説明

搬送容器

【課題】複数のリールを収納することができ、容易に組立及び分解することができるリール用搬送容器を提供する。
【解決手段】リール用搬送容器1は、底板2及び天板3と、底板2及び天板3の間に挟持された筒状の側壁4とによって囲まれた空間に、リールRを複数積層して収納するものである。天板2及び底板3は、側壁4を挟持する面に、側壁4の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに側壁4の外方への移動を規制する規制部26を備える。側壁4は、複数の板状の壁部材が互いに周方向に所定の遊びを有して連結されて形成されている。複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、前記遊びにより側壁4の内周縁4aの大きさを変更可能であって、内周縁4aを最大に広げた際の内径DminがリールRの外径よりも大きく形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール用搬送容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リールは、例えば、コネクタ用の連続した端子部を巻き取って組立ラインに搬送する際に使用されたり、チップ状の電子部品が収納される複数の凹部を備えるとともに表面にカバーテープが貼着されたキャリアテープを巻き取る際に使用されたりするものである。リールは、一般的にプラスチック製又はダンボール製であって、円筒状の巻き芯となるカラーと、カラーの両側に鍔部となるディスクとを備え、両ディスクには中心孔が形成されている。この中心孔は、リールにキャリアテープを巻き取る又はリールからキャリアテープを引き出す際にリールを回転させるための回転軸を挿入するために用いられる。
【0003】
従来、リール用搬送容器として、複数のスリットが4つの角部に水平方向に形成された枠状の側面部を備え、複数個のリールを収納可能な段ボール製の箱体が知られている(例えば特許文献1参照)。このリール用搬送容器によれば、箱体内部に平置きかつ積層して収納されたリールの上面及び下面に位置するスリットを内側に折り曲げて突起部を形成し、この突起部によりリールを保持することができる。
【0004】
他にも、平面形状が正方形で上下に扁平であって、4面の横壁部が内部に空間を有する筒状の緩衝構造に形成され、リールを1個のみ収納可能な段ボール製の箱体が知られている(例えば特許文献2参照)。このリール用搬送容器は、箱体内部に平置きして収納されたリールを横壁部により保持することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のリール用搬送容器は、リールの外周縁と側面部との間に隙間がある場合には、リールが水平方向に移動して側面部に衝突し破損する恐れがある。また、リールの側面は段ボールの板厚で保護されるだけであるので、強度が低い。また、特許文献2記載のリール用搬送容器は、リールを1個しか収納できないため、複数のリールを搬送したい場合には複数個の箱体を組み立てる必要があり煩雑である。また、複数のリールを効率よく搬送するためには、複数のリール用搬送容器を収納可能な大型の搬送容器がさらに必要となる。さらに、この大型の搬送容器からリールを取り出すには、大型の搬送容器とリール用搬送容器との両方を開梱する必要があり煩雑である。また、特許文献1及び2記載のリール用搬送容器は、段ボール製のものであるので、梱包にガムテープ等を用いると、開梱時にガムテープにより段ボール表面が破損し、再利用できなくなる恐れがある。また、通常、段ボールは十分な強度を有していないので、複数回利用しようとしても数回で破損する恐れがある。したがって、複数のリールを確実に収納することができ、十分な強度を有し、簡単に組立、分解、梱包、開梱することができ、再利用することができるリール用搬送容器が望まれる。
【特許文献1】特開平8−91475号公報
【特許文献2】特開2005−22701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑み、複数のリールを収納することができ、容易に組立及び分解することができるリール用搬送容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のリール用搬送容器は、中心孔を有する円盤状のリールを複数積層して収納可能なリール用搬送容器であって、周縁が前記リールの外径より外方に突出する天板及び底板と、前記リールの周囲を囲み、前記天板と前記底板との間に挟持される筒状の側壁と、前記底板から直立するとともに前記リールの中心孔に挿通されるリール保持軸と、前記天板と前記底板とを結ぶ方向を軸方向としたときに、前記側壁を挟持した状態で前記天板と前記底板とを軸方向に締結する軸方向締結部材と、前記リールの外周に沿った方向を周方向としたときに、前記リールを収納した状態で前記側壁の外周縁を周方向に締結する周方向締結部材とを備え、前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に、前記リールが収納された前記側壁の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに該側壁の外方への移動を規制する規制部を備え、前記側壁は、軸方向に延設された複数の板状の壁部材が互いに周方向に所定の遊びを有して連結されて形成され、前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、前記遊びにより前記側壁の内周縁の大きさを変更可能であって、内周縁を最大に広げた際の内径が前記リールの外径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記軸方向締結部材により、前記側壁を挟持した状態で前記天板と前記底板とを軸方向に締結するとともに、前記周方向締結部材により、前記リールを収納した状態で前記側壁の外周縁を周方向に締結することにより形成される。