説明

揚水試験方法と揚水試験装置

【課題】高い精度で水理定数を求めることができると共に、比較的安価な試験コストで揚水試験を行なうことができる揚水試験方法と揚水試験装置を提供する。
【解決手段】掘削された試験孔内に上部閉鎖形ケーシングパイプ1を挿入し、上部閉鎖形ケーシングパイプの下端部に、地下水のパイプ内への流入を許容するスクリーン部2が形成される。スクリーン部2内に隔壁部3を介して測定室9が形成される。上部閉鎖形ケーシングパイプ1の上部に吸引管8を介して自吸式ポンプ7を接続する。自吸式ポンプ7を動作させて吸引管8を通して上部閉鎖形ケーシングパイプ1内を真空吸引し、上部閉鎖形ケーシングパイプ1内に流入した地下水を揚水する。その揚水量を測定すると共に、測定室9内に配置した水圧式水位計4により水位の経時的変化を観測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水の水源開発調査などの際、地盤の帯水層の透水量係数、貯留係数などの水理定数を求めるために行う揚水試験方法と揚水試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地下水の水源開発調査を行なう場合、地下の帯水層を評価することになるが、この帯水層の評価は、水を通過させる能力と水を貯留する能力を求めることによって行なわれ、これらの能力は地下水の透水量係数、貯留係数などのパラメータによって表わされる。この透水量係数と貯留係数は、通常、揚水試験によって観測した揚水量や水位の変動から求められる。
【0003】
従来の揚水試験方法として、下記特許文献1に記載されるように、対象とする帯水層に試験井(揚水井)を設置し、その揚水井に流入する地下水をポンプにより地上に揚水し、一定量の揚水を継続して行なう間、経過時間と共に降下する地下水の水位を、別に設けた観測井内に設置した水位計により計測し、その水位の変動を測定したデータと所定の公式を使用して、水理定数を求める揚水試験方法がある。この揚水試験方法は、試験井(揚水井)内に、水中ポンプの揚水管或いは吸水ポンプの吸水管を挿入し、さらに地下水の水位を測定するために水位計を試験井内に挿入しており、必然的に揚水管または吸水管の径は試験井の径より小口径となっている。
【特許文献1】特開平8−311852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、従来のこの種の揚水試験は、図4に示すように、対象となる地盤の帯水層に試験用の井戸を掘削すると共に、ケーシングパイプ20の先端壁部に多数のスリットや孔を形成したスクリーン21(ストレーナ)を設け、そのケーシングパイプ20を井戸に打設する。そして、ケーシングパイプ20内に揚水管22と水中ポンプ23、或いは吸水ポンプに接続された吸水管をケーシングパイプ内に挿入する。また、そのケーシングパイプ20内の水位を測定するために水圧式水位計26を挿入する。
【0005】
さらに、同じ帯水層の別の場所に観測井25を設置し、そこに水位観測用の水圧式水位計26を挿入する。そして、水中ポンプ23または吸水ポンプを起動して、ケーシングパイプ20内にスクリーン21を通して流入した地下水を地上に揚水し、その揚水量を測定すると共に、試験井となるケーシングパイプ20内の水位及び観測井25の水位を水圧式水位計26により観測し、揚水試験が実施される。
【0006】
一般に、井戸水源を開発する際の帯水層の揚水試験では、その井戸水源の計画揚水量に近い揚水量で試験を行なうことが、正確な水理定数を求めるために必要とされ、計画揚水量が大きい場合、径の大きい試験孔を掘削し、その試験孔内に大口径のケーシングパイプを挿入して試験井とする。そして、ケーシングパイプ内に大口径の揚水管を挿入し、この揚水管の先端に設けた水中ポンプを駆動して揚水を行なう。つまり、揚水試験の揚水量は水中ポンプの大きさと揚水管の内径により決まるため、計画取水量が大きい場合、それに応じて大きい揚水量を実現するために、揚水管の内径と水中ポンプを大型化することになり、それに伴い、ケーシングパイプの径、試験井の径は大口径にする必要がある。
