接続された笠木35,36は、笠木35,36夫々の長手方向同士が約90°の配置角度を有し、接続部材3を介して笠木35,36の端面が略平行に対向している。
【0096】
その他、実施の形態1,2に対応する部分には同一の符号又は対応する符号を付してそれらの説明を省略する。
【0097】
以上のような接続構造13は、実施の形態2の接続構造12と同様に構成され、このとき、笠木35,36夫々の長手方向同士は約90°の配置角度を有し、接続部材23を介して笠木35,36の端面が略平行に対向する。
接続構造13は、笠木35,36の鋭い周縁を被覆して触感及び安全性を向上しつつ、作業性の向上、及び美観の向上を両立させている。また、接続部材23に触れた場合の触感及び安全性が向上されている。
【0098】
なお、実施の形態1〜3においては、階段壁71〜73に取り付けられる笠木31〜36を例示したが、これに限るものではなく、例えば、柵の貫でもよい。
また、笠木31〜36は横断面矩形状の板状に限るものではなく、横断面変形六角形状の柱状、階段壁71〜73の上面又は端面を幅方向に囲繞する横断面コ字状の板状等でもよい。
更に、笠木31〜36の端面の周縁が緩やかな弧状である場合、例えば被覆部41はこの周縁に沿って緩やかに湾曲する。この湾曲部分に対応する位置の介挿部42に、凹部43を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態1に係る接続構造の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る接続構造の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る接続構造の構成を示す横断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る接続構造に用いられる接続部材及び介在部材の構成を示す横断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る接続構造に用いられる接続部材の構成を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る接続構造の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る接続構造に用いられる接続部材及び介在部の構成を示す横断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る接続構造に用いられる接続部材の構成を示す側面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る接続構造の構成を示す斜視図である。
【図10】従来の接続構造の側面図である。
【符号の説明】
【0100】
11,12,13 接続構造
21,22,23 接続部材
31,32,33,34,35,36 笠木(被接続部材)
31a,32a,33a,34a 端面(被接続部材の端面)
341 介在部
41,61 被覆部
42,62 介挿部
42a,62a 抜け止め部
43,63 凹部
5 介在部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の板状又は棒状の被接続部材を、接続部材を介して、端面同士を略平行に対向させて接続してなる接続構造において、
前記被接続部材の端面間に、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定される介在部材を備え、
前記接続部材は、
前記被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて前記被接続部材の端部に巻き掛けられ、前記被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部、及び、該被覆部の長手方向に沿って配され、前記被接続部材の端面間に介挿される介挿部が、一体に設けられてなり、
前記介挿部を、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定してなることを特徴とする接続構造。
【請求項2】
2個の板状又は棒状の被接続部材を、接続部材を介して、端面同士を略平行に対向させて接続してなる接続構造において、
前記被接続部材の端面間に、前記被接続部材の端面の一方又は両方に突設してある介在部を備え、
前記接続部材は、
前記被接続部材の端面の周縁に沿い、該周縁の長さに応じて前記被接続部材の端部に巻き掛けられ、前記被接続部材の端面間の空隙を被覆する被覆部、及び、該被覆部の長手方向に沿って配され、前記被接続部材の端面間に介挿される介挿部が、一体に設けられてなり、
前記介挿部を、前記被接続部材の端面の一方又は両方に固定してなることを特徴とする接続構造。
【請求項3】
前記被覆部は、エラストマを用いてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記介挿部の前記端面間への介挿部分に、前記端面間に無理嵌めされる抜け止め部が形成してあることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記被接続部材の端部に巻き掛けられる前記被覆部が湾曲又は屈曲する部分に対応する位置の前記介挿部に、該介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部が形成してあることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記介挿部に、該介挿部の湾曲又は屈曲を補助する凹部が、長手方向に並置して複数形成してあることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−224609(P2007−224609A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47325(P2006−47325)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】