換気装置付き玄関扉ならびに換気パネル
【課題】従来集合住宅の玄関扉には防犯や防火の為、自然換気を図ることが行なわれて
いない。玄関ドアを施錠しても、夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られ、かつ風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽し、火災時に特定防火設備として機能し、且つ防犯性能を確保する玄関扉と該玄関扉に取り付ける換気パネルを提供する。
【解決手段】扉本体1に通気用の換気パネル2を設け、該換気パネル2の室外側に外側小扉3を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して自動閉鎖防火戸とし、火災時に外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断するようにし、換気パネル2の室内側に内側小扉5を設け、扉本体1を施錠した状態で開け閉めして、換気パネル2の通風量の調節と換気パネル部の戸締りをする玄関扉、及び玄関扉に取り付けて、風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する換気パネルである。
いない。玄関ドアを施錠しても、夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られ、かつ風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽し、火災時に特定防火設備として機能し、且つ防犯性能を確保する玄関扉と該玄関扉に取り付ける換気パネルを提供する。
【解決手段】扉本体1に通気用の換気パネル2を設け、該換気パネル2の室外側に外側小扉3を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して自動閉鎖防火戸とし、火災時に外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断するようにし、換気パネル2の室内側に内側小扉5を設け、扉本体1を施錠した状態で開け閉めして、換気パネル2の通風量の調節と換気パネル部の戸締りをする玄関扉、及び玄関扉に取り付けて、風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する換気パネルである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンションやアパートなどの集合住宅の玄関扉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来集合住宅の玄関扉には防犯や防火の為、ガラリなどの開口を設けて自然換気を図ることが行なわれていなく、自然換気は玄関の反対側のバルコニー側から行なわれている。その為、住戸内は袋状態になり夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られない。自然換気を求める時は、玄関扉の下にパッキンを飼って、玄関扉を半開きにして自然換気をしているが、防犯上好ましくなく、又半開きのドアが廊下の通行の障害になるばかりでなく、廊下を通行する人に住戸の中を覗かれる不具合があった。住戸内に風を取り入れる扉として、いくつかの提案があり、その一つに通風ドアがある。これは、ドアの中に2枚の障子を上下に組み込み、開口部を設ける時は、上の障子は下に、下の障子は上に移動して、障子の移動した上下に開口を設けるものである。
【0003】
また、特開2004−11335号公報記載の通風と採光が可能なドアは、ドア本体
の中にスライド空間を設け、そのドア本体の幅方向中央部分に前記スライド空間を屋内外方向に貫通する開口部を設け、前記開口部とほぼ等幅の採光部と通風部とを有する小扉をスライド自在に備えたものである。
【0004】
また、特開2000−73671号公報記載の通風用小扉付玄関ドアは、ドア本体と袖壁パネルとを並設して、袖パネルを中空構造とし、袖パネルの室外側に通気グリルを設け、且つ袖壁パネルの内部に火災時に通気グリル部と小扉との間を遮断するための防火用ダンパーを設けたものである。
【0005】
【非特許文献1】「YKK AP 中低層建材総合カタログ2006」、YKK AP株式会社、2006年、 p244 片開きドア(通風ドア)
【特許文献1】特開2004−11335号公報
【特許文献2】特開2000−73671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べた従来の2枚の障子を上下に組み込んだ通風ドアは、勝手口に設けるドアで、障子の移動した部分が開口し、全開時に上下の障子が真中に重なり、そのため障子の収納する部分がドア本体より突出する。その為、シリンダーの長いレバーハンドル錠しか使えず、ドアチエンやドアガードの取り付けが難しく、又外部から簡単に開けられるので防犯上も問題があり、玄関ドアとして、使用するのは問題がある。
【0007】
通風と採光が可能なドアは、ドア本体の中にスライド空間を設け、そのスライド空間に採光部と通風部とを有する小扉をスライド自在に備えたものなので、ドアの補強材とスライドする小扉がドアに組み込まれているので、スライドする小扉を避けて錠を取り付けるため、錠の取り付け位置が限定され、またドアチエンやドアガードの取り付けが難しく、さらに外部から簡単に開けられるので防犯上も問題があり、また防火設備としての性能を確保するのが難しく、玄関ドアとして使用するのは問題がある。
【0008】
通風用小扉付玄関ドアは、袖壁パネルに通気グリルを設け、該通気グリルは火災時の防火用ダンパーを落下して小扉との間を遮断する構成なので、空気の滞留する下方に通気グリルを設ける事になり、通風の効果が期待できない上塵埃の入り込む恐れがある。さらに袖壁パネルを並設する構成なので、袖壁パネルが玄関周りのレイアウトに影響してアパートやマンションなどの玄関周りの平面計画を規制することになり、平面計画の自由度が阻害される恐れがある。
【0009】
