説明

接続異常監視システムおよび接続異常監視報知装置

【課題】容易に設置して不正操作を監視できるようにする。
【解決手段】接続異常監視装置10は、差込プラグ12a、12bとプラグ受けを備え、コンセント4aからプラグ受け内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況を監視し、接続異常報知装置20は、接続異常監視装置10との通信により電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況が異常であることを判定した場合、接続異常を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電施設側に設けられたコンセントから受電して、電源プラグを用いて接続される負荷への配電を行うとともに、電源プラグとコンセント間の接続状況を監視して接続異常を報知する接続異常監視システムおよび接続異常監視報知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラグイン自動車と充電ステーションとの間を電力線で接続し、プラグイン自動車に搭載された電力線通信部とステーション側に設置された電力線通信部との電力線通信を行うことによってプラグイン自動車への不正操作を検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−182239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたシステムは、自動車側とステーション側の双方に電力線通信部を設置する必要があるため、使用できる場所が限られるといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、容易に設置して不正操作を監視できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、給電施設側に設けられたコンセント(4a)から受電して、電源プラグ(50a、50b)を用いて接続される負荷への配電を行うとともに、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視する接続異常監視装置(10)と、当該接続異常監視装置(10)の監視結果に基づいて電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知する接続異常報知装置(20)と、を備えた接続異常監視システムであって、接続異常監視装置(10)は、コンセント(4a)に接続するための差込プラグ(12a、12b)と、電源プラグ(50a、50b)が挿入されるプラグ受け(11)と、を備え、コンセント(4a)からプラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視し、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)との通信により電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況が異常であることを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知することを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、接続異常監視装置(10)は、コンセント(4a)からプラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視し、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)との通信により電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況が異常であることを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知するので、例えば、電源プラグの不正操作を検出するための回路を負荷側に設置する必要もなく、容易に設置して不正操作を監視することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、接続異常監視装置(10)は、コンセント(4a)からプラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路(13)と、交流直流変換回路(13)より出力される直流電圧で動作し、接続異常報知装置(20)からの要求に応じて電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況が正常であることを示す情報を送信する信号処理手段(15)と、を備え、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)から接続状況が正常であることを示す情報が受信されなくなったことを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知することを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)から接続状況が正常であることを示す情報が受信されなくなったことを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知する。すなわち、接続異常監視装置(10)がコンセント(4a)から取り外され、接続異常監視装置(10)が受電されなくなっても、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、接続異常監視装置(10)と接続異常報知装置(20)は、コンセント(4a)に接続された電力線を介して互いに接続されており、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)と電力線を介した電力線通信を行うことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、接続異常報知装置(20)は、接続異常監視装置(10)と電力線を介した電力線通信を行うので、新たな通信線を配線する必要もなく設置が容易である。