これにより、本発明においては、前記天板と前記底板と前記筒状の側壁とによって囲まれた空間が形成され、この空間の内部に前記複数のリールを積層して収納することができる。また、本発明は、上述のようにして形成されたものであるので、容易に組み立てることができるとともに、前記軸方向締結部材及び前記周方向締結部材の締結を解除することにより容易に分解することができる。
【0009】
また、本発明は、前記リール保持軸が前記複数のリールの中心孔に挿通されているので、収納された前記リールが径方向に移動して前記側壁に衝突し破損することを防ぐことができる。
【0010】
また、本発明においては、前記天板及び前記底板は、周縁が前記リールの外径より外方に突出するものとなっている。これにより、リール用搬送容器が壁に衝突したり地面に落下したりした場合であっても、該天板及び該底板が衝撃を受けることとなり、収納された前記リールが直接衝撃を受けることを防ぐことができる。
【0011】
さらに、前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に、前記リールが収納された前記側壁の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに該側壁の外方への移動を規制する規制部を備える。前記規制部により、前記側壁が該規制部よりも外方へ移動することが規制されるので、前記空間が保持され、確実に前記リールを収納することができる。また、該側壁の外周縁を前記周方向締結部材により締結する際に、該側壁が外方に移動して倒れることが防がれ、円滑に作業することができる。
【0012】
また、前記側壁を構成する前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、前記遊びにより前記側壁の内周縁の大きさを変更可能であって、内周縁を最大に広げた際の内径が前記リールの外径よりも大きくなるように形成されている。このため、筒状に連結された前記側壁の外周縁を前記周方向締結部材にて締め付けることにより、収納される前記リールの外径に応じて、該側壁の内周縁の大きさを変更することができる。したがって、本発明のリール用搬送容器は、様々な大きさの該リールに対応することができる。
【0013】
また、本発明のリール用搬送容器においては、隣接する前記壁部材は、周方向に係合されるとともに、複数のうちの少なくとも一部が軸方向に抜き差し可能に形成されていることが好ましい。当該構成により、複数の前記壁部材を容易に連結させることができる上に、連結された複数の前記部材の連結を容易に解除することができるので、リール用搬送容器を容易に組立及び分解することができる。また、当該構成により、リール用搬送容器を使用しないときに、前記壁部材の一部を抜いて、該壁部材を任意の枚数の集合体にするとともに、該集合体を外周側から内周側へ向けて押圧して筒状から扁平状に変形させることにより、リール用搬送容器全体を狭い空間に保管することができる。
【0014】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記壁部材は扁平筒状に形成されていることが好ましい。当該構成により前記壁部材が肉厚方向に外壁面と内壁面との二重構造を有することとなるので、該壁部材の外壁面に何らかの衝撃が加えられた場合であっても、該二重構造により衝撃が弱められ、前記側壁内に収容された前記リールに伝わる衝撃を低減することができる。
【0015】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記壁部材は、両側縁に開口し軸方向に延びる溝であって前記開口が溝内部よりも狭まった形状の連結溝を備え、隣接する前記壁部材は、一対の対向する各該壁部材の連結溝に軸方向に挿通される軸方向視アレイ形状の連結部材によって連結され、前記連結部材は、周方向の両側縁に位置し、前記連結溝の溝内部に遊嵌されるとともに前記連結溝の開口よりも幅広に形成された一対の係止部と、前記一対の係止部の間に位置し、前記連結溝の開口よりも幅狭に形成された幅狭部とを備えるものとすることもできる。
【0016】
本発明によれば、当該構成により、前記壁部材の両側縁で前記連結部材との間に遊びができるので、前記複数の壁部材が筒状に連結されたときに前記側壁の内周縁の大きさを大きく変更することができる。また、当該構成により、前記隣接する壁部材の連結角度を大きく変更することができるので、収納される前記リールの外径に合わせて連結される前記壁部材の数を変更することにより、様々な大きさの前記リールに対応することができる。
【0017】
或いは、本発明のリール用搬送容器においては、前記壁部材は、一方の側縁に開口し軸方向に延びる溝であって前記開口が溝内部よりも狭まった形状の連結溝を備えるとともに、他方の側縁に周方向側方に突出する突状連結部を備え、前記突状連結部は、隣接する前記壁部材の前記連結溝の溝内部に遊嵌されるとともに前記連結溝の開口よりも幅広に形成された係止部と、前記係止部と該壁部材の側縁との間に位置し前記連結溝の開口よりも幅狭に形成された幅狭部とを備えるものとすることもできる。
【0018】
本発明によれば、上述の、前記軸方向視アレイ形状の連結部材を用いて隣接する前記壁部材を連結するものとは異なり、連結部材を必要としないので、単一部品で前記側壁を形成することができる。
【0019】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、内周縁を最小に縮めた際の内径が前記リールの外径よりも小さくなるように形成され、前記周方向締結部材は、前記側壁内に前記リールを収納した状態で前記側壁を締め付けることにより、前記側壁によって前記リールを挟持するものであることが好ましい。
【0020】
前記側壁内に前記リールを収納した状態で、前記周方向締結部材にて該側壁の外周縁を締め付けることにより、前記側壁で前記リールを挟持するように該側壁の内周縁の大きさを該リールの外径に合わせて縮径することができる。したがって、前記側壁により前記リールが挟持されるので、該リールが径方向に移動して該側壁に衝突し破損することを防ぐことができる。
【0021】
本発明のリール用搬送容器においては、前記規制部はどのような構成を有するものであってもよいが、以下の構成とすることも可能である。前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に該側壁の端部を受け入れる円環状の位置決め溝を備え、該位置決め溝は、該天板及び該底板の該側壁を挟持する面に対して立設する内周壁面及び外周壁面を有し、該内周壁面は、収納された前記リールの外周縁よりも径方向内方に位置し、該外周壁面は、前記リールが収納された前記側壁の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに、前記規制部であるものである。
【0022】
本発明によれば、該位置決め溝の外周壁面を前記規制部とすることにより、該規制部を前記天板及び前記底板の前記側壁を挟持する面に容易に形成することができる。
【0023】
ところで、前記リールが段ボール等の剛性が小さい材料からなる場合には、前記側壁により該リールを挟持すると、該リールのカラーが破損するおそれがある。この場合には、前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に該側壁の端部を受け入れる円環状の位置決め溝を備え、該位置決め溝は、該天板及び該底板の該側壁を挟持する面に対して立設するとともに、前記リールの外周縁よりも径方向外方に位置する内周壁面及び外周壁面を有し、前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、内周縁を最小に縮めた際の内径が前記位置決め溝の内径よりも小さくなるように形成され、前記周方向締結部材は、前記側壁内に前記リールを収納した状態で前記側壁を締め付けることにより、前記側壁によって前記位置決め溝の内周壁面を挟持するものであり、該外周壁面は、前記規制部であるものが好ましい。
【0024】
本発明によれば、前記位置決め溝が前記リールの外周縁よりも径方向外方に位置する内周壁面を有していることから、該位置決め溝の内径は該リールの外径よりも大きいものとなっている。これにより、間に前記側壁を挟持した状態で前記天板及び前記底板を前記軸方向締結部材にて締結する際に、前記側壁によって前記位置決め溝の内周壁面が挟持され、前記側壁内に収容される前記リールの外周縁と該側壁との間には隙間が形成される。したがって、前記側壁内に収容される前記リールが該側壁に衝突することにより破損することを防ぐことができる。
【0025】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記底板の底面に少なくとも4個のキャスタが設けられ、各前記キャスタは金属製の補強枠を介して前記底板の底面に取り付けられていることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、荷重が前記補強枠を介して前記キャスタに分散されるので、前記底板に負担がかかって変形することを防ぐことができる。また、少なくとも4個の前記キャスタが設けられているので、リール用搬送容器を地上で転動させて容易に搬送することができる。
【0027】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記壁部材を任意の枚数の集合体に連結する連結補助部材を備えることが好ましい。
【0028】
本発明によれば、前記連結補助部材により前記壁部材は任意の枚数の集合体に連結されるので、リール用搬送容器の組立及び分解作業を効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明のリール用搬送容器においては、前記リールと前記天板との間に挟持されるバルーン部材を備えることが好ましい。
【0030】
本発明によれば、前記バルーン部材により、前記リールの垂直方向の移動を妨げ、前記リールが前記天板に衝突し破損することを防ぐことができる。また、前記バルーン部材は内部に導入される空気の量を変えることにより大きさを変更可能であるので、収納される前記リールの様々な高さ及び個数に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
【0032】
図1に示す本実施形態のリール用搬送容器1は、底板2と、天板3と、底板2及び天板3の間に挟持される筒状の側壁4とによって囲まれた空間の内部に、中心孔Raを有する円盤状のプラスチック製のリールRを複数積層して収納するものである(図2参照)。リール用搬送容器1は、底板2と天板3とを結ぶ方向を軸方向とし、リールRの外周に沿った方向を周方向としたときに、間に側壁4を挟持した状態で底板2と天板3とを軸方向に締結する軸方向締結ベルト5a,5bと、リールRを収納した状態で側壁4の外周縁を周方向に締結する周方向締結ベルト6a,6bと、底板2から直立し、リールRの中心孔Raに挿通されるリール保持軸7(図2参照)と、最上段のリールRと天板3との間に挟持されるバルーン部材8(図2参照)とを備える。
【0033】
図3に示す底板2は、同一形状の一組のベース部材21a,21bの各裏面を向かい合わせにして重ねて、中心部及び外周縁部に配設された複数のボルト(図示せず)により厚さ方向に締結したものである。底板2は、両ベース部材21a,21bの間に挟持されたステンレス製パイプからなる補強枠22と、下側のベース部材21aの下面に補強枠22を介して取り付けられた4個のキャスタ23(2個のブレーキ付キャスタ23a及び2個のブレーキなしキャスタ23b)とを備える。
【0034】
図4に示す底板2を構成する各ベース部材21は、リールRの直径よりも大きな直径を有するポリプロピレン製の円盤である。ベース部材21は、中心部を厚さ方向に貫通し、リール保持軸7を取付け可能なリール保持軸取付け孔24を備えるとともに、外周縁に近い部分を厚さ方向に貫通し、各キャスタ23を取り付け可能な4個1組のキャスタ取付け孔25を4組備える。
【0035】
さらに、ベース部材21は、表面に側壁4の端部を受け入れ可能な円環状の位置決め溝26を備えている(図4(a)参照)。位置決め溝26は、ベース部材21の表面に対して立設する内周壁面26a及び外周壁面26bを有している。内周壁面26aは、収納されるリールRの外周縁よりも径方向内方に位置するように形成され、外周壁面26bは、リールRが収納された側壁4の外周縁よりも径方向外方に位置するように形成されている(図2参照)。また、ベース部材21は、裏面全体に格子状のリブ27が形成されていて、裏面に補強枠22を受け入れ可能な補強枠受入れ溝28を備えている(図4(b)参照)。
【0036】
図2に示す天板3は、同一形状の一組のベース部材21c,21dの各裏面を向かい合わせにして重ねて、ボルト(図示せず)により厚さ方向に締結したものである。天板3は、補強枠22及びキャスタ23とを備えていない点を除き、底板2と同一の構成を有している。
【0037】
図5(a)に示す側壁4は、複数の板状の壁部材41を軸方向に延設し、連結部材42を介して互いに所定の遊びを有して周方向に連結する(図5(b)参照)ことにより、筒状に形成したものである。壁部材41及び連結部材42は、ポリプロピレン樹脂を押出成形することにより扁平筒状に形成され、肉厚方向に外壁面と内壁面との二重構造となっている。壁部材41及び連結部材42は、本実施形態ではそれぞれ25枚が使用されている。
【0038】
図6(a)に示す壁部材41は、両側縁41aに開口し軸方向に延びた連結溝43を備えるとともに、内部に前記扁平筒状の外壁面と内壁面とを連結するリブ41bを備える。連結溝43は、開口43aが溝内部43bよりも狭まった形状となっている。
【0039】
図6(b)に示す連結部材42は、隣接する壁部材41,41の一対の対向する連結溝43,43に軸方向に挿通されることにより、隣接する壁部材41,41を周方向に所定の遊びを有して係合させて連結させるものである。連結部材42及び壁部材41は、互いに軸方向に抜き差し可能に形成されている。連結部材42は、軸方向視アレイ形状となっていて、具体的には、周方向の両側縁42aに位置する一対の係止部44と、一対の係止部44の間に位置する幅狭部45とを備えるとともに、内部に前記扁平筒状の外壁面と内壁面とを連結するリブ42bを備える。一対の係止部44は、壁部材41の連結溝43の溝内部43bに遊嵌されるとともに連結溝43の開口43aよりも幅広に形成されている。幅狭部45は、連結溝43の開口43aよりも幅狭に形成されている。
【0040】
また、図7に示す複数の壁部材41は、連結部材42を介して筒状に連結されたときに、遊びによって側壁4の内周縁4aの大きさを変更可能に形成されている。具体的には、複数の壁部材41は、側壁4の内周縁4aを最小に縮めた際の内径DminがリールRの外径よりも小さくなり(図7(a)参照)、側壁4の内周縁4aを最大に広げた際の内径DmaxがリールRの外径よりも大きくなるように形成されている(図7(b)参照)。
【0041】
図1に示す軸方向締結ベルト5は、合成樹脂繊維から成るベルトであって、一端部にラチェット金具51を有していて、軸方向締結ベルト5を強固に締め付けることができるようになっている。また、周方向締結ベルト6は、同じく合成樹脂繊維から成るベルトであって、一端部に一対のD環52が取り付けられている。
【0042】
図2に示すリール保持軸7は、ステンレス製の円筒であって、先端部に丸みを帯びたキャップ71が装着されたものである。リール保持軸7は、底板2のベース部材21a,21bのリール保持軸取付け孔24に取り付けられたボス72を介して、底板2から直立させられる。また、リール保持軸7は、底板2から直立した際に、先端が天板3のベース部材21c,21dのリール保持軸取付け孔24に収容される長さに形成されている。
【0043】
図2に示すバルーン部材8は、ドーナツ形状を有していて、内部に導入される空気の量により大きさを変形自在となっている。
【0044】
次に、図8を参照して、リール用搬送容器1の使用状態について説明する。まず、底板2の上面に、複数のリールRを積層する。このとき、リールRの中心孔Raの位置と底板2のリール保持軸取付け孔24の位置とが合うように積層する。
【0045】
次に、リール保持軸7をリールRの中心孔Raに挿入し、リールRの中心孔Raの位置を合わせる。このとき、リール保持軸7の端部でリールRを傷つけないように、キャップ71が装着された側からリール保持軸7を挿入するとよい。次に、リール保持軸7をリールRの中心孔Raに挿入し、端部を底板2のリール保持軸取付け孔24のボス72に装着する。
【0046】
次に、側壁4の下端部を底板2の上面の位置決め溝26に載置し、側壁4の外周縁を底板2の位置決め溝26の外周壁面26bに当接させた状態で、側壁4を底板2上に立設させる(図2の二点鎖線の位置)。側壁7は、壁部材41を1枚ずつ立設させ、連結部材42を介して隣接する壁部材41を連結させるようにしてもよいし、予め5枚ずつ連結しておいた5組の壁部材41を立設させてもよいし、予め25枚の壁部材41を筒状に連結しておいたものを立設させるようにしてもよい。このとき、立設された側壁4は、壁部材41,41の間に形成された遊びにより、側壁4の内周縁4aとリールRの外周縁との間に隙間を有する状態となっている。
【0047】
次に、周方向締結ベルト6a,6bを底板2に対して平行となるように側壁4の外周縁に掛け回し、端部をD環52に通して締め付ける。周方向締結ベルト6による締め付けにより、側壁4が径方向内方に移動し、側壁4の内周縁4aの大きさがリールRを挟持可能な大きさになる(図2の実線の位置)。
【0048】
次に、最上段のリールRにリール保持軸7を挿通させた状態でバルーン部材8を載置する。そして、バルーン部材8の内部に空気を導入し、バルーン部材8の上端部が側壁7の上端部から突出する程度の大きさにバルーン部材8を膨らませる。
【0049】
次に、側壁4の上端部に天板3を載置する。このとき、リール保持軸7の先端部を天板3のリール保持軸取付け孔24に収容する。
【0050】
次に、軸方向締結ベルト5a,5bを底板2及び天板3に対して垂直となるように底板2及び天板3に掛け回し、ラチェット金具51により強固に締め付ける。軸方向締結ベルト5の締め付けにより、底板2及び天板3の間に側壁4が挟持されるとともに、最上段のリールR及び天板3の間にバルーン部材8が挟持される。以上により、本実施形態のリール用搬送容器1は、底板2と天板3と側壁4とによって囲まれた空間の内部に複数のリールRを積層して収納することができる。
【0051】
また、リール用搬送容器1は、上述のように、軸方向締結ベルト5により、側壁4を挟持した状態で天板3と底板2とを軸方向に締結するとともに、周方向締結ベルト6により、リールRを収納した状態で側壁4の外周縁を周方向に締結することにより形成されたものであるので、容易に組み立てることができるとともに、軸方向締結ベルト5及び周方向締結ベルト6の締結を解除することにより容易に分解することができる。
【0052】
また、リール用搬送容器1においては、リール保持軸7が収納されたリールRの中心孔Raに挿通されているので、リールRが径方向に移動して側壁4に衝突し破損することを防ぐことができる。
【0053】
また、底板2及び天板3は、周縁がリールRの外径より外方に突出したものであるので、リール用搬送容器1が壁に衝突したり地面に落下したりした場合であっても、底板2及び天板3が衝撃を受けることとなり、収納されたリールRが直接衝撃を受けることを防ぐことができる。また、底板2及び天板3は、ベース部材21を2枚重ねたものである上に中空構造となっているので、外部からの衝撃に強いものとなっている。
【0054】
また、底板2及び天板3は、同一形状のベース部材21を2枚重ねたものであり、単一の金型で成形可能であるので、コスト削減を図ることができる。
【0055】
また、底板2及び天板3は位置決め溝26を備え、位置決め溝26の外周壁面26bは底板2及び天板3に対して立設するように形成されている。この外周壁面26bにより側壁4の外方への移動が規制されるので、前記空間が保持され、確実にリールRを収納することができる。また、側壁4を底板2上に立設させたり、側壁4の外周縁を周方向締結ベルト6により締結したりする際に、側壁4が外方に移動して倒れることが防がれ、円滑に作業することができる。
【0056】
また、側壁4を構成する複数の壁部材41は、筒状に連結されたときに、側壁4の内周縁4aを最小に縮めた際の内径DminがリールRの外径よりも小さく、大きくなる内周縁4aを最大に広げた際の内径DmaxがリールRの外径よりも大きくなるように形成されている。このため、側壁4の外周縁を周方向締結ベルト6にて締め付けることにより、収納されるリールRの外径に応じて、側壁4の内周縁4aの大きさを変更することができるとともに、側壁4によりリールRを挟持することができる。したがって、リール用搬送容器1は、本実施形態で収容されたリールRとは外径の異なるリールRにも対応することができるとともに、リールRが径方向に移動して側壁4に衝突し破損することを防ぐことができる。
【0057】
また、壁部材41及び連結部材42は軸方向に互いに抜き差し可能に形成されているので、隣接する壁部材41,41を容易に連結することができる上に、連結された壁部材41,41の連結を容易に解除することができるので、リール用搬送容器1を容易に組立及び分解することができる。また、当該構成により、リール用搬送容器1を使用しないときに、壁部材41,41から連結部材42を抜いて、壁部材41を任意の枚数の集合体にするとともに、該集合体を外周側から内周側へ向けて押圧して筒状から扁平状に変形させることにより、リール用搬送容器1全体を狭い空間に保管することができる。
【0058】
さらに、壁部材41及び連結部材42は、扁平筒状に形成され、肉厚方向に外壁面と内壁面との二重構造を有している。このため、壁部材41及び連結部材42の外壁面に何らかの衝撃が加えられた場合、例えばフォークリフトのフォークが衝突して壁部材41及び連結部材42の外壁面が破損した場合であっても、該二重構造により衝撃が弱められるので、壁部材41及び連結部材42の内壁面や側壁4内に収容されたリールRに伝わる衝撃を低減し、壁部材41及び連結部材42の内壁面やリールRの破損を防ぐことができる。また、壁部材41及び連結部材42は、内部に前記扁平筒状の外壁面と内壁面とを連結するリブ41b,42bを備えるので、大きな衝撃に耐えられる構造となっている。
【0059】
また、壁部材41及び連結部材42は、押出成形により形成されたものであるので、切断箇所を変更することにより長さを容易に変更することができる。したがって、収納されるリールRの高さ及び個数に対応する長さのものを容易に形成することができる。
【0060】
また、壁部材41が両側縁41aに連結溝43を備え、連結部材42が連結溝43の溝内部43bに遊嵌されるように形成されているので、壁部材41の両側縁41で連結部材42との間に遊びができ、複数の壁部材41が筒状に連結されたときに側壁4の内周縁4aの大きさを大きく変更することができる。また、隣接する壁部材41,41の連結角度を大きく変更することができるので、収納されるリールRの外径に合わせて連結される壁部材41の数を変更することにより、様々な大きさのリールRに対応することができる。
【0061】
また、キャスタ23は金属製の補強枠22を介して底板2の下面に取り付けられているので、荷重が補強枠22を介してキャスタ23に分散され、底板22に負担がかかって変形することを防ぐことができる。また、キャスタ23によりリール用搬送容器1を地上で転動させて容易に搬送することができる。
【0062】
また、本実施形態のリール用搬送容器1において、連結部材42の幅狭部45を可撓性を有し折り曲げ可能な部材により形成してもよい。当該構成により、壁部材41を使用しないときに、円筒状の壁部材41を可撓性を有する連結部42の位置で折り曲げ、全体として扁平状に折り畳むことができる。このため、連結部材42を抜き差しすることなく、壁部材41を折り畳むことが可能となる。
【0063】
ところで、リール用搬送容器1は壁部材41及び連結部材42が軸方向に互いに抜き差し可能に形成されているので、5枚が連結された壁部材41を底板2上に立設させようとする際に、壁部材41又は連結部材42が軸方向に移動し抜け落ちてしまうことがある。そこで、リール用搬送容器1は図9(a)に示すような連結補助部材46を備えるようにしてもよい。
【0064】
連結補助部材46は、連結部材42に形成された係合突起部46aと、壁部材41に形成された突起部受け入れ孔46bとで構成される。係合突起部46aは、連結部材42の係止部44の最突出部の上端部に形成され、水平方向に突出するものである。また、突起部受け入れ孔46bは、壁部材41の連結溝43の溝の最奥部の上端部に形成され、厚さ方向に貫通するものである。係合突起部46aは、連結部材42の係止部44が壁部材41の連結溝43の溝内部43bに遊嵌された際に、連結溝43の突起部受け入れ孔46bに係合可能な長さ及び外径に形成されている。この連結補助部材46を用いることにより、壁部材41又は連結部材42が軸方向に抜け落ちることを防ぐことができるとともに、壁部材41を任意の枚数の集合体に連結し、リール用搬送容器1の組立及び分解作業を効率よく行うことができる。
【0065】
連結補助部材46は、図9(a)に示すものに代えて、次のようなものであってもよい。例えば、壁部材41及び連結部材42の端部に切り欠き部を形成し、両端部に係止部材を有するワイヤを該切り欠き部に掛着させてもよい。或いは、壁部材41及び連結部材42の端部に貫通孔を形成し、リベットの軸部を該貫通孔に挿入し、壁部材41及び連結部材42の間に遊びを有した状態でリベットの両端部を押し潰してもよい。
【0066】
また、リール用搬送容器1において、壁部材41と連結部材42とにより側壁4を構成するようにしたが、図9(b)に示す壁部材81により側壁4を構成するようにしてもよい。
【0067】
壁部材81は、一方の側縁81aに開口し軸方向に延びる溝であって開口82aが溝内部82bよりも狭まった形状の連結溝82を備えるとともに、他方の側縁81bに周方向側方に突出する突状連結部83を備えるものである。突状連結部83は、隣接する壁部材81の連結溝82の溝内部82bに遊嵌されるとともに連結溝82の開口82aよりも幅広に形成された係止部84と、係止部84と壁部材81の側縁との間に位置し連結溝82の開口よりも幅狭に形成された幅狭部85とを備える。壁部材81は、壁部材41と異なり連結部材42を必要としないので、単一部品で側壁4を形成することができる。
【0068】
ところで、段ボール等の剛性が小さい材料からなるリールRをリール用搬送容器1に収納する場合には、側壁4によりリールRを挟持すると、リールRのカラーが破損する場合がある。この場合には、位置決め溝26の内周壁面26aよりも小径なリールRを用いて、図10に示すようにリールRを収納するとよい。
【0069】
側壁4を底板2上に立設させた状態で、側壁4の外周縁に掛け回した周方向締結ベルト6にて、側壁4の内周面が位置決め溝26の内周壁面26bに当接する位置まで締め付ける(図10の実線の位置)。これにより、側壁4により位置決め溝26の内周壁面26aが挟持され、側壁4内に収容されたリールRの外周縁と側壁4との間には隙間が形成される。したがって、側壁4内に収容されたリールRが側壁4に衝突することにより破損することを防ぐことができる。
【0070】
さらに、このとき、リールRの中心孔Raを小さく形成して、中心孔Raの内周面とリール保持軸7の外周面との間の距離よりも、側壁4内に収容されたリールRの外周縁と側壁4との間の距離の方が大きくなるようにすることにより、側壁4内に収容されたリールRが側壁4に衝突することを確実に防ぐことができる。
【0071】
また、本実施形態のリール用搬送容器1は、全体がポリプロピレン製であり、段ボール箱のように使用中に紙屑が発生することがないので、クリーンルームに持ち込むことが可能であり、例えばリールRにキャリアテープを巻き付ける工程で使用することができる。リールRにキャリアテープを巻き付ける装置の横に、底板2にリール保持軸7を立設させただけの状態のリール用搬送容器1を2台置き、1台目のリール用搬送容器1からキャリアテープが巻き付けられる前のリールRを該装置に供給する一方、該装置からキャリアテープが巻き付けられたリールRを払い出し、2台目のリール用搬送容器1に積層する。リールRの積層が完了したら2台目のリール用搬送容器1を次の工程へ移動し、1台目のリール搬送容器1を2台目のリール用搬送容器が置かれていた場所へ移動する。このとき、リール保持軸7を把持することによりリール用搬送容器1を容易に運搬することができる。このように、リール用搬送容器1を工程間輸送にも使用することができるので、従来技術の段ボール製のリール用搬送容器と比較して、大変便利である。
【0072】
なお、本実施形態では、底板2及び天板3を同一形状のベース部材21を2枚重ねたものとしているが、少なくとも片面に位置決め溝を備える円盤状の単一部品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態のリール用搬送容器の全体を示す斜視図。
【図2】図1示のリール用搬送容器の側面断面図。
【図3】底板の構成を示す組立図。
【図4】天板及び底板を構成するベース部材を示す説明図。
【図5】側壁を構成する壁部材及び連結部材を示す説明図。
【図6】壁部材及び連結部材の平面図。
【図7】側壁の拡径状態及び縮径状態を示す説明図。
【図8】全体の組立図。
【図9】側壁を構成する壁部材の変形例を示す説明図。
【図10】小径のリールが収容された図1のリール用搬送容器の側面断面図。
【符号の説明】
【0074】
1…リール用搬送容器、 2…底板、 3…天板、 4…側壁、 4a…側壁の内周縁、 5…軸方向締結部材、 6…周方向締結部材、 7…リール保持軸、 8…バルーン部材、 22…補強枠、 23…キャスタ、 26…位置決め溝、26a…位置決め溝の内周縁、 26b…規制部、位置決め溝の外周縁、 41…壁部材、 41a…壁部材の両側縁、 42…連結部材、 42a…連結部材の両側縁、 43…壁部材の連結溝、 43a…連結溝の開口、 43b…連結溝の溝内部、 44…連結部材の係止部、 45…連結部材の幅狭部、 46…連結補助部材、 81…壁部材、 81a…壁部材の一方の側縁、 81b…壁部材の他方の側縁、 82…壁部材の連結溝、 83…壁部材の突状連結部、 84…突状連結部の係止部、 85…突状連結部の幅狭部、 Dmax…側壁の内周縁を最大に広げた際の内径、 Dmin…側壁の内周縁を最小に縮めた際の内径、 R…リール、 Ra…リールの中心孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心孔を有する円盤状のリールを複数積層して収納可能なリール用搬送容器であって、
周縁が前記リールの外径より外方に突出する天板及び底板と、
前記リールの周囲を囲み、前記天板と前記底板との間に挟持される筒状の側壁と、
前記底板から直立するとともに前記リールの中心孔に挿通されるリール保持軸と、
前記天板と前記底板とを結ぶ方向を軸方向としたときに、前記側壁を挟持した状態で前記天板と前記底板とを軸方向に締結する軸方向締結部材と、
前記リールの外周に沿った方向を周方向としたときに、前記リールを収納した状態で前記側壁の外周縁を周方向に締結する周方向締結部材とを備え、
前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に、前記リールが収納された前記側壁の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに該側壁の外方への移動を規制する規制部を備え、
前記側壁は、軸方向に延設された複数の板状の壁部材が互いに周方向に所定の遊びを有して連結されて形成され、
前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、前記遊びにより前記側壁の内周縁の大きさを変更可能であって、内周縁を最大に広げた際の内径が前記リールの外径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項2】
請求項1に記載のリール用搬送容器において、
隣接する前記壁部材は、周方向に係合されるとともに、複数のうちの少なくとも一部が軸方向に抜き差し可能に形成されていることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のリール用搬送容器において、
前記壁部材は、扁平筒状に形成されていることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記壁部材は、両側縁に開口し軸方向に延びる溝であって前記開口が溝内部よりも狭まった形状の連結溝を備え、
隣接する前記壁部材は、一対の対向する各該壁部材の連結溝に軸方向に挿通される軸方向視アレイ形状の連結部材によって連結され、
前記連結部材は、周方向の両側縁に位置し、前記連結溝の溝内部に遊嵌されるとともに前記連結溝の開口よりも幅広に形成された一対の係止部と、前記一対の係止部の間に位置し、前記連結溝の開口よりも幅狭に形成された幅狭部とを備えることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記壁部材は、一方の側縁に開口し軸方向に延びる溝であって前記開口が溝内部よりも狭まった形状の連結溝を備えるとともに、他方の側縁に周方向側方に突出する突状連結部を備え、
前記突状連結部は、隣接する前記壁部材の前記連結溝の溝内部に遊嵌されるとともに前記連結溝の開口よりも幅広に形成された係止部と、前記係止部と該壁部材の側縁との間に位置し前記連結溝の開口よりも幅狭に形成された幅狭部とを備えることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、内周縁を最小に縮めた際の内径が前記リールの外径よりも小さくなるように形成され、
前記周方向締結部材は、前記側壁内に前記リールを収納した状態で前記側壁を締め付けることにより、前記側壁によって前記リールを挟持するものであることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に該側壁の端部を受け入れる円環状の位置決め溝を備え、
該位置決め溝は、該天板及び該底板の該側壁を挟持する面に対して立設する内周壁面及び外周壁面を有し、
該内周壁面は、収納された前記リールの外周縁よりも径方向内方に位置し、
該外周壁面は、前記リールが収納された前記側壁の外周縁よりも径方向外方に位置するとともに、前記規制部であることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記天板及び前記底板は、前記側壁を挟持する面に該側壁の端部を受け入れる円環状の位置決め溝を備え、
該位置決め溝は、該天板及び該底板の該側壁を挟持する面に対して立設するとともに、前記リールの外周縁よりも径方向外方に位置する内周壁面及び外周壁面を有し、
前記複数の壁部材は、筒状に連結されたときに、内周縁を最小に縮めた際の内径が前記位置決め溝の内径よりも小さくなるように形成され、
前記周方向締結部材は、前記側壁内に前記リールを収納した状態で前記側壁を締め付けることにより、前記側壁によって前記位置決め溝の内周壁面を挟持するものであり、
該外周壁面は、前記規制部であることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記底板の底面に少なくとも4個のキャスタが設けられ、各前記キャスタは金属製の補強枠を介して前記底板の底面に取り付けられていることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記壁部材を任意の枚数の集合体に連結する連結補助部材を備えることを特徴とするリール用搬送容器。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のうちのいずれか1項に記載のリール用搬送容器において、
前記リールと前記天板との間に挟持されるバルーン部材を備えることを特徴とするリール用搬送容器。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−96479(P2009−96479A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267454(P2007−267454)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【特許番号】特許第4237240号(P4237240)
【特許公報発行日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(507124841)株式会社竹内技術研究所 (2)
【Fターム(参考)】