説明

接続装置

【課題】セルフパワーの電圧降下を効果的に防ぐと共に、構成がより簡素で設計がより容易な接続装置を提供する。
【解決手段】電気機器用HUBユニット103は、第1の電力経路で、電気機器が備える電源供給用のバスパワーに対応したシリアルインターフェース303に接続され、データ通信を仲介するHUB回路301に電力を供給する。電気機器用HUBユニット103の第2の電力経路は、電気機器が備える電源部201に切り離し可能に接続されて、電源供給用のバスパワーに対応した複数のシリアルインターフェース104、105に切り離し可能に接続された外部装置に対して直接的に電源供給を行う。HUB回路の消費電流による電圧降下分が第2の電力経路から削減されるため、外部装置に対して安定した電源を供給することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器と電気機器とを接続するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピュータと周辺機器を接続する代表的なシリアルインターフェースにUSBがある。USBは、汎用のシリアルインターフェースの規格として確立されており、一般的にホストコンピュータ側をUSBホスト、周辺機器側をUSBデバイスと呼ぶ。
【0003】
USBデバイスには、USBポートのVBUSを介してホストコンピュータからの電源供給を受けるバスパワーと、商用電源やバッテリー等から得た自己電源で賄うセルフパワーがある。バスパワーはホストコンピュータからの電源を使用できるというメリットがあるが、電流値の上限は500mAまでとUSB規格で規定されている。一方でセルフパワーは自己電源を使用するため、使用可能な電流値に自由度がある。
【0004】
ホストコンピュータのUSBポートを拡張し、複数のUSBデバイスを接続可能にするHUBの場合、一般的なバスパワー構成では、下流の各USBポートに100mA程度までしか供給させないように制約をかける場合がある。これはホストコンピュータからHUBへの電流が上限500mAであるので、下流に接続された複数のUSBデバイスに最大500mAを許容することができないためである。また、仮に許容した場合、HUBに接続されたUSBデバイスの動作は保証されないケースが生じる。
【0005】
HUBの下流のUSBデバイスにも500mAまで使用させたい場合には、HUBをセルフパワー構成にすることで解決できる。一般的なHUBは、セルフパワーだとホストコンピュータのもつ電源とは無関係に電源を用意できるため、複数あるUSBポート各々に500mAまで配る構成を実現することが可能となる。
【0006】
従来、これらのHUB構成に対して、セルフパワーとバスパワーの両方の構成を備え、状況に応じて切り替える技術が提案されている。例えば、HUBにセルフ電源の検出回路を備え、商用電源等から電力の供給がある場合は、セルフパワーの電力経路を介して電力の供給を行い、そうでなければバスパワーの電力経路を介して電力の供給を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、接続されたUSBデバイスの最大消費電流と、ホストコンピュータのバスパワー供給能力に応じて、セルフパワーとバスパワーとを切り替えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
これらの技術により、HUBは自身の電源構成や接続されるUSBデバイスの状況に応じて、動的に最良の電源構成をとることが可能となる。
【0009】
一方でUSBは、スキャンやプリント等の機能を備えた複合機などOA機器においても採用されてきている。複合機には、読み取った原稿のデータをUSBメモリへ出力し、USBメモリに保存されていた画像データを取り込んで印刷する機能を備えたものがある。
【0010】
さらに、複合機には、USB接続によって、オフィスでのOA機器の使用管理を行うためのICカード認証用のカードリーダーや、タッチパネルでは煩わしい文字入力を簡易化するためのキーボード等も接続される。
【0011】
複合機は、これらカードリーダーやキーボード等の複数の機器を併用する場合に、複合機本体がUSBポートを複数備えていることが望ましい。しかし、複合機に対して、ユーザーが使用を望む機能は、ユーザー毎に異なる。
【0012】
そこで、複合機では、使用するユーザー毎に構成を選択できるようにすることが望ましい。このため、例えば複合機本体には、USBポートを1つ備え、HUB回路は複合機本体から別ユニットとして切り出し、HUBユニットとして後付けできるような構成が採用されている。
【0013】
このように構成された複合機では、限定された機能のみを使用するユーザーに無駄なコストの負担をさせることなく、多機能が必要なユーザーにも対応できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−94539号公報
【特許文献2】特開2004−70785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ユーザーにとっては、HUBユニットの全USBポートが、USB規格の上限である500mAまで保証できるように構成されていることが望ましく、複合機が備えるHUBユニットでも同様である。この観点からすると、複合機が備えるHUBユニットは、セルフパワーで構成することが望ましい。
