説明

換気プレナムを有するプリフォームの熱的な条件付けのためのオーブン

【課題】空気分配チャンバを有するプリフォームの熱的な条件付けのためのオーブンを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂製プリフォームを加熱するオーブン10は、空気吸入口ポート22aを有する空気吸入口ゾーン16aとプリフォームを加熱するためのゾーン16bから構成される。空気吸入口ゾーン16aは、複数の換気モジュール36及び空気吸入口ポート22aとの間に挿入された、空気分配チャンバ18(プレナム18と呼ばれる)を有し、プリフォームを加熱するゾーン16bは、吸入口ゾーン16aから来る空気の流れAをプリフォームへ導く換気モジュール36ゾーンと空気抽出ダクト68を有する空気抽出ゾーン16cとから構成され、プリフォームを冷却するための空気の流れAによって、最も冷たいゾーンから最も熱いゾーンへの熱勾配に従って、各ゾーンを通って上方向に、生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂で作られたコンテナのプリフォームの熱的な条件付けのためのオーブンに係り、このオーブンは、換気プレナムを有している。
【0002】
本発明は、特に、熱可塑性樹脂で作られたコンテナのプリフォームの熱的な条件付けのためのオーブンに関係し、このオーブンは、プリフォームを冷却するための空気の流れにより、上流から下流へ横断され、且つ、前記空気の流れの方向に、順に、
− 少なくとも一つの空気進入ポートを有する空気吸入口ゾーンを有し、この空気進入ポートを通って、前記空気の流れがオーブンの外側からオーブンの内側へ流れ;
− プリフォームを加熱するためのゾーンを有し、このゾーンは、プリフォームを加熱するための手段、及び前記吸入口ゾーンから来る空気の流れをプリフォームへガイドすることが可能な、少なくとも一つの換気モジュールを有し;
− 少なくとも一つの空気抽出ダクトを有する空気抽出ゾーンを有し、この空気抽出ゾーンは、前記加熱ゾーンからオーブンの外側へから流れる空気の流れにより横断される。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性樹脂(例えば、PET(polyethylene terephthalate)など)で作られたコンテナ(例えば、フラスコ、ボトルなど)の製造は、一般的に、射出成形により得られるプリフォームから行われる。そのようなプリフォームは、オーブンの中で予め熱的に条件付けられ、それによって、とりわけ、中空成形(blow moulding)または引張り中空成形(stretch-blow moulding)により、それらがコンテナに変換されることを可能にする。
【0004】
プリフォームは、一般的に、供試体状の形態であって、主として、可変の長さのボディ、及び既にその最終形状を有するネックを有している。実際には、プリフォームのネックがコンテナのネックを形成し、そして、例えば、スクリュー・ストッパを受けるようにデザインされたネジを有している。
【0005】
ブロー動作を実行する前に、プリフォームのボディを、それらのガラス転移温度よりも高い温度まで、プリフォームのボディの外表面即ちスキンに損傷または“バーニング”(burning:焼け)を与えることなく、加熱することが要求される。
【0006】
この目的のために、プリフォームが加熱ゾーンの中にあるときに、このゾーン中を循環している冷却空気の流れにプリフォームを曝すことが、知られている。これは、放射による加熱を促進する効果を有し、且つオーブンの中に含まれる空気の塊りによる熱伝導の効果を緩和する。
【0007】
例えば、文献 EP A1 1 699 613 から、プリフォームの熱的な条件付けのための加熱オーブンが知られている。このオーブンは、プリフォームを冷却するための空気の流れにより横断される。
【0008】
そのようなオーブンは、主として且つ前記空気の流れの方向に上流から下流へ、順に、空気吸入口ゾーン、プリフォームを加熱するためのゾーン、及び下流空気抽出ゾーンを有している。
それらのゾーンは、例えば、オーブンの内側の中に組み込まれ、そして、抽出ゾーンにおける抽出が、オーブンの頂部または上部の部分の中で実行されように配置され、加熱ゾーンが吸入口ゾーンと抽出ゾーンの間に挿入される。
加熱ゾーンには、例えば、赤外線放射ランプによる、プリフォームを加熱するための手段が設けられている。
この加熱手段は、オーブンの中のプリフォームの経路の全てまたは一部に沿って伸びるように、オーブンの中で揃えられている。
【0009】
当業者の関心の内の一つは、プリフォームの熱的な条件付けのコントロールであって、それに、最終のコンテナの品質が直接的に依存し、且つ、それに対して冷却効率または加熱効率が密接にリンクしている。
【0010】
オーブンは、複数の換気モジュールを有していて、それらは、オーブンの加熱ゾーンの中に配置され、且つ、それらは、プリフォームの近傍の空気を攪拌するように、加熱手段に面して揃えられている。
換気モジュールは、オーブンの中に含まれる空気の塊りによる熱伝導の効果を緩和する機能、及び加熱手段の赤外線を十分に利用する機能を有していて、それによって、それらのスキンにバーニングを与えることなく、ボディ・プリフォームの壁の厚さを加熱するように構成されている。これは、プリフォームのスキンの劣化を防止することを可能にするのみでなく、加熱ゾーンの環境を、その中に含まれる機械的なコンポーネント(例えば、赤外線放射ランプのキャップなど)に影響を与える可能性のある温度よりも低く維持することを可能にする。
【0011】
各換気モジュールは、円形の断面を備えた管状の空気吸入口ダクトに接続され、この空気吸入ダクトは、オーブンの吸入口ゾーンの中に伸び、そして、オーブンの外側に現れる。
それに加えて、各換気モジュールは、回転するように取り付けられた遠心ロータを有していて、この遠心ロータは、吸入口ダクトの中を通る空気を吸い込み、且つ、このようにして吸い込まれた空気をプリフォームに吹付け、それによって、冷却空気の流れが、オーブンの加熱ゾーンの中の暑い空気を攪拌するため、プリフォームの近傍に流れ出るように構成されている。
【0012】
各遠心ロータは、ケーシングの中に配置され、このケーシングは、冷却空気の流れをプリフォームの方向にガイドする。
【0013】
冷却空気の流れの循環によって、赤外線放射が十分に利用され、それは、プリフォームのボディを、プリフォームのスキンのボディに損傷を与えることなく、あるいは、更にまた、プリフォームのネックを再び軟化させることなく、ボディの壁の厚さに亘って均一に、所望の温度に到達させることを可能にする。
【0014】
一般的に、オーブンは、プリフォームのネックを赤外線放射から保護することが可能な保護手段、並びに、ネックの冷却のための専用の手段を含んでいて、それらの手段は、例えば冷却空気の流れの一部、および/または、補助的な冷却手段(とりわけ水循環による)からなる。
【0015】
それに代わるやり方において、オーブンの空気抽出ゾーンは、空気抽出フードなどのような、抽出ダクトに対応付けられた、抽出手段を含んでいる。
このフードは、縦方向に、加熱ゾーンの上方にあり、且つ、オーブンの加熱ゾーンから来る空気を外側へを抽出するように、とりわけ、オーブンから熱量を取り除くように、デザインされている。
【0016】
そのような抽出手段はまた、熱的な条件付けと同時に、汚染除去作業がプリフォームの内側で実行されるとき、殺菌剤が残留している毒性のある蒸気を回収して取り除くことも、可能にする。
そのような汚染除去作業は、好ましくは、殺菌剤(過酸化水素(H)など)を投入することにより行われ、それらの殺菌剤は、加熱手段によりオーブンの中で熱活性化され、その後、空気抽出手段により、気体状態で取り除かれるようにデザインされている。
【0017】
当業者のもう一つの関心は、コンテナの衛生状態及び清浄度に、従って、加熱の後に中空成形(または引張り中空成形)によりコンテナに変換されるようにデザインされたプリフォームの清浄度に、一般的なやり方で関係する。その場合、好ましくは、コンテナは、それらが製造された後、無菌性の媒体の中で直接に充填される
先に示されたように、薬剤(過酸化水素など)によりプリフォームの内側を殺菌することが知られていて、この薬剤は、オーブンの加熱手段に曝されたときに気化し、その後、フードにより抜き出される。
それに代わるやり方において、プリフォームの外側から、とりわけネックから、紫外線により汚染を取り除くことが知られている。
【0018】
最後に、各吸入口ダクトの自由端に、空気を濾過するための手段が中に配置された吸入口ポートを取り付けることが知られていて、それによって、換気モジュールが、所与の程度の清浄度を有する濾過された空気をプリフォームに送り出すようになる。
【0019】
しかしながら、換気された空気の質は、フィルタの効果に依存する。
ここで、フィルタの効果が高くなる程、フィルタが空気の通過をより強く妨げるようになり、その結果、換気回路の中に大きな圧力損失を作り出すことになる。
圧力損失は、オーブンの満足できる機能に対して有害である。その理由は、圧力損失が、換気モジュールによりプリフォームの方向に吹き付けられる空気の流れの減少をもたらし、それによって、プリフォームの近傍での空気の冷却性能の減少をもたらすからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】欧州特許公開第EP1699613A1号公報
【発明の概要】
【0021】
本発明の目的は、とりわけ、プリフォームの清浄度を、そしてそれ故にコンテナの清浄度を、更に改善することにあり、しかしながら、オーブンの中で実行されるプリフォームの熱的な条件付け、または換気モジュールによりプリフォームの上で換気される空気の流れを損なうことなく、それを実現することにある。
この目的のために、本発明は、とりわけ、空気吸入口または冷却回路の中での圧力損失を抑えながら、濾過手段の濾過の質を促進するための手段を提供する。
【0022】
本発明は、特に、先に記載されたタイプのオーブンを提供する。このオーブンは、空気吸入口ゾーンが:
− 少なくとも二つの空気換気モジュールを有し;
− 前記空気吸入口ポートと前記換気モジュールのそれぞれの間に挿入された、少なくとも一つの空気分配チャンバ(プレナムと呼ばれる)を有し、各換気モジュールは、分配チャンバに接続されている。
【0023】
空気分配チャンバにより、濾過空気の質と圧力損失の間比率が増大される。
実際には、そのような分配チャンバが、濾過された空気の広い共通の体積の境界を定め、ここで、各換気モジュールが、濾過された空気を吸い込み、それによって、圧力損失が減少される。
【0024】
それに加えて、そのような分配チャンバは、その体積及びそのコンパクトさのために、冷却回路に対する制約を緩和することを可能にする。そのような制約は、冷却空気の流れを妨げ、且つ圧力損失を促進することになる。
【0025】
本発明の他の特徴によれば:
− 各換気モジュールは、ロータを含み、このロータは、分配チャンバの中に連続的に空気を引き込むように、且つこのようにして引き込まれた空気をプリフォームに吹き付けるように、回転可能に取り付けられる。
【0026】
− 分配チャンバは、平行六面体のケーシングの形態であって:
−− 第一の空気吸入口ポートを含む第一の広い開放された横方向の面と;
−− 第一の広い面に向かい合い且つそれに対して平行であり、且つ第二の空気吸入口ポートを含む第二の広い開放された横方向の面と;
を少なくとも有している。
【0027】
− 各空気吸入口ポートは、対応する空気濾過手段を有している。
【0028】
− 濾過手段のそれぞれは、順に、少なくとも:
−− 第一の所与の直径を備えたパーティクルを濾過することが可能な一つの上流プレ・フィルタと;
−− 前記第一の所与の直径よりも小さい直径を備えたパーティクルを濾過することが可能な一つの下流フィルタと;
を有している。
【0029】
− 各上流プレ・フィルタは、重量測定によるフィルタである。
【0030】
− 各吸入口ポートは、オーブンの外側の方向に拡大する形状を有していて、各下流プレ・フィルタは、対応する下流フィルタの上流の、対応する空気吸入口ポートの最も広い断面の中に配置され、それによって、各上流プレ・フィルタの経路の断面が、対応する下流フィルタの経路の断面より大きくなる。
【0031】
− 分配チャンバは、前記広い横方向の面に対して直交する方向に伸びる広い面を有し、その上に、各換気モジュールを分配チャンバに選択的に接続する空気マニフォールドが接続される。
【0032】
− 吸入口ゾーンは、前記濾過手段のファウリングを検知するための手段を有していて、前記検知手段は:
−− 第一の吸入口ポートの、プレ・フィルタの直接上流に位置するポイントと、プレ・フィルタの直接下流に位置するポイントとの間の、第一の圧力差;及び、
−− 第一の吸入口ポートの、フィルタの直接上流に位置するポイントと、フィルタの直接下流に位置するポイントとの間の、第二の圧力差;
を測定することが可能であり、
−− 各圧力差をそれぞれの予め定められた圧力値とを比較し、それによって、プレ・フィルタ及びフィルタのファウリングそれぞれの程度を個別に評価することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明に基づくオーブンの実施形態の例を示す全体の斜視図であって、このオーブンは、順に、空気吸入口ゾーン、プリフォームを加熱するためのゾーン、及び空気抽出ゾーンを有している。
【図2】図2は、断面の概略図であって、図1のオーブンのゾーンの中を通って上流から下流へ流れる冷却空気の流れ、及び複数の換気モジュールに接続された、冷却空気の流れを送り出すためのチャンバを示している。
【図3】図3は、長手方向の断面の概略図であって、図1のオーブンの中の吸入口ゾーンを備えた、複数の分配チャンバの配置を示している。
【図4】図4は、二つの吸入口ポート及びマニフォールドが設けられ分配チャンバを示す詳細な斜視図であって、このマニフォールド、図1のオーブンの換気モジュールが接続されている。
【図5】図5は、断面の且つ斜視図による詳細な図であって、この図は、分配チャンバの内側に配置された濾過手段、及び図1のオーブンの換気モジュールの中に配置された遠心ロータを示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の他の特徴及び優位性、並びに、そのデザイン及び創造の詳細は、以下の詳細な説明を読むことにより、明らかになるであろう。その理解のために、添付図面が参照されることになる。
【0035】
この説明及び請求項の中で、“前”または“後”との用語は、長手方向に対して、“上部/アッパー”及び“下部/ロウアー”との用語は、縦方向に対して、且つ地球の引力に基づいて、及び、“長手方向”、”縦方向”及び“横断方向”との用語は、図の中に示されている軸(L,V,T)に対して、非制限的なやり方で、便宜的に使用されている。
【0036】
“上流”及び“下流”と言う表現もまた、オーブンの内側の冷却空気の流れの循環の方向に対して、即ち、オーブンの、吸入口ゾーン(上流と呼ばれる)から、抽出ゾーン(下流と呼ばれる)への方向に対して、使用される。
【0037】
オーブン10が、図1の中に表されている。これは、例えば、PET(polyethylene terephthalate)などの、熱可塑性樹脂で作られたプリフォーム(図示せず)の熱的な条件付けのためのオーブンである。
【0038】
オーブン10は、ここでは、例として、プリフォームのための、U字形の形状の加熱経路を有していて、二つの平行の加熱断面を有し、一方は、前方に進み、他方は戻り、安定化断面と呼ばれる横断方向の曲線で形作られた断面により接続されている。
【0039】
オーブン10は、トンネル状の全体的な形態を有していて、第一の後側12から、第二の閉じられた向かい合う前側14へ、後から前へ、長手方向に伸びている。
後側12は、プリフォームが通過することを可能にするように、開放されている。しかしながら、後側は、後に説明されるように、汚染パーティクルが、この後側12を通ってオーブンの中に入ることができないように、過大圧力の下でゾーン内で開放される。
【0040】
図2から分かるように、オーブン10は、オーブン10の中央を通る際に、長手方向に伸びる中央縦方向の平面(図示せず)に対して、一般的な対称形のデザインを有している。同一の要素は、同じ参照符号によりデザインされている。
【0041】
オーブン10は、プリフォームからコンテナ(例えばボトル)を製造するための、設備のステーションの内の唯一つに過ぎない。
【0042】
そのような製造設備は、例えば、プリフォーム供給装置(図示せず)を含んでいて、この供給装置は、オーブン10の後側12を通って、オーブン10にプリフォームを供給する。
【0043】
プリフォームは、後側12の領域内で、移送手段によりオーブン10の内側に導入され、そこで、プリフォームは、オーブン10のコンベア手段に載せられる。この作業は、“ローディング”とも呼ばれている。
プリフォームは、その後で、例えばコンベア手段(図示せず)により、オーブン10の中を、この場合には、U字状の形状の加熱経路に従って、運ばれる。
【0044】
最後に、プリフォームは、オーブン10により熱的に条件付けられた後に、後側12を通ってオーブン10から出て、他の移送手段(図示せず)に載せられ、それによって、中空成形によりまたは引張り中空成形により、それらをコンテナに変換する目的で、それらが成形装置(図示せず)へ直接に導かれるようになっている。
【0045】
好ましくは、プリフォームを運搬するための手段は、加熱経路に従ってプリフォームを移送することが可能であって、且つ、支持要素(図示せず)(時には“ターンテーブル”とも呼ばれる)を有していて、そのそれぞれが、各プリフォームのネックの内側の壁と協働する。
【0046】
好ましくは、運搬手段の支持要素は、各プリフォームのボディの中での適切な熱分配を促進するように、各プリフォームを自転させることが可能である。
【0047】
図2によれば、オーブン10は、プリフォームを冷却するための空気の流れAにより横断され、この流れは、オーブン10の中を通って、上流から下流へ、この場合、より正確には縦方向に上方向へ流れる。
【0048】
図1及び2から分かるように、オーブン10は、本質的に、冷却回路16を有していて、この冷却回路は、空気の流れAの流れの方向に従って、順に、空気吸入口ゾーン16a(上流ゾーンとも呼ばれる)、プリフォームを加熱するためのゾーン16b、及び空気抽出ゾーン16c(下流ゾーンとも呼ばれる)を有している。
【0049】
三つのゾーン16a,16b,16cは、この場合には、縦方向に重ね合わせられ、空気の流れAが、最も冷たいゾーンから最も熱いゾーンへの熱勾配に従って、各ゾーンを通って上方向に、順に生じる。
好ましくも、冷却回路のゾーンのそのような配置は、良好なコンパクトさを有するオーブンを得ることを可能にし、且つ、対流原理が利用されることを可能にする。
【0050】
空気吸入口ゾーン16aは、少なくとも一つの分配チャンバ18(プレナムと呼ばれる)を有していて、この分配チャンバは、この場合には、平行六面体のケーシングの形態であって、その中を通って、冷却空気の流れAが、オーブン10の外側からオーブン10の内側へ流れる。
【0051】
図4から分かるように、この目的のために、プレナム18は、第一の広い長手方向の縦方向の面20aを有していて、この面に、第一の空気吸入口ポート22aが取り付けられている。
吸入口ポート22aは、プレナム18から横方向に伸び、且つ、オーブン10の外側に向かって増大する断面を備えた、拡大する形状を有している。
【0052】
図2及び5によれば、吸入口ポート22aは、第一の濾過手段26a,28aを有していて、そのプレ・フィルタ26aは、吸入口ポート22aの上流のポートの近傍の中に配置され、他方、フィルタ28aは、吸入口ポート22aの下流のポートの近傍の中に配置されている。
【0053】
図5によれば、プレ・フィルタ26aは、フィルタ28aの上流の、対応する吸入口ポート22aの最も広い断面の中に配置され、それによって、プレ・フィルタ26aの経路の断面が、フィルタ28aの経路の断面より大きくなる。
【0054】
好ましくは、プレ・フィルタ26aは、重量測定によるフィルタであって、大きなパーティクルと呼ばれるパーティクルを濾過することが可能であり、例えば、10ミクロンより大きい所与の直径を有している。
同様に、フィルタ28aは、“オパキメトリック/opacimetric”と呼ばれるタイプのフィルタであって、微細なパーティクルと呼ばれるパーティクルを濾過することが可能であり、例えば1ミクロンより大きい所与の直径を備えている。
【0055】
対称面に対する対称性により、プレナム18は、第二の広い長手方向の縦方向の面20bを有していて、この面20bは、第一の広い面20aに向かい合って配置され、この面20aに、第二の空気吸入口ポート22bが取り付けられている。
同様に、吸入口ポート22bは、プレ・フィルタ26b及びフィルタ28bを備えた第二の濾過手段26b,28bを有している。
【0056】
このようにして、各空気吸入口ポート22a,22bに、引き込まれた空気を濾過するための手段が取り付けられ、それによって、所与の程度の清浄度を備えた濾過された空気のみが引き込まれて、オーブン10の吸入口ゾーン16aの中に導入されることになる。
【0057】
プレナム18は、第三の広い上部の水平面30を有していて、その上に、空気マニフォールド32が接続され、この空気マニフォールドは、プレナム18の全長に亘って長手方向に伸びている。
マニフォールド32は、上方向に減少する台形の断面を有していて、上部の分配面34によりトップの方向に限界が定められている。
【0058】
それに加えて、プレナム18は、第一の縦方向の横断方向のプレート48により、及び第一の縦方向の横断方向のプレート48に向かい合う第二の縦方向の横断方向のプレート50により、長手方向に限界が定められている。
最後に、プレナム18は、横断方向の長手方向のボトム・プレート52により、ボトムの方向に縦方向に限界が定められている。
【0059】
図2及び3によれば、オーブン10は、フレーム53を有していて、このフレームは、グラウンドから持ち上げられた位置に、プレナム18を支え、且つプレナム18のボトム・プレート52に接触する。
【0060】
プレナム18からなる装置、二つの吸入口ポート22a,22b、及びマニフォールド32は、濾過された空気の広い体積及び広い空気吸入口の境界を定め、それよって、冷却回路16内での圧力損失が抑えられる。
【0061】
オーブン10の加熱ゾーン16bは、例えば、遠心冷却ファンなどの、換気モジュール36を有していて、この換気モジュールは、プレナム18のマニフォールド32の上方で、長手方向の軸に沿って揃えられている。
【0062】
各換気モジュール36は、下部の縦方向の吸入口カラー40の境界を定めるケーシング38を有していて、この吸入口カラーは、マニフォールド32の上部の分配面34に接続されている。
それに加えて、各ケーシング38は、第一の換気オリフィス42a及び第二の換気オリフィス42bの境界を定める。
【0063】
最後に、各換気モジュール36は、例えば、ベーンを備えたロータのような、遠心ロータまたは抽出ロータ44を有していて、このロータは、対応するケーシング38の中で、縦方向の軸の周りで回転するするように取り付けられ、且つ、図2の中に概略的に示された電動モータ46のような、例えば、対応するアクチュエータにより、回転駆動されることが可能である。
【0064】
ロータ44の回転は、プレナム18の中を通って外側の空気を引き込むために、ロータ44の上流に減少された圧力を作り出し、他方、ロータ44の下流に過大圧力を作り出す。
【0065】
このようにして、空気の流れAは、濾過手段26a,28a,26b,28bで濾過された後、プレナム18から流れ、次いで、各換気モジュール36の吸入口カラー40の中を通って流れる。
【0066】
最後に、空気の流れAは、第一の換気オリフィス42a及び各換気モジュール36の第二の換気オリフィス42bを通って加熱ゾーン16bの中に吹き込まれ、それによって、プリフォームの近傍の空気を攪拌することになる。
【0067】
図3から5に示された実施形態によれば、プレナム18は、四つの換気モジュール36を有している。もちろん、この数が異なっていても良いと理解される。
【0068】
それに加えて、図3によれば、オーブン10は、一連のプレナム18、この場合には、四つのプレナム、を有していて、それらは、一緒に密着され、且つ長手方向でそれらの長さの方向に揃えられ、各プレナム18は、一連の、四つの対応する換気モジュール36を有している。
【0069】
図1から3から分かるように、加熱ゾーン16bは、周囲チャンバ54により横方向に限界が定められる。
周囲チャンバ54は、少なくとも一部分(下部部分と呼ばれる)を有していて、この部分は、第一の縦方向の横方向の壁54a、及び第二の縦方向の横方向の壁54bを有していて、それらは、互いに向かい合って、横方向に配置され、そのそれぞれは、長手方向に伸びて、それらの間に、オーブン10の内側の加熱ゾーン16bの境界を横方向に定める。
それに加えて、加熱ゾーン16bは、閉じられた前側14により前の方向に、且つ、開放された後側12により後の方向に、それぞれ長手方向の限界が定められている。
【0070】
周囲チャンバ54の各横方向の壁54a,54bは、好ましくは、複数のドア56(この場合には、四つのドア)を有していて、それらは、例えば、オーブン10の内側の検査またはメインテナンス作業を実行するために、オーブン10の内側へのアクセスを可能にする。
各ドア56は、通気メッシュ58を有していて、オーブン10の外側からプレナム18へ、吸気により、空気の流れAが流れることを可能にする。
【0071】
図2から分かるように、各通気メッシュ58は、対応する吸入口ポート22a,22bに向かい合って配置され、それによって、吸入口ポート22a,22bの中を通りながら、オーブン10の外側からプレナム18の内側へ流れる空気のための経路が、メッシュ58により妨げられないか、あるいは、僅かに妨げられるのみになる。
【0072】
周囲チャンバ54の各壁54a,54bは、それぞれ、オーブン10を被覆する下部プレート60a,60bを有していて、この下部プレートは、実質的に、ドア56のボトムからグラウンドへ、縦方向に伸びている。
【0073】
図2及び3によれば、加熱ゾーン16bは、装置の上部面により、縦方向で下方向に限界を定められ、この上部面は、プレナム18、対応する吸入口ポート22a,22b、及び対応するマニフォールド32から構成されている。
【0074】
最後に、周囲チャンバ54は、下流で、上部開口62の境界を定め、この開口は、上方向に縦方向に現れ、空気の流れAが上方向に流れることを可能にする。
上部開口62は、オーブン10の全周に亘って、伸びていて、長手方向に、後側12から前側14へ伸び、そして、横方向に、周囲チャンバ54の壁の間に伸びている。
【0075】
図2によれば、加熱ゾーン16bは、例えば、赤外線放射ランプなどの、プリフォームを加熱するための横方向のゾーン64を有していて、このゾーンは、活性化されたとき、プリフォームのボディを照射して、プリフォームを、それらが次にコンテナに変換されることを可能にする温度まで、加熱する。
【0076】
赤外線放射ランプは、例えば、ラック(図示せず)状に重ね合わせられて、加熱モジュールを形成し、加熱モジュールのそれぞれは、オーブン10の中のプリフォームの前進の経路に従って、それらに密着され、それによって、ランプの第一の長手方向の断面64a、及びそれに向かい合う、ランプの第二の長手方向の断面64bを形成することになる。
【0077】
図2から分かるように、換気モジュール36は、ランプの第一の長手方向の断面64aと、ランプの第二の長手方向の断面64bとの間に、横方向に挿入され、それによって、プリフォームが、ランプと換気モジュール36の換気オリフィス42a,42bとの間を通過することになる。
【0078】
換気モジュール36により吹き付けられる空気は、好ましくは、開放されたワーク反射装置(図示せず)を通って流れ、このワーク反射装置は、換気モジュール36の換気オリフィス42a,42bの近傍の中に配置され、且つ、例えば、縦方向の方位を備えたスロットを有している。
【0079】
反射装置は、加熱手段64に向かい合って横方向に配置され、且つ、赤外線放射を反射するようにデザインされ、それによって、冷却空気が通過することを可能にしながら、加熱効率を増大させるように構成されている。
【0080】
このようにして、換気モジュール36は、加熱手段64及びプリフォームの近傍に位置する空気を攪拌し、とりわけそれによって、プリフォームのスキンのボディにバーニングを与えることを防止し、且つプリフォームのボディを均一に加熱することになる。
それに加えて、換気モジュール36は、プリフォームの近傍で、加熱ゾーン16bの中に過大圧力を作り出し、それは、濾過された空気以外の空気がプリフォームと接触することを防止する。
【0081】
各換気36の抽出ロータ44を回転駆動するモータ46は、ロータ44の回転の速度を変えるために、そしてそれによって、プリフォーム上に吹き付けられる空気の流れを変えるために、第一のコントロール手段29と協働する。
【0082】
好ましくは、加熱ゾーン16bは、プリフォームのネックのための、熱的な保護手段(図示せず)を有していて、それによって、加熱によるそれらの変形を防止するように構成されている。
【0083】
最後に、図1から3によれば、オーブン10の空気抽出ゾーン16cは、オーブンの外側10に対して加熱ゾーン16bを切り離すために、加熱ゾーン16bの上部開口62から抽出ダクト68へ上方向に伸びるフード66を有していて、それによって、空気により運ばれる汚染パーティクルによるオーブン10の内側の汚染を防止するように構成されている。
【0084】
フード66は、矩形の形状を備えた下部ベースを有し、且つ、加熱ゾーン16bの方向に拡大する形態を、従って上方向に減少する経路の断面を、有している。
フード66のベースは、二つの向かい合う長手方向のエッジを有していて、これらのエッジは、全体として直線状であって、且つ、オーブン10のそれぞれの、横方向の壁54a,54bの上部・エッジに接続されている。
【0085】
それに代わるやり方において、フード66は、第一の上部水平プレート70及び第二の上部水平プレート72を有していて、それらは、それぞれ、フード66のベースの第一の横断方向及び第二の横断方向のエッジに密着され、それによって、オーブン10の加熱ゾーン16bの境界を縦方向に定めることになる。
【0086】
第一のプレート70及び第二のプレート72は、この場合には、、それぞれ、検査用の跳ね蓋(図示せず)が設けられ、例えば、メインテナンス作業を実施するために、オーブン10の上からオーブン10の内側へのアクセスを可能にしている。
【0087】
抽出ダクト68は、対応する抽出の手段74(例えば、ファン)を有していて、この手段は、抽出ダクト68の中で、抽出手段74の上流に、減少された圧力を作り出すことが可能である。
“減少された圧力”と言う用語は、ここでは、オーブン10の内側に存在する大気圧力よりも小さい圧力を意味している。