【0007】
一方、揚水試験のために掘削する試験孔や打設するケーシングパイプの径は、できる限り小口径とすることが試験コストの点で有利であるが、上記のように、計画取水量に応じて大口径の試験孔、大口径のケーシングパイプ、大口径の揚水管、大型の水中ポンプを使用すると、揚水試験のコストが非常に増大する課題がある一方、計画取水量に比べ少ない揚水量となる小口径の試験孔、ケーシングパイプ、揚水管を用いて試験を行なった場合、試験の精度は低下する。
【0008】
また、揚水試験を行なう際、上記のように、試験井(揚水井)内に水位計を挿入して水位を測定するが、揚水を行なう試験井内の水位は試験井の外側の地下水位とは異なる値を示す。すなわち、ケーシングパイプのスクリーンは、試験井内に土砂が入らず地下水だけが流入するように細孔やスリットなどから形成されるが、水中ポンプなどで試験井内の水を強制的に吸引することにより、細孔やスリットを通過して地下水が流入するため、スクリーンを通過する地下水流に流通抵抗(スクリーンロス)が生じる。このスクリーンロスによって、試験井内で測定された水位が実際の地下水位(試験井に接する帯水層の地下水位)とは異なる。このために、上記のような従来の揚水試験方法を実施して測定した水位変動から水理定数を求めた場合、その水理定数には少なからず誤差が含まれ、精度を上げることが難しいという課題があった。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、高い精度で水理定数を求めることができると共に、比較的安価な試験コストで揚水試験を行なうことができる揚水試験方法と揚水試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る揚水試験方法は、地中の帯水層の評価のために試験井を設置し、該試験井から揚水して、該帯水層の地下水位を観測する揚水試験方法であって、
掘削された試験孔内に上部閉鎖形ケーシングパイプを挿入して該試験井を形成し、該上部閉鎖形ケーシングパイプの下端部には地下水のパイプ内への流入を許容するスクリーン部が形成され、該スクリーン部内に隔壁部を介して測定室が形成され、該上部閉鎖形ケーシングパイプの上部に吸引管を介して自吸式ポンプを接続し、該自吸式ポンプを動作させて該吸引管を通して該上部閉鎖形ケーシングパイプ内を真空吸引し、該上部閉鎖形ケーシングパイプ内に流入した地下水を揚水してその揚水量を測定すると共に、該測定室内に配置した水圧式水位計により該測定室内の水圧を計測して該帯水層の水位の経時的変化を観測することを特徴とする。
【0011】
ここで、上記の揚水試験方法では、上記スクリーン部内を上下に区画する隔壁部を設けて隔壁部の下側に地下水位を測定可能な測定室を形成し、この測定室内に配置した水圧式水位計により上記帯水層の水位の経時的変化を観測することができる。このとき、測定室のスクリーンは、水圧だけを測定するため、試験井のスクリーンより流通孔を大きくして流通抵抗の小さいスクリーンとすることができる。
【0012】
また、スクリーン部のスクリーンの内側を囲うように隔壁部を設けて測定室を形成し、その測定室内に配置した水圧式水位計により上記帯水層の水位の経時的変化を観測することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記揚水試験方法によれば、掘削した試験孔に上部閉鎖形ケーシングパイプを挿入して試験井を形成し、その上部閉鎖形ケーシングパイプ内を自吸式ポンプにより直接吸引して、上部閉鎖形ケーシングパイプの下部のスクリーン部に地下水を流入させ、スクリーン部内の一部に区画形成した測定室に水圧式水位計を配置し、その水圧式水位計により水圧を計測して水位を観測するため、従来のケーシングパイプ内に揚水管を挿入して揚水していた場合に比べ、ケーシングパイプを従来のものより小口径としても必要な揚水量が得られるから、ケーシングパイプを小口径として、また、掘削する試験井の径も小口径として、試験コストを低減することができる。