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、給電施設側に設けられたコンセント(4a)から受電して電源プラグ(50a、50b)を用いて接続される負荷への配電を行うとともに、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視するとともに当該電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知する接続異常監視報知装置(30)であって、コンセント(4a)に接続するための差込プラグ(12a、12b)と、電源プラグ(50a、50b)が挿入されるプラグ受け(11)と、コンセント(4a)からプラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視する接続状況監視手段と、接続状況監視手段により電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧が異常であることを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知する報知制御手段を、を備えたことを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、コンセント(4a)からプラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視し、電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧が異常であることを判定した場合、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知するので、例えば、電源プラグの不正操作を検出するための回路を負荷側に設置する必要もなく、容易に設置して不正操作を監視することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、差込プラグ(12a、12b)がコンセント(4)に接続されなくなった場合でも、電圧判定手段による判定と、報知制御手段により報知を可能にするためのバッテリを備えたことを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、差込プラグ(12a、12b)がコンセント(4)に接続されなくなった場合でも、バッテリ(34)により、電圧判定手段による判定と、報知制御手段による報知が可能となる。すなわち、差込プラグ(12a、12b)がコンセント(4)に接続されなくなった場合でも、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続異常を報知することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、接続状況監視手段は、電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路(13)を備え、交流直流変換回路から出力される直流電圧が規定値未満となったか否かににより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視することを特徴としている。
【0017】
このように、電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路(13)を備え、交流直流変換回路から出力される直流電圧が規定値未満となったか否かににより電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況を監視することもできる。
【0018】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る接続異常監視システムの全体構成を示す図である。
【図2】接続異常監視装置の接続例を示す図である。
【図3】接続異常監視装置の信号処理部による情報送信処理のフローチャートである。
【図4】接続異常報知装置の制御部による報知処理のフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る接続異常監視装置の制御部の処理について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る接続異常監視報知装置の構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る接続異常監視報知装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る接続異常監視報知装置の制御部の処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る接続異常監視システムの全体構成を図1に示す。本実施形態に係る接続異常監視システムは、給電施設側に設けられたコンセント4aから受電して電源プラグ50a、50bを介して接続される電気自動車(負荷)への配電を行うとともに、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況を監視する接続異常監視装置10と、この接続異常監視装置10の監視結果に基づいて電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知する接続異常報知装置20により構成されている。
【0021】
本実施形態における接続異常監視装置10は、図2に示すように、住宅の外壁に設けられた屋外コンセント4aに接続されるようになっている。また、接続異常監視装置10は、プラグ受け11を有しており、このプラグ受け11に電源コネクタ5の電源プラグ50a、50bが挿入されるようになっている。
【0022】
また、接続異常報知装置20は、居間、寝室等に設置され、住宅内に設けられた屋内コンセント4bに接続される。
【0023】
また、接続異常監視装置10は、図1に示したように、屋外コンセント4aに接続するための差込プラグ12a、12bと、ACDCアダプタ13、PLC通信機14および信号処理部15を備えている。
【0024】
ACDCアダプタ13は、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する。すなわち、ACDCアダプタ13は、プラグ受け11内に電源プラグ50a、50bが挿入されたときに、プラグ受け11内で電源プラグ50aと接触する第1の端子と、プラグ受け11内で電源プラグ50bと接触する第2の端子を有し、第1の端子と第2の端子間に印加される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。
【0025】
PLC(Power Line Communications)通信機14は、家庭内配線40を通信回線として利用して通信を行うためのものである。
【0026】
信号処理部15は、RAM、ROM、EEPROM等を備えたコンピュータとして構成されている。信号処理部15は、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。信号処理部15は、ACDCアダプタ13より出力される直流電力により動作する。
【0027】
信号処理部15は、電源プラグ50a、50bと屋外コンセント4a間の接続状況が正常であることを示す情報を周期的に送信する情報送信処理を行う。
【0028】
接続異常報知装置20は、屋内コンセント4bの接続するための差込プラグ21a、21bと、ACDCアダプタ22、PLC通信機24、制御部25、開始停止スイッチ26a、報知器26bおよび入力器26cを備えている。
【0029】
ACDCアダプタ22は、屋内コンセント4bから受電される交流電圧を直流電圧に変換する。
【0030】
PLC通信機24は、家庭内配線40を通信回線として利用して通信を行うためのものである。
【0031】
接続異常監視装置10と接続異常報知装置20との間は、家庭内配線40を介して互いに接続されており、接続異常報知装置20は、家庭内配線40を介した電力線通信により接続異常監視装置10と通信するようになっている。
【0032】
開始停止スイッチ26a、接続異常の監視の開始および停止を指示するためのスイッチである。
