説明

換気装置及びそれを有するサッシ

【課題】換気装置の本体が連結される框の側面に直接突き合わされるようにして、気密性及び強度を向上させることのできる換気装置及びそれを有するサッシを提供する。
【解決手段】サッシの障子2を構成する框3に室内外に渡る通風路20を形成してなる装置本体21を備え、装置本体21は少なくとも室外側に配置される室外部材23と、室外部材23に対してスライド係合されて室内側に配置される室内部材22とからなり、室内部材22と室外部材23は係合された状態でスライド不能に固着され、室内部材22と室外部材23のうち一方には隣接する框12と連結するための連結部50が長手方向に沿って形成され、室内部材22と室外部材23のうち一方の両端面及び連結部50が露出状とされて、連結される框12の側面に当接自在とされてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシの障子を構成する框に通風路を設けた換気装置及びそれを有するサッシに関し、特に内外少なくとも二部材で構成し両端部に設ける端部材で各部材を挟持固定してなる換気装置及びそれを有するサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
サッシに設けられる障子において、室内外の換気をなすことができるようにしたものが知られている。このために、障子を構成する框の一つを、室内外に渡る通風路を形成すると共に、框内部に揺動自在な作動板を設け、この作動板を揺動させることで通風路を開閉させる換気装置として構成する。
【0003】
換気装置は、本体が内外二部材で構成されており、室内部材と室外部材はスライド係合することによって連結される。また、両端部には端部材が設けられ、室内部材と室外部材に対してビス止めされることで、これらを挟持固定する。このように内外二部材で本体が構成された換気装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−264425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の換気装置においては、端部材が室内外部材の両端面に隣接して、該両端面を被覆するようにしていたため、室内外部材に設けられるタイト材が両端部には設けられず、直交する框との間でタイト材が分断されることとなっていた。このため、気密性を十分に確保できないことがあった。また、室内外部材が端部材を介して直交する框と連結されるため、框体の連結強度を大きくすることができなかった。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、換気装置の本体が連結される框の側面に直接突き合わされるようにして、気密性及び強度を向上させることのできる換気装置及びそれを有するサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る換気装置は、サッシの障子を構成する框に室内外に渡る通風路を形成してなる装置本体を備え、該装置本体は少なくとも室外側に配置される室外部材と、該室外部材に対してスライド係合されて室内側に配置される室内部材とからなる換気装置において、
前記室内部材と室外部材は係合された状態でスライド不能に固着され、前記室外部材には長手方向に沿って気密材が設けられ、前記室外部材の両端面が露出状とされると共に、前記室外部材の気密材は連結される框に設けられる気密材と連続状とされることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係る換気装置は、前記室外部材には隣接する框と連結するための連結部が長手方向に沿って形成され、該連結部も両端部が露出状とされて、連結される框の側面に当接自在とされたことを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係る換気装置は、前記連結部はビス孔からなり、該ビス孔を有する前記室外部材はアルミの押出型材からなり、連結される框のうち金属材からなる部分に、アルミの押出型材からなる前記室外部材の端面及びビス孔が突き合わされると共に、該ビス孔に対する螺合により連結がなされることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係る換気装置は、前記室内部材と室外部材は端部に設けられる端部材によってスライド不能に固着されることを特徴として構成されている。
【0011】
そして、本発明に係るサッシは、枠体内に障子を納めてなるサッシにおいて、