【0014】
一方、実際に吸引して揚水を行なう上部閉鎖形ケーシングパイプは、従来と同じ径の試験孔に挿入される場合、従来の揚水管より大口径とすることができるため、上部閉鎖形ケーシングパイプを通して地下水を揚水する際、充分に大きい揚水量を確保することができる。つまり、その水源開発場所における計画揚水量に近い揚水量を得るように試験を実施し、これによって、水源開発調査における適正な揚水試験を実施することができる。
【0015】
さらに、水位を観測する場合、スクリーン部内に隔壁部を介して形成した測定室内に、水圧式水位計を配置し、吸引して揚水するスクリーン部内ではなく、測定室内の揚水しない部分で水圧を測定して水位を観測するため、吸引によってスクリーンを地下水が通過する際の流通抵抗による誤差、つまりスクリーンロスを生じない。このため、高い精度で水位の変動を測定して、正確に水理定数を求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は地下水の水源開発調査などの際、行われる揚水試験の断面説明図を示している。試験地点の地中に、1本の試験孔が掘削される。試験孔に上部閉鎖形ケーシングパイプ1が打設・挿入されて試験井が設置される。
【0017】
上部閉鎖形ケーシングパイプ1は、その上部を閉鎖した管体であり、その閉鎖した上部に吸引管8が接続される。また、この上部閉鎖形ケーシングパイプ1は直接揚水を行う揚水管として機能するため、このケーシングパイプ1を通して揚水を行ったときの揚水量が計画揚水量に近い量となるように、大口径のパイプを使用し、掘削した試験孔内に密に打設され挿入される。上部閉鎖形ケーシングパイプ1は試験孔内に密に挿入され、ケーシングと揚水管としての機能を兼ねるため、試験井の径はそれほど大口径とする必要はなく、掘削する試験孔の径は、従来型の揚水管や吸水管を試験井に挿入して揚水する試験孔の径より、小口径とすることができる。
【0018】
また、上部閉鎖形ケーシングパイプ1の下端部に、外側の地下水をパイプ内に導入するために、スクリーン部2が形成される。スクリーン部2は、ケーシングパイプ1の下端部周壁に多数のスリットを設け、或いは金属ネットのメッシュ状に形成され、試験井の外側から、パイプ内に地下水を導入可能となっている。
【0019】
さらに、スクリーン部の下部の内側には、スクリーン部内を上部と下部に区画する隔壁部3が設けられ、この隔壁部3を介してその下側に測定室9が形成される。図2に示すように、この隔壁部3にはテーパ孔3aが設けられ、このテーパ孔3aを上方から嵌合して閉鎖する蓋体3bが設けられる。隔壁部3とそのテーパ孔3aを閉鎖する蓋体3bは、例えばゴム状弾性体により形成され、蓋体3bには支持棒5が上下に貫通して取着される。支持棒6の下端には、地下水の水圧を測定して水位を観測する水圧式水位計4が連結される。支持棒5は上部閉鎖形ケーシングパイプ1の上部まで延設される。
【0020】
図1では支持棒5はケーシングパイプ1の上部横側から導出されているが、上部閉鎖形ケーシングパイプ1の上部に密閉可能な上蓋を設け、その上蓋を上下に密に支持棒5が貫通して取着される構造としてもよい。水圧式水位計4をスクリーン部2の隔壁部3の下側に設置する場合、ケーシングパイプ1の上蓋を外してそこから水圧式水位計4を下端に設けた支持棒5を上部閉鎖形ケーシングパイプ1内に挿入し、スクリーン部2まで下ろし、テーパ孔3aを通してそこに蓋体3bを上方から嵌め込み、固定することができる。
【0021】