【0033】
報知器26bは、光および音で周囲のユーザに異常を知らせるためのもので、表示部およびブザーにより構成されている。
【0034】
入力器26cは、後述する暗証番号の入力や、報知を規制するための操作を行うためのもので、数字、記号等を入力するための各種スイッチにより構成されている。
【0035】
制御部25は、CPU、RAM、ROM、EEPROM等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0036】
制御部25の処理としては、接続異常監視装置10から周期的に送信される正常通知情報が受信されなくなったことを判定した場合、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知器26bから報知させる報知処理がある。
【0037】
本接続異常監視システムでは、接続異常監視装置10と接続異常報知装置20とを家庭内配線40を介して互いに接続させた状態で、ユーザによる暗証番号の登録設定を行うようになっている。なお、これらの登録設定は、入力器26cを用いて行われる。ユーザ操作によって登録された暗証番号は、制御部25のEEPROMに記憶される。
【0038】
また、接続異常監視装置10の信号処理部15のEEPROMには、接続異常報知装置20に対して固有に割り当てられている識別情報が記憶されている。
【0039】
反対に、接続異常報知装置20の制御部25のEEPROMには、接続異常監視装置10に対して固有に割り当てられている識別情報が記憶されている。
【0040】
接続異常監視装置10と接続異常報知装置20は、それぞれ相手装置から送信されるデータに含まれる識別情報とEEPROMに記憶された相手装置の識別情報の一致により相手装置の認証を行うようになっている。
【0041】
図3に、接続異常監視装置10の信号処理部15による情報送信処理のフローチャートを示す。接続異常監視装置10が屋外コンセント4aに接続され、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に交流電圧が印加され、ACDCアダプタ13の出力電圧が規格範囲内になると、信号処理部15は図に示す処理を開始する。
【0042】
まず、要求信号を受信したか否かを判定する(S200)。接続異常報知装置20より、接続異常報知装置20の識別情報を含む要求信号が周期的に送信されるようになっている。ここでは、接続異常報知装置20より要求信号を受信したか否かを判定する。
【0043】
要求信号が受信されない場合、S200の判定はNOとなり、S200の判定を繰り返し実施する。また、要求信号を受信すると、次に、要求信号に含まれる識別情報が、登録された相手の識別情報(ID)であるか否かを判定する(S202)。
【0044】
ここで、応答信号に登録された相手の識別情報が含まれない場合、S202の判定はNOとなり、S200へ戻る。
【0045】
また、応答信号に登録された相手の識別情報が含まれている場合は、S202の判定はYESとなり、自己の識別情報を含む応答信号を接続異常報知装置20へ送信し(S204)、S100へ戻る。
【0046】
このように、接続異常監視装置10は、接続異常報知装置20より定期的に送信される要求信号を受信し、要求信号に登録された相手の識別情報が含まれる場合、自己の識別情報を含む応答信号を接続異常報知装置20へ送信するようになっている。すなわち、ACDCアダプタ13により電源プラグ50a、50bの端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換し、電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧が正常な場合に、ACDCアダプタ13の出力電圧で動作する信号処理部15から電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続状況が正常であることを示す情報(応答信号)が送信され、電源プラグ(50a、50b)とコンセント(4a)間の接続が未接続となり、電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧が低下すると、信号処理部15から応答信号が送信されなくなるようになっている。
【0047】
図4に、接続異常報知装置20の制御部25による報知処理のフローチャートを示す。接続異常報知装置20が屋内コンセント4bに接続され、ユーザの開始停止スイッチ26aの操作により接続状態の報知の開始が指示されると、制御部25は、図3に示す処理を開始する。
【0048】
まず、要求信号を送信する(S100)。具体的には、電力線通信を介して自己の識別情報を含む要求信号を送信する。
【0049】
次に、一定時間内に応答信号を受信したか否かを判定する(S102)。接続異常監視装置10により要求信号が受信されると、一定時間内に接続異常監視装置10から応答信号が送信されるようになっている。ここでは、接続異常監視装置10からの応答信号を受信したか否かを判定する。
【0050】
ここで、一定時間内に応答信号を受信すると、S102の判定はYESとなり、次に、応答信号に含まれる識別情報が、登録された相手の識別情報(ID)であるか否かを判定する(S104)。
【0051】
ここで、図5(a)に示すように、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に交流電圧が印加され、信号処理部15が正常に動作しており、登録された相手の識別情報を含む応答信号を受信した場合、S104の判定はYESとなり、S100へ戻る。
【0052】
しかし、図5(b)に示すように、何者かにより屋外コンセント4aから差込プラグ12a、12bが外され、電源プラグ50a、50bの端子間電圧が低下し、接続異常監視装置10から応答信号が送信されなくなると、S102の判定はNOとなり、一定時間報知を行う(S106)。具体的には、電源プラグ50a、50bとコンセント4aとの間の接続が異常であることを通知するための表示を表示部に表示させるとともに、接続異常を通知するための音をブザーより発生させ、S100へ戻る。
【0053】
また、図5(a)に示した正常状態から、図5(c)に示すように、何者かにより電源プラグ50a、50bがプラグ受け11から抜かれ、接続異常監視装置10から応答信号が送信されなくなった場合にも、S102の判定はNOとなり、一定時間報知が行われる(S106)。
【0054】
また、図5(a)に示した正常状態から、図5(d)に示すように、何者かにより屋外コンセント4aから差込プラグ12a、12bが外され、更に、電源プラグ50a、50bがプラグ受け11から抜かれた場合も、S102の判定はNOとなり、一定時間報知が行われる(S106)。
【0055】
なお、正規のユーザの操作により電源コネクタ5がプラグ受け11から抜かれるような場合には、入力器26cから暗証番号を入力し、暗証番号による認証が完了してから一定時間内に開始停止スイッチ26aの操作が行われば、報知が行われないようになっている。
【0056】
