説明

搬送物積込装置及びこれを用いる搬送物積込方法

【課題】 搬送物が重量物であっても、その重量搬送物をトラック荷台に自動的に短時間で積込むことができる簡易且つ安価な構造の搬送物積込装置を提供する。
【解決手段】 本装置1は、支持台7と、前記支持台を昇降させる支持台昇降手段(クロスリンク機構10)と、前記支持台に水平方向に移動自在に支持され、且つ、前記パレットを水平方向に移動自在に支持するパレット支持手段(ローラコンベア8)と、前記パレット支持手段に支持された前記パレットを水平方向に移動させるパレット移動手段(駆動モータ19)と、前記支持台に支持された前記パレット支持手段を水平方向に変位させる変位手段(駆動シリンダ22)と、前記パレット支持手段の前方側に設けられ、且つ、該パレット支持手段を、前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除して降下させ得る荷台側高さ調整手段(駆動シリンダ28)と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物積込装置及びこれを用いる搬送物積込方法に関し、更に詳しくは、搬送物が重量物であっても、その重量搬送物をトラック荷台に自動的に短時間で積込むことができる簡易且つ安価な構造の搬送物積込装置及びこれを用いる搬送物積込方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般に、コイル材の加工センターでは、例えば、図16に示すように、生産ライン150で加工された製品としてのコイル材Cが、無線運転されるライン用クレーン105によって製品ストアー151まで移送されて保管される。そして、上記製品ストアー151に保管されるコイル材Cのうちで、加工センターに到着したトラックに応じた出荷予定のコイル材Cを、搭乗作業員により運転される集荷用クレーン106によって所定の集荷場所152に一旦移送し、次いで、この集荷場所152に移送されたコイル材Cを、搭乗作業員により運転される積込用クレーン153を介して所定の積込位置Lに位置するトラック荷台102に積込まれることが知られている。
【0003】
しかし、上記従来の積込作業では、集荷用クレーン106及び積込用クレーン153のそれぞれに対応して、少なくとも2名のクレーン運転作業員と共に4名の玉掛作業員が必要であり、多数の作業員を必要としていた。さらに、一連の積込作業に時間がかかるものであり、例えば、トラックが加工センターに到着してから集荷された5〜10個のコイル材の積込作業を完了してから出発するまで約1時間かかっていた。また、集荷用クレーン106と積込用クレーン153とが干渉してコイル材が損傷してしまう恐れがあり、熟練したクレーン運転作業員を必要としていた。さらに、集荷用クレーン106及び積込用クレーン153によりコイル材が直接的に搬送されるので、積込荷や仕分けを間違ってしまう恐れがあった。
【0004】
そこで、上記問題を解決するための従来の積込装置として、パレットを用いて、トラック荷台に搬送物を自動的に積込むものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。このようにパレットを用いることで、搬送物を積載したパレットを積込順序毎に予め用意しておくことができ、積込荷や仕分けの間違いを防止することができる。
そして、上記特許文献1には、コンベア2の先端側に、搬送物を案内するための複数のガイドローラ4からなる荷移送手段を設けてなる積込装置が開示されている。
また、上記特許文献2には、トラック荷台に応じてコンベアの高さレベル及び幅方向位置を調節可能な積込装置が開示されている。
【0005】
しかし、上記特許文献1及び2では、コンベアの駆動によって、コンベア上のパレットをトラック荷台に送り出すようにしているので、パレットに積載される搬送物が重量物である場合(例えば、搬送物が100kg〜20t程度の鉄鋼製のコイル材である場合)、パレットとトラック荷台の床面との干渉(摩擦接触)により、搬送物の積込みができなかったり、荷崩れが発生したりする恐れがある。また、重量搬送物を積込む場合、コンベアとして、その駆動力が比較的大きなものを用いたり、コンベア以外に他の積込補助機構等を用いたりする必要があった。
また、重量搬送物を積込む場合、コンベアで搬送物を移送する途中で、トラックのサスペンションの沈み込みが発生し、コンベアは、そのトラック荷台側が低位となる状態に傾斜してしまい、搬送物がコンベア上を滑り落ち損傷したり、正確な積込位置に積込まれなかったりする恐れがある。しかし、上記特許文献1には、搬送物の搬送途中でのサスペンションの沈み込みに対する対策が何ら図られていない。
尚、従来の積込装置において、コンベアの先端部の上下変位量に応じて、コンベアの傾斜角度を変化させることが知られている(例えば、特許文献3及び4参照)が、これは、搬送物を積込む前の準備作業として、コンベアの伸縮や台車の移動を円滑に行い得ることを目的としており、上述のような搬送物の搬送途中でのサスペンションの沈み込みに対する対策とは異なる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−227948号公報
【特許文献2】特開平08−151131号公報
【特許文献3】特開平07−2367号公報
【特許文献4】特開平07−2368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上より、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、搬送物が重量物であっても、その重量搬送物をトラック荷台に自動的に短時間で積込むことができる簡易且つ安価な構造の搬送物積込装置及びこれを用いる搬送物積込方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記目的に加えて、搬送物の搬送途中でトラックのサスペンションの沈み込みが発生しても、その重量搬送物をトラック荷台に円滑且つ確実に積込むことができる搬送物積込装置及びこれを用いる搬送物積込方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の通りである。
1. トラック荷台に搬送物を積載したパレットを積込む搬送物積込装置において、
支持台と、
前記支持台を昇降させる支持台昇降手段と、
前記支持台に水平方向に移動自在に支持され、且つ、前記パレットを水平方向に移動自在に支持するパレット支持手段と、
前記パレット支持手段に支持された前記パレットを水平方向に移動させるパレット移動手段と、
前記支持台に支持された前記パレット支持手段を水平方向に変位させる変位手段と、
前記パレット支持手段の前方側に設けられ、且つ、該パレット支持手段を、前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除して降下させ得る荷台側高さ調整手段と、を備え、
前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させ、その状態で、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させると共に、
前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して降下させ前記パレットを前記トラック荷台上に接地させて該パレット支持手段による該パレットの支持を解除するようにしたことを特徴とする搬送物積込装置。
2. 前記パレット支持手段に支持された前記パレットを水平移動させる際に、該パレット支持手段を水平姿勢となるように調整する水平姿勢調整手段を更に備える上記1.記載の搬送物積込装置。
3. 前記水平姿勢調整手段が、前記パレット支持手段の傾斜を検出するための検出センサと、該検出センサの検出結果に応じて前記支持台昇降手段を制御して前記支持台を降下させる制御手段と、を有する上記2.記載の搬送物積込装置。
4. 前記荷台側高さ調整手段が、前記トラック荷台の床面に向かって出没するピストンロッドを有する駆動シリンダである上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
5. 前記パレットが、パレット本体と、該パレット本体の上側に設けられ且つ前記搬送物を載置支持する載置部と、該パレット本体の下側に設けられ且つ床面に接地する脚体部と、を備え、該パレット本体の下側には、下方及び水平方向が開放され且つ前記パレット支持手段が入り込み得る下部開放空間が形成されている上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
6. 前記パレット支持手段がローラコンベアである上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
7. 前記パレット移動手段が、前記パレット支持手段に設けられる駆動源と、該駆動源の動力を、前記パレットを移動させるように該パレット支持手段に伝達する動力伝達機構と、を有する上記1.乃至6.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
8. 前記変位手段が、前記支持台に設けられる駆動源と、該駆動源の動力を、前記パレット支持手段を変位させるように該パレット支持手段に伝達する動力伝達手段と、を有する上記1.乃至7.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
9. 前記支持台が、前記パレット支持手段に設けられた被案内部を案内する案内部を有する上記1.乃至8.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
10. 前記支持台が、前記パレットに設けられたパレット被案内部を案内するパレット案内部を有する上記1.乃至9.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
11. 前記支持台が、ステージと該ステージに隣接する前記トラック荷台との間に設けられ、前記変位手段が、前記支持台に支持された前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の後方側が前記ステージの上方に位置するステージ寄り位置(B)と、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置する荷台寄り位置(A)との間で水平方向に変位させる上記1.乃至10.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
12 前記ステージ上に設けられ、且つ、前記パレット支持手段を、所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除し得るステージ側高さ調整手段を更に備える上記11.記載の搬送物積込装置。
13. 前記搬送物がコイル状搬送物である上記1.乃至12.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
14. 上記1.乃至13.のいずれか一項に記載の搬送物積込装置を用いて、トラック荷台に搬送物を積載したパレットを積込む搬送物積込方法であって、
先ず、前記パレットを前記パレット支持手段の後方側に支持させ、
次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、
次いで、前記パレット移動手段による前記パレットの水平移動を停止させた状態で、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置するように水平方向に変位させて、該パレットを該パレット支持手段の後方側に支持させ、
その後、前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させ、
次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、
次いで、前記支持台及び前記高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して降下させて前記パレットを前記トラック荷台上に接地させて該パレット支持手段による前記パレットの支持を解除し、
その後、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方から退避するように水平方向に変位させることを特徴とする搬送物積込方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の搬送物積込装置によると、支持台及び高さ調整手段によって、パレット支持手段が前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持され、その状態で、パレット移動手段によって、パレットが、このパレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動される。そして、パレットの水平移動を停止させた状態で、支持台の降下動作及び高さ調整手段によって、パレット支持手段がトラック荷台に対して降下されパレットがトラック荷台上に接地されてパレット支持手段によるパレットの支持が解除される。その結果、搬送物が重量物であっても、その重量搬送物をトラック荷台に自動的に短時間で積込むことができる。
また、水平姿勢調整手段を更に備える場合は、パレットを移動させる際、トラックのサスペンションの沈み込みが発生しても、パレット支持手段の傾斜に応じて支持台昇降手段が制御されて支持台が降下されてパレット支持手段が水平姿勢に調整される。これにより、搬送物をトラック荷台に円滑且つ確実に積込むことができる。
また、前記水平姿勢調整手段が、検出センサと、制御手段と、を有する場合は、より簡易な制御によって水平姿勢を保持させることができる。