前記障子は框体内にパネル体を納めてなり、前記框体のうち一辺を構成する框を請求項1〜4のいずれか1項に記載の換気装置とし、該換気装置を含む框体には前記枠体との間の気密性を確保する気密材が全周連続状となるように設けられることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る換気装置によれば、室内部材と室外部材は係合された状態でスライド不能に固着され、室外部材には長手方向に沿って気密材が設けられ、室外部材の両端面が露出状とされると共に、室外部材の気密材は連結される框に設けられる気密材と連続状とされることにより、換気装置の長手方向に沿って設けられる気密材を端部まで連続状とすることができるので、サッシの気密性、水密性、及び遮音性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る換気装置によれば、室外部材には隣接する框と連結するための連結部が長手方向に沿って形成され、連結部も両端部が露出状とされて、連結される框の側面に当接自在とされたことにより、框同士が突き合わされて連結されるので、框の連結を強固になすことができる。
【0014】
さらに、本発明に係る換気装置によれば、連結部はビス孔からなり、ビス孔を有する室外部材はアルミの押出型材からなり、連結される框のうち金属材からなる部分に、アルミの押出型材からなる室外部材の端面及びビス孔が突き合わされると共に、ビス孔に対する螺合により連結がなされることにより、換気装置と框の金属材同士が突き合わされ、その部分でビスによる連結がなされるので、框の強度をより大きくすることができる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る換気装置によれば、室内部材と室外部材は端部に設けられる端部材によってスライド不能に固着されることにより、端部材を両端部に取付けるだけで、強固かつ容易に換気装置を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態におけるサッシの室内側から見た正面図である。
【図2】換気装置の縦断面図である。
【図3】室内部材と室外部材の分解斜視図である。
【図4】スライド係合された室内部材と室外部材に対する端部材の分解斜視図である。
【図5】図4において手前側に配置された端部材の斜視図である。
【図6】換気装置の斜視図である。
【図7】換気装置と召合わせ側の縦框が連結された状態の拡大斜視図である。
【図8】換気装置と枠体側の縦框が連結された状態の拡大斜視図である。
【図9】サッシの縦断面図である。
【図10】サッシの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。本実施形態では、換気装置を有するサッシについて説明する。図1には、本実施形態におけるサッシの室内側から見た正面図を示している。この図に示すように、本実施形態のサッシは、方形状に枠組みされてなる枠体1内に2枚の障子2を引き違い状に納めて構成されている。
【0018】
障子2は、方形状に框組みされてなる框体3内にガラス板からなるパネル体4を納めて構成されている。框体3の上辺を構成する框には、室内外を連通させることのできる通風路20を備えた換気装置10が用いられる。また、框体3の下辺には下框11が、縦辺には縦框12が、それぞれ設けられる。
【0019】
換気装置10は、室内側面には通風路20を構成する多数のスリット31bを備えたフィルタ体24と、通風路20の開閉状態を切替える操作部26が露出している。以下、換気装置10の構成についてより詳細に説明する。図2には、換気装置10の縦断面図を示している。
【0020】
図2に示すように、換気装置10は概ね框の形状に形成された装置本体21を有し、装置本体21には室内外に連通する前述の通風路20が形成されると共に、通風路20の室内側端部となる装置本体21の室内側面には、フィルタ30をフィルタカバー31で保持してなるフィルタ体24が設けられる。
【0021】
装置本体21は、室内側に配置される室内部材22と、室内部材22とスライド係合して室外側に配置される室外部材23の二部材で構成されている。これら二部材が組み立てられた状態で、装置本体21の中央部には断面中空状の中空部27が形成され、通風路20を構成する。
【0022】
装置本体21のうち室内部材22は、室外部材23とスライド係合する金属部22aと、金属部22aの室内側に配設される樹脂部22bによって構成されている。これによって、換気装置10の断熱性及び意匠性の向上を図っている。金属部22aは、アルミの押出型材からなり、樹脂部22bは合成樹脂を成形してなるものである。
【0023】
中空部27の室内側面を構成する室内部材22には、フィルタ体24のフィルタカバー31に形成されるスリット31bと連通する略同形の室内側スリット27aが形成されている。室内側スリット27aは、室内部材22の金属部22aと樹脂部22bを貫通するように形成されている。また、中空部27の室外側面を構成する室外部材23にも、室外側スリット27bが形成されている。
【0024】
このように、室内側から順に、フィルタ体24のスリット31bと、室内部材22の室内側スリット27a、中空部27、及び室外部材23の室外側スリット27bによって、換気装置10の室内外に渡る通風路20が構成されている。
