説明

描画用セットおよびその使用方法

【課題】 幼児、小学生および身体障害者等が通常の絵の創作活動に近い形態で、且つ遊び心をもって楽しく、安価に絵を描くことができるようにする。
【解決手段】 玩具等として用いられる市販のラジオコントロールシステムを利用した描画方法であって、移動体としての戦車1等と、戦車1等に制御信号を送信する送信機2と、戦車1等の制御を行うためのコントローラー3と、コントローラー3における操作に基づいて、送信機2へ制御信号を出力する回路が内蔵されたICボックス4等を有し、戦車1には送信機2からの制御信号を受信する受信機5と描画するための筆11等が取り付けられており、小学生や障害者等の描画者によるコントローラー3の操作に基づいて、戦車1が動くのに伴って該戦車1に取り付けられた筆11によって描画されるようになされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健常者は勿論、障害者であってもデザイン画等を容易に制作することができる描画用セットおよびこれを用いた描画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の顔を撮影して顔画像データを得るCCDカメラと、顔画像データを処理して線画データを作成する似顔絵コントローラと、特定の展示エリア内を移動し得ると共にペンタブレット付き液晶ディスプレイに対して描画するロボットと、線画データに基づいてロボットに描画を実行させるための描画動作データを作成する描画動作データ作成手段と、ロボットの移動を制御すると共に描画媒体に絵を描かせるロボット制御手段と、ロボットを描画媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えた描画システムが知られている。
【0003】
前記描画システムによれば、撮影した人の顔の画像データに基づいて、移動ロボットを介して似顔絵を自動的に描くことができる。
【0004】
また、壁面に吸着して移動可能なロボット本体と、ロボット本体に取り付けられたアームと、アームに沿って移動可能な塗装ガンと、描画用絵柄を入力した描画制御装置とを備え、描画制御装置の制御のもとに、ロボット本体を上下方向に移動させると共に、前記塗装ガンを水平方向に移動させて、壁面に対して一定のピッチで塗料を吹き付け、絵柄を壁面に描画するようにした壁面描画ロボットシステムも知られている。
【特許文献1】特開2003−275473号
【特許文献2】特開平8−118263号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手や腕等に障害を持つ人は、自ら絵筆を手で持って、該絵筆に好きな色の絵の具を付けてキャンバス等に絵を描くことが非常に難しいことから、絵の制作活動を行う機会に恵まれないのが実情である。また、健常な子供でも学校で行う図画工作の授業に退屈を感ずることもある。
【0006】
前述したロボットによる描画システムによれば、身体障害者や子供でも描画することができるが、このようなシステムの導入には、多大な費用や専門的な知識が必要となることから、身体障害者の施設や学校等で利用することは実際上、非常に困難である。
【0007】
また、前述した描画システムは、基本的には、予め電子的に作成された描画データに基づいてロボットが自動的に作動して絵を描くものであるため、人が絵筆を持って絵を描くという人的な創作活動とは本質的に異なり、したがって前述した描画システムを用いて身体障害者や子供等が絵を制作したとしても自ら描いたという達成感に乏しく、人の素朴な創作活動とは程遠いものであった。
【0008】
本発明の目的は、身体障害者や子供等が、通常の絵の創作活動に近い形態で、且つ遊び心をもって楽しく、安価に絵を描くことができる描画用セットおよびその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、制御信号を送信する送信機と、送信機からの制御信号を受信する受信機を搭載した移動体とを有する無線または有線のラジオコントロール玩具に、描画手段を設けたことを特徴とする描画用ラジオコントロール玩具に関するものである。
【0010】
描画手段は、紙等の被描画物に絵を描くことができるものであれば特にその構成は限定されず、例えば、市販の筆、ペン等の筆記具、或いは専用に設計された描画装置であっても良い。
【0011】
また、移動体としては、レーシングカー、ブルドーザー、ホバークラフトおよび戦車等、ラジオコントロール玩具として販売されているような種々のものが挙げられる。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の描画用ラジオコントロール玩具について、送信機に別途、易操作用スイッチが接続されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、請求項1または請求項2記載の描画用ラジオコントロール玩具と、描画用ラジオコントロール玩具における移動体の移動を描画用紙上の範囲内に規制するバリケードフレームを有する描画用セットに関するものである。