また、前記荷台側高さ調整手段が駆動シリンダである場合は、支持台及び駆動シリンダの伸長動作によって、パレット支持手段が所定の高さレベルに保持される一方、支持台の降下動作及び駆動シリンダの短縮動作によって、パレット支持手段がトラック荷台に対して降下される。これにより、簡易且つ安価な構成の駆動シリンダによって、パレット支持手段を所定の高さレベルにより確実に保持・解除させることができる。
また、前記パレットが、パレット本体と、載置部と、脚体部と、を備え、該パレット本体の下側には下部開放空間が形成されている場合は、軽量且つ高強度のパレットを用いて、搬送物をトラック荷台に積込むことができる。
また、前記パレット支持手段がローラコンベアである場合は、パレットをより円滑に水平移動させることができる。
また、前記パレット移動手段が、駆動源と、動力伝達機構と、を有する場合は、パレットをより確実に水平移動させることができる。
また、前記変位手段が、駆動源と、動力伝達手段と、を有する場合は、パレット支持手段をより確実に水平移動させることができる。
また、前記支持台が、案内部を有する場合は、直進性を保ってパレット支持手段を水平移動させることができる。
また、前記支持台が、パレット案内部を有する場合は、直進性を保ってパレットを水平移動させることができる。
また、前記支持台が、ステージと該ステージに隣接する前記トラック荷台との間に設けられている場合は、パレット支持手段がステージ寄り位置と荷台寄り位置との間で水平方向に変位され、積込作業をより効率良く実施できる。
また、ステージ側高さ調整手段を更に備える場合は、パレット支持手段の後方側が所定の高さレベルに保持・解除され、パレット支持手段によって重量搬送物をより確実に移送させ得る。
また、前記搬送物がコイル状搬送物である場合は、鉄鋼製コイル材等のコイル状の重量搬送物をトラック荷台により確実に積込むことができる。
本発明の搬送物積込方法によると、支持台及び高さ調整手段によって、パレット支持手段が前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持され、その状態で、パレット移動手段によって、パレットが、このパレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動される。そして、パレットの水平移動を停止させた状態で、支持台の降下動作及び高さ調整手段によって、パレット支持手段がトラック荷台に対して降下されパレットがトラック荷台上に接地されてパレット支持手段によるパレットの支持が解除される。その結果、搬送物が重量物であっても、その重量搬送物をトラック荷台に自動的に短時間で積込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
1.搬送物積込装置
本実施形態に係る搬送物積込装置は、トラック荷台に搬送物を積載したパレットを積込むものである。
【0011】
上記「トラック」は、荷台を有する限り、その種類、大きさ等は特に問わない。この荷台の平面形状、大きさ、床面高さ等は特に問わない。また、この荷台としては、例えば、平型、ウィング型、箱型、幌型、カーテン型、特殊型等を挙げることができる。
【0012】
上記「搬送物」の種類、大きさ、重量等は特に問わない。この搬送物としては、例えば、コイル状製品、板状製品、塊状製品、棒状製品等を挙げることができる。これらの製品の材質としては、例えば、鋼材、ステンレス鋼材、アルミニウム材、プラスチック材、ガラス材、石材、木材等を挙げることができる。また、この搬送物の重量として、例えば、100kg〜20ton程度が挙げられる。さらに、この搬送物の種類としては、例えば、自動車部品、各種機械部品、各種電気製品、墓石、各種雑貨等を挙げることができる。
【0013】
上記「パレット」は、搬送物を積載した状態で上記トラック荷台に積込可能である限り、その構造、大きさ、材質等は特に問わない。
上記パレットは、例えば、パレット本体と、該パレット本体の上側に設けられ且つ前記搬送物を載置支持する載置部と、該パレット本体の下側に設けられ且つ床面に接地する脚体部と、を備え、該パレット本体の下側には、下方及び水平方向が開放され且つ後述するパレット支持手段が入り込み得る下部開放空間が形成されていることができる。
なお、上記「水平方向」とは、水平積込方向を意味する。これは、以下の説明においても同様に適用されるものとする。
【0014】
上記パレット本体は、例えば、箱状又は平板状に形成されていてもよいが、軽量且つ高強度であるといった観点から、複数の長尺状基材を枠組みしてなることが好ましい。また、上記載置部は、例えば、コイル状搬送物をその外周面に接して支持可能な互いに対向した一対の支持部材を有することができる。外径の異なる複数種のコイル状搬送物に対応して支持し得るといった観点から、上記一対の支持部材が複数組設けられていることが好ましい。この場合、一の組における一対の支持部材の間隔及び高さ位置が、他の組における一対の支持部材対の間隔及び高さ位置と異なる値に設定されていることが好ましい。また、軸方向長さの異なる複数種のコイル状搬送物に対応して支持し得るといった観点から、上記支持部材が長尺状であることが好ましい。また、上記脚体部は、例えば、複数の長尺状基材を所定間隔で並設してなることができる。また、上記下部開放空間は、例えば、主に後述のパレット支持手段を挿入するための空間として使用されるが、その他の任意の用途に対して用いたりすることができる。
【0015】
また、上記パレットは、例えば、後述する支持台に設けられたパレット案内部に案内されるパレット被被案内部を有することができる。このパレット被案内部としては、例えば、水平方向に沿って延びる被案内面、水平方向に沿って複数設けられる転動部材(案内ローラ、ボール等)等を挙げることができる。これらのうち被案内面であることが好ましい。特に、この被案内面が上記脚体部の側面に形成されていることが好ましい。
【0016】
上記「搬送物積込装置」は、以下に述べる支持台、支持台昇降手段、パレット支持手段、パレット移動手段、変位手段、及び荷台側高さ調整手段を備えて構成される。この搬送物積込装置は、例えば、後述する水平姿勢調整手段、及びステージ側高さ調整手段のうちの1種又は2種以上を組み合わせて備えることができる。
【0017】
上記「支持台」の構成、形状、個数等は特に問わない。この支持台は、例えば、後述のパレット支持手段に設けられた被案内部を水平方向に案内する案内部を有することができる。この案内部としては、例えば、水平方向に沿って延びる案内面、水平方向に沿って複数設けられる転動部材(案内ローラ、ボール等)等を挙げることができる。これらのうち案内面であることが好ましい。また、この支持台は、例えば、上述のパレットに設けられた上記パレット被案内部を水平方向に案内するパレット案内部を有することができる。このパレット案内部としては、例えば、水平方向に沿って延びる案内面、水平方向に沿って複数設けられる転動部材(案内ローラ、ボール等)等を挙げることができる。これらのうち転動部材であることが好ましい。
【0018】
上記「支持台昇降手段」は、上記支持台を昇降させ得る限り、その構成、昇降形態等は特に問わない。この支持台昇降手段としては、例えば、リンク機構、ジャッキ機構、ボールネジ機構等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらのうち、適宜駆動源(駆動モータ、シリンダ、ポンプ等)により駆動される上記リンク機構であることが好ましい。
【0019】
上記「パレット支持手段」は、上記支持台に水平方向に移動自在に支持され、且つ、上記パレットを水平方向に移動自在に支持し得る限り、その構造、支持形態等は特に問わない。このパレット支持手段としては、例えば、各種コンベア、パレットを摺動させる摺動面を有する形態、パレットを空気浮上させて支持する形態等を挙げることができる。上記各種コンベアとしては、例えば、ローラコンベア、ボールコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベア等を挙げることができる。これらのうちローラコンベアであることが好ましい。
【0020】
上記「パレット移動手段」は、上記パレット支持手段に支持されたパレットを水平方向に移動させ得る限り、その構造、移動形態等は特に問わない。このパレット移動手段は、例えば、上記パレット支持手段に支持されたパレット及び/又は搬送物に外力を与えて移動させる外力付与手段(例えば、プッシュ機構、プル機構等)であることができる。より確実にパレットを移動させ得るといった観点から、上記パレット移動手段が、パレット支持手段に設けられる駆動源と、この駆動源の動力を、パレットを移動させるようにパレット支持手段に伝達する動力伝達機構と、を有することが好ましい。この駆動源としては、例えば、駆動モータ、シリンダ、ポンプ等を挙げることができる。また、上記動力伝達機構としては、例えば、チェーン式、リンク式、ギヤ式等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0021】
上記「変位手段」は、上記支持台に支持された上記パレット支持手段を水平方向に変位させ得る限り、その構造、変位形態等は特に問わない。この変位手段は、例えば、上記支持台に支持された上記パレット支持手段に外力を与えて変位させる外力付与手段(例えば、プッシュ機構、プル機構等)であることができる。より確実にパレットを移動させ得るといった観点から、上記変位手段が、上記支持台に設けられる駆動源と、この駆動源の動力を、上記パレット支持手段を変位させるようにパレット支持手段に伝達する動力伝達手段と、を有することが好ましい。この駆動源としては、例えば、駆動モータ、シリンダ、ポンプ等を挙げることができる。また、上記動力伝達機構としては、例えば、チェーン式、リンク式、ギヤ式等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0022】
ここで、上記変位手段は、例えば、上記パレット移動手段によるパレットの水平移動を停止させた状態で、パレット支持手段を、その前方側がトラック荷台の上方に位置するように水平方向に変位させてパレットをパレット支持手段の後方側に支持させることができる。
なお、上記「パレット支持手段の前方側」とは、パレット支持手段の水平方向の積込端側の部位を意味し、上記「パレット支持手段の後方側」とは、パレット支持手段の水平方向の反積込端側の部位を意味する。これは以下の説明においても同様に適用されるものとする。
【0023】
上記「荷台側高さ調整手段」は、上記パレット支持手段の前方側(好ましくは前端側)に設けられ、且つ、パレット支持手段の前方側を、トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除して降下させ得る限り、その構造、高さ調整形態等は特に問わない。この荷台側高さ調整手段としては、例えば、リンク機構、ジャッキ機構、ボールネジ機構等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。より簡易且つ安価に構成できるといった観点から、この荷台側高さ調整手段が、トラック荷台の床面に向かって出没するピストンロッドを有する駆動シリンダであることが好ましい。特に、より安定的にパレット支持手段を昇降させ得るといった観点から、上記ピストンロッドが、水平方向と直交する方向(パレット支持手段の左右幅方向)に沿って複数設けられていることが好ましい。
【0024】
ここで、上記支持台は、例えば、ステージと、このステージに隣接するトラック荷台との間に設けられ、上記変位手段は、例えば、上記支持台に支持された上記パレット支持手段を、このパレット支持手段の後方側がステージの上方に位置するステージ寄り位置Bと、パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置する荷台寄り位置Aとの間で水平方向に変位させることができる(図4参照)。このステージは、通常、トラック荷台と実質的に同じ高さレベルの床面を有している。
【0025】
上記「水平姿勢調整手段」は、上記パレット支持手段に支持されたパレットを水平移動させる際に、パレット支持手段を水平姿勢となるように調整し得る限り、その構造、調整形態等は特に問わない。この水平姿勢調整手段としては、例えば、(1)上記パレット支持手段の傾斜を検出するための検出センサと、この検出センサの検出結果に応じて上記支持台昇降手段を制御して上記支持台を降下させる制御手段と、を有する形態、(2)上記パレット支持手段の傾斜を検出するための検出センサと、この検出センサの検出結果に応じて上記荷台側高さ調整手段を制御してパレット支持手段の前方側を上昇させる制御手段と、を有する形態、(3)積込予定の搬送物の重量等が予め入力され、且つ、その入力値に基づいて上記支持台を降下、又は上記パレット支持手段の前方側を上昇させる制御手段を有する形態等を挙げることができる。
【0026】
上記「ステージ側高さ調整手段」は、上記ステージ上に設けられ、且つ、上記パレット支持手段の後方側を、所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除し得る手段である限り、その構造、高さ調整形態等は特に問わない。このステージ側高さ調整手段としては、例えば、リンク機構、ジャッキ機構、ボールネジ機構等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、このステージ側高さ調整手段は、例えば、上記パレット支持手段及びステージの間に位置する支持位置と、パレット支持手段及びステージの間から退避した退避位置との間で移動可能に設けられる保持部材を有することができる。
【0027】
2.搬送物積込方法
本実施形態に係る搬送物積込方法は、上述の搬送物積込装置を用いて、上記トラック荷台に上記搬送物を積載した上記パレットを積込むものである。
上記搬送物積込装置は、先ず、前記パレットを前記パレット支持手段の後方側に支持させ、次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、次いで、前記パレット移動手段による前記パレットの水平移動を停止させた状態で、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置するように水平方向に変位させて、該パレットを該パレット支持手段の後方側に支持させ、その後、前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させ、次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、次いで、前記支持台及び前記高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を降下させて該パレット支持手段による前記パレットの支持を解除して、該パレットを前記トラック荷台上に載置し、その後、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方から退避するように水平方向に変位させることを特徴とする。
上記搬送物積込方法は、例えば、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させる際に、上記水平姿勢調整手段によって、該パレット支持手段を水平姿勢となるように調整することができる。
【実施例】
【0028】
以下、図面に基づいて実施例により本発明を具体的に説明する。
尚、本実施例では、本発明に係る「搬送物積込装置」をコイル材の加工センターで用いる形態について説明する。
【0029】
(1)搬送物積込システムの構成
本実施例に係る搬送物積込システムSは、図1及び2に示すように、搬送物積込装置1と、所定の積込位置Lに停車されるトラック荷台2の高さと略同じ床面高さを有するステージ3と、このステージ3上に搬送物積込装置1に隣接して設けられるパレット移送部4と、このステージ3上方に設けられるライン用クレーン5及び集荷用クレーン6と、を備えて構成されている。上記ライン用クレーン5は、無線運転され、生産ライン50から得られるコイル材Cを製品ストアー51まで移送するためのクレーンである。また、上記集荷用クレーン6は、搭乗作業員により運転され、製品ストアー51に保管されるコイル材Cを所定の集荷場所(パレット移送部4)まで移送するためのクレーンである。
【0030】
上記パレット移送部4は、図2に示すように、コイル材Cを積載したパレットP(以下、単にコイル材積載パレットPとも記載する。)を水平方向に移動させ得る複数の可動移送具4aと、これら各可動移送具4aを水平方向と直交する方向に移送するための移送レール4bと、搬送物積込装置1に連絡し且つコイル材積載パレットPを水平方向に移動させ得る固定移送具4cと、を有している。
【0031】
(2)搬送物積込装置の構成
上記搬送物積込装置1は、図3〜5に示すように、支持台7及びローラコンベア8(本発明に係る「パレット支持手段」として例示する。)を備えて構成されている。
上記支持台7は、ステージ3と、所定の積込位置Lのトラック荷台2との間に設けられている。この支持台7の下面側には、油圧シリンダ等(図示せず)により伸縮駆動されるクロスリンク機構10(本発明に係る「支持台昇降手段」として例示する。)が設けられ、支持台7が昇降可能とされている。この支持台7の上面側には左右縁部に、上方に立ち上がる複数の立上げ片11が設けられている。これら立上げ片11の上端面には、縦断面略コ字状の左右の案内レール12が固定されている。各案内レール12の内側の底面が案内面12a(本発明に係る「案内部」として例示する。)をなしている。また、上記立上げ片11には、平面略コ字状の左右のガイド片13が設けられている。これら各ガイド片13には、水平方向に沿って所定間隔で複数のパレット案内ローラ14(本発明に係る「パレット案内部」として例示する。)が垂直軸周りに回転自在に支持されている。
【0032】
上記ローラコンベア8は、複数の長尺状基材16aを枠組みしてなる支持フレーム16と、この支持フレーム16に水平方向と直交する方向に回転自在に支持された複数のローラ17と、を有している。上記支持フレーム16の左右の外側面には、水平方向に沿って所定間隔で複数の案内ローラ18(本発明に係る「被案内部」として例示する。)が水平軸周りに回転自在に支持されている。これら各案内ローラ18は、上述の案内レール12の案内面12aに案内され、ローラコンベア8は、支持台7に水平移動自在に支持されている。また、上記ローラコンベア8の各ローラ17によって、コイル材積載パレットPが水平移動自在に支持される。
【0033】
上記ローラコンベア8の支持フレーム16の下面側には、駆動モータ19(本発明に係る「駆動源」として例示する。)が固定されている。この駆動モータ19の動力は、上記複数のローラ17にチェーン機構20(本発明に係る「動力伝達機構」として例示する。)を介して伝達される。従って、駆動モータ19の作用で積極回転する複数のローラ17によって、これら各ローラ17に支持されたコイル材積載パレットPが水平移動されるようになっている。
ここで、上記駆動モータ19及びチェーン機構20等によって、本発明に係る「パレット移動手段」が構成されていると言える。
【0034】
上記支持台7の上面中央部には、水平方向に伸縮する駆動シリンダ22(本発明に係る「駆動源」として例示する。)が設けられると共に、駆動シリンダ22とは反対方向に向って伸縮する左右一対の補助シリンダ23(本発明に係る「駆動源」として例示する。)が固定されている。上記駆動シリンダ22の後端側に取着された支持板24には、各補助シリンダ23のピストンロッド23a先端部が固定されている。また、駆動シリンダ22のピストンロッド22a先端部に設けられたピニオン25が、ローラコンベア8の下面中央部に形成されたラック26に噛合わされている。従って、駆動シリンダ22及び補助シリンダ23を伸縮駆動させると、ラック26及びピニオン25の係合によって、ローラコンベア8が水平方向に変位されるようになっている。なお、ローラコンベア8の変位量は、ローラコンベア8が、その前方側が積込位置Lのトラック荷台2の上方に位置する荷台寄り位置A(図4中に仮想線で示す。)と、その後端側がステージ3の先端部の上方に位置するステージ寄り位置B(図4中に実線で示す。)との間で変位し得るように設定されている。
ここで、上記ラック26及びピニオン25によって、本発明に係る「動力伝達機構」が構成されていると言える。また、上記駆動シリンダ22、補助シリンダ23、ラック26、及びピニオン25等によって、本発明に係る「変位手段」が構成されていると言える。
【0035】