上記した構成によれば、接続異常監視装置10は、コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況を監視し、接続異常報知装置20は、接続異常監視装置10との通信により電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況が異常であることを判定した場合、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知するので、例えば、電源プラグの不正操作を検出するための回路を負荷側に設置する必要もなく、容易に設置して不正操作を監視することができる。
【0057】
また、接続異常監視装置10を別のコンセントに取り付けて使用することも容易にでき、また、どのような負荷を接続しても不正操作を検出することができるので利便性が高い。
【0058】
また、接続異常報知装置20は、接続異常監視装置10から接続状況が正常であることを示す情報が受信されなくなったことを判定した場合、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知する。すなわち、接続異常監視装置10がコンセント4aから取り外され、接続異常監視装置10が受電されなくなっても、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知することができる。
【0059】
また、接続異常報知装置20は、接続異常監視装置10と電力線を介した電力線通信を行うので、新たな通信線を配線する必要もなく設置が容易である。
【0060】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る接続異常監視報知装置の構成を図6に示す。上記第1実施形態では、接続異常監視装置10と接続異常報知装置20により接続異常監視システムを構成したが、本実施形態では、接続異常監視報知装置30により電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況の監視および報知を行う。なお、上記第1実施形態と同一部部分には同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。
【0061】
本接続異常監視報知装置30は、図2に示したように、住宅の外壁に設けられた屋外コンセント4aに接続されるようになっている。
【0062】
接続異常監視報知装置30は、差込プラグ12a、12b、プラグ受け11、ACDCアダプタ13、バッテリ34、開始停止スイッチ26a、報知器26b、入力器26c、制御部25を備えている。
【0063】
バッテリ34は、差込プラグ12a、12bが屋外コンセント4aから外された場合でも、制御部15が、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧が規定値未満か否かを判定し、報知器26bを介して報知を行うことを可能にするために設けられている。
【0064】
本実施形態におけるバッテリ34は、繰り返し充電することが可能な充電式バッテリにより構成されている。ただし、バッテリ34は、充電することのできない電池を用いて構成することもできる。
【0065】
図7に、本実施形態に係る接続異常監視報知装置30の制御部15のフローチャートを示す。差込プラグ12a、12bが屋外コンセント4aに接続され、プラグ受け11に電源プラグ50a、50bが挿入され、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に交流電圧が印加され、ACDCアダプタ13の出力電圧が規格範囲内になると、制御部15は、図に示す処理を開始する。
【0066】
まず、電力供給があるか否かを判定する(S300)。具体的には、ACDCアダプタ13の出力電圧が閾値以上か否かに基づいて電力供給があるか否かを判定する。
【0067】
ここで、図8(a)に示すように、屋外コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に交流電圧が印加され、ACDCアダプタ13の出力電圧が閾値以上になっている場合、S300の判定はYESとなり、次に、開始停止スイッチ26aの操作により電源オフの操作が行われたか否かを判定する(S302)。
【0068】
ここで、電源オフの操作が行われていない場合、S302の判定はNOと成り、S300へ戻る。
【0069】
また、図8(b)に示すように、何者かにより屋外コンセント4aから差込プラグ12a、12bが外され、電源プラグ50a、50bの端子間電圧が閾値未満になると、S300の判定はNOとなり、一定時間報知を行う(S304)。具体的には、電源プラグ50a、50bとコンセント4aとの間の接続が異常であることを通知するための表示を表示部に表示させるとともに、接続異常を通知するための音をブザーより発生させ、S100へ戻る。
【0070】
また、図8(a)に示した正常状態から、図8(c)に示すように、何者かにより電源プラグ50a、50bがプラグ受け11から抜かれ、電源プラグ50a、50bの端子間電圧が閾値未満になった場合にも、S300の判定はNOとなり、一定時間報知が行われる(S304)。
【0071】
また、図8(a)に示した正常状態から、図8(d)に示すように、何者かにより屋外コンセント4aから差込プラグ12a、12bが外され、更に、電源プラグ50a、50bがプラグ受け11から抜かれた場合も、S300の判定はNOとなり、一定時間報知が行われる(S304)。
【0072】
上記した構成によれば、コンセント4aからプラグ受け11内に設けられた電極端子11a、11bを介して電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況を監視し、電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧が異常であることを判定した場合、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知するので、例えば、電源プラグの不正操作を検出するための回路を負荷側に設置する必要もなく、容易に設置して不正操作を監視することができる。
【0073】
また、差込プラグ12a、12bがコンセント4に接続されなくなった場合でも、バッテリ34により、電圧判定手段による判定と、報知制御手段による報知が可能となる。すなわち、差込プラグ12a、12bがコンセント4に接続されなくなった場合でも、電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続異常を報知することができる。
【0074】
また、電源プラグ50a、50bの端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路13を備え、交流直流変換回路から出力される直流電圧が規定値未満となったか否かににより電源プラグ50a、50bとコンセント4a間の接続状況を監視することもできる。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0076】
例えば、上記第1実施形態において、接続異常監視装置10と接続異常報知装置20との間で電力線を介した電力線通信を行う構成を示したが、電力線通信に限定されるものではなく、例えば、無線通信を行う構成としてもよい。
【0077】