【0025】
中空部27の室内側端部には、上端部を中心に室内外方向に揺動自在な作動板28が設けられている。作動板28は、装置本体21の長手方向に沿う長尺状に形成されてなり、操作部25と連係して装置本体21の長手方向にスライド自在であると共に、該スライドに伴って室内外方向に揺動する。
【0026】
図2において実線で示す状態において、作動板28は通風路20の室内側スリット27aを閉塞している。一方、図2において破線で示す状態において、作動板28は通風路20を開放している。このように作動板28が室内外に揺動することにより、通風路20の開放状態と閉塞状態を切替えることができる。
【0027】
中空部27の室内側上端部を構成する室内部材22の金属部22aには、作動板28を揺動自在に保持する支軸部27cが形成されている。作動板28の揺動中心となる上端部は、断面略円形状の軸部28aとされており、これに対応して支軸部27cは軸部28aを保持する断面略逆U字型をなすように形成されている。
【0028】
この支軸部27cは、作動板28の可動範囲側が開口するように下方開放状であると共に、その開放方向が鉛直下方よりも室外側寄りを向くように傾斜状に形成されている。これによって、支軸部27cに保持された作動板28が、室外側により大きく開放するように揺動範囲を設定することができる。
【0029】
また、装置本体21を構成する室外部材23には、縦框12と連結するためのビス孔部50と第2ビス孔部51が、長手方向に沿って形成されている。
【0030】
次に、換気装置10の組立構造について説明する。図2に示されているように、室内部材22は、室外部材23側に向かって伸び中空部27の下面を構成する下側見込面部22eを備え、その室外端部には下側室内係合部22fが形成されている。また、室内部材22の上部には、上側室内係合部22gが形成されている。
【0031】
室外部材23は、室内部材22側に向かって伸び中空部27の上面を構成する上側見込面部23aを備え、その先端部には上側室外係合部23bが形成されており、上側室内係合部22gは室内部材22の上側室内係合部22gに対して係合されている。また、室外部材23の下部には、下側室外係合部23cが形成されており、下側室外係合部23cは室内部材22の下側室内係合部22fに対して係合されている。
【0032】
これらの室内部材22と室外部材23の係合は、スライド係合によってなされる。図3には、室内部材22と室外部材23の分解斜視図を示している。この図に示すように、室内部材22と室外部材23は、長手方向に互いにスライドされることによって、上側室内係合部22gと上側室外係合部23bが係合すると共に、下側室内係合部22fと下側室外係合部23cが係合する。
【0033】
スライド係合しただけでは、室内部材22と室外部材23は互いにスライド自在な状態であって、完全に固定された状態とはならないため、両者をスライド不能とすることが必要である。このために、スライド係合された室内部材22と室外部材23の両端部には、それぞれ端部材60が設けられる。
【0034】
図4には、スライド係合された室内部材22と室外部材23に対する端部材60の分解斜視図を示している。この図に示すように、スライド係合された室内部材22と室外部材23の両端面に対して、それぞれ端部材60が取付けられる。
【0035】
図5には、図4において手前側に配置された端部材60の斜視図を示している。この図は、図4に示された状態とは反対側、すなわち室内部材22と室外部材23を挟持する側から見た端部材60の斜視図とされている。端部材60は、室内部材22を両端から挟持する保持部61と、端面から中空部27に対して挿入される挿入部62とを有して構成されている。
【0036】
端部材60の保持部61は、室内部材22の端面に当接する当接面部61aを備え、室内部材22を構成する金属部22aと樹脂部22bの両方の端面を被覆する。一方、挿入部62は室内部材22と室外部材23により形成される中空部27の形状に略適合する形状を有してなり、上面には弾性係合可能な弾性固定部63が形成されている。
【0037】
図4に示されているように、室外部材23の上側見込面部23aには、端部近傍位置に貫通孔からなる係合孔23dが形成されている。端部材60の弾性固定部63は、挿入部62が中空部27に挿入されることに伴い、係合孔23dに対して弾性的に係合し、端部材60が室外部材23に対して固定される。
【0038】
図6には、換気装置10の斜視図を示している。この図に示すように、端部材60を装置本体21の両端に取付けることにより、室内部材22の両端部には端部材60の保持部61が隣接し、室外部材23は端部材60が取付けられた状態でも両端面が露出する。また、室外部材23に形成されたビス孔部50も両端面において露出する。なお、端部材60の保持部61は、室内部材22を構成する金属部22aと樹脂部22bのいずれも挟持する。