【0014】
請求項4記載の本発明は、前記請求項3記載の描画用セットについて、描画手段で使う色を選択するための色見本を更に有するものである。
【0015】
請求項5記載の本発明は、請求項3記載の描画用セットを用いた描画方法であって、描画用紙上にバリケードフレームを置き、該バリケードフレーム内で移動体を走行させて、該移動体の描画手段により描画用紙上に絵を描くことを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の本発明は、請求項4記載の描画セットを用いた画方法であって、移動体、描画手段および絵の具をそれぞれ複数種類用意しておき、描画者が描画に用いる移動体、描画手段および色見本による色の選択をそれぞれ行い、描画用紙上にバリケードフレームを置いて、該バリケードフレーム内で移動体を走行させて、該移動体の描画手段により描画用紙上に絵を描くことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の描画用ラジオコントロール玩具は、基本的に市販のラジオコントロール玩具を利用して製作することができるため、簡単かつ廉価に得ることができる。
【0018】
請求項2記載の描画用ラジオコントロール玩具は、送信機に別途、易操作用スイッチが接続されているため、幼児や小学生等の子供は勿論、手や指等に障害のある人であっても容易に送信機を操作して移動体を自らの意思で動かすことができる。
【0019】
請求項3記載の描画用セットを用いた請求項5記載の描画方法によれば、移動体がバリケードフレームによって常に描画用紙上を走行して描画される。そして、この場合、前記移動体であるレーシングカー、ブルドーザー、ホバークラフト等が描画されるため、楽しみながら絵を制作することができる。しかも、従来の大がかりな機械的装置による描画と異なり、通常の絵の創作活動に近い形態で行うことができる。
【0020】
請求項4記載の描画用セットを用いた請求項6記載の描画方法によれば、幼児や言語障害等により言葉を発し難い障害者であっても、色見本により自らが使いたい色の絵の具を容易に選択することができ、これが前述した通常の絵の創作活動に近い全体的形態と相俟って幼児、小学生および障害者等自身が絵の創作活動を実質的かつ楽しく行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0022】
本実施形態の描画用セットは、図1に示すように、移動体としての戦車(1)と、戦車(1)に制御信号を送信する送信機(2)と、戦車(1)の制御を行うためのコントローラ(3)と、コントローラ(3)における操作に基づいて、送信機(2)へ制御信号を出力する回路が内蔵されたICボックス(4)を有する。ICボックス(4)の構造は特に限定されないが、例えば図15に示すような回路を備えている。
【0023】
図1および図2に示すように、戦車(1)は、市販のラジコンと同様、送信機(2)からの制御信号を受信する受信機(5)と、受信機(5)で受信した制御信号に基づいて、戦車(1)を動かすサーボ(6)と、バッテリーや乾電池等の電源部(7)等とを有するものであるが、更に戦車(1)の後部に設けられたホルダー(9)を介して筆(11)が装着されている。
【0024】
なお、戦車(1)の走行速度調整等を行わない場合には、前記サーボ(6)は省略され得る。
【0025】
前記ホルダー(9)は、その基部(9a)が戦車(1)に固定され、先端側には筆(11)の把持部(9b)を有するものである。ただし、ホルダー(9)は、このような構造に限定されず、筆(11)が取り付けられるものであれば良く、ガムテープ等であっても良い。
【0026】
コントローラー(3)は、幼児や障害者用のものであって、前後左右に動くスイッチ型であり、市販されているものである。
【0027】
本実施形態の描画用セットは、前述したものの他、前記描画者が、前記筆(11)に付ける絵の具の色を選択するための図3に示す色見本(12)と、戦車(1)の動く範囲を規制するための図4に示すバリケードフレーム(13)と、バリケードフレーム(13)に対応する大きさとなされ、描画する紙(14)を敷くための方形のグラウンドボード(15)と、紙(14)の表面四辺縁部をマスキングするためのマスキングテープ(16)を更に有する。
【0028】
前記色見本(12)は、描画を行う者がどの色の絵の具を使いたいかの意思表示をするためのものであり、全体がボード状であって、その上部に互いに異なる色の絵の具(17)が一定間隔をあけて塗られおり、各絵の具(17)の下方には、それぞれ絵の具の色名(32)が付されている。ただし、この絵の具(17)の色名(32)は省略される場合があり、この場合、幼児や障害者等の描画者は自分が使いたい色の絵の具(17)の色名(32)を言わずに、絵の具(17)自体を指で示すことになる。
【0029】
バリケードフレーム(13)は、前後の板状部材(13A)(13A)と左右の板状部材(13B)(13B)の隣り合う端部同士をビス等で接続したものであって、全体がグラウンドボード(15)に対応する方形となされている。
【0030】
グラウンドボード(15)は、例えば化粧合板で構成され、描画する紙(14)面が常に平らとなるように敷設されるものであるが、描画する場所が、室内で床がピータイルやフローリング等の平面である場合には省略することもある。
【0031】
なお、描画するためには、通常と同様に、絵の具、パレットおよびバケツ等も用意する。
【0032】
また、移動体としては、前記戦車(1)の他、図5に示すレーシングカー(21)、図6に示すホバークラフト(22)、図7に示すスクレーパー(23)等、異なるものをいくつか用意しておく。これらは、いずれも市販されているラジコンのものを利用し、これに前記ホルダー(9)を介して筆(11)を取り付けたものである。
【0033】
前記スイッチ型コントローラー(3)は、描画者となる幼児の好みや障害者の障害態様に応じて他のものに変更され、具体的には、図8に示すように、移動体に対する前後左右の動きを指示するための4つのボタン(24)を有するボタン型コントローラー(25)や図9に示すレバー(26a)を有するレバーコントローラー(26)等に置き換えられる。これらコントローラー(25)(26)も市販されているものを利用することができる。
【0034】
また、図10に示すように、筆(11)も種々のものが利用され、例えば細筆(11A)、太筆(11B)および平筆(11C)等である。
【0035】
次に、前述した描画用セットを用いた描画方法について説明すると、図11に示すように、描画者が先ず移動体として、図1の戦車(1)、図5のレーシングカー(21)、図6のホバークラフト(22)および図7のスクレーパー(23)のうちから自分が描画に用いるものを一つ選ぶ(ステップS0001)、また描画者の要求に応じて図1に示すスイッチ型コントローラー(3)、図8のボタン型コントローラー(25)
および図9のレバー型コントローラー(26)のうちから、自ら使いたいものを一つ選ぶ(ステップS0002)、更に、筆(11)についても図10に示す細筆(11A)、太筆(11B)および平筆(11C)等の中から一つを選ぶ(ステップS0003)。なお、以上の(ステップS0001)〜(ステップS0003)の順序は任意である。
【0036】
その後、描画者が色見本(12)にある絵の具を見て、描画に使う絵の具の色名(32)を描画補助者に言うか、或いは幼児や言語障害のある障害者等の場合には、色見本(12)にある絵の具(17)を直接指差すことにより、使いたい絵の具の色を選択する(ステップS0004)、次に描画補助者がパレットにおいて、選択された絵の具を筆(11)に付け(ステップS0005)、該筆(11)を戦車(1)等のホルダー(9)に取り付ける(ステップS0006)。その後、描画者がスイッチ型コントローラー(3)等を操作(ステップS0007)して戦車(1)等を前後左右に動かしたり、或いは回転させることで、これに取り付けられた絵の具付きの筆(11)によって紙(14)上に絵の具が塗られる。この場合、図12に示すように、描画者が戦車(1)等を前後左右に動かしたり、或いは回転させたりすることで、それらの動きがそれぞれ筆(11)の軌跡となって描画されるため、全体として直線、曲線およびジグザグ線等が不規則に交差し、しかも筆(11)に付けられた絵の具が戦車(1)等の走行途中で不足したときに、絵の具のカスレが生ずることから、全体として芸術性のあるデザイン描画作品が完成され得る。
【0037】
また、紙(14)の四辺周辺部に予めマスキングテープ(16)を貼着しておけば、その上を戦車(1)等が通った場合でも、該部分に絵の具が塗られないため、作品完成時において、紙(14)の四辺周辺部が帯状に白紙のままの状態となり、視覚的なフレーム効果が得られる。この他、障害者が描画の部分的な完成の意思を示した場合にも、その部分にマスキングテープ(16)を貼ることにより、該部分に事後的に戦車(1)等が走行しても更に重畳的に描画されることがない。また、前記描画方法において、戦車(1)等の移動体の速度が変えられる場合には、より多彩な描画となり得る。
【0038】
なお、前記描画方法において、戦車(1)等の移動体が一つであり、使用するコントローラーもスイッチ型コントローラー(3)等の一つであり、或いは更に使用する絵の具や筆(11)も一種類のみである場合には、前記ステップS0001〜ステップS0004は、適宜省略される。
【0039】
また、前記描画途中で、描画者が色見本(12)にある別の色を希望したり、異なる筆(11)を希望した場合には、描画補助者がその希望に基づいて絵の具や筆を変更する。
【0040】
