説明

接続装置

本発明は、ポールダンス用ポールの管を取外し可能に連結するための接続装置に関する。接続装置は、本体と、互いに螺合する第1のねじ付き要素およびねじ部材を含む機構とを備え、この機構は、ねじ部材を第1のねじ付き要素に対して回すことによって管の少なくとも1つの内面に力を及ぼすように構成される。この機構は、管の少なくとも1つの内面に及ぼされる力を増大するための機構の動作中、第1のねじ付き要素の螺旋軸線およびねじ部材の螺旋軸線が互いに実質的に整列された状態を維持するようにさらに構成される。本発明は、本発明による接続装置を備えるポールダンス用ポールおよびポールダンス用ポールキットにさらに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置に関し、特に、ポールダンス用ポールの接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダンスエクササイズ、いわゆるポールダンスで使用するためのポールが非常に人気を集めている。このようなポールは、床と天井との間に延び、一般に、必要な高さに応じて連続してつなぎ合わされる少なくとも2つの管を備える。ポールは、管の接続や分断によって組み立てられ分解される。接続および分断を行いやすいように、管の間に継手が設けられる。現在使用されている継手には2つの形態、すなわち、ねじ継手およびインサート継手があり、そのいずれにも欠点がある。
【0003】
ねじ継手は、管の端部内へ溶接するインサートが必要なことと、仕上げ動作とを要するため、製造費が高くなる。使用中、ポールが温まると、管および継手が拡張してねじ山がロックさることがあり、ロックされるとポールを使用した後に継手のねじを緩めることが難しくなる。あるいは、ねじ継手は、ねじを十分にきつく締めていなければ、使用中、反時計回りに回転することでねじが外れてしまう可能性がある。
【0004】
インサート継手は、インサート継手が挿入される管よりも小さくなければならず、したがって、管内を移動しやすく、ポールが撓み、および/または使用中に管が相対的に回転してしまう。さらに、ポールが使用中に温まると、インサートが拡張してしまい、管がロックされて分離することが難しくなることがある。
【0005】
また、例えば、英国特許出願第0713866.2号明細書から、管をつなぎ合せるために、半径方向に拡張する本体を有する接続装置が知られている。しかしながら、このような接続装置は、動作中、可動部品が位置ずれ状態になり、本体が正確に拡張できないため動作しにくくなりうる。これにより、例えば、可動部品のねじは回りにくくなるため、実際には回って外れる場合があっても、ユーザは接続装置が管に適切に係合されていると疑わず、結果的に、ユーザに危険が迫る可能性があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の問題を解消するポールダンス用ポールの改良型接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、ポールダンス用ポールの管を取外し可能に接続するための接続装置であって、
本体と、
互いに螺合する第1のねじ付き要素およびねじ部材を含み、前記ねじ部材を前記第1のねじ付き要素に対して回すことによって前記管の少なくとも1つの内面に力を作用させるように構成された機構と
を備え、
前記機構が、前記管の少なくとも1つの内面に作用される力を増大するための機構の動作中に、前記第1のねじ付き要素の螺旋軸線および前記ねじ部材の螺旋軸線が互いに対して実質的に整列された状態を維持するように構成される接続装置が提供される。
【0008】
本発明により、位置ずれが原因でねじ山がつぶれることがないように、第1のねじ付き要素およびねじ部材のねじ山間の要求された隙間を維持するために、第1のねじ付き要素に対してねじ部材の十分な軸線方向の整列を維持する接続装置が提供される。
【0009】
螺旋軸線は、軸線に沿って並進運動が起こり、軸線の周りで回転運動が起こる軸線である。第1のねじ付き要素の螺旋軸線は、第1のねじ付き要素がねじ部材に対して回転されると、軸線に沿ってねじ部材が並進運動し軸線の周りで回転運動する軸線である。ねじ部材の螺旋軸線は、ねじ部材が第1のねじ付き要素に対して回転されると、軸線に沿って第1のねじ付き要素が並進運動し軸線の周りで回転運動する軸線である。
【0010】
第1のねじ付き要素およびねじ部材のねじ部分が位置ずれした状態になれば、ねじ山は互いに対してロックされ、管の内面に十分な力をかけるために接続装置のねじ部材を完全に締め付ける能力が制限されてしまう。したがって、この問題を解消するために、本発明により、好適には、第1のねじ付き要素の螺旋軸線およびねじ部材の螺旋軸線が実質的に整列された状態が維持されるため、ねじ部材は、詰まることなくねじ付き要素内で自由に回転できる。したがって、本明細書において使用する「実質的に整列される」という用語は、第1のねじ付き要素の螺旋軸線およびねじ部材の螺旋軸線が、少なくとも、接続装置が2つの管を連結する機構が正確に動作できなくなるねじ部材と第1のねじ付き要素との間のつぶれを回避することが必要な程度まで整列されることを意味する。
【0011】
この利点は、ユーザによって比較的迅速かつ容易に組立ておよび分解が行われるように意図されたポールダンス用ポールにとって特に重要である。したがって、本発明により、ユーザが2つの管を連結するためのねじ部材を十分に締め付けない事態が防止され、したがって、堅牢かつ安全なポールダンス用ポールが組み立てられる。
【0012】
第1のねじ付き要素は、本体の内面と接触するように構成された表面を含んでもよく、第1のねじ付き要素の表面は、前記内面に押し付けて力を作用させて、前記1対の管の少なくとも一方の内面に力を及ぼすように構成されている。この好適な構成により、接続装置を使用して、ポールダンス用ポールの管を連結するための摩擦継手を与えることができる。
【0013】
第1のねじ付き要素は、本体の内面に対して第1のねじ付き要素を方向付けるように構成された少なくとも1つの締結具によって本体の内面に連結されてもよい。この配列により、第1のねじ付き要素は浮き、すなわち、第1のねじ付き要素は、本体に対して強固に固定されないことによって、第1のねじ付き要素は、接続装置を拡張するために、第1のねじ付き要素のねじ部材を動作させることによって、接続装置の本体に継続的に増大する力を及ぼすとき、本体の内面の構成に対して方向付けすることができる。本体に対する第1のねじ付き要素のこのような方向付けにより、第1のねじ付き要素の螺旋軸線およびねじ部材が、互いに実質的に整列された状態を維持するように促される。この方向付けは、本体の内面が、本体を拡張するさい、第1のねじ付き要素の螺旋軸線に垂直方向に移動しなくても起こりうる。このような非垂直方向の移動は、機構を用いて本体を拡張するさい、本体の長手方向の中央に向かって拡張する範囲より本体の端部に向かってより大きな範囲まで拡張しうるスロットを有する本体によって生じうる。本発明のこのような実施形態は、従来技術と比較して好ましい。ねじ付き部材が接続装置の本体に強固に固定される従来技術の接続装置においては、ねじ部材の螺旋軸線に垂直ではない本体の内面が移動すると、ねじ部材は、ねじ付き要素の螺旋軸線と位置ずれ状態になり、したがって、つぶれが生じうるものであった。
【0014】
少なくとも1つの締結具は、第1のねじ付き要素に対してねじ部材を一方向に回すときは、本体の一部分を拡張し、第1のねじ付き要素に対してねじを反対方向に回すときは、本体の部分を収縮するように構成される。本体を収縮可能なように接続装置を配設することで、本体の弾性がないことにより継手が管の部分に詰まった状態になる可能性が回避される。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つの締結具が、前記本体の穴を通して前記第1のねじ付き要素に締結されるねじを含み、前記ねじが、本体の内面に対してねじ付き要素が移動できるようにするためのねじ切りされていない部分を有する。したがって、ねじ切りされていない部分は、本体に固定されない。
【0016】
本体は、本体の長手方向軸線の少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つのスロットを含んでもよく、機構は、スロットを拡張および収縮するように動作可能である。このようにして、本体は容易に拡張および収縮されうる。
【0017】
好適には、少なくとも1つのスロットは、本体の全長に沿って延びてもよい。この構成により、継手は、継手の全長に沿って均一に拡張することによって、連結される管の内面に押し付けて力を継手に沿って均等にかける。この構成により、好適には、接続装置によって連結されたときに当接する2つの管の端部間の撓み運動を低減し、好ましくは撓み運動をなくすことで、組み立てられたときに堅牢かつ安全なポールダンス用ポールが得られる。
【0018】
好ましくは、この機構は、第1のねじ付き要素の螺旋方向とは反対の螺旋方向を有する第2のねじ付き要素を含む。これにより、好適には、本体が均等に拡張し、したがって、少なくとも1つの管の内面に力が均等に及ぼされるようにするために、本体の対向する側面に力が及ぼされる。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、接続装置は、前記ねじ部材を前記第1のねじ付き要素に対して回すことによって前記管の少なくとも1つの内面に力を及ぼすように構成される第2の機構を含んでもよい。このようにして、一方の機構が、接続装置の一端を1つの管に連結するために使用されてもよく、第2の機構が、接続装置の他端を別の管に連結するために使用されてもよい。
【0020】
本体は、本体の一端に第1の長手方向のスロットと、本体の他端に第2の長手方向のスロットとを含んでもよく、第1と第2の機構の一方が前記第1の長手方向のスロットを拡張するように構成され、他方の機構が前記第2の長手方向のスロットを拡張するように構成される。別の実施形態において、本体が本体の長さに沿って単一の長手方向のスロットを含む場合、1つの機構が、本体を拡張するために使用されてもよく、または2つの機構が、本体の長さに沿って均等に本体を拡張するために配設されてもよい。
【0021】
本体の外面は少なくとも1つの貫通孔を含み、ねじ部材は、ねじ部材を回すための工具によりアクセスされるようになっている。
【0022】
本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様による接続装置と、第1および第2の管とを備えるポールダンス用ポールが提供される。
【0023】
本体は、本体の外面に、長手方向の中央領域において、少なくとも1つの半径方向に延びる位置決めピンを含んでもよく、第1および第2の管の各々は、管の端面に、少なくとも1つの位置決めピンを収容するように構成された少なくとも1つのノッチを含む。
【0024】
第1および第2の管の各々が穴を含んでもよく、この穴は、接続装置が第1および第2の管の端部内に配設された状態で、工具を用いてねじ部材を回すための少なくとも1つの貫通孔と整列される。
【0025】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による接続装置と、接続装置の部品を収容するように配設された端部を各々が有する第1および第2の管とを備えるポールダンス用ポールキットが提供される。
【0026】
以下、本発明のさらなる特徴および利点は、例示的にのみ、添付の図面を参照しながらなされる本発明の好ましい実施形態の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態による接続装置の断面図を示す。
【図2】図1の線A−Aに沿って切り取った接続装置の断面図を示す。
【図3】図1の線B−Bに沿って切り取った接続装置の断面図を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態による接続装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1には、本発明の実施形態による接続装置1が示されている。この接続装置1は、中空の円筒状管である本体2と、2つの機構3とを備える。機構3は、互いに螺合する第1のねじ付き要素5およびねじ部材7を備え、ねじ部材7を第1のねじ付き要素8に対して回転させることで、接続装置1を半径方向に拡張および収縮するように動作可能である。この機構は、管の内面にかけられた力を増大するための機構の動作中、ねじ付き部材の螺旋軸線と、ねじ部材の螺旋軸線が互いに実質的に整列された状態を維持するように配設される。拡張状態において、接続装置1は、管10、11と摩擦継手を形成し、管10、11を互いに対して固定する。
【0029】
円筒状本体2には、本体2の全長にわたり延びる、単一の長手方向に延びるスロット4が設けられる。このスロット4の存在により、円筒状本体2の直径が、機構3(円筒状本体2の円周方向に対向する点に拡張力または収縮力をかけ、スロット4の幅を増減する)によって全長にわたり増減しうる。
【0030】
図2を参照すると、この実施形態における機構3の各々は、第1および第2の雌ねじ付き要素(「ねじ付き要素」ともいう)5を備え、第2のねじ付き要素の螺旋方向は、第1のねじ付き要素の螺旋方向とは逆である。また、第1および第2の雌ねじ付き要素5はねじ部材7を備える。ねじ付き要素の各々は、この例において、2つの皿ねじ6によって円筒状本体2の内面に連結される。各皿ねじ6には、円筒状本体2の内面に対してねじ付き要素5を移動できるショルダSが設けられている。ねじ6のショルダSにより、ねじ付き要素5は、ねじ付き要素のねじ切りされた部分およびねじ部材7のねじ切りされた部分が整列された状態になるように方向付けされ、その結果、力が作用して円筒状本体が拡張すると、ねじ付き要素が円筒状本体の内面と接触した状態になる際のねじ山のつぶれが防止される。ねじ6のショルダSにより、ねじ6が貫通し、ねじ付き要素の各々の自己整合を可能にする円筒状本体の皿穴に対してショルダが出入りすることができる。皿穴は、好ましい実施形態において、皿ねじ6の直径に対してわずかにサイズが大きくなるように配設されることによって、力が作用して円筒状本体が拡張する際、ねじ6およびねじ6に接続された関連のねじ付き要素が自由に移動できる。
【0031】
各ねじ付き要素5の外面は、図3に示すように、円筒状本体の内面と一致することが好ましい。図示するように、この実施形態において、ねじ付き要素の各々はブロックである。第1および第2のねじ付き要素は、ねじ部材7を受け入れる軸線方向に整列された対向するねじ山を有する。すなわち、この実施形態において、一方のねじ付き要素は右ねじであり、他方のねじ付き要素は左ねじである。ねじ部材7は、一条の雄ねじを有し、円筒状本体2内にすべて収まっている。貫通孔8によって、円筒状本体2の外面を通して、ねじ部材7の頭部にアクセスすることができ、この貫通孔8により、ユーザはねじ回し、アレン/六角ドライバまたは同様のものなどの手工具を用いて、ねじ部材7を回すことができる。第1および第2のねじ付き要素5が対向するねじ山を有するため、ねじ部材7を一方向に回転させると、第1および第2のねじ付き要素5が互いに引き合ってスロット4が収縮し、ねじ部材7を他方向に回転させると、第1および第2のねじ付き要素7が押し離されてスロット4が拡張する。ねじ部材7の長手方向軸線は、図3に明確に示すように、スロット4に対して直交している。
【0032】
図1を参照すると、円筒状本体2の外面には、長手方向の中央領域に、半径方向に延びる1つまたは複数の位置決めピン9が設けられている。各ピン9は、円筒状本体2内から、円筒状本体2の外面に設けられた穴を通って延びる。各ピン9は、所定の距離だけ円筒状本体2の外面から突出するが、この所定の距離は第1および第2の中空管10、11の各々の壁厚より小さいことが好ましく、その場合、各ピンは、図1に示すように、接続装置がポールをつなぎ合わせるとき、第1および第2の管の外壁面の下(内側)に維持され得るようになっている。ピンは、例えば、円筒状または立方体状とすることができる。第1および第2の管の各々には、その端面にノッチが設けられており、このノットは1つまたは複数のピン9を受容するように構成されている。各管のノッチは、例えば、半円形として、ピン9の円周の半分を収容するようにするとよい。各管10、11のノッチは、管10、11の内面から管壁内に延びるが、管壁を完全に貫通しないように構成されており、これにより、管10、11の端面が互いに当接して管10、11の外面が同一面となったときに、連続した滑らかな外面がポールに形成される。管10、11が接続装置1によって接続されると、各管にあるノッチは、ピン9の一部分を受けることで、管10、11が互いに対して回転するのを防ぐ。本発明の好ましい実施形態において、1つまたは複数のピン9は、図1に示すように、円筒状本体の円周方向に相対する側面で突出するように、円筒状本体の全直径を横断し貫通するとよい。これにより、管10、11を組み立てる場合、接続装置によって連結されるときに、2つの管が互いに対して回転するのを防止する2つのピンを接続装置に設けられるという利点が得られる。
【0033】
管10、11には、スロット4を拡張および収縮するために、ねじ部材7、貫通孔8へアクセスするための穴13がさらに設けられている。ピンは、管10、11内に差し込まれ、穴8および穴13を整列させると、接続要素が管10、11のいずれの中にも滑り落ちないように動作し、図1に示すように、管10、11内に接続装置1が設置されるときに、ねじ部材7にアクセスできるようになっている。
【0034】
以下、本発明の実施形態による接続装置1の動作について記載する。
【0035】
ポールダンス用ポールの少なくとも一部を形成する2つの管10、11を連結するために、接続装置1は、収縮状態において、第1の管10の端部内に差し込まれ、位置決めピン9は、第1の管10のノッチ内に設置される。工具を用いて、第1の機構3のねじ部材7が回転され、ねじ部材上に配置されたねじ付き部材は互いに平行に移動するため、ねじ部材およびねじ付き要素の螺旋軸線SAは、ねじ部材およびねじ付き要素が互いに対して実質的に整列されるようにされ、いくつかの実施形態においては、図3に示すように、互いに一致することが好ましい。ねじ付き要素の外面が円筒状本体の内面と接触するため、ねじ6の各々のショルダSは、ねじ付き要素を互いに対して好ましくは平行移動したまま、円筒状本体内に移動可能である。円筒状本体の内面にかかる力が増大してスロットの一端を拡張するにつれ、第1の端部に円筒状本体2の直径が増大し、第1の管10との摩擦継手を形成する。次に、第1の管10の端部から露出された接続装置1の部分は、第2の管11の端部内に差し込まれ、位置決めピン9は、第1および第2の管10、11の端部を当接させて第2の管11のノッチ内に配置される。最後に、第2の機構3のねじ部材7は、スロット4の他端を拡張するように回転され、第1の端部で円筒状本体2の有効直径を増大し、第2の管11との摩擦継手を形成する。管10、11は、相対的な軸運動または回転運動を防止するよう連結される。
【0036】
接続装置1が、差し込みやすい収縮状態において管10、11の端部に差し込み可能であるが、差し込まれると拡張されるため、管10、11の相対的な回転運動および軸運動を防止する強い摩擦継手を与える。
【0037】
第1および第2の管10、11を切り離すためには、本体を第2の管11へ連結するための機構3のねじ部材7は、この機構に関連付けられたスロット4の部分を収縮するように回転されることにより、円筒状本体2の直径を縮小し、第2の管11との摩擦継手を解除し、第2の管11の端部から接続装置1を取り外すことができることで、管10、11を切り離すことができる。
【0038】
接続装置1は、次に管が連結されるときのために、第1の管10の端部内に残されたままにすることもできる。あるいは、接続装置は、第2の管11に残され、第1の管10の端部から取り外されてもよい。ねじ部材7の両方が、管10、11の端部から接続装置1を取り外すために動作されうる。
【0039】
接続装置1が取り外される前に収縮されるため、使用中に加熱されて拡張していても取外しが容易である。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、図1を参照しながら上述した実施形態と同様のものであるが、異なる点は、接続装置の片側から突出する半径方向に延びる位置決めピン109の配置構成である。
【0041】
ピン109は、円筒状本体102の内面を越えて延びず、第1および第2の中空管110、111の各々の壁厚より小さい距離だけ円筒状本体102の外面を越えて延びる。第1および第2の中空管110、111の各々には、ピン109と係合するように適応された端面にノッチが設けられる。ノッチは、管110、111の内面に設けられ、管110、111の管壁を貫通して延びず、ピン109が円筒状本体102の外面から突出する距離に実質的に等しい距離だけ、管110、111の内面から延びる。各管にあるノッチは、例えば半円形で、ピン109の円周の半分と係合する。管110、111の端面は互いに当接し、管110、111の外面は同一面上にあるため、ポールには実質的に連続して滑らかな外面が与えられる。
【0042】
中空管110、111には、管壁を通って延びるノッチが設けられず、内部ノッチが設けられるため、各管には連続した外面が設けられる。
【0043】
この実施形態においては、接続装置の第1および第2の端部からそれぞれ延びる2つのスロットがあり、2つの機構103は、円筒状本体102の各端部に隣接した位置にそれぞれ設けられる。この構成により、上側(第1の)ねじ部材107が回転すると、第1の端部で第1のスロットを拡張および収縮し、下側(第2の)ねじ部材107が回転すると、第2の端部で第2のスロットを拡張および収縮する。
【0044】
上述した実施形態は、本発明を説明するための例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態も考えられる。例えば、上記実施形態では、2つの機構が設けられたが、他の形態において、機構3の数は1つでも、3つ以上でもよい。例えば、円筒状本体2の全長に沿って延びる単一のスロット4が設けられた場合、円筒状本体2の長手方向の中央領域に設けられる機構は1つであってもよい。さらに単純化された構成では、前述した機構または各機構3が、円筒状本体2の内面に固定された単一の雌ねじ付き要素5と、ねじ部材7とを備えてもよい。この場合、ねじ部材7は、円筒状本体2の内面と接触するため、ねじを一方向に回すと、ねじ部材7を円筒状本体2の内面に押圧することによってスロット4が拡張し、ねじを他方向に回すと、ねじ部材が後退し、円筒状本体2の内面にかかる押圧力が低減することによってスロット4が収縮する。ねじによって円筒状本体2の内面に取り付けられるのが不要である機構、記載した実施形態のいずれにおいても、機構はリベット締めまたは同様のものによって固定されてもよい。ピン9、109およびノッチの配列はピンに限定されるものではなく、ウッドラフキー(woodruff key)または同様のものを含んでもよい。ピンは、例えば、ロールピン、スパイラルピン、ねじなどであってもよく、接続装置の円周付近に設置されるピンは2つ以上あってもよい。ピン9、109の深さは、管10、11の壁と同じ深さになるように配設されてもよく、管の端面にあるノッチは、管の全壁を通って延びてもよい。
【0045】
認識されるように、本発明の接続装置は、ポールダンス用ポールの管をつなぎ合わせるために使用されうる。このようなポールダンス用ポールは、ポールダンス用ポールと、床などの下面とを係合するためのベースプレートと、ポールダンス用ポールと、天井などの上面とを係合するための上側プレートとを備える。ポールダンス用ポールはまた、下面と上面との間にポールダンス用ポールを固定するために、ポールダンス用ポールアセンブリの長さを延びるためのアジャスタを含んでもよい。このようにして、ポールダンス用ポールは、組立て用のキットとして提供されてもよい。
【0046】
本発明の接続装置は、管を連結するためだけでなく、管をベースプレートおよび/または上側プレートに連結するために、および/または、ポールダンス用ポールの長さを増大するためにさらなる管を連結するために使用されてもよい。したがって、ポールダンス用ポールアセンブリは、本発明の複数の接続装置を含んでもよい。
【0047】
任意の1つの実施形態に関連して記載した任意の特徴は単独で使用されてもよく、または上述した他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴または任意の他の実施形態の任意の組み合わせにおいて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、上述していない均等物および修正例が用いられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールダンス用ポールの1対の管同士を取外し可能につなぎ合わせるための接続装置であって、
本体と、
互いに螺合する第1のねじ付き要素およびねじ部材を含み、前記ねじ部材を前記第1のねじ付き要素に対して回すことによって前記1対の管の少なくとも一方の内面に力を及ぼすように構成された機構と、
を備え、
前記機構が、前記1対の管の前記少なくとも一方の内面に及ぼされる力を増大するための機構の動作中に前記第1のねじ付き要素の螺旋軸線および前記ねじ部材の螺旋軸線が互いに対して実質的に整列された状態を維持するように構成されている、接続装置。
【請求項2】
前記第1のねじ付き要素が、前記本体の内面と接触するように構成された表面を含み、前記第1のねじ付き要素の前記表面が、前記内面に押し付けて力を及ぼして、前記1対の管の前記少なくとも一方の内面に力を及ぼすように構成されている、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記第1のねじ付き要素が、前記本体の前記内面に対して前記第1のねじ付き要素の方向付けをするように構成された少なくとも1つの締結具によって前記本体の前記内面に連結される、請求項2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの締結具が、前記第1のねじ付き要素に対して前記ねじ部材を一方向に回したときに、前記本体の一部分を拡張し、前記第1のねじ付き要素に対して前記ねじ部材を反対方向に回したときに、前記本体の部分を収縮するように構成されている、請求項3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの締結具が、前記本体の穴を通して前記第1のねじ付き要素に締結されるねじを含み、前記ねじが、前記本体の前記内面に対して前記ねじ付き要素が移動できるようにするための、ねじ切りされていない部分を有する、請求項3または4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記本体が、前記本体の長手方向軸線の少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つのスロットを含み、前記機構が、前記スロットを拡張および収縮するように動作可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスロットが、前記本体の全長に沿って延びる、請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
前記機構が、前記第1のねじ付き要素の螺旋方向とは反対の螺旋方向を有する第2のねじ付き要素を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記機構に従ったさらなる機構を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項10】
前記本体が、前記本体の一端に第1の長手方向のスロットと、前記本体の他端で第2の長手方向のスロットとを含み、前記機構および前記さらなる機構のいずれか一方が前記第1の長手方向のスロットを拡張するように構成され、前記機構および前記さらなる機構の他方が前記第2の長手方向のスロットを拡張するように構成されている、請求項9に記載の接続装置。
【請求項11】
前記本体の外面が少なくとも1つの貫通孔を含み、前記ねじ部材が、前記ねじ部材を回すための工具でアクセスされうるようになっている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の接続装置と、第1の管および第2の管とを備えるポールダンス用ポール。
【請求項13】
前記本体が、前記本体の外面に、長手方向の中央領域に、少なくとも1つの半径方向に延びる位置決めピンを含み、前記第1の管および前記第2の管の各々が、前記管の端面に、前記少なくとも1つの位置決めピンを収容するように構成された少なくとも1つのノッチを含む、請求項12に記載のポールダンス用ポール。
【請求項14】
請求項11に記載の接続装置を備え、
前記第1の管および前記第2の管の各々が穴を含み、前記穴は、前記接続装置が前記第1の管および前記第2の管の端部内に配設された状態で、工具を用いて前記ねじ部材を回すための前記少なくとも1つの貫通孔と整列される、請求項12または13に記載のポールダンス用ポール。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の接続装置と、前記接続装置の部品を収容するように構成された端部を各々が有する第1の管および第2の管とを備えるポールダンス用ポールキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−531225(P2012−531225A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516668(P2012−516668)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058635
【国際公開番号】WO2011/000719
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(512000732)ヴァーティカル レジャー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】