説明

搬送機構、搬送装置及び電子機器

【課題】搬送トレイが記録又は再生位置まで搬送体を引き込むとともに、装置本体の厚さを増大させない搬送機構を提供する。
【解決手段】載置面部12と、搬送体を保持する保持手段22とを有し、載置面部12を略水平にして装置本体2外へ臨ませる挿脱位置と、載置面部12を略垂直にして置本体2内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動される搬送トレイ3と、装置本体2内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、記録又は再生位置に回動された搬送体を支持部材52と共に挟持するクランプ部材5と、搬送トレイ3を回動させる駆動機構6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送トレイを用いて搬送体を装置本体内外に亘って搬送する搬送機構に関し、特に、搬送トレイを第1の方向に向けることにより搬送体の着脱を行い、第1の方向と略直交する方向に向けることにより搬送体を装置本体内に収納する搬送機構及びこの搬送機構を用いた搬送装置、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが筐体内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、さらに筐体の側面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットインタイプ等がある。
【0004】
ここで、ディスクトレイに光ディスクを載置した状態でディスクトレイを水平方向に引き込むディスクドライブ装置は、ディスクトレイが水平方向に向かってスライドされることにより、光ディスクが挿脱される挿脱位置と光ディスクに対して情報信号の記録又は再生が行われる記録又は再生位置とに亘って搬送されるため、装置本体もディスクトレイのスライド方向に少なくとも光ディスクの径以上の長さを備える必要がある。したがって、ディスクトレイのスライド方向が装置本体の奥行き方向となるディスクドライブ装置や電子機器においては、装置本体あるいは機器本体の奥行きが光ディスクの径よりも大きくならざるを得なかった。従って、薄型化が図られたモニタ装置等にディスドライブ装置を組み込む場合にも、モニタ装置全体の厚みが、一般的な光ディスクの径である直径約12cm以下とすることができなくなる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−85861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、搬送トレイに搬送体を載置した後は、搬送トレイが記録又は再生位置まで搬送体を引き込むとともに、装置本体の厚さを増大させない搬送機構、この搬送機構が組み込まれた搬送装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる搬送機構は、記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、上記トレイを移動させる移動機構とを備えるものである。
【0008】
また、本発明にかかる搬送装置は、装置本体と、記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、上記トレイを移動させる移動機構とを備えるものである。
【0009】
また、本発明にかかる電子機器は、装置本体と、記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、上記トレイを移動させる移動機構とを備え、上記装置本体が組み込まれると共に、上記トレイの挿脱口が設けられたものである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、本発明にかかる搬送機構は、搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備えるものである。
【0011】
また、本発明にかかる搬送装置は、装置本体と、搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備えるものである。
【0012】
また、本発明にかかる電子機器は、装置本体と、搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備え、上記装置本体が組み込まれると共に、上記搬送トレイの挿脱口が設けられたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る搬送機構、搬送装置及び電子機器によれば、搬送トレイを載置面部が第1の方向を向く挿脱位置と、第1の方向と略直交する第2の方向を向く収納位置とに亘って回動されることから、挿脱位置における載置面の面方向と収納位置における載置面の面方向とを略90°異ならせることができる。したがって装置本体の厚さが挿脱位置における搬送トレイの載置面の面方向に厚くする必要がなく、装置全体の薄型化を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係る搬送機構、搬送装置及び電子機器によれば、ディスクトレイに保持部材を設けるとともに、記録又は再生位置でディスクを挟持するように構成することにより、ディスクを載置面部に置くだけで装着でき、また載置面部からそのまま取り出すことができて着脱が容易となる。さらに、記録又は再生時には、ディスクトレイを載置面部を略垂直にして装置本体内に収納されるように構成することにより、トレイ挿脱口を装置本体の前面に設けるとともに装置本体の厚みをディスクの径以下に設計することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる搬送機構、搬送装置及び電子機器について、ディスクドライブ装置及びこのディスクドライブ装置が組み込まれたテレビジョン装置に適用した場合を例に、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
このディスクドライブ装置1は、図1に示すように、直方体の外筐体2を有し、この外筐体2内に、ディスクトレイ3と、ディスクトレイ3によって外筐体2内に搬送された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップユニット4と、光ピックアップユニット4のターンテーブル52とともに光ディスクを挟持するクランパ5と、ディスクトレイ3及び光ピックアップユニット4とを移動させる駆動機構6とが設けられている。
【0017】
かかるディスクドライブ装置1は、ディスクトレイ3が図1中矢印A方向及び反矢印A方向へ回動可能に支持されており、外筐体2の正面下部に設けられているトレイ挿脱口10より外筐体2の外方まで回動され、また図2に示すように、ディスクトレイ3が外筐体2内に引き込むように操作される。そしてディスクドライブ装置1は、図3(a)に示すように、例えばテレビジョン装置8の一部に組み込まれ、装置本体の正面8aからディスクトレイ3が載置面部12を略水平にして外部に臨まされ、光ディスクが載置されるとディスクトレイ3を載置面部12を略垂直にしてテレビジョン装置8内に引き込まれる。すなわち、ディスクドライブ装置1は、ディスクの挿脱位置におけるディスクトレイ3の面方向とディスクの記録又は再生位置におけるディスクトレイ3の面方向とが略90°異なり、挿脱位置に置けるディスクトレイ3の面方向に厚みを設ける必要がなくなる。従って、ディスクドライブ装置1が組み込まれたテレビジョン装置8は、光ディスクを略垂直にした状態で光ピックアップユニット4に装着されるため、光ディスクの直径よりも厚さを薄くすることができる。また、正面8a側からディスクトレイ3が回動されるため、左右両側面にスピーカ等の周辺機器を密接に配置することができ、また上面に塵埃等が侵入する開口部等もない。
【0018】
かかるディスクドライブ装置1の外筐体2は、図1に示すように全体を略矩形箱状に形成され、正面2aにディスクトレイ3が挿脱されるトレイ挿脱口10が形成されている。トレイ挿脱口10は、ディスクトレイ3の載置面部12が外筐体2の内外に亘って回動するのに十分な大きさを有する。また外筐体2は、左右両側面2b,2cに後述する駆動軸90や駆動機構6を構成する駆動モータ68等が取り付けられている。
【0019】
ディスクトレイ3は、図4に示すように、全体を矩形平板状に形成され、平面部に光ディスクが載置される載置面部12と、後述するクランパ5が摺動する土手部13とが形成され、また両側面部に回動アーム14が取り付けられる第1の回動支持部15が形成され、さらに背面部は回動支持片16が取り付けられる第2の回動支持部17が形成されている。
【0020】
載置面部12は、光ディスクが載置される場所であり、平面部の中央から前方にかけて円形の凹部が形成されてなる。載置面部12は、大径(例えば、直径約12cm)の光ディスクに応じた大径凹部12aが形成され、また大径凹部12a内に小径(例えば、直径約8cm)の光ディスクに応じた小径凹部12bが同心円状に形成されている。小径凹部12bは、大径凹部12aよりもさらに一段低い位置に形成されている。そして、載置面部12は、中心部から左側面側にかけて光ピックアップユニット4のピックアップベース51を光ディスクの信号記録面に臨ませるピックアップ用開口部21が形成されている。
【0021】
また載置面部12には、後述する保持部材22の保持アーム23を載置面部12上に回動させるガイド溝30と、保持アーム23を載置面部12上から退避させる退避凹部31が形成されている。
【0022】
かかるディスクトレイ3は、後述する駆動機構6に駆動されることにより、外筐体2のトレイ挿脱口10より外部へ排出され、載置面部12を略水平とした挿脱位置(図1)と、外筐体2内に収納され、載置面部12を略垂直とした記録又は再生位置(図2)とに亘って回動される。そして、ディスクトレイ3は、挿脱位置においてユーザによって光ディスクが載置面部12に載置あるいは取り除かれ、また記録又は再生位置において光ディスクが光ピックアップユニット4とクランパ5とによって回転可能にチャッキングされる。
【0023】
また、載置面部12は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動されることにより載置面部12を略垂直状態とした際に、光ディスクを保持し脱落を防止する保持部材22が設けられている。保持部材22は、光ディスクの外周面を支持することにより保持するものであり、大径ディスクと小径ディスクの径の違いに応じて大径凹部12a内を回動する保持アーム23と、ディスクトレイ3の裏面部で回転されることにより保持アーム23を回動させるローター24と、ローター24を回転駆動する駆動モータ25とを備える。
【0024】
保持アーム23は、図5及び図6に示すように、略円弧状の平板部材からなり、一端に光ディスクの外周面を支持する支持部27が形成され、他端にディスクトレイ3の裏面部に回動自在に取り付けられる支点部28が形成され、中間にローター24にガイドされるガイド凸部29が形成されている。この保持アーム23は、支点部28がディスクトレイ3の裏面に回動可能に取り付けられることにより、支持部27が大径凹部12a内に形成されたガイド溝30及び退避凹部31より載置面部12上に突出され、大径凹部12a上をガイド溝30に沿って移動可能とされている。また保持アーム23は、図示しないコイルバネによって支持部27が光ディスクの外周部を支持する載置面部12の中心方向へ回動付勢されている。そして、保持アーム23は、ガイド凸部29がローター24によってガイドされることにより、載置面部12に載置された光ディスクの大きさに応じて回動が規制され、光ディスクの搬送時には外周面を支持し、また光ディスクの記録再生時やディスクトレイ3からの挿脱時には外周面より離間される。
【0025】
保持アーム23をガイドするローター24は、円盤状に形成されディスクトレイ3の裏面に回転自在に取り付けられている。このローター24は、主面部24aに保持アーム23のガイド凸部29が挿通される回動規制溝33と、ディスクトレイ3のピックアップ用開口部21に対応したピックアップ用開口部34が設けられている。またローター24は、図6に示すように、外周面24bの一部にラック35が形成され、駆動ギヤ列36を介して駆動モータ25と連結されている。
【0026】
回動規制溝33は、ローター24の回動に応じてガイド凸部29をガイドし保持アーム23を回動させるものであり、保持アーム23を退避凹部31に退避させる退避溝部33aと、保持アーム23を大径ディスクの外周面に支持させる第1の支持溝部33bと、保持アーム23を小径ディスクの外周面に支持させる第2の支持溝部33cとを有する。
【0027】
退避溝部33aは、ローター24の外周面24b近傍に形成され、ガイド凸部29がガイドされることにより、支持部27がガイド溝30から退避凹部31へ退避するように保持アーム23を回動させる。第1の支持溝部33bは、退避溝部33aから若干内側にローター24の外周面24bに沿って形成され、ガイド凸部29がガイドされることにより、支持部27が大径ディスクの外周面に当接されるように保持アーム23を回動させる。第2の支持溝33cは、退避溝部33aよりも内側に向かって形成され、ガイド凸部29がガイドされることにより、支持部27が小径ディスクの外周面に当接されるように保持アーム23を回動させる。
【0028】
ラック35は、ディスクトレイ3の裏面に取り付けられた駆動ギヤ列36及び駆動モータ25と連結される。これによりローター24は、駆動モータ25が正転又は逆転駆動されると一方あるいは他方に回転される。
【0029】
かかる保持部材22は、ディスクトレイ3が外筐体2の外部へ回動され載置面部12が略垂直方向を向いた挿脱位置に回動されると、ローター24が回転されるとともにガイド凸部29が回動規制溝33の退避溝部33aにガイドされ、支持部27が載置面部12に設けられた退避凹部31に退避されるように、保持アーム23が回動される。これにより載置面部12上から支持部27が退避されるため、大径ディスクあるいは小径ディスクを載置することができる。
【0030】
また、保持部材22は、ディスクトレイ3が挿脱位置から載置面部12が略水平方向を向いた記録又は再生位置に回動され始めると、駆動モータ25が駆動されローター24が回転されるとともに、ガイド凸部29が回動規制溝33の第1の支持溝部33b又は第2の支持溝部33cにガイドされ、支持部27が光ディスクの外周面に当接される。ここで、載置面部12に大径ディスクが載置された場合は、図7に示すように、支持部27がディスクの外周面に当接されることにより保持アーム23の内周方向への回動が規制されるため、ガイド凸部29は退避溝部33aから第1の支持溝部33bへガイドされる。したがって、保持アーム23は、大径の光ディスクの外周面を支持し、載置面部12からの脱落を防止することができる。一方、載置面部12に小径ディスクが載置された場合、図8に示すように、載置面部12の内周方向に回動付勢されている保持アーム23は、ガイド凸部29が退避溝部33aから第2の支持溝部33cへ回動可能とされ、支持部27がガイド溝30を小径凹部12b側に向かって移動する。したがって、保持アーム23は、小径の光ディスクの外周面を支持し、載置面部12からの脱落を防止することができる。
【0031】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動され、光ディスクがターンテーブル52及びクランパ5に挟持されると、上記と同様に、保持アーム23は、ガイド凸部29が第1又は第2の支持溝部33b,33cから退避溝部33aへガイドされることにより、支持部27が退避凹部31に退避される。これにより、保持アーム23は、光ディスクの外周面から支持部27が離間され、光ディスクを回転可能とする。
【0032】
光ディスクの排出が指示されると、保持アーム23は、上記と同様に、ガイド凸部29が退避溝部33aから第1又は第2の支持溝部33b,33cへガイドされ、支持部27によって光ディスクの外周面を支持する。光ディスクが保持アーム23に支持された後、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動される。
【0033】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動されると、ローター24が逆転されるため、保持アーム23は、ガイド凸部29が第1の支持溝部33b又は第2の支持溝部33cから退避溝部33aへ移動される。したがって保持アーム23は、支持部27がガイド溝30から退避凹部31に退避し、光ディスクの外周面から離間される。これにより、載置面部12から光ディスクの着脱が可能となる。
【0034】
また、ディスクトレイ3は、載置面部12から背面側にかけて、クランパ5が摺動される土手部13が形成されている。土手部13は、ディスクトレイ3の左右両側に形成され、主面部よりも漸次背面方向に向かって隆起していく略円弧状に形成されている。かかる土手部13は、クランパ5と載置面部12に載置された光ディスクとのクリアランスを確保するものであり、クランパ5のクランプアーム57に設けられたカムローラ61が摺動することにより、ディスクトレイ3が挿脱位置と記録又は再生位置との間を回動されている最中にクランパ5が載置面部12や光ディスクに当接する事態を防止させる。これにより、クランパ5は、ディスクトレイ3の回動中は載置面部12や光ディスクの信号記録領域に摺接することなく、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動された後に、光ディスクの中心孔付近に当接される。
【0035】
またディスクトレイ3は、両側面部に第1の回動支持部15,15が形成されている。第1の回動支持部15,15は、駆動機構6を構成する回動アーム14が回動自在に取り付けられている。またディスクトレイ3は、背面部に第2の回動支持部17が形成されている。第2の回動支持部17は、駆動機構6を構成する回動支持片16が回動自在に取り付けられている。そして、ディスクトレイ3は、駆動機構6が駆動されることにより、回動アーム14が回動操作されることにより、回動支持片16に背面側を支持されながら挿脱位置と記録又は再生位置とに亘って回動される。
【0036】
ここで回動アーム14は、図9に示すように、略半円形の本体部40と本体部40の一部から円弧状に突出されたアーム部41とを有する。本体部40は外筐体2の左右両側壁2b,2cに回転可能に取り付けられ、回転方向に沿ってラック部40a及び係合溝40bが形成されている。またアーム部41は、先端にディスクトレイ3の第1の回動支持部15と係合される係合凸部が設けられている。そして回動アーム14は、本体部40が回転されるとアーム部41が外筐体2のトレイ挿脱口10の内外に亘って回動される。
【0037】
また回動支持片16は、図10に示すように、略L字状に形成された板状体からなり、長手方向の一端側に幅方向に貫通された軸孔42が形成され外筐体2の両側面壁に挿通された支軸43が挿通されている。また回動支持片16は、図14に示すように、長手方向の他端側に係止部44が形成され、ディスクトレイ3の第2の回動支持部17に回動自在に係止されている。そして回動支持片16は、軸孔42に挿通された支軸43を支点に回転されると、係止部44が外筐体2内を回動する。
【0038】
ディスクトレイ3は、これら左右一対の回動アーム14及び回動支持片16に両側面及び背面を支持されることにより、2軸で支持されることとなり、挿脱位置や記録又は再生位置、さらには挿脱位置と記録又は再生位置との間における姿勢が規定される。またディスクトレイ3は、それぞれ円弧状に回動される左右一対の回動アーム14及び回動支持片16の2軸で支持されることから、挿脱位置と記録又は再生位置との間を円弧状に回動される。
【0039】
記録又は再生位置に搬送された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップユニット4は、図1に示すように、略矩形状のベースシャーシ50を有し、このベースシャーシ50上に、ピックアップベース51やターンテーブル52を支持するベースフレーム53が配設されている。ベースシャーシ50は、略矩形状をなし、外筐体2内に主面を水平方向に向けて配設されている。またベースシャーシ50は、左右両側面に、駆動機構6によって操作されるガイド軸55が上下に離間して突設されている。
【0040】
ベースフレーム53は、ベースシャーシ50上にダンパを介して配設され、ベースシャーシ50とともに駆動機構6によって外筐体2の正面2a側と背面2d側との間に亘って搬送される。そしてベースフレーム53は、ベースシャーシ50が外筐体2の前面側に搬送されることにより、ベースフレーム53に設けられたターンテーブル52が記録又は再生位置に搬送された光ディスクとチャッキングするチャッキング位置に搬送され(図11)、ベースシャーシ50が外筐体2の背面側に搬送されることにより、ターンテーブル52と光ディスクとのチャッキングが解除されるチャッキング解除位置に搬送される(図10)。
【0041】
このベースフレーム53は、詳細を省略する一対のガイド軸がターンテーブル52近傍より外筐体2の左側壁2b側に向かって配設され、このガイド軸にピックアップベース51がスライド自在に支持されている。またベースフレーム53は、ターンテーブル52が外筐体2の正面側に向かって配設されるとともに、このターンテーブル52を回転させるスピンドルモータが配設されている。
【0042】
かかる光ピックアップユニット4は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動される際には、図9に示すように、駆動機構6によってベースシャーシ50が外筐体2の背面2d側であるチャッキング解除位置に退避されている。そして載置面部12に光ディスクが載置され、ディスクトレイ3が挿脱位置から記録又は再生位置へ回動されると、図11に示すように、駆動機構6によってベースシャーシ50が外筐体2の正面2a側であるチャッキング位置に移動され、クランパ5とともにターンテーブル52上に光ディスクを回転自在に保持する。その後、ターンテーブル52がスピンドルモータによって回転されると共に、ピックアップベース51によって情報信号の書き込みや読み出しが行われる。なお、外筐体2の背面側には、ピックアップベース51に接続されたフレキシブル配線板や、各種回路や接続コネクタ等が実装されたメイン基板が配設されている。
【0043】
ベースフレーム53に支持されたターンテーブル52と共に光ディスクを挟持するクランパ5は、光ディスクの中心孔付近をターンテーブル52とともに挟持するクランププレート56と、クランププレート56を保持するクランプアーム57とを有する。
【0044】
クランププレート56は、樹脂製の円盤からなり、クランプアーム57に取り付けられることにより、クランプアーム57の回動に伴い光ディスクが載置されるターンテーブル52に対して接離可能とされている。
【0045】
クランプアーム57は、略中央部が幅方向に膨出された板金からなり、膨出端にはベースフレーム53に配設されたターンテーブル52に対応してクランププレート56が取り付けられている。またクランプアーム57は、長手方向の両端部より突設されている図示しない回動軸が外筐体2の両側壁2b,2cに挿通支持されることにより、この回動軸を支点に外筐体2内を回動可能とされている。またクランプアーム57は、回動軸にコイルバネ59が巻回されることにより、常時、クランププレート56がターンテーブル52と近接する図12中矢印B方向に回動付勢されている。
【0046】
さらにクランプアーム57は、図14に示すように、長手方向の両端部近傍より、ディスクトレイ3の土手部13に摺動されるカム片60が突設されている。カム片60は、先端に円筒状のカムローラ61が設けられ、このカムローラ61が土手部13を摺動する。かかるカム片60は、カムローラ61が土手部13を摺動することにより、クランププレート56が載置面部12に載置された光ディスクと一定の距離を保つために設けられている。すなわち、クランプアーム57は、回動軸の1軸で支持されて回動されるのに対して、上述したディスクトレイ3は、回動アーム14及び回動支持片16の2軸で支持されて円弧状に回動されることから、クランププレート56の回動軌跡が載置面部12に載置された光ディスクの中心孔付近から信号記録領域まで移動する。またクランプアーム57は、回動軸に巻回されたコイルバネ59によって載置面部12側に回動付勢されていることから、ディスクトレイ3の搬送中に、クランププレート56が光ディスクの信号記録領域を摺動してしまうおそれがある。
【0047】
そこで、クランパ5はクランプアーム57にカム片60を設けるとともに、ディスクトレイ3に土手部13を設け、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動されたとき以外は、カムローラ61が土手部13上を摺動することにより、クランププレート56が載置面部12に載置された光ディスクと当接しないようにした。具体的に、クランパ5は、図12に示すように、ディスクトレイ3が挿脱位置に回動されているとき、土手部13にカムローラ61が土手部13上に位置されるため、クランププレート56が載置面部12と所定の距離を隔てた位置に保持される。なお、このときクランパ5は、コイルバネ59の付勢力に反してクランププレート56が水平状態とされる反矢印B方向へ回動されている。またクランパ5は、外筐体2内において回動されるものであるため、外部に露出することはない。また、クランパ5は、コイルバネ59によって常時矢印B方向への付勢力を受けているため、がたつきを生じることなく、ディスクトレイ3の回動に応じて回動されていく。
【0048】
そして、クランパ5は、ディスクトレイ3が挿脱位置から記録又は再生位置へ回動されると、図13及び図14に示すように、カムローラ61が土手部13を摺動しながら矢印B方向へ回動されていく。このときも、クランパ5は、クランププレート56が載置面部12と距離を隔てた位置に保持されながら回動されていく。その後、クランパ5は、図15に示すように、ディスクトレイ3が記録又は再生位置まで回動されると、クランププレート56が載置面部12に載置された光ディスクの中心孔と対峙されるとともに、カムローラ61が土手部13上から退避するため、コイルバネ59の付勢力を受けて矢印B方向に回動付勢されているクランププレート56によってターンテーブル52とともに光ディスクを挟持することができる。記録再生時において、クランププレート56は、ターンテーブル52がスピンドルモータによって回転駆動されることにより、光ディスクとともに回転される。
【0049】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置まで回動される際には、上記と逆の動作がされることにより、クランパ5は、カムローラ61が土手部13上を摺動し、クランププレート56が載置面部12と離間した位置に保持されながら、反矢印B方向へ回動されていく。したがってクランパ5は、クランププレート56が光ディスクの信号記録領域に摺動することが防止される。
【0050】
次いで、ディスクトレイ3及び光ピックアップユニット4を駆動させる駆動機構6について説明する。駆動機構6は、図1に示すように、ディスクトレイ3を支持する回動アーム14及び回動支持片16と、回動アーム14と連動して光ピックアップユニット4を移動させるカムプレート65と、回動アーム14及びカムプレート65を駆動させる駆動ギヤ66と、駆動ギヤ66と減速ギヤ列67を介して連結される駆動モータ68とを有する。
【0051】
回動アーム14は、上述したように、略半円形の本体部40と円弧状に延設されたアーム部41とを有し、本体部40が外筐体2の側面壁に回動自在に係止されている。本体部40には、ラック部40aと、カムプレート65と係合される係合溝40bが形成されている。ラック部40aは、駆動モータ68と連動された駆動ギヤ66と咬合されることにより回動アーム14を回転させ、ディスクトレイ3を図1矢印A方向及び反矢印A方向へ回動させる。係合溝40bは、カムプレート65に突設された係合凸部83,84が係合されることにより、回動アーム14の回転に応じてカムプレート65を駆動ギヤ66と咬合可能に上昇させるものである。この係合溝40bは、回動アーム14の回転方向と同方向に沿って円弧状に形成され、図10及び図14に示すように、ディスクトレイ3がほぼ記録又は再生位置に回動されたタイミングで、一端部がカムプレート65の係合凸部83,84に下方から当接する。これにより、回動アーム14がさらに回転されると、係合溝40bは、係合凸部83,84を上方に引き上げ、カムプレート65を駆動ギヤ66と咬合させることができる。なお、係合溝40bは、係合凸部83,84が係脱される開口部69が形成されており、係合凸部83,84を引き上げた後、カムプレート65とともに係合凸部83,84が開口部69から上昇されることにより係合が解除され、カムプレート65が下降されると再度、開口部69から係合凸部83,84が係合される。
【0052】
アーム部41は、上述したように、先端部がディスクトレイ3の第1の回動支持部15と回動自在に係合されている。なおアーム部41は、ディスクトレイ3を外筐体2内に引き込んだ際に、駆動ギヤ66を軸支する駆動軸90との干渉をさけるため、円弧状に湾曲されている。
【0053】
回動支持片16は、上述したように、略L字状に形成された矩形板状体からなり、長手方向の一端側に幅方向に貫通された軸孔42が形成され、外筐体2の両側壁間に亘って架け渡された支軸43に挿通支持されている。また、回動支持片16は、長手方向の他端側に係止部44が形成され、ディスクトレイ3の第2の回動支持部17に回動自在に係止されている。かかる回動支持片16は、ディスクトレイ3が矢印A方向及び反矢印A方向へ回動されると、支軸43を支点に回動される。これにより、回動支持片16は、ディスクトレイ3の背面側を支持して、挿脱位置や記録又は再生位置、さらには挿脱位置と記録又は再生位置との間においてディスクトレイ3の揺動を防止することができる。
【0054】
次いで、光ピックアップユニット4を記録又は再生位置に搬送されたディスクトレイ3に接離させるカムプレート65について説明する。カムプレート65は、図1及び図16に示すように、外筐体2の左右側壁2b,2cの近傍にそれぞれ配設された左右一対のプレート板71,72を有し、これら一対のプレート板71,72によって光ピックアップユニット4のベースシャーシ50を移動させるものである。
【0055】
図16に示すように、外筐体2の左側壁2b側に配設され、ベースシャーシ50の左側縁をガイドする左プレート板71は、外筐体2の左側壁2b側に突設されたスライドガイド片73を有し、このスライドガイド片73が左側壁2bに上下方向に亘って形成された図示しないガイド溝に挿通されている。これにより左プレート板71は、左側壁2bに沿って昇降可能とされている。
【0056】
外筐体2の右側壁2c側に配設され、ベースシャーシ50の右側縁をガイドする右プレート板72は、外筐体2の右側壁2c及び背面壁2d側に上下方向に亘ってガイド溝74が形成され、右側壁2c及び背面壁2dに突設されたスライドガイド片(図示せず)に挿通されている。これにより、右プレート板72は、スライドガイド片にガイドされながら右側壁2cに沿って昇降可能とされている。
【0057】
これら左右プレート板71,72は、それぞれ駆動ギヤ66と咬合する昇降ラック75,76と、ベースシャーシ50の側面より突設されているガイド軸55が挿通されるカム溝77,78が形成されている。昇降ラック75,76は、駆動ギヤ66の配設位置に応じて形成されたラックアーム79,80に上下方向に亘って形成され、またカム溝77,78は、ベースシャーシ50の配設位置に応じて形成されたカム壁81,82に上下方向に亘って形成されている。
【0058】
ラックアーム79,80は、図2に示すように、上下方向に亘って昇降ラック75,76が形成されるとともに、上述した回動アーム14の本体部40に形成された係合溝40bに係合される係合凸部83,84が突設されている(図2)。この係合凸部83,84は、係合溝40bに係合され、回動アーム14が回転されると本体部40の回転方向に沿って形成された係合溝40b内を移動する。そして、各プレート板71,72は、回動アーム14がディスクトレイ3を記録又は再生位置へ回動させる位置まで回転されると、係合凸部83,84が係合溝40bの端部と当接して上方に引き上げられ、昇降ラック75,76と駆動ギヤ66とが咬合されて昇降される。
【0059】
カム壁81,82に形成されたカム溝77,78は、前面側垂直溝部77a,78aと、背面側垂直溝部77b,78bと、これら前面側垂直溝部77a,78aと背面側垂直溝部77b,78bとを連続させる傾斜溝部77c,78cとを有する。また、カム溝77,78は、ベースシャーシ50のガイド軸55に応じて、上下に離間して2つ形成されている。そしてカム溝77,78は、各プレート板71,72が駆動ギヤ66によって上下動されると、図10及び図11に示すように、ガイド軸55を前面側垂直溝部77a,78aと背面側垂直溝部77b,78bとの間に亘ってガイドし、ベースシャーシ50を外筐体2の前面2a側あるいは背面2d側へ移動させる。
【0060】
ベースシャーシ50が外筐体2の前面2a側に移動されることにより、ベースフレーム53が、ターンテーブル52と光ディスクとのチャッキング位置へ移動され、光ディスクが回転可能に保持される。また、ベースシャーシ50が外筐体2の背面2d側に移動されることにより、ベースフレーム53が、ターンテーブル52と光ディスクとのチャッキング解除位置へ移動され、光ディスクが挿脱位置へ搬送可能とされる。
【0061】
次いで、駆動ギヤ66について説明する。駆動ギヤ66は、上記カムプレート65を昇降させるとともに回動アーム14を回転させるものであり、外筐体2内の左右両側壁2b,2c間に架け渡されている駆動軸90の両端に形成されている。図1に示すように、駆動ギヤ66は、大径ギヤ66aと小径ギヤ66bの二段ギヤからなり、大径ギヤ66aには駆動モータ68の回転力が伝達される減速ギヤ列67が咬合され、小径ギヤ66bには回動アーム14のラック部40a及び昇降ラック75,76が咬合される。
【0062】
駆動ギヤ66の小径ギヤ66bは、回動アーム14のラック部40bと咬合されることによりディスクトレイ3を記録又は再生位置と挿脱位置との間に亘って回動させ、また、カムプレート65の昇降ラック75,76と咬合されることによりベースシャーシ50に支持されたベースフレーム53を光ディスクとのチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に亘って移動させる。
【0063】
小径ギヤ66bとラック部40bあるいは昇降ラック75,76との咬合は、ディスクトレイ3の回動動作と、ベースシャーシ50の移動とに応じて切り換えられる。具体的に、ディスクトレイ3の回動操作時においては、図13に示すように、小径ギヤ66bは、回動アーム14のラック部40aと咬合されると共に、カムプレート65は外筐体2の下方に位置され、昇降ラック75,76との咬合は解除されている。このとき、ラックアーム79,80は、係合凸部83,84が回動アーム14の係合溝40bに係合され、回動アーム14の回転に応じて係合溝40b内を移動する。またカムプレート65が下方に位置されることにより、ベースシャーシ50は、ガイド軸55がカム溝77,78の背面側垂直溝部77b,78bにガイドされることにより、外筐体2の背面側に退避されている。
【0064】
駆動ギヤ66により回動アーム14が回動され、ディスクトレイ3が挿脱位置からほぼ記録又は再生位置まで回動されると、図14に示すように、係合溝40bを移動していた係合凸部83,84が係合溝40bの端部によって上方へ引き上げられ、ラックアーム79,80が上昇される。これにより、小径ギヤ66bはラックアーム79,80の昇降ラック75,76と咬合され、プレート板71,72を上昇させる。そして小径ギヤ66bは、ディスクトレイ3が記録又は再生位置まで回動されると、回動アーム14のラック部40aとの咬合が解除され、回動アーム14の回転を停止させる。
【0065】
なお、回動アーム14と小径ギヤ66bとの咬合が解除される直前に、カムプレート65に突設されているガイドピン86がディスクトレイ3の側面に形成されたガイド溝87に係合する(図9及び図10)。これによりディスクトレイ3は、小径ギヤ66bとの咬合が外れた後も、ガイドピン86及び回動アーム14によって支持され、回動が規制される。またディスクトレイ3は、ガイド溝87をスライドするガイドピン86により、回動アーム14との咬合が外れた後、記録又は再生位置までガイドされる。
【0066】
小径ギヤ66bがプレート板71,72を上昇させることにより、カム溝77,78の背面側垂直溝部77b,78bに係合されているガイド軸55は、傾斜溝部77c,78cを介して前面側垂直溝部77a,78aへ移動される。これにより、ベースシャーシ50とともにベースフレーム53がチャッキング解除位置からチャッキング位置へ移動し、ベースフレーム53に支持されたターンテーブル52がディスクトレイ3に保持された光ディスクの中心孔に進入する(図11及び図15)。
【0067】
ベースフレーム53がチャッキング解除位置からチャッキング位置へ移動する間、小径ギヤ66bは、昇降ラック75,76との咬合状態が維持され、かつ回動アーム14のラック部40aとの咬合解除状態が維持されている。光ディスクに対する情報信号の記録再生が終了し光ディスクの排出が指示されると、小径ギヤ66bは、ラックアーム79,80を下降させ、ベースフレーム53をチャッキング解除位置へ移動させる。そして小径ギヤ66bは、ベースフレーム53をチャッキング解除位置へ移動させた後、昇降ラック75,76との咬合が解除される。このとき、ラックアーム79,80の係合凸部83,84が回動アーム14の開口部69から係合溝40bと係合し、係合溝40bを下方に押圧することにより回動アーム14を回転させる。これにより、小径ギヤ66bは、回動アーム14のラック部40aと咬合し、回動アーム14を回転することにより、ディスクトレイ3を記録又は再生位置から挿脱位置に回動していく。
【0068】
かかる駆動ギヤ66を駆動させる駆動モータ68及び、駆動モータ68と駆動ギヤ66を連結する減速ギヤ列67は、いずれも外筐体2の右側壁2c側に配設されている。そして駆動モータ68は、正転あるいは逆転駆動されることにより、ディスクトレイ3を挿脱位置と記録又は再生位置との間に亘って回動させ、またベースシャーシ50を外筐体2の前面2a側又は背面2d側へ移動させることによりベースフレーム53をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に亘って移動させる。
【0069】
次いで、以上のように構成されるディスクドライブ装置1の光ディスクの搬送工程について説明する。ディスクドライブ装置1は、光ディスクの挿入を待機している状態においては、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動され、外筐体2内に収納されている。このとき小径ギヤ66bには、回動アーム14のラック部40aが咬合され、カムプレート65の昇降ラック75,76との咬合が解除されている。そしてディスクドライブ装置1は、ディスクトレイ3の排出が指示されると駆動モータ68を正転駆動し、小径ギヤ66bを介して回動アーム14を回転させる。これにより、ディスクトレイ3は、反矢印A方向に回動されてトレイ挿脱口10から外筐体2外へ排出され、載置面部12が略垂直方向へ向いた挿脱位置で停止される。このとき、クランパ5は、カムローラ61がディスクトレイ3の土手部13を摺動しながら、コイルバネ59による付勢力に対抗して反矢印B方向へ回動され、外筐体2内において、クランププレート56が略水平状態で保持されている(図9、図12)。
【0070】
ディスクトレイ3が挿脱位置へ回動されると、載置面部12に設けられた保持部材22は、保持アーム23のガイド凸部29がローター24の回動規制溝33を退避溝部33aにガイドされることにより、支持部27が退避凹部31内へ退避される。これにより、載置面部12は、大径凹部12a上及び小径凹部12b上に、大径、小径いずれの光ディスクも載置可能とされる(図6)。
【0071】
載置面部12に光ディスクが載置され、ローディング操作が指示されると、ディスクドライブ装置1は、駆動モータ68が逆転駆動されることにより駆動ギヤ66及び駆動ギヤ66と咬合する回動アーム14が回転され、ディスクトレイ3が矢印A方向へ回動する。また、ディスクトレイ3の回動が開始すると、保持部材22は、駆動モータ25が駆動されることにより駆動ギヤ列36及びラック35を介してローター24が回転され、保持アーム23のガイド凸部29が回動規制溝33の退避溝部33aから第1の支持溝部33b又は第2の支持溝部33cへガイドされる。
【0072】
載置面部12に大径ディスクが載置された場合、保持アーム23は、ガイド凸部29が退避溝部33aを移動することにより支持部27が大径ディスクの外周面に当接され、内周方向への回動が規制される。この状態でさらにローター24が回転されると、ガイド凸部29が第1の支持溝部33b側にガイドされる。これにより、保持アーム23は、支持部27が大径ディスクの外周面を支持し、載置面部12からの脱落を防止することができる(図7)。
【0073】
載置面部12に小径ディスクが載置された場合、保持アーム23は、ガイド凸部29が退避溝部33aを移動し、第1の支持溝部33bと第2の支持溝部33cとの分岐点までガイドされると、図示しないコイルバネによる載置面部12の中心方向への付勢力によって第2の支持溝部33c側へ回動付勢される。この状態でさらにローター24が回転されると、保持アーム23は、ガイド凸部29が第2の支持溝部33cにガイドされることにより、支持部27が小径ディスクの外周面に当接される。これにより、保持アーム23は、支持部27が小径ディスクの外周面を支持し、載置面部12からの脱落を防止することができる(図8)。
【0074】
大径又は小径の光ディスクが保持アーム23によって支持された後、ディスクトレイ3は、さらに矢印A方向に回動されていき、トレイ挿脱口10より外筐体2内に収納されると共に、載置面部12が略垂直状態となる記録又は再生位置まで回動される。なお、ディスクトレイ3が挿脱位置から記録又は再生位置まで回動されている間、回動アーム14の本体部40に形成された係合溝40bには、ラックアーム79,80に突設されている係合凸部83,84が係合されている。そして、係合溝40bが回動アーム14の本体部40の回転方向に沿って円弧状に形成されていることから、ラックアーム79,80は、係合凸部83,84が係合溝40bに沿って移動することにより、昇降操作されることなく昇降ラック75,76は、駆動ギヤ66との咬合が解除された状態が維持されている(図13)。
【0075】
またディスクトレイ3が矢印A方向へ回動されると、クランパ5も、コイルバネ59による付勢力によって矢印B方向へ回動されていく。このとき、クランパ5は、クランプアーム57より垂下されて形成されたカムローラ61がディスクトレイ3の土手部13を摺動することにより、クランププレート56が載置面部12に載置された光ディスクやディスクトレイ3の主面部と所定のクリアランスを保ちながら回動され、光ディスクやディスクトレイ3の主面部との摺接が防止されている。そしてディスクトレイ3が記録又は再生位置まで回動されると、クランパ5は、カムローラ61が土手部13から降下し、光ディスクの中心孔と対峙されたクランププレート56によって、ターンテーブル52とともに光ディスクを挟持可能とされる(図15)。
【0076】
なお、かかるクランパ5は、コイルバネ59の付勢力によってディスクトレイ3の回動方向と同方向に付勢されていることから、がたつくことなく回動される。またクランパ5は、外筐体2内において回動され、外部に露出することがないことから、テレビジョン装置8等の各種電子機器に搭載された際にも、装置構成の動作や外観上のデザインを自由に設計することができる。
【0077】
ディスクトレイ3がほぼ記録又は再生位置まで回動されると、ラックアーム79,80は、回動アーム14の係合溝40bの端部に係合凸部83,84が当接し、上方に引き上げられることにより、上昇され、昇降ラック75,76と駆動ギヤ66とが咬合される(図10、図14)。昇降ラック75,76と駆動ギヤ66とが咬合された後、ディスクトレイ3が記録又は再生位置まで回動されると、回動アーム14のラック部40aと駆動ギヤ66との咬合が解除される。
【0078】
昇降ラック75,76が駆動ギヤ66と咬合されることにより、更に駆動ギヤ66が駆動されると、カムプレート65の左右プレート板71,72は、左右側壁2b,2cに沿って外筐体2内を上昇する。各プレート板71,72が上昇されると、カム溝77,78の背面側垂直溝部77b,78bに位置していたベースシャーシ50のガイド軸55が傾斜溝部77c,78cを経て前面側垂直溝部77a,78aへガイドされる(図11、図15)。
【0079】
ベースシャーシ50は、ガイド軸55が前面側垂直溝部77a,78aへガイドされることにより外筐体2の前面2a側に移動され、ベースフレーム53がチャッキング解除位置からチャッキング位置へ移動されて、ターンテーブル52が記録又は再生位置に搬送された光ディスクの中心孔に挿通される。これにより、光ディスクは、ターンテーブル52及びクランププレート56によって挟持され、ターンテーブル52によって回転可能とされる。
【0080】
光ディスクがターンテーブル52及びクランププレート56によって挟持されると、保持部材22は、駆動モータ25が駆動されることによりローター24が回転されて、保持アーム23のガイド凸部29が第1の支持溝部33bあるいは第2の支持溝部33cから退避溝部33aへガイドされる。これにより、保持アーム23は、コイルバネによる付勢力に対抗して、支持部27が光ディスクの外周面から離間され、ガイド溝30を退避凹部31へ移動される。保持アーム23が光ディスクの外周面から離間されることにより、ディスクドライブ装置1は、光ディスクを回転し、情報の書き込み又は読み出しが可能となる。
【0081】
また、ベースフレーム53がチャッキング位置へ移動されると、駆動モータ68が停止され、カムプレート65の上昇が停止される。このとき、左右プレート板71,72は、昇降ラック75,76と駆動ギヤ66との咬合が維持されている。
【0082】
光ディスクに対する記録又は再生が終了し、光ディスクの排出操作が指示されると、保持部材22の駆動モータ25が駆動され、ローター24が回転されることにより、保持アーム23のガイド凸部29が退避溝部33aから光ディスクの径に応じて第1の支持溝部33bあるいは第2の支持溝部33cへガイドされる。これにより、保持アーム23は、支持部27が光ディスクの外周面を支持し、載置面部12からの脱落を防止する。
【0083】
次いで、駆動モータ68が正転駆動され、昇降ラック75,76を介して左右プレート板71,72が外筐体2の側壁2b,2cを下降していく。これにより、ベースシャーシ50は、ガイド軸55がカム溝77,78の前面側垂直溝部77a,78aから傾斜溝部77c,78cを経て背面側垂直溝部77b,78bへガイドされ、ベースフレーム53がチャッキング位置からチャッキング解除位置へ移動される。ベースフレーム53がチャッキング解除位置へ移動されることにより、光ディスクは、ターンテーブル52が中心孔から退避される。
【0084】
ベースフレーム53がチャッキング解除位置へ移動するまでプレート板71,72が下方に移動されると、ラックアーム79,80に突設されている係合凸部83,84が開口部69より回動アーム14の係合溝40bに係合するとともに、回動アーム14を下方に回転させる。これにより、回動アーム14は、ラック部40aが駆動ギヤ66と咬合される。また、回動アーム14と駆動ギヤ66とが咬合されると、プレート板71,72は、昇降ラック75,76と駆動ギヤ66との咬合が解除される。これにより、駆動ギヤ66との咬合がプレート板71,72から回動アーム14へ切り換えられ、駆動モータ68の駆動力が回動アーム14及びディスクトレイ3側に供給される。
【0085】
ディスクトレイ3は、回動アーム14が回転されることにより反矢印A方向へ回動され、トレイ挿脱口10を介して外筐体2の外へ排出される。また、クランパ5は、カムローラ61が土手部13を摺動しながらディスクトレイ3に押圧されることにより反矢印B方向へ回動されていく。そして、ディスクトレイ3は、載置面部12が略垂直方向へ向く挿脱位置まで回動されると、駆動モータ68が停止されることにより回動が停止される。また、保持部材22は、ディスクトレイ3が挿脱位置に回動されると、駆動モータ25が駆動されて保持アーム23の支持部27が光ディスクの外周面から離間し、退避溝部33aへ退避する。これにより、ディスクトレイ3は、載置面部12から光ディスクを取り出すことができ、また別の光ディスクを載置することができる。
【0086】
以上のように、本発明が適用されたディスクドライブ装置1によれば、ディスクトレイ3を用いることで、光ディスクを載置面部12に置くだけで装着でき、また載置面部12からそのまま取り出すことすることができて着脱が容易となる。そして、ディスクドライブ装置1は、記録又は再生時には、ディスクトレイ3を載置面部12を略垂直状態にして外筐体2内に収納されることから、トレイ挿脱口10を外筐体2の前面2aに設けることができ、さらに、外筐体2の挿脱位置におけるディスクトレイ3の載置面部12の面方向への厚みを光ディスクの径以下に設計することができる。
【0087】
このように、ディスクドライブ装置1及びこのディスクドライブ装置1が組み込まれたテレビジョン装置8は、光ディスクの着脱が容易なトレイタイプを採用しながら、光ディスクの載置面方向に薄い外筐体2を用いることができ、なおかつトレイ挿脱口10を外筐体2あるいはテレビジョン装置8の装置本体の側面や上面ではなく前面側に設けることができる。したがって、テレビジョン装置8の左右にはスピーカ等の周辺機器を密着配置することができ、上面からの塵埃等の侵入も防止することができる。また、薄型化が図られたテレビジョン装置8等のモニタ装置において、使用者は、モニタが形成された装置本体の正面で光ディスクの着脱操作を行うことができ、使い勝手が向上される。
【0088】
なお、ディスクトレイ3に、光ディスクの中心孔に挿通されるディスク保持部を設けると共に、このディスク保持部を回転するスピンドルモータを一体に形成すれば、ディスクトレイ3の回動方向は、上述したディスク載置面12を略垂直状態と略水平状態とに向ける回動方向に限定されない。すなわち、光ディスクをユーザ自身の手でディスクトレイ3にチャッキングさせる場合には、挿脱位置における載置面部12が略水平状態とされていなくとも、光ディスクが落下することなく挿脱を行うことができる。したがって、この場合には、挿脱位置及び記録又は再生位置における載置面部12の向きやディスクトレイ3の回動方向を自由に設定することができる。
【0089】
例えば、本発明は、載置面部12を略垂直にした状態で、外筐体2の内外に亘って回動させることにより、挿脱位置においてはディスクトレイ3が載置面部12を外筐体2の正面部2aあるいはテレビジョン装置8の正面8aと略直交した状態で外方に臨まされ、記録又は再生位置においてはディスクトレイ3が載置面部12を外筐体2の正面部2aあるいはテレビジョン装置8の正面8aと略平行な状態で収納される(図3(b)、(c))。この場合も、ディスクトレイ3は、記録又は再生位置において略水平な状態で収納されるため、外筐体2あるいはテレビジョン装置8の薄型化を損なうことはない。
【0090】
また、以上では、光ピックアップユニット4のベースシャーシ50を水平方向に移動自在としたが、ディスクドライブ装置1は、光ピックアップ4のベースシャーシ50の一端側を回動自在に外筐体2に挿通させ、他端側を前後方向に回動自在とし、カムプレート65のガイド溝74によって当該他端側を前後方向に回動させるように形成することもできる。この場合、ベースシャーシ50は、一端側を支点に外筐体2の前後方向に回動させることにより、記録又は再生位置に搬送された光ディスクに対してターンテーブル52が近接するチャッキング位置と、光ディスクに対してターンテーブル52が離間するチャッキング解除位置との間を回動操作される。
【0091】
また、以上では、本発明にかかるディスクドライブ装置1について、テレビジョン装置8に組み込まれた例について説明したが、ディスクドライブ装置1は、テレビジョン装置8以外の電子機器、例えばパソコンやオーディオ装置、車載用のAV機器などに組み込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】ディスクトレイが排出されたディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図2】ディスクトレイが収納されたディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図3】ディスクドライブ装置が組み込まれたテレビジョン装置を示す図である。
【図4】ディスクトレイを示す斜視図である。
【図5】ディスクトレイの裏面に設けられる保持部材を示す斜視図である。
【図6】ディスクトレイを示す平面図である。
【図7】保持アームが大径ディスクを支持しているディスクトレイを示す平面図である。
【図8】保持アームが小径ディスクを支持しているディスクトレイを示す平面図である。
【図9】ディスクトレイが挿脱位置へ回動されるとともに、ベースシャーシがチャッキング解除位置へ退避されているディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図10】駆動ギヤに対して回動アームと昇降ラックとの咬合切換が行われているディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図11】ディスクトレイが記録又は再生位置へ回動されるとともに、ベースシャーシがチャッキング位置へ退避されているディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図12】ディスクトレイが挿脱位置へ回動されたディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図13】ディスクトレイが挿脱位置と記録又は再生位置の間を回動されているディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図14】駆動ギヤに対して回動アームと昇降ラックとの咬合切換が行われているディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図15】ディスクトレイが記録又は再生位置へ回動されるとともに、ベースシャーシがチャッキング位置へ退避されているディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図16】カムプレートの右プレート板を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0093】
1 ディスクドライブ装置、2 外筐体、3 ディスクトレイ、4 光ピックアップユニット、5 クランパ、6 駆動機構、8 テレビジョン装置、12 載置面部、13 土手部、14 回動アーム、16 回動支持片、22 保持部材、23 保持アーム、24 ローター、25 駆動モータ、27 支持部、29 ガイド凸部、33 回動規制溝、40 本体部、41 アーム部、43 支軸、50 ベースシャーシ、51 ピックアップベース、52 ターンテーブル、53 ベースフレーム、55 ガイド軸、56 クランププレート、57 クランプアーム、59 コイルバネ、60 カム片、61 カムローラ、65 カムプレート、66 駆動ギヤ、67 減速ギヤ列、68 駆動モータ、71,72 プレート板、75,76 昇降ラック、77,78 カム溝、90 駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、
上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、
上記トレイを移動させる移動機構とを備える搬送機構。
【請求項2】
上記保持手段は、上記トレイが上記挿脱位置と上記記録又は再生位置とに亘って回動される間、上記記録媒体の外周を保持し、上記記録又は再生位置において上記クランプ部材が上記記録媒体を挟持すると、上記記録媒体から離間されることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項3】
上記トレイは、2軸で支持されていることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項4】
上記クランプ部材は、1軸で支持されていることを特徴とする請求項3記載の搬送機構。
【請求項5】
上記トレイは、左右両側縁部に長手方向に亘って隆起する土手部が設けられ、
上記クランプ部材は、略水平状態から略垂直状態に回動付勢されるとともに、上記トレイの回動に連動して上記土手部に摺動しながら回動されることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項6】
上記トレイは、上記載置部に載置された上記記録媒体の径に応じて上記保持手段が移動することを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項7】
上記記録又は再生位置へ搬送された上記記録媒体を支持する支持テーブルと、該支持テーブルに支持された上記記録媒体に対して情報を書き込み又は読み出す読み取り又は書き込み手段とを有し、上記装置本体内において略水平方向に移動可能とされたベースユニットを備え、
上記駆動機構は、上記トレイが上記記録又は再生位置に搬送された後に上記支持テーブルが上記記録媒体を支持するように上記ベースユニットを上記トレイに近接させることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項8】
上記駆動機構は、一の駆動源によって上記トレイ及びベースユニットを移動させることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項9】
装置本体と、
記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、
上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、
上記トレイを移動させる移動機構とを備える搬送装置。
【請求項10】
上記装置本体は、その厚みを上記記録媒体の径以下とされることを特徴とする請求項9記載の搬送装置。
【請求項11】
装置本体と、
記録媒体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記記録媒体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を略水平にして上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を略垂直にして上記装置本体内に収納する記録又は再生位置とに亘って回動されるトレイと、
上記装置本体内において、主面部を略水平方向と略垂直方向とに亘って回動可能に支持され、上記記録又は再生位置に回動された上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、
上記トレイを移動させる移動機構とを備え、
上記装置本体が組み込まれると共に、上記トレイの挿脱口が設けられた電子機器。
【請求項12】
厚みを上記記録媒体の径以下とされることを特徴とする請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、
上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備える搬送機構。
【請求項14】
上記搬送トレイは、上記挿脱位置において上記載置面部を略水平状態とし、上記収納位置において上記載置面部を略垂直状態とすることを特徴とする請求項13記載の搬送機構。
【請求項15】
上記搬送体は、記録媒体であり、
上記保持手段は、該記録媒体の外周面を保持するものであり、
上記収納位置に搬送された上記記録媒体を支持する支持テーブルと、該支持テーブルに支持された上記記録媒体に対して情報を書き込み又は読み出す読み取り又は書き込み手段とを備え、上記支持テーブルが上記収納位置に搬送された上記記録媒体と係脱される方向に移動可能とされたベースユニットと、
上記装置本体内において、回動可能に支持され、上記収納位置に回動された上記記録媒体を上記支持テーブルと共に挟持するクランプ部材と、
を備えることを特徴とする請求項13又は14のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項16】
上記保持手段は、上記搬送トレイが上記挿脱位置と上記収納位置とに亘って回動される間、上記記録媒体を保持し、上記収納位置において上記クランプ部材が上記記録媒体を挟持すると、上記搬送体から離間されることを特徴とする請求項15記載の搬送機構。
【請求項17】
上記搬送トレイは、2軸で支持されていることを特徴とする請求項13記載の搬送機構。
【請求項18】
上記クランプ部材は、1軸で支持されていることを特徴とする請求項17記載の搬送機構。
【請求項19】
上記搬送トレイは、左右両側縁部に長手方向に亘って隆起する土手部が設けられ、
上記クランプ部材は、略水平方向から略垂直方向に回動付勢されるとともに、上記搬送トレイの回動に連動して上記土手部に摺動しながら回動されることを特徴とする請求項15記載の搬送機構。
【請求項20】
上記駆動機構は、上記搬送トレイが、上記収納位置に搬送された後に上記支持テーブルが上記記録媒体を支持するように上記ベースユニットを上記搬送トレイに近接させることを特徴とする請求項15記載の搬送機構。
【請求項21】
装置本体と、
搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、
上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備える搬送装置。
【請求項22】
上記搬送体は記録媒体であり、
上記装置本体は、その厚みを上記記録媒体の径以下とされることを特徴とする請求項21記載の搬送装置。
【請求項23】
装置本体と、
搬送体が載置される載置面部と、上記載置面部に載置された上記搬送体を保持する保持手段とを有し、上記載置面部を第1の方向に向けて上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置面部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、
上記搬送トレイを回動させる駆動機構とを備え、
上記装置本体が組み込まれると共に、上記搬送トレイの挿脱口が設けられた電子機器。
【請求項24】
上記搬送体は記録媒体であり、
厚みを上記記録媒体の径以下とされることを特徴とする請求項23記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−226364(P2008−226364A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63981(P2007−63981)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】