これにより、地盤に掘削した試験孔内に上部閉鎖形ケーシングパイプ1を挿入した後に、支持棒5の下端に固定した水圧式水位計4をパイプ内に挿入して隔壁部3下側の測定室9に配置することができる。上部閉鎖形ケーシングパイプ1内に挿入された支持棒5の内部には、水圧式水位計4の電源線、信号線が収容されており、それらの電源線、信号線は地上に設置された水位計測部6に配線される。なお、水圧式水位計4としては、水圧を導入する部分にベローズを設け、そのベローズの移動に伴い、差動トランスのコアを移動させ、差動トランスコイルからベローズの移動量に応じた電気信号を出力する水圧式水位計を使用することができる。水圧式水位計で水圧に応じて発生した電気信号は、水位計測部6に送られ、地下水の水位データに換算される。
【0022】
上部閉鎖形ケーシングパイプ1の上部に、吸引管8を介して自吸式ポンプ7が接続される。自吸式ポンプ7は例えばゴムライニングを設けたインペラーを回転駆動するポンプで、真空ポンプと同様な吸気、排気能力を有し、呼び水操作を行なうことなく、空気から水まで吸引する自吸能力を有している。自吸式ポンプ7の吐出側には、揚水量を計測する揚水量計測器10が設けられる。
【0023】
揚水試験は、次にように実施される。先ず、揚水前の地下水の水位を、水圧式水位計4からの電気信号に基づき計測し、自吸式ポンプ7を起動して、揚水を開始する。自吸式ポンプ7が上部閉鎖形ケーシングパイプ1を通して揚水を行なう間、揚水量を計測し、予め決められた揚水量を揚水した時点の水位を、水圧式水位計4により計測し、水位計測部6においてその時点の時刻データと共に、地下水の水位データを記録していく。計測時間間隔は開始当初は短くし、徐々に計測時間間隔を長くしていく。
【0024】
予め決められた揚水試験の全体時間が経過した時点で、或いは計測している地下水の水位の低下が殆どゼロになった時点で、自吸式ポンプ7の運転を停止して揚水試験を終了する。そして、この後、必要であれば、回復試験を行なう。回復試験は、揚水を停止した状態で行なわれ、帯水層における地下水位が上昇して回復していく際の水位データが所定時刻毎に、水圧式水位計4から水位計測部6に取り込まれ、記録される。回復試験は地下水位が揚水試験の前の状態に戻るまで実施される。
【0025】
上記の揚水試験において記録された揚水量、時間、及び水位低下量のデータは、所定の基礎方程式、運動方程式などを用いて演算され、それらの方程式の演算によって、帯水層の水の通過能力を示す透水量係数及び水の貯留能力を示す貯留係数(水理定数)が算出される。
【0026】
なお、上記実施形態では、上部閉鎖形ケーシングパイプ1の下端部に設けたスクリーン部2の中間部に隔壁部3を設け、その隔壁部3の下側に設けた測定室9内に水圧式水位計4を設置したが、図3に示すように、スクリーン部2内の周壁部寄りに、箱型の隔壁部13を、その周壁の内側を囲うように取り付け、その隔壁部13の内側に測定室19を形成し、その測定室19内に水圧式水位計4を配置して、地下水の水圧(水位)を計測することもできる。
【0027】
このように、掘削した試験孔に上部閉鎖形ケーシングパイプ1を挿入打設し、その上部閉鎖形ケーシングパイプ1内を自吸式ポンプ7により直接吸引して、上部閉鎖形ケーシングパイプ1の下部に設けたスクリーン部2内に、地下水を流入させ、スクリーン部2内の測定室9に配置した水圧式水位計4により水圧を計測して水位を観測するため、従来のケーシングパイプ内に揚水管を挿入して揚水していた場合に比べ、ケーシングパイプを従来のものより小口径としても必要な揚水量が得られる。したがって、ケーシングパイプを小口径とし、また、掘削する試験孔の径も小口径とすることにより、試験コストを低減することができる。
【0028】
また、実際に吸引して揚水を行なう上部閉鎖形ケーシングパイプ1は、従来と同じ径の試験井で使用される場合、従来よりも大きい揚水量を確保することができる。つまり、その水源開発場所における計画揚水量に近い揚水量を得るように試験を実施し、これによって、水源開発調査における適正な揚水試験を実施することができ、試験コストを大幅に下げることができる。
【0029】