更に、本実施形態では、筆(11)に絵の具を別途付ける構成としたが、図13に示すように、筆(31)の柄部(31a)内にインク(I)が充填されたカートリッジ(20)を内蔵させ、該カートリッジ(20)から筆(31)の刷毛(31b)にインクが浸透する構造とすれば、筆(31)に絵の具を付けるステップS0005も省略される。
【0041】
また、本実施形態では、無線操作であるラジコンを移動体として用いた描画方法について説明したが、有線操作によって動く移動体を用いても良い。具体的には、図14に示すように、戦車(31)と、ICボックス(32)と、前述したスイッチ型コントローラー(3)、ボタン型コントローラー(25) 、或いはレバー型コントローラー(26)等を用いる。
【0042】
なお、図中(33)は、ICボックス(32)からの線と戦車(31)からの線を接続するためのコネクタを示す。
【0043】
更に、本実施形態では、描画者が移動体を容易に操作するためにコントローラー(3)(25)(26)とICボックス(4)を用いたが、描画者が簡易な操作を希望しない場合には、コントローラー(3)(25)(26)とICボックス(4)を使用せずに、市販のラジコンに使用されている発信機(コントローラー付きのもの)をそのまま利用することもある。すなわち、この場合、市販のラジコンセットをそのまま用い、移動体である戦車やレーシングカーに筆等の描画手段を取り付ければ良い。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の描画セットおよびこれを用いた描画方法によれば、基本的に市販のラジコンやスイッチ等を用いて幼児、小学生および障害者等が簡単且つ安価に楽しみながら描画活動を行うことができるため、幼稚園、小学校および障害者施設等での幅広い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る描画セットの一部を示す斜視図である。
【図2】同実施形態における戦車の概要を示す図である。
【図3】色見本を示す斜視図である。
【図4】バリケードフレーム、グランウンドボードおよび紙等を示す斜視図である。
【図5】移動体の他の例を示す図である。
【図6】移動体の更に他の例を示す図である。
【図7】移動体の別の例を示す図である。
【図8】コントローラーの他の例を示す斜視図である。
【図9】コントローラーの更に他の例を示す斜視図である。
【図10】筆の種類を示す斜視図である。
【図11】描画方法の一例を示すフローチャートである。
【図12】描画状況を示す図である。
【図13】筆の他の例を示す一部切欠正面図である。
【図14】ワイヤードリモコンの一例を示す図である。
【図15】ICボックスの回路図である。
【符号の説明】
【0046】
(1) 移動体
(2) 送信機
(3) コントロールスイッチ
(5) 受信機
(9) ホルダー
(11) 筆
(12) 色見本
(13) バリケードフレーム
(14) 描画用紙
(15) グラウンドボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号を送信する送信機と、送信機からの制御信号を受信する受信機を搭載した移動体とを有する無線または有線のラジオコントロール玩具に、描画手段を設けたことを特徴とする描画用ラジオコントロール玩具。
【請求項2】
送信機に別途、易操作用スイッチが接続された、請求項1記載の描画用ラジオコントロール玩具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の描画用ラジオコントロール玩具と、描画用ラジオコントロール玩具における移動体の移動を描画用紙上の範囲内に規制するバリケードフレームを有する描画用セット。
【請求項4】
描画手段で使う色を選択するための色見本を更に有する請求項3記載の描画用セット。
【請求項5】
請求項3記載の描画用セットを用いた描画方法であって、描画用紙上にバリケードフレームを置き、該バリケードフレーム内で移動体を走行させて、該移動体の描画手段により描画用紙上に絵を描くことを特徴とする、ラジオコントロール玩具を利用した描画方法。
【請求項6】
請求項4記載の描画セットを用いた描画方法であって、移動体、描画手段および絵の具をそれぞれ複数種類用意しておき、描画者が描画に用いる移動体、描画手段および色見本による色の選択をそれぞれ行い、描画用紙上にバリケードフレームを置いて、該バリケードフレーム内で移動体を走行させて、該移動体の描画手段により描画用紙上に絵を描くことを特徴とする、ラジオコントロール玩具を利用した描画方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−167145(P2007−167145A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365546(P2005−365546)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(505375159)NPO法人ぺんぎん (1)
【Fターム(参考)】