【0016】
また、複合機が備えるHUBユニットは、一般のHUBとは異なり、セルフパワーの場合でもホストコンピュータ、すなわち複合機本体から電源の供給を受けるように構成されることが求められる。これは、複合機が備えるHUBユニットでは、商用電源から電源供給を受けても良いが、HUBユニット単体のAC電源コードの接続の煩わしさや這い回しの処理等が必要となるので好ましくないためである。
【0017】
また、複合機が備えるHUBユニットは、複合機の操作部付近に設置されることが多い。これはUSBメモリ等を接続する際のユーザーの取り付け/取り外しの利便性が考慮されているためである。
【0018】
上述のような事情を考慮して構成された大型の複合機では、電源供給元のユニットが、複合機本体の操作部から遠い位置に設置されていると、複合機本体の電源供給元からHUBユニットまでの電力経路長が長くなる。
【0019】
このような場合には、必然的に配線の電気的な抵抗成分が増えるため、そこを流れる電流値が増加すると、電力経路長に比例して電圧降下分が増加するので、セルフパワーの電圧降下を生じることがある。
【0020】
このような状況で使用されるHUBユニットでも、HUBの定格電流が流れた際、すなわち想定される最大の電圧降下が発生した際でも、供給する電圧がUSB規格(5V±5%)を超えて下回らないようにする必要がある。
【0021】
しかしながら、複合機本体では、電源供給元の供給電圧を上げる又はHUBユニットに電源回路を加えるといった対策を取ると、複合機本体やHUBユニットの部品コストが高くなり、且つ装置設計の難易度も上がってしまう。特に複合機本体の電源供給元の供給電圧を上げると、該電圧を複合機本体の他ユニットでも使用していた場合には、影響度合いを検討し直す必要が生じるため装置設計の負荷が増大する。また、電力経路を構成するケーブルの抵抗成分を下げるために、線材の本数を増やしたり、低抵抗の素材のものにしたりすると、材料コストがかかり製品が高価になる。
【0022】
本発明の目的は、セルフパワーの電圧降下を効果的に防ぐと共に、構成がより簡素で設計がより容易な接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係る接続装置は、第1の電気機器と1または複数の第2の電気機器とを接続するための接続装置であって、前記第1の電気機器との間でデータ通信をするためのインターフェースであって前記第1の電気機器から前記接続装置への電力供給が可能な第1のインターフェースを介して、前記第1の電気機器と切り離し可能に接続する第1の接続部と、前記第2の電気機器との間でデータ通信をするためのインターフェースであって前記接続装置から前記第2の電気機器への電力供給が可能な第2のインターフェースを介して、前記第2の電気機器と切り離し可能に接続する第2の接続部と、前記第1の電気機器から前記接続装置への電力供給が可能な配線を介して、前記第1の電気機器が備える電源部と接続する第3の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間でデータを中継する中継回路と、前記第1のインターフェースからの電力を前記中継回路に供給する第1の電力経路と、前記配線からの電力を前記第2の電気機器に前記第2のインターフェースを介して供給する第2の電力経路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、セルフパワーの電圧降下を効果的に防ぐと共に、構成がより簡素で設計がより容易な接続装置を提供する。このような構成にすることで、接続装置に接続された、例えばUSBデバイスに対してUSB規格を保証するための安定した電圧を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施の形態に係わるHUBユニットが組み込まれた複合機を示す全体の正面図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係わる複合機の要部を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係わるHUBユニットが組み込まれた複合機の要部を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係わるHUBユニットが組み込まれた複合機の要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施の形態〕
以下、本発明に係る接続装置の第1実施形態として、複合機に接続可能なUSBのHUBユニットについて、図1乃至図3を参照して説明する。
【0027】
図1のUSBのHUBユニットを組み込んだ複合機を示す全体正面図で、103は、USBのHUBユニット、101は、第1の電気機器としての複合機の本体である。このHUBユニット103は、ユーザーの利便性を考慮して複合機101の操作部102の近くに配置される。
【0028】