上記ローラコンベア8の先端部には、下方に向ってピストンロッド28aを出没可能な駆動シリンダ28(本発明に係る「荷台側高さ調整手段」として例示する。)が複数(図3中4つ)設けられている。そして、ローラコンベア8が荷台寄り位置Aに位置する際、図7に示すように、各駆動シリンダ28のピストンロッド28aを伸長させると、そのピストンロッド28aの先端部がトラック荷台2に当接して、トラック荷台2の床面に対してローラコンベア8が所定の高さレベルに保持される。このとき、このローラコンベア8上に支持されたコイル材積載パレットPはトラック荷台2上から浮上している。また、図8に示すように、各駆動シリンダ28のピストンロッド28aを短縮させると、ローラコンベア8がトラック荷台2に対して降下され、このローラコンベア8上に支持されたコイル材積載パレットPがトラック荷台2上に接地するようになっている。
【0036】
上記支持台7の先端側の立上げ片11には、図4及び5に示すように、前方に延びる取付板30を介してリミットスイッチ31(本発明に係る「検知センサ」として例示する。)が取着されている。このリミットスイッチ31は、荷台寄り位置Aのローラコンベア8が水平から傾斜した際に、ローラコンベア8の支持フレーム16と接触してその傾きを検出し得るようになっている。また、このリミットスイッチ31は、上記支持台7を昇降させるクロスリンク機構10を駆動制御する制御手段(図示せず)に接続されている。この制御手段は、リミットスイッチ31からの検出信号が入力されると、クロスリンク機構10を制御して支持台7を所定高さ降下させて、ローラコンベア8を水平姿勢となるように調整するようになっている。なお、上記制御手段は、上記クロスリンク機構10以外に、駆動モータ19、駆動シリンダ22、補助シリンダ23、駆動シリンダ28等の駆動制御を司るものである。
ここで、上記リミットスイッチ31及び制御手段等によって、本発明に係る「水平姿勢調整手段」が構成されていると言える。
【0037】
上記ステージ3上には、図3及び4に示すように、上記左右の案内レール12のそれぞれの外方に、水平方向に沿って所定間隔で複数(図中4つ)の略へ字状の旋回部材33の中心部が垂直軸周りに旋回自在に支持されている。これらの旋回部材33の他端側には、ステージ3と各案内レール12との間に入り込んで、ステージ3の床面に対してローラコンベア8を所定の高さレベルに保持し得る棒状の保持部材34が固定されている。また、各旋回部材33の一端側は、水平方向に延びる連結棒35に軸支されている。この連結棒35の一端側には、駆動シリンダ36のピストンロッド36aに軸支されている。従って、駆動シリンダ36の作動によって、旋回部材33を旋回させて、保持部材34を、ステージ3と各案内レール12との間に入り込んだ保持位置(図3中に実線で示す。)と、両者の間から退避した退避位置(図3中に仮想線で示す。)との間で変位させ得るようになっている。
ここで、上記旋回部材33、保持部材34、連結棒35及び駆動シリンダ36等によって、本発明に係る「ステージ側高さ調整手段」が構成されていると言える。
【0038】
次に、パレットPの構成について説明する。本実施例に係るパレットPは、図6に示すように、複数の長尺状基材38aを枠組みしてなるパレット本体38を有している。このパレット本体38の上面側には、コイル材Cを載置支持する載置部39が設けられている。この載置部39は、コイル材Cをその外周面に接して支持し得るように互いに対向した左右一対の支持部材40a,40b及び左右一対の支持部材41a,41bからなる。一方の支持部材40a,40bの高さ位置は、他方の支持部材41a,41bの高さ位置より高い値に設定されている。また、一方の支持部材40a,40bの対向間隔は、他方の支持部材40a,40bの対向間隔より大きな値に設定されている。これにより、様々な形状(外径、軸心長さ等)のコイル材Cを載置部39に載置支持し得るようになっている(図4参照)。
【0039】
また、上記パレット本体38の下面側には、複数(図中2本)の長尺状基材42aを所定間隔で並設してなり床面に接地する脚体部42が設けられている。この脚体部42の外側面が、上記パレット案内ローラ14によって水平案内されるパレット案内面43(本発明に係る「パレット被案内部」として例示する。)をなしている。また、上記パレット本体38の下面側には、下方及び水平方向が開放され且つ上記ローラコンベア8が入り込み得る下部開放空間44が形成されている。
【0040】
(3)搬送物積込装置の作用
次に、上記構成の搬送物積込装置1の積込作用について説明する。
先ず、図9に示すように、準備状態として、所定の積込位置Lにトラックが停止している。また、ローラコンベア8は、ステージ寄り位置Bに位置しており、このローラコンベア8の後方側にはコイル材積載パレットPが支持される。また、このローラコンベア8は、支持台7及び保持部材34により所定高さレベルに支持されている。
【0041】
次に、図10に示すように、駆動モータ19の作動によりローラコンベア8を駆動させると、コイル材積載パレットPが、ローラコンベア8の後方側から前方側に向って移動されてローラコンベア8の前方側に支持される。
【0042】
次いで、図11に示すように、駆動モータ19の作動停止によりローラコンベア8を駆動停止させた状態で、駆動シリンダ22及び補助シリンダ23の作動によって、ローラコンベア8が荷台寄り位置Aまで水平移動される。この水平移動が完了した際、コイル材積載パレットPはローラコンベア8の後方側に支持されている。その後、駆動シリンダ28を駆動させてピストンロッド28a先端部をトラック荷台2に当接させると、ローラコンベア8が所定の高さレベルに保持される。
【0043】
次に、図12に示すように、駆動モータ19の作動によりローラコンベア8を駆動させると、コイル材積載パレットPが、ローラコンベア8の後方側から前方側に向って移動される。このパレット移動中に、トラックのサスペンションの沈み込みが発生すると、ローラコンベア8が水平状態から傾斜することとなるが、この傾斜がリミットスイッチ31(図4参照)により検出される。すると、その検出に応じて、クロスリンク機構10を駆動して、ローラコンベア8が水平姿勢となるように支持台7が所定高さ分だけ降下され、ローラコンベア8が水平姿勢とされる。
【0044】
次いで、図13に示すように、クロスリンク機構10を駆動して支持台7を降下させると共に、駆動シリンダ28のピストンロッド28aを短縮させると、ローラコンベア8がトラック荷台2に対して降下され、コイル材積載パレットPがトラック荷台2に接地される。これにより、ローラコンベア8によるコイル材積載パレットPの支持が解除されることとなる(図8参照)。
【0045】
その後、図14に示すように、駆動シリンダ22及び補助シリンダ23の作動によって、ローラコンベア8がステージ寄り位置Bまで水平移動される。次に、図15に示すように、クロスリンク機構10を駆動させて支持台7を上昇させると共に、駆動シリンダ36の作動により保持部材34をローラコンベア8の下方に位置させ、ローラコンベア8が元(準備状態)の高さレベルで水平支持される。
その後、必要に応じて、上述の作用を繰返し行って、トラック荷台2への一連の積込作業が終了されることとなる。
【0046】
(4)実施例の効果
以上より、本実施例では、支持台7及びローラコンベア8を用いて、コイル材積載パレットPをトラック荷台2に積み込むようにしたので、従来のように搭乗式クレーンを用いて積込作業を行うものに比べて、作業員数を低減できると共に、作業時間を極めて短縮できる。なお、トラックが到着してから集荷された5〜10個のコイル材を積込作業が完了して出発するまでの作業時間を、従来1時間かかっていたものを約30分とすることができた。また、パレットPを用いて積込作業を行っているので、コイル材を積載したパレットPを積込順序毎に予め用意しておくことができ、積込荷や仕分けの間違いを防止することができる。
【0047】
また、本実施例では、ローラコンベア8の先端側にトラック荷台2に向って出没する駆動シリンダ28を設けたので、支持台7及び駆動シリンダ28の伸長動作によって、ローラコンベア8をトラック荷台2に対して所定の高さレベルに保持させ、その状態で、コイル材積載パレットPを、ローラコンベア8の後方側から前方側に向かって移動させると共に、コイル材積載パレットPの水平移動を停止させた状態で、支持台7の降下動作及び駆動シリンダ28の短縮動作によって、ローラコンベア8をトラック荷台2に対して降下させコイル材積載パレットPをトラック荷台2上に接地させてローラコンベア8によるコイル材積載パレットPの支持を解除することができる。その結果、従来のように、コンベア駆動により搬送物をトラック荷台上に送り出すものに比べて、衝撃や荷崩れ等を抑制してコイル材積載パレット(重量搬送物)をトラック荷台に短時間で確実に積み込むことができる。
【0048】
また、本実施例では、ローラコンベア8上でコイル材積載パレットPを水平移動させる際、このローラコンベア8の傾斜をリミットスイッチ31で検出し、その検出信号に基づいて、支持台7を降下させてローラコンベア8を水平姿勢となるように調整するようにしたので、コイル材積載パレットPの水平移動時にトラックのサスペンションの沈み込みが発生しても、コイル材積載パレットP(重量搬送物)をトラック荷台2に円滑且つ確実に積み込むことができる。
【0049】
また、本実施例では、パレットPに形成されたパレット案内面43を、支持台7に設けたパレット案内ローラ14で水平案内させるようにしたので、直進性を保ってパレットPを水平移動させることができる。
また、本実施例では、ローラコンベア8に設けた案内ローラ18を、支持台7に設けられた案内レール12の案内面12aで水平案内させるようにしたので、直進性を保ってローラコンベア8を水平移動させることができる。
【0050】
また、本実施例では、支持台7を、ステージ3と所定の積込位置Lのトラック荷台2との間に設け、ローラコンベア8を荷台寄り位置Aとステージ寄り位置Bとの間で水平変位させるようにしたので、コイル材Cを、生産ライン50から製品ストアー51や所定の集荷場所52まで効率良く移送させることができると共に、搬送物積込装置1からトラック荷台2へ効率良く積込むことができる。
また、本実施例では、ステージ3上に、保持位置と退避位置との間で変位可能な保持部材34を設けたので、ローラコンベア8の後方側が所定の高さレベルに保持・解除され、ローラコンベア8でコイル材Cをより確実に移送させることができる。
【0051】
尚、本発明においては、前記実施例に限られず、目的、用途に基づいて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、トラックのサスペンションの沈み込みに応じてローラコンベア8の水平姿勢を調整するためのリミットスイッチ31及び制御手段を備えて構成したが、これに限定されず、例えば、比較的軽量な搬送物のみを積み込む場合、即ち、トラックのサスペンションの沈み込みが発生しない場合には、上記リミットスイッチ及び制御手段を取り除いて構成してもよい。
また、本実施例では、検出センサとして、リミットスイッチを例示したが、これに限定されず、例えば、近接スイッチや傾斜センサ等で構成してもよい。
また、本実施例では、ローラコンベア8に案内ローラ18を設けると共に、支持台7に案内ローラ18を水平案内する案内レール12を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ローラコンベアに案内レールを設けると共に、支持台にこの案内レールを水平案内する案内ローラを設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
トラック荷台に搬送物を積み込む技術として利用される。特に、コイル状の重量搬送物の積込技術として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施例に係る搬送物積込システムを説明するための説明図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】本実施例に係る搬送物積込装置の平面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図3のV矢視図である。
【図6】パレットの斜視図である。
【図7】パレットがトラック荷台から浮上した状態を説明するための説明図である。
【図8】パレットがトラック荷台に接地した状態を説明するための説明図である。
【図9】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図10】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図11】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図12】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図13】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図14】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図15】本実施例に係る積込作用を説明するための説明図である。
【図16】従来の搬送物積込システムを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1;搬送物積込装置、2;トラック荷台、3;ステージ、7;支持台、8;ローラコンベア、10;クロスリンク機構、12;案内レール、12a;案内面、14;パレット案内ローラ、17;ローラ、18;案内ローラ、19;駆動モータ、20;チェーン機構、22;駆動シリンダ、23;補助シリンダ、25;ピニオン、26;ラック、28;駆動シリンダ、31;リミットスイッチ、34;保持部材、38;パレット本体、39;載置部、42;脚体部、43;パレット案内面、44;下部開放空間、A;荷台寄り位置、B;ステージ寄り位置、C;コイル材、L;所定の積込位置、P;パレット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック荷台に搬送物を積載したパレットを積込む搬送物積込装置において、
支持台と、
前記支持台を昇降させる支持台昇降手段と、
前記支持台に水平方向に移動自在に支持され、且つ、前記パレットを水平方向に移動自在に支持するパレット支持手段と、
前記パレット支持手段に支持された前記パレットを水平方向に移動させるパレット移動手段と、
前記支持台に支持された前記パレット支持手段を水平方向に変位させる変位手段と、
前記パレット支持手段の前方側に設けられ、且つ、該パレット支持手段を、前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除して降下させ得る荷台側高さ調整手段と、を備え、
前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させ、その状態で、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させると共に、
前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して降下させ前記パレットを前記トラック荷台上に接地させて該パレット支持手段による該パレットの支持を解除するようにしたことを特徴とする搬送物積込装置。
【請求項2】
前記パレット支持手段に支持された前記パレットを水平移動させる際に、該パレット支持手段を水平姿勢となるように調整する水平姿勢調整手段を更に備える請求項1記載の搬送物積込装置。
【請求項3】
前記水平姿勢調整手段が、前記パレット支持手段の傾斜を検出するための検出センサと、該検出センサの検出結果に応じて前記支持台昇降手段を制御して前記支持台を降下させる制御手段と、を有する請求項2記載の搬送物積込装置。
【請求項4】
前記荷台側高さ調整手段が、前記トラック荷台の床面に向かって出没するピストンロッドを有する駆動シリンダである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項5】
前記パレットが、パレット本体と、該パレット本体の上側に設けられ且つ前記搬送物を載置支持する載置部と、該パレット本体の下側に設けられ且つ床面に接地する脚体部と、を備え、該パレット本体の下側には、下方及び水平方向が開放され且つ前記パレット支持手段が入り込み得る下部開放空間が形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項6】
前記パレット支持手段がローラコンベアである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項7】
前記パレット移動手段が、前記パレット支持手段に設けられる駆動源と、該駆動源の動力を、前記パレットを移動させるように該パレット支持手段に伝達する動力伝達機構と、を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項8】
前記変位手段が、前記支持台に設けられる駆動源と、該駆動源の動力を、前記パレット支持手段を変位させるように該パレット支持手段に伝達する動力伝達手段と、を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項9】
前記支持台が、前記パレット支持手段に設けられた被案内部を案内する案内部を有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項10】
前記支持台が、前記パレットに設けられたパレット被案内部を案内するパレット案内部を有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項11】
前記支持台が、ステージと該ステージに隣接する前記トラック荷台との間に設けられ、前記変位手段が、前記支持台に支持された前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の後方側が前記ステージの上方に位置するステージ寄り位置(B)と、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置する荷台寄り位置(A)との間で水平方向に変位させる請求項1乃至10のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項12】
前記ステージ上に設けられ、且つ、前記パレット支持手段を、所定の高さレベルに保持させると共にその保持を解除し得るステージ側高さ調整手段を更に備える請求項11記載の搬送物積込装置。
【請求項13】
前記搬送物がコイル状搬送物である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の搬送物積込装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の搬送物積込装置を用いて、トラック荷台に搬送物を積載したパレットを積込む搬送物積込方法であって、
先ず、前記パレットを前記パレット支持手段の後方側に支持させ、
次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、
次いで、前記パレット移動手段による前記パレットの水平移動を停止させた状態で、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方に位置するように水平方向に変位させて、該パレットを該パレット支持手段の後方側に支持させ、
その後、前記支持台及び前記荷台側高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して所定の高さレベルに保持させ、
次に、前記パレット移動手段によって、前記パレットを、該パレット支持手段の後方側から前方側に向かって移動させて該パレット支持手段の前方側に支持させ、
次いで、前記支持台及び前記高さ調整手段によって、前記パレット支持手段を前記トラック荷台に対して降下させて前記パレットを前記トラック荷台上に接地させて該パレット支持手段による前記パレットの支持を解除し、
その後、前記変位手段によって、前記パレット支持手段を、該パレット支持手段の前方側が前記トラック荷台の上方から退避するように水平方向に変位させることを特徴とする搬送物積込方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−44822(P2006−44822A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224847(P2004−224847)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(594052674)豊田スチールセンター株式会社 (14)
【Fターム(参考)】