【0039】
つまり、端部材60は室内部材22の両端面を挟持し、室外側に対しては挿入部62が中空部27に挿入され弾性固定部63が室外部材23の係合孔23dに弾性係合することにより、室内部材22と室外部材23はスライド不能に固定される。また、端部材60は室内部材22に対しては端面を被覆する一方、室外部材23の両端面は露出させる。これにより、室外部材23の両端面は換気装置10の両端面を構成することとなる。
【0040】
室外部材23には、上端部の長手方向に沿って気密材23eが設けられている。この気密材23eは、室外部材23の長手方向全長に渡っており、換気装置10の両端部まで設けられている。室外部材23が換気装置10の両端面を構成していることにより、このように気密材23eを端部まで設けることができ、連結される縦框12まで連続的な気密をなすことができ、気密性を高くすることができる。
【0041】
図7には、換気装置10と召合わせ側の縦框12が連結された状態の連結部付近拡大斜視図を示している。この図に示すように、縦框12は側面を換気装置10の端面に突き合わせて連結がなされる。ここで、縦框12には外周側の側面にビス用孔12aが上下2箇所に形成されており、これらビス用孔12aは、装置本体21のビス孔部50及び第2ビス孔部51の位置に対応して配置されている。
【0042】
換気装置10を構成する室内部材22は、端部材60を介して縦框12の側面と対向しているのに対し、換気装置10を構成する室外部材23の端面と縦框12の側面は、直接突き合わされる。そして、ビス用孔12aから挿入されるビス(図示しない)は、装置本体21のビス孔部50と第2ビス孔部51にそれぞれ螺合され、縦框12と換気装置10を連結する。
【0043】
このように、室外部材23の両端面が露出して換気装置10の端面を構成していることにより、金属材からなる室外部材23が縦框12の側面に対して直接当接し、連結されるので、框体3の強度を大きくすることができる。なお、室外部材23が突き合わされる縦框12の室外側部分も、金属材により構成されている。
【0044】
図8には、換気装置10と枠体1側に配置される縦框12が連結された状態の連結部付近拡大斜視図を示している。この図に示すように、枠体1側に配置される縦框12には、上端位置にブロック状の振れ止め部材80が設けられ、換気装置10と縦框12の連結部においてはその上端面が露出している。
【0045】
振れ止め部材80は、枠体1を構成する上枠15に形成される上レール15aの外形状に略適合する振れ止め部81を有し、障子2を移動させた際に上端部が室内外方向に振れることを防止するためのものである。
【0046】
この振れ止め部材80には、室外部材23側の上端面に端部気密材82が形成されていて、上枠15の上レール15aに対して当接自在とされている。この端部気密材82と室外部材23の気密材23eは、連続状とされる。前述のように、室外部材23は端面が露出状となるため、その端部まで気密材23eを設けることができ、それを振れ止め部材80の端部気密材82と連続させることができる。
【0047】
換気装置10と連結される枠体1側の縦框12は、見付方向外側端部に長手方向に沿って設けられる気密材12bを有しており、これが振れ止め部材80の端部気密材82と連続状となるようにされている。これにより、換気装置10と枠体1側の縦框12との連結部分において、換気装置10の気密材23eと振れ止め部材80の端部気密材82及び縦框12の気密材12bが、連続状となって連続的な気密を確保する。
【0048】
換気装置10と縦框12の連結部分を含め、本実施形態のサッシでは内外の障子2の全周に渡って、気密材が連続状となるように構成している。図9にはサッシの縦断面図を、図10にはサッシの横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、サッシを構成する枠体1は、上枠15と下枠16及び左右の縦枠17、17を方形状に枠組みして構成されている。
【0049】
図9に示すように、上枠15には内外の障子2上辺をそれぞれ長手方向に案内する上レール15aが内外2条形成され、下枠16には内外の障子2下辺をそれぞれ長手方向に案内する下レール16aが内外2条形成される。内外の障子2の召合わせ部分のうち上端部分には上中央気密ブロック15bが設けられ、内外の障子2の召合わせ部分のうち下端部分には下中央気密ブロック16bが設けられている。
【0050】
上中央気密ブロック15bは、下面に多数のヒレを有するように形成されており、このヒレが内外の障子2の上面に当接することで、召合わせ部分上面における障子2と枠体1の間の気密性を確保するようにしている。また、下中央気密ブロック16bは、上面に多数のヒレを有するように形成されており、このヒレが内外の障子2の下面に当接することで、召合わせ部分下面における障子2と枠体1の間の気密性を確保するようにしている。