このHUBユニット103本体は、電気機器である複合機101の本体に対して着脱可能に装着されている。このHUBユニット103本体は、複合機101のUSBポート数を拡張したい場合に、ユーザーやサービスマン等によって取り付けられる。このHUBユニット103は、複合機101に備えられた図示しないUSBポートに対してUSBケーブルで接続される。また、HUBユニット103は、複合機101の図示しない電源ユニットと電源ケーブルで接続される。
【0029】
このように複合機101に装着されたHUBユニット103に対して、ユーザーは、HUBユニット103に設けられているUSBホストコネクタ104,105に、USBデバイスを接続して使用可能となっている。
【0030】
次に、複合機101の電源供給系統について、図2の概略ブロック図を参照して説明する。
【0031】
この複合機101では、電源部201が、商用電源から供給された交流電源を直流電源化し、読取部202、制御部203、印刷部204及びHUBユニット103に、それぞれ専用のケーブルを通して電力の供給を行う。
【0032】
この複合機101の読取部202は、原稿を光学的に読み取るスキャナを備えている。この複合機101では、ユーザーが原稿をセットし操作部102を操作して制御部203がオペレーションを受けて制御信号を読取部202に送信する。すると、読取部202は、原稿の読み取りを開始して、読み取った画像データを制御部203に転送する。
【0033】
さらに、制御部203は、読取部202、印刷部204、操作部102と通信を行い各々に対して動作指示を出す一方、読取部202から転送されてきた画像を受信し、必要に応じて画像処理を施し、印刷部204等に転送する。
【0034】
また制御部203は、記憶部207を備えており、画像処理用のワーク領域として用いたり、必要に応じて画像データを格納したりする。さらに制御部203は、USB規格で規定されたUSBインターフェースを備え、USBホストとしてUSBデバイスとデータ通信可能な構成を備える。
【0035】
この複合機101の印刷部204は、制御部203から受信した画像データを用紙などの印字媒体に印刷する。操作部102はユーザーから受け付けた複合機101の操作入力を制御部203に通知したり、図示しない表示部を備えており、制御部203から受信した複合機101のステータスを表示したりする。
【0036】
この複合機101のHUBユニット103は、USB規格で規定されたUSBホストと接続可能なUSBインターフェースをもち、制御部203とUSBケーブルを介して接続されている。一方でHUBユニット103はUSB規格で規定されたUSBデバイスと接続可能なUSBインターフェースを複数備え、外部からUSBデバイスを接続可能な構成となっている。そして、制御部203は、HUBユニット103を仲介して、外部から接続されたUSBデバイスとデータ通信を行うことが可能な構成となっている。
【0037】
次に、複合機101に組み込まれたUSBのHUBユニット103における電力供給系統について、電源部201及び制御部203との電力経路の接続関係を示す図3のブロック図を参照して説明する。
【0038】
HUBユニット209は、USB HUBとしての機能を備えた中継回路301(以下、HUB回路)をもつ。このHUB回路301は、USBデバイスコネクタ304を介して、USBホストである制御部203のUSBホストコネクタ303と、USBケーブルで接続される。すなわち、このUSBホストコネクタ303とUSBデバイスコネクタ304との間は、第1のインターフェースで接続される。
【0039】
これにより、このHUB回路301は、電気機器としての複合機101が備える電源供給用のバスパワーに対応したシリアルインターフェースである制御部203のUSBホストコネクタ303に切り離し可能に接続される。USBデバイスコネクタ304は、シリアルインターフェースを介してUSBホストコネクタ303と接続する接続部として機能する。
【0040】
一方でHUB回路301は、USBホストコネクタ(104、105、305)を介して、図示しないUSBデバイス群と切り離し可能に接続される。第2の電気機器としてのUSBデバイスには、例えば、画像データの読み書きが可能なUSBメモリ、IC認証用カードリーダー、キーボード等がある。USBホストコネクタ104、105及び305は、第2の電気機器としてのUSBデバイスと接続する接続部として機能する。
【0041】
HUBユニット209のUSBホストコネクタ(104、105、305)に、USBデバイスが接続されると、制御部203は、HUB回路301を介してデータ通信を開始する。
【0042】
すなわち、この電気機器としての複合機101には、USBホストコネクタ303及びUSBデバイスコネクタ304と、電源専用コネクタ307とを介してHUBユニット103が切り離し可能に接続される。この電源専用コネクタ307は、第3の接続部として機能する。
【0043】
また、HUBユニット103には、電源供給用のバスパワーに対応した複数のシリアルインターフェースであるUSBホストコネクタ(104、105、305)が配設されている。これらUSBホストコネクタ(104、105、305)は、第1の接続部として機能する。さらに、これらUSBホストコネクタ(104、105、305)は、第2のインターフェースとして機能するものでもある。また、これらUSBホストコネクタ(104、105、305)の何れか1つは、第2の接続部として機能する。
【0044】
また、これらUSBホストコネクタ(104、105、305)には、それぞれUSBデバイスが切り離し可能に接続される。電源専用コネクタ307は、電源配線を介して複合機101の電源部201と接続する第3の接続部として機能する。
【0045】
そして、データ通信を仲介するHUB回路(301)には、USBホストコネクタ303及びUSBデバイスコネクタ304を介して、制御部203側から電力が安定し供給される。
【0046】
また、HUBユニット103にUSB接続されたUSBデバイスへは、電源部201から、電源配線308及び電源専用コネクタ307を介して直接的に電源供給が行われる。すなわち、電源配線308は、第1の電気機器から接続装置への電力供給が可能な配線として機能する。
【0047】
要するに、本実施の形態に係わる複合機に組み込まれたHUBユニット103における電力供給系統では、HUBユニット103に供給される電力経路が、2つの経路で構成されている。
【0048】
まず、第1の電力経路は、電源部201から電源配線306を通じて制御部203のUSBホストコネクタ303を経て、さらにUSBケーブルを通じてHUBユニット103のUSBデバイスコネクタ304に到達する。電源部201は、この第1の電力経路によってHUB回路301に電力を供給する。
【0049】
次に、第2の電力経路は、電源部201から電源配線308を介してHUBユニット103の電源専用コネクタ307に到達するよう構成されている。電源部201は、この第2の電力経路によってUSBホストコネクタ(104、105、305)を介して接続されたUSBデバイス群に電力を供給する。
【0050】
上述のように、本実施の形態に係わる複合機に組み込まれたHUBユニット103における電力供給系統において、電力経路を分けている理由は次の通りである。
【0051】
まず、HUBユニット103に接続されるUSBデバイスに対して、供給電力のUSB規格(上限500mA、5V±5%)を保証するために、セルフパワーで電源供給を行う必要がある。しかしながらHUBユニット103と電源部201の物理的な距離が遠いと電源配線308は必然的に長くなってしまう。この電源配線308の導体抵抗は、距離に比例して増加するので電源配線308が長くなるほど抵抗成分が増えることになる。そのため、電源配線308が長い場合には、電源配線308を流れる電流が大きいほど、電圧が大きく降下する。よって、電源配線308が長い場合には、供給電力のUSB規格を保証するために極力余分な電流を流すことを回避すべきである。
【0052】
一方で制御部203とHUBユニット103の間の電力経路では、USB規格で規定されているため上限500mA、5V±5%が確実に保証された装置設計がされている。
【0053】
よって、複合機に組み込まれたHUBユニット103における電力供給系統では、制御部203とHUBユニット103の間の電力経路に極力電流負荷を分散する構成を採れば、電圧降下を極力抑制できる。
【0054】
そこで、前述の第1の電力経路には、HUB回路301分の電流を負担させ、第2の電力経路にはUSBデバイス専用の電流を流す構成としている。すなわち、第1の電力経路(電源部201、電源配線306、制御部203のUSBホストコネクタ303、USBケーブル及びHUBユニット103のUSBデバイスコネクタ304)には、HUB回路301分の電流を負担させる。
【0055】
これと共に、第2の電力経路(電源部201、電源配線308及びHUBユニット103の電源専用コネクタ307)には、USBデバイス専用の電流を流す構成とする。
【0056】
なお、複合機に組み込まれたHUBユニットにおける電力供給の手段として、定格電流値の低いUSBデバイスを検出したら第1の電力経路に切り替える手段が考えられる。この手段では、第2の電力経路の負荷を動的に減らし、安定した電圧を保証できる。
【0057】
しかしながら、この手段では、HUBユニット103に電力経路を切り替える回路を入れる必要があるため部品点数が増加し製品コストが高くなる。この手段では、電力経路を切り替える制御を行うために、HUB回路301に電力経路切り替え用の制御信号を設けるか、制御部203から専用の制御信号を引いてくる必要がある。従って、この手段では、ハード的な変更点が多く装置設計の負荷が大きい。
【0058】
上述の手段と比較して、本実施の形態に係わる複合機に組み込まれたHUBユニット103における電力供給系統の構成によれば、第1の電力経路及び第2の電力経路を切り替える回路を排除する構成となっている。これにより本実施の形態に係わる複合機に組み込まれたHUBユニット103における電力供給系統の構成によれば、安価且つ容易に複合機101及びHUBユニット103の装置設計が可能となるという効果がある。
【0059】
またHUBユニット103は、第1及び第2の電力経路の電圧監視を行い、いずれかの電圧が一定値以下の場合はHUB回路301にリセットをかけるためのリセット回路302を備えている。すなわち、このリセット回路302は、リセット信号を発生し、HUB回路301に送信する。
【0060】
このHUBユニット103は、両方の電力経路の電圧を監視することで、HUBユニット103の動作不具合を防ぐことができる。第1の電力経路の電圧を監視することで、制御部203の図示しないリセット回路と同期してHUB回路301にリセットをかけることができる。また第2の電力経路の電圧を監視することで、予期せぬ電圧降下などでHUBユニット103に接続されるUSBデバイスとの通信が途絶えた場合でも、HUB回路301にリセットがかかり通信を復旧できる。
【0061】
〔第2実施の形態〕
次に、本発明の電気機器用HUBユニットの第2実施の形態に係わるUSBのHUBユニットを組み込んだ複合機について、図4を参照して説明する。
【0062】
本第2実施の形態は、USBホストコネクタ305にキーボード401が接続され、キーボード401に第1の電力経路から電源供給がされるように構成されている点で、第1実施の形態の前述した図3に示す構成と異なる。
【0063】
本第2実施の形態は、複合機101にHUBユニット103を接続する際、USBデバイスもセットされた状態で提供される構成に対応する。図4に示すように、本第2実施の形態は、USBデバイスとしてキーボード401が提供された場合である。
【0064】
このようなケースでは、キーボード401の抜き差しが容易にできないように、モールド部材でUSBホストコネクタ305の周囲を覆うなどして、ユーザーにUSBインターフェースを開放しない場合がある。すなわちUSBホストコネクタ305は、キーボード401の専用ポートとして使用される。このような場合には、予めUSBホストコネクタ305で消費される最大電流値も当然わかるため、HUBユニット103は、前述した第1実施の形態と同様に第1の電力経路に極力負荷を分散させるように構成することが可能となる。
【0065】
例えば、HUB回路301の最大消費電流が300mA、キーボード401の最大消費電力が200mA以下である場合には、USBホストコネクタ305に、図4に示すように第1の電力経路から電力を供給する構成にできる。HUBユニット103をこのような構成とした場合には、第2の電力経路に流れる最大電流をさらに軽減し、USB規格を保証する安定した電圧を供給し易くできる。
【0066】
要するに、本第2実施の形態では、電気機器としての複合機101の制御部203が備える電源供給用のバスパワーの許容限度以下の電力の範囲内で、HUB回路301とキーボード401とに電力を供給する。この場合には、HUB回路301の消費電力と合わせて利用可能な電力を要求することが予め分かっているデバイスとしてのキーボード401に対し、制御部203側の許容限度以下の電力の範囲内で電力を供給することになる。
【0067】
なお、本第2実施の形態における以上説明した以外の構成、作用及び効果は、前述した第1実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0068】
103 HUBユニット
301 HUB回路
302 リセット回路
308 電源配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気機器と1または複数の第2の電気機器とを接続するための接続装置であって、
前記第1の電気機器との間でデータ通信をするためのインターフェースであって前記第1の電気機器から前記接続装置への電力供給が可能な第1のインターフェースを介して、前記第1の電気機器と切り離し可能に接続する第1の接続部と、
前記第2の電気機器との間でデータ通信をするためのインターフェースであって前記接続装置から前記第2の電気機器への電力供給が可能な第2のインターフェースを介して、前記第2の電気機器と切り離し可能に接続する第2の接続部と、
前記第1の電気機器から前記接続装置への電力供給が可能な配線を介して、前記第1の電気機器が備える電源部と接続する第3の接続部と、
前記第1の接続部と前記第2の接続部との間でデータを中継する中継回路と、
前記第1のインターフェースからの電力を前記中継回路に供給する第1の電力経路と、
前記配線からの電力を前記第2の電気機器に前記第2のインターフェースを介して供給する第2の電力経路と、
を有することを特徴とする接続装置。
【請求項2】
複数の前記第2の電気機器のうち、前記第1のインターフェースの許容限度以下の電力の範囲内で、前記中継回路の消費電力と合わせて利用可能な電力を要求することが予め分かっている前記第2の電気機器に対し、前記第1のインターフェースからの電力を前記第2のインターフェースを介して供給するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の接続装置。
【請求項3】
前記第1の電力経路の電圧と、前記第2の電力経路の電圧とを監視し、一定の電圧に降下したときに前記中継回路にリセット信号を発生させるリセット回路を備えたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−79099(P2012−79099A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223806(P2010−223806)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】