【0088】
ここで、空気の流れAは、図2及び3の中に示されている矢印の方向へ、オーブン10の内側からオーブンの外側10へ流れる。
【0089】
抽出ダクト68の下流の端は、例えば、排出回路(図示せず)に接続され、この排出回路は、オーブン10から抽出された空気を、区画の加熱回路の中へ、あるいは、オーブン10が位置する区画の外側へ、ガイドする。
【0090】
オーブン10が完全には気密ではないと言う前提、及び抽出の手段68がオーブン10の内側に圧力減少を作り出すと言う前提から出発すると、干渉する空気の流れがオーブン10の中に、とりわけ、ドア56の周囲に、入る危険性がある。
【0091】
そのような、品質がコントロールされていない空気の流れがオーブン10の中に入るを防止するするため、フード66が、第二次の、または補助的な空気吸入口ポート76の境界を定め、それらのポートは、加熱ゾーン16bの下流に配置され、それによって、空気の流れB(漏洩空気の流れと呼ばれる)が、抽出手段34によりもたらされた圧力減少の効果の下で、空気吸入口ポート76の中を通って流れるようになる。
【0092】
このようにして、漏洩空気の流れBの空気は、感受性の高い加熱ゾーン16bの中を通ることなく、オーブンの外側10から直接、空気抽出ダクト68へ流れる。
そのようなデザインは、プリフォームまたはオーブンの内部コンポーネント10が汚染される危険無しに、空気が空気吸入口オリフィス76を通って中に入ることを促進し、コントロールされていない干渉する空気吸入口を通って中に入ることを抑える。
【0093】
好ましくは、抽出ダクト68の中を通る空気抽出の流れは、換気モジュール36により換気されて吸い込まれた濾過された空気の流れより大きく、それによって、換気された冷却空気の全てを取り除くようになり、且つ、抽出導管68の上流に存在する圧力減少のために、干渉するやり方でオーブン10の内側に入る空気が、専ら第二次的な空気吸入口空気ポート76を通って入ると言うことを保証するようになる。
【0094】
もう一つの特徴によれば、抽出手段74は、第二のモータ78により回転駆動され、このモータは、その回転の速度に基づいて、抽出手段74の回転の速度を変化させ、それによって、抽出手段74の下流での圧力減少、及び抽出ダクト68の中を通って抽出手段74により抽出された空気の流れを変化させる。
【0095】
この目的のために、図1によれば、オーブン10は、抽出74をコントロールするための第二の手段80を有していて、この第二の手段は、運転速度を変えるために、第二のモータ78と協働する。
それに加えて、オーブン10は、抽出手段74の上流の、空気抽出ゾーン16cの中での圧力減少を測定するための第一の手段82を有している。
【0096】
図2から分かるように、圧力減少を測定するための手段82は、この場合には、圧力差を測定するための手段、または圧力差を伝送するための手段(例えば圧電性センサ)である。
圧力減少を測定するための手段82は、オーブンの外側10と、フード66の内側の、抽出手段74の上流且つ対応する空気吸入口ポート76の下流に位置するポイントとの間の圧力の差を測定する。
【0097】
第二のコントロール手段80は、測定手段82により測定された圧力と、所与の圧力減少の値との間差の値に基づいて、抽出74をコントロールし、それによって、抽出手段74により抽出された空気の流れを、対応する所与の値に基づいて調整するように構成されている。
圧力減少の所与の値は、フード66の内側に圧力減少をを作り出すように、予め定められ、この圧力減少のために、抽出ダクト68を通って抽出される空気の流れが、換気モジュール36によりプリフォームの上に吹き付けられる空気の流れより大きくなる。
所与の圧力減少の値は、例えば、0パスカルと100の間にある。
【0098】
このようにして、コントロール手段80は、換気を始動させるための手段36及び抽出手段74を構成する。
コントロール手段80は、一定の空気の流れの速度を、所与の圧力減少の値の関数として、濾過手段26a,28a,26b,28bのファウリングの状態から独立して、得ることを可能にする。
【0099】
オーブン10は、製造モードと呼ばれるモードに基づいて運転され、そのモードにおいて、加熱手段64が活性化され、あるいは、製造外モードと呼ばれるモードに基づいて運転され、そのモードにおいて、加熱手段64が非活性化される。
製造モードは、プリフォーム加熱の通常作業に対応し、非製造モードは、オーブン10の他の運転状態に、例えば、オーブン10の待機モードまたはメインテナンス・モードに対応している。
【0100】
換気モジュール36及び抽出手段74は、オーブン10が運転されるモードの如何に拘わらず、恒久的に回転駆動され、そのために、オーブン10は、冷却空気の流れAにより恒久的に横断される。
このようにして、濾過された空気のみが、加熱ゾーン16bの中を通って流れ、このようにして、プリフォームまたはオーブン10内部のコンポーネントの上への汚染パーティクルの堆積を防止する。
【0101】
それに加えて、換気モジュール36は、対応するコントロール手段29によりコントロールされ、それによって、換気モジュール36により得られる空気の流れが、オーブン10の製造モードの場合と比べて、非製造モードの場合に、少なくなる。
【0102】
同様に、所与の圧力減少の値は、オーブンが運転されるモードの関数として変化し、所与の圧力減少の値は、オーブン10が非製造モードで運転されるときに、小さい。
特に、オーブン10がその非製造モードで運転されるときには、この所与の圧力減少の値は、抽出手段74により抽出された空気の流れの流れの速度が、オーブン10から余剰の熱を抽出するために十分であるように、決定される。
【0103】
同様に、オーブン10がその非製造モードで運転されるときには、第一の所与の圧力減少の値は、汚染パーティクル、とりわけ二次の空気吸入口ポート76を通って引き込まれた汚染パーティクルが、プリフォームの上またはオーブン10の内部のコンポーネントの上に、堆積することを防止するために、抽出手段74により抽出された空気の流れの流速が十分であるように決定される。
【0104】
もう一つの特徴によれば、空気吸入口ゾーン16aは、濾過手段26a,28aのファウリングを検知するための手段84a、86aを有している。
ファウリングを検知するための手段84a、86aは、先に記載された第一の手段82と同様な、圧力減少を測定するための第二の手段84aを有している。
【0105】
図2の中に概略的に示されている第二の測定手段84aは、オーブンの外側10と、プレ・フィルタ26aと第一の空気吸入口ポート22aのフィルタ28aの間に位置するポイントとの間の圧力差を測定する。
このようにして、第二の測定手段84aは、測定された圧力減少を予め定められた基準値と比較することにより、ファウリングの状態またはプレ・フィルタ26aの閉塞状態を測定することが可能である。
【0106】
同様に、ファウリングを検知するための手段84a、86aは、第三の測定手段86aを有していて、この第三の測定手段は、プレ・フィルタ26aとフィルタ28aの間に位置するポイントと、第一の吸入口ポート22aのフィルタ28aの直接下流に位置するポイントとの間の圧力差を測定する。
このようにして、第三の測定手段86aは、測定された圧力減少を予め定められた基準値と比較することにより、ファウリングの状態、またはフィルタ28aのブロッキングを測定することが可能である。
【0107】
対称性により、空気吸入口ゾーン16aは、第二の吸入口22bの濾過手段26b,28bのファウリングを検知するための、補助的な手段(図示せず)を有している。
【0108】
濾過手段26a,28a,26b,28bが汚れたとき、それらは、例えば蒸気により洗浄され、または殺菌され、あるいは、完全にまたは部分的に交換され、交換されたものはその後に廃棄され、それ以外のものは洗浄される。
【0109】
実施形態(図示せず)によれば、オーブン10は、抽出ダクト68の中に配置された空気の流れを測定するための第一の手段、及びプレナム18の中に配置された空気の流れを測定するための第二の手段を有している。
【0110】
この変形形態によれば、空気の流れを測定するための第一の手段及び第二の手段は、それぞれ、抽出手段74をコントロールするための第二の手段80と協働し、それによって、抽出ダクト68を通って抽出される空気の流れが、換気モジュール36により得られる空気の流れより大きくなる。
【0111】
最後に、プリフォームの高い程度の衛生状態及び清浄度を保障する狙いで、オーブン10は、殺菌するための手段または無菌状態を維持するための手段(図示せず)を有していて、この手段は、紫外線を放射することが可能であり、それによって、プリフォームと接触し易いオーブンの内部コンポーネント(例えば、プリフォームのネックの内側の壁と協働する支持手段またはターンテーブル)を照射するようになっている。
【0112】
好ましくは、プリフォームは、過酸化水素のような、プリフォームの内側に凝縮により堆積する殺菌剤により殺菌され、この薬剤は、オーブンの加熱手段10に曝されたときに、気化し、その後に、フード66により吸い出される。
【0113】
もう一つの代替的な実施形態によれば、プレナム18は、縦方向の軸を備えた円筒形の形状を有していて、その円筒形の壁が、周囲の空気吸入口ポートを構成する。
【0114】
もう一つの実施形態によれば、各換気モジュール36は、プレナムのマニフォールド32に直接に接続され、それによって、対応するケーシング38が吸入口カラー40を有していないようになっていて、それによって、プレナム18と換気モジュール36の間の圧力損失を更に減少させるようになっている。
【0115】
同様に、もう一つの変形によれば、各換気モジュール36は、中間マニフォールド32無しで、プレナム18に直接、接続される。
【0116】
非制限的なやり方で、本発明はまた、抽出手段74、および/または、空気をプリフォームの上に吹き付けるための換気モジュール36を含まない、オーブン10にも係る、その場合、オーブン10は、例えば、対流により抽出ダクト68の方向に縦方向に流れる冷却空気の流れにより、上流から下流へ横断される。
【0117】
同様に、オーブン10の中を通る冷却空気の流れAが、吹き付けまたは吸引手段により開始されても良く、その配置は、オーブン10の中またはオーブン10の近傍の何れであっても良い。
【0118】
例えば、冷却空気の流れAは、吹き付け手段により開始されても良く、この吹付け手段は、プレナム18の上流に配置され、且つプレナム18の吸入口ポート22a,22bを通って空気が吹き付けられることを可能にする。
【0119】
同様に、本発明は、上記のような、全体として平行六面体の形状を備えたオーブンのみに制限されことは、決してない。
本発明はまた、円弧状の、または円形の、または環状の形状の形態で、または他の形状を備えたオーブンにも適用される。
【0120】
本発明は、多くの優位性を有していて、とりわけ、オーブンの外側10から換気モジュール36に到る空気回路の中での圧力損失が、減少されることを可能にする。
【0121】
実際には、プレナム18は、空気分配チャンバまたは空気溜めを構成していて、その中で、対応する換気モジュール36は、僅かな圧力損失、または圧力損失無しで、空気を引き込む。
【0122】
同様に、プレナム18は、共通の分配チャンバを構成し、この分配チャンバは、対応するチムニー・ダクトにより、各換気モジュール36をオーブンの外側10に接続することによる拘束から解放されることを可能にする。
それに加えて、プレナム18は、換気モジュール36と、空気吸入口(ここでは吸入口ポート22a,22b)との間の距離を減少させるように形成される。
【0123】
実際には、プレナム18は、換気モジュール36の下側に、且つ換気モジュール36の近くに、縦方向に伸び、それは、従来の技術に基づくチムニー・ダクトの全てまたは一部を省略することを可能にし、それによって、圧力損失が減少される。
プレナム18は、オーブン10の空気吸入口ゾーン16aの有用な体積を十分に利用することを可能にし、それは、プレナムが、オーブン10の壁まで、そして実質的に、換気モジュール36まで、横方向に伸びることによりもたらされる。
このようにして、プレナム18は、圧力損失に対する全体のサイズの好ましい比率をもたらす。
【0124】
プレナム18のデザインは、広い吸入口ポートを設けることを可能にし、且つ、濾過手段のトータルの濾過領域を増大させることを可能にし、それは、吸入口ポートと換気モジュール36の間の制約を制限しながら実現される。