以上、鑑みて本発明は、玄関ドアを施錠しても、夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られ、かつ風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽し、火災時に特定防火設備として機能し、且つ防犯性能を確保する玄関扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、扉本体1に通気用の換気パネル2を設けると共に該換気パネル2の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉3を開閉自在に設け、且つ外側小扉3を開いた状態で係止するラッチ4を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して火災時に前記外側小扉3のラッチ4が外れ、外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断するようにし、該換気パネル2の室内側に内側小扉5を開閉自在に設け、扉本体1を施錠した状態で、該内側小扉5を室内側から開け閉めして、換気パネル2の通風量の調節と換気パネル部の戸締りができる玄関扉である。
【0011】
扉本体1は鉄骨枠の両面に厚さ0.5mm以上の鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドア若しくは鉄板の厚さ1.5mm以上のプレスドアで、扉の厚さは通常40mmである。その扉厚の中に外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5を組み込む構成とする。外側小扉3も前記同様のスチールフラッシュドア若しくはプレスドアとする。外側小扉3は換気パネル部の特定防火設備の防火性能を確保するため、オートヒンジを組み込んだ180度開きの片開き戸とし、公知の煙感知器又は熱煙複合式感知器に連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して、自動閉鎖式防火戸とする。内側小扉5は前記同様のスチールフラッシュドア若しくはプレスドアとするが、アルミ製としても良い。該内側小扉5は開く角度で室内から換気パネル部の通風量を調節するために開閉をするので、開き戸としても良いが、扉を開く時の占有面積を小さくするため、折れ戸が最適である。なお、扉本体1の扉厚は40mmに限定するものでなく、外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで扉厚を変えても良い。この換気パネル2の室外側に外側小扉3と室内側に内側小扉5を設ける構成で、特定防火設備と防犯の性能を確保して風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0012】
煙感知器や熱煙複合式感知器は沢山の規格が市販されており、その中から外側小扉3に組み込めるものを適宜選択する。該感知器は火災の煙や炎を感知して電気信号に変えるもので、この電気信号がラッチ4に仕込まれた電磁石に作動して外側小扉3を係止している爪が外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まる作用をする。また温度ヒューズも沢山の規格が市販されており、上記同様に外側小扉3に組み込めるものを適宜選択する。この温度ヒューズは火災時の熱で溶けて、例えば融点が72度で溶けて、スプリングが働き、外側小扉3を係止しているラッチが外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まる作用がある。
【0013】
請求項2の発明は、2枚のパンチングメタル11の間に支持板12を介在させて扉の厚さより小さい寸法に設定する。設定する寸法は外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで決定するが、通常20mmが採用される。パンチングメタル11は市販のアルミ板やステンレス板や鋼板で、板厚が1.0mm〜1.6mmで孔13は20mm×20mmの四角形で間隔が40mmのものや直径20mmの丸で間隔が40mmなどのものが使用されるが、孔の形と大きさと間隔はこれに限定するものでなく長方形、楕円、三角形、十字形、星型などいずれでも良い。室外側のパンチングメタル11と室内側のパンチングメタル11の通過風量を同じになるように、孔13の大きさを同じにし、且つ孔13からの視線を遮るように孔13の位置をずらして設定し、室内側のパンチングメタル11に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0014】
また、室外側のパンチングメタル11より室内側のパンチングメタル11の孔13を小さくし、間隔を細かくして、単位面積当りの孔13の大きさを同じにして通風量を同じにしても良い。この場合、室外側のパンチングメタル11と室内側のパンチングメタル11の孔13の大きさと間隔を整数倍にしないようにする。そうすることにより、孔13の位置がずれて、しかも室内側のパンチングメタル11の孔13が小さいので、簾の効果が発現する。すなわち室内が室外より暗いと、室内から室外は見えても、室外から室内は見えない効果が発現するので、風を通しても、視線を遮蔽する。このパンチングメタル11の室内側に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、前記同様に、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0015】
支持板12は、2枚のパンチングメタル11の間に支持板12を介在させて間隔に設定する作用があり、また換気パネル2の強度を確保する補強材の作用がある。防虫網14は昆虫の侵入を防止するもので、ステンレス製やポリプロピレン製などの各種規格のものが市販されており、メッシュの規格で16メッシュ〜24メッシュが使用されるが、各種規格から適宜選択する。
【0016】