また、上記第1、第2実施形態では、それぞれ接続異常監視装置10、接続異常監視報知装置30を屋外コンセント4aに接続する例を示したが、屋外コンセント4aに接続されるものとして限定されるものではない。
【0078】
また、上記第1、第2実施形態では、それぞれ接続異常監視装置10、接続異常監視報知装置30をコンセント4aに接続する構成を示したが、例えば、コンセントに内蔵するように構成してもよい。
【0079】
また、上記第1、第2実施形態では、ACDCアダプタ13、22を用いて交流電圧を直流電圧に変換し、電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧の正常性を監視するように構成したが、必ずしも交流電圧を直流電圧に変換する必要はなく、例えば、交流電圧で動作する負荷の動作状態を監視することによって電源プラグ50a、50bの端子間に印加される電圧の正常性を監視するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
4a、4b コンセント
50a、50b 電源アダプタ
10 接続異常監視装置
11a、11b 電極端子
12a、12b 差込プラグ
13、13 ACDCアダプタ
14、24 PLC通信機
15 信号処理部
20 接続異常報知装置
21a、21b 差込プラグ
25 制御部
26a 開始停止スイッチ
26b 報知器
26c 入力器
40 屋内配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電施設側に設けられたコンセント(4a)から受電して、電源プラグ(50a、50b)を用いて接続される負荷への配電を行うとともに、前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況を監視する接続異常監視装置(10)と、当該接続異常監視装置(10)の監視結果に基づいて前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続異常を報知する接続異常報知装置(20)と、を備えた接続異常監視システムであって、
前記接続異常監視装置(10)は、前記コンセント(4a)に接続するための差込プラグ(12a、12b)と、
前記電源プラグ(50a、50b)が挿入されるプラグ受け(11)と、を備え、
前記コンセント(4a)から前記プラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して前記電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況を監視し、
前記接続異常報知装置(20)は、前記接続異常監視装置(10)との通信により前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況が異常であることを判定した場合、前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続異常を報知することを特徴とする接続異常監視システム。
【請求項2】
前記接続異常監視装置(10)は、前記コンセント(4a)から前記プラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して前記電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路(13)と、
前記交流直流変換回路(13)より出力される直流電圧で動作し、前記接続異常報知装置(20)からの要求に応じて前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況が正常であることを示す情報を送信する信号処理手段(15)と、を備え、
前記接続異常報知装置(20)は、前記接続異常監視装置(10)から前記接続状況が正常であることを示す情報が受信されなくなったことを判定した場合、前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続異常を報知することを特徴とする請求項1に記載の接続異常監視システム。
【請求項3】
前記接続異常監視装置(10)と前記接続異常報知装置(20)は、前記コンセント(4a)に接続された電力線を介して互いに接続されており、
前記接続異常報知装置(20)は、前記接続異常監視装置(10)と前記電力線を介した電力線通信を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の接続異常監視システム。
【請求項4】
給電施設側に設けられたコンセント(4a)から受電して電源プラグ(50a、50b)を用いて接続される負荷への配電を行うとともに、前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況を監視するとともに当該電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続異常を報知する接続異常監視報知装置(30)であって、
前記コンセント(4a)に接続するための差込プラグ(12a、12b)と、
前記電源プラグ(50a、50b)が挿入されるプラグ受け(11)と、
前記コンセント(4a)から前記プラグ受け(11)内に設けられた電極端子(11a、11b)を介して前記電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧の正常性を監視することにより前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況を監視する接続状況監視手段と、
前記接続状況監視手段により前記電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される電圧が異常であることを判定した場合、前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続異常を報知する報知制御手段を、を備えたことを特徴とする接続異常監視報知装置。
【請求項5】
前記差込プラグ(12a、12b)が前記コンセント(4)に接続されなくなった場合でも、前記電圧判定手段による判定と、前記報知制御手段により報知を可能にするためのバッテリ(34)を備えたことを特徴とする請求項4に記載の接続異常監視報知装置。
【請求項6】
前記接続状況監視手段は、前記電源プラグ(50a、50b)の端子間に印加される交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換回路(13)を備え、
前記交流直流変換回路から出力される直流電圧が規定値未満となったか否かににより前記電源プラグ(50a、50b)と前記コンセント(4a)間の接続状況を監視することを特徴とする請求項4または5に記載の接続異常監視報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−175786(P2012−175786A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34728(P2011−34728)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】