【0125】
最後に、本発明はまた、単一の換気モジュール及び先に記載されたタイプの対応するプレナムを有するオーブンにも係る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂で作られたプリフォームの熱的な条件付けのためのオーブン(10)であって:
このオーブン(10)は、プリフォームを冷却するための空気の流れ(A)によって、上流から下流へ横断され、且つ、前記空気の流れ(A)の流れの方向に、順に、
− 少なくとも一つの空気吸入口ポート(22a)を有する空気吸入口ゾーン(16a)を有し、この空気吸入口ポートを通って、前記空気の流れ(A)が、オーブン(10)の外側からオーブン(10)の内側へ流れ;
− プリフォームを加熱するためのゾーン(16b)を有し、このゾーンは、プリフォームを加熱するための手段(64)と、少なくとも一つの換気モジュール(36)と、を有していて、この換気モジュールは、吸入口ゾーン(16a)から来る空気の流れ(A)をプリフォームへガイドすることが可能であり;
− 少なくとも一つの空気抽出ダクト(68)を有する空気抽出ゾーン(16c)を有し、この空気抽出ゾーン(16c)は、前記加熱ゾーン(16b)からオーブン(10)の外側へ流れる空気の流れ(A)により横断される;
オーブンにおいて、
前記空気吸入口ゾーン(16a)が、
− 少なくとも二つの換気モジュール(36)と;
− 前記空気吸入口ポート(22a)と前記換気モジュール(36)のそれぞれとの間に挿入され、プレナムと呼ばれる、少なくとも一つの空気分配チャンバ(18)と;
を有し、
各換気モジュール(36)が前記分配チャンバ(18)に接続されていることを特徴とするオーブン。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載のオーブン(10):
各換気モジュール(36)は、回転するように取り付けられたロータ(44)を有していて、このロータは、前記分配チャンバ(18)の中に含まれる空気を引き込むように、そしてこのようにして引き込まれた空気をプリフォームに吹き付けるように構成されている。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載のオーブン(10):
前記分配チャンバ(18)は、平行六面体のケーシングの形態であって、少なくとも、
− 第一の空気吸入口ポート(22a)を含む、第一の広い開放された横方向の面(20a)と;
− 第一の広い面(20a)に向かい合い且つそれに対して平行であって、且つ第二の空気吸入口ポート(22b)を含む、第二の広い開放された横方向の面(20b)と;
を有している。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1から3に何れか1項に記載のオーブン(10):
各空気吸入口ポート(22a,22b)は、対応する空気濾過手段(26a,28a,26b,28b)を有している。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項4に記載のオーブン(10):
前記濾過手段のそれぞれ(26a,28a,26b,28b)は、順に、少なくとも、
− 第一の所与の直径を備えたパーティクルを濾過することが可能な、一つの上流プレ・フィルタ(26a,26b)と;
− 前記第一の所与の直径よりも小さい直径を備えたパーティクルを濾過することが可能な、一つの下流フィルタ(28a,28b)と;
を有している。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項5に記載のオーブン(10):
各上流プレ・フィルタ(26a,26b)は、重量測定式のフィルタである。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項5または6に記載のオーブン(10):
各吸入口ポート(22a,22b)は、オーブン(10)の外側の方向に拡大する形状を有し、
各下流プレ・フィルタ(26a,26b)は、対応する下流フィルタ(28a,28b)の上流で、対応する空気吸入口ポート(22a,22b)の最も広い断面の中に配置され、それによって、各上流プレ・フィルタ(26a,26b)の経路の断面が、対応する下流フィルタ(28a,28b)の経路の断面より大きくなるように構成されている。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項3に記載のオーブン(10):
前記分配チャンバ(18)は、前記広い横方向の面(20a,20b)に対して直交する方向に伸びる広い面(30)を有し、その上に、各換気モジュール(36)を分配チャンバ(18)に選択的に接続する空気マニフォールド(32)が接続されている。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項4に記載のオーブン(10):
前記吸入口ゾーン(16a)は、前記濾過手段(26a,28a)のファウリングを検知するための手段(84a,86a)を有していて、
前記検知手段は、
− 第一の吸入口ポート(22a)の、プレ・フィルタ(26a)の直接上流に位置するポイントと、プレ・フィルタ(26a)の直接下流に位置するポイントとの間の第一の圧力差;及び
− 第一の吸入口ポート(22a)の、フィルタ(28a)の直接上流に位置するポイントと、フィルタ(28a)の直接下流に位置するポイントとの間の第二の圧力差;
を測定することが可能であり、
− 各圧力差をそれぞれの予め定められた圧力値とを比較し、それによって、プレ・フィルタ(26a)及びフィルタ(28a)のファウリングのそれぞれの程度を個別に評価することが可能である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−188716(P2010−188716A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−271791(P2009−271791)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】