請求項3の発明は、ハニカムコア15を、ハニカムコア15の間からの視線を遮るように角度を付け、且つ扉の厚さより小さい寸法の厚さとし、さらに室内側のハニカムコア15の面に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。換気パネル2の厚さは外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで決定するが、通常20mmが採用され、セルの角度を45度室内側に上がり勾配とすると、セルの間隔も20mmとなり、視線を遮ることができる。角度は45度に限定するものではなく、ハニカムコア15の厚さdと間隔pで決定されるもので、角度が小さくなれば、間隔pも小さくして、視線を遮るように設定する。ハニカムコア15はアルミ板やステンレス板や鋼板で厚さ0.4mm〜1.2mmの薄板が使用され、セルの形状は6角形、四角形、円形、波形などいずれでも良い。このハニカムコア15の室内側の面に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、前記同様に、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【発明の効果】
【0017】
換気パネル2の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉3を開閉自在に設け、且つ外側小扉3を開いた状態で係止するラッチ4を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して火災時に前記外側小扉3のラッチ4が外れ、外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断する構成とすることにより、特定防火設備の性能を確保する効果がある。外側小扉3を180度開きの扉にすることにより、開いた状態でも廊下の通行の障害にならない効果がある。換気パネル2の室内側に内側小扉5を設ける構成で、扉本体1を施錠した状態で、通風量の調整と換気パネル部の戸締りをすることができる効果がある。また内側小扉5を折れ戸にすることにより、開く時の占有面積を小さくし、玄関回りを広く使える効果がある。
【0018】
換気パネル2を2枚のパンチングメタル11と防虫網14で構成することにより、夫々市販の規格品から選択して構成できるので、コストを小さく設定出来る効果がある。支持板12はパンチングメタル11の間隔を設定し、換気パネル2の強度を確保する効果がある。パンチングメタル11の孔13の位置をずらすことで、風は通すが、視線を遮る効果がある。室外側のパンチングメタル11の孔13より室内側のパンチングメタル11の孔13を小さくすると、室内が室外より暗いと、室内から室外は見えても、室外から室内は見えない効果がある。
【0019】
市販の各種規格のハニカムコア15から、視線を遮蔽する角度を設定し、必要な幅で斜めに切断するだけで、角度の付いたハニカムコア15が形成でき、これを換気パネル2にするのでコストを小さく設定できる効果がある。また、玄関扉を閉じた状態で換気が出来るので、春秋の中間期のエアコンを作動させなくても、快適な環境が得られるので、省エネの効果があるは、前記と同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、請求項1の発明の実施の形態を図1〜図8で説明する。図1は扉本体1を閉じた状態を示す平断面図で、図2は外側小扉3を180度開いてラッチ4に固定した状態を示す平断面図で、図3は内側小扉5を開いているところを示す平断面図で、図4は内側小扉5を開いたところを示す平断面図で、図5は内側小扉5を閉じた状態の扉本体1の内観図で、図6は内側小扉5を開いた状態の扉本体1の内観図で、図7は外側小扉3を閉じた状態の扉本体1の外観図で、図8は外側小扉3を開いた状態の扉本体1の外観図である。 この扉本体1に把手8と錠9の取付け位置を外して、扉本体1の片側に換気パネル2を上下2箇所設ける。扉を取り付ける環境により、上下いずれか一方でも良い。該換気パネル2の室外側に外側小扉3を設ける。外側小扉3も扉本体1と同様の鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドア又は鉄板の厚さ1.5mm以上のプレスドアとし、扉の厚さを10mmとする。この外側小扉3をオートヒンジで吊り込み、180度開きの片開き戸とし、該外側小扉3開いた時煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して、ラッチ4に係止するようにして、通常は閉めた状態にし、住戸内に風を取り込む時に開いて使用する。
【0021】
前記外側小扉3の換気パネル2を挟んだ室内側に、内側小扉5を開閉自在に設ける。内側小扉5の大きさも前記外側小扉3と同じ幅と高さの折れ戸とする。扉の厚さは10mmのスチール又アルミのフラッシュドア又はプレスドアとする。
【0022】
請求項2の発明の実施の形態を図9、図10で説明する。図9は、パンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図10はパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す縦断面図である。この場合の換気パネル2は厚さdが20mmである。パンチングメタル11は室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmで、パンチングメタル11の孔13の直径D1,D2が共に20mmで孔13の間隔は縦、横共に28.28mmである。このパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定し、室内側と室外側のパンチングメタルを縦、横共14.14mmずらして形成する。この室外側のパンチングメタルに防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【0023】
請求項2の発明の別の実施の形態を図11、図12で説明する。図11は、別のパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図12は別のパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図である。この場合の換気パネル2も厚さdが20mmで、パンチングメタル11は室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmである。室外側のパンチングメタル11の孔13はa1,b1共に20mm角で孔13の間隔は縦、横共に40mmで、室内側のパンチングメタル11の孔13はa2,b2共に9.09mm角で孔13の間隔は縦、横共に18.18mmで、この内外のパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定して形成する。この室外側のパンチングメタル11に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【0024】
請求項3の発明の実施の形態を図13、図14で説明する。図13は、ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図14はハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図である。この場合の換気パネル2の厚さdが20mmなので、ハニカムコア15の厚さを20mmとし、セルの角度を45度室内側に上がり勾配とすると、セルの間隔pも20mmとなる。ハニカムコア15はアルミ板の厚さ1mmの薄板で、セルの形状は四角形である。このハニカムコア15の室内側に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【実施例】
【0025】
実施例を図1〜図8及び図11〜図12で説明する。図1は扉本体を閉じた状態の平断面図で、外側小扉3も内側小扉5も閉じた状態である。この場合の外壁7は厚さが20cmのコンクリートの壁である。扉は鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドアで、ドア幅が85cmで、ドア高さが210cmで、このドアを3枚の丁番16で取り付けたのが扉本体1で、把手8と錠9が取り付けてある。この扉本体1に把手8と錠9の取付け位置を外して、幅320mm高さ720mmの換気パネル2を扉本体1の片側に、上下2箇所設け、該換気パネル2の室外側に外側小扉3を設ける。該外側小扉3も扉本体1と同様の鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドアとし、扉の厚さを10mmとする。この外側小扉3をオートヒンジで吊り込み、180度開きの片開き戸とし、該外側小扉3開いた時に温度ヒューズと連動するラッチ4に係止するようにする。前記外側小扉3の換気パネル2を挟んだ室内側に、内側小扉5を開閉自在に設ける。内側小扉5の大きさも前記外側小扉3と同じ幅320mm高さ720mmの折れ戸とする。扉の厚さは10mmのアルミのフラッシュドアとする。
【0026】
換気パネル2も前記小扉と同じ幅320mmで高さ720mmで、厚さdが20mmとし、換気パネル2をパンチングメタル11で形成する。室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmで、室外側のパンチングメタル11の孔13はa1,b1共に20mm角で孔13の間隔は縦、横共に40mmで、室内側のパンチングメタル11の孔13はa2,b2共に9.09mm角で孔13の間隔は縦、横共に18.18mmで、この内外のパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定して形成する。この室外側のパンチングメタル11に防虫網14を添設して換気パネル2とする。
【0027】
以下、上記構成の動作を説明する。換気をする際、外側小扉3を180度開いて該外側小扉3をラッチ4に固定する。次いで、内側小扉5の空錠10を外し、該内側小扉5を開く、開く角度で通風量を調節して使用する。空錠10を閉めると室外から開くことが出来ない。火災時に、外側小扉3を開いていると、温度ヒューズが熱で溶けて、スプリングが働き、外側小扉3を係止しているラッチが外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まり、特定防火設備として機能する。換気をする場合は外側小扉3と内側小扉5を開くと、パンチングメタル11の孔13の間から、風が入るが視線を遮蔽し、防虫網で昆虫の侵入を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】扉本体1を閉じた状態を示す平断面図
【図2】外側小扉3を180度開いてラッチ4に固定した状態を示す平断面図
【図3】内側小扉5を開いているところを示す平断面図
【図4】内側小扉5を開いたところを示す平断面図
【図5】内側小扉5を閉じた状態を示す扉本体1の内観図
【図6】内側小扉5を開いた状態を示す扉本体1の内観図
【図7】外側小扉3を閉じた状態を示す扉本体1の外観図
【図8】外側小扉3を開いた状態を示す扉本体1の外観図
【図9】パンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図10】パンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【図11】別のパンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図12】別のパンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【図13】ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図14】ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【符号の説明】
【0029】
1 扉本体
2 換気パネル
3 外側小扉
4 ラッチ
5 内側小扉
6 建具枠
7 外壁
8 把手
9 錠
10 空錠
11 パンチングメタル
12 支持板
13 孔
14 防虫網
15 ハニカムコア
16 丁番
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンションやアパートなどの集合住宅の玄関扉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来集合住宅の玄関扉には防犯や防火の為、ガラリなどの開口を設けて自然換気を図ることが行なわれていなく、自然換気は玄関の反対側のバルコニー側から行なわれている。その為、住戸内は袋状態になり夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られない。自然換気を求める時は、玄関扉の下にパッキンを飼って、玄関扉を半開きにして自然換気をしているが、防犯上好ましくなく、又半開きのドアが廊下の通行の障害になるばかりでなく、廊下を通行する人に住戸の中を覗かれる不具合があった。住戸内に風を取り入れる扉として、いくつかの提案があり、その一つに通風ドアがある。これは、ドアの中に2枚の障子を上下に組み込み、開口部を設ける時は、上の障子は下に、下の障子は上に移動して、障子の移動した上下に開口を設けるものである。
【0003】
また、特開2004−11335号公報記載の通風と採光が可能なドアは、ドア本体
の中にスライド空間を設け、そのドア本体の幅方向中央部分に前記スライド空間を屋内外方向に貫通する開口部を設け、前記開口部とほぼ等幅の採光部と通風部とを有する小扉をスライド自在に備えたものである。
【0004】
また、特開2000−73671号公報記載の通風用小扉付玄関ドアは、ドア本体と袖壁パネルとを並設して、袖パネルを中空構造とし、袖パネルの室外側に通気グリルを設け、且つ袖壁パネルの内部に火災時に通気グリル部と小扉との間を遮断するための防火用ダンパーを設けたものである。
【0005】
【非特許文献1】「YKK AP 中低層建材総合カタログ2006」、YKK AP株式会社、2006年、 p244 片開きドア(通風ドア)
【特許文献1】特開2004−11335号公報
【特許文献2】特開2000−73671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べた従来の2枚の障子を上下に組み込んだ通風ドアは、勝手口に設けるドアで、障子の移動した部分が開口し、全開時に上下の障子が真中に重なり、そのため障子の収納する部分がドア本体より突出する。その為、シリンダーの長いレバーハンドル錠しか使えず、ドアチエンやドアガードの取り付けが難しく、又外部から簡単に開けられるので防犯上も問題があり、玄関ドアとして、使用するのは問題がある。
【0007】
通風と採光が可能なドアは、ドア本体の中にスライド空間を設け、そのスライド空間に採光部と通風部とを有する小扉をスライド自在に備えたものなので、ドアの補強材とスライドする小扉がドアに組み込まれているので、スライドする小扉を避けて錠を取り付けるため、錠の取り付け位置が限定され、またドアチエンやドアガードの取り付けが難しく、さらに外部から簡単に開けられるので防犯上も問題があり、また防火設備としての性能を確保するのが難しく、玄関ドアとして使用するのは問題がある。
【0008】
通風用小扉付玄関ドアは、袖壁パネルに通気グリルを設け、該通気グリルは火災時の防火用ダンパーを落下して小扉との間を遮断する構成なので、空気の滞留する下方に通気グリルを設ける事になり、通風の効果が期待できない上塵埃の入り込む恐れがある。さらに袖壁パネルを並設する構成なので、袖壁パネルが玄関周りのレイアウトに影響してアパートやマンションなどの玄関周りの平面計画を規制することになり、平面計画の自由度が阻害される恐れがある。
【0009】
以上、鑑みて本発明は、玄関ドアを施錠しても、夏や春秋の中間期の風が通過する爽やかさが得られ、かつ風を通しても昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽し、火災時に特定防火設備として機能し、且つ防犯性能を確保する玄関扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、扉本体1に通気用の換気パネル2を設けると共に該換気パネル2の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉3を開閉自在に設け、且つ外側小扉3を開いた状態で係止するラッチ4を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して火災時に前記外側小扉3のラッチ4が外れ、外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断するようにし、該換気パネル2の室内側に内側小扉5を開閉自在に設け、扉本体1を施錠した状態で、該内側小扉5を室内側から開け閉めして、換気パネル2の通風量の調節と換気パネル部の戸締りができる玄関扉である。
【0011】
扉本体1は鉄骨枠の両面に厚さ0.5mm以上の鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドア若しくは鉄板の厚さ1.5mm以上のプレスドアで、扉の厚さは通常40mmである。その扉厚の中に外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5を組み込む構成とする。外側小扉3も前記同様のスチールフラッシュドア若しくはプレスドアとする。外側小扉3は換気パネル部の特定防火設備の防火性能を確保するため、オートヒンジを組み込んだ180度開きの片開き戸とし、公知の煙感知器又は熱煙複合式感知器に連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して、自動閉鎖式防火戸とする。内側小扉5は前記同様のスチールフラッシュドア若しくはプレスドアとするが、アルミ製としても良い。該内側小扉5は開く角度で室内から換気パネル部の通風量を調節するために開閉をするので、開き戸としても良いが、扉を開く時の占有面積を小さくするため、折れ戸が最適である。なお、扉本体1の扉厚は40mmに限定するものでなく、外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで扉厚を変えても良い。この換気パネル2の室外側に外側小扉3と室内側に内側小扉5を設ける構成で、特定防火設備と防犯の性能を確保して風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0012】
煙感知器や熱煙複合式感知器は沢山の規格が市販されており、その中から外側小扉3に組み込めるものを適宜選択する。該感知器は火災の煙や炎を感知して電気信号に変えるもので、この電気信号がラッチ4に仕込まれた電磁石に作動して外側小扉3を係止している爪が外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まる作用をする。また温度ヒューズも沢山の規格が市販されており、上記同様に外側小扉3に組み込めるものを適宜選択する。この温度ヒューズは火災時の熱で溶けて、例えば融点が72度で溶けて、スプリングが働き、外側小扉3を係止しているラッチが外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まる作用がある。
【0013】
請求項2の発明は、2枚のパンチングメタル11の間に支持板12を介在させて扉の厚さより小さい寸法に設定する。設定する寸法は外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで決定するが、通常20mmが採用される。パンチングメタル11は市販のアルミ板やステンレス板や鋼板で、板厚が1.0mm〜1.6mmで孔13は20mm×20mmの四角形で間隔が40mmのものや直径20mmの丸で間隔が40mmなどのものが使用されるが、孔の形と大きさと間隔はこれに限定するものでなく長方形、楕円、三角形、十字形、星型などいずれでも良い。室外側のパンチングメタル11と室内側のパンチングメタル11の通過風量を同じになるように、孔13の大きさを同じにし、且つ孔13からの視線を遮るように孔13の位置をずらして設定し、室内側のパンチングメタル11に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0014】
また、室外側のパンチングメタル11より室内側のパンチングメタル11の孔13を小さくし、間隔を細かくして、単位面積当りの孔13の大きさを同じにして通風量を同じにしても良い。この場合、室外側のパンチングメタル11と室内側のパンチングメタル11の孔13の大きさと間隔を整数倍にしないようにする。そうすることにより、孔13の位置がずれて、しかも室内側のパンチングメタル11の孔13が小さいので、簾の効果が発現する。すなわち室内が室外より暗いと、室内から室外は見えても、室外から室内は見えない効果が発現するので、風を通しても、視線を遮蔽する。このパンチングメタル11の室内側に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、前記同様に、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【0015】
支持板12は、2枚のパンチングメタル11の間に支持板12を介在させて間隔に設定する作用があり、また換気パネル2の強度を確保する補強材の作用がある。防虫網14は昆虫の侵入を防止するもので、ステンレス製やポリプロピレン製などの各種規格のものが市販されており、メッシュの規格で16メッシュ〜24メッシュが使用されるが、各種規格から適宜選択する。
【0016】
請求項3の発明は、ハニカムコア15を、ハニカムコア15の間からの視線を遮るように角度を付け、且つ扉の厚さより小さい寸法の厚さとし、さらに室内側のハニカムコア15の面に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。換気パネル2の厚さは外側小扉3と換気パネル2と内側小扉5の納まりで決定するが、通常20mmが採用され、セルの角度を45度室内側に上がり勾配とすると、セルの間隔も20mmとなり、視線を遮ることができる。角度は45度に限定するものではなく、ハニカムコア15の厚さdと間隔pで決定されるもので、角度が小さくなれば、間隔pも小さくして、視線を遮るように設定する。ハニカムコア15はアルミ板やステンレス板や鋼板で厚さ0.4mm〜1.2mmの薄板が使用され、セルの形状は6角形、四角形、円形、波形などいずれでも良い。このハニカムコア15の室内側の面に防虫網14を添設したものが換気パネル2で、前記同様に、風は通すが昆虫の侵入を防止し、視線を遮蔽する作用がある。
【発明の効果】
【0017】
換気パネル2の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉3を開閉自在に設け、且つ外側小扉3を開いた状態で係止するラッチ4を煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズと連動して火災時に前記外側小扉3のラッチ4が外れ、外側小扉3が閉まり、該換気パネル2の間を遮断する構成とすることにより、特定防火設備の性能を確保する効果がある。外側小扉3を180度開きの扉にすることにより、開いた状態でも廊下の通行の障害にならない効果がある。換気パネル2の室内側に内側小扉5を設ける構成で、扉本体1を施錠した状態で、通風量の調整と換気パネル部の戸締りをすることができる効果がある。また内側小扉5を折れ戸にすることにより、開く時の占有面積を小さくし、玄関回りを広く使える効果がある。
【0018】
換気パネル2を2枚のパンチングメタル11と防虫網14で構成することにより、夫々市販の規格品から選択して構成できるので、コストを小さく設定出来る効果がある。支持板12はパンチングメタル11の間隔を設定し、換気パネル2の強度を確保する効果がある。パンチングメタル11の孔13の位置をずらすことで、風は通すが、視線を遮る効果がある。室外側のパンチングメタル11の孔13より室内側のパンチングメタル11の孔13を小さくすると、室内が室外より暗いと、室内から室外は見えても、室外から室内は見えない効果がある。
【0019】
市販の各種規格のハニカムコア15から、視線を遮蔽する角度を設定し、必要な幅で斜めに切断するだけで、角度の付いたハニカムコア15が形成でき、これを換気パネル2にするのでコストを小さく設定できる効果がある。また、玄関扉を閉じた状態で換気が出来るので、春秋の中間期のエアコンを作動させなくても、快適な環境が得られるので、省エネの効果があるは、前記と同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、請求項1の発明の実施の形態を図1〜図8で説明する。図1は扉本体1を閉じた状態を示す平断面図で、図2は外側小扉3を180度開いてラッチ4に固定した状態を示す平断面図で、図3は内側小扉5を開いているところを示す平断面図で、図4は内側小扉5を開いたところを示す平断面図で、図5は内側小扉5を閉じた状態の扉本体1の内観図で、図6は内側小扉5を開いた状態の扉本体1の内観図で、図7は外側小扉3を閉じた状態の扉本体1の外観図で、図8は外側小扉3を開いた状態の扉本体1の外観図である。 この扉本体1に把手8と錠9の取付け位置を外して、扉本体1の片側に換気パネル2を上下2箇所設ける。扉を取り付ける環境により、上下いずれか一方でも良い。該換気パネル2の室外側に外側小扉3を設ける。外側小扉3も扉本体1と同様の鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドア又は鉄板の厚さ1.5mm以上のプレスドアとし、扉の厚さを10mmとする。この外側小扉3をオートヒンジで吊り込み、180度開きの片開き戸とし、該外側小扉3開いた時煙感知器又は熱煙複合式感知器と連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して、ラッチ4に係止するようにして、通常は閉めた状態にし、住戸内に風を取り込む時に開いて使用する。
【0021】
前記外側小扉3の換気パネル2を挟んだ室内側に、内側小扉5を開閉自在に設ける。内側小扉5の大きさも前記外側小扉3と同じ幅と高さの折れ戸とする。扉の厚さは10mmのスチール又アルミのフラッシュドア又はプレスドアとする。
【0022】
請求項2の発明の実施の形態を図9、図10で説明する。図9は、パンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図10はパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す縦断面図である。この場合の換気パネル2は厚さdが20mmである。パンチングメタル11は室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmで、パンチングメタル11の孔13の直径D1,D2が共に20mmで孔13の間隔は縦、横共に28.28mmである。このパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定し、室内側と室外側のパンチングメタルを縦、横共14.14mmずらして形成する。この室外側のパンチングメタルに防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【0023】
請求項2の発明の別の実施の形態を図11、図12で説明する。図11は、別のパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図12は別のパンチングメタルで換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図である。この場合の換気パネル2も厚さdが20mmで、パンチングメタル11は室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmである。室外側のパンチングメタル11の孔13はa1,b1共に20mm角で孔13の間隔は縦、横共に40mmで、室内側のパンチングメタル11の孔13はa2,b2共に9.09mm角で孔13の間隔は縦、横共に18.18mmで、この内外のパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定して形成する。この室外側のパンチングメタル11に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【0024】
請求項3の発明の実施の形態を図13、図14で説明する。図13は、ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図で、図14はハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図である。この場合の換気パネル2の厚さdが20mmなので、ハニカムコア15の厚さを20mmとし、セルの角度を45度室内側に上がり勾配とすると、セルの間隔pも20mmとなる。ハニカムコア15はアルミ板の厚さ1mmの薄板で、セルの形状は四角形である。このハニカムコア15の室内側に防虫網14を添設したものが換気パネル2である。
【実施例】
【0025】
実施例を図1〜図8及び図11〜図12で説明する。図1は扉本体を閉じた状態の平断面図で、外側小扉3も内側小扉5も閉じた状態である。この場合の外壁7は厚さが20cmのコンクリートの壁である。扉は鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドアで、ドア幅が85cmで、ドア高さが210cmで、このドアを3枚の丁番16で取り付けたのが扉本体1で、把手8と錠9が取り付けてある。この扉本体1に把手8と錠9の取付け位置を外して、幅320mm高さ720mmの換気パネル2を扉本体1の片側に、上下2箇所設け、該換気パネル2の室外側に外側小扉3を設ける。該外側小扉3も扉本体1と同様の鉄骨枠に両面に厚さ0.5mmの鉄板を両面に貼ったスチールフラッシュドアとし、扉の厚さを10mmとする。この外側小扉3をオートヒンジで吊り込み、180度開きの片開き戸とし、該外側小扉3開いた時に温度ヒューズと連動するラッチ4に係止するようにする。前記外側小扉3の換気パネル2を挟んだ室内側に、内側小扉5を開閉自在に設ける。内側小扉5の大きさも前記外側小扉3と同じ幅320mm高さ720mmの折れ戸とする。扉の厚さは10mmのアルミのフラッシュドアとする。
【0026】
換気パネル2も前記小扉と同じ幅320mmで高さ720mmで、厚さdが20mmとし、換気パネル2をパンチングメタル11で形成する。室内側も室外側もアルミ板で厚さ1mmで、室外側のパンチングメタル11の孔13はa1,b1共に20mm角で孔13の間隔は縦、横共に40mmで、室内側のパンチングメタル11の孔13はa2,b2共に9.09mm角で孔13の間隔は縦、横共に18.18mmで、この内外のパンチングメタル11を幅18mmの支持板12で間隔を設定して形成する。この室外側のパンチングメタル11に防虫網14を添設して換気パネル2とする。
【0027】
以下、上記構成の動作を説明する。換気をする際、外側小扉3を180度開いて該外側小扉3をラッチ4に固定する。次いで、内側小扉5の空錠10を外し、該内側小扉5を開く、開く角度で通風量を調節して使用する。空錠10を閉めると室外から開くことが出来ない。火災時に、外側小扉3を開いていると、温度ヒューズが熱で溶けて、スプリングが働き、外側小扉3を係止しているラッチが外れ、オートヒンジに吊り込まれた該外側小扉3が閉まり、特定防火設備として機能する。換気をする場合は外側小扉3と内側小扉5を開くと、パンチングメタル11の孔13の間から、風が入るが視線を遮蔽し、防虫網で昆虫の侵入を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】扉本体1を閉じた状態を示す平断面図
【図2】外側小扉3を180度開いてラッチ4に固定した状態を示す平断面図
【図3】内側小扉5を開いているところを示す平断面図
【図4】内側小扉5を開いたところを示す平断面図
【図5】内側小扉5を閉じた状態を示す扉本体1の内観図
【図6】内側小扉5を開いた状態を示す扉本体1の内観図
【図7】外側小扉3を閉じた状態を示す扉本体1の外観図
【図8】外側小扉3を開いた状態を示す扉本体1の外観図
【図9】パンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図10】パンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【図11】別のパンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図12】別のパンチングメタル11で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【図13】ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す正面図
【図14】ハニカムコア15で換気パネル2を構成する場合の構成を示す断面図
【符号の説明】
【0029】
1 扉本体
2 換気パネル
3 外側小扉
4 ラッチ
5 内側小扉
6 建具枠
7 外壁
8 把手
9 錠
10 空錠
11 パンチングメタル
12 支持板
13 孔
14 防虫網
15 ハニカムコア
16 丁番
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の玄関扉であつて、扉本体(1)に通気用の換気パネル(2)を設けると共に前記換気パネル(2)の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉(3)を開閉自在に設け、且つ外側小扉(3)を開いた状態で係止するラッチ(4)を煙感知器又は熱煙複合式感知器に連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して火災時に前記外側小扉(3)のラッチ(4)が外れ、外側小扉(3)が閉まり、該換気パネル(2)の間を遮断することとし、該換気パネル(2)の室内側に内側小扉(5)を開閉自在に設け、扉本体(1)を施錠した状態で、該内側小扉(5)を室内側から開け閉めすることができることを特徴とする換気装置付き玄関扉。
【請求項2】
2枚のパンチングメタル(11)の間に支持板(12)を介在させて扉の厚さより小さい寸法の間隔に設定し、室外側のパンチングメタル(11)と室内側のパンチングメタル(11)の通過風量を同じになるように、孔(13)の大きさを同じにし、且つ孔(13)からの視線を遮るように孔(13)の位置をずらすか、若しくは室外側のパンチングメタル(11)の孔(13)より室内側のパンチングメタル(11)の孔(13)を小さくし、且つ孔の数を多くして単位面積当りの大きさを同じにして通過風量が同じになるようにし、さらに、室内側のパンチングメタル(11)に防虫網(14)を添設してなる換気パネル(2)。
【請求項3】
ハニカムコア(15)を、ハニカムコア(15)の間からの視線を遮るように角度を付け、且つ扉の厚さより小さい寸法の厚さとし、さらに室内側のハニカムコア(15)の面に防虫網(14)を添設してなる換気パネル(2)。
【請求項1】
集合住宅の玄関扉であつて、扉本体(1)に通気用の換気パネル(2)を設けると共に前記換気パネル(2)の室外側にオートヒンジで常時閉まるように付勢した外側小扉(3)を開閉自在に設け、且つ外側小扉(3)を開いた状態で係止するラッチ(4)を煙感知器又は熱煙複合式感知器に連動するか、若しくは温度ヒューズに連動して火災時に前記外側小扉(3)のラッチ(4)が外れ、外側小扉(3)が閉まり、該換気パネル(2)の間を遮断することとし、該換気パネル(2)の室内側に内側小扉(5)を開閉自在に設け、扉本体(1)を施錠した状態で、該内側小扉(5)を室内側から開け閉めすることができることを特徴とする換気装置付き玄関扉。
【請求項2】
2枚のパンチングメタル(11)の間に支持板(12)を介在させて扉の厚さより小さい寸法の間隔に設定し、室外側のパンチングメタル(11)と室内側のパンチングメタル(11)の通過風量を同じになるように、孔(13)の大きさを同じにし、且つ孔(13)からの視線を遮るように孔(13)の位置をずらすか、若しくは室外側のパンチングメタル(11)の孔(13)より室内側のパンチングメタル(11)の孔(13)を小さくし、且つ孔の数を多くして単位面積当りの大きさを同じにして通過風量が同じになるようにし、さらに、室内側のパンチングメタル(11)に防虫網(14)を添設してなる換気パネル(2)。
【請求項3】
ハニカムコア(15)を、ハニカムコア(15)の間からの視線を遮るように角度を付け、且つ扉の厚さより小さい寸法の厚さとし、さらに室内側のハニカムコア(15)の面に防虫網(14)を添設してなる換気パネル(2)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−138476(P2008−138476A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327930(P2006−327930)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(506404223)
【出願人】(391041040)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(506404223)
【出願人】(391041040)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]