【0051】
障子2の上辺においては、換気装置10の室外面上端部に気密材23eが長手方向に沿って設けられ、上レール15aに当接することで、気密性を確保する。換気装置10と枠体1側の縦框12との連結部分については、図8で説明したような構造により、換気装置10から縦框12に渡って気密材が連続状となっている。また、換気装置10の召合わせ側については、図7のように換気装置10の端面に渡るまで気密材23eが設けられており、この気密材23eは上中央気密ブロック15bと連続状となって、連続的な気密を確保する。
【0052】
障子2の枠体1側の縦辺については、図10に示すように縦框12の気密材12bが、枠体1に対して長手方向に沿って当接しており、これによって気密性を確保している。また、障子2の下辺については、図9に示すように下框11の気密材11aが下レール16aに対して長手方向に沿って当接しており、これによって気密性を確保している。下框11の気密材11aは、枠体1側の縦框12に設けられる気密材12bと連続状とされ、また召合わせ側については下中央気密ブロック16bと連続状となって、連続的な気密を確保する。内外の障子2間の縦辺における気密性は、室外側の障子2の室内面に設けられる気密材12cと、内外の障子2により構成される煙返し部12dにより、確保される。
【0053】
以上のような枠体1と障子2の間の気密ライン5は、図9及び図10において網掛けで示した領域で示されており、障子2のコーナー部分を含む内外の障子2の全周に渡るように形成されている。これにより、気密性の向上はもちろんのこと、水密性及び遮音性についても良好なサッシとすることができる。
【0054】
本実施形態では、換気装置10と縦框12の連結部分における気密材を、振れ止め部材80に設けた端部気密材82によって構成したが、振れ止め部材80とは別に気密材を有した部材を設けて、換気装置10と縦框12の連結部分における気密材を構成するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、スライド係合される室内部材22と室外部材23を、端部材60によりスライド不能に固定することとしたが、両者をスライド不能とするための手段はこれに限られず、例えば室内部材22と室外部材23をカシメにより固定することで、両者をスライド不能とすることもできる。
【0056】
さらに、本実施形態においては、端部材60は室内部材22を挟持し、室外部材23に対して弾性係合することとしたが、逆に室外部材23を挟持し、室内部材22に対して弾性係合するように構成してもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 枠体
2 障子
3 框体
4 パネル体
10 換気装置
11 下框
12 縦框
20 通風路
21 装置本体
22 室内部材
23 室外部材
24 フィルタ体
26 操作部
27 中空部
28 作動板
45 揺動部材
60 端部材
61 保持部
62 挿入部
63 弾性固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシの障子を構成する框に室内外に渡る通風路を形成してなる装置本体を備え、該装置本体は少なくとも室外側に配置される室外部材と、該室外部材に対してスライド係合されて室内側に配置される室内部材とからなる換気装置において、
前記室内部材と室外部材は係合された状態でスライド不能に固着され、前記室外部材には長手方向に沿って気密材が設けられ、前記室外部材の両端面が露出状とされると共に、前記室外部材の気密材は連結される框に設けられる気密材と連続状とされることを特徴とする換気装置。
【請求項2】
前記室外部材には隣接する框と連結するための連結部が長手方向に沿って形成され、該連結部も両端部が露出状とされて、連結される框の側面に当接自在とされたことを特徴とする請求項1記載の換気装置。
【請求項3】
前記連結部はビス孔からなり、該ビス孔を有する前記室外部材はアルミの押出型材からなり、連結される框のうち金属材からなる部分に、アルミの押出型材からなる前記室外部材の端面及びビス孔が突き合わされると共に、該ビス孔に対する螺合により連結がなされることを特徴とする請求項1または2記載の換気装置。
【請求項4】
前記室内部材と室外部材は端部に設けられる端部材によってスライド不能に固着されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項5】
枠体内に障子を納めてなるサッシにおいて、
前記障子は框体内にパネル体を納めてなり、前記框体のうち一辺を構成する框を請求項1〜4のいずれか1項に記載の換気装置とし、該換気装置を含む框体には前記枠体との間の気密性を確保する気密材が全周連続状となるように設けられることを特徴とするサッシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate