説明

推進機付船舶のパワーステアリング装置

【課題】 推進機付船舶のパワーステアリング装置において、操舵アシスト装置のための配置レイアウト性と防水環境性を向上すること。
【解決手段】 船体2の船首側に設けられる操舵ハンドル10と、船体2の船尾側に設けられる推進機20と、操舵ハンドル10に加えられる操舵力を推進機20に伝える操舵力伝達経路に介装される操舵アシスト装置40とを有してなる推進機付船舶1のパワーステアリング装置3において、操舵アシスト装置40が推進力伝達経路を構成する操舵ケーブル30の中間部に配置されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は船外機、船内外機等の推進機付船舶のパワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
推進機付船舶のパワーステアリング装置として、特許文献1に記載の如く、船体の船首側に設けられる操舵ハンドルと、船体の船尾側に設けられる推進機と、操舵ハンドルに加えられる操舵力を推進機に伝える操舵力伝達経路に介装される操舵アシスト装置とを有してなるものがある。操船者が操舵ハンドルに加える手動操舵力を、操舵アシスト装置の電動アシストモータ(又は油圧パワーステアリング装置の電動アシストポンプ)が発生する操舵アシスト力によりアシストするものである。
【特許文献1】特開2004-231108
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の推進機付船舶のパワーステアリング装置は、電動アシストモータ等を含む操舵アシスト装置を、船体の船首側の内部で操舵ハンドルの近傍に配置し、又は船体の船尾側の内部で推進機の近傍に配置している。
【0004】
ところが、操舵ハンドルの近傍の船首側の内部は、操舵アシスト装置の配置のために余裕があるスペースを確保し難い。
【0005】
また、推進機の近傍の船尾側の内部は、操舵アシスト装置とチルトアップされた推進機との干渉を避けるスペースを確保し難いし、操舵アシスト装置に対する防水環境も悪い。
【0006】
本発明の課題は、推進機付船舶のパワーステアリング装置において、操舵アシスト装置のための配置レイアウト性と防水環境性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、船体の船首側に設けられる操舵ハンドルと、船体の船尾側に設けられる推進機と、操舵ハンドルに加えられる操舵力を推進機に伝える操舵力伝達経路に介装される操舵アシスト装置とを有してなる推進機付船舶のパワーステアリング装置において、操舵アシスト装置が推進力伝達経路を構成する操舵ケーブルの中間部に配置されるようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記操舵アシスト装置が船体中央の舷側に配置されるようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記操舵アシスト装置は、ギヤケース内に、操舵ハンドルに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、該操舵アシスト装置を制御するコントロールユニットと、操舵を補助するモータとを、配置したものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記操舵アシスト装置の出力側に、推進機が備えるスクリュウの回転反力に起因して推進機の側から操舵ケーブルに作用する逆入力に抗するスクリュウ反力抑制装置を設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1)
(a)操舵アシスト装置が推進力伝達経路を構成する操舵ケーブルの中間部に配置される。これにより、操舵アシスト装置を船体の内部の余裕のあるスペースに配置できる。
【0012】
(b)操舵アシスト装置が操舵ケーブルの中間部に配置されることにより、操舵ケーブルの長さ調整により、操舵アシスト装置の配置の自由度がある。
【0013】
(c)上述(b)により、操舵アシスト装置を船体の内部に設けてあるバッテリの近傍に配置でき、電気的ロスを低減できる。
【0014】
(d)操舵アシスト装置を船体の船首や船尾から離隔し、防水環境の良い場所に配置できる。
【0015】
(請求項2)
(e)操舵アシスト装置が船体中央の舷側に配置される。これにより、上述(a)〜(d)を確実に実現できる。
【0016】
(請求項3)
(f)操舵アシスト装置を構成するギヤケース内に、操舵ハンドルに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサを配置した。これにより、操舵アシスト装置だけでなく、トルクセンサのための防水環境性も簡易に向上できる。また、トルクセンサを操舵アシスト装置に付帯させ、トルクセンサの取付性も向上できる。更に、操舵アシスト装置を構成するギヤケース内に、該操舵アシスト装置を制御するコントロールユニットを配置した。これにより、操舵アシスト装置だけでなく、コントロールユニットのための防水環境性も簡易に向上できる。また、コントロールユニットを操舵アシスト装置に付帯させ、コントロールユニットの取付性も向上できる。
【0017】
(請求項4)
(g)操舵アシスト装置の出力側に、推進機が備えるスクリュウの回転反力に起因して推進機の側から操舵ケーブルに作用する逆入力に抗するスクリュウ反力抑制装置を設ける。スクリュウ反力抑制装置により、推進機がスクリュウの回転反力に起因して転舵しようとするジャイロ効果を停止させ、操舵ハンドルから手を離しても船体の進み方向を維持し、例えばその直進性を保つことができる。スクリュウの回転反力に起因して操舵ケーブルに作用する逆入力に抗する操舵力を操舵ハンドルに加える必要がなく、結果として操舵アシスト装置がこの操舵力に応ずる操舵アシスト力を発生させる必要がないから、操舵アシスト装置の電動アシストモータ(又は油圧シリンダ)の徒らな電力消費を回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は実施例1の推進機付船舶のパワーステアリング装置を示す模式図、図2は図1の操舵アシスト装置を示す模式図、図3は実施例2の推進機付船舶のパワーステアリング装置を示す模式図、図4は図3の操舵アシスト装置を示す模式図、図5は図4のV−V線に沿い、スクリュウ反力抑制装置を示す断面図、図6はスクリュウ反力抑制装置の動作を示す模式図である。
【実施例】
【0019】
(実施例1)(図1、図2)
図1に示す船舶1は、船体2の船首側に設けられる操舵ハンドル10と、船体2の船尾側に設けられる推進機としての船外機20と、操舵ハンドル10に加えられる操舵力を船外機20に伝える操舵力伝達経路としても操舵ケーブル30(操舵ハンドル10の側の操舵ケーブル30Aと船外機20の側の操舵ケーブル30Bからなる)とを有する。操舵ケーブル30は、船体2の内部の船首側から船尾側に設置されるアウタチューブ31内に延在される。
【0020】
操舵ハンドル10は、船体2の船首側の操縦席に設置される。操舵ハンドル10のハンドル軸11に固定されるピニオン12がラック13に噛合い、ラック13が操舵ケーブル30(30A)の一端に連結される。操舵ハンドル10が操舵力(操舵トルク)を加えられて左又は右に回転することにより、ピニオン12とラック13の噛合いを介して、操舵ケーブル30が押し引きされる。
【0021】
船外機20は、推進ユニット21にスクリュウ22を備え、この推進ユニット21の上に搭載されたエンジン(不図示)と、スイベルブラケット23及びクランプブラケット24を有して構成される。推進ユニット21は、スイベルブラケット23に転舵軸23A(不図示)を介して水平方向に揺動して転舵可能に軸支され、このスイベルブラケット23は、クランプブラケット24にチルト軸(不図示)を介して鉛直方向にチルトアップ/ダウン可能に軸支される。船外機20は、クランプブラケット24により船体2の船尾板に取付けられ、エンジンの出力をスクリュウ22に伝え、船体2を前後進可能にする。船外機20は、推進ユニット21に固着された転舵アーム21Aに操舵ケーブル30(30B)の一端を連結している。
【0022】
船舶1にあっては、操船者が操舵ハンドル10に加える操舵力をアシストするパワーステアリング装置3を構成するための操舵アシスト装置40を操舵ケーブル30に介装している。操舵アシスト装置40は、操舵ケーブル30の中間部である、第1ケーブル30Aと第2ケーブル30Bの間に介装され、本実施例では船体2の内部で船首と船尾の間の中央の左舷側又は右舷側に配置される。
【0023】
操舵アシスト装置40は、図2に示す如く、船体2に固定されるギヤケース41内に配置される。操舵アシスト装置40は、入力軸42と出力軸43をトーションバー(不図示)を介して同軸上に連結し、これらの入力軸42と出力軸43をギヤケース41に枢支する。入力軸42に固定したピニオン44に第1ケーブル30Aの他端に連結したラック45を噛合いさせるとともに、ラック45をギヤケース41にスライド可能に支持する。出力軸43に固定したピニオン46に第2ケーブル30Bの他端に連結したラック47を噛合いさせるとともに、ラック47をギヤケース41にスライド可能に支持する。これにより、操舵ハンドル10が操舵力を加えられて左又は右に回転すると、第1ケーブル30Aが押し引きされてラック45が直線動し、ラック45とピニオン44の噛合いにより入力軸42、出力軸43が回転し、出力軸43のピニオン46とラック47の噛合いによりラック47及び第2ケーブル30Bが押し引きされ、結果として第2ケーブル30Bと転舵アーム21Aにより連結されている推進ユニット21が左又は右に転舵されるものになる。
【0024】
このとき、操舵アシスト装置40は、ギヤケース41内の入力軸42と出力軸43の間にトルクセンサ48が介装される。トルクセンサ48は、操船者が操舵ハンドル10に加えた操舵方向及び操舵トルクを検出する。
【0025】
また、操舵アシスト装置40は、ギヤケース41内に電動アシストモータ50を配置し、アシストモータ50の出力軸に設けられるウォーム51を、出力軸43に設けられるウォームホイール52に噛合いさせてある。
【0026】
また、操舵アシスト装置40は、ギヤケース41内に、アシストモータ50を制御するコントロールユニット60を配置してある。コントロールユニット60は、トルクセンサ48の検出信号と、船外機20の推進ユニット21に内蔵してある船速センサ61の検出信号を取り込み、所定のアシストマップから、アシストモータ50の駆動方向及び駆動電流を決定し、船速と操舵方向と操舵トルクに応じた適切な操舵アシスト力となるアシストモータ50のモータトルクをウォーム51及びウォームホイール52経由で出力軸43に付与する。
【0027】
操舵アシスト装置40は、出力軸43に、スクリュウ反力抑制装置70を設けてある。スクリュウ反力抑制装置70は、船外機20のスクリュウ22の回転反力に起因して推進ユニット21の側から転舵アーム21を介して第2ケーブル30Bに作用する逆入力に抗する。スクリュウ反力抑制装置70は、例えば出力軸43に一定の制動力を付与する制動手段からなり、第2ケーブル30Bに作用する上述の逆入力に対しては出力軸43の回転を制止し、操舵ケーブル30に加えられる手動操舵トルク、又はアシストモータ50のモータトルクによる出力軸43の回転を許容する。スクリュウ反力抑制装置70を構成する制動手段は、ギヤケース41内で出力軸43の自由端に設けられることにより、その制動力を容易に調整できるものとすることができる。
【0028】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)操舵アシスト装置40が推進力伝達経路を構成する操舵ケーブル30の中間部に配置される。これにより、操舵アシスト装置40を船体2の内部の余裕のあるスペースに配置できる。
【0029】
(b)操舵アシスト装置40が操舵ケーブル30の中間部に配置されることにより、操舵ケーブル30の長さ調整により、操舵アシスト装置40の配置の自由度がある。
【0030】
(c)上述(b)により、操舵アシスト装置40を船体2の内部に設けてあるバッテリの近傍に配置でき、電気的ロスを低減できる。
【0031】
(d)操舵アシスト装置40を船体2の船首や船尾から離隔し、防水環境の良い場所に配置できる。
【0032】
(e)操舵アシスト装置40が船体2中央の舷側に配置される。これにより、上述(a)〜(d)を確実に実現できる。
【0033】
(f)操舵アシスト装置40を構成するギヤケース41内に、操舵ハンドル10に加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサ48を配置した。これにより、操舵アシスト装置40だけでなく、トルクセンサ48のための防水環境性も簡易に向上できる。また、トルクセンサ48を操舵アシスト装置40に付帯させ、トルクセンサ48の取付性も向上できる。更に、操舵アシスト装置40を構成するギヤケース41内に、該操舵アシスト装置40を制御するコントロールユニット60を配置した。これにより、操舵アシスト装置40だけでなく、コントロールユニット60のための防水環境性も簡易に向上できる。また、コントロールユニット60を操舵アシスト装置40に付帯させ、コントロールユニット60の取付性も向上できる。
【0034】
(g)操舵アシスト装置40の出力側に、船外機20が備えるスクリュウ22の回転反力に起因して船外機20の側から操舵ケーブル30に作用する逆入力に抗するスクリュウ反力抑制装置70を設ける。スクリュウ反力抑制装置70により、船外機20がスクリュウ22の回転反力に起因して転舵しようとするジャイロ効果を停止させ、操舵ハンドル10から手を離しても船体2の進み方向を維持し、例えばその直進性を保つことができる。スクリュウ22の回転反力に起因して操舵ケーブル30に作用する逆入力に抗する操舵力を操舵ハンドル10に加える必要がなく、結果として操舵アシスト装置40がこの操舵力に応ずる操舵アシスト力を発生させる必要がないから、操舵アシスト装置40の電動アシストモータ50(又は油圧シリンダ)の徒らな電力消費を回避できる。
【0035】
(実施例2)(図3〜図6)
図3、図4に示した実施例2の船舶1のパワーステアリング装置3が、実施例1におけると異なる点は、操舵アシスト装置40の出力軸上43のウォームホィール52とラック47間に、スクリュウ反力抑制装置80を設けたことにある。
【0036】
スクリュウ反力抑制装置80は、図5に示す如く、電動アシストモータ50のモータトルクが入力される入力側部材81たる保持器81Aを有し、入力側部材81を出力軸43に固定的に結合する。スクリュウ反力抑制装置80は、アシストモータ50のモータトルクが出力される出力側部材82を有し、出力側部材82にピニオン46を固定的に結合し、ピニオン46をラック47に噛合いさせる。スクリュウ反力抑制装置80は、回転が拘束された静止側部材83たる外輪83Aを有し、静止側部材83Aをギヤケース41に固定的に結合する。スクリュウ反力抑制装置80は、静止側部材83の外輪83Aと出力側部材82の間に設けられ、出力側部材82からの逆入力トルク(前述の船外機20のスクリュウ22の回転反力に起因して第2ケーブル30Bに作用する逆入力が、ラック47、ピニオン46経由で出力側部材82に及んだトルク)に対して出力側部材82と静止側部材83とをロックするロック手段84を有し、ロック手段84を外輪83Aと出力側部材82の隙間に設けられる一対のローラ84A、84Aとする。一対のローラ84A、84Aの間には、それらのローラ84A同士を離隔させる力を付与する弾性部材としてのN字形板ばね84Bが介装されている。スクリュウ反力抑制装置80は、入力側部材81に設けられ、その入力側部材81からのモータトルクに対してロック手段84によるロック状態を解除するロック解除手段85を有し、ロック解除手段85を保持器81Aの柱部81Bにより構成する。スクリュウ反力抑制装置80は、入力側部材81と出力側部材82との間に設けられ、ロック手段84によるロック状態の解除時に、入力側部材81からのモータトルクを出力側部材82に伝えるトルク伝達手段86を有し、トルク伝達手段86を保持器81Aのピン81Cにより構成する。ピン81Cは、出力側部材82のピン孔82Aに挿入され、ピン孔82Aの内径をピン81Cの外径より若干大きくしている。
【0037】
スクリュウ反力抑制装置80にあっては、操船者が操舵ハンドル10から手を離して手動操舵力を付与せず、アシストモータ50のモータトルクが入力側部材81の保持器81Aに作用していない状態で、船外機20のスクリュウ22の回転反力に起因する逆入力が第2ケーブル30Bに作用する結果、第2ケーブル30Bが連結されているラック47、ピニオン46経由の逆入力トルクが出力側部材82に作用しても、図6(A)に示す如く、出力側部材82と静止側部材83の外輪83Aの間に介装したロック手段84のローラ84Aが、板ばね84Bにより出力側部材82と静止側部材83の外輪83Aの間のくさび隙間に係合してロックされる。従って、第2ケーブル30Bは押し引き不能とされて推進ユニット21を転舵させず、操舵ハンドル10から手を離す前の船体2の進み方向を維持する。
【0038】
図6(A)の出力側部材82と静止側部材83のロック状態から、図6(B)に示す如く、操舵ハンドル10に手動操舵力が付与され、操舵ハンドル10に加えられた操舵トルク、及びコントロールユニット60が制御したアシストモータ50のモータトルクが入力側部材81の保持器81Aに作用すると、ロック解除手段85である保持器81Aの柱部81Bが回転方向後方に位置する一方のローラ84Aに衝合し、そのローラ84Aを板ばね84Bに抗して回転方向前方に押圧する。これにより、出力側部材82と静止側部材83の外輪83Aの間でくさび係合していたローラ84Aがそのくさび隙間から離脱し、出力側部材82のロック状態が解除される。これにより、出力側部材82が回転可能になる。
【0039】
入力側部材81の保持器81Aが図6(B)から更に回転すると、図6(C)に示す如く、入力側部材81のピン81Cが出力側部材82のピン孔82Aの内径面に衝合し、入力側部材81のトルクがピン81Cを介して出力側部材82に伝えられ、出力側部材82を回転させる。これにより、出力側部材82に固定されているピニオン46が回転し、ピニオン46とラック47の噛合いを介してラック47及び第2ケーブル13Bが押し引きされ、第2ケーブル31Bと転舵アーム21Aにより連結されている推進ユニット21を転舵させるものになる。
【0040】
本実施例によれば、実施例1の前述(a)〜(f)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0041】
スクリュウ反力抑制装置80により、船外機20がスクリュウ22の回転反力に起因して転舵しようとするジャイロ効果を停止させ、操舵ハンドル10から手を離しても船体2の進み方向を維持し、例えばその直進性を保つことができる。スクリュウ22の回転反力に起因して操舵ケーブル30に作用する逆入力に抗する操舵力を操舵ハンドル10に加える必要がなく、結果として操舵アシスト装置40がこの操舵力に応ずる操舵アシスト力を発生させる必要がないから、操舵アシスト装置40の電動アシストモータ50(又は油圧シリンダ)の徒らな電力消費を回避できる。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は実施例1の推進機付船舶のパワーステアリング装置を示す模式図である。
【図2】図2は図1の操舵アシスト装置を示す模式図である。
【図3】図3は実施例2の推進機付船舶のパワーステアリング装置を示す模式図である。
【図4】図4は図3の操舵アシスト装置を示す模式図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿い、スクリュウ反力抑制装置を示す断面図である。
【図6】図6はスクリュウ反力抑制装置の動作を示す模式図である。
【符号の説明】
【0044】
1 船舶
2 船体
3 パワーステアリング装置
10 操舵ハンドル
20 船外機(推進機)
22 スクリュウ
30、30A、30B 操舵ケーブル
40 操舵アシスト装置
41 ギヤケース
48 トルクセンサ
60 コントロールユニット
70、80 スクリュウ反力抑制装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の船首側に設けられる操舵ハンドルと、
船体の船尾側に設けられる推進機と、
操舵ハンドルに加えられる操舵力を推進機に伝える操舵力伝達経路に介装される操舵アシスト装置とを有してなる推進機付船舶のパワーステアリング装置において、
操舵アシスト装置が推進力伝達経路を構成する操舵ケーブルの中間部に配置されることを特徴とする推進機付船舶のパワーステアリング装置。
【請求項2】
前記操舵アシスト装置が船体中央の舷側に配置される請求項1に記載の推進機付船舶のパワーステアリング装置。
【請求項3】
前記操舵アシスト装置は、ギヤケース内に、操舵ハンドルに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、該操舵アシスト装置を制御するコントロールユニットと、操舵を補助するモータとを、配置した請求項1又は2に記載の推進機付船舶のパワーステアリング装置。
【請求項4】
前記操舵アシスト装置の出力側に、推進機が備えるスクリュウの回転反力に起因して推進機の側から操舵ケーブルに作用する逆入力に抗するスクリュウ反力抑制装置を設ける請求項1〜3のいずれかに記載の推進機付船舶のパワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−100187(P2010−100187A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274161(P2008−274161)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000146010)株式会社ショーワ (715)