さらに、地下水位の変化を観測する場合、スクリーン部2内に隔壁部3を介して形成した測定室9内に、水圧式水位計4を配置し、吸引して揚水するスクリーン部2内ではなく、測定室9内の揚水しない部分で水圧を測定して水位を観測するから、吸引によってスクリーンを地下水が通過する際の流通抵抗による誤差(スクリーンロス)を生じさせず、高い精度で水位の変動を測定して、正確に水理定数を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態を示す揚水試験装置の断面説明図である。
【図2】(a)は隔壁部の拡大断面図、(b)は隔壁部の蓋体を閉じる際の拡大断面図である。
【図3】他の実施形態を示す揚水試験装置の断面説明図である。
【図4】従来の揚水試験装置の断面説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 上部閉鎖形ケーシングパイプ
2 スクリーン部
3 隔壁部
4 水圧式水位計
5 支持棒
6 水位計測部
7 自吸式ポンプ
8 吸引管
9 測定室
10 揚水量計測器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中の帯水層の評価のために試験井を設置し、該試験井から揚水して、該帯水層の地下水位を観測する揚水試験方法であって、
掘削した試験孔内に上部閉鎖形ケーシングパイプを挿入して該試験井を形成し、該上部閉鎖形ケーシングパイプの下端部には地下水のパイプ内への流入を許容するスクリーン部が形成され、該スクリーン部内に隔壁部を介して測定室を形成すると共に、該測定室内に水圧式水位計を配置し、該上部閉鎖形ケーシングパイプの上部に吸引管を介して自吸式ポンプを接続し、該自吸式ポンプを動作させて該吸引管を通して該上部閉鎖形ケーシングパイプ内を真空吸引し、該上部閉鎖形ケーシングパイプ内に流入した地下水を揚水してその揚水量を測定すると共に、該測定室の水圧式水位計により該測定室内の水圧を計測して該帯水層の水位の経時的変化を観測することを特徴とする揚水試験方法。
【請求項2】
前記スクリーン部内に内部を上下に区画する隔壁部が設けられると共に、該隔壁部の下側に前記測定室が形成され、該測定室内に配置した水圧式水位計により前記帯水層の水位の経時的変化を観測することを特徴とする請求項1記載の揚水試験方法。
【請求項3】
前記スクリーン部内のスクリーンを内側から囲うように隔壁部を設けて測定室が形成され、該測定室内に配置した水圧式水位計により前記帯水層の水位の経時的変化を観測することを特徴とする請求項1記載の揚水試験方法。
【請求項4】
地中の帯水層の評価のために試験井を設置し、試験井から揚水して、該帯水層の地下水位を観測する揚水試験装置であって、
掘削した試験孔内に挿入されて該試験井を形成し、上部を閉鎖した構造の上部閉鎖形ケーシングパイプと、
該上部閉鎖形ケーシングパイプの上部に吸引管を介して接続された自吸式ポンプと、
該上部閉鎖形ケーシングパイプの下端部に設けられ、地下水のパイプ内への流入を許容するスクリーン部と、
該スクリーン部内に隔壁部を介して設けられた測定室と、
該測定室内に配置され、地下水の水圧を測定して水位を計測する水圧式水位計と、
を備え、該自吸式ポンプを動作させて該吸引管を通して該上部閉鎖形ケーシングパイプ内を真空吸引し、該上部閉鎖形ケーシングパイプ内に流入した地下水を揚水してその揚水量を測定すると共に、該水圧式水位計により該測定室内の水圧を測定して水位を計測することを特徴とする揚水試験装置。
【請求項5】
前記スクリーン部内に内側を上下に区画する隔壁部が設けられ、該隔壁部の下側に前記測定室が形成されたことを特徴とする請求項4記載の揚水試験装置。
【請求項6】
前記スクリーン部のスクリーンを内側から囲うように隔壁部が設けられ、該スクリーンと該隔壁部との間に前記測定室が形成されたことを特徴とする請求項4記載